JP2001052232A - 紙葉類真偽識別装置 - Google Patents

紙葉類真偽識別装置

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JP2001052232A
JP2001052232A JP11226069A JP22606999A JP2001052232A JP 2001052232 A JP2001052232 A JP 2001052232A JP 11226069 A JP11226069 A JP 11226069A JP 22606999 A JP22606999 A JP 22606999A JP 2001052232 A JP2001052232 A JP 2001052232A
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ultraviolet
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JP11226069A
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Inventor
Takeshi Kobayashi
毅 小林
Takahiro Takigawa
貴博 瀧川
Nobuhiko Tsuji
伸彦 辻
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光ペンや再生紙にカラーコピーなどの偽造に
対して真偽の識別を可能とし、真偽識別性能を向上させ
る紙葉類真偽識別装置を提供する。 【解決手段】被識別紙1の特定部位1Aに紫外線25を照射
する紫外線照射手段2と、この紫外線照射部位1Aからの
透過1B光を用いて特定の波長帯域の光を透過する複数個
の波長選択フィルタ 331〜334 とこの透過光をそれぞれ
受光するフォトセンサアレイ 341〜344 とからなる選択
受光手段3と、この選択受光手段3から得られる各光出
力信号を情報処理する演算処理部5と、を備え、演算処
理部5は、光出力信号3aを予め定められた閾値と比較し
被識別紙1の紙質の真偽を識別する紙質識別手段6Aと、
光出力値3b.3c を用いて紫外線照射によって蛍光を発生
する蛍光体の真偽を識別する蛍光体識別手段6B,6C と、
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線の照射によっ
て生じる蛍光を検出して紙葉類の真偽を識別する紙葉類
真偽識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より紙幣などの紙葉類の真偽を識別
する方法として、紫外線を照射するときの紙葉類からの
反射光や透過光の光量の大小などによって識別する方法
が知られている。
【0003】図7は従来技術による紙葉類真偽識別装置
の要部構成図を示す。図7において、紙葉類真偽識別装
置は、紙幣検出センサ102 と, 紫外線光源104 と, 結像
レンズ105 と, 紫外線カットフィルタ106 と, 荷電結合
素子(Charge Coupled Device以下、CCD と略称する)
と, 紫外線透過窓を構成するガラス103 と, を備えてな
る蛍光検出センサ108 と、CCD 107 を駆動する CCD駆動
回路109 と、このCCD 107 が受光する光信号を増幅する
増幅器110 とこの増幅器110 の増幅する出力cを基準値
と比較し二値化するコンパレータ111 とこの二値化パル
ス数を計数して受光する蛍光強度eを計測するパルス計
数回路112 と中央処理装置(CPU)113とを備えてなる演算
処理部と、を備えて構成される。
【0004】かかる構成により、紫外線光源104 から放
出される紫外線は、紙幣などの紙葉類の被識別紙1を照
射する。この被識別紙1からの反射光が結像レンズ105
および紫外線カットフィルタ106 を透過して、CCD 107
および増幅器110 で電気信号に変換および増幅を行う。
この様に得られたアナログ値信号cは、コンパレータ11
1 で予め定められた閾値(基準値)と比較して二値化
し、パルス計数回路112で二値化されたパルス数を積算
して、CCD 107 が受光する紫外線カットフィルタ106 を
透過する蛍光強度が検出され、この積算された蛍光強度
eが予め定められた値よりも大きければ、蛍光がある真
券と判定し、小さければ、偽造券と判定する方法(方法
