JP2002109598A - 紙幣鑑別装置 - Google Patents

紙幣鑑別装置

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JP2002109598A
JP2002109598A JP2000302149A JP2000302149A JP2002109598A JP 2002109598 A JP2002109598 A JP 2002109598A JP 2000302149 A JP2000302149 A JP 2000302149A JP 2000302149 A JP2000302149 A JP 2000302149A JP 2002109598 A JP2002109598 A JP 2002109598A
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circuit
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JP2000302149A
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Takahiro Takigawa
貴博 瀧川
Nobuhiko Tsuji
伸彦 辻
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光ペンなどにより蛍光体を模擬した偽造券を
排除できる紙幣鑑別装置を提供する。 【解決手段】紙幣11に含まれる蛍光体Fbを励起して蛍光
を放出させる紫外線光源22と、この蛍光体Fbから発光す
る蛍光を予め定められた透過波長域 (BPF1〜BPF4) 毎に
区分して受光するセンシング部3と、紙幣検知センサ13
からの紙幣検知のタイミングaをもとに予め定められた
スキャン期間(Tj, j=1〜n)毎にセンシング部3の検出信
号(Pd1〜Pd4)を演算処理する演算処理部4と、被鑑別紙
幣11の紙幣11投入方向毎に予め定められた特定スキャン
期間(Tk)における演算処理部4で演算処理された透過波
長域(BPF1 〜BPF4) 毎の検出信号 (Pe1k〜Pe4k) 間の大
小相関データより紙幣11の真偽を判別する判別手段5
と、を備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣の真偽を判別
する紙幣鑑別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙幣11には、偽造防止のために蛍光印刷
(Fp)、または蛍光繊維(Ff)(または蛍光片)や蛍光スレ
ッド(Fs)(帯状のプラスチックに蛍光粒子を含有させた
もの)の様な蛍光体(Fb)の埋め込み、が用いられてい
る。特に、この蛍光印刷(Fp)および蛍光体(Fb)の埋め込
みの紙幣11は、欧州などの外国紙幣11に多く見られる。
そしてこの蛍光印刷(Fp)および蛍光体(Fb)は、一般にブ
ラックライトと呼ばれる波長360nm 付近に発光分布をも
つ紫外光源により可視化することができる。この様な検
出原理が既存の紙幣鑑別装置に適用されている。
【0003】蛍光繊維(Ff)は、大きさが 0.3×3mm 程度
で、紙幣材を製紙する際に含浸されるために、その分布
は、紙幣11の平面方向だけでなく、断面方向にも適正化
(表面、中層、裏面に区分にした場合、適度に各層に分
布している)されている。蛍光繊維(Ff)の蛍光強度は、
断面方向の位置で決まり、表面に近い蛍光繊維(Ff)ほど
強い。その強度区分は大まかに3つ程度に分けることが
できる。
【0004】また、蛍光スレッド(Fs)は紙幣11の短手方
向に、埋め込まれたり、紙幣11表面に蛍光スレッド(Fs)
の一部が露出するように織り込まれている。この様な蛍
光体(Fb)が発光する可視光は様々であるが、紙幣11のセ
キュリティ用として用いられる蛍光体(Fb)では青色、緑
色、赤色を発光するものが多い。従来技術による蛍光体
(Fb)の検出例を図6に、またこの蛍光体(Fb)の検出処理
タイミングを図7に図示し、以下に概要を説明する。
【0005】図6において、従来技術による紙幣鑑別装
置は、紙幣検知センサ13と,ガラス61と,紫外線ランプ
62と,結像レンズ63と,紫外線カットフィルタ64と,ラ
イン状の受光器アレイからなる撮像素子CCD 65と,を搬
送路の片側に配置して構成される蛍光検出センサ6と、
この蛍光検出センサ6で検出された信号を増幅する増幅
回路71と,コンパレータ回路(COMP)72と,計数回路(COU
NT)73 と,中央処理装置(CPU)74 と,からなる演算処理
部7と、を備えて構成することができる。
【0006】図7において、横軸に時間軸をとり、縦軸
に上から紙幣検知信号j、撮像素子CCD 65の撮像更新信
号k、この撮像素子CCD 65で検出した蛍光信号Lとこの
2値化の閾値TH1 と、2値化信号mと、この2値化信号
mを計数して蛍光計数値nとその閾値TH2 と、が図示さ
れている。以下、図6、図7を併用して説明する。かか
る構成により、移動する紙幣11を紙幣検知センサ13が検
知(信号j)すると、紫外線ランプ62より紫外線が紙幣
11に照射され、撮像素子CCD 65で撮像を開始することが
できる。この撮像は、所定のライン数n[n≧((紙幣検
知センサ13とCCD 65との距離+紙幣最大寸法)/搬送速
度)/CCD の1ライン露光時間]を取得することにより終
了することができる。
【0007】紫外線により励起された紙幣11の蛍光体(F
b)は蛍光を発し、その蛍光は結像レンズ63で、撮像素子
