JPH0962893A - 紙幣識別装置 - Google Patents

紙幣識別装置

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JPH0962893A
JPH0962893A JP7240942A JP24094295A JPH0962893A JP H0962893 A JPH0962893 A JP H0962893A JP 7240942 A JP7240942 A JP 7240942A JP 24094295 A JP24094295 A JP 24094295A JP H0962893 A JPH0962893 A JP H0962893A
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JP7240942A
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Shigetaro Muraoka
繁太郎 村岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 識別対象紙幣の完全な識別をし得るようにす
ること。 【解決手段】 識別対象紙幣Mの赤外線検出ゾーンを走
査して赤外線吸収率を検出し、その検出信号波形を真正
紙幣のそれと比較し、その異同から識別対象紙幣Mが真
正紙幣か否かを識別する赤外線吸収識別部1と、識別対
象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーンを走査して微小盛
り上りの存否を検出し、その検出信号波形中に印刷イン
クによる微小盛り上がりを示す検出信号波形があるか否
かを判断し、有なら識別対象紙幣Mは真正紙幣と、無な
ら非真正紙幣と判断する凹凸識別部2と、赤外線吸収識
別部1及び凹凸識別部2の双方の識別結果出力が真正紙
幣である旨を示すものである場合にのみ識別対象紙幣M
を真正紙幣であると最終判断する最終判断部4とで構成
した紙幣識別装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣の真贋を識別
するための紙幣識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この分野では、紙幣の識別のためにパタ
ーン認識等の技術も採用されているが、最近は優れたコ
ピー装置が普及しており、これらの技術では、既に、紙
幣のコピー品と真正紙幣との識別が困難となっている。
また紙幣の印刷インク中に含まれる磁性体による磁性体
模様を磁気センサで検出し、同時に紙幣の寸法等を検出
し、それぞれ基準データと比較して真贋を識別する技術
もあるが、上記磁気センサによる一定の検出ゾーンの時
系列検出データは、同一の紙幣でも、検査のたび毎に異
なったデータとなり、不安定であって、正確な紙幣の識
別は不可能なものである。
【0003】更には、発光素子と紙幣の検出ゾーンから
のその反射光を受光する受光素子とからなるセンサユニ
ットを、識別対象紙幣の検出ゾーンに沿って走査させ、
前記発光素子から発光され、上記識別紙幣の検出ゾーン
で反射した反射光を前記受光素子で検出し、得られた反
射光の時系列データである検出信号波形を、真正紙幣の
同一検出ゾーンに於ける時系列データである検出信号波
形と比較し、その異同により紙幣の識別をする紙幣識別
技術がある。しかしこのような識別技術では、本件発明
者がテストを繰り返したところ、カラーコピー装置によ
る真正紙幣のコピー品あるいはその他の技法によるカラ
ー印刷品のうちに、この識別技術によって得られる検出
信号波形が、様々な条件で流通した多くの真正紙幣から
得られるデータと重なり合うものが多く含まれているこ
とが知られるに至り、結局、オフセット印刷された偽券
や紙幣のカラーコピー品等でも容易に真正紙幣と誤認す
る可能性の高いものであることが分かった。
【0004】そこで本件発明者は、これらの問題点を解
決すべく、一つの技術としては、紙幣の印刷面に於ける
赤外線の吸収率の状態を検出する技術、即ち、逆方向か
ら見れば、赤外線の反射率の状態を検出する技術を提案
し(特願平2−31248号)、更にもう一つの技術と
しては、当該の印刷物が、凹版印刷による印刷物か否か
を識別する技術を提案した(特開平6−171071
号)。
【0005】後者は、対象の印刷物の表面に、一定の検
出ゾーンに沿って、順次、点状の光を照射し、その入射
点に立てた仮想法線を中心として入射光と対称となる角
度位置付近の複数位置で反射光を受光し、上記複数位置
の各々に於ける受光量を相互に比較し、比較の結果得ら
れた受光量の相互関係が、入射点が平坦である場合の相
互関係と認められる関係にあるか否かを、順次、判定
し、前記一定の検出ゾーンの検出を完了させた結果、平
坦でない場合の関係にあるとの判定が、対象の印刷物に
よって決まる一定の割合を越えた場合には凹版印刷物と
判定し、そうでない場合は凹版印刷物以外の印刷物と判
定することとする凹版印刷物とその他の印刷物との識別
方法であり、その具体的な応用例として、紙幣の真贋の
識別を行なうことを提案したものである。
【0006】即ち、紙幣は、少数の外国紙幣のような例
外を除いて、概ね凹版印刷の技法で印刷されており、こ
の技法で印刷された紙幣の印刷面には、印刷インクによ
る微小盛り上りが存在しており、これに対して、非真正
の紙幣、即ち、贋札が凹版印刷によって印刷されること
は、実際上あり得ない実状があるからである。
【0007】以上の二つの技術はそれぞれ優れたもので
あって、それ以前の識別技術を遥かに越えるものであっ
たが、その後それぞれ研究を継続する内に、現実的には
ごく少数しか現れないにしても、それぞれ識別不能な場
