JP2004168880A - インクジェット用インキ - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性に優れると共に、インキを長期間保管しても不溶解物の形成を生じることのないインクジェット用インキを提供する。また、前記インキによって像を形成した食品や卵、医薬品等の物品は、安全性と耐擦過性に優れ、商品性の高い物品が得られる。
【解決手段】着色剤として、鉄クロロフィリン金属塩や銅クロロフィリン金属塩等の食用色素と、水と、樹脂とから少なくともなり、前記樹脂がガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースから選ばれるインクジェット用インキ。
【選択図】 なし
【解決手段】着色剤として、鉄クロロフィリン金属塩や銅クロロフィリン金属塩等の食用色素と、水と、樹脂とから少なくともなり、前記樹脂がガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースから選ばれるインクジェット用インキ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット用インキに関する。更に詳細には、食品や卵の殻、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体等への印刷に適した可食性のインクジェット用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット方式による印刷は高速印刷が可能であり、製版工程を省略できるため急速に普及している。また、物品に非接触状態で印刷が可能なため、凹凸を有したり、表面が柔軟性を示したり、或いは不定形の物品にも印刷が可能であり、特に食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等への適用が注目されつつある。なかでも、卵の殻表面に賞味期限等を印字して消費者に安全衛生に関わる情報を提供して、食中毒の発生を未然に防止する要望が高まっている。
前記した要件を満たすインキとしては、着色剤として食用色素を用いたインクジェット用インキが挙げられ、具体的には、鉄クロロフィリンナトリウム又は銅クロロフィリンナトリウムから選ばれる着色剤と、セラックと、水とからなるインクジェット用インキ(例えば、特許文献1)が開示されている。
前記インキに用いられる樹脂としてはセラックが用いられているが、前記樹脂はインキ中で安定性に乏しく、経時により水不溶物(残渣)を形成する等の不具合を生じ易く、インクジェットプリンターのノズルが目詰まりを起こして生産性を損なう虞れがある。
また、印刷面に形成された像は擦過により剥離し易く、十分な耐擦過性を満足させていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特公昭60−31871号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来のインクジェット用インキの問題点を解消するものであって、即ち、インキを長期間保管しても、不溶解物の形成を生じることなく、初期の良好な品質を永続して保持するができ、しかも、印刷面に形成された像の耐擦過性に優れるインクジェット用インキを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記問題点を解消すべく鋭意研究した結果、特定の樹脂を用いることによってインキの経時安定性と、印刷面に形成された像の耐擦過性を満足させ、しかも、安全性に優れたインクジェット用インキが得られることを見出した。
即ち、本発明は着色剤として食用色素と、水と、樹脂とから少なくともなるインクジェット用インキにおいて、前記樹脂がガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースから選ばれるインクジェット用インキを要件とする。
更には、前記着色剤が鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属塩であることを要件とする。
【0006】
前記着色剤として用いられる食用色素としては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色1号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色40号、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ等のタール系色素、ウコン色素、クチナシ色素、紅花色素、ベータカロチン、ベニコウジ色素、トウガラシ色素、アナトー色素、ラック色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、ビートレッド、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、アカダイコン色素、ブドウ果皮色素、シソ色素、エルダーベリー色素、紫トウモロコシ色素、クロロフィル、クチナシ色素、カカオ色素、カキ色素、コウリャン色素、リボフラビン、鉄クロロフィリン金属塩、銅クロロフィリン金属塩、銅クロロフィル等の天然系色素が挙げられる。
前記色素のうち、鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属塩が好適に用いられ、前記鉄クロロフィリン金属塩としては、鉄クロロフィリンカリウム、鉄クロロフィリンナトリウムが挙げられ、銅クロロフィリン金属塩としては、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウムを例示できる。
