JP2002105369A - インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵 - Google Patents

インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵

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JP2002105369A
JP2002105369A JP2000298217A JP2000298217A JP2002105369A JP 2002105369 A JP2002105369 A JP 2002105369A JP 2000298217 A JP2000298217 A JP 2000298217A JP 2000298217 A JP2000298217 A JP 2000298217A JP 2002105369 A JP2002105369 A JP 2002105369A
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ink
food
egg
sodium
jet
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Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
Nobuyuki Kitaoka
伸之 北岡
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Pilot Ink Co Ltd
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色剤として用いられる食用色素の安定性に
優れ、安全且つ明瞭な像を食品等に形成できるインクジ
ェット用インキを提供する。 【解決手段】 少なくとも食用色素と、水と、コウジ酸
及び/又はコウジ酸塩とを含んでなるインクジェット用
インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット用イ
ンキに関する。更に詳細には、食品や卵の殻、医薬品、
医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体等
への印刷に適した可食性のインクジェット用インキに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式による印
刷は高速印刷が可能であり、製版工程を省略できるため
急速に普及している。また、物品に非接触状態で印刷が
可能なため、凹凸を有したり、表面が柔軟性を示した
り、或いは不定形の物品にも印刷が可能であり、特に食
品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等への適用が注
目されつつある。なかでも、卵の殻表面に賞味期限等を
印字して消費者に安全衛生に関わる情報を提供して、食
中毒の発生を未然に防止する要望が高まっている。前記
した要件を満たすインキとしては、着色剤として食用色
素を用いたインクジェット用インキが開示されている
(特公昭60−31871号公報、特開平11−130
996号公報)。 前記インキに用いられる食用色素と
して用いられる色素のうち、鉄クロロフィリンナトリウ
ムや銅クロロフィリンナトリウムは天然物由来の食用色
素で安全性に優れ、しかも緑色を呈することから、食
品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等に印字しても
嫌悪感を与えない像を形成できる利点を有する反面、高
温下で保管したり、常温下であっても長期間保管すると
インキが変色したり、着色濃度が低下したり、或いは、
水不溶物(残渣)を形成する等の不具合を生じ易い。よ
って、前記インキを用いて賞味期限や品質保証期限を印
字すると、変色や濃度低下により一定の像を形成し難
く、正確な文字情報を視認できなくなるため、商品性と
信頼性を損なう虞れがある。また、水不溶物(残渣)を
形成した場合にはインクジェットプリンターのノズルが
目詰まりを起こして生産性を損なう虞れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来のインクジェット用インキの問題点を解消するもので
あって、即ち、インキを長期間保管しても、変色、濃度
低下、不溶解物の形成等の劣化を生じることなく、初期
の良好な品質を永続して保持することのできるインクジ
ェット用インキを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記問題点を
解消すべく鋭意研究した結果、着色剤として用いられる
食用色素がインキ中で酸化作用を受けて劣化している知
見を得て、酸化反応を防止する還元性を有する特定の添
加物が劣化に対し特異な抑制効果を示し、前記色素に対
して著しい効果を発揮することを見出し、本発明を完成
させるに至った。即ち、本発明は食用色素、水とから少
なくともなるインクジェット用インキにおいて、コウジ
酸及び/又はコウジ酸塩を含有してなるインクジェット
用インキを要件とする。更には、前記食用色素が、鉄ク
ロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリ
ンナトリウムから選ばれること、ペクチン、ジュランガ
ム、カラギーナンから選ばれる一種又は二種以上の水溶
性樹脂を含んでなること等を要件とする。更には、卵殻
表面に前記インクジェット用インキにより像を形成して
なる卵を要件とする。
【0005】前記着色剤として用いられる食用色素とし
ては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102
号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色1
06号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色1号、
