JP3827792B2 - 蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置 - Google Patents

蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライン状又はエリア状の蛍光センサを使用して、海外紙幣等の一部に含まれている糸状蛍光物質を効率良く検知して、画像処理的に蛍光糸の部分を削除して蛍光インクのパターン部のみについてパターン認識を行ない、確実に紙幣等の紙葉類の真偽を判定するようにした蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発行されて流通している紙弊等の一部には、蛍光物質が含まれているものがある。あるものは印刷インクそのものに蛍光物質が入っているものであり、あるものは、紙幣の紙を漉き込むときに蛍光を発する繊維を混ぜた状態で漉くものがある(例えばスペイン、オランダの紙幣)。従来技術では、紙幣に蛍光物質の励起光を照射した場合に、紙幣紙質が蛍光発光特性をもつものを対象としており、蛍光糸が漉き込まれているものはその絶対的な差がなく、このために蛍光糸の有無の判断は難しいものであった。
【0003】
又、特開平6−154943号公報には、紙幣の検知部を複数の微小面積に限定して検知すれば蛍光糸を効率良く検知できることが開示されている。しかしながら、被識別紙幣が印刷インクの濃厚な紙幣である場合には、検知面積を小さくしていった場合に、下絵が無い箇所(例えば漉かし部)と印刷が施されている部分とでは、インクの無い部分ははっきりと蛍光出力が得られるのに対して、絵柄のある部分では同等には得られないという問題がある。この様に、従来の紙幣の真偽判定に蛍光検知を利用したものは、紙幣に使用されているインクに紫外線を照射した際に、蛍光或いは燐光を発する物質が正規に入っているか否かを判別するだけのものに過ぎなかった。
【0004】
紙幣の中には、紙を漉き上げる際に蛍光を発する繊維をランダムにまばらに紙幣用紙に混入させたものがあり、この様に紙幣の用紙に蛍光繊維が漉き込まれている場合には、ランダムに蛍光繊維が散らばって存在しているので、例えば漉かし部のようなインクの印刷が無い部分と、人物像の印刷が有るような比較的厚く印刷インクが載っている部分とでは、同一紫外線を紙幣に照射した場合でも光る光量が必然的に異なってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の検出技術としては、特開昭63−154943号公報に示されるような糸状蛍光物質を検出する装置があるが、この装置は蛍光の有無の検出のみを行なっており、上述の理由により精度良く糸状蛍光物質の有無を検出するためには、紙幣の印刷インクの濃さを考慮した識別方法が必要となって来る。即ち、インク印刷がある部分では、蛍光糸からの蛍光はインクの下から発せられるので弱く、インクの無い場所では比較的強く蛍光が検出されるのである。このように従来技術では、被識別紙葉類に印刷されているインクの量や紙質がその種類によって変化しているものでは、蛍光糸の有無の判定が適正にできないといった問題があった。
【0006】
また、蛍光インクで印刷された部分を有する紙葉類にあっても、印刷された蛍光インク以外にも蛍光物質を含む場合には、適正な判断を誤るといった不具合を生じている。
【0007】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、スペインの10,000ペセタのように蛍光糸と蛍光インクの双方が混在しているような紙幣においても、蛍光糸の部分を削除し、蛍光インクのパターン部のみについてパターン認識ができるようにした蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紫外線を紙葉類に照射し、前記紙葉類の蛍光物質からの励起光の可視光成分を受光素子に与えるようにした蛍光検出センサを備えた蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記紙葉類を搬送する搬送手段と、前記紙葉類の搬送距離に従って受光データをブロック化するブロック化手段と、前記ブロック化された個々の領域の蛍光の有無に従って画像画素データを2値化し、前記2値化された画素に対して平面的に連続しているか否かの判断を行ない、隣り合う蛍光有りと判定した画素の個数集団を同一グループとみなして、当該グループの個数若しくはグループ内の画素数が所定以上有れば真と判定する真偽判定手段とを具備することによって達成される。
【0009】