合があることを知り得た。前者、即ち、紙幣の印刷面に
於ける赤外線の吸収率の状態を検出する技術の場合に
は、紙幣の単純なモノクロコピーのなかに、そのコピー
技法及びコピー濃度との関係で、真正紙幣についての検
出信号波形と近似する検出信号波形を生じることとなる
ものが現れ得ることが分かった。もっともこれに関して
は、可視光を用いて色の認識を行なう検出手段を付加
し、双方の結論の積を取れば良いので、容易に解決する
ことができるものであり、そのような技術に関して既に
提案してある(特願平2−168953号)。
【0008】他方、後者、即ち、紙幣面に於ける印刷イ
ンクによる微小盛り上りの存在を検出して、紙幣の真贋
を識別する技術に関しては、流通過程で生じる皺を印刷
インクによる微小盛り上がりと誤認する虞があることが
分かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決することを課題とするものであって、紙
幣面に於ける印刷インクによる微小盛り上りの存在を検
出して、紙幣の真贋を識別する技術に、紙幣の印刷面に
於ける赤外線の吸収率の状態を検出する技術、即ち、逆
方向から見れば、赤外線の反射率の状態を検出する技術
を組合せることにより、識別対象紙幣の完全な識別をし
得るようにすることを解決の課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一は、識別対象
紙幣の表面に於ける一定の赤外線検出ゾーンを走査して
赤外線吸収率を検出し、得られた一連の検出信号波形を
真正紙幣に於けるそれと比較し、その異同から該識別対
象紙幣が真正の紙幣か否かを識別する赤外線吸収識別部
と、識別対象紙幣の表面に於ける一定の微小盛り上がり
検出ゾーンを走査してそこに存在することのある微小盛
り上りを検出し、得られた一連の検出信号波形中に、前
記微小盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域に存在す
る印刷インクによる微小盛り上がりを示す検出信号波形
が存在するか否かを判断し、存在すれば該識別対象紙幣
が真正の紙幣であり、存在しなければ非真正の紙幣であ
ると判断する凹凸識別部と、前記赤外線吸収識別部及び
凹凸識別部の各々の識別結果出力である一次識別結果出
力を受け取って、双方の一次識別結果出力が真正である
旨を示すものである場合にのみ当該の識別対象紙幣を真
正紙幣であると最終判断し、それ以外の場合には当該の
識別対象紙幣を非真正の紙幣であると最終判断する最終
判断部と、で構成した紙幣識別装置である。
【0011】識別対象紙幣に対する前記赤外線吸収識別
部に於ける識別動作と前記凹凸識別部に於ける識別動作
とは、それが同時に行なわれるように構成しても、順次
的に行なわれるように構成しても良いことは云うまでも
ない。順次的に行なわれる場合は、そのいずれを先にす
るかその順番は問わない。
【0012】また赤外線吸収識別部及び凹凸識別部に於
けるそれぞれの検出手段を識別対象紙幣の赤外線検出ゾ
ーン又は微小盛り上がり検出ゾーンに沿って走査させる
場合に、検出手段を動かしても識別対象紙幣を動かして
も良いが、通常、識別対象紙幣を動かす方が容易であ
り、またそのようにすることは他の前後のメカニズムと
の関係でも好都合である。更にまたこのように識別対象
紙幣を動かすこととした場合には、当然、両識別部に於
いて動かすための走査用移送手段等は共通の手段とする
のは云うまでもない。
【0013】前記凹凸識別部に於いて、得られた一連の
検出信号波形中に前記微小盛り上がり検出ゾーンに於け
る印刷領域の印刷インクによる微小盛り上がりを示す検
出信号波形が存在するか否かを判断する際に、前記微小
盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域がどこから開始
しどこで終了するかの情報は、例えば、前記赤外線吸収
識別部の検出結果から得るようにすることができる。非
印刷領域と印刷領域とでは赤外線の吸収率が異なるの
で、その境界を知り得る。この情報を凹凸識別部に伝達
することとすれば良い訳である。あるいは前記微小盛り
上がり検出ゾーンに於ける印刷領域がどこから開始しど
こで終了するかの情報は、予め記憶手段に保持しておい
て、これを判断の際に読み出して利用することとしても
良い。
【0014】したがって本発明の一によれば、識別対象
紙幣は、赤外線吸収識別部及び凹凸識別部に於いて、同
時に又は順次的に、それぞれの識別動作が行なわれるこ
ととなる。前者では、識別対象紙幣は、それ自体が所要
方向に移送され、又はこの赤外線識別部の検出手段が所
要方向に移動することにより、その表面に於ける一定の
赤外線検出ゾーンが走査され、順次、該赤外線検出ゾー
ンに於ける赤外線吸収率が検出され、この赤外線識別部
の対応する比較手段に於いて、得られた一連の検出信号
波形が真正紙幣に於けるそれと比較され、その異同か
ら、該識別対象紙幣が、真正の紙幣であるか否かが識別
され、一次識別結果出力としてその結論が出力されるこ
ととなる。
【0015】後者では、識別対象紙幣は、前者と同様
に、それ自体が所要方向に移送され、又はこの凹凸識別
部の検出手段が所要方向に移動することにより、その表
面に於ける一定の微小盛り上がり検出ゾーンが走査さ
れ、順次、該微小盛り上がり検出ゾーンに於ける微小盛
り上りが検出され、この凹凸識別部の微小盛り上がりの
存否の判断手段に於いて、得られた一連の検出信号波形
中に、前記微小盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域
に存在する印刷インクによる微小盛り上がりを示す検出