食用青色1号、食用青色2号、食用赤色40号、食用赤
色40号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウ
ムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色
1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレ
ーキ等のタール系色素、ウコン色素、クチナシ色素、紅
花色素、ベータカロチン、ベニコウジ色素、トウガラシ
色素、アナトー色素、ラック色素、コチニール色素、ビ
ートレッド、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、ア
カダイコン色素、ブドウ果皮色素、シソ色素、エルダー
ベリー色素、紫トウモロコシ色素、クロロフィル、カカ
オ色素、カキ色素、コウリャン色素、リボフラビン、鉄
クロロフィリン金属塩、銅クロロフィリン金属塩、銅ク
ロロフィル等の天然系色素が挙げられる。前記色素のう
ち、鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属
塩が好適に用いられ、前記鉄クロロフィリン金属塩とし
ては、鉄クロロフィリンカリウム、鉄クロロフィリンナ
トリウムが挙げられ、銅クロロフィリン金属塩として
は、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナト
リウムを例示できる。前記着色剤はインキ組成中0.1
〜10重量%の範囲で使用できる。含有量が、0.1重
量%より少ないと、印字濃度が不充分であり、10重量
%を越えると溶解性を損なうこともある。
【0006】前記着色剤がインキ中で酸化されるのを抑
制するコウジ酸は下記一般式(1)で示される化合物で
ある。
【0007】
【化1】
【0008】又、前記コウジ酸の塩としては、Na、K
等のアルカリ金属、アンモニウム、或いは、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアルカノールアミンを例示できる。具体的に前記
コウジ酸ナトリウム、コウジ酸カリウム、コウジ酸アン
モニウム等が挙げられる。前記化合物はインキ組成中
0.01〜15重量%の範囲で使用することができる。
0.01重量%未満では食用色素の劣化を防止し難く、
色濃度の低下や不溶解物の形成を生じ易くなる。15重
量%を越えるとインキの安定性に不具合を生じてインク
ジェット用インキには適用し難くなる。
【0009】また、必要に応じてインキの印字の密着性
を強めるために水溶性樹脂を用いることもできる。前記
樹脂としては、セラック、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
プロピレングリコールエステル、デンプングリコール酸
ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウム、プルラン、アラビアガム、エス
テルガム、ペクチン、ジュランガム、キサンタンガム、
カラギーナン等が挙げられる。また、前記インキを用い
て卵殻に像を形成する場合、ペクチン、ジュランガム、
カラギーナンから選ばれるゲルを形成する水溶性樹脂を
用いることにより、卵殻のカルシウムイオンと三次元ゲ
ル構造を形成して卵殻表面に形成した像が滲むことな
く、しかも、インキは卵内部まで浸透することがない。
更に、印字した像は耐水性に優れ、水に濡れても色素が
溶出せず、茹でた場合も熱湯に色素が溶出して茹で汁が
着色することのない安全性に優れた卵殻用インクジェッ
トインキが得られる。
【0010】また、インクジェットの先端のノズルが乾
燥により目詰まりを起こさないような適正量の湿潤剤を
配合することができる。具体的にはグリセリン、プロピ
レングルコール、ソルビトール、その他の可食性溶媒が
挙げられ、一種または、二種以上を組み合わせて使用で
きる。
【0011】その他、必要に応じて保存剤を添加するこ
とができる。前記保存剤としては、安息香酸、安息香酸
ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パ
ラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エ
チル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸
プロピル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プ
ロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。また、炭酸ナト
リウムなどのPH調整剤、ショ糖エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界
面活性剤、シリコーン系の消泡剤も必要に応じて使用で
きる。
【0012】本発明のインクジェットインキの物理的特
性としては、インクジェットプリンターの種類にもよる
が、20℃における粘度が1〜10mPa・sの範囲で
あり、表面張力は25mN/m以上を示し、電導度は
0.1〜20mS/cmの範囲に調整することが好まし
い。
【0013】前記インクジェット用インキは、食品、医
薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包
装体に好適に像を形成できる。前記食品としては、クッ
キー、ビスケット、パイ、チョコレート、キャンデー、
キャラメル、チューイングガム、ゼリー、煎餅、おこ
し、ポテトチップス等のお菓子類、バナナ、ミカン、り
んご、レモン等の果物類、チーズ、バター等の乳製品、
卵、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ等を例示で
き、包装体としては、前記食品、乳酸飲料、果汁飲料、
清涼飲料水、ワイン、豆乳等の飲料品、ジャム、シロッ
プ漬け等のペースト類、各種レトルト食品、冷凍食品等
の包装(容器)が挙げられる。医薬品としては、錠剤や
