JP3653556B2 - 紙幣識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣識別装置に係り、単に偽造券を検出できるのみならず、1成分方式の偽造券と2成分方式の偽造券とを判別するなどいかなる方式で偽造されたものであるかを識別することのできる紙幣識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写技術の進歩は目覚ましく、紙幣、小切手等の有価証券が複写により、悪用されるという問題が生じてきている。
【0003】
そこで、このような悪用を避けるため、複写によるものは容易に偽であると識別できるようにすべく、識別のための研究が急速に進められてきている。
【0004】
例えば、紙幣の有する分光特性と、印刷あるいは複写によって偽造された偽券の分光特性とを可視域および赤外域の2領域において比較することにより、真偽の識別を行う方法が提案されている(特公昭54−29347号)。この方法では、赤外光と可視光とを検出用光源として使用しこれらを、交互に点灯し真偽の識別を行おうとする紙幣のある1点に交互に照射し、反射光または透過光を検出し、各信号の比または差をとることにより、紙幣の真偽の検出を行うようにしている。
【0005】
さらにまた、2枚の発光チップにより可視光と赤外光を同時に発光させると共に、可視光と赤外光とをほぼ独立に光電変換して出力することのできる受光素子とを組み合わせたものも提案されている(特開昭62−111377号)。この方式でも同様に、可視光と赤外光とによる信号の比または差によって識別しており、ほとんど同じ位置での、可視光と赤外光による分光特性を検出できることから、被検査物などによる検出精度のばらつきを防止し、小型で安定な読取りを行うことができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法では、1点の測定であるため、無彩色で赤色光出力VR と赤外光出力VIRとが等しくなるように回路を調整する必要があり、また、1点測定であるためコピーの明るさ調整をすれば容易に、真偽識別が不能となるようなコピー券が作られてしまうという問題がある。
【0007】
また後者の方式でも同様に1点測定であるためコピーの明るさ調整をすれば容易に、真偽識別が不能となるという問題がある。
【0008】
また偽造券であるということが判明しても、これらの方法ではいずれも当該偽造券が1成分方式の偽造券であるか2成分方式の偽造券であるかの分離ができないという問題がある。
【0009】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、光学系の調整が不要であってかつ、1成分方式の偽造券であるか2成分方式の偽造券であるかの分離が可能で、高精度の紙幣識別の可能な紙幣識別装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1の発明は、可視光を発光する第1の検出光照射手段と、赤外光を発光する第2の検出光照射手段と、前記第1の検出光照射手段が発光する可視光および前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が、紙幣の面上に連続的に照射されるように該紙幣を搬送する搬送手段と、前記第1の検出光照射手段が照射した可視光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した可視光に応じた第1の信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の検出光照射手段が照射した赤外光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した赤外光に応じた第2の信号を出力する第2の検出手段と、前記第1の検出光照射手段が発光する可視光が前記紙幣に照射されている間に前記第1の検出手段が出力する第1の信号を連続的に集積し、該集積した第1の信号を該第1の信号の平均値で規格化した第1の規格化信号を生成するとともに、前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が前記紙幣に照射されている間に前記第2の検出手段が出力する第2の信号を連続的に集積し、該集積した第2の信号を該第2の