また、本発明は、紫外線を紙葉類に照射し、前記紙葉類の蛍光物質からの可視光成分を受光素子に与えるようにした蛍光検出センサを備えた蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置に関し、本発明の上記目的は、前記紙葉類の種類及び搬送方向を判別する紙葉類判別手段と、前記紙葉類の種類及び搬送方向毎に蛍光インクによる蛍光パターンの存在位置及びそのパターン情報を記憶する基準データ記憶手段と、前記蛍光センサからの画素データをデジタル化するA/D変換手段と、デジタル化した紙葉類の蛍光画像データを記憶する第1フレームメモリと、前記第1フレームメモリの各画素値に対して明部を強調する演算を行なう演算手段と、前記明部を強調後の画素値を記憶する第2フレームメモリと、前記紙葉類の種類及び搬送方向に応じて、前記基準データ記憶手段のパターンの存在位置及びそのパターン情報を読出し、前記第2フレームメモリのパターンの存在するエリアを特定し、その特定部分の画像と前記パターン情報とのパターンマッチングを行なって真偽を判定する真偽判定手段とを具備することによって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置は、例えば紙幣の全面に亘って紫外線を照射して、ライン状又はエリア状の蛍光センサで蛍光を検出すると共に、所定の搬送距離に従って受光データをブロック化し、そのブロック化された部分の画素に対して異なったスレッショルドで2値化するようにして、蛍光の有無や蛍光パターンを検出するようにしている。これにより、紙葉類の表面にインクが印刷されている場合であっても、紙に漉き込まれている蛍光糸の有無の検出を精度良く行なうことができる。また、蛍光物質が汚れとして紙葉類の表面に付いた場合には、正規の面積の蛍光発光面積とはならないので、発光面積の大きさを判定するようにして検出の精度を良くしている。更に、蛍光糸と蛍光インクの双方が混在している紙葉類のパターンを認識するに際して、蛍光インクよりも明るい蛍光糸の影響を取り除き、蛍光インクの成分のみの蛍光画像データで別途種別毎(紙幣の場合には金種及び搬送方向毎)に用意してある基準パターンデータとパターンマッチングを行ない、紙葉類の真偽を判定するようにしている。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置の一例の全体構成を示すブロック図であり、蛍光センサ100内のブラックライト1には高周波電源2より高周波電力HWが供給され、ブラックライト(又はUVランプ)1が高周波点灯される。そして、反射鏡内の光量センサ3により高周波点灯されたブラックライト1の光量が測定され、光量信号KS1が増幅回路4に入力される。増幅回路4で増幅された光量信号KS2がA/Dコンバータ5に入力され、A/D変換されたデイジタル光量信号KS3が出力される。デイジタル光量信号KS3はCPU等に入力されて、ブラックライト1の光量チェック等に利用される。
【0013】
一方、ブラックライト1は紫外線(励起光)BLで搬送路を搬送される紙幣20を照射し、紙幣20の蛍光物質からの励起光の可視光成分が集光レンズとしてのセルフォックレンズアレイ11を通してCCDイメージセンサ10に入射され、CCDイメージセンサ10からの検知信号SS1は増幅回路12に入力され、増幅回路12で増幅された検知信号SS2がA/Dコンバータ13に入力されてデジタル値SS3に変換され、そのデジタル値SS3がFIFOメモリ(フレームメモリ)14に記憶されブロック化手段31及び/又は演算部40に入力される。すなわち、後述するように、FIFOメモリ14からの受光データ(SS3)は、本発明の処理が「繊維」と判定された場合にはブロック化手段31に入力され、処理が「パターン」と判定された場合には演算部40に入力されるようになっている。また、紙幣20を搬送する搬送パルス手段21からのパルス信号PSもブロック化手段31に入力される。
ブロック化手段31は、FIFOメモリ14から送られた受光データ(SS3)を搬送距離に従ってブロック化し、ブロック化されたライン毎(又はエリア毎)にスレッショルドを設定して、蛍光発光の有無を示す様に受光データ(SS3)の濃度分布に基づいて、受光データ(SS3)の2値化を行ない、受光データ(SS3)をブロック化する。ブロック化手段31でブロック化されたデータBDは比較/真偽判定手段30に入力されると共に、ラベリング手段32に入力される。また、ラベリング手段32に入力されたデータは、ラベリングされて比較/真偽判定手段30に入力される。
また、金種/方向判定部22で判定された種別信号TSは基準データ部(フレームメモリ)23に入力される。基準データ部23は、各種紙幣の基準データSDを金種、方向別に格納しており、金種/方向判定部22から入力された種別信号TSに対応した基準データSDを、比較/真偽判定手段30に入力る。
