JP2002103954A - 風向調整装置 - Google Patents

風向調整装置

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肇 望月
Takashi Takeuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方が長尺な吹き出し口を有する風向調整装
置であっても、捻れの生じない風向調整羽根を有する風
向調整装置を提供する。 【解決手段】 ダクト7に接続されてなると共に一方が
長尺な吹き出し口11bを有するケース体2と、該ケー
ス体2の吹き出し口11b内部の壁に一端部4aが回動
自在に軸支され且つ操作手段6により風向きが調整され
る風向調整羽根4とを少なくとも備えてなり、前記ケー
ス体2の吹き出し口11bの略中央部には、前記風向調
整羽根4の他端部4bをそれぞれ回転自在に支持してな
る支持部12が前記壁と略平行に設置されてなり、前記
操作手段6は、前記風向調整羽根4の他端部4bに形成
され、前記支持部12を挟んで隣り合う風向き調整羽根
4と連結するリンク部材13を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気の吹き出し方
向を制御可能なると共に吹き出しを可能なるようにした
り、吹き出しを停止させたり制御することを可能なる風
向調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の風向調整装置としては、例えば、
特開平8ー268052号公報或いは実開昭58−17
9214号公報に記載されたものがある。これらの構造
は、風向調整装置に関し、風向調整羽根を連動させるリ
ンクが、ケースの側壁の片方に設けられており、操作部
とリンクとは離間している。しかも、上下幅と左右幅と
がほぼ同一である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
風向調整装置にあっては、操作部とリンクとが離間して
いるので、羽根自体に捻れが発生するおそれがある。し
かも、計器板への積載装置が増大する傾向がある昨今に
おいては、風向調整装置の上下寸法が薄くなる傾向があ
り、吹き出し量を確保するためには、ケースの左右寸法
を長くして開口面積を確保する必要がある。つまり、前
記従来例による風向調整装置のような操作部とリンクと
が離間した構造では、ますます羽根の捻れが生じやすい
ことになり、改善が求められている。
【0004】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、左右幅寸法が大きな風向調整
装置であっても、捻れの生じない風向調整羽根を有する
風向調整装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ダクトに接続されてなると共に
一方が長尺な吹き出し口を有するケース体と、該ケース
体の吹き出し口内部の壁に一端部が回動自在に軸支され
且つ操作手段により風向きが調整される風向調整羽根と
を少なくとも備えてなり、前記ケース体の吹き出し口の
略中央部には、前記風向調整羽根の他端部をそれぞれ回
転自在に支持してなる支持部が前記壁と略平行に設置さ
れてなり、前記操作手段は、前記風向調整羽根の他端部
に形成され、前記支持部を挟んで隣り合う風向き調整羽
根と連結するリンク部材を有する。
【0006】請求項1の発明によれば、前記支持部によ
り、ケース体の吹き出し口の略中央部が保持されるの
で、ケース体の吹き出し口の一方が長尺でもケース体自
体の剛性が確保される。また、リンク部材が該支持部に
連結されていて、風向調整羽根の中央側の端部にあって
回転作動させるので、羽根に作用する応力を分散させ
て、羽根の捻れが防止できることになる。羽根の剛性が
向上することにより、操作感が向上することになる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の風向
調整装置であって、前記リンク部材の風上側は、風上へ
向かう楔状に形成されてなる。
【0008】請求項2の発明によれば、前記リンク部材
の風上側が楔状であるので、空気抵抗が低減でき、風向
制御特性が向上することになる。また、前記操作手段を
操作して羽根を中立位置にすると、リンク部材が風の流
れを両側に逃がすことにより、通気抵抗を低減できる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の風向調整装置であって、前記操作手段は、前記