信号の平均値で規格化した第2の規格化信号を生成する規格化手段と、前記第2の規格化信号の積分値を基準値と比較するとともに、前記第1の規格化信号と前記第2の規格化信号との比の積分値を基準値と比較して、前記紙幣が真券であるか偽造券であるかを検出する検出手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、可視光を発光する第1の検出光照射手段と、赤外光を発光する第2の検出光照射手段と、前記第1の検出光照射手段が発光する可視光および前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が、紙幣の無印刷部を含む面上に連続的に照射されるように該紙幣を搬送する搬送手段と、前記第1の検出光照射手段が照射した可視光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した可視光に応じた第1の信号を出力する第1の検出手段と、前記第2の検出光照射手段が照射した赤外光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した赤外光に応じた第2の信号を出力する第2の検出手段と、 前記第1の検出光照射手段が発光する可視光が前記紙幣に照射されている間に前記第1の検出手段が出力する第1の信号を連続的に集積し、該集積した第1の信号を該第1の信号のうちの前記紙幣の無印刷部で出力された値で規格化した第1の規格化信号を生成するとともに、前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が前記紙幣に照射されている間に前記第2の検出手段が出力する第2の信号を連続的に集積し、該集積した第2の信号を該第2の信号のうちの前記紙幣の無印刷部で出力された値で規格化した第2の規格化信号を生成する規格化手段と、前記第2の規格化信号の積分値を基準値と比較するとともに、前記第1の規格化信号と前記第2の規格化信号との比の積分値を基準値と比較して、前記紙幣が真券であるか偽造券であるかを検出する検出手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、第1および第2の検出手段で検出された第1および第2の信号をそれぞれ連続的に集積し、ラインデータの測定を行っているため、識別能力は極めて高い。これは1点での信号があうように偽造がなされたとしても、ライン全体での信号があうように偽造を行うことは困難であるためである。
また第1では、それぞれの信号の平均値で規格化しているため、光学系の厳密な調整は不要である。
さらに第2では、無印刷部の検出信号で規格化しているため、用紙に応じた光学系の調整が不要である。
さらにまた、この装置によれば、赤外信号から磁気量に相当する計算値を求め真偽識別を行うことができる。
また、この方法では真偽識別のみならず、白黒コピーであるか1成分方式のカラーコピーであるか、2成分方式のカラーコピーであるかの識別も可能であり、偽造元の割り出しのいとぐちを見出だすことができる。
【0013】
以下本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明実施例の紙幣識別装置の概要説明図である。
この紙幣識別装置は、紙幣1を搬送する搬送手段2と、前記搬送手段2によって搬送されてくる紙幣1に、2色LEDからなり可視光および赤外光を照射する検出光照射手段3と、前記紙幣を透過した透過光のうち可視光および赤外光をそれぞれ独立して検出するフォトダイオードからなる光検出手段4と、前記光検出手段で検出された可視光信号および赤外光信号をそれぞれ電圧に変換するI−V変換回路5と、この出力をディジタル変換するAD変換回路6と、この出力を連続的に集積するメモリ7と、集積された信号の平均値を算出し各信号をこの平均値で規格化する規格化手段8と、前記規格化手段の出力に基づいて、前記紙幣が真券であるか偽造券であるかを検出する検出手段9とを具備したことを特徴とする。
【0015】
まず、この装置を用いて1成分方式のカラーコピー券を判定する方法について説明する。ここでいう1成分方式は、カラーコピー機の現像方式を指すのではなく、複写された紙面に残るトナーの成分がほとんど有機材料のみの1種類で無機系材料(特に磁性材料)をほとんど含まない方式をさす。図26にトナーの分光反射率特性を示すように、すべてのトナーは赤外域の光の吸収がほとんどない。したがって、赤外光ではこの種のカラーコピー券のパターン信号を読み取ることはできず、紙の一様な透過率または反射率を読み取るだけなので、信号波形は一様な値となる。図27にこのカラーコピー券の赤外信号パターンを示す。