前記着色剤はインキ組成中0.1〜10重量%の範囲で使用できる。含有量が、0.1重量%より少ないと、印字濃度が不充分であり、10重量%を越えると溶解性を損なうこともある。
【0007】
なお、前記着色剤がインキ中で酸化されるのを抑制するために、亜硫酸金属塩、一般式(1)で示されるコウジ酸やコウジ酸塩を含有させることもできる。
前記亜硫酸金属塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムを例示できる。
【化1】
又、前記コウジ酸の塩としては、Na、K等のアルカリ金属、アンモニウム、或いは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンを例示できる。
具体的に前記コウジ酸ナトリウム、コウジ酸カリウム、コウジ酸アンモニウム等が挙げられる。
前記化合物はインキ組成中0.01〜15重量%の範囲で使用することができる。0.01重量%未満では食用色素の劣化を防止し難く、色濃度の低下を生じ易くなる。15重量%を越えるとインキの安定性に不具合を生じてインクジェット用インキには適用し難くなる。
【0008】
本発明のインキジェット用インキに用いられる樹脂としては、安全性に優れたガラクトマンナン、大豆ヘミセルロースが用いられる。
前記ガラクトマンナンとして具体的には、太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR、サンファイバーST、サンファイバーHG、サンファイバーL−40を例示できる。
前記大豆ヘミセルロースとして具体的には、不二製油(株)製、商品名:ソヤファイブS−DN、ソヤファイブS−DA100、ソヤファイブS−EN−100、ソヤファイブS−LN、ソヤファイブS−LN1、ソヤファイブS−LA200、ソヤファイブS−FA100を例示できる。
前記樹脂はインキ組成中1〜10重量%の範囲で使用することができる。1重量%未満では所望のインキ性能を発現でき難くなると共に、印刷面に形成した像の耐擦過性に乏しくなる。また、10重量%を越えるとインキ粘度が上昇してインキ出に不具合を生じる虞がある。
その他、必要に応じて各種樹脂を併用して用いることもでき、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン、アラビアガム、エステルガム、ペクチン、ジュランガム、キサンタンガム、カラギーナン等が挙げられる。
【0009】
また、インクジェットの先端のノズルが乾燥により目詰まりを起こさないような適正量の湿潤剤を配合することができる。具体的にはグリセリン、プロピレングルコール、ソルビトール、その他の可食性溶媒が挙げられ、一種または、二種以上を組み合わせて使用できる。
【0010】
その他、必要に応じて保存剤を添加することができる。
前記保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、炭酸ナトリウムなどのPH調整剤、ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、シリコーン系の消泡剤も必要に応じて使用できる。
【0011】
本発明のインクジェットインキの物理的特性としては、インクジェットプリンターの種類にもよるが、20℃における粘度が1〜10mPa・sの範囲であり、表面張力は25mN/m以上を示し、電導度は0.1〜20mS/cmの範囲に調整することが好ましい。
【0012】
前記インクジェット用インキは、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体に好適に像を形成できる。
前記食品としては、クッキー、ビスケット、パイ、チョコレート、キャンデー、キャラメル、チューイングガム、ゼリー、煎餅、おこし、ポテトチップス等のお菓子類、バナナ、ミカン、りんご、レモン等の果物類、チーズ、バター等の乳製品、卵、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ等を例示でき、包装体としては、前記食品、乳酸飲料、果汁飲料、清涼飲料水、ワイン、豆乳等の飲料品、ジャム、シロップ漬け等のペースト類、各種レトルト食品、冷凍食品等の包装(容器)が挙げられる。
医薬品としては、錠剤やカプセル剤、医薬部外品としては、ガーゼ、マスクを例示でき、包装体としては、前記医薬品、医薬部外品、ドリンク剤、うがい薬、歯磨き、口中清涼剤等の包装(容器)が挙げられる。
化粧品の包装体としては、スキンローション、クリーム類、口紅、マニキュア等の包装(容器)が挙げられる。
飼料としては、ドッグフード、キャットフード、観賞魚の餌、家畜飼料、養殖魚の餌等が挙げられ、包装体としては、前記飼料包装(容器)が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェットインキは、水、食用色素、ガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロース、必要により湿潤剤、その他各種添加剤を加えて混合、攪拌し、更に必要に応じて加温することによって得られる。
前記のようにして調製されたインクジェット用インキは、連続方式やドロップ・オン・デマンド方式のインクジェットプリンターに充填されて実用に供される。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の配合数字は重量部を示す。
実施例1
鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