信号波形が存在するか否かが判断され、存在すれば該識
別対象紙幣は真正の紙幣であり、存在しなければそれは
非真正の紙幣であると判断され、ここでも一次識別結果
出力としてその結論が出力されることとなる。
【0016】引き続いて、以上の赤外線吸収識別部及び
凹凸識別部の各々の識別結果出力である一次識別結果出
力が最終判断部に入力され、双方の一次識別結果出力が
真正である旨を示すものである場合にのみ当該の識別対
象紙幣は真正紙幣であると最終判断され、それ以外の場
合には当該の識別対象紙幣は非真正の紙幣であると最終
判断されることとなる。
【0017】本発明の二は、本発明の一に於ける前記赤
外線吸収識別部を、赤外線を発光し得る赤外線発光素子
及び識別対象紙幣の赤外線検出ゾーンからのその反射赤
外線を受光する赤外線受光素子からなる赤外線センサユ
ニットと、識別対象紙幣を、上記赤外線センサユニット
で、その赤外線検出ゾーンに沿った走査をさせるべく移
送する紙幣走査用移送手段と、前記赤外線センサユニッ
トの赤外線受光素子で上記走査に伴って連続して得られ
る反射赤外線の検出信号波形を受け取って、真正紙幣に
於ける同一の赤外線検出ゾーンの検出信号波形である基
準信号波形と比較し、比較結果が、一定の許容範囲内で
一致しているものである場合には識別対象紙幣は真正で
ある旨の出力をし、そうでない場合は識別対象紙幣は非
真正である旨の出力をすることとした比較手段と、で構
成した紙幣識別装置である。
【0018】ここで用いる赤外線は、いわゆる近赤外線
の領域に属する波長のそれが適当である。ここで近赤外
線とは赤外線中の0.78μm〜1.5μmの波長の範囲
のそれを言う。この波長の範囲の近赤外線の吸収率の異
同が真正紙幣と非真正紙幣で最も明瞭になるからであ
る。また前記赤外線発光素子及び赤外線受光素子は、上
記近赤外線の範囲で用いるのに適する量子型のそれが適
当である。より具体的に述べるならば、前記赤外線発光
素子としては、そのピーク発光波長が0.94μmの近
赤外線を発光するものであることが好ましく、かつその
反射近赤外線を検出する前記赤外線受光素子も、当然、
受光感度のピーク波長が0.94μmの近赤外線である
ことが好ましい。この波長が真正紙幣と非真正紙幣に於
いて吸収率に最も大きな差が出ることを実験的に見出し
た。更に前記赤外線発光素子及び赤外線受光素子は、こ
れを一体にしてユニット型にしたものを使用するのが適
当である。
【0019】したがって本発明の二によれば、本発明の
一と同様に用いて、識別対象紙幣の真贋の判定を行なう
ことができる。更に、本発明の二によれば、紙幣走査用
移送手段で識別対象紙幣が移送され、これにともなっ
て、その赤外線検出ゾーンに沿って前記赤外線センサユ
ニットによる走査が行なわれ、順次、該赤外線検出ゾー
ンに於ける赤外線吸収率が検出され、得られた一連の検
出信号波形は比較手段に入力されることとなる。比較手
段では、入力された一連の検出信号波形は、真正紙幣に
於ける同一の赤外線検出ゾーンの検出信号波形である基
準信号波形と比較され、比較結果が、一定の許容範囲内
で一致しているものであると認められる場合には、識別
対象紙幣は真正である旨の出力がされ、そうでない場合
は、非真正である旨の出力がされることとなる。これが
赤外線吸収識別部の一次結果出力となる訳である。
【0020】本発明の二に於ては、赤外線発光素子及び
赤外線受光素子からなる赤外線センサユニットを構成し
てあり、これを装置にセットするものであるため、組立
てが容易であり、かつ正確な位置決め等がし易い。
【0021】本発明の三は、前記本発明の一に於ける凹
凸識別部を、スポットレーザ光を照射し得る発光手段及
び前記識別対象紙幣の微小盛り上がり検出ゾーンからの
その反射レーザ光を受光して反射点の高低に基づくその
焦点の変動を検出する焦点変動検出部からなる微小盛り
上がり検出部と、識別対象紙幣を、上記微小盛り上り検
出部で、その微小盛り上がり検出ゾーンに沿った走査を
させるべく移送する紙幣走査用移送手段と、前記微小盛
り上り検出部で上記走査に伴って連続して得られる一連
の検出信号波形である一連の焦点変動信号波形を受け取
って、その焦点変動信号波形中に前記微小盛り上がり検
出ゾーンに於ける印刷領域に存在する印刷インクによる
微小盛り上がりを示す検出信号波形が存在するか否かを
判断し、存在する場合には識別対象紙幣は真正である旨
の出力をし、そうでない場合は識別対象紙幣は非真正で
ある旨の出力をすることとした判断手段と、で構成した
紙幣識別装置である。
【0022】したがって本発明の三によれば、本発明の
一と同様に用いて、識別対象紙幣の真贋の判定を行なう
ことができる。更に、本発明の三によれば、紙幣走査用
移送手段で識別対象紙幣が移送され、これにともなっ
て、その微小盛り上がり検出ゾーンに沿って前記微小盛
り上がり検出部による走査が行なわれ、その発光手段か
らのスポットレーザ光が該微小盛り上がり検出ゾーンに
照射され、焦点変動検出部でその反射光が受光されかつ
反射点の高低に基づくその焦点の変動が検出される。
【0023】このようにして前記微小盛り上り検出部で
前記走査に伴って連続して得られた一連の検出信号波形
である一連の焦点変動信号波形は、前記判断手段に入力
され、その焦点変動信号波形中に、前記微小盛り上がり
検出ゾーンの印刷領域に存在する印刷インクによる微小
盛り上がりを示す検出信号波形が存在するか否かが判断
され、存在する場合には当該の識別対象紙幣は真正であ
る旨の出力がされ、そうでない場合は非真正である旨の
出力がされることとなる。そしてこれが凹凸識別部の一
次識別結果出力となる訳である。
【0024】本発明の四は、前記本発明の三に於ける微
小盛り上がり検出部の発光手段を、レーザ光を発生し得