【0016】
そこで、赤外光による平均値による規格化を行うことにより、真偽が容易に可能となる。すなわち、この方法によって算出された真券とカラーコピー券との赤外規格化信号を図2(a) および(b) に示す。縦軸の1と規格化された信号値との間の面積Sの大小によって判定を行う。1成分方式のカラーコピーの場合、面積Sは理想的には0となる。一方真券の場合は、赤外光を吸収するインクと吸収しないインクがあるため、赤外信号は一定にはならず、面積Sも小さくない値となる。
【0017】
そこでノイズ成分を考慮し、十分に0に近いEをしきい値とし、面積SがEよりも小さい場合を1成分方式のカラーコピー券とし、Eよりも大きい場合はそれ以外と判定する(他の判定で真券であると判定されたものは真券となる)。
【0018】
図3に判定データを示す。この判定結果から明らかなように真券はしきい値よりも上になり、カラーコピー券はしきい値Eよりも下になっており、誤判定はないことがわかる。ここではばらつきの範囲を線で示す。
【0019】
次に、本発明による無機インクの濃度判定方法について説明する。
ところで紙幣には赤外光を吸収しない有機系インクと赤外光を吸収する無機系インクとが使用されており、無機系インクには磁性材料が使用されていることから従来は磁気ヘッドを用いて磁性の有無やその位置を調べ真偽判定に利用してきた。しかしながら磁気ヘッドの信号は磁気量を定量的に測定するのは困難であるという問題あった。そこで無機インクの磁気量と無機インクの赤外光吸収量とがほぼ比例することを利用し、無印刷部の信号レベルをMとし、この値で規格化した場合、図4に示すように無機インクによる印刷部はレベルがM×Yだけ下がるとすると、紙幣長さをL、無機インクの印刷幅をa×Lとするとき、出力信号(縦軸)を無印刷部の信号で規格化した場合の面積S1は、面積S1=aYLとなる。ここで磁気量に比例してYの値が変化するため、面積S1は磁気量に比例する。そこで真券の場合の面積Sの下限をF、上限をGとし、この範囲にはいらないものを偽造券と判定することにより、無機インクの濃度判定から真偽判定を行うことが可能となる。
【0020】
また、信号レベルの平均値で規格化した場合にも、図5に示すように面積S2は2(1−a)/(1−aY)の誤差を生じるが、a,Y=0.5と仮定した場合誤差は1〜2倍の間である。図6は平均値で規格化した場合の紙幣と磁気入りカラーコピー券との各金種における比較データを示す図である。
【0021】
この結果からも、真偽判定が可能であることがわかる。
【0022】
このようにこの方法では磁気の有無は判定できないが、磁気量は数値表現することができる。したがって、この面積Sによって真偽判断を行うことが可能となる。 次に本発明の方法による白黒コピー券の判定方法について説明する。
白黒コピーおよび白黒磁気コピーのトナーの分光透過率特性は図7に示すように(横軸:波長λ、縦軸:分光透過率%)、光の吸収率が波長によらず、ほぼ一定である。(なおここでは生データから、紙の分光透過率特性分をキャンセルした。)つまり、どの光の波長で白黒コピー券の絵柄信号を比較しても波形形状は同じである。但し、比較する各波長の発光強度や受光素子の波長感度特性や紙の分光特性の影響のため、信号レベルは異なるのが一般的である。そこで各波長の信号をその平均値で規格化すると、各波長の信号波形はまったく一致するようになる。平均値で規格化した紙幣パターンの赤外信号波形と赤色光信号波形を図8に示す。このように平均値で規格化すると、その比は1になり差は0となる。
図9に平均値で規格化した赤外および赤色光の規格化信号波形の比を示す。 ここでは図9(a) は真券、図9(b) は白黒コピー券の場合として示した。このように、規格化信号波形の比が1に近い場合は白黒コピーであるということができる。この比とレベル1との差をXiとしたとき、この比とレベル1との間の面積の和(1より大きい部分の面積をP、1より小さい部分の面積をNとしP+N:Xiの総和)を求め、この値がノイズマージンを考慮してあらかじめ決定されたしきい値Hより上であるときは真券であり、しきい値Hより小さいときは白黒コピーであるとしたときの評価結果を図10に示す。この図からも評価が正しいことがわかる。