1)がある。
【0005】また、蛍光ペンなどによって蛍光体を模擬
した偽造券を識別する方法として、被識別紙1を透過あ
るいは反射する蛍光を、透過波長帯域が異なるフィルタ
を透過させ、このフィルタを透過する透過光を検出し
て、各透過光の検出出力レベルの相関値を設定値と比較
して蛍光体を識別する方法(方法2)が当業者から提示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来技術
による紙葉類真偽識別装置は、方法1を用いたときは蛍
光ペンで蛍光体を模擬した偽造券を識別できない、と言
う課題がある。また、方法2を用いたときは再生紙にカ
ラーコピーした偽造券を識別できない、と言う課題があ
る。
【0007】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、蛍光ペ
ンなどによる蛍光体の偽造と、再生紙にカラーコピーし
た偽造、のいずれの偽造に対しても真偽識別を可能と
し、この2つの識別結果が真の場合のみ真正券と判定す
る、ことによって真偽識別性能を向上させる紙葉類真偽
識別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による紙葉類真偽識別装置は、紙葉類の被識
別紙に紫外線を照射する紫外線照射手段と、この紫外線
照射手段による被識別紙の透過光または反射光のうち,
特定の波長帯域の光を透過する波長選択フィルタと, こ
の波長選択フィルタを透過する光をそれぞれ受光するフ
ォトセンサアレイと, からなる選択受光手段と、この選
択受光手段から得られる各光出力信号のうち,予め定め
られた1つの光出力信号を予め定められた閾値と比較
し, 被識別紙の紙質の真偽を識別する紙質識別手段と、
他の光出力信号を用いて紫外線照射によって蛍光を発生
する蛍光体の真偽を識別する蛍光体識別手段と、を備
え、紙質識別手段と蛍光体識別手段との両識別結果がい
ずれも真のとき、被識別紙を真と判定する演算処理部
と、を備えることを特徴とする。
【0009】また、選択受光手段は、被識別紙の紫外線
照射部位から透過する透過光を用いる、または、この紫
外線照射部位から反射する反射光を用いる、あるいはま
た、この紫外線照射部位からの透過および反射する透過
光および反射光を用いることができる。
【0010】かかる構成により、特定の被識別紙から得
られる紙質識別情報あるいは蛍光体識別情報が接近して
真偽の識別が困難なときも、透過光と反射光との間の識
別情報の差異に基づいて識別することができる。
【0011】また、紙質識別手段は、被識別紙の紙質の
真偽を識別する波長選択フィルタの光透過帯域幅を再生
紙の蛍光帯域幅とすることができる。特に、この波長選
択フィルタの光透過帯域幅は、 400〜500nm 程度とする
ことができる。
【0012】かかる構成により、再生紙には、塗料を漂
白した漂白剤に起因すると推定される蛍光を発する成分
が残留しているので、紫外線照射により発生する蛍光に
固有の光透過帯域幅の波長選択フィルタを介して蛍光を
検出することにより、被識別紙に蛍光を発する成分が付
着あるいは含有されているか否かを識別し、一方、真正
券には、通常固有の蛍光を発生する成分が含有されてい
ないので、被識別紙の紙質の真偽を識別することができ
る。
【0013】また、蛍光体識別手段が用いる光信号は、
真券の蛍光体の蛍光分布を,中心波長λ1,半値全幅2(Δ
λ1)とし、蛍光ペンの蛍光分布を,中心波長λ2,半値全
幅2(Δλ2)としたとき、蛍光体の真偽を識別する2つの
波長選択フィルタの光透過帯域幅を、一方は (λ1 +Δ
λ1)と (λ2 +Δλ2)との間に設け、他方は (λ1 −Δ
λ1)と (λ2 −Δλ2)との間に設けることができる。
【0014】かかる構成により、紙幣の蛍光体を識別す
る波長選択フィルタと、蛍光ペンの蛍光体を識別する波
長選択フィルタと、の2つの波長選択フィルタを備え、
この波長選択フィルタを透過する蛍光をそれぞれのフォ
トセンサアレイで検出し、検出信号の大小を比較するこ
とにより、被識別紙の蛍光体の真偽を識別することがで
きる。
【0015】また、蛍光体識別手段が用いる光信号は、
真券の蛍光体の蛍光分布が中心波長λ1 であり、蛍光ペ
ンの蛍光分布が中心波長λ2 であるとしたとき、蛍光体
の真偽を識別する波長選択フィルタの光透過率を、λ1
とλ2 との間で立ち上がるシャープカットフィルタを用
いることができる。
【0016】かかる構成により、このシャープカットフ