ガラクトマンナン 2.5部
〔太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
イオン交換水 85.8部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0015】
実施例2
銅クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
大豆ヘミセルロース 1.6部
〔不二製油(株)製、商品名:ソヤファイブS−EN−100〕
ソルビン酸ナトリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.1部
イオン交換水 86.7部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0016】
実施例3
アナトー色素 2.0部
プロピレングリコール 10.0部
ガラクトマンナン 2.5部
〔太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.1部
イオン交換水 85.3部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0017】
比較例1
鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
セラック 2.5部
〔日本シェラック工業(株)製、商品名:乾燥透明白ラック〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.5部
イオン交換水 85.4部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0018】
性能テスト
印字試験
実施例及び比較例で調製した初期及び経時後(40℃の恒温槽内で1ケ月間保管)の試料インキを用いて、連続方式のインクジェットプリンターにより卵殻表面上に5時間連続印刷し、印字性能を評価した。
析出試験
実施例及び比較例で調製した試料インキを40℃の恒温槽内で1ケ月間保管し、析出物の有無を目視により観察した。
試験結果を以下の表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
テスト項目における印字試験の評価を以下に示す。
○:連続して印字しても良好な像が形成できる。
×:プリンターのノズルに目詰まりを生じたり、インキ吐出が停止するため、連続して像を形成できない。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、樹脂としてガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースを用いることにより、安全性に優れると共に、前記インキを長期間保管しても不溶解物の形成を生じることのないインクジェット用インキを提供できる。また、前記インキによって像を形成した食品や卵、医薬品等の物品は、安全性と耐擦過性に優れ、商品性の高い物品が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット用インキに関する。更に詳細には、食品や卵の殻、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体等への印刷に適した可食性のインクジェット用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット方式による印刷は高速印刷が可能であり、製版工程を省略できるため急速に普及している。また、物品に非接触状態で印刷が可能なため、凹凸を有したり、表面が柔軟性を示したり、或いは不定形の物品にも印刷が可能であり、特に食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等への適用が注目されつつある。なかでも、卵の殻表面に賞味期限等を印字して消費者に安全衛生に関わる情報を提供して、食中毒の発生を未然に防止する要望が高まっている。
前記した要件を満たすインキとしては、着色剤として食用色素を用いたインクジェット用インキが挙げられ、具体的には、鉄クロロフィリンナトリウム又は銅クロロフィリンナトリウムから選ばれる着色剤と、セラックと、水とからなるインクジェット用インキ(例えば、特許文献1)が開示されている。
前記インキに用いられる樹脂としてはセラックが用いられているが、前記樹脂はインキ中で安定性に乏しく、経時により水不溶物(残渣)を形成する等の不具合を生じ易く、インクジェットプリンターのノズルが目詰まりを起こして生産性を損なう虞れがある。
また、印刷面に形成された像は擦過により剥離し易く、十分な耐擦過性を満足させていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特公昭60−31871号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来のインクジェット用インキの問題点を解消するものであって、即ち、インキを長期間保管しても、不溶解物の形成を生じることなく、初期の良好な品質を永続して保持するができ、しかも、印刷面に形成された像の耐擦過性に優れるインクジェット用インキを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記問題点を解消すべく鋭意研究した結果、特定の樹脂を用いることによってインキの経時安定性と、印刷面に形成された像の耐擦過性を満足させ、しかも、安全性に優れたインクジェット用インキが得られることを見出した。
