JPH0830834A - 紙幣識別装置 - Google Patents

紙幣識別装置

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JPH0830834A
JPH0830834A JP6186764A JP18676494A JPH0830834A JP H0830834 A JPH0830834 A JP H0830834A JP 6186764 A JP6186764 A JP 6186764A JP 18676494 A JP18676494 A JP 18676494A JP H0830834 A JPH0830834 A JP H0830834A
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laser light
light
area
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JP6186764A
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Shigetaro Muraoka
繁太郎 村岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹版印刷の印刷インクによる微小盛り上がり
間の微小低部を検出し、これに基づき真性紙幣を非真正
紙幣と正確に識別する紙幣識別装置の提供。 【構成】 識別対象紙幣50を抑えるアパーチャプレー
ト20と、レーザ光を識別対象紙幣50に照射する発光
部31及び微小低部からの反射レーザ光の入射エリアに
のみ受光素子を配した受光部34からなる検出部30
と、1ポジションづつ進行方向にずらしながら、連続す
る複数のポジションに於ける微小低部のあるポジション
数が基準データのそれと許容誤差内で一致しているか否
かを比較する比較部43と、その出力列が、判定基準で
ある「連続する一定数の一致」であれば、真正紙幣と、
「連続する一定数の不一致」であれば、非真正紙幣であ
ると判定する判定部45とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙幣識別装置に関し、
詳細には、凹版印刷により生じる紙幣面上の印刷インク
による微小盛り上りの有無に基づいて識別対象紙幣が真
正紙幣であるか、非真正紙幣であるかを識別する紙幣識
別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙幣が真正の紙幣であるか、非真正の紙
幣であるかを識別することは、国家経済の安定的発展を
図る上で重要な問題である。特に、缶コーヒーやたばこ
等の自動販売機、鉄道車両の乗車券等の自動券売機及び
自動両替機等が普及してきている今日、投入される紙幣
が真正紙幣であるか、非真正紙幣であるかを識別するこ
とは、重要な問題である。
【0003】そこで、従来より、外観上は一応紙幣と認
められるものが、真正紙幣であるか否かを識別する種々
の紙幣識別装置が提供されて来ており、それらの従来の
紙幣識別装置には、赤外線を使用するものと、可視光を
使用するものとがある。
【0004】赤外線を使用した従来の紙幣識別装置は、
先ず、識別対象紙幣の適当な検出領域に赤外線を投射
し、該検出領域からの反射赤外光を赤外線受光素子で受
光して光電変換するものである。この光電変換波形をあ
らかじめ格納されている真正紙幣の当該検出領域の光電
変換波形と比較し、その比較結果がある一定の許容範囲
内のときには、該識別対象紙幣は真正紙幣であると判定
し、その比較結果が当該許容範囲外のときには、識別対
象紙幣は非真正紙幣であると判定するものである。
【0005】即ち、赤外線を使用した紙幣識別装置で
は、紙幣を構成する用紙や印刷インクによって赤外線の
吸収率に違いが生じることに着目し、真正紙幣と非真正
紙幣に於けるそれらの違いから生じる赤外線吸収率の差
を受光素子からの出力光電変換波形の形で得て、これを
真正紙幣のそれと比較して識別対象紙幣の真正/非真性
を識別しているものである。
【0006】また、可視光を使用した従来の紙幣識別装
置は、識別対象紙幣の適当な検出範囲に可視光を投射
し、識別対象紙幣で反射された反射光を受光素子で受光
して光電変換するものである。このとき、紙幣の表面に
印刷された文字、図形、記号及び模様等により、反射光
強度が変化する。しかして、これに応じて、前記受光素
子で得られた光電変換波形を、予め格納されている真正
紙幣の当該検出範囲の光電変換波形と比較し、その比較
結果がある一定の許容範囲内のときには、識別対象紙幣
は真正紙幣であると判定し、その比較結果が当該許容範
囲外のときには、識別対象紙幣は非真正紙幣であると判
定するものである。
【0007】このように、従来の紙幣識別装置は、赤外
線又は可視光のいずれを使用するものであっても、紙幣
に印刷されている文字、図形、記号及び模様等を平面的
なものとして取り扱っているところが共通している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の紙幣識別装置にあっては、赤外線又は可視光
のいずれを使用するものであっても、紙幣に印刷されて
いる文字、図形、記号及び模様等を平面的なものとして
取り扱い、その紙幣の面上に赤外線あるいは可視光を投
射して、その反射光の強弱に基づいて識別対象紙幣が真
性紙幣であるか非真性紙幣であるかを識別していたもの
であるため、特に、可視光を用いたものは、紙幣の真贋
の識別の正確性が問題となっている。
【0009】即ち、近時、平版印刷技術の向上や複写機
の精度の向上に伴って、文字や模様等の施された識別対