CCD 65の受光面に集光する。その際、紫外線カットフィ
ルタ64で紫外線の反射光を減じて、蛍光信号の耐信号雑
音比(S/N比) を向上させている。この撮像素子CCD 65で
は、蛍光体(Fb)からの蛍光強度を電気的な振幅に変換す
る。この電気信号となった蛍光信号は、増幅回路71で増
幅され(波形L)、コンパレータ回路72で閾値TH1 と比
較してパルス化(2値化:波形m)される。尚、撮像素
子CCD 65は、駆動回路75の信号(波形k)で定期的に受
光量をリセットしている。
【0008】中央処理装置74による紙幣11中の蛍光体(F
b)の有無による真偽判定は、上記した蛍光体(Fb)のパル
ス列mを計数回路73で計数し、この計数値(波形n)と
予め設定した基準値TH2 とを比較することにより真偽を
判定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術による方
法では、蛍光体の有無にて真偽判定を行っているため、
例えば、蛍光ペンなどによって蛍光体を模擬したとき、
この蛍光ペンなどの蛍光体による蛍光を検出して計数回
路73で計数するため、蛍光ペンなどで偽造された偽造券
を判別することができないという課題がある。
【0010】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、蛍光ペ
ンなどにより蛍光体を模擬した偽造券を排除できる紙幣
鑑別装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、紙幣を搬送する搬送装置と、紙
幣検知センサと、紙幣に含まれる蛍光体を励起して蛍光
を放出させる紫外線光源と, この蛍光体から発光する蛍
光を予め定められた透過波長域毎に区分して受光するセ
ンシング部と, を備えてなる蛍光検出センサと、紙幣検
知センサからの紙幣検知のタイミングをもとに予め定め
られたスキャン期間毎にセンシング部の検出信号を演算
処理する演算処理部と、被鑑別紙幣毎に、且つ、搬送装
置に紙幣を投入する方向毎に、予め定められた特定スキ
ャン期間における演算処理部で演算処理された透過波長
域毎の検出信号間の大小相関データより紙幣の真偽を判
別する判別手段と、を備えるものとする。
【0012】また、センシング部は、受光面を4分割し
それぞれの受光面への入射光を検出する受光素子と、各
受光面に配備される透過波長域が青の波長域を透過する
BPF1(400〜470)nmと、緑の波長域を透過するBPF2(470〜
530)nmと、緑から赤の短波長域側を透過するBPF3(530〜
610)nmと、赤の長波長域側を透過するBPF4(610nm〜)
と、を有する光学フィルタと、を備えることができる。
【0013】かかる構成により、同一の蛍光体からの蛍
光を透過波長域がそれぞれ異なる光学フィルタを介して
複数の受光素子で受光し、特に、この光学フィルタの透
過波長域が、蛍光体からの蛍光と蛍光ペンからの蛍光と
の発光波長域にある差異によって、受光量に差異ができ
る透過波長域幅に選定することによって、透過波長域毎
の検出信号間の大小相関データより紙幣の真偽を判別
し、蛍光ペンなどにより蛍光体を模擬した偽造券を排除
することができる。
【0014】また、演算処理部は、各透過波長域の受光
素子からの検出信号を個別に増幅する増幅回路と、この
増幅回路出力を予め定められたタイミングで積分する積
分回路と、この積分回路出力をサンプル・ホールドする
サンプル・ホールド回路(S&H回路)と、これらの S&H回
路の各検出信号を順次予め定められたタイミングで読み
出すマルチプレクサ回路(MPX)と、この MPX回路で読み
出されたアナログ信号をディジタル値に変換するアナロ
グ・ディジタル変換回路(ADC回路)と、このディジタル
信号を入力し被鑑別紙幣の真偽を判別する中央処理装置
(CPU) と、紙幣検知センサからの紙幣検知信号をもとに
中央処理装置からの制御信号によって制御され, 一定ス
キャン期間毎に積分回路、S&H 回路、 MPX回路、 ADC回
路にタイミング信号を出力するタイミングクロック発生
回路と、中央処理装置からの制御信号によって制御さ
れ, 紙幣に紫外線を照射して蛍光を放出させる光源に電
源を供給する光源駆動回路と、を備えて構成することが
できる。
【0015】また、紙幣の真偽を判別する判別手段は、
上記スキャン期間毎のタイミングでセンシング部の各透
過波長域に対応する検出信号を中央処理装置に読み込
み、中央処理装置は、被鑑別紙幣の投入方向毎に予め定
められた特定スキャン期間において、このスキャン期間
の各透過波長域BPF1,BPF2,BPF3,BPF4 に対する各検出信
号間の大小関係を比較し、この大中小比較パターンが、
予め被判別紙幣の投入方向毎に定められた "真" とする
相関データのパターンと一致したとき、当該紙幣を "
真" と判定することができる。
【0016】また、各透過波長域の検出信号間の大小比
較は、各透過波長域の検出信号毎に予め定められた上限
閾値および下限閾値と比較し、上限閾値以上を大とし,
下限閾値以下以下を小とし,この中間の検出信号を中と
して、各検出信号の大中小比較パターンを検出すること
ができる。かかる構成により、各透過波長域の検出信号
の蛍光検出感度に差異,例えば透過波長帯域幅の差異が
あっても、予めこの差異を見込んで上限閾値および下限
閾値を設定することにより安定した検出信号間の大小比
較を行うことができる。
【0017】また、各透過波長域の検出信号間の大小比
較は、各透過波長域の検出信号の内,最大の検出信号を