カプセル剤、医薬部外品としては、ガーゼ、マスクを例
示でき、包装体としては、前記医薬品、医薬部外品、ド
リンク剤、うがい薬、歯磨き、口中清涼剤等の包装(容
器)が挙げられる。化粧品の包装体としては、スキンロ
ーション、クリーム類、口紅、マニキュア等の包装(容
器)が挙げられる。飼料としては、ドッグフード、キャ
ットフード、観賞魚の餌、家畜飼料、養殖魚の餌等が挙
げられ、包装体としては、前記飼料包装(容器)が挙げ
られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットインキ
は、水、食用色素、コウジ酸やコウジ酸塩、必要により
湿潤剤、水溶性樹脂、その他各種添加剤を加えて混合、
攪拌し、更に必要に応じて加温することによって得られ
る。前記のようにして調製されたインクジェット用イン
キは、連続方式やドロップ・オン・デマンド方式のイン
クジェットプリンターに充填されて実用に供される。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明は、これらの
実施例によって何ら限定されるものでない。なお、実施
例中の部は重量部を示す。 実施例1 鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部 プロピレングリコ−ル 10.0部 コウジ酸 0.2部 ソルビン酸カリウム 0.1部 イオン交換水 88.2部 合計 100.0部 前記配合物を混合し、加熱撹拌して均一に溶解した後、
1μmのメンブランフィルターで濾過してインク用ジェ
ットインキを調製した。
【0016】実施例2 銅クロロフィリンナトリウム 1.5部 アルギン酸ナトリウム 0.1部 プロピレングリコ−ル 10.0部 コウジ酸 0.2部 イオン交換水 88.1部 合計 100.0部 前記配合物を混合し、加熱撹拌して均一に溶解した後、
1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェッ
ト用インキを調製した。
【0017】実施例3 アナト−色素 2.0部 コウジ酸 0.2部 安息香酸酸ナトリウム 0.1部 イオン交換水 97.7部 合計 100.0部 前記配合物を混合し、加熱撹拌して均一に溶解した後、
1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェッ
ト用インキを調製した。
【0018】比較例1 鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部 プロピレングリコ−ル 10.0部 ソルビン酸カリウム 0.1部 イオン交換水 88.4部 合計 100.0部 前記配合物を混合し、実施例と同様の方法にてインキを
調製した。
【0019】比較例2 銅クロロフィリンナトリウム 1.5部 アルギン酸ナトリウム 0.1部 プロピレングリコ−ル 10.0部 イオン交換水 88.4部 合計 100.0部 前記配合物を混合し、実施例と同様の方法にてインキを
調製した。
【0020】性能テスト 実施例及び比較例で調製した試料インキ100gを50
℃の恒温槽内に2週間保管し、保存テストを行った。テ
スト結果を以下の表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】テスト項目については、残渣試験、印字に
よる色調試験を行った。各試験項目の評価を以下に示
す。 残渣試験 経時後の試料インキ100gを1μmのメンブランフィ
ルタ−で濾過し、残渣の有無を確認した。 ○:残渣はみられない。 ×:残渣があり、濾過が出来ない。
【0023】印字による色調試験 経時後の試料インキをインクジェットプリンタ−で印字
し、初期の印字物と比較した。 ○:殆ど色調に変化がみられない。 ×:変色し、濃度低下している。
【0024】
【発明の効果】本発明は、還元性を有するコウジ酸やコ
ウジ酸塩の添加により、着色剤として用いられる食用色
素がインキ中で酸化されず、前記インキを長期間保管し
ても、変色、濃度低下、不溶解物の形成等の劣化を生じ
ることがないため、初期の良好な品質を永続して保持す
ることのできるインクジェット用インキを提供できる。
また、前記インキによって安全且つ明瞭な像を形成した
商品性の高い食品や卵、医薬品等の物品が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用色素、水とから少なくともなるイン
    クジェット用インキにおいて、コウジ酸及び/又はコウ
    ジ酸塩を含有してなることを特徴とするインクジェット
    用インキ。
  2. 【請求項2】 前記食用色素が、鉄クロロフィリンナト
    リウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムから
    選ばれることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト用インキ。
  3. 【請求項3】 ペクチン、ジュランガム、カラギーナン
    から選ばれる一種又は二種以上の水溶性樹脂を含んでな
    る請求項1又は2記載のインクジェット用インキ。
  4. 【請求項4】 卵殻表面に請求項3記載のインクジェッ
    ト用インキにより像を形成した卵。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169301A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Union Chemicar Co Ltd 可食性インクジェットインク組成物
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CN109540866A (zh) * 2018-11-30 2019-03-29 泉州师范学院 一种用于农药残留检测的复合金纳米材料及其制备方法

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