象紙幣の面上からの赤外線あるいは可視光の反射光の強
弱は、真性紙幣と非真性紙幣とでその相違があいまいと
なり、それらを識別の指標とする従来装置では、識別対
象紙幣が真性紙幣であるか非真性紙幣であるかを正確に
識別することが困難となってきている。
【0010】特に、複写機で真性紙幣を複写した非真性
紙幣は、複写技術が発達してきた今日、可視光を利用し
た従来の紙幣識別装置により、可視光を投射した場合、
その反射光の波形は、真性紙幣に可視光を投射した場合
の反射光とほとんど同一の波形となり、適切な紙幣の識
別を行なうことができないという問題がある。
【0011】また赤外線を利用した従来の紙幣識別装置
の場合、現在の複写技術では、赤外線の吸収率の変化ま
で完全に複写することができず、ある程度真性紙幣と非
真性紙幣を識別することはできるが、複写技術や印刷技
術が急速に発達してきている現在、いずれ識別が容易で
なくなることが予測され、真性紙幣と非真性紙幣とを正
確に識別する新たな紙幣識別装置が要望されている。
【0012】更に、従来の紙幣識別装置にあっては、識
別対象紙幣が長い流通過程を経て、汚れや皺がよったり
した場合、適切な反射光を得ることができず、真性紙幣
を非真性紙幣と判定する確率が高くなるという問題もあ
る。
【0013】また従来の紙幣識別装置としては、印刷イ
ンク内の磁性体を検出して、真性紙幣か非真性紙幣かを
識別するものもや、これに加えて紙幣の幅や厚みをも検
出して識別するものがある。しかしこれらの技術は極め
て不完全であり、元来、正確な識別を行なえるものでは
ない。更に紙幣の幅や厚みを測定するのは、もともと補
助的な技術に過ぎない。
【0014】そこで、本発明は、以上の従来技術の問題
を解決することをその課題としてなしたものであり、よ
り詳しく述べれば、凹版印刷によって印刷される紙幣面
上の印刷インクによる微小盛り上りに着目し、これを検
出して、この微小盛り上りに基づいて、正確に真性紙幣
と非真性紙幣を識別することのできる紙幣識別装置を提
供することを解決の課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の構成の要旨とす
るところは、搬送手段で搬送されて来る識別対象紙幣
を、その上面から押圧して平坦にさせる押圧平坦化手段
と、上記押圧平坦化手段で平坦化されつつ、前記搬送手
段で搬送される識別対象紙幣について、上面の識別領域
の開始点から終了点まで、その搬送に伴って、前記押圧
平坦化手段に開口してある検出口から、近赤外線レーザ
光を投射し、かつ反射レーザ光を受光して、受光位置が
いずれであるかにより、識別領域の各ポジションに、前
記押圧平坦化手段の下面を基準として、それより低い低
所である微小低部の存否を検出する検出手段と、上記検
出手段により検出した前記検出領域の開始点から終了点
までの一連のポジションに於ける微小低部の存否のデー
タを真正紙幣の同一検出領域の一連のポジションに於け
る微小低部の存否のデータと比較する比較手段と、上記
比較手段の比較結果に基づいて、前記識別対象紙幣が、
凹版印刷の印刷インクによる微小盛り上りを有する真正
紙幣であるか、これのない非真正紙幣であるかを判定す
る判定手段と、で構成した紙幣識別装置であり、これに
よって前記課題を解決することができる。
【0016】前記検出手段は、紙幣の検出領域に於ける
印刷インクによる微小盛り上り、即ち、前記押圧平坦化
手段の下面を基準として見るこの装置の観点からは、微
小低部が正確に検出できる手段であれば、特定のそれに
限定されない。なおこの明細書中で云う微小低部は、凹
版印刷に於ける印刷インクの微小盛り上がりの間に位置
する微小盛り上がりのない部位を指しており、面積が狭
いとは限らない。微小盛り上がりの頂部を基準として見
た場合、その頂部から微小な高低差をもった低部であっ
て、面積の広狭を問わないと云う意味と云うこともでき
る。
【0017】例えば、前記検出手段は、近赤外線のレー
ザ光を発光し、該レーザ光を斜め方向から前記識別対象
紙幣の検出領域に投射するレーザ投射器と、前記識別対
象紙幣の検出領域に於いて、レーザ光の投射点に立てた
仮想法線を中心に反対側に反射する反射レーザ光を受光
する受光器であって、複数の受光素子を面状に配列し、
いずれの受光素子で反射レーザ光を受光したかにより、
検出領域中の反射位置の微小低部の存否を検出する受光
器と、で構成することができる。
【0018】また以上の検出手段の受光器に於いて、前
記受光器に於いて、前記識別対象紙幣の検出領域に微小
低部がない場合に反射レーザ光が受光されるエリアには
受光素子を配置せず、微小低部があった場合に、該微小
低部からの反射レーザ光が受光されるエリアにのみ受光
素子を配置する構成とするのが好ましい。
【0019】より詳しく述べれば、前記受光器に於い
て、識別対象紙幣の検出領域に印刷インクによる微小盛
り上がりがない場合の紙幣面(即ち、前記押圧平坦化手
段の下面と同一高さの面)から反射するレーザ光の受光
エリア、及び識別対象紙幣の検出領域に印刷インクによ
る微小盛り上がりがある場合の紙幣面(即ち、前記押圧
平坦化手段の下面を基準として見るこの装置の観点から
は、微小低部)より上方から反射するレーザ光の受光エ
リアの双方については、受光素子を配置しない構成とす
る。
【0020】そして、該受光器に於いて、識別対象紙幣
の検出領域に印刷インクによる微小盛り上がりがある場
合の紙幣面(即ち、前記押圧平坦化手段の下面を基準と
して見るこの装置の観点からは、微小低部)からの反射
レーザ光を受光する受光エリアについてのみ受光素子を
配置する構成とする訳である。この受光エリアは、紙幣