基準とし,この検出信号に対する他の検出信号との出力
比を演算する、あるいは、各透過波長域の検出信号の和
に対する各透過波長域の検出信号の配分比を演算し、こ
の出力比あるいは配分比の大中小より各検出信号の大中
小比較パターンを検出することができる。
【0018】また、各透過波長域の検出信号間の大小比
較は、各透過波長域の検出信号毎に、出力比あるいは配
分比を予め定められた上限閾値および下限閾値と比較
し、上限閾値以上を大とし,下限閾値以下以下を小と
し,この中間の検出信号を中として、 各検出信号の大
中小比較パターンを検出することができる。かかる構成
により、紫外線光源からの照射度の経時的変動、あるい
は、被鑑別紙幣の蛍光体のバラツキなどの変動を出力比
あるいは配分比をとることにより抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例としての
紙幣鑑別装置の蛍光検出センサの要部構成図およびこの
検出信号処理するブロック回路図、図2は検出信号の処
理タイミングを説明する説明図、図3は一実施例として
の4分割されたセンシング部の構成図、図4は各種蛍光
体の蛍光波長分布と光学フィルタの透過波長域を示す概
念図、図5は各種蛍光体からの各受光素子の出力関係を
説明する説明図であり、図6、図7に対応する同一機能
部材には同じ符号が付してある。
【0020】図1において、本発明による紙幣鑑別装置
は、紙幣11を搬送する搬送装置12と、紙幣検知センサ13
と、紙幣11に含まれる蛍光体(Fb)を励起して蛍光を放出
させる紫外線光源22と, この蛍光体(Fb)から発光する蛍
光を予め定められた透過波長域(BPF1),(BPF2),(BPF3),
(BPF4) 毎に区分して受光するセンシング部3と, を備
えてなる蛍光検出センサ2と、紙幣検知センサ13からの
紙幣検知のタイミングaをもとに予め定められたスキャ
ン期間(Tj, j=1〜n)毎にセンシング部3の検出信号(Pd1
〜Pd4)を演算処理する演算処理部4と、被鑑別紙幣11毎
に、且つ、搬送装置12に紙幣11を投入する方向毎に、予
め定められた特定スキャン期間(Tk)における演算処理部
4で演算処理された透過波長域(BPF1),(BPF2),(BPF3),
(BPF4) 毎の検出信号 (Pe1k〜Pe4k) 間の大小相関デー
タより紙幣11の真偽を判別する判別手段5と、を備えて
構成することができる。
【0021】また、センシング部3は、受光面を4分割
しそれぞれの受光面への入射光を検出する受光素子33(P
D1〜PD4)と、各受光面に配備される透過波長域が青の波
長域を透過するBPF1(400〜470)nmと、緑の波長域を透過
するBPF2(470〜530)nmと、緑から赤の短波長域側を透過
するBPF3(530〜610)nmと、赤の長波長域側を透過するBP
F4(610nm〜) と、を有する光学フィルタ32と、を備える
ことができる。
【0022】かかる構成により、同一の蛍光体(Fb)から
の蛍光を透過波長域(BPF1),(BPF2),(BPF3),(BPF4) がそ
れぞれ異なる光学フィルタ(32)を介して複数の受光素子
(PD1〜PD4)で受光し、特に、この光学フィルタ(32)の透
過波長域(BPF1),(BPF2),(BPF3),(BPF4) が、蛍光体(Fb)
からの蛍光と, 蛍光ペンからの蛍光との発光波長域にあ
る差異によって、受光量に差異ができる透過波長域幅BP
F1(400〜470)nm、BPF2(470〜530)nm、BPF3(530〜610)n
m、BPF4(610nm〜) に選定することによって、透過波長
域(BPF1),(BPF2),(BPF3),(BPF4) 毎の検出信号 (Pe1k〜
Pe4k) 間の大小相関データより紙幣の真偽を判別し、蛍
光ペンなどにより蛍光体を模擬した偽造券を排除するこ
とができる。
【0023】
【実施例】本発明の一実施例として、図1、図3〜図5
により蛍光検出センサ2を説明する。図1において、蛍
光検出センサ2は、ガラス21と、紫外線光源(22)として
の紫外発光ダイオード(LED)22 と、図3で詳細説明する
複数の受光素子33を構成する4分割フォトダイオード(P
D1〜PD4)を用いて構成されるセンシング部3と、を備え
て構成される。
【0024】図3の(A) にセンシング部3の側面図を、
図3の(B) に平面図を示す。図3において、このセンシ
ング部3は、基板35と、この基板35上に構成される4個
のフォトダイオード(PD1〜PD4)チップ33と、フィルタホ
ルダ34と、フォトダイオード(PD1〜PD4)チップ33の前面
に配備され, それぞれ透過波長域幅が青の波長域を透過
するBPF1(400〜470)nmと、緑の波長域を透過するBPF2(4
70〜530)nmと、緑から赤の短波長域側を透過するBPF3(5
30〜610)nmと、赤の長波長域側を透過するBPF4(610nm
〜) と、を有する4種類の光学フィルタ(BPF) 32と、こ
の光学フィルタ32の前面に配備される紫外線カットフィ
ルタ31と、を備えて構成されている。
【0025】そして、各フォトダイオード(PD1〜PD4)チ
ップ33は基板35上にボンディングされ、このフォトダイ
オード(PD1〜PD4)チップ33上には上述の透過波長域幅
(BPF1〜BPF4)の光学フィルタ32が図3の(B) に図示す
る位置に配置されて構成されている。紫外線カットフィ
ルタ31はこの4個のフォトダイオード(PD1〜PD4)チップ
33と4種類の光学フィルタ(BPF1〜BPF4)32の前面の全
てを覆う様にフィルタホルダ34に接着されている。ま