【0023】
またここでは平均値で規格化したが、紙幣周辺の無印刷部の信号で規格化しても同じ効果を得ることができる。また、赤外光と赤色光の組み合わせに限定されることなく、可視光と可視光との組み合わせでも良い。
【0024】
またこのように読取り信号の平均値規格化しているため、調整用紙を用いて、赤外と可視光との信号レベルが一致するように調整するために定期的に回路調整を行うような必要もない。
【0025】
さらに、被検査部と測定波長の最適化がまったく必要でないため、金種や搬送方向毎の判定基準テーブルを容易しておく必要もない。このため、改札券や外国紙幣に対しても、何の準備や変更もなしに、そのまま対応することができるという利点がある。
【0026】
なお、無印刷部の読取り信号によって規格化してもよいが、透かし部の信号で規格化する場合にはあらかじめ透かし部の位置をとおるようなセンサ配置にしたり、透しの位置データのテーブルを金種ごとにもつ必要があり、この方式の利点が一部失われてしまうという問題がある。
【0027】
次に2成分方式のカラーコピー券の判定方法について説明する。ここでいう2成分方式は、カラーコピー機の現像方式を指すのではなく、複写された紙面に残るトナーの成分が、有機系の母材と無機系の磁性材料等の2種類を含んでいる方式を指す。これまでに実用化されたものは、シアン、マゼンタ、イエローが有機系のみで黒色トナーのみの有機系の母材に無機系の磁性材料などを含んでいる方式のものである。紙幣には材質的に2種類のインクが使用されており、図11に示すように、カラフルなドライオフセット印刷部分Aには、可視光領域の吸収だけで赤外域での吸収がない有機系のインクが使用されている。一方、肖像部などの凹版印刷部分Bには、可視光域と赤外域の両方で吸収がある無機系のインクが使用されている。
【0028】
一方、2成分方式のカラーコピーは、シアン、マゼンタ、イエローに赤外での吸収がない有機系のトナーを使用し、明度・彩度調整用のブラックに可視光域と赤外域での吸収のある無機系トナーが使用されている。。このため、ほとんどすべての印刷部分に無機系トナーが多かれ少なかれ存在する。
【0029】
したがって、紙幣と2成分方式のカラーコピーでは、可視光領域の特性が紙幣と酷似するように構成されていても、赤外域で吸収のある無機系インクの配置がまったく異なる。したがって可視光領域と赤外領域の信号比とを比較することにより容易にその差を識別することができる。図12にドライオフセット印刷部の分光特性を示す。
【0030】
一方、紙幣において無機系インクは肖像部などのかなり暗い画質の部分に使用されていることから、2成分方式のカラーコピーでも薄くコピーすると、紙幣とほぼ同じ位置にのみ無機系インクを印刷することが可能である。しかし、この場合も無機系インクの量が少なくなるので、赤外光の吸収が少なくなる。したがって可視光領域と赤外領域の信号比を紙幣と比較すると容易にその差を識別することができる。凹版印刷部の分光特性を図13に示す。以上のように、凹版印刷部やドライオフセット印刷部各部において、可視光領域と赤外領域の信号比から、2成分方式のカラーコピーの識別を行うことが可能となる。
【0031】
次に、無印刷部の信号で規格化した赤色光信号と赤外光信号の比の説明図を図14に示すように、縦軸1と前記比の信号の間の面積を求め、縦軸=1より上の面積をP、下の面積をNとする。
【0032】
無印刷部で規格化した場合、無印刷部の比の値が最大値1となるので、Pの面積は0である。Nの面積は(1−赤/赤外)の総和となる。したがって、面積Nから各点で求めた信号比の総和または平均が求められる。
【0033】
図15は、信号の平均値で規格化した場合の説明図である。図中の面積P+Nは、(1−赤/赤外)の絶対値の総和となる。ここでは図14のP+Nと同じ形になるが、用紙による光の吸収の影響を受ける点で異なり、用紙の吸収が大きい場合は規格化信号のダイナミックレンジが減少し、P+Nが小さくなるなどの影響がでる。また有機インクの濃淡が大きくなると、可視光域光信号のダイナミックレンジに変化はない。無機インクの濃淡が大きくなると、両方の信号のダイナミックレンジが大きくなる。定性的には、無機インクと有機インクのバランスにおいて、無機インクの濃度が高くなるとN/Pが大きくなり、無機インクの濃度が低くなるとN/Pが小さくなる。