比較/真偽判定手段30では、ラベリング手段32にてラベリンクされた2値化された画素が、平面的に連続しているか否かの判断を行ない、隣り合う蛍光有りと判定した画素の個数集団を同一グループとみなして、当該グループの個数若しくはグループ内の画素の数が所定以上有れば真と判定して、判定結果を出力する。
【0014】
演算部40は、FIFOメモリ14から送られた受光データ(SS3)、パターンマッチングに必要な演算、例えば蛍光部(明部)を強調する演算を施すこの演算部40で演算されたデータは、フレームメモリ41に格納された後に比較/真偽判定手段30に入力されて、パターンマッチング時にパターンマッチングに用いられる。この場合に用いる基準データ部23の基準データSDは図3に示すように、比較エリアを示す座標データとパターンマッチング用データを有しており、金種/方向判定部22から入力された種別信号TSに対応した基準データSDが比較/真偽判定手段30に入力される。
【0015】
本発明に用いる蛍光センサ100は図2に示すようになっており、1は紫外線領域の励起光を発光する励起光源としてのブラックライトであり、UVランプ等も使用できる。10は上述のCCDイメージセンサであり、ブラックライト1は、検知部に搬送された紙幣20に対して45゜の角度で励起光BLが入射するように配置されており、CCDイメージセンサ10は紙幣20に対して直角方向、真下に配置されている。ガラスブロックにより構成された光学フィルタ102は、ブラックライト1及び紙幣20との間に配置され、その材質は例えば紫外線により蛍光発色しない合成石英ガラスが適している。
【0016】
上記光学フィルタ102には、それに入射するブラックライト1からの励起光BLの可視光成分を遮断して、紫外線領域のみを透過するフィルタ機能を有する膜が蒸着等により設けられており、ブラックライト1から発光する励起光BLが可視光成分を含まず紫外線領域のみを含む場合には、フィルタ機能を有する膜を設けなくともよい。紙幣20を載置又は近接して通過させる保護ガラス103は、励起光(紫外線)BL及び紙幣20の蛍光物質から発生する蛍光(可視光)の両方が透過するようになっている。保護ガラス103とCCDイメージセンサ10との間には、紙幣20から発光する蛍光をCCDイメージセンサ10に結像させる集光レンズ(例えばセルフォックレンズアレイ)11及び光学フィルタ104が配置されている。尚、CCDイメージセンサ10はフォトダイオードアレイの構成であっても良い。
【0017】
セルフォックレンズアレイ11及び光学フィルタ104は紙幣20から発光する蛍光をCCDイメージセンサ10に結像させるが、紙幣20で反射する励起光(紫外線領域)はCCDイメージセンサ10に結像しないようになっている。具体的には、光学フィルタ104は紙幣20で反射する励起光(紫外線領域)は遮断して、紙幣20の蛍光物質から発生する蛍光(可視光)を透過させる機能を有する膜を蒸着等により設けてある。
【0018】
また、セルフォックレンズアレイ11は波長依存性が大きいセルフォックレンズからなるアレイで、例えば日本板硝子社製のSLA−20(品名TC16.9)等が使用される。TC16.9のセルフォックレンズにおいては、450nmの波長では700nmの波長に比べて焦点距離が4mm程度短くなっている。光学フィルタ104の一方の端部側に蛍光体101が配置され、蛍光体101は、例えば紫外線により蛍光を発生する物質が配合された合成石英ガラスが適している。蛍光体101の直下で、CCDイメージセンサ10の一方の端部側に蛍光受光体105が配置されている。蛍光受光体105は蛍光体101の蛍光物質から発生する蛍光(可視光)を受光するもので、例えばCCDイメージセンサ10を構成するCCDイメージセンサやフォトダイオードのアレイの一部をモニタ用として構成されていても差し支えない。この様に、励起光量モニタ用の蛍光受光体105をCCDイメージセンサ10の一部で兼用して構成した場合は、別に蛍光受光体を配置する必要がないことから、安価で小型に本検出装置を提供できる効果を有する。
【0019】
さらに、ブラックライト1から蛍光受光体105への光路の部分は、ブラックライト1から発光するする励起光が、例えば紙幣20が保護ガラス103を通過する際に起こる光量変動や、保護ガラス103等の反射ノイズによる影響を受けないようにするため遮蔽体(図示せず)が、CCDイメージセンサ10の他端に設けられている。
【0020】