面に皺等が存在しなければスポット的な極めて狭い領域
である筈であるが、実際の紙幣(真正紙幣)は紙幣面に
細かな皺その他の微小凹凸があるので、ある程度の広さ
をもったエリアとならざるを得ない。その広さは、紙幣
の種別毎に実験的に定めざるを得ない。
【0021】また、例えば、前記検出手段は、近赤外線
のレーザ光を発光し、該レーザ光を斜め方向から前記識
別対象紙幣の検出領域に投射するレーザ投射器と、前記
識別対象紙幣の検出領域に於いて、レーザ光の投射点に
立てた仮想法線を中心に反対側に反射する反射レーザ光
を受光するイメージセンサであって、配列されている複
数の画素間を走査していずれの画素で受光したかを検知
することにより、検出領域中の反射位置の微小低部の存
否を検出するイメージセンサと、で構成することもでき
る。
【0022】また以上の検出手段のイメージセンサに於
いては、配列されている複数の画素中、前記識別対象紙
幣の検出領域に微小低部がない場合に反射レーザ光が受
光されるエリアの画素については、反射レーザ光を受光
し得ないようにマスクし、前記識別対象紙幣の検出領域
に微小低部があった場合に、該微小低部からの反射レー
ザ光が受光されるエリアの画素についてのみ受光可能な
ように受光面を開放した構成を採用することもできる。
【0023】しかして、以上のイメージセンサに於い
て、配列されている複数の画素中のマスクすべきエリア
と、開放されるべきエリアとは、前者が、前記受光器に
於いて、受光素子を配列しないエリアに対応し、後者
が、前記受光器に於いて、受光素子を配列するエリアに
対応するものであり、全く同様な趣旨である。
【0024】また前記比較手段は、例えば、真正紙幣の
前記検出領域の開始点から終了点までの一連のポジショ
ンに於ける微小低部の存否のデータを格納している記憶
手段を備え、前記検出手段により検出した識別対象紙幣
の前記検出領域の開始点から終了点までの一連のポジシ
ョンに於ける微小低部の存否のデータを、前記記憶手段
から読み出した真正紙幣について同一領域のデータと、
双方のポジションを対応させつつ比較し、各々一致する
か否かの比較結果を出力するものに構成することができ
る。
【0025】もっとも双方のデータのポジションの対応
は、1対1で対応させても全く不都合という訳ではない
が、装置の機械的精度が完全とは云えない現状から、識
別対象紙幣についての現実の検出領域が開始点から終了
点まで、記憶手段に格納されているデータについてのそ
れと前後左右とも完全に一致していることは望み難いの
で、現時点では不適当であり、連続する複数のポジショ
ン毎に対応させて比較するのが適当である。
【0026】即ち、各対応するポジションのデータの1
対1の一致不一致は、問題とせず、例えば、連続する複
数のポジションのデータ相互を比較し、その複数のポジ
ション内での微小低部の存在するポジションの数が、相
互に、許容誤差内又は許容誤割合内で一致しているか否
かを判断する等である。
【0027】より具体的に述べれば、先ず、識別対象紙
幣の検出領域の開始点から15個までのポジションのデ
ータについて、記憶手段から読み出した開始点から15
個までのポジションのデータを比較する。比較は、各々
についての15個のポジションの内、微小低部が有であ
るポジションの数が相互に許容誤差内又は許容誤割合内
で一致しているか否かについて行なう。例えば、前者に
於ける有であるポジションの数から後者に於ける有であ
るポジションの数を減算して、得られた差の絶対値が一
定の許容誤差(例えば、3)内又は一定の許容誤割合
(例えば、記憶手段から読み出した15個のポジション
の内、有であるポジション数に対して30%)内であれ
ば、両者は一致していると判断し、そうでなければ、不
一致と判断する。なおこれらの各数値は実験的経験的に
定めるべきものである。
【0028】引き続いて2番目(開始点の次)のポジシ
ョンから16番目のポジションまでのデータにつき同じ
ことを行なう。その終了後は、三番目のポジションから
17番目のポジションまでのデータにつき同じことを行
なう。こうして各回の比較で得られた結果を次の判定手
段に出力する。
【0029】また前記判定手段は、紙幣の種別毎等によ
って異なる判定基準を保持している判定基準記憶手段を
有し、これに記憶している判定基準を読み出し、該判定
基準に基づいて、前記比較手段から取り込まれる比較結
果を処理し、識別対象紙幣が真正紙幣か否かを判定す
る。例えば、前記比較手段から10回連続して一致の結
論が出力された場合には、当該の識別対象紙幣を真正紙
幣であると判定し、それ以上の比較処理を打ち切る信号
を比較手段に出力するとともに、該識別対象紙幣を受け
入れる旨の信号を搬送手段等に出力する。また前記比較
手段から15回連続して不一致の結論が出た場合には当
該の識別対象紙幣を非真正紙幣であると判定し、それ以
上の比較処理を打ち切る信号を比較手段に出力するとと
もに、該識別対象紙幣を排除する旨の信号を搬送手段等
に出力する。
【0030】以上の10回連続する一致又は15回連続
する不一致は、云うまでもなく、検出領域の開始点から
である必要はなく、途中のいずれのポジションから連続
するものでも良いのは云うまでもない。これらは実験的
に定められるべきであり、それぞれ判定基準として前記
判定基準記憶手段に格納しておくべきものである。
【0031】
【作用】したがって本発明の紙幣識別装置は、次のよう
に使用され、良好な識別結果を得ることができる。識別
対象紙幣は、この紙幣識別装置を取り付けた各種自動販
売機等の紙幣挿入口から挿入されると、搬送手段により
搬送路を搬送され、押圧平坦化手段の下に引き込まれて
来る。当該識別対象紙幣は、上記押圧平坦化手段により