即ち、本発明は着色剤として食用色素と、水と、樹脂とから少なくともなるインクジェット用インキにおいて、前記樹脂がガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースから選ばれるインクジェット用インキを要件とする。
更には、前記着色剤が鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属塩であることを要件とする。
【0006】
前記着色剤として用いられる食用色素としては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色1号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色40号、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ等のタール系色素、ウコン色素、クチナシ色素、紅花色素、ベータカロチン、ベニコウジ色素、トウガラシ色素、アナトー色素、ラック色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、ビートレッド、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、アカダイコン色素、ブドウ果皮色素、シソ色素、エルダーベリー色素、紫トウモロコシ色素、クロロフィル、クチナシ色素、カカオ色素、カキ色素、コウリャン色素、リボフラビン、鉄クロロフィリン金属塩、銅クロロフィリン金属塩、銅クロロフィル等の天然系色素が挙げられる。
前記色素のうち、鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属塩が好適に用いられ、前記鉄クロロフィリン金属塩としては、鉄クロロフィリンカリウム、鉄クロロフィリンナトリウムが挙げられ、銅クロロフィリン金属塩としては、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウムを例示できる。
前記着色剤はインキ組成中0.1〜10重量%の範囲で使用できる。含有量が、0.1重量%より少ないと、印字濃度が不充分であり、10重量%を越えると溶解性を損なうこともある。
【0007】
なお、前記着色剤がインキ中で酸化されるのを抑制するために、亜硫酸金属塩、一般式(1)で示されるコウジ酸やコウジ酸塩を含有させることもできる。
前記亜硫酸金属塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムを例示できる。
【化1】
又、前記コウジ酸の塩としては、Na、K等のアルカリ金属、アンモニウム、或いは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンを例示できる。
具体的に前記コウジ酸ナトリウム、コウジ酸カリウム、コウジ酸アンモニウム等が挙げられる。
前記化合物はインキ組成中0.01〜15重量%の範囲で使用することができる。0.01重量%未満では食用色素の劣化を防止し難く、色濃度の低下を生じ易くなる。15重量%を越えるとインキの安定性に不具合を生じてインクジェット用インキには適用し難くなる。
【0008】
本発明のインキジェット用インキに用いられる樹脂としては、安全性に優れたガラクトマンナン、大豆ヘミセルロースが用いられる。
前記ガラクトマンナンとして具体的には、太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR、サンファイバーST、サンファイバーHG、サンファイバーL−40を例示できる。
前記大豆ヘミセルロースとして具体的には、不二製油(株)製、商品名:ソヤファイブS−DN、ソヤファイブS−DA100、ソヤファイブS−EN−100、ソヤファイブS−LN、ソヤファイブS−LN1、ソヤファイブS−LA200、ソヤファイブS−FA100を例示できる。
前記樹脂はインキ組成中1〜10重量%の範囲で使用することができる。1重量%未満では所望のインキ性能を発現でき難くなると共に、印刷面に形成した像の耐擦過性に乏しくなる。また、10重量%を越えるとインキ粘度が上昇してインキ出に不具合を生じる虞がある。
その他、必要に応じて各種樹脂を併用して用いることもでき、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン、アラビアガム、エステルガム、ペクチン、ジュランガム、キサンタンガム、カラギーナン等が挙げられる。
【0009】
また、インクジェットの先端のノズルが乾燥により目詰まりを起こさないような適正量の湿潤剤を配合することができる。具体的にはグリセリン、プロピレングルコール、ソルビトール、その他の可食性溶媒が挙げられ、一種または、二種以上を組み合わせて使用できる。
【0010】
その他、必要に応じて保存剤を添加することができる。
前記保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、炭酸ナトリウムなどのPH調整剤、ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、シリコーン系の消泡剤も必要に応じて使用できる。
【0011】
本発明のインクジェットインキの物理的特性としては、インクジェットプリンターの種類にもよるが、20℃における粘度が1〜10mPa・sの範囲であり、表面張力は25mN/m以上を示し、電導度は0.1〜20mS/cmの範囲に調整することが好ましい。
【0012】
前記インクジェット用インキは、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料、或いは、これらの包装体に好適に像を形成できる。