ィルタを介して透過する蛍光を1つのフォトセンサアレ
イで検出し、予め定められた基準値とこのフォトセンサ
アレイで検出した検出信号との大小を比較することによ
り、被識別紙の蛍光体の真偽を識別することができる。
【0017】また、紫外線の光出力をモニタする受光手
段を備え、この受光手段で得られるモニタ値を紫外線照
射手段の紫外線光源にフィードバックして、紫外線光源
の光出力を一定範囲内の値に維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例としての
紙葉類真偽識別装置の要部構成図、図2は、一実施例に
よる透過光を用いる蛍光検出センサの要部構成図、図3
は他の実施例による反射光を用いる蛍光検出センサの要
部構成図、図4は他の実施例による透過光および反射光
を用いる蛍光検出センサの要部構成図、図5はフォトセ
ンサアレイの平面配列の実施例を説明する説明図、図6
は真券の蛍光体と蛍光ペンの紫外線による発光特性、シ
ャープカットフィルタの光透過率特性および2つの波長
選択フィルタの光透過帯域特性を説明する説明図であ
る。なお、本発明による紙葉類真偽識別装置が識別する
被識別紙は、紙幣以外にも印紙、有価証券、その他の紙
葉類の真偽を判別することができる。
【0019】図1において、本発明の紙葉類真偽識別装
置は、紙葉類1の特定部位に紫外線25を照射し、この紫
外線照射部位1Aに生じる蛍光を検出して紙葉類1の真偽
を識別する紙葉類真偽識別装置において、紙葉類1の被
識別紙の特定部位に紫外線25を照射する発光部20で図示
される紫外線照射手段2と、図示例では、この紫外線照
射手段2による被識別紙の紫外線照射部位1Aからの透過
光1B(または反射光1Cあるいは透過光1Bおよび反射光1
C)を用いて,特定の波長帯域の光を透過する複数個の
波長選択フィルタ(331〜334)と, この複数個の波長選択
フィルタ(331〜334)を透過する光をそれぞれ受光するフ
ォトセンサアレイ(341〜344)と, からなる受光部30で図
示され詳細は図2〜4で図示される選択受光手段3と、
この選択受光手段3から得られる各光出力信号3a〜3dを
情報処理する増幅器(51A〜51D)と, A/D 変換器52と, 演
算および真偽識別を行う中央処理装置53とからなる演算
処理部5と、を備えて構成される。
【0020】かかる構成により、演算処理部5は、各光
出力信号3a〜3dを処理し、予め定められた1つの光出力
信号(例えば3a)を予め定められた閾値5aと比較し, 被
識別紙の紙質の真偽を識別する紙質識別手段6Aと、他の
1つまたは複数の光出力値(例えば3bあるいは3b,3c )
を用いて紫外線25の照射によって蛍光を発生する蛍光体
の真偽を識別する蛍光体識別手段6B(6C)と、を備え、紙
質識別手段6Aと蛍光体識別手段6B(6C)との両識別結果が
いずれも真のとき、被識別紙1を真と判定することがで
きる。
【0021】また、選択受光手段3は、被識別紙1の紫
外線照射部位1Aから透過する透過光1Bを用いる、また
は、この紫外線照射部位1Aから反射する反射光1Cを用い
る、あるいはまた、この紫外線照射部位1Aからの透過お
よび反射する透過光1Bおよび反射光1Cを用いることがで
きる。
【0022】かかる構成により、特定の被識別紙1から
得られる紙質識別情報あるいは蛍光体識別情報が接近し
て真偽の識別が困難なときも、透過光1Bと反射光1Cとの
間の識別情報の差異に基づいて識別することができる。
【0023】
【実施例】(実施例1)被識別紙1の紫外線照射部位1A
に紫外線25を照射しこの照射部位1Aから透過する透過光
1Bまたは反射する反射光1C、あるいはまた、透過光1Bお
よび反射光1C、を受光する紫外線照射手段2(2A,2B) お
よび選択受光手段3(3A,3B) の詳細を以下説明する。
【0024】図2において、図示例は、被識別紙1の紫
外線照射部位1Aに紫外線25を照射しこの照射部位1Aから
透過する透過光1Bを受光する紫外線照射手段2Aおよび選
択受光手段3Aを図示する。紫外線照射手段2Aは、紫外線
光源21と、可視光カットフィルタ22と、紫外線光源21が
出射する光の空間的範囲を制限する発光側ウィンドウ23
と、これらの構成要素21〜23の位置関係を保持しかつ外
来光を遮光する発光側遮光ホルダ24と、から構成され
る。
【0025】また、選択受光手段3Aは、被識別紙1の紫
外線照射部位1Aから受ける光の空間的範囲を制限する受