押し広げられ、皺があっても延ばされて平坦な状態にな
りつつ更に搬送される。このとき、前記検出手段が動作
し、搬送される識別対象紙幣の上面の所定の検出領域
に、前記押圧平坦化手段に開口した検出口から近赤外線
レーザ光が投射され、その反射レーザ光が受光される。
近赤外線レーザ光の投射は、検出手段のレーザ投射器等
によって行なわれ、反射レーザ光の受光は、複数の受光
素子を面状に配列した受光器又はイメージセンサ等によ
り行なわれる。
【0032】前記押圧平坦化手段の下面を基準として、
識別対象紙幣の検出領域に、それより低い微小低部があ
る場合には、搬送手段による識別対象紙幣の移動に伴っ
て、反射点の高さが変化し、前記反射レーザ光は、各時
点で、それに応じて反射することとなり、前記受光器の
対応するエリアの受光素子又はイメージセンサの対応す
るエリアの画素でそれが受光されることとなる。
【0033】そして受光器に於けるいずれの受光素子で
受光されたか、イメージセンサのいずれの画素で受光さ
れたかで、検出領域の各エリアに於ける微小低部の有無
が検出されることとなる。「有」のエリアの受光素子又
は画素で受光された場合は、当然、「有」であり、
「無」のエリアの受光素子又は画素で受光された場合
は、当然、「無」である。
【0034】前記したように、前記受光器に於いて、前
記識別対象紙幣の検出領域に微小低部がない場合に反射
レーザ光が受光されるエリアには受光素子を配置せず、
微小低部があった場合に、該微小低部からの反射レーザ
光が受光されるエリアにのみ受光素子を配置した場合、
又は前記イメージセンサに於いて、配列されている複数
の画素中、前記識別対象紙幣の検出領域に微小低部がな
い場合に反射レーザ光が受光されるエリアの画素につい
ては、反射レーザ光を受光し得ないようにマスクし、前
記識別対象紙幣の検出領域に微小低部があった場合に、
該微小低部からの反射レーザ光が受光されるエリアの画
素についてのみ受光可能なように受光面を開放した場合
には、識別対象紙幣の検出領域に微小低部が存在する場
合であって、当該の検出ポジションが微小低部の位置、
即ち、紙幣面に対応している場合にのみ受光素子又は画
素で反射レーザ光が受光され、それ以外の場合には、受
光されない。したがって、端的に、検出領域の各ポジシ
ョンに微小低部がある場合にそのことのみが検出される
こととなる。反射レーザ光がいずれの受光素子又は画素
でも受光されなければ、微小低部は、「無」であり、反
射レーザ光がいずれかの受光素子又は画素で受光されれ
ば「有」である。
【0035】こうして検出手段で得られた検出データ
は、次の比較手段に入力され、真正紙幣の同一検出領域
の検出データと比較される。即ち、前記検出手段により
検出した識別対象紙幣の前記検出領域の開始点から終了
点までの一連のポジションに於ける微小低部の存否のデ
ータを、前記記憶手段から読み出した真正紙幣について
同一領域のデータと、双方のポジションを対応させつつ
比較し、各々一致するか否かの比較結果を出力する。
【0036】もっとも双方のデータのポジションの対応
は、現時点では、前記したように、1対1で対応させる
べきではなく、連続する複数のポジション毎に対応させ
て比較するのが適当である。しかして、前記したよう
に、例えば、連続する複数のポジションのデータ相互を
比較し、その複数のポジション内での微小低部の存在す
るポジションの数が、相互に、許容誤差内又は許容誤割
合内で一致しているか否かを判断することとする。
【0037】前記した手順を実行するものとすれば、先
ず、識別対象紙幣の検出領域の開始点から15個までの
ポジションのデータについて、記憶手段から読み出した
開始点から15個までのポジションのデータを比較す
る。比較は、そのうちの微小低部を有するポジションの
数が相互に許容誤差内又は許容誤割合内で一致している
か否かについて行なうもので、例えば、前者の微小低部
の存在するポジションの数から後者の同様のポジション
の数を減算してその絶対値が一定の許容誤差(例えば、
3)内又は一定の許容誤割合(例えば、記憶手段から読
み出した15個のポジションの内、有であるポジション
数に対して30%)内であれば、一致していると判断
し、そうでなければ、不一致と判断する。
【0038】引き続いて2番目のポジションから16番
目のポジションまでのデータにつき同じことを行なう。
その終了後は、三番目のポジションから17番目のポジ
ションまでのデータにつき同じことを行なう。こうして
各回の比較で得られた一致又は不一致の結果を次の判定
手段に出力する。
【0039】前記判定手段では、判定基準記憶手段に記
憶している判定基準を読み出し、該判定基準に基づい
て、前記比較手段から取り込まれる一致又は不一致の比
較結果を処理し、識別対象紙幣が真正紙幣か否かを判定
する。
【0040】しかして、前記したように、前記判定基準
記憶手段から読み出された判定基準に基づいて、前記比
較手段から10回連続して一致の結論が出力された場合
には、当該の識別対象紙幣を真正紙幣であると判定し、
それ以上の比較処理を打ち切る信号を比較手段に出力す
るとともに、該識別対象紙幣を受け入れる旨の信号を搬
送手段等に出力する。また前記比較手段から15回連続
して不一致の結論が出た場合には当該の識別対象紙幣を
非真正紙幣であると判定し、それ以上の比較処理を打ち
切る信号を比較手段に出力するとともに、該識別対象紙
幣を排除する旨の信号を搬送手段等に出力する。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。説明は、構成を作用とともに説明す
る。図1は、本発明の実施例である紙幣識別装置1のブ
ロック図であり、該紙幣識別装置1は、自動券売機やコ