上記のように構成された蛍光センサ100は次のように動作する。ブラックライト1から発光する紫外線領域の励起光BLは、光学フィルタ102を透過して保護ガラス103を経て紙幣20に照射され、このとき励起光BLの可視光成分は光学フィルタ102で遮断され、紫外線領域のみが透過して紙幣20に照射される。そして、励起光BLの照射により、紙幣20の蛍光物質から可視光領域の蛍光が発光してセルフォックレンズアレイ11内に入射され、同時に紙幣20で反射した紫外線領域の励起光もセルフォックレンズアレイ11内に入射されるが、次の光学フィルタ104で遮断されて透過することはない。
【0021】
セルフォックレンズアレイ11内に入射して、光学フィルタ104を透過した可視光領域の蛍光はCCDイメージセンサ10の面上に結像すると共に、ブラックライト1の光量モニタ用として、ブラックライト1から蛍光受光体105に至る光路を設けており、ブラックライト1から発光する紫外線領域の励起光の一部は光学フィルタ102を透過して保護ガラス103の内面に設けられた鏡で反射されて、セルフォックレンズアレイ11に入射される。このとき、紫外線領域のみがセルフォックレンズアレイ11内に入射される。セルフォックレンズアレイ11に入射した紫外線領域の励起光は、蛍光体101に照射され、蛍光体101の蛍光物質から可視光領域の蛍光が発光し、発光した蛍光は蛍光受光体105で受光され、モニタ部110でその光量がモニタされる。
【0022】
上述のような構成において、以下に図4のフローチャートを参照して、本発明の動作を説明する。通過センサ(図示せず)は常時紙幣20の検知部の通過を検知しており、紙幣20の通過が検知されたときに搬送パルス手段21からのパルス信号PSに連動して光学センサ(図示せず)(又は磁気センサ)により画像データを取込み(ステップS2)、当該紙幣20の金種を金種/方向判定部22で判定する(ステップS3)。上記判定で該当金種が無いと判定された場合には当該紙幣はリジェクトされ(ステップS4)、該当金種が有ると判定された場合は、上述した蛍光センサ100によって画像データを読込み(ステップS5)、蛍光センサ100の画素毎のバラツキを光量補正するためのシェーディング補正を行なう(ステップS6)。
【0023】
次に、金種/方向判定部22より得られた金種情報を元にして、比較/真偽判定手段30での処理方法を「繊維」又は「パターン」にするかを決定する(ステップS10)。金種判定後に真偽判定を行なえば、紙幣の種類(金種)により予め蛍光の内容を知ることができ、金種によって真偽判定の手法を変えることができる。すなわち、蛍光部の内容が蛍光繊維のみの場合は、比較/真偽判定手段30での処理方法は「繊維」とされ、蛍光部の内容が蛍光インクのみ、あるいは蛍光繊維及び蛍光インクの場合は、比較/真偽判定手段30での処理方法は「パターン」と決定される。例えばイタリアの紙幣の場合は、蛍光部の内容は蛍光繊維のみであるため、比較/真偽判定手段30での処理方法は「繊維」と決定され、ドイツ紙幣の場合は、蛍光部の内容が蛍光繊維及び蛍光インクから成るため、比較/真偽判定手段30での処理方法は「パターン」と決定されるなお、コピー券等は蛍光が全面に入っているため、リジェクトできる。また、紙幣自身も蛍光レベルが0ではなく、場所によって若干の蛍光レベルがある。しかしながら、処理方法が「繊維」と決定された場合は、ライン毎又はエリア毎に2値化することで背景の紙幣の影響を除去できる。また、処理方法が「パターン」と決定された場合は、画像全体を乗算することにより暗い部分、即ち、蛍光のない部分の値を小さくすることによって、通常画像を蛍光部から分離することができる。更にまた、加算することによって蛍光部の蛍光レベルを高くし、蛍光とそれ以外の部分とに分離する。この結果、流通して蛍光部の蛍光レベルが小さくなった紙幣でも、蛍光部の検出が可能である。
【0024】
上記ステップS10において、処理方法が「繊維」と決定された場合には、FIFOメモリ14に格納されているデータがブロック手段31に入力され、蛍光センサ100の画像データ取り込みのライン毎にスレッショルドTHを決定する(ステップS11)。図5は各ラインの濃度ヒストグラムの例を示しており、同図(A)はすかし部などの背景が白い部分の濃度ヒストグラムを示し、同図(B)は顔などの背景が黒い部分の濃度ヒストグラムを示しており、同一紙幣でも濃度分布が異なる。従って、ブロック化手段31では蛍光センサ100のライン毎に画像データSS3を分割し、分割された部分毎に濃度ヒストグラムをとり、中間値(又は平均値)mを求め、その中間値mからスレッショルドTH=m+αを求める。図5(A)の場合にはスレッショルドTH1を設定し、同(B)の場合にはスレッショルドTH2を設定する。このようなスレッショルドTHが決定された後に、当該スレッショルドTHで全画素をライン毎に2値化し(ステップS12)、ラベリング手段32でラベリングする(ステップS13)。図6はラベリングを説明する図であり、同図(A)のような2値化データを左上から順次走査して行き、同図(B)に示すようにブロック化された2値化された画素に対して、平面的に連続しているか否かの判断を行ない、平面的に連続している、即ち、隣り合う蛍光有りと判定された2値化された画素(連結成分)の集団を同一グループとみなして、同一グループに同一のラベル(番号)を付け、別の同一グループには異なった番号を付けていき、ラベル付けする画素がなくなるまで繰り返す。