光側ウィンドウ31と、紫外線カットフィルタ32と、遮光
壁35によって仕切られ特定の波長帯域の光を選択透過す
る複数個の波長選択フィルタ(331〜334)と、この複数個
の波長選択フィルタ(331〜334)を透過する光をそれぞれ
受光するフォトセンサアレイ(341〜344)と、フォトセン
サアレイ(341〜344)を固定する基板36と、これらの構成
要素31〜36の位置関係を保持しかつ外来光を遮光する発
光側遮光ホルダ37と、から構成される。
【0026】かかる構成により、紫外線照射手段2Aは、
紫外線光源21から出射する光から可視光カットフィルタ
22で可視光成分を除去した紫外線25をさらに発光側ウィ
ンドウ23で出射光の空間的範囲を制限して紙葉類1の被
識別紙の紫外線照射部位1Aに照射する。そして、選択受
光手段3Aは、この紫外線照射部位1Aに生じた蛍光の内、
透過する透過光1Bを受光側ウィンドウ31で入射光の空間
的範囲を制限し、紫外線カットフィルタ32で紫外線成分
の光透過を低く抑え、被識別紙1の紫外線照射部位1Aか
ら発光する蛍光成分の内、特定の波長成分を図5で後述
する複数個の波長選択フィルタ(331〜334)を透過させ
て、これをフォトセンサアレイ(341〜344)で検出するこ
とにより、被識別紙1の特定部位1Aから発光する蛍光成
分量を検知することができる。
【0027】図5において、複数個の波長選択フィルタ
(331〜334)およびフォトセンサアレイ(341〜344)の平面
上の配列は、図示例では4個の波長選択フィルタ(331〜
334)を図示し、図5の(A) は田の字型の配列であり、図
5の(B) は短冊型の配列を図示する。これらの配列は、
被識別紙1の搬送方向と、特定部位1Aの内、同じ箇所を
異なる波長選択フィルタでデータを読み取る(田の字
型)、あるいは、異なる箇所を異なる波長選択フィルタ
で幅広くデータを読み取る(短冊型)によって、使い分
けることができる。なお、複数個の波長選択フィルタ(3
31〜334)およびフォトセンサアレイ(341〜344)は4個の
場合を図示したが、この複数個の個数は4個に限定され
ることなく、例えば、波長選択フィルタおよびフォトセ
ンサアレイの個数を多くすればする程、識別精度を容易
に向上させることができる。
【0028】また、図3に被識別紙1の紫外線照射部位
1Aに紫外線25を照射しこの照射部位1Aから反射する反射
光1Cを受光する紫外線照射手段2Bおよび選択受光手段3B
を図示する。紫外線照射手段2Bは、紫外線光源21と、可
視光カットフィルタ22と、紫外線光源21が出射する光の
空間的範囲を制限する発光側ウィンドウ23と、これらの
構成要素21〜23の位置関係を保持しかつ外来光を遮光す
る発光側遮光ホルダ24A と、から構成される。
【0029】また、選択受光手段3Bは、選択受光手段3A
と同様に構成され、図示例では被識別紙1に対して同一
側に紫外線光源21と並んで配置される。即ち、被識別紙
1の紫外線照射部位1Aから受ける光の空間的範囲を制限
する受光側ウィンドウ31と、紫外線カットフィルタ32
と、遮光壁35によって仕切られ特定の波長帯域の光を選
択透過する複数個の波長選択フィルタ(331〜334)と、こ
の複数個の波長選択フィルタ(331〜334)を透過する光を
受光するフォトセンサアレイ(341〜344)と、フォトセン
サアレイ(341〜344)を固定する基板36と、これらの構成
要素31〜36の位置関係を保持しかつ外来光を遮光する発
光側遮光ホルダ37と、から構成される。
【0030】かかる構成により、紫外線照射手段2Bは、
紫外線光源21から出射する光から可視光カットフィルタ
22で可視光成分を除去した紫外線25A をさらに発光側ウ
ィンドウ23で出射光の空間的範囲を制限して紙葉類1の
被識別紙の紫外線照射部位1Aに斜めに照射する。そし
て、選択受光手段3Bは、この紫外線照射部位1Aに生じた
蛍光の内、ほぼ垂直方向に反射する反射光1Cを受光側ウ
ィンドウ31で入射光の空間的範囲を制限し、紫外線カッ
トフィルタ32で紫外線成分の光透過を低く抑え、被識別
紙1の紫外線照射部位1Aから発光する蛍光成分の内、特
定の波長成分を複数個の波長選択フィルタ(331〜334)を
透過させて、これをフォトセンサアレイ(341〜344)で検
出することにより、被識別紙1の特定部位1Aから発光す
る蛍光成分量を検知することができる。紫外線照射手段
2Bの紫外線25A を被識別紙の紫外線照射部位1Aに斜めに