【0034】
このようにして、インクと用紙の両方から真券の特徴と比較して真偽識別を行う。
ここで図16(a) および(b) は真券と2成分方式のカラーコピー券との規格化信号波形を、図17(a) および(b) は真券と2成分方式のカラーコピー券との信号比を示す。これらの図における領域の面積PおよびNをもとめて真の紙幣とその他を分離する。PとNとをそれぞれ別にして判定してもよいしP+Nで識別するようにしてもよい。
【0035】
さらにまた肖像部と透かし部とドライオフセット部というように数ブロックに別けて照合するようにしてもよい。
【0036】
図18はP,Nの評価結果例を示す図である。真の紙幣の場合のP,Nの下限・上限をそれぞれQ,R,S,Tとして1つでもその値を外れれば真の紙幣ではないと判断する。ここでは信号の平均値で規格化しているため、インクの透過特性の他に、用紙の透過率特性も比較していることになる。これは、無印刷部の用紙の特性で規格化して、インクの特性のみを比較する場合よりも一般に差が大きい。
【0037】
また、評価においては、磁気量も重要な鑑定項目になるため、前述した評価値Sも併用して判断を行う。また磁気入り無機トナーの磁気量対光の吸収特性は紙幣の凹版印刷に使用されている無機インクの特性とは異なるので、磁気量をS値と磁気ヘッドの出力との双方で比較することによっても鑑定は可能である。
【0038】
このようにして白黒コピーと、1成分方式のカラーコピーと、2成分方式のカラーコピーと真券とを識別することができる。
【0039】
また平均値で規格化しているため、紙幣の一様な汚れの影響を受けにくく計算結果のばらつきが少ないため、識別距離が大きくなる。
【0040】
平均値で規格化しているため、LEDの光量劣化や埃などによる信号レベルの継続的な低下の影響がまったくない。
【0041】
またこの方法は図19(b) に紙幣と測定領域とを示すように多点測定であり、従来方式である一点測定(図19(a) 参照)に比べて、異なる印刷条件を総合的に評価することができるので識別能力が高い。
【0042】
次にこの方法を用いた実際の真偽判別アルゴリズムについて説明する。
まず第1に、透かし部または無印刷部の信号レベルによって規格化する方法について説明する。
まず、光検出手段4で検出された可視光信号および赤外光信号をI−V変換回路5でそれぞれ電圧に変換し、この出力をAD変換回路6でディジタル変換し、あらかじめ、この出力をメモリ7に集積しておく。そしてこのメモリから、赤外信号IRi および可視光信号Ri を取り出し(ステップ100)、さらに周辺の無印刷部の透過率WIR,WR を抽出する(ステップ101)。
【0043】
そしてこの透過率WIR,WR があらかじめ定められた範囲にあるか否かを判断し(ステップ102)、この範囲内にないときは透過率異常であるとしてフラッグをたてる(ステップ103)。
【0044】
そして、このあらかじめ定められた範囲にあるときはこの透過率WIR,WR で赤外信号IRi および可視光信号Ri をそれぞれ規格化する(ステップ104)。そして赤外信号IRi についてこの規格化された値とレベル1との間の面積があらかじめ定められたしきい値nEよりも小さいか否かを判断し(ステップ105)、小さいと判断されたときは1成分方式のカラーコピーによる偽造券であると判断する(ステップ106)。
【0045】
一方、赤外信号IRi についてこの規格化された値とレベル1との間の面積があらかじめ定められたしきい値nEよりも大きいと判断されたときは、続いて、赤外信号についてこの規格化された値とレベル1との間の面積があらかじめ定められたしきい値nFとnGとの間にあるか否かを判断し(ステップ107)、間にはないと判断されたときは白黒コピーまたは2成分方式のカラーコピー偽造券であると判断する(ステップ108)。
【0046】
一方赤外信号についてこの規格化された値とレベル1との間の面積があらかじめ定められたしきい値nFとnGとの間にあると判断されたときは、図21に示すステップに移行する。
【0047】
次に無印刷部の信号で規格化した紙幣パターンの赤外信号波形と赤色光信号波形の比とレベル1との差をXiとしたとき、この比とレベル1との間の面積の和(1より大きい部分の面積をP、1より小さい部分の面積をNとしP+N:Xiの総和)を求める(ステップ109)。