【0025】
上述のようなラベリングを行なった後、比較/真偽判定手段30では、ラベリング手段32でラベル付けされた同一グループ内の画素の数(ラベルのサイズ)が大きいものは汚れとみなし、また小さいものはノイズとみなす判定処理を行なう(ステップS14)。現在、イタリア紙幣の蛍光繊維は3〜4mmであり、蛍光センサ100の画素サイズが0.8×0.8[mm]であるため蛍光繊維の画素は2〜9画素程度である。よって、ラベリングした中でラベルのサイズが2〜9画素のグループを蛍光繊維とし、そのグループの数を数える。また日本の紙幣の場合は総裁印の部分に蛍光繊維ある。よって、ラベリングした中でラベルのサイズが60画素以上あるグループが1つあれば真券とする。即ち、比較/真偽判定手段30は、ラベリング手段32でラベリングされて形成されたグループの個数若しくはグループ内の画素数が所定以上有れば真と判定して、判定結果RSを出力する。
【0026】
一方、上記ステップS10において、処理方法が「パターン」と決定された場合には、FIFOメモリ14に格納されている受光データが演算部40に入力され、比較/真偽判定手段30でパターンマッチングによる判定が行なわれる。即ち、紙幣の中には蛍光繊維の他に蛍光インクを用いて印刷されているものがあるが、蛍光インクが用いられて蛍光部が形成されているものは、パターンマッチングによって判定が行なわれるなお、これらの蛍光部は数字であったり、模様であったりする。この場合、先ずFIFOメモリ14から演算部40に入力された受光データ乗算、加算、γ補正等の濃度補正を行ない(ステップS15)、その演算されたデータフレームメモリ41に格納される。フレームメモリ41は、第1フレームメモリと第2フレームメモリとを具備している。すなわち、先ずデジタル化された紙葉類の蛍光画像のデータが第1フレームメモリに記憶され、第1フレームメモリの各画素値に対して上述した濃度補正を行なって、明部を強調する演算を行ない、この濃度補正の演算を行なった後の各画素値が第2フレームメモリに記憶される。フレームメモリ41(第2フレームメモリ)に収納されているデータは、その後、比較/真偽判定手段30に入力される。比較/真偽判定手段30では、フレームメモリ41から入力されたデータと、金種/方向判定部22からの種別信号TSに応じて基準データ部23より読出された基準データSDと比較して、パターンマッチングを実施し、紙幣の真偽の判定をする(ステップS16)。図7は、処理方法が「パターン」と決定された場合の蛍光画像の処理方法を示す図であり、原画像を同図(A)のAijとすると、紙幣の発光を取り除くために8ビットの場合、下記数1の乗算を行なう。
【0027】
【数1】
Bij=Aij×Aij/255
そして、その後に蛍光部(繊維、インク)を強調するために下記数2の加算を行なう。
【0028】
【数2】
Cij=Bij+Bij
更に、下記数3の乗算を行なうことによって蛍光部の抽出を行ない、この画像Dを用いて判定を行なう。
【0029】
【数3】
Dij=Cij×Cij/255
パターンマッチングによる真偽判定の方法は、金種及び方向が金種/方向判定部22より与えられると、基準データ部23の図3に示すような金種/方向別のテーブルに基づき判定を行なう。蛍光センサにより得られたデータがi=1,2,…n、j=1,2,…mの2次元の画像データとすると、比較エリアは金種方向により1から複数個存在し、各々判定方法が決められている。例えば金種1では比較エリアが3個設けられている。エリアAはi=10〜70、j=20〜50の範囲で蛍光の有無を判定し、エリアBはi=100〜170、j=30〜50の範囲で蛍光パターンの形状の判定を行なう。(テーブルのパターンとの比較)エリアCはi=100〜150、j=50〜90で蛍光のレベルの判定を行ない、これらの判定は1つのエリアでパターンと濃度について行なうこともある。そして、これら全ての条件を満たした時、真券と判定する。
【0030】
図8はパターンマッチングの例を示しており、同図(A)がテーブルパターンを示し、同図(B)がフレームメモリ41の演算画像を示している。そして、図8(B)のA,B,Cがそれぞれ図3の比較エリアA,B,Cに対応しており、本例では比較エリアBが異なっていること、つまり偽券であることを示している。
