JP2003261802A - インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵 - Google Patents
インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵Info
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Abstract
ることができ、安全且つ明瞭な像を食品や卵、医薬品等
に形成できるインクジェット用インキを提供する。 【解決手段】 精密濾過により精製された鉄クロロフィ
ンナトリウム及び/又は銅クロロフィンナトリウムから
選ばれる食用色素と、水とから少なくともなるインクジ
ェット用インキにおいて、前記精密濾過として、セラミ
ック膜又はポリプロピレン膜を用いたクロスフロー方式
を採用したインクジェット用インキ。
Description
ンキに関する。更に詳細には、食品や卵の殻、医薬品、
医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体等
への印刷に適した可食性のインクジェット用インキに関
する。
刷は高速印刷が可能であり、製版工程を省略できるため
急速に普及している。また、物品に非接触状態で印刷が
可能なため、凹凸を有したり、表面が柔軟性を示した
り、或いは不定形の物品にも印刷が可能であり、特に食
品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等への適用が注
目されつつある。なかでも、卵の殻表面に賞味期限等を
印字して消費者に安全衛生に関わる情報を提供して、食
中毒の発生を未然に防止する要望が高まっている。前記
した要件を満たすインキとしては、着色剤として食用色
素を用いたインクジェット用インキが開示されている
(特公昭60−31871号公報、特開平11−130
996号公報)。前記インキに用いられる食用色素とし
て用いられる色素のうち、鉄クロロフィリンナトリウム
や銅クロロフィリンナトリウムは天然物由来の食用色素
で安全性に優れ、しかも緑色を呈することから、食品、
医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等に印字しても嫌悪
感を与えない像を形成できる利点を有する反面、色素中
に繊維質、脂質等の不純物が多く含まれているため、安
定性に乏しく、長期にわたり初期と同等の印字性能を維
持し難い。そのため、特開2000−297239号公
報には、アセトン、n−ヘキサン、エタノール、石油エ
ーテル等の溶剤による洗浄精製、または限外濾過及び逆
浸透膜による濾過精製を行なった色素を用いる方法が開
示されている。しかしながら、溶剤による洗浄を行なっ
た場合、食品添加物に認可されていない溶剤が混入して
しまうため食品衛生上好ましくない。また、限外濾過及
び逆浸透膜による精製を行なった場合、濾過膜の目が細
かすぎるためにすぐに目詰まりを起こしてしまい頻繁に
濾過膜を交換する必要があるため、生産効率が悪いと共
にコスト的にも問題がある。
来のインクジェット用インキの問題点を解消するもので
あって、即ち、食用色素の精製時に有機溶剤を使用せ
ず、更に濾過膜の目詰まりを生じることもない精製方法
を用いることで、長時間連続印字を行なっても、インク
ジェットプリンターの目詰まりを生じることなく、安定
した印字性能を保持できると共に、食品衛生的にも優れ
たインクジェット用インキを提供しようとするものであ
る。
を解消すべく鋭意研究した結果、前記不純物を効率良く
除去する手段として、特定の精密濾過を行なうことを見
出した。即ち、精密濾過により精製された鉄クロロフィ
リンナトリウム及び/又は銅クロロフィリンナトリウム
から選ばれる食用色素と、水とから少なくともなるイン
クジェット用インキにおいて、前記精密濾過がセラミッ
ク膜又はポリプロピレン膜を用いたクロスフロー方式の
精密濾過であることを要件とする。更には、卵殻表面に
前記インクジェット用インキにより像を形成した卵を要
件とする。
ロフィリンナトリウム及び銅クロロフィリンナトリウム
は、天然物から調製されるため安全性に優れており、食
品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等に印字される
インキに広く用いられている。しかし、色素中に繊維
質、脂質等の不純物を多く含んでいるため、安定性に乏
しいとともに、インクジェットに用いられる場合にはノ
ズルの目詰まりを起こすことがある。本発明者らは、膜
材としてセラミック膜又はポリプロピレン膜を用いたク
ロスフロー方式の精密濾過で精製した鉄クロロフィリン
ナトリウム及び/又は銅クロロフィリンナトリウムを着