【0048】
そして、この値がノイズマージンを考慮してあらかじめ決定されたしきい値Hより小さいか否かを判断し(ステップ110)、小さいと判断されたときは白黒コピーあるいは磁気コピーによる偽造券であると判断する(ステップ111)。一方しきい値Hよりも小さくないと判断されたときはP,Nが真の紙幣の場合のP,Nの下限・上限をそれぞれQ,R,S,Tとしてこの範囲にあるか否かを判断し(ステップ112)、1つでもこの範囲をはずれたときは偽造券であると判断する(ステップ113)。
【0049】
また範囲内にあるときは真券であると判断する(ステップ114)。
【0050】
このようにして高精度の真偽判定を行うことが可能となる。
【0051】
なお、前記実施例では、無印刷部で規格化した例について説明したが、赤外信号および可視光信号の平均値で規格化してもよい。平均値で規格化した場合の例について図22および図23に示す。この例では、図20および図21で説明したものと異なるのは無印刷部で規格化したか平均値で規格化したかのみであり、他の工程は全く同様に構成した。各ステップの番号は互いに対応しているので、説明は省略する。
【0052】
また前記2例では規格化した紙幣パターンの赤外信号波形と赤色光信号波形の比とレベル1との差をXiとしたとき、この比とレベル1との間の面積の和(1より大きい部分の面積をP、1より小さい部分の面積をNとしP+N:Xiの総和)を求め(ステップ109,209)、このP+Nの値で比較を行ったが、図24および図25に示すように、規格化した紙幣パターンの赤外信号波形と赤色光信号波形の差をXiとしたとき、この差とレベル0との間の面積の和(0より大きい部分の面積をP、0より小さい部分の面積をNとしP+N:Xiの総和)を求めるようにしてもよい。ここで異なるのはステップ309のみである。
【0053】
なお、各工程において、しきい値はあらかじめ測定した値にもとづいてそれぞれ設定するものとする。また本方式は、インクの光学的特性を真券と比較するので、偽券が印刷を用いて作成されたものでも、磁気コピーとカラーコピーとを重ね刷りしたものでも、すべての偽券に適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば第1および第2の検出手段で検出された第1および第2の信号をそれぞれ連続的に集積し、ラインデータの測定を行っているため、識別能力は極めて高い。またそれぞれの信号の平均値で規格化しているため、光学系の厳密な調整は不要であるとともに、用紙に応じた光学系の調整が不要である。
【0055】
また、この方法では真偽識別のみならず、白黒コピーであるか1成分方式のカラーコピーであるか2成分方式とのカラーコピーであるかの識別も可能であり、偽造者の割り出しのいとぐちを見出だすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の紙幣識別装置を示す図
【図2】真券とカラーコピー券の赤外規格化信号を示す原理説明のための比較図
【図3】赤外規格化信号で規格化したカラーコピー券の評価結果を示す図
【図4】無印刷部で規格化する場合を示す説明図
【図5】信号の平均値で規格化する場合の説明図
【図6】磁気カラーコピー券評価結果を示す図
【図7】無機系黒色トナーの分光透過率
【図8】白黒コピー券の規格化された信号を示す図
【図9】規格化信号の赤色/赤外信号比波形を示す図
【図10】白黒コピー券評価結果を示す図
【図11】紙幣のインク種の説明図
【図12】ドライオフセット印刷部の分光特性を示す図
【図13】凹版印刷部の分光特性を示す図
【図14】無印刷部で規格化した規格化信号の赤色/赤外信号比波形を示す図
【図15】信号の平均値で規格化した規格化信号の赤色/赤外信号比波形を示す図
【図16】真券および2成分方式のカラーコピー券の規格化信号波形を示す図
【図17】真券および2成分方式のカラーコピー券の赤色/赤外信号比波形を示す図
【図18】P,Nの評価例を示す図
【図19】本発明の方式と従来の方式とを示す比較説明図