る光源と、発生したレーザ光をこれを通じて前記識別対
象紙幣の微小盛り上がり検出ゾーンにスポット状に照射
するための対物レンズとで構成し、かつ本発明の三に於
ける微小盛り上がり検出部の焦点変動検出部を、前記対
物レンズを通じて戻って来る前記識別対象紙幣の微小盛
り上がり検出ゾーンからの反射レーザ光の光束の一部を
側方にスプリットするビームスプリッタであって、前記
対物レンズと前記光源との間に配したビームスプリッタ
と、該ビームスプリッタでスプリットされた光束にその
焦点の変動量に応じた状態変化を発生させる変化発生手
段と、焦点の変動により前記変化発生手段を経て生じた
光束の状態変化の変化量を検出する状態検出手段とで構
成したものである。
【0025】したがって本発明の四によれば、本発明の
三と同様に用いて、識別対象紙幣の真贋の判定を行なう
ことができる。更に本発明の四によれば、識別対象紙幣
の微小盛り上がり検出ゾーンにスポット状に照射された
レーザ光は、該微小盛り上がり検出ゾーンの印刷領域に
於ける印刷インクによる微小盛り上がりが連続して又は
隙間をあけて存在することがあるため、走査にともなっ
て、光源から照射点(反射点)までの距離が変動するこ
ととなり、当然、反射レーザ光の焦点を結ぶ位置も変動
することとなる。しかして反射レーザ光の光束は、その
焦点の変動距離に応じて、前記変化発生手段により状態
変化が生じさせられ、焦点の変動により前記変化発生手
段を経て生じさせられた光束の状態変化の変化量は状態
検出手段で検出されることとなるものである。そして連
続して出力される一連の検出信号波形が微小盛り上がり
検出部の一連の焦点変動信号波形出力となり、後段の判
断手段に入力されることとなるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の一つ
の実施形態を説明する。この紙幣識別装置は、図1に示
すように、赤外線吸収識別部1と、凹凸識別部2と、両
者に共通に構成した紙幣走査用移送部3と、上記赤外線
吸収識別部1及び凹凸識別部2のそれぞれの一次識別結
果出力に基づいて識別対象紙幣Mの真贋を最終的に判断
する最終判断部4とで構成するものである。
【0027】前記赤外線吸収識別部1は、図2及び図3
に示すように、赤外線発光素子5及び赤外線受光素子6
とからなる赤外線センサユニット7と、比較部8と、記
憶部9と、前記凹凸識別部2と共通の紙幣走査用移送部
3とで構成したものである。以上に於いて、前記赤外線
発光素子5としてはピーク発光波長が0.94μmの近
赤外線を発光する量子型のそれが組み込まれ、前記赤外
線受光素子6としては上記ピーク発光波長付近の近赤外
線の受光感度が最も高いものとなっているそれが組み込
まれている赤外線センサユニット7を採用する。この赤
外線センサユニット7は、前記赤外線発光素子5の発光
する赤外線が前記紙幣走査用移送部3によって移送され
つつある識別対象紙幣Mの赤外線検出ゾーンに照射さ
れ、その反射赤外線が前記赤外線受光素子6で受光され
るようになる位置関係にセットする。
【0028】前記比較部8は、前記赤外線センサユニッ
ト7の赤外線受光素子6で、識別対象紙幣Mの赤外線検
出ゾーンに沿った走査に伴って連続して得られる反射赤
外線の検出信号波形を受け取って、真正紙幣に於ける同
一の赤外線検出ゾーンの検出信号波形である基準信号波
形と比較し、比較結果が、一定の許容範囲内で相互が一
致しているものである場合には、該識別対象紙幣Mは真
正である旨の出力を、そうでない場合は、該識別対象紙
幣Mは非真正である旨の出力を、それぞれするように構
成したものである。なお前記許容範囲は実験的に定め
る。なおまた以上の比較部8の出力が赤外線吸収識別部
1の一次識別結果出力になる。
【0029】前記記憶部9は、前記基準信号波形を保持
するROM及び前記比較部8で比較動作を行なう際に作
業用に用いるRAMからなるものである。
【0030】前記凹凸識別部2は、図2に示すように、
レーザ発光部10及び焦点変動検出部11からなる微小
盛り上がり検出部12と、判断部13と、記憶部14
と、赤外線吸収識別部1と共通の紙幣走査用移送部3と
で構成したものである。前記微小盛り上がり検出部12
は、そのレーザ発光部10の発光するレーザ光の光束が
前記紙幣走査用移送部3によって移送されつつある識別
対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーンに照射され、そ
の反射レーザ光の光束が前記焦点変動検出部11に入射
するようになる位置関係にセットする。
【0031】前記判断部13は、前記微小盛り上り検出
部12で、識別対象紙幣Mの走査に伴って連続して得ら
れる一連の検出信号波形である一連の焦点変動信号波形
を受け取って、その焦点変動信号波形中に、前記微小盛
り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域の印刷インクによ
る微小盛り上がりを示す検出信号波形が存在するか否か
を判断し、存在する場合には、当該の識別対象紙幣Mは
真正である旨の出力を、そうでない場合は、非真正であ
る旨の出力を、それぞれするように構成したものであ
る。この場合の判断部13の出力が凹凸識別部2の一次
識別結果出力になる。
【0032】前記記憶部14は、真正紙幣の微小盛り上
がり検出ゾーンに於ける印刷領域を示すデータ及び微小
盛り上がりの有無を判断するためのデータを保持するR
OM及び前記判断部13で判断動作を行なう際に作業用
に用いるRAMからなるものである。
【0033】前記紙幣走査用移送部3は、図3に示すよ
うに、前記赤外線吸収識別部1の赤外線センサユニット