た、このフィルタホルダ34は、各フォトダイオード(PD1
〜PD4)チップ33間の遮光板の役割も兼ねている。
【0026】かかる構成により、紫外線光源22からの紫
外線の照射を受け、紙幣11に含まれる蛍光体(Fb)を励起
して紫外線カットフィルタ31側より入射する蛍光は、紫
外線が紙幣11で反射してこの蛍光に混入する紫外線成分
をこの紫外線カットフィルタ31で除去して耐信号雑音比
(S/N比) を改善し、各光学フィルタ32の透過波長域幅BP
F1(400〜470)nm、BPF2(470〜530)nm、BPF3(530〜610)n
m、BPF4(610nm〜) に応じた光透過信号を対応して配備
されるフォトダイオード(PD1,PD2,PD3,PD4) チップ33で
受光して電気信号に変換し、各光透過波長域幅BPF1〜BP
F4に対応する光検出信号(Pe1,Pe2,Pe3,Pe4) を得ること
ができる。
【0027】このセンシング部3を用いた真券・偽造紙
幣の真偽判別は、詳細後述する図4に図示する蛍光体と
蛍光ペンの蛍光波長の違いを利用して行うことができ
る。図4は、紙幣11の青色蛍光、緑色系蛍光(緑色、黄
緑色、黄色)、赤色系蛍光(赤色、ピンク色、オレンジ
色)、および、それらと同色系の蛍光ペンの蛍光波長の
分布を示す概念図である。なお、ここでは青色蛍光ペン
や紫色蛍光ペンの青色系蛍光ペンは蛍光を発しないため
図示されていない。
【0028】点線で図示される蛍光ペンの蛍光分布は、
実線で図示される紙幣11の緑色系および赤色系の蛍光に
対して短波長側にシフトしている。これは紙幣11に使用
されている蛍光材料と蛍光ペンに使用されている蛍光材
料が異なるためと思われる。そのため、各フォトダイオ
ード(PD1〜PD4)チップ33上に配置される光学フィルタ32
の透過波長域BPF1〜BPF4を例えば図4の分布特性に設定
することにより、各種蛍光体の蛍光色による検出出力(P
e1〜Pe4)間には図5に図示される大小相関データを得る
ことができる。
【0029】即ち、図5の上部3段に図示される真券の
発光する蛍光色が、青色蛍光のときは、フォトダイオー
ドPD1 の出力が大で他のフォトダイオード(PD2,PD3,PD
4) の出力が小であり、また緑色系蛍光のときは、フォ
トダイオードPD3 の出力が大でフォトダイオードPD2 の
出力が中で他のフォトダイオード(PD1,PD4) の出力が小
であり、そして赤色系蛍光のときは、フォトダイオード
PD4 の出力が大で他のフォトダイオード(PD1,PD2,PD3)
の出力が小であるので、この大小相関データを真券紙幣
11の“真”とする基準大小相関パターンとすることがで
きる。
【0030】従って、この“真”とする基準大小相関パ
ターンを記憶し、被鑑別紙幣11から検出される各フォト
ダイオード(PD1〜PD4)の検出信号(Pe1〜Pe4)間の出力レ
ベルの大小関係により真偽判別を行うことが可能であ
る。図4は各種蛍光体の蛍光波長分布とセンシング部3
の透過波長域幅BPF1〜BPF4の概念を示し、横軸に蛍光波
長(nm)と、縦軸に蛍光出力を示す。図4において、真券
紙幣11が発光する蛍光波長特性は山形の実線で図示さ
れ、それぞれがほぼ、青色発光が(400〜460)nm, 緑色発
光が(570〜595)nm, 赤色発光が(610〜640)nmの波長分布
特性を有し、また、蛍光ペンなどの偽造紙幣が発光する
蛍光波長特性は山形の点線で図示され、それぞれがほ
ぼ、緑色発光が(480〜550)nm, 赤色発光が(560〜615)nm
の波長分布を有する。
【0031】従って、光学フィルタ32の透過波長帯域幅
をBPF1(400〜470)nmと、BPF2(470〜530)nmと、BPF3(530
〜610)nmと、BPF4(610nm〜) と、に選択することによ
り、 (1) 透過波長域幅BPF1(400〜470)nmでは、真券紙幣11の
青色発光が対応するフォトダイオード(PD1) チップ33で
検出することができる。 (2) 透過波長域幅BPF2(470〜530)nmでは、偽造紙幣の緑
色発光が多く検出され、真券紙幣11の緑色発光が多少検
出されて、対応するフォトダイオード(PD2) チップ33で
検出することができる。 (3) 透過波長域幅BPF3(530〜610)nmでは、真券紙幣11の
緑色発光および偽造紙幣の赤色発光が多く検出されて、
対応するフォトダイオード(PD3) チップ33で検出するこ
とができる。 (4) 透過波長域幅BPF4(610〜 )nm では、真券紙幣11の
赤色発光が多く検出されて、対応するフォトダイオード
(PD4) チップ33で検出することができる。
【0032】次に図1により本発明の一実施例として紙
幣鑑別装置の演算処理部4を説明する。図1において、
演算処理部4は、各透過波長域BPF1〜BPF4の受光素子(P
D1〜PD4)からの信号(Pd1〜Pd4)を個別に増幅する増幅回
路(41a〜41d)と、この増幅回路出力を予め定められたタ
イミングdで積分する積分回路(42a〜42d)と、この積分
回路(42a〜42d)の出力(Pe1〜Pe4)をタイミングeでサン
プル・ホールドするサンプル・ホールド回路(以下、 S
&H回路と略称する)(43a〜43d)と、これらの S&H回路(4
3a〜43d)の各検出信号を順次予め定められたタイミング
fで読み出すマルチプレクサ回路(以下、 MPX回路と略
称する)44と、この MPX回路44で読み出されたアナログ
信号hをディジタル値iに変換するアナログ・ディジタ
ル変換回路(以下、 ADC回路と略称する)45と、このデ