【図20】本発明の第1の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図21】本発明の第1の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図22】本発明の第2の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図23】本発明の第2の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図24】本発明の第3の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図25】本発明の第3の実施例のコピー偽造券判別アルゴリズムを示す図
【図26】トナーの分光反射率特性を示す図
【図27】カラーコピー券の赤外信号パターンを示す図
【符号の説明】
1 紙幣
2 搬送手段
3 検出光照射手段
4 光検出手段
5 I−V変換回路
6 AD変換回路
7 メモリ
8 規格化手段
9 検出手段

Claims (2)

  1. 可視光を発光する第1の検出光照射手段と、
    赤外光を発光する第2の検出光照射手段と、
    前記第1の検出光照射手段が発光する可視光および前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が、紙幣の面上に連続的に照射されるように該紙幣を搬送する搬送手段と、
    前記第1の検出光照射手段が照射した可視光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した可視光に応じた第1の信号を出力する第1の検出手段と、
    前記第2の検出光照射手段が照射した赤外光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した赤外光に応じた第2の信号を出力する第2の検出手段と、
    前記第1の検出光照射手段が発光する可視光が前記紙幣に照射されている間に前記第1の検出手段が出力する第1の信号を連続的に集積し、該集積した第1の信号を該第1の信号の平均値で規格化した第1の規格化信号を生成するとともに、前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が前記紙幣に照射されている間に前記第2の検出手段が出力する第2の信号を連続的に集積し、該集積した第2の信号を該第2の信号の平均値で規格化した第2の規格化信号を生成する規格化手段と、
    前記第2の規格化信号の積分値を基準値と比較するとともに、前記第1の規格化信号と前記第2の規格化信号との比の積分値を基準値と比較して、前記紙幣が真券であるか偽造券であるかを検出する検出手段と
    を具備したことを特徴とする紙幣識別装置。
  2. 可視光を発光する第1の検出光照射手段と、
    赤外光を発光する第2の検出光照射手段と、
    前記第1の検出光照射手段が発光する可視光および前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が、紙幣の無印刷部を含む面上に連続的に照射されるように該紙幣を搬送する搬送手段と、
    前記第1の検出光照射手段が照射した可視光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した可視光に応じた第1の信号を出力する第1の検出手段と、
    前記第2の検出光照射手段が照射した赤外光の前記紙幣での反射光あるいは前記紙幣を透過した透過光を受光し、該受光した赤外光に応じた第2の信号を出力する第2の検出手段と、
    前記第1の検出光照射手段が発光する可視光が前記紙幣に照射されている間に前記第1の検出手段が出力する第1の信号を連続的に集積し、該集積した第1の信号を該第1の信号のうちの前記紙幣の無印刷部で出力された値で規格化した第1の規格化信号を生成するとともに、前記第2の検出光照射手段が発光する赤外光が前記紙幣に照射されている間に前記第2の検出手段が出力する第2の信号を連続的に集積し、該集積した第2の信号を該第2の信号のうちの前記紙幣の無印刷部で出力された値で規格化した第2の規格化信号を生成する規格化手段と、
    前記第2の規格化信号の積分値を基準値と比較するとともに、前記第1の規格化信号と前記第2の規格化信号との比の積分値を基準値と比較して、前記紙幣が真券であるか偽造券であるかを検出する検出手段と
    を具備したことを特徴とする紙幣識別装置。
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