7及び前記凹凸識別部2の微小盛り上がり検出部12が
それぞれ走査すべき赤外線検出ゾーン及び微小盛り上が
り検出ゾーンを、それぞれ正しく走査することができる
ように、識別対象紙幣Mを移送するものであり、並列に
並べた複数のエンドレスコンベアベルトを主体として構
成されるものである。
【0034】より詳しく述べれば、前記赤外線吸収識別
部1の赤外線センサユニット7及び前記凹凸識別部2の
微小盛り上がり検出部12の下方に於いて、複数の並列
に配したエンドレスコンベアベルトと、これを掛け渡し
た両端のプーリと、それらのエンドレスコンベアベルト
に載った識別対象紙幣Mを上方から抑える抑止板(図示
していない)とで構成したものである。上記抑止板は識
別対象紙幣Mが波打たずに通過するように上方から抑
え、その高さを一定に保持するためのものである。中央
部に検出窓が開口してあり、この検出窓を通じて検出動
作を行なう。
【0035】前記微小盛り上がり検出部12を更に詳し
く説明する。前記したように、微小盛り上がり検出部1
2はレーザ発光部10及び焦点変動検出部11からなる
ものである。
【0036】図3に示すように、上記レーザ発光部10
は、レーザ光を発生し得る光源であるレーザ発光素子1
0aと発生したレーザ光を前記識別対象紙幣Mの微小盛
り上がり検出ゾーンに照射するための対物レンズ10b
とで構成する。前記レーザ発光素子10aは、円形のス
ポット状のレーザ光を発生するものである。前記対物レ
ンズ10bは、前記紙幣走査用移送部3のエンドレスコ
ンベアベルト上に載り、かつ抑止板に抑えられた状態の
前記識別対象紙幣Mの上面上の部位であって、微小盛り
上りの存在していない部位上に焦点を結ぶように位置関
係を定める。
【0037】また前記焦点変動検出部12は、図3に示
すように、前記対物レンズ10bを通じて戻って来る前
記識別対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーンからの反
射レーザ光の光束の一部を側方にスプリットするビーム
スプリッタ11aと、該ビームスプリッタ11aでスプ
リットされた光束を透過させるシリンドリカルレンズ1
1bと、シリンドリカルレンズ11bを透過した反射レ
ーザ光の光束を受光する受光部11cと、受光部11c
の受光信号に基づいて反射点の高さを算出する演算部1
1dとで構成するものである。
【0038】前記ビームスプリッタ11aは前記対物レ
ンズ10bと前記レーザ発光素子10aとの間に配し、
反射レーザ光の一部を直角方向に分割するように位置決
めする。前記シリンドリカルレンズ11bは、前記ビー
ムスプリッタ11aで分割された反射レーザ光の光束が
焦点を結ぶより手前に直立状態に配するものであって、
反射レーザ光の光束に、前記微小盛り上がり検出ゾーン
に於ける当該の反射点の高低によって生じる焦点の変動
に応じた状態変化を発生させる変化発生手段として作用
するものである。しかしてその作用を若干詳しく述べれ
ば、スポット状の反射レーザ光は、本来の焦点では円形
のスポット状になり、その手前では縦長の楕円形にな
り、その後では横長の楕円形になるものである。
【0039】前記受光部11c及び演算部11dは状態
検出手段を構成するものである。そのうちの受光部11
cは、図4に示すように、四個の受光素子a、b、c、
dからなり、前記の場合の焦点の位置、即ち、前記対物
レンズ10bを通じてスポット状のレーザ光が照射され
る識別対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーンの当該の
位置上に微小盛り上りが存在していない場合に、そこか
ら反射する反射レーザ光の光束が、前記シリンドリカル
レンズ11bを通過して円形をなしている位置に配す
る。またこの受光部11cの四個の受光素子a、b、
c、dは、反射レーザ光の光束の中心を中心として上下
左右に密接状態に配列する。
【0040】前記演算部11dは、図3に示すように、
前記受光部11cの左右の受光素子a、cと上下の受光
素子b、dの各検出出力値をそれぞれ別個に合算する二
つの加算器e、fと、その二つの加算器e、fの各々の
和の値の差を得る減算器gとで構成したもので、この例
では、受光素子b、dの出力値の和から受光素子a、c
の出力値の和を減算するように接続する。
【0041】しかして識別対象紙幣Mの微小盛り上がり
検出ゾーンの当該の位置に微小盛り上りがない場合に
は、そこから反射する反射レーザ光の光束は、シリンド
リカルレンズ11bを通過した後、ちょうど受光部11
cの受光面上に、図4に像を示したように、円形状で入
射することとなり、受光素子b、dの出力の和の値及び
受光素子a、cの出力の和の値は、同一となり、減算器
gの値、即ち、演算部11dの出力値は0となる。
【0042】また識別対象紙幣Mの微小盛り上がり検出
ゾーンの当該の位置に微小盛り上りがあった場合には、
対物レンズ10bと反射点の距離が近くなってしまうの
で、その微小盛り上りの上部から反射した反射光の光束
は、シリンドリカルレンズ11bを通過した後、受光部
11cの受光面上に、縦長の楕円形状で入射することと
なり、受光素子b、dの出力の和の値が受光素子a、c
の出力の和の値より大きくなり、減算器gの値、即ち、
演算部11dの出力値はプラスとなる。微小盛り上りの
高さが高い程その値は大きくなる。
【0043】こうして識別対象紙幣Mの識別動作が行な
われている場合は、その用紙が所定の紙幣の厚みを持っ
たものであれば、演算部11dの出力値は0とプラス側
の値の間で変動する一連の出力信号波形となり、これが
前記判断部13に入力されて所定の印刷領域内に印刷イ
ンクによる微小盛り上がりが存在しているか否かが判定
される。