照射し蛍光を発光させることにより、選択受光手段3B
は、比較的光エネルギパワーの小さい紫外線照射部位1A
から反射方向にくる蛍光を波長選択フィルタ(331〜334)
を透過させ、フォトセンサアレイ(341〜344)で効率よく
受光することができる。
【0031】また、図4に被識別紙1の紫外線照射部位
1Aに紫外線25A を照射しこの照射部位1Aから透過光1Bお
よび反射光1Cを受光する紫外線照射手段2および選択受
光手段3(3A,3B) を図示する。図4において、紫外線照
射手段2は図3で述べた紫外線照射手段2Bと同様に構成
され、選択受光手段3(3A,3B) は、被識別紙1に対して
同一側に紫外線光源21と並んで配置される選択受光手段
3Bと、被識別紙1に対して反対側に選択受光手段3Bと対
向して配置される選択受光手段3Aとを備えて構成するこ
とができる。
【0032】かかる構成により、特定の被識別紙1から
得られる紙質識別情報あるいは蛍光体識別情報が接近し
て真偽の識別が困難なときも、蛍光の透過光と反射光と
を選択受光し、両透過光と反射光との間の識別情報の差
異に基づいて識別することができる。 (実施例2)次に、紫外線照射手段2および選択受光手
段3の各構成部材を説明する。紫外線光源21は、例え
ば、紫外線発光ダイオード(LED) であり、主に紫外線帯
域に分布するスペクトルを有する光を出射することがで
きる。可視光カットフィルタ22は紫外線帯域のみ光を透
過させる光透過特性を備え、この結果、可視光カットフ
ィルタ22を透過し紫外線照射部位1Aを照射する紫外線25
は、可視光成分を除去することができる。そして発光側
ウィンドウ23は、被識別紙1の検知すべき領域の寸法、
例えば特定部位(1A)に合わせて、紫外線25を照射する領
域の制限をすることができる。
【0033】次に、選択受光手段3は、紫外線カットフ
ィルタ32によって紫外線照射部位1Aを透過あるいは反射
する紫外線25の成分を減衰させることにより、紫外線25
で紫外線照射部位1Aを照射し励起して、発光する蛍光を
より識別し易くすることができる。そして、複数個の波
長選択フィルタおよびフォトセンサアレイで特定波長の
蛍光成分量を測定することにより、紙質識別手段6Aおよ
び蛍光体識別手段6B(6C)を行うことができる。 (実施例3)次に、紙質識別手段6Aを説明する。本発明
による紙質識別手段6Aは、被識別紙1の紙質の真偽を識
別する、例えば、波長選択フィルタ331 の光透過帯域幅
を再生紙の蛍光帯域幅とすることができる。特に、この
波長選択フィルタ331 の光透過帯域幅は 400〜500nm 程
度とすることができる。
【0034】かかる構成により、再生紙は、一般的に、
蛍光を発する成分(原再生紙の塗料を漂白する漂白剤の
成分が残留することによると推定される)が残留してい
るので、紫外線照射によって発生する蛍光固有の光透過
帯域幅、例えば 400〜500nm程度の波長選択フィルタ331
を介して蛍光を検出することにより、被識別紙1に蛍
光を発する成分が付着あるいは含有されているか否かを
識別することができる。一方、真正券には、通常この固
有の蛍光を発生する成分が含有されていないので、被識
別紙の紙質の真偽を識別することができる。 (実施例4)次に、蛍光体識別手段6B,6C を図6を用い
て説明する。図6において、横軸に波長をとり、縦軸方
向に、図6の(A) は、紙葉類1の特定部位に紫外線25を
照射し、この紫外線照射部位1Aに生じる蛍光の波長特性
を図示し、例えば、真券の蛍光の中心波長をλ1 、偽券
の蛍光の中心波長をλ2 とし、半値全幅がそれぞれ(2Δ
λ1), (2Δλ2)の特性を有する。図6の(B) は、蛍光体
識別手段6Bの波長選択フィルタ332 の特性を示し、蛍光
の中心波長λ1,λ2 との間で立ち上がるシャープカット
フィルタである。
【0035】かかる構成により、このシャープカットフ
ィルタ332 を介して透過する蛍光を1つのフォトセンサ
アレイ342 で検出し、予め定められた基準値とこのフォ
トセンサアレイ342 で検出した検出信号との大小を比較
することにより、被識別紙1の蛍光体の真偽を識別する
ことができる。
【0036】また、図6の(C) は、蛍光体識別手段6Cの
波長選択フィルタ332,333 の特性を示し、蛍光体識別手
段6Cが用いる光信号は、真券の蛍光体の蛍光分布を,中
心波長λ1,半値全幅2(Δλ1)とし、蛍光ペンの蛍光分布