ーヒー、タバコ等の自動販売機等に適用される。
【0042】この紙幣識別装置1には、搬送部10、ア
パーチャプレート(押圧平坦化手段)20、検出部3
0、比較・判定部40等を備えている。
【0043】搬送部10は、一対のプーリ11、12と
コンベアベルト13を備えており、コンベアベルト13
は、プーリ11とプーリ12との間に掛け渡されてい
る。プーリ11とプーリ12の少なくとも一方は、図外
のモータにより回転駆動され、コンベアベルト13を、
例えば、図1中反時計廻り方向に回転させる。アパーチ
ャプレート20は、前記コンベアベルト13の上方に、
コンベアベルト13と平行に当該コンベアベルト13と
の間で識別対象紙幣50を挟むように配設されており、
コンベアベルト13の搬送方向中央部に検出部30から
投射される光を透過する検出口21が構成されている。
また該アパーチャプレート20は図示していないバネに
よりコンベアベルト13側に押し付けられるようになっ
ている。
【0044】前記搬送部10のコンベアベルト13とア
パーチャプレート20との間には、図示しない紙幣挿入
口から識別対象紙幣50が、例えば、図1中右側から挿
入され、識別対象紙幣50は、アパーチャプレート20
によりコンベアベルト13に押し付けられて平坦化され
つつ、コンベアベルト13により図1中左方向に搬送さ
れるようになっている。
【0045】上記検出部30は、発光部31、投射レン
ズ32、集光レンズ33及び受光部34等を備えてお
り、前記アパーチャプレート20の上部に取り付けられ
ている。上記発光部31は、レーザ発振器や増幅器等を
備え、近赤外領域の波長のレーザ光をアパーチャプレー
ト20の検出口21方向に投射する。投射レンズ32
は、発光部31の発光するレーザ光を検出口21内の所
定スポットに集光するようになっており、この検出口2
1中に投射されたレーザ光は、このときアパーチャプレ
ート20により抑えられつつコンベアベルト13により
搬送されている識別対象紙幣50の所定の検出ライン上
の前記所定スポットに投射され、該所定スポットで反射
される。なおこの例では、投射レンズ32による焦点は
前記アパーチャプレート20の下面と同一高さで前記所
定スポットに固定されている。即ち、固定焦点である。
【0046】識別対象紙幣50の該所定スポットで反射
されたレーザ光は、集光レンズ33を介して受光部34
に入射される。この集光レンズ33は、識別対象紙幣5
0で反射されたレーザ光を絞って受光部34に入射す
る。
【0047】投射レンズ32を介して発光部31から識
別対象紙幣50に投射されたレーザ光は、識別対象紙幣
50の上面で反射されることとなるが、識別対象紙幣5
0が凹版印刷により印刷された真正紙幣である場合に
は、その上面に、印刷インクにより、図2に示すよう
に、微小盛り上り50aが形成されており、識別対象紙
幣50に投射されたレーザ光は、該識別対象紙幣50の
進行状態との関係で、ある時点では、この微小盛り上り
50aの頂面で反射されて、図2にAで示した反射光と
して受光部34に入射され、引き続く識別対象紙幣50
の進行にともなってレーザ光は前記微小盛り上り50a
の右斜面に投射されるようになり、更に進行すると、レ
ーザ光は、前記微小盛り上り50aとその右の微小盛り
上がり50aとの底部、即ち、紙幣面で反射され、図2
にBで示した反射光として、受光部34に入射されるこ
ととなる。
【0048】しかして前記アパーチャプレート20の下
面を基準としてみた場合に、真正紙幣について、以上の
ようにして、その前端から後端まで検出動作を行なえ
ば、印刷インクによる多数の微小盛り上り50a、50
a…の列は、その頂点が前記アパーチャプレート20の
高さに一致することとなるので、微小盛り上りとしてで
はなく、基準面とそこに形成された微小低部の列からの
反射が行なわれると見なすことができる。
【0049】また識別対象紙幣50が、凹版印刷により
印刷されたものでない場合、即ち、非真正の紙幣である
場合には、発光部31で発光され、投射レンズ32を通
じて識別対象紙幣50の検出領域に投射された近赤外線
レーザ光は、識別対象紙幣50の紙の上面で反射され、
図3にCで示した反射光として、受光部34に入射され
る。
【0050】即ち、この場合には、印刷インクによる微
小盛り上りはないので、前記アパーチャプレート20
は、その下面が前記識別対象紙幣50の上面に当接する
こととなる。したがって識別対象紙幣50の上面は、検
出開始から終了までアパーチャプレート20の下面と一
致しており、微小低部は存在しないので、微小低部から
の反射は全く存在しないこととなる。
【0051】もっともこの識別対象紙幣50に、何らか
の汚れが付着し、またはアパーチャプレート20でも広
げられないような小さな皺を有している場合には、それ
らの頂部は、前記真正紙幣に於ける印刷インクによる微
小盛り上がり50aと同様に、その頂部がアパーチャプ
レート20の下面である基準面と一致するので、基準面
とそこに存在する微小な低部からの反射が行なわれると
見なすことができる。
【0052】なお、図2に於いては、説明を簡略化する
ため識別対象紙幣50の上面側にのみ、凹版印刷による
微小盛り上り50aを表示しているが、実際には、紙幣
は、その表面と裏面の両面が凹版印刷により印刷されて
おり、凹版印刷による微小盛り上り50aは、その両面
に形成されていることは云うまでもない。
【0053】前記受光部34には、識別対象紙幣50の
検出領域に、前記アパーチャプレート20の下面を基準
として、それより低い微小低部がある場合には、搬送部
10による識別対象紙幣50の移動に伴って、反射点の