【0044】前記最終判断部4は、前記したように、前
記赤外線吸収識別部1及び凹凸識別部2のそれぞれの一
次識別結果出力に基づいて識別対象紙幣Mの真贋を最終
的に判断するものであり、それぞれの一次識別結果出力
を受け取って、双方の一次識別結果出力が真正である旨
を示すものである場合にのみ当該の識別対象紙幣Mを真
正紙幣であると最終判断し、それ以外の場合には当該の
識別対象紙幣Mを非真正の紙幣であると最終判断するよ
うに構成したものである。
【0045】したがって識別対象紙幣Mは、図示しない
装置の紙幣挿入口から挿入されると、図示しない検知手
段によってそれが検知され、紙幣走査用移送部3が動作
を開始し、これによって前記赤外線吸収識別部1の赤外
線センサユニット7及び凹凸識別部2の微小盛り上がり
検出部12の下方に移動させられ、更に通過して行くこ
ととなる。このとき、前記赤外線センサユニット7及び
微小盛り上がり検出部12の下方に於て、紙幣走査用移
送部3のエンドレスコンベアベルト上の識別対象紙幣M
は該コンベアベルトで搬送されつつその上方から図示し
ない抑止板で抑えられ、波打が防止されている。また抑
止板に開口された検出窓を通じて赤外線センサユニット
7及び微小盛り上り検出部12による検出動作が行なわ
れる。
【0046】先ず前記赤外線吸収識別部1の検出動作か
ら説明する。前記赤外線センサユニット7の赤外線発光
素子5から赤外線が発光され、これが、紙幣走査用移送
部3によって移送されつつある識別対象紙幣Mの赤外線
検出ゾーンに照射され、該照射位置からの反射赤外線が
赤外線受光素子6で受光される。上記赤外線受光素子6
による受光量は、紙幣走査用移送部3による移送動作に
よって移動する照射部位での印刷インク等による赤外線
吸収率の変化によって変化し、該識別対象紙幣Mの通過
とともに完了し、該紙幣Mの赤外線検出ゾーンに於ける
一連の検出信号波形が得られる。
【0047】上記一連の検出信号波形は、順次、比較部
8に入力され、前記記憶部9から読み込んだ真正紙幣に
於ける同一の赤外線検出ゾーンの検出信号波形である基
準信号波形と比較し、比較結果が、実験的に定めた一定
の許容範囲内で、相互が一致していると認められるもの
である場合には当該の識別対象紙幣Mは真正である旨の
出力を、そうでない場合は非真正である旨の出力を、そ
れぞれ生じるものである。これが赤外線吸収識別部1の
一次識別結果出力である。
【0048】次に凹凸識別部2の検出動作を説明する。
微小盛り上り検出部12に於ては、前記紙幣走査用移送
部3のエンドレスコンベアベルトによる識別対象紙幣M
の搬送動作にともなって、前記検出窓を通じて、該識別
対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーンの一端から他端
までの走査が行なわれ、そこに存在することのある微小
盛り上りの有無が検出されることとなる。
【0049】即ち、前記レーザ発光素子10aで発せら
れたレーザ光の光束は、紙幣走査用移送部3で移送され
つつある識別対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーン
に、前記ビームスプリッタ11a及び前記対物レンズ1
0bを通じて円形スポット状に照射され、その反射レー
ザ光が該対物レンズ10bを通じて戻るとともに、その
一部が前記ビームスプリッタ11aで分割されてシリン
ドリカルレンズ11bに入射される。シリンドリカルレ
ンズ11bに入射された反射レーザ光の光束は、その横
方向にのみ働くレンズの屈折作用により、先ずある点で
縦長の楕円状に集光し、その先のある点(焦点)で円形
になり、更に進んだある点で横長の楕円状に集光するこ
ととなる。
【0050】前記受光部11cは、対物レンズ10bを
通じてスポット状のレーザ光が照射される識別対象紙幣
Mの微小盛り上がり検出ゾーン上に微小盛り上りが存在
していない場合に、そこから反射する反射レーザ光の光
束が、前記シリンドリカルレンズ11bを通過して円形
をなしている位置に配してあるので、当該時点の反射レ
ーザ光が、識別対象紙幣Mの微小盛り上がり検出ゾーン
の微小盛り上りの上部から反射して来たものである場合
には、そこから対物レンズ10bまでの距離が短くなっ
ており、焦点は後方に移動することとなるので、受光部
11cに入射するシリンドリカルレンズ11bを通過し
た反射レーザ光の光束は、縦方向に長い楕円形状になっ
ていることとなる。微小盛り上がりの高さに応じて光束
の形状は変化し、高ければ、楕円は短径が短くなる。ま
た当該時点の反射レーザ光が、識別対象紙幣Mの微小盛
り上がり検出ゾーンの微小盛り上りのない位置から反射
して来たものである場合には、そこから対物レンズ10
bまでの距離は、以上の場合より長くなり、かつ設定状
態の通りであるから、受光部11cに入射するシリンド
リカルレンズ11bを通過した反射レーザ光の光束は、
円形になっていることとなる。
【0051】しかして受光部11cに於ては、前者のよ
うに、縦長の楕円形状の光束が入射した場合には、大部
分は上下に並んだ受光素子b、dで受光され、左右に並
んだ受光素子a、cでは極く僅かにしか受光されない。
また、後者のように、円形の光束が入射した場合には、
上下及び左右に並んだ受光素子b、d、a、cは、全て
殆ど同様に受光することとなる。したがって前者の場合
は、受光部11cの上下の受光素子b、dから対応する
大きな出力が生じ、左右の受光素子a、cからは極く僅
かの出力が生じることとなる。後者の場合は上下の受光
素子b、dの出力と左右の受光素子a、cの出力とが殆
ど均衡することとなる。
【0052】前記演算部11dに於ては、二つの加算器
e、fで受光部11cの上下の受光素子b、dの出力と