を,中心波長λ2,半値全幅2(Δλ2)としたとき、蛍光体
の真偽を識別する一方の波長選択フィルタ332 の光透過
帯域幅は (λ1 +Δλ1)と (λ2 +Δλ2)との間に設
け、他方の波長選択フィルタ333 は (λ1 −Δλ1)と
(λ2 −Δλ2)との間に設ける。
【0037】かかる構成により、紙幣1の蛍光体を識別
する波長選択フィルタ332 と蛍光ペンの蛍光体を識別す
る波長選択フィルタ333 と、を透過する蛍光をそれぞれ
のフォトセンサアレイ342,343 で検出し、この検出信号
の大小を比較することにより、被識別紙1の蛍光体の真
偽を識別することができる。また、例えば、紫外線光源
21の光量をモニタするため、波長選択フィルタ334は紫
外線透過特性を有することができる。
【0038】フォトセンサアレイ 341〜344 は、可視光
領域に受光感度を有するシリコンフォトダイオードを利
用することができ、それぞれ波長選択フィルタ 331〜33
4 を透過した光のみを検出する様に、遮光壁35で仕切ら
れている。 (実施例5)次に、本実施例による紙葉類真偽識別装置
の動作を説明する。図1および図2において、紙葉類真
偽識別装置は、紙幣1の搬送路の途中に組み込まれてお
り、紙幣搬送路の搬送面と、受光側遮光ホルダ37とウイ
ンドウ31からなる遮光ケースの上面とが一致する様に配
備されている。そして、紙幣搬送路を移動する紙幣1
(紙葉類の被識別紙)がこの遮光ケースの上面に到達
し、紙幣1が発光側ウインドウ23を覆った時点から本発
明による識別動作を開始する。
【0039】即ち、紙幣1が発光側ウインドウ23の下に
到達したことを、発光側ウインドウ23の手前に設置され
た図示省略された紙幣進入センサで検出し、この紙幣進
入センサからの検出信号を受けて紫外線光源21は光を出
射する。この紫外線光源21から出射する光は、可視光カ
ットフィルタ22と発光側ウィンドウ23とを透過して、紫
外線成分のみの紫外線25を紙幣1の予め定められた範
囲、即ち、紫外線照射部位1Aのみに照射することができ
る。紙幣1を透過した光と紙幣1上の蛍光塗料によって
発生する光は、受光側ウィンドウ31と紫外線カットフィ
ルタ32とを透過し、遮光壁35によって仕切られ特定の波
長帯域の光を選択透過する複数個の波長選択フィルタ(3
31〜334)を透過して、それぞれ光をフォトセンサアレイ
(341〜344)で受光する。 (実施例6)次に、本実施例による紙葉類真偽識別装置
の真偽識別アルゴリズムを以下に説明する。
【0040】波長選択フィルタ331 を透過し、フォトセ
ンサアレイ341 で検出した光出力レベル3aは、紙質識別
情報として利用することができる。即ち、紙幣1の印刷
のない部分では、再生紙の光出力レベルは真正紙幣の光
出力レベルに較べて一般的に非常に大きい。この原因
は、再生紙には、蛍光材が混入しており、紫外線が照射
されると青色(波長 400〜500nm 程度)の蛍光を生ずる
のに対して、多くの真正紙幣には、一般的にこの様な成
分は混入していないので、青色の蛍光を生ずることがな
い。従って、波長選択フィルタ331 でこの青色(波長 4
00〜500nm 程度)の蛍光を選択透過させ、この光をフォ
トセンサアレイ341 で検出することにより、紫外線照射
手段により、紫外線25を紙幣1の予め定められた範囲、
即ち、印刷のない部分(紫外線照射部位1A)のみに照射
し、フォトセンサアレイ341 で検出する光出力レベルが
予め定められた閾値よりも大きいとき、被識別紙1を偽
造券と判定し、閾値よりも小さいとき、被識別紙1を真
正紙幣と判定することができる。
【0041】次に、波長選択フィルタ332,333 を透過
し、フォトセンサアレイ342,343 で検出した光出力レベ
ル3b,3c は、蛍光体識別手段6Cとして利用することがで
きる。即ち、真正紙幣の蛍光体と偽造に用いられる蛍光
ペンの発光特性は、一般的に図6の(A) に図示される様
に、ピーク波長λ1,λ2 や半値全幅(2Δλ1), (2Δλ2)
が異なっている。真正紙幣の蛍光体および偽造蛍光ペン
の発光特性をそれぞれ中心波長λ1,λ2 (λ1<λ2 )
と、半値全幅(2Δλ1), (2Δλ2)を有しているものとす
る。次に、図6の(C) に図示される様に、波長(λ1+Δ
λ1)から(λ2+Δλ2)の間に光透過帯域幅を有する特性
曲線B2で図示される波長選択フィルタ332 と、波長(λ
1-Δλ1)から(λ2-Δλ2)の間に光透過帯域幅を有する