【0031】
尚、上述では紙幣について説明したが、蛍光物質を含んだ他の紙葉類に対しても同様に適用できる。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置によれば、紙葉類に漉き込まれている蛍光繊維の有無を微小面積にて検出するに際して、その部分に特有のインクの厚みなどの特徴を考慮して検出するので、より精度良く蛍光繊維の有無の判定を行なうことができる。又、小面積毎にスレッショルドを設定して蛍光発光の有無を示す様に2値化を行ない、その部分的な蛍光発光画素の個数を計数することにより、汚れなどによる蛍光の発生等蛍光繊維の発光する蛍光とは分離して判定ができる。更に、蛍光の存在するエリア数の数によっても真偽の判定が可能である。更にまた、紙葉類の種類や搬送方向のデータを取得した上で、蛍光インクで印刷されている部分の蛍光パターンの認識を行なう際に、障害となるランダムに存在する蛍光糸の画像を排除してノイズリダクションを行ない、極めてクリアな画像データで判定処理を行なうので、真偽判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に用いる蛍光センサの展開構成図である。
【図3】パターン比較に用いる基準データの一例を示す図である。
【図4】本発明の動作例を示すフローチャートである。
【図5】画像データラインに対する濃度ヒストグラムの例を示す図である。
【図6】ラベリングを説明するための図である。
【図7】蛍光画像の処理方法を説明するための図である。
【図8】本発明によるパターンマッチングを説明するための図である。
【符号の説明】
1 ブラックライト
5、13 A/Dコンバータ
10 CCDイメージセンサ
20 紙幣
21 搬送パルス手段
22 金種/方向判定部
30 比較/真偽判定手段
31 ブロック化手段
32 ラベリング手段
100 蛍光センサ

Claims (2)

  1. 紫外線を紙葉類に照射し、前記紙葉類の蛍光物質からの励起光の可視光成分を受光素子に与えるようにした蛍光検出センサを備えた蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置において、
    前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
    前記蛍光センサからの受光データをデジタル化するA/D変換手段と、
    デジタル化した紙葉類の前記受光データを記憶するフレームメモリと、
    前記紙葉類の搬送距離及び前記フレームメモリに記憶された前記受光データの濃度分布に基づいて該受光データをブロック化し、ブロック毎に異なったスレッショルドで2値化するブロック化手段と、
    該ブロック化手段で2値化された画素に対して平面的に連続しているか否かの判断を行ない、隣り合う蛍光有りと判定され前記画素の集団を同一グループとみなして、前記同一グループ毎に同一のラベルを付けるラベリング手段と、
    前記同一ラベルが付された前記同一グループの個数若しくは前記各同一グループ内の前記画素数が所定以上有れば真と判定する比較/真偽判定手段と
    を具備したことを特徴とする蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置。
  2. 紫外線を紙葉類に照射し、前記紙葉類の蛍光物質からの励起光の可視光成分を受光素子に与えるようにした蛍光検出センサを備えた蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置において、前記紙葉類を搬送する搬送手段と、前記紙葉類の種類及び搬送方向を判別する紙葉類判別手段と、前記紙葉類の種類及び搬送方向毎に蛍光インクによる蛍光パターンの存在位置及びそのパターン情報を記憶する基準データ記憶手段と、前記蛍光センサからの画素データをデジタル化するA/D変換手段と、デジタル化した紙葉類の蛍光画像データを記憶する第1フレームメモリと、前記第1フレームメモリの各画素値に対して明部を強調する演算を行なう演算手段と、前記明部を強調した後の画素値を記憶する第2フレームメモリと、前記紙葉類の種類及び搬送方向に応じて前記基準データ記憶手段のパターンの存在位置及びそのパターン情報を読出し、前記第2フレームメモリのパターンの存在するエリアを特定し、その特定部分の画像と前記パターン情報とのパターンマッチングを行なって真偽を判定する真偽判定手段とを具備したことを特徴とする蛍光センサを用いた紙葉類の真偽判定装置。
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