ィジタル信号iを入力し被鑑別紙幣11の真偽を判別する
中央処理装置(CPU) 46と、紙幣検知センサ13からの紙幣
検知信号aをもとに中央処理装置(CPU)46 からの制御信
号によって制御され, 一定スキャン期間(Tj, j=1〜n)毎
に上記積分回路(42a〜42d)、S&H 回路(43a〜43d)、MPX
回路44、 ADC回路45にそれぞれタイミング信号d,e,
f,gを出力するタイミングクロック発生回路47と、中
央処理装置(CPU)46 からの制御信号bによって制御さ
れ, 紙幣11に紫外線を照射して蛍光を放出させる紫外線
光源22に電源を供給する図示例ではLED 駆動回路で図示
される光源駆動回路48と、を備えて構成される。
【0033】かかる構成において、紙幣検知センサ13に
より紙幣11が検知(波形a)されると、中央処理装置(C
PU) 46よりスキャンイネーブル信号(波形b)がタイミ
ングクロック発生回路47およびLED 駆動回路48に送ら
れ、各種の制御クロック(波形d、e、f、g)および
紫外LED 22の点灯信号(波形c)が出力される。点灯信
号(波形c)により紫外LED 22が点灯し、この紫外LED
22からの紫外線の照射により蛍光体(Fb)から発した蛍光
は、紫外線カットフィルタ31を通過後、各光学フィルタ
32の透過波長域幅BPF1(400〜470)nm、BPF2(470〜530)n
m、BPF3(530〜610)nm、BPF4(610nm〜) に応じた波長成
分が各フォトダイオード(PD1〜PD4)チップに入射し、光
信号から電気信号(Pd1〜Pd4)に変換される。この各フォ
トダイオード(PD1〜PD4)チップの出力(Pd1〜Pd4)は増幅
回路(41a〜41d)により増幅された後、積分回路(42a〜42
d)により積分リセットクロック(波形d)のリセット信
号(Hレベル)で積分回路(42a〜42d)の積分値をリセッ
トし、リセット信号(Lレベル)でフォトダイオード(P
D1〜PD4)チップの出力(Pd1〜Pd4)を予め定められたスキ
ャン期間(Tj, j=1〜n)毎に積分される。この各積分回路
(42a〜42d)の出力(Pe1〜Pe4)はサンプルホールド回路(4
3a〜43d)によりタイミングクロックeでサンプルホール
ドされる。即ち、サンプルホールドクロック(波形e)
がHレベルのとき、S&H 回路(43a〜43d)は接続されてい
る該当する積分出力(Pe1〜Pe4)の値を追従し、サンプル
ホールドクロック(波形e)がLレベルになったとき、
この追従した積分出力(Pe1〜Pe4)の値をホールドする。
【0034】そして、このS&H 回路(43a〜43d)でホール
ドされた積分出力(Pe1〜Pe4)の値は、 MPX回路44により
タイミングクロックfでマルチプレクサされて順次 ADC
回路45に呼び出され(波形h)、 ADC回路45により順次
デジタル値iに変換され、中央処理装置46に変換データ
iを読み込むことができる。中央処理装置46では、各フ
ォトダイオード(PD1〜PD4)チップからの信号(Pd1〜Pd4)
を演算処理部4で演算処理された透過波長域毎の検出信
号 (Pe1j〜Pe4j) 間の大小相関データを、基準相関パタ
ーンと比較して、紙幣11の真偽を判別し、蛍光ペンなど
により蛍光体を模擬した偽造券を排除することができ
る。
【0035】次に、図1を併用して図2で上記蛍光検出
センサ2が検出する光検出信号を処理して中央処理装置
46にデータを読み込むプロセスを説明する。図2におい
て、横軸に時間軸をとり、縦軸に上から順に、紙幣検知
信号a,スキャンイネーブル信号b,LED 駆動信号c,
各フォトダイオード(PD1〜PD4)チップからの信号(Pd1〜
Pd4),各積分回路(42a〜42d)の出力(Pe1〜Pe4),積分リ
セットクロックd,サンプルホールドクロックe,タイ
ミングクロックfによって MPX回路44に呼び出される S
&H回路出力(Pe1〜Pe4), ADC 変換開始クロックg,およ
び ADC回路45出力iが図示されている。
【0036】紙幣検知信号aは、紙幣11が紙幣鑑別装置
に投入され、紙幣検知センサ13で検知aされると、紙幣
11が紙幣検知センサ13を通過するまで出力される。一
方、中央処理装置46は、この紙幣検知信号aによってス
キャンイネーブル信号bおよびLED 駆動信号cを出力
し、この信号b,cの出力は紙幣11の通過終端部が少な
くとも蛍光検出センサ2の紫外線照射部を通過するまで
継続して出力される。
【0037】また、スキャンイネーブル信号bは、時刻
t0〜tnの期間を予め定められた一定のスキャン期間(Tj,
j=1〜n)で区分される。そして、タイミングクロック発
生回路47は、このスキャン期間(Tj, j=1〜n)で区分され
る時刻t0〜tnの直前でサンプルホールドクロックeを出
力し、時刻t0〜tnの直後に積分リセットクロックdを出
力し、また、1スキャン期間を4分割して MPX回路44へ
の呼び込みタイミングクロックfを出力し、このタイミ
ングクロックfよりアナログ信号hが ADC回路45に書き
込まれ十分に安定するまでのセットリングタイムだけズ
ラして ADC回路45を起動するADC 変換開始クロックgが
形成される。
【0038】かかる構成において、図示例では2つの信
号Pd1,Pd4 が示されているが、各フォトダイオード(PD1
〜PD4)チップからの信号(Pd1〜Pd4)がスキャン期間T1で
出力されと、各積分回路(42a〜42d)は、スキャン期間T1
の開始時刻t0で積分リセットクロックdを出力し、各積