高さが変化し、反射レーザ光は、各時点で、それに応じ
て反射することとなり、前記受光34の対応するエリア
にそれが入射することとなる。
【0054】後述するように受光部34には、微小低部
の位置からの反射レーザ光が入射するエリアにしか受光
素子fが配置されていないので、当該エリアのいずれか
の受光素子fで受光されれば、検出領域の当該ポジショ
ンに於ける微小低部の存在が検出されることとなる。い
ずれの受光素子f、f…でも受光されなければ、当該の
ポジションには、微小低部は存在しないこととなる。
【0055】しかして識別対象紙幣50が前記アパーチ
ャプレート20の下部を進んで検出口21に到達し、前
記検出部40の動作が開始し、更に進んで検出口21を
通過して検出動作が終了するまでに、その検出領域の開
始点から終了点までの一連のポジションに於ける微小低
部の存否のデータが得られ得ることとなる。なお、後述
するように、識別対象紙幣50の真贋の判定のために
は、必ずしも、検出領域の開始点から終了点までのデー
タを要しないので、実際には、検出動作は途中で終了す
る場合が殆どとなるであろう。
【0056】ところで前記受光部34は、この例では、
図4に示したように、識別対象紙幣50が真正紙幣であ
り、それ故、検出領域に微小低部が存在し、これに投射
した発光部31からのレーザ光が、該微小低部、即ち、
紙幣面から反射した場合にのみ入射されるエリアに受光
素子fを配列したものである。この例では、図4に示し
たように、一列5個の受光素子f、f…群を三列配置し
たものであるが、この配列は実験的経験的に決定すべき
ものである。
【0057】微小低部、即ち、紙幣面が完全に平坦であ
れば、受光部34に於ける反射レーザ光の入射部位は点
的に決定されるので、その一点に受光素子fを配置すれ
ば良いが、実際には、紙幣には、皺、汚れ、毛羽立ちそ
の他により、極微小な凹凸があることを認めざるを得
ず、それ故、微小低部からの反射レーザ光の受光部34
に於ける入射点はある程度の広がりをもったエリアにな
らざるを得ない。このエリアは、多数の真正紙幣及び非
真正紙幣についてテストして決定するものである。
【0058】なお、受光素子f、f…の配列エリアの上
方に位置する破線○は、識別対象紙幣50の検出領域が
平坦であり、前後及び左右のいずれの方向にも全く傾斜
していない場合(非真正の紙幣であって、汚れも皺もな
いものの場合)に、前記発光部31で発光され、該検出
領域で反射されたレーザ光が入射するスポットsであ
る。受光素子f、f…の位置関係を示す参考として記し
てある。
【0059】ところで、この実施例では、図5に示した
ように、受光素子fとしてフォトダイオードを用い、各
横一列の受光素子f、f…群を、それぞれ直流電源pに
電流制限抵抗rを通じて接続する。各横一列の受光素子
f、f…は相互に並列に接続し、云うまでもなく、アノ
ード側を直流電源pの陽極側に前記電流制限抵抗rを介
して接続する。カソード側が出力となる。各群の横一列
の受光素子f、f…のカソード側は相互に接続し、かつ
各横一列の受光素子f、f…群のカソード側も相互に接
続して、一個の出力端oとする。直流電源pの陰極側は
接地する。
【0060】しかして受光素子f、f…のいずれかに反
射レーザ光が入射すれば、出力端oに出力が生じること
となる。いずれの受光素子fに反射レーザ光が入射して
もその評価は同一であり、識別対象紙幣50の検出領域
に於ける当該のポジションには微小低部がある、即ち、
紙幣面からの反射であるとして、微小低部「有」の出力
が生じることとなる。受光素子fの配列してあるエリア
以外に反射レーザ光が入射した場合には、受光部34か
らは出力が生じないので、微小低部からの反射はない、
即ち、出力端oからの出力は生ぜず、微小低部は「無」
であると云うことになる。
【0061】しかして以上のようにして検出部30で
は、識別対象紙幣50の検出領域に於ける各ポジション
の微小低部の有無が検出され、これが比較・判定部40
に出力されることとなる。
【0062】上記比較・判定部40は、図1に示したよ
うに、信号補正部41、検出信号記憶部42、比較部4
3、基準データ記憶部44、判定部45及び判定基準記
憶部46等で構成される。
【0063】前記信号補正部41は、前記検出部30の
受光部34からの検出信号を受け取り、該検出信号に於
ける識別対象紙幣50の検出ライン上のインクの色彩に
よる影響及び汚れの影響等を除去する補正を施し、信号
レベルを調節して、次の検出信号記憶部42に出力さ
れ、これに保持される。
【0064】上記検出信号記憶部42は、所定量の検出
信号を記憶する容量を有するRAM等で形成されてお
り、比較部43での比較処理が完了するまで信号補正部
41から入力される検出信号を保持する。また前記基準
データ記憶部44は、真正紙幣についての対応する検出
領域のデータを保持するものである。識別対象紙幣50
は、紙幣識別装置1の挿入口から挿入される際に、表裏
及び方向の併せて四通りの挿入状態があり得るので、そ
の四通りの挿入の仕方で挿入された場合にそれぞれ検出
領域となる部位についてのデータを保持しているもので
あり、上記四通りのデータを比較部43に出力するよう
になっている。
【0065】しかして検出部30で検出され、信号補正
部41で補正され、レベル調整が行なわれて検出信号記
憶部42に保持されたデータは、順次、前記基準データ
記憶部44に保持されている基準データと比較されるこ
ととなる。比較は、この例では、連続する20ポジショ
ンのデータ毎に行ない、その20ポジション内での微小
低部の存在が有(1)であるポジションの数が、相互
に、許容誤差内である「4」以内で一致しているか否か
を判断する。