左右の受光素子a、cの出力がそれぞれ別個に合算さ
れ、減算器gでそれらの和の値の差の算出が行なわれて
いるので、前者の検出出力結果の場合は、上下の受光素
子b、dの出力の和の値から左右の受光素子a、cの出
力の和の値を減算すると、微小盛り上がりの高さに応じ
たプラスの値が得られる。一方後者の検出出力結果の場
合は、上下の受光素子b、dの出力の和の値から左右の
受光素子a、cの出力の和の値を減算すると、殆ど0に
近い値となる。こうして検出動作中は、0と微小盛り上
がり部の高さに応じたプラス側の出力が連続して出力さ
れ、一連の検出信号波形が得られる。これらの減算器g
の差の値の出力である一連の検出信号波形が演算部11
dの出力となる。
【0053】そしてこの演算部11dの一連の検出信号
波形は後段の判断部13に入力され、該判断部13に於
ては、その検出信号波形中に前記微小盛り上がり検出ゾ
ーンに於ける印刷領域の印刷インクによる微小盛り上が
りを示す検出信号波形が存在するか否かが判断され、存
在する場合には当該の識別対象紙幣Mは真正である旨の
出力が、そうでない場合は、非真正である旨の出力が、
それぞれ発せられるものである。この場合の判断部13
の出力が凹凸識別部2の一次識別結果出力になる。
【0054】前記判断部13に於ける判断は、真正紙幣
の微小盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域を示すデ
ータ及び微小盛り上がりの有無を判断するためのデータ
を前記記憶部14から読み出し、これらを参照しつつ、
前記一連の検出信号波形に対して行なう。より具体的に
は、真正紙幣の微小盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷
領域と同じ領域に微小盛り上がりを示す波形が存在して
いるか、及び微小盛り上がりの連続と認められる盛り上
がり高さと波長を持った波が連続しているか、等の判断
が行なわれるものである。
【0055】以上のようにして得られた判断部13の判
断結果が、前記したように、凹凸識別部2の一次識別結
果出力になり、最終判断部4に入力される。同時に又は
前後して前記赤外線吸収識別部1の一次識別結果出力も
最終判断部4に入力される。そしてこの最終判断部4で
は、両一次識別結果出力がいずれも当該の識別対象紙幣
Mを真正紙幣であるとするものである場合に限って、当
該の識別対象紙幣Mを真正紙幣であると判断する。しか
していずれかの一次識別結果出力が非真正紙幣であるこ
とを示すものである場合は、いずれか一方が入力された
時点で直ちに当該の識別対象紙幣Mは非真正の紙幣であ
ると判断する。
【0056】前記赤外線吸収識別部1に於ては、真正紙
幣に対するコピー品の一部に真正紙幣と誤認する虞のあ
るものが存在することがあるが、そのような誤認される
可能性のあるコピー品であって、凹凸識別部2に於い
て、真正紙幣と誤認される微小盛り上がりを微小盛り上
がり検出ゾーンに有するものは存在していないので、以
上のような最終判断部4の判断によって、非真正紙幣を
真正紙幣と誤認することは全くあり得ないものとなる。
【0057】また赤外線の吸収率は使用による摩耗その
他によって大きく変化することはないので、前記赤外線
吸収識別部1に於いて、真正紙幣を非真正紙幣と誤認す
る虞はない。また真正紙幣に於ける印刷インクによる微
小盛り上がりも使用によってなくなってしまうことはな
いので、凹凸識別部2に於いて、真正紙幣を非真正紙幣
と誤認する虞もない。
【0058】こうしてこの装置の紙幣挿入口に挿入され
た識別対象紙幣Mは、容易にかつ正確に、加えて高速か
つ応答性良好に、その真贋が判定されることとなる。こ
うして識別対象紙幣Mが真正紙幣であると判定される
と、紙幣走査用移送部3は該識別対象紙幣Mをスタッカ
側に送るように、制御され、識別対象紙幣Mが非真正紙
幣であると判定されれば、紙幣走査用移送部3は該識別
対象紙幣Mを挿入口に戻すよう逆転動作するように、制
御される。真正紙幣と認められないものは返却される訳
である。またこの装置の周辺機器もそれぞれ対応する動
作をすることとなる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、識別対象紙幣がどのよ
うなものであれ、その真贋を正確に判断することができ
る。即ち、赤外線吸収識別部に於ては、前記したよう
に、真正紙幣についてのコピー品の一部に真正紙幣と誤
認する虞のあるものが存在し得るが、そのような誤認さ
れる可能性のあるコピー品であって、前記凹凸識別部に
於いて、真正紙幣と誤認される微小盛り上がりを微小盛
り上がり検出ゾーンに有するものは存在していないの
で、両者が真正紙幣と認めたものに限って真正紙幣と判
断する事とすることにより、非真正紙幣を真正紙幣と誤
認することは全くあり得ないものとなったものである。
【0060】また紙幣に於いて、赤外線の吸収率は使用
による摩耗その他によって大きく変化することはないの
で、前記赤外線吸収識別部に於いて、真正紙幣を非真正
紙幣と誤認する虞はない。更に真正紙幣に於ける印刷イ
ンクによる微小盛り上がりも使用によってなくなってし
まうことはないので、凹凸識別部に於いて、真正紙幣を
非真正紙幣と誤認する虞もない。それ故、本発明によれ
ば、真正紙幣を非真正紙幣と誤認する虞もないものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の紙幣識別装置の概要を示す概念
図。
【図2】一実施形態の紙幣識別装置の概念図。
【図3】一実施形態の紙幣識別装置を若干詳しく説明し
た説明図。
【図4】一実施形態の紙幣識別装置に於いて用いられる
受光部の正面説明図。