色剤として配合したインクジェット用インキが、安定性
が著しく向上し、又、インクジェットプリンターに長期
間適用した場合もノズルの目詰まりが発生しにくいこと
を見いだし、本発明を完成した。更に、前記セラミック
膜に用いられるセラミック材料としては、αアルミナを
主原料として合成されたものが好ましい。
いた膜材は、0.05〜10μmの膜孔径を有し、キャ
ピラリー(中空糸)状、もしくは管状に形成されてい
る。前記精密濾過は、膜材を多数本束ねたフィルターを
用いて、内圧型のクロスフロー方式で行われる。膜孔径
が0.05μm以下の膜材は、微細な不純物を除去する
ことはできるが、目詰まりを起こしやすく生産効率が悪
くなる。また、膜孔径が10μm以上を有するものであ
れば、目詰まりを起すことなく、効率良く濾過できる
が、色素中に含まれる不純物を充分に除去することがで
き難い。
0重量%の範囲で使用できる。含有量が、0.1重量%
より少ないと、印字濃度が不充分であり、10重量%を
越えると溶解性を損なうこともある。
を強めるために水溶性樹脂を用いることもできる。前記
樹脂としては、セラック、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
プロピレングリコールエステル、デンプングリコール酸
ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウム、プルラン、アラビアガム、エス
テルガム、ペクチン、ジュランガム、キサンタンガム、
カラギーナン等が挙げられる。特に、前記インキを用い
て卵殻表面に像を形成する場合、ペクチン、ジュランガ
ム、カラギーナンから選ばれるゲルを形成する水溶性樹
脂を用いることにより、卵殻のカルシウムイオンと三次
元ゲル構造を形成して卵殻表面に形成した像が滲むこと
なく、しかも、インキは卵内部まで浸透することがな
い。更に、印字した像は耐水性に優れ、水に濡れても色
素が溶出せず、茹でた場合も熱湯に色素が溶出して茹で
汁が着色することのない安全性に優れた卵殻用インクジ
ェットインキが得られる。
燥により目詰まりを起こさないような適正量の湿潤剤を
配合することができる。具体的にはグリセリン、プロピ
レングルコール、ソルビトール、その他の可食性溶媒が
挙げられ、一種または、二種以上を組み合わせて使用で
きる。
とができる。前記保存剤としては、安息香酸、安息香酸
ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パ
ラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エ
チル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸
プロピル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プ
ロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。また、炭酸ナト
リウムなどのpH調整剤、ショ糖エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界
面活性剤、シリコーン系の消泡剤も必要に応じて使用で
きる。
特性としては、インクジェットプリンターの種類にもよ
るが、20℃における粘度を1〜10mPa・sの範囲
に、表面張力を25mN/m以上に、電導度を0.1〜
20mS/cmの範囲に調整することが好ましい。
薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包
装体に好適に像を形成できる。前記食品としては、クッ
キー、ビスケット、パイ、チョコレート、キャンデー、
キャラメル、チューイングガム、ゼリー、煎餅、おこ
し、ポテトチップス等のお菓子類、バナナ、ミカン、り
んご、レモン等の果物類、チーズ、バター等の乳製品、
卵、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ等を例示で
き、包装体としては、前記食品、乳酸飲料、果汁飲料、
清涼飲料水、ワイン、豆乳等の飲料品、ジャム、シロッ
プ漬け等のペースト類、各種レトルト食品、冷凍食品等
の包装(容器)が挙げられる。医薬品としては、錠剤や
カプセル剤、医薬部外品としては、ガーゼ、マスクを例
示でき、包装体としては、前記医薬品、医薬部外品、ド
リンク剤、うがい薬、歯磨き、口中清涼剤等の包装(容
器)が挙げられる。化粧品の包装体としては、スキンロ
ーション、クリーム類、口紅、マニキュア等の包装(容
器)が挙げられる。飼料としては、ドッグフード、キャ
ットフード、観賞魚の餌、家畜飼料、養殖魚の餌等が挙
げられ、包装体としては、前記飼料包装(容器)が挙げ