支持部を跨ぐと共に前記風向調整羽根を支持してなる。
【0010】請求項3の発明によれば、前記操作手段
が、前記支持部を跨ぐと共に前記風向調整羽根を支持し
てなるので、前記風向調整羽根の捻れが更に防止され、
操作感が更に向上する。
【0011】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れか1項に記載の風向調整装置であって、前記リン
ク部材の端部は、前記ケース体の上下何れかの内壁に当
接することで、風向調整羽根の傾きを停止可能なるよう
に構成した。
【0012】請求項4の発明によれば、前記操作手段に
よる操作荷重が、前記リンク部材の全てで受けることに
なり、風向調整羽根の傾きを停止させるストッパの剛性
が向上する。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れか1項に記載の風向調整装置であって、前記リン
ク部材と該リンク部材を支持した軸との摺動抵抗より
も、軸とケース体との摺動抵抗が小さいように構成し
た。
【0014】請求項5の発明によれば、操作手段による
風向調整羽根の操作で、十分な操作感を発生させつつ
も、ねじれがより出にくいことになる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1乃至図6は、本発明の風向調
整装置の一実施形態を示す図面である。
【0016】符号1は、風向調整装置で、該風向調整装
置1は、ケース体2と、「風向調整羽根」である縦ルー
バー3と、該縦ルーバー3より風下側に配され且つ「一
端部」である第1回転軸4aがケース体2にスペーサ1
8を介して回転自在に軸支されてなる「風向調整羽根」
である横ルーバー4と、縦ルーバー3を操作可能なる
「操作手段」の一方である左右方向制御手段5と、横ル
ーバー4を操作可能なる「操作手段」の他方である上下
方向制御手段6とより少なくとも構成されてなる。
【0017】前記ケース体2は、ケース本体10と化粧
部材11とよりなり、両者10,11とも中空状の合成
樹脂製で、内壁の縦寸法が35ミリメートル、同横寸法
が175ミリメートルの上下に薄く左右に長尺な寸法関
係にある。前記ケース本体10の風下側、即ち空気の吹
き出し側の端部10aに、前記化粧部材11の風上側の
端部11aが固設されてなる。
【0018】前記ケース本体10は、自動車のインスト
ルメントパネルに装着されてなる空気温度制御装置(図
示省略)の吹き出し部であるダクト7に、環状のシール
材8を介在して接続されてなる。該ケース本体10の吹
き出し口10cの略中央部には、前記横ルーバー4の
「他端部」である第2回転軸4bをそれぞれ回転自在に
支持してなる後述する軸受け部12aからの抜けを防止
する柱状の支持受け部10dが上下に架橋されてなる。
【0019】前記化粧部材11は、前記端部11aから
上下左右に張り出して形成されてなり、自動車のインス
トルメントパネルの化粧板(図示省略)と面一な位置に
配されているもので、前記ケース本体10の風下側の端
部10aに固設されていて、該化粧部材11の吹き出し
口11bの略中央部には、前記横ルーバー4の前記第2
回転軸4bをそれぞれ回転自在に支持してなる溝状の軸
受け部12aを有する支持部12が上下に架橋されてな
る。
【0020】前記複数の横ルーバー4の第2回転軸4b
に形成した連結部4cには、前記支持部12を跨ぐよう
に、風上側の横断面が風を案内可能なると共に、図3に
示す楔状に形成してなるリンク部材13を連結してな
る。
【0021】前記縦ルーバー3は、該ケース体2のケー
ス本体10の風上側、即ち、ダクト2側に回転軸3cに
より左右に回転自在に軸支されてなり、真ん中の2枚の
ルーバー本体3aが前後寸法が短く、他の8枚のルーバ
ー本体3bが長い形状である。該ルーバー本体3a、3
bは、連結リンク14により連結されている。
【0022】前記横ルーバー4は、該ケース体2のケー
ス本体10の風下側、即ち、化粧部材11の吹き出し口
11b側に第1,第2回転軸4a、4bにより上下に回
転自在に軸支されてなり、真ん中の1枚のルーバー本体
4dの他端部側、つまり化粧部材11の中央側に係合孔
4fが形成されてなり、他の2枚のルーバー本体4eに
は、該係合孔4fは形成されていない。該ルーバー本体
4d,4eは、リンク部材13により連結されている。
【0023】前記左右方向制御手段5は、前記ケース本
体10の下側の面に形成されたボス10bにビス16に
より回転自在に軸支されてなるダイヤル15と、該ダイ