分回路(42a〜42d)の出力が予め定められた基準値にリセ
ットされ、積分リセットクロックdが OFFした時点か
ら、この基準値より各信号(Pd1〜Pd4)を積分して積分回
路(42a〜42d)の出力(Pe1〜Pe4)を出力する。この積分出
力(Pe1〜Pe4)は、スキャン期間T1の終了直前に出力され
るサンプルホールドクロックeによって S&H回路(43a〜
43d)によって積分出力(Pe1〜Pe4)の値を急速追従し、ス
キャン期間T1の終了時点t1でサンプルホールドクロック
eが OFFすることにより、各 S&H回路(43a〜43d)はそれ
ぞれの積分出力(Pe1〜Pe4)を保持することができる。
【0039】従って、積分回路(42a〜42d)は続いてくる
積分リセットクロックdでリセットされ、次のスキャン
期間T2の検出信号(Pd1〜Pd4)の積分動作を繰り返すこと
ができ、スキャン期間Tnまでこの積分動作を繰り返すこ
とができる。また一方、S&H回路(43a〜43d)はそれぞれ
のスキャン期間(Tj, j=1〜n)の積分回路(42a〜42d)が積
分した積分出力 (Pe1j〜Pe4j) をS&H 回路(43a〜43d)に
出力 (Pe1j〜Pe4j) として保持することができる。
【0040】このS&H 回路(43a〜43d)に個別に保持され
た出力 (Pe1j〜Pe4j) は、タイミングクロックfによっ
て次のスキャン期間、例えばTj+1で、順次Pe1j・・Pe4j
としてMPX 回路44に呼び出される。そして ADC変換開始
クロックgでアナログ・ディジタル変換して、ADC 回路
45出力iとして中央処理装置46に出力し、中央処理装置
46は同一スキャン期間(Tj, j=1〜n)の各フォトダイオー
ド(PD1〜PD4)チップからの信号(Pd1〜Pd4)を積分した値
(Pe1〜Pe4)を読み取ることができる。
【0041】次に、真偽判別で用いる予め被判別紙幣11
の投入方向毎に定められた "真" とする相関データのパ
ターンを説明する。図5において、縦方向の上部3段に
被判別紙幣11が真券のときの青色蛍光、緑色系蛍光、赤
色系蛍光に対する各透過波長域に対応する検出信号(Pe1
〜Pe4)間の大小相関パターン(相関データ)を図示した
ものであり、また、縦方向の下部3段に被判別紙幣11が
蛍光ペンなどで模造されたときの青色系の蛍光ペン、緑
色系の蛍光ペン、赤色系の蛍光ペンに対する各透過波長
域に対応する検出信号(Pe1〜Pe4)間の大小相関パターン
(相関データ)を図示したものである。また、横軸に各
検出信号(Pe1〜Pe4)を図示し、○印は該当検出信号が大
のときを表し、△印は該当検出信号が中のときを表し、
×印は該当検出信号が小のときを表す。
【0042】なお、図4で説明した特性は、真券および
蛍光ペンの青色、緑色、赤色の特性を示したが、ここで
は、図5に図示する各透過波長域に対応する検出信号(P
e1〜Pe4)間の大小相関パターンの各色系の蛍光色は、以
下に示す色および蛍光ペンを含むものとする。即ち、 緑色系の蛍光(真券)→緑色、黄緑色、黄色 赤色系の蛍光(真券)→赤色、ピンク色、オレンジ色 青色系の蛍光ペン →紫蛍光ペン、青蛍光ペン 緑色系の蛍光ペン →緑蛍光ペン、黄色蛍光ペン 赤色系の蛍光ペン →赤蛍光ペン、ピンク蛍光ペン、
オレンジ蛍光ペン また、各フォトダイオード(PD1〜PD4)チップ上には図4
で図示する以下のBPFが貼付されているものとする。
【0043】 Pe1 → BPF1(青の波長域を透過する光学フィルタ) Pe2 → BPF2(緑の波長域を透過する光学フィルタ) Pe3 → BPF3(緑から赤の短波長域側を透過する光学フィ
ルタ) Pe4 → BPF4(赤も長波長域側を透過する光学フィルタ) 従って、図4の波長分布域特性から考えられる各検出特
性に対して、真偽判別で用いる相関データのパターン
は、各色系で示される発光蛍光の色幅、即ち波長分布幅
が広がる分、大小の区分だけでなく、大中小の区分が必
要になる。しかし、対象とする各色系の選択幅が広がる
分、それだけ被鑑別紙幣11上の特定の蛍光発光箇所を選
択して当該蛍光体(Fb)の蛍光色に対する図5に図示され
る基準の大小相関パターン(相関データ)を記憶し、真
偽判別を行うとき、この選択された特定の蛍光発光箇所
の検出データの大小相関データを基準の大小相関パター
ンと比較することにより、被鑑別紙幣11の真偽を判別す
ることができる。
【0044】また、この判別するための特定箇所は、紙
幣11を搬送する搬送装置12の搬送速度が一定と見做せる
ので、第k番目のスキャン期間Tkをカウントし、該当す
るスキャン期間Tkの各検出信号Pe1k,Pe2k,Pe3k,Pe4k の
大中小を演算処理して、予め被判別紙幣11の投入方向毎
に定められた特定位置(スキャン期間Tk)の真券の蛍光
色の“真" とする大小相関パターンと、検出された各検
出信号Pe1k,Pe2k,Pe3k,Pe4k の大中小の相関データとが
一致したとき、当該紙幣11を "真" と判定することがで
きる。
【0045】次に、本発明による真偽判別方法について
説明する。紙幣11の真偽を判別する判別手段5は、上記
スキャン期間(Tj, j=1〜n)毎のタイミングでセンシング
部3の各透過波長域幅(BPF1〜BPF4)に対応する検出信
号(Pe1〜Pe4)を中央処理装置46に読み込む。そして、中
央処理装置46は、被鑑別紙幣11の投入方向毎に予め定め
られた特定スキャン期間Tkにおいて、このスキャン期間
Tkの各透過波長域BPF1,BPF2,BPF3,BPF4 に対する各検出