特性曲線B1で図示される波長選択フィルタ333 に、図6
の(A) に図示する蛍光分布の光S1,S2が照射された場合
を考察する。
【0042】波長選択フィルタ332,333 の光透過特性を
この様な特性曲線B2,B1 に設定するのは、蛍光体および
偽造蛍光ペンの発光特性の差が最も顕著に現れやすい波
長帯域であるからである。波長選択フィルタ332,333 の
光透過特性曲線B2,B1 の違いから、被識別紙1が真正紙
幣の場合、フォトセンサアレイ342 で検出する光出力レ
ベル3bは、フォトセンサアレイ343 で検出する光出力レ
ベル3cに較べて小さい。他方、被識別紙1が偽造券の場
合、フォトセンサアレイ342 で検出する光出力レベル3b
がフォトセンサアレイ343 で検出する光出力レベル3cに
較べて大きくなり、大小関係が逆になる。従って、この
フォトセンサアレイ342,343 間の大小関係を調べること
により、蛍光体に真偽を識別することができる。
【0043】また、蛍光体識別手段6Bとして、図6の
(B) に図示する蛍光の中心波長λ1,λ2 との間で光透過
率が急峻に立ち上がるシャープカットフィルタを波長選
択フィルタ332 として用いた場合、この場合は上述の蛍
光体識別手段6Cと異なり、フォトセンサアレイ343 を省
略することができる。
【0044】また、フォトセンサアレイ344 で受光する
光出力レベル3dは、上述の識別性能を安定に維持するた
めに利用することができる。即ち、波長選択フィルタ33
4 は、紫外線光源21の光量をモニタするため、紫外線を
透過させる特性を有する。フォトセンサアレイ344 で受
光する光出力値を紫外線光源21に(例えば、紫外線光源
21の電源に)フィードバックさせることにより、紫外線
光源21の発光出力を一定レベルに維持することができ
る。この結果、紫外線光源21の光出力の経時的劣化に対
しても、安定した識別性能を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明による紙葉類真
偽識別装置を用いれば、再生紙にカラーコピーした偽造
券と蛍光ペンなどによって蛍光体を模擬した偽造券とを
独立に真偽識別し、この2つの識別結果が真の場合のみ
真正券と判定することができ、高い識別性能を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての紙葉類真偽識別装置
の要部構成図
【図2】一実施例による透過光を用いる蛍光検出センサ
の要部構成図
【図3】他の実施例による反射光を用いる蛍光検出セン
サの要部構成図
【図4】他の実施例による透過光および反射光を用いる
蛍光検出センサの要部構成図
【図5】フォトセンサアレイの平面配列の実施例を説明
する説明図であり、図6の(A)は田の字型配列図、図6
の(B) は短冊型配列図
【図6】各特性図を示し、図6の(A) に真券の蛍光体と
蛍光ペンの紫外線による発光特性図、図6の(B) にシャ
ープカットフィルタの光透過率特性図、図6の(B) に2
つの波長選択フィルタの光透過帯域特性図
【図7】従来技術による紙葉類真偽識別装置の要部構成
【符号の説明】 1 被識別紙 2,2A,2B 紫外線照射手段 21,104 紫外線光源 22 可視光カットフィルタ 23 発光側ウィンドウ 24,24A 発光側遮光ホルダ 25,25A 紫外線 3,3A,3B 選択受光手段 31 受光側ウィンドウ31 32 紫外線カットフィルタ 331 〜334 波長選択フィルタ 341 〜344 フォトセンサアレイ 35 遮光壁 36 基板 37 受光側遮光ホルダ 5 演算処理部 51A 〜51D,110 増幅器 52 A/D 変換器 53,113 中央処理装置 1A 紫外線照射部位 1B 透過光 1C 反射光 6A 紙質識別手段 6B,6C 蛍光体識別手段 λ1,λ2 中心波長 2(Δλ1), 2(Δλ2) 半値全幅 102 紙幣検出センサ 103 ガラス 105 結像レンズ 106 紫外線カットフィルタ 107 CCD 108 蛍光検出センサ 109 CCD 駆動回路 111 コンパレータ 112 パルス計数回路 113 中央処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 伸彦 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA17 CA07 DA02 DA05 EA01 EA13 EA14 FA01 GA02 GB03 HA01 HA03 JA03 KA03 LA03 MA01 NA01 3E041 AA01 AA02 AA03 BA07 BB02 BB03 BB04 BB05 BC03 CA02 CB02 CB07 CB08 DB01 EA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉類の被識別紙に紫外線を照射する紫外