前記食品としては、クッキー、ビスケット、パイ、チョコレート、キャンデー、キャラメル、チューイングガム、ゼリー、煎餅、おこし、ポテトチップス等のお菓子類、バナナ、ミカン、りんご、レモン等の果物類、チーズ、バター等の乳製品、卵、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ等を例示でき、包装体としては、前記食品、乳酸飲料、果汁飲料、清涼飲料水、ワイン、豆乳等の飲料品、ジャム、シロップ漬け等のペースト類、各種レトルト食品、冷凍食品等の包装(容器)が挙げられる。
医薬品としては、錠剤やカプセル剤、医薬部外品としては、ガーゼ、マスクを例示でき、包装体としては、前記医薬品、医薬部外品、ドリンク剤、うがい薬、歯磨き、口中清涼剤等の包装(容器)が挙げられる。
化粧品の包装体としては、スキンローション、クリーム類、口紅、マニキュア等の包装(容器)が挙げられる。
飼料としては、ドッグフード、キャットフード、観賞魚の餌、家畜飼料、養殖魚の餌等が挙げられ、包装体としては、前記飼料包装(容器)が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェットインキは、水、食用色素、ガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロース、必要により湿潤剤、その他各種添加剤を加えて混合、攪拌し、更に必要に応じて加温することによって得られる。
前記のようにして調製されたインクジェット用インキは、連続方式やドロップ・オン・デマンド方式のインクジェットプリンターに充填されて実用に供される。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の配合数字は重量部を示す。
実施例1
鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
ガラクトマンナン 2.5部
〔太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
イオン交換水 85.8部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0015】
実施例2
銅クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
大豆ヘミセルロース 1.6部
〔不二製油(株)製、商品名:ソヤファイブS−EN−100〕
ソルビン酸ナトリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.1部
イオン交換水 86.7部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0016】
実施例3
アナトー色素 2.0部
プロピレングリコール 10.0部
ガラクトマンナン 2.5部
〔太陽化学(株)製、商品名:サンファイバーR〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.1部
イオン交換水 85.3部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0017】
比較例1
鉄クロロフィリンナトリウム 1.5部
プロピレングリコール 10.0部
セラック 2.5部
〔日本シェラック工業(株)製、商品名:乾燥透明白ラック〕
ソルビン酸カリウム 0.1部
炭酸ナトリウム 0.5部
イオン交換水 85.4部
合計 100.0部
前記配合物を混合し、撹拌して均一に溶解した後、1μmのメンブランフィルターで濾過してインクジェット用インキを調製した。
【0018】
性能テスト
印字試験
実施例及び比較例で調製した初期及び経時後(40℃の恒温槽内で1ケ月間保管)の試料インキを用いて、連続方式のインクジェットプリンターにより卵殻表面上に5時間連続印刷し、印字性能を評価した。
析出試験
実施例及び比較例で調製した試料インキを40℃の恒温槽内で1ケ月間保管し、析出物の有無を目視により観察した。
試験結果を以下の表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
テスト項目における印字試験の評価を以下に示す。
○:連続して印字しても良好な像が形成できる。
×:プリンターのノズルに目詰まりを生じたり、インキ吐出が停止するため、連続して像を形成できない。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、樹脂としてガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースを用いることにより、安全性に優れると共に、前記インキを長期間保管しても不溶解物の形成を生じることのないインクジェット用インキを提供できる。また、前記インキによって像を形成した食品や卵、医薬品等の物品は、安全性と耐擦過性に優れ、商品性の高い物品が得られる。
Claims (2)
- 着色剤として食用色素と、水と、樹脂とから少なくともなるインクジェット用インキにおいて、前記樹脂がガラクトマンナン及び/又は大豆ヘミセルロースから選ばれることを特徴とするインクジェット用インキ。
- 前記着色剤が鉄クロロフィリン金属塩又は銅クロロフィリン金属塩である請求項1記載のインクジェット用インキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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