信号 (Pe1k〜Pe4k)間の大小関係を比較し、この大小比
較パターン(相関データ)が、予め被判別紙幣11の投入
方向毎に定められた "真" とする相関データのパターン
と一致したとき、当該紙幣を "真" と判定することがで
きる。
【0046】また、紙幣11の真偽判別手段5の特定スキ
ャン期間(Tk)における各透過波長域(BPF1〜BPF4)の検
出信号間 (Pe1k〜Pe4k) の大小比較は、各透過波長域
(BPF1〜BPF4)の検出信号 (Pe1k〜Pe4k) 毎に予め定め
られた上限閾値(H1k〜H4k)および下限閾値(L1k〜L4k)と
比較して、各検出信号 (Pe1k〜Pe4k) の大中小比較パタ
ーン(相関データ)を検出することができる。
【0047】かかる構成により、各透過波長域(BPF1〜
BPF4)の検出信号 (Pe1k〜Pe4k) の蛍光検出感度に差
異,例えば透過波長帯域幅の差異があっても、予めこの
差異を見込んで上限閾値(H1k〜H4k)および下限閾値(L1k
〜L4k)を設定することにより安定した検出信号 (Pe1k〜
Pe4k) 間の大小比較を行うことができる。また、紙幣11
の真偽判別手段5の特定スキャン期間(Tk)における各透
過波長域(BPF1〜BPF4)の検出信号間 (Pe1k〜Pe4k) の
大小比較は、各透過波長域(BPF1〜BPF4)の検出信号
(Pe1k〜Pe4k) の内,最大の検出信号(Pemk: m=1〜4 の
いずれか) を基準とし,この検出信号(Pemk)に対する他
の検出信号の出力比を演算する、あるいは、各透過波長
域(BPF1〜BPF4)の検出信号 (Pe1k〜Pe4k) の和に対す
る各透過波長域(BPF1〜BPF4)の検出信号 (Pe1k〜Pe4
k) の配分比を演算し、この出力比あるいは配分比の大
小より各検出信号 (Pe1k〜Pe4k) の大中小比較パターン
(相関データ)を検出することができる。
【0048】また、紙幣11の真偽判別手段5の特定スキ
ャン期間(Tk)における各透過波長域(BPF1〜BPF4)の検
出信号間 (Pe1k〜Pe4k) の大小比較は、上述の出力比あ
るいは配分比を予め定められた上限閾値 (RH1k〜RH4k)
および下限閾値 (RL1k〜RL4k) と比較して、各検出信号
(Pe1k〜Pe4k) の大中小比較パターン(相関データ)を
検出することができる。
【0049】かかる構成により、紫外線光源11からの照
射度の経時的変動、あるいは、被鑑別紙幣11の蛍光体(F
b)のバラツキなどの変動を出力比あるいは配分比をとる
ことにより抑えることができ、安定な判別を行うことが
できる。最後に、本発明の実施例では光源11とセンシン
グ部3が搬送路の同一側にある反射型としてあるが、光
源11とセンシング部3が搬送路を介して対向するように
配置した透過型としても良い。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、紙幣
に紫外線を照射して、紙幣に含まれる蛍光体を励起して
蛍光を放出させ、この同一蛍光体からの蛍光を複数の受
光素子で受光し、各受光素子の手前に予め定められた透
過波長域を有する光学フィルタを配置し、この透過波長
域毎に区分して受光・検出される複数の受光素子出力の
大小比較パターンが、予め被判別紙幣の投入方向毎に定
められた "真" とする相関データのパターンと一致した
とき、当該紙幣を "真" と判定でき、蛍光ペンなどによ
り蛍光体を模擬した偽造券を容易に判別することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての紙幣鑑別装置の要部
構成図
【図2】図2は検出信号の処理タイミングを説明する説
明図
【図3】一実施例としての4分割されたセンシング部の
構成図であり、(A) に側面図、(B) に平面図
【図4】各種蛍光体の蛍光波長分布と光学フィルタの透
過波長域を示す概念図
【図5】各種蛍光体からの各受光素子の出力関係を説明
する説明図
【図6】従来技術による紙幣鑑別装置の要部構成図
【図7】蛍光体の蛍光の検出処理のタイミングと真偽判
別を説明する説明図
【符号の説明】
11 紙幣 12 搬送装置 13 紙幣検知センサ 2, 6 蛍光検出センサ 21,61 ガラス 22 紫外線光源 3 センシング部 31,64 紫外線カットフィルタ 32 光学フィルタ 33,PD1〜PD4 受光素子 34 フィルタホルダ 35 基板 4, 7 演算処理部 41,41a〜41d 増幅回路 42,42a〜42d 積分回路 43,43a〜43d S&H回路 44 MPX 回路 45 ADC 回路 46,74 中央処理装置 47 タイミングクロック発生回路 48 光源駆動回路 Pd1 〜Pd4 受光素子検出信号 Pe1 〜Pe4 演算処理された検出信号 T1,Tj,Tk・・Tn スキャン期間 62 紫外線ランプ 63 結像レンズ 65 撮像素子 71 増幅回路 72 コンパレータ回路 73 計数回路 a, j 紙幣検知信号 b スキャンイネーブル信号 c 紫外LED 点灯信号 d 積分リセットクロック信号 e S&H 回路タイミングクロック信号 f MPX 回路タイミングクロック信号 g ADC 回路タイミングクロック信号 h アナログ信号 i 変換データ k 撮像更新信号 L 蛍光信号 m 2値化信号 n 蛍光計数値 TH1,TH2 閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA04 CA07 EA01 FA01 JA02 KA01 KA02 KA05 LA03 MA01 NA01 NA02 2G051 AA34 AB20 BA05 CA03 CA04 CC07 CC15 DA06 DA13 EA02 EA11 EA25 EB01 EC06 3E041 AA03 BB02 BB04 BB05 CA09 CB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙幣を搬送する搬送装置と、紙幣検知セン