られる。
は、予めセラミック膜又はポリプロピレン膜を用いたク
ロスフロー方式の精密濾過により精製された鉄クロロフ
ィリンナトリウム又は銅クロロフィリンナトリウム、
水、必要により湿潤剤、水溶性樹脂、その他各種添加剤
を加えて混合、攪拌し、更に必要に応じて加温すること
で得られる。前記方法で得られたインクジェット用イン
キは、連続方式やドロップ・オン・デマンド方式のイン
クジェットプリンターに充填され使用される。
実施例によって何ら限定されるものでない。尚、実施例
中の部は重量部を示す。
キャピラリー状及び管状の膜を多数本束ねた濾過膜を使
用した内圧型のクロスフロー精密濾過モジュールで、鉄
クロロフィリンナトリウム水溶液を濾過することにより
精製した。
mのメンブランフィルターにより濾過することでインク
ジェット用インキを調製した。
μmの膜孔径を有するキャピラリー状及び管状であるも
のを多数本束ねた濾過膜を使用した内圧型のクロスフロ
ー精密濾過モジュールで、銅クロロフィリンナトリウム
水溶液を濾過することにより精製した。
1μmのメンブランフィルターにより濾過することでイ
ンクジェット用インキを調製した。
の膜孔径を有するキャピラリー状及び管状であるものを
多数本束ねた濾過膜を使用した内圧型のクロスフロー精
密濾過モジュールで、鉄クロロフィリンナトリウム水溶
液を濾過することにより精製した。
2μmのメンブランフィルターにより濾過することでイ
ンクジェット用インキを調製した。
ピラリー状及び管状の膜を多数本束ねた濾過膜を使用し
た内圧型のクロスフロー精密濾過モジュールで、銅クロ
ロフィリンナトリウム水溶液を濾過することにより精製
した。
mのメンブランフィルターにより濾過することでインク
用ジェットインキを調製した。
を調製した。
を調製した。
を調製した。
を調製した。
で3ヵ月保管し、以下の試験を行った。試験結果を以下
の表に示す。
よる色調試験を行った。各試験項目の評価を以下に示
す。 残渣試験 経時後の試料インキ100gを5μmのメンブランフィ
ルタ−で濾過し、残渣の有無を確認した。 ○:残渣はみられない。 ×:残渣があり、濾過が出来ない。
し、初期の印字物と比較した。 ○:殆ど色調に変化がみられない。 ×:変色し、濃度低下している。
ポリプロピレン膜を用いたクロスフロー方式の精密濾過
を行なった鉄クロロフィンナトリウム、銅クロロフィン
ナトリウムを用いることにより、長期間使用しても、初
期の印字性能を保持することができるインクジェット用
インキを提供できる。また、前記インキによって安全且
つ明瞭な像を形成した商品性の高い食品や卵、医薬品等
が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 精密濾過により精製された鉄クロロフィ
リンナトリウム及び/又は銅クロロフィリンナトリウム
から選ばれる食用色素と、水とから少なくともなるイン
クジェット用インキにおいて、前記精密濾過がセラミッ
ク膜又はポリプロピレン膜を用いたクロスフロー方式の
精密濾過であることを特徴とするインクジェット用イン
キ。 - 【請求項2】 卵殻表面に請求項1記載のインクジェッ
ト用インキにより像を形成した卵。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002065019A JP2003261802A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002065019A JP2003261802A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003261802A true JP2003261802A (ja) | 2003-09-19 |
Family
ID=29197529
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002065019A Pending JP2003261802A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | インクジェット用インキ及びそれを用いて卵殻表面に像を形成した卵 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2003261802A (ja) |
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- 2002-03-11 JP JP2002065019A patent/JP2003261802A/ja active Pending
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