【0066】そこで、比較部43に於ては、先ず、検出
信号記憶部42から読み出した識別対象紙幣50の検出
領域の開始点から20個までのポジションのデータにつ
いて、前記基準データ記憶部44から読み出した開始点
から20個までのポジションのデータとを比較する。比
較は、前記したように、微小低部が有(1)であるポジ
ションの数が相互に許容誤差(4)内で一致しているか
否かについて行なう。しかして比較部43に於ては、前
者及び後者のデータ中の有であるポジションの数を、そ
れぞれ計数し、得られた前者の有であるポジションの合
計値から、得られた後者の有であるポジションの合計値
を、減算し、次いでその差の絶対値が前記4以下である
か否かを判断し、4以下であれば一致していると判断
し、4を越えていれば、不一致と判断し、それぞれその
旨の出力を生じる。
【0067】識別対象紙幣50の前記開始点から20個
までのポジションの内、微小低部が有であるポジション
の数が15であり、基準データ記憶部44から読み出し
た同一領域の開始点から20個までのポジションの内、
微小低部が有であるポジションの数が18であれば、前
者15から後者18を減算すれば、差は−3であり、そ
の絶対値3は許容誤差4より小さいので、比較部43か
らは一致している旨の出力が生じる。
【0068】引き続いて2番目のポジションから21番
目のポジションまでのデータにつき同じことを行なう。
その終了後は、三番目のポジションから22番目のポジ
ションまでのデータにつき同じことを行なう。こうして
各回の比較で得られた結果を次の判定部45に出力す
る。
【0069】上記判定部45に於ては、当該の識別対象
紙幣50の金種に対応する判定基準を判定基準記憶部4
6から読み出し、該判定基準に基づいて、前記比較部4
3から受け取る比較結果を処理し、該識別対象紙幣50
が真正紙幣か否かを判定する。
【0070】この例では、前記比較部43から10回連
続して一致の結論が出力された場合には、読み出された
判定基準に基づき、当該の識別対象紙幣50を真正紙幣
であると判定し、それ以上の比較処理を打ち切る信号を
比較部43に出力するとともに、該識別対象紙幣50を
受け入れる旨の信号を搬送部10等に出力する。また、
前記比較部43から15回連続して不一致の結論が出力
された場合には、同様に読み出された判定基準に基づ
き、当該の識別対象紙幣50を非真正紙幣であると判定
し、それ以上の比較処理を打ち切る信号を比較部43に
出力するとともに、該識別対象紙幣50を排除する旨の
信号を搬送部10等に出力する。
【0071】こうしてこの実施例によれば、凹版印刷に
よる印刷インクの微小盛り上がりのある真正紙幣はこれ
のない非真正紙幣と容易かつ正確に識別されることとな
る。
【0072】なお以上の実施例に於いては、発光部3
1、投射レンズ32、集光レンズ33及び受光部34を
識別対象紙幣50に対して斜めに配置し、発光部31か
ら発光されたレーザ光を投射レンズ32を介して、識別
対象紙幣50に斜に投射して、識別対象紙幣50で斜め
方向に反射された反射光を集光レンズ33を介して受光
部34に入射しているが、これに限るものではない。
【0073】例えば、発光部31、投射レンズ32、集
光レンズ33及び受光部34を識別対象紙幣50に対し
て平行に配置し、投射レンズ32と集光レンズ33の間
にプリズムを配置して、投射レンズ32を通過したレー
ザ光を当該プリズムで反射して識別対象紙幣50に斜め
に投射させる。そして、識別対象紙幣50から斜め方向
に反射された反射レーザ光を当該プリズムで反射して、
受光部34に入射するように構成しても良いことは云う
までもないこのようにすると、検出部30の縦方向を低
く形成することができ、紙幣識別装置1を小型化するこ
とができる。また動作は、以上の説明と異なるところが
ない。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、識別対象紙幣を、押圧
平坦化手段により搬送手段上に抑えつけて、その基準高
さを、押圧平坦化手段の下面に設定しておくものである
ため、検出領域に於ける微小低部の存在の有無が正確に
判断し得ることとなる。
【0075】本発明は、識別対象紙幣の検出領域に斜め
方向から近赤外線レーザ光を投射し、反射光の反射点の
高さから生じる受光手段に於ける受光エリアの違いによ
り、検出領域の当該のポジションに微小低部が存在する
か否かを検出するようにしたものであるため、識別対象
紙幣の紙質及び印刷インクによる赤外線の吸収率の違い
等による反射光量の変化に左右されず、正確な真贋の判
定が可能になったものである。
【0076】本発明の検出手段の受光器は、複数の受光
素子を面状に配列し、いずれの受光素子で反射レーザ光
を受光したかで、微小低部の存否を検出するようにした
ものであるため、識別対象紙幣の検出領域中の各ポジシ
ョンに微小低部があるか否かを極めて正確に検出できる
ようになったものである。
【0077】また本発明の検出手段の受光器は、前記識
別対象紙幣の検出領域に微小低部がない場合に反射レー
ザ光が受光されるエリアには受光素子を配置せず、微小
低部があった場合に反射レーザ光が受光されるエリアに
のみ受光素子を配置する構成を採用することができ、こ
の場合は、端的に検出領域に微小低部があるということ
のみを検出し得るので、より一層簡明かつ正確な検出が
行ない得るものである。
【0078】本発明の検出手段の受光器は、また前記複
数の受光素子を配列して構成するそれに代えてイメージ
センサを採用することができ、この場合は、配列されて
いる複数の画素間を走査していずれの画素で受光したか
を検知することにより、検出領域中の各ポジションに微