    サと、 紙幣に含まれる蛍光体を励起して蛍光を放出させる紫外
    線光源と、この蛍光体から発光する蛍光を予め定められ
    た透過波長域毎に区分して受光するセンシング部と、を
    備えてなる蛍光検出センサと、 紙幣検知センサからの紙幣検知のタイミングをもとに予
    め定められたスキャン期間毎に前記センシング部の検出
    信号を演算処理する演算処理部と、 被鑑別紙幣毎に、且つ、搬送装置に紙幣を投入する方向
    毎に、予め定められた特定スキャン期間における前記演
    算処理部で演算処理された透過波長域毎の検出信号間の
    大小相関データより紙幣の真偽を判別する判別手段と、
    を備える、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の紙幣鑑別装置において、 センシング部は、受光面を4分割しそれぞれの受光面へ
    の入射光を検出する受光素子と、各受光面に配備される
    透過波長域が青の波長域を透過するBPF1(400〜470)nm
    と、緑の波長域を透過するBPF2(470〜530)nmと、緑から
    赤の短波長域側を透過するBPF3(530〜610)nmと、赤の長
    波長域側を透過するBPF4(610nm〜) と、を有する光学フ
    ィルタと、を備える、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の紙幣鑑別
    装置において、 演算処理部は、各透過波長域の受光素子からの検出信号
    を個別に増幅する増幅回路と、この増幅回路出力を予め
    定められたタイミングで積分する積分回路と、この積分
    回路出力をサンプル・ホールドするサンプル・ホールド
    回路(S&H回路)と、これらの S&H回路の各検出信号を順
    次予め定められたタイミングで読み出すマルチプレクサ
    回路(MPX)と、この MPX回路で読み出されたアナログ信
    号をディジタル値に変換するアナログ・ディジタル変換
    回路(ADC回路)と、このディジタル信号を入力し被鑑別
    紙幣の真偽を判別する中央処理装置(CPU) と、紙幣検知
    センサからの紙幣検知信号をもとに中央処理装置からの
    制御信号によって制御され, 一定スキャン期間毎に前記
    積分回路、S&H 回路、 MPX回路、 ADC回路にタイミング
    信号を出力するタイミングクロック発生回路と、中央処
    理装置からの制御信号によって制御され, 紙幣に紫外線
    を照射して蛍光を放出させる光源に電源を供給する光源
    駆動回路と、を備える、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に
    記載の紙幣鑑別装置において、 紙幣の真偽を判別する判別手段は、前記スキャン期間毎
    のタイミングでセンシング部の各透過波長域に対応する
    検出信号を中央処理装置に読み込み、 中央処理装置は、被鑑別紙幣の投入方向毎に予め定めら
    れた特定スキャン期間において、このスキャン期間の各
    透過波長域BPF1,BPF2,BPF3,BPF4 に対する各検出信号間
    の大小関係を比較し、この大中小比較パターンが、予め
    被判別紙幣の投入方向毎に定められた "真" とする相関
    データのパターンと一致したとき、当該紙幣を "真" と
    判定する、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の紙幣鑑別装置において、 各透過波長域の検出信号間の大小比較は、各透過波長域
    の検出信号毎に予め定められた上限閾値および下限閾値
    と比較し、上限閾値以上を大とし,下限閾値以下以下を
    小とし,この中間の検出信号を中として、各検出信号の
    大中小比較パターンを検出する、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の紙幣鑑別装置において、 各透過波長域の検出信号間の大小比較は、各透過波長域
    の検出信号の内,最大の検出信号を基準とし,この検出
    信号に対する他の検出信号との出力比を演算する、ある
    いは、各透過波長域の検出信号の和に対する各透過波長
    域の検出信号の配分比を演算し、この出力比あるいは配
    分比の大中小より各検出信号の大中小比較パターンを検
    出する、 ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の紙幣鑑別装置において、 各透過波長域の検出信号間の大小比較は、各透過波長域
    の検出信号毎に、出力比あるいは配分比を予め定められ
    た上限閾値および下限閾値と比較し、上限閾値以上を大
    とし,下限閾値以下以下を小とし,この中間の検出信号
    を中として、各検出信号の大中小比較パターンを検出す
    る。ことを特徴とする紙幣鑑別装置。
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