【符号の説明】 1 赤外線吸収識別部 2 凹凸識別部 3 紙幣走査用移送部 4 最終判断部 5 赤外線発光素子 6 赤外線受光素子 7 赤外線センサユニット 8 比較部 9 記憶部 10 レーザ発光部 10a レーザ発光素子 10b 対物レンズ 11 焦点変動検出部 11a ビームスプリッタ 11b シリンドリカルレンズ 11c 受光部 11d 演算部 12 微小盛り上がり検出部 13 判断部 14 記憶部 a、b、c、d 受光素子 e、f 加算器 g 減算器 M 識別対象紙幣

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別対象紙幣の表面に於ける一定の赤外
    線検出ゾーンを走査して赤外線吸収率を検出し、得られ
    た一連の検出信号波形を真正紙幣に於けるそれと比較
    し、その異同から該識別対象紙幣が真正の紙幣か否かを
    識別する赤外線吸収識別部と、 識別対象紙幣の表面に於ける一定の微小盛り上がり検出
    ゾーンを走査してそこに存在することのある微小盛り上
    りを検出し、得られた一連の検出信号波形中に、前記微
    小盛り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域に存在する印
    刷インクによる微小盛り上がりを示す検出信号波形が存
    在するか否かを判断し、存在すれば該識別対象紙幣が真
    正の紙幣であり、存在しなければ非真正の紙幣であると
    判断する凹凸識別部と、 前記赤外線吸収識別部及び凹凸識別部の各々の識別結果
    出力である一次識別結果出力を受け取って、双方の一次
    識別結果出力が真正である旨を示すものである場合にの
    み当該の識別対象紙幣を真正紙幣であると最終判断し、
    それ以外の場合には当該の識別対象紙幣を非真正の紙幣
    であると最終判断する最終判断部と、 で構成した紙幣識別装置。
  2. 【請求項2】 前記赤外線吸収識別部を、 赤外線を発光し得る赤外線発光素子及び識別対象紙幣の
    赤外線検出ゾーンからのその反射赤外線を受光する赤外
    線受光素子からなる赤外線センサユニットと、 識別対象紙幣を、上記赤外線センサユニットで、その赤
    外線検出ゾーンに沿った走査をさせるべく移送する紙幣
    走査用移送手段と、 前記赤外線センサユニットの赤外線受光素子で上記走査
    に伴って連続して得られる反射赤外線の検出信号波形を
    受け取って、真正紙幣に於ける同一の赤外線検出ゾーン
    の検出信号波形である基準信号波形と比較し、比較結果
    が、一定の許容範囲内で一致しているものである場合に
    は識別対象紙幣は真正である旨の出力をし、そうでない
    場合は識別対象紙幣は非真正である旨の出力をすること
    とした比較手段と、 で構成した請求項1の紙幣識別装置。
  3. 【請求項3】 前記凹凸識別部を、 スポットレーザ光を照射し得る発光手段及び前記識別対
    象紙幣の微小盛り上がり検出ゾーンからのその反射レー
    ザ光を受光して反射点の高低に基づくその焦点の変動を
    検出する焦点変動検出部からなる微小盛り上がり検出部
    と、 識別対象紙幣を、上記微小盛り上り検出部で、その微小
    盛り上がり検出ゾーンに沿った走査をさせるべく移送す
    る紙幣走査用移送手段と、 前記微小盛り上り検出部で上記走査に伴って連続して得
    られる一連の検出信号波形である一連の焦点変動信号波
    形を受け取って、その焦点変動信号波形中に前記微小盛
    り上がり検出ゾーンに於ける印刷領域に存在する印刷イ
    ンクによる微小盛り上がりを示す検出信号波形が存在す
    るか否かを判断し、存在する場合には識別対象紙幣は真
    正である旨の出力をし、そうでない場合は識別対象紙幣
    は非真正である旨の出力をすることとした判断手段と、 で構成した請求項1の紙幣識別装置。
  4. 【請求項4】 前記微小盛り上がり検出部の発光手段
    を、レーザ光を発生し得る光源と、発生したレーザ光を
    これを通じて前記識別対象紙幣の微小盛り上がり検出ゾ
    ーンにスポット状に照射するための対物レンズとで構成
    し、 前記微小盛り上がり検出部の焦点変動検出部を、前記対
    物レンズを通じて戻って来る前記識別対象紙幣の微小盛
    り上がり検出ゾーンからの反射レーザ光の光束の一部を
    側方にスプリットするビームスプリッタであって、前記
    対物レンズと前記光源との間に配したビームスプリッタ
    と、該ビームスプリッタでスプリットされた光束にその
    焦点の変動量に応じた状態変化を発生させる変化発生手
    段と、焦点の変動により前記変化発生手段を経て生じた
    光束の状態変化の変化量を検出する状態検出手段とで構
    成した請求項3の紙幣識別装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990037836A (ko) * 1999-02-01 1999-05-25 민태영 유가증권식별장치
KR100330408B1 (ko) * 1999-06-02 2002-03-27 박원상 위조지폐 식별장치
WO2004066207A1 (ja) * 2003-01-23 2004-08-05 Aruze Corp. 識別センサ
WO2018003915A1 (ja) * 2016-06-30 2018-01-04 グローリー株式会社 紙葉類識別装置及び紙葉類識別方法

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