小低部があるか否かを容易にかつ正確に検出することが
できることとなるものである。
【0079】また本発明の検出手段の受光器は、以上の
イメージセンサに於いて、配列されている複数の画素
中、識別対象紙幣の検出領域に微小低部がない場合に反
射レーザ光が受光されるエリアの画素については、反射
レーザ光を受光し得ないようにマスクし、識別対象紙幣
の検出領域に微小低部がある場合に、該微小低部からの
反射レーザ光が受光されるエリアの画素についてのみ受
光可能なように受光面を開放する構成を採用することが
でき、この場合は、端的に検出領域に微小低部があると
いうことのみを検出し得るので、より一層簡明かつ正確
な検出が行ない得るものである。
【0080】したがって本発明によれば、極めて正確に
識別対象紙幣が真正紙幣であるか否真正紙幣であるかの
識別を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の紙幣識別装置のブロック図。
【図2】一実施例の搬送部、アパーチャプレート及び検
出部に於いて、識別対象紙幣が真性紙幣である場合のレ
ーザ光の進路を示した説明図。
【図3】一実施例の搬送部、アパーチャプレート及び検
出部に於いて、識別対象紙幣が非真性紙幣である場合の
レーザ光の進路を示した説明図。
【図4】一実施例の受光部の詳細説明図。
【図5】一実施例の受光部に於ける各受光素子間の結線
状態を示した部分説明図。
【符号の説明】
1 紙幣識別装置 10 搬送部 11 プーリ 12 プーリ 13 コンベアベルト 20 アパーチャプレート 21 検出口 30 検出部 31 発光部 32 投射レンズ 33 集光レンズ 34 受光部 40 比較・判定部 41 信号補正部 42 検出信号記憶部 43 比較部 44 基準データ記憶部 45 判定部 46 判定基準記憶部 50 識別対象紙幣 50a 微小盛り上り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/64 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段で搬送されて来る識別対象紙幣
    を、その上面から押圧して平坦にさせる押圧平坦化手段
    と、 上記押圧平坦化手段で平坦化されつつ、前記搬送手段で
    搬送される識別対象紙幣について、上面の識別領域の開
    始点から終了点まで、その搬送に伴って、前記押圧平坦
    化手段に開口してある検出口から、近赤外線レーザ光を
    投射し、かつ反射レーザ光を受光して、受光位置がいず
    れであるかにより、識別領域の各ポジションに、前記押
    圧平坦化手段の下面を基準として、それより低い低所で
    ある微小低部の存否を検出する検出手段と、 上記検出手段により検出した前記検出領域の開始点から
    終了点までの一連のポジションに於ける微小低部の存否
    のデータを真正紙幣の同一検出領域の一連のポジション
    に於ける微小低部の存否のデータと比較する比較手段
    と、 上記比較手段の比較結果に基づいて、前記識別対象紙幣
    が、凹版印刷の印刷インクによる微小盛り上りを有する
    真正紙幣であるか、これのない非真正紙幣であるかを判
    定する判定手段と、 で構成した紙幣識別装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段を、 近赤外線のレーザ光を発光し、該レーザ光を斜め方向か
    ら前記識別対象紙幣の検出領域に投射するレーザ投射器
    と、 前記識別対象紙幣の検出領域に於いて、レーザ光の投射
    点に立てた仮想法線を中心に反対側に反射する反射レー
    ザ光を受光する受光器であって、複数の受光素子を面状
    に配列し、いずれの受光素子で反射レーザ光を受光した
    かにより、検出領域中の反射位置の微小低部の存否を検
    出する受光器と、 で構成した請求項1の紙幣識別装置。
  3. 【請求項3】 前記受光器に於いて、前記識別対象紙幣
    の検出領域に微小低部がない場合に反射レーザ光が受光
    されるエリアには受光素子を配置せず、微小低部があっ
    た場合に、該微小低部からの反射レーザ光が受光される
    エリアにのみ受光素子を配置した請求項2の紙幣識別装
    置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段を、 近赤外線のレーザ光を発光し、該レーザ光を斜め方向か
    ら前記識別対象紙幣の検出領域に投射するレーザ投射器
    と、 前記識別対象紙幣の検出領域に於いて、レーザ光の投射
    点に立てた仮想法線を中心に反対側に反射する反射レー
    ザ光を受光するイメージセンサであって、配列されてい
    る複数の画素間を走査していずれの画素で受光したかを
    検知することにより、検出領域中の反射位置の微小低部
    の存否を検出するイメージセンサと、 で構成した請求項1の紙幣識別装置。
  5. 【請求項5】 前記イメージセンサに於いて、配列され
    ている複数の画素中、前記識別対象紙幣の検出領域に微
    小低部がない場合に反射レーザ光が受光されるエリアの
    画素については、反射レーザ光を受光し得ないようにマ
    スクし、前記識別対象紙幣の検出領域に微小低部があっ
    た場合に、該微小低部からの反射レーザ光が受光される
    エリアの画素についてのみ受光可能なように受光面を開
    放した請求項4の紙幣識別装置。
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