    線照射手段と、この紫外線照射手段による被識別紙の透
    過光または反射光のうち,特定の波長帯域の光を透過す
    る波長選択フィルタと, この波長選択フィルタを透過す
    る光をそれぞれ受光するフォトセンサアレイと, からな
    る選択受光手段と、この選択受光手段から得られる各光
    出力信号のうち,予め定められた1つの光出力信号を予
    め定められた閾値と比較し, 被識別紙の紙質の真偽を識
    別する紙質識別手段と、他の光出力信号を用いて紫外線
    照射によって蛍光を発生する蛍光体の真偽を識別する蛍
    光体識別手段と、を備え、紙質識別手段と蛍光体識別手
    段との両識別結果がいずれも真のとき、被識別紙を真と
    判定する演算処理部と、を有する、 ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の紙葉類真偽識別装置にお
    いて、 選択受光手段は、被識別紙の紫外線照射部位から透過す
    る透過光を用いる、ことを特徴とする紙葉類真偽識別装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の紙葉類真偽識別装置にお
    いて、 選択受光手段は、被識別紙の紫外線照射部位から反射す
    る反射光を用いる、ことを特徴とする紙葉類真偽識別装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の紙葉類真偽識別装置にお
    いて、 選択受光手段は、被識別紙の紫外線照射部位からの透過
    および反射する透過光および反射光を用いる、ことを特
    徴とする紙葉類真偽識別装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの項に
    記載の紙葉類真偽識別装置において、 紙質識別手段は、被識別紙の紙質の真偽を識別する波長
    選択フィルタの光透過帯域幅を再生紙の蛍光帯域幅とす
    る、ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の紙葉類真偽鑑において、 波長選択フィルタの光透過帯域幅は、 400〜500nm 程度
    とする、 ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項4のいずれかの項に
    記載の紙葉類真偽識別装置において、 蛍光体識別手段が用いる光信号は、真券の蛍光体の蛍光
    分布を,中心波長λ1,半値全幅2(Δλ1)とし、蛍光ペン
    の蛍光分布を,中心波長λ2,半値全幅2(Δλ2)としたと
    き、蛍光体の真偽を識別する2つの波長選択フィルタの
    光透過帯域幅を、一方は (λ1 +Δλ1)と (λ2 +Δλ
    2)との間に設け、他方は (λ1 −Δλ1)と (λ2 −Δλ
    2)との間に設ける、 ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項4のいずれかの項に
    記載の紙葉類真偽識別装置において、 蛍光体識別手段が用いる光信号は、真券の蛍光体の蛍光
    分布が中心波長λ1 であり、蛍光ペンの蛍光分布が中心
    波長λ2 であるとしたとき、蛍光体の真偽を識別する波
    長選択フィルタの光透過率を、λ1 とλ2 との間で立ち
    上がるシャープカットフィルタを用いる、 ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかの項に
    記載の紙葉類真偽識別装置において、 紫外線の光出力をモニタする受光手段を備え、 この受光手段で得られるモニタ値を紫外線照射手段の紫
    外線光源にフィードバックして、紫外線光源の光出力を
    一定範囲内の値に維持する、 ことを特徴とする紙葉類真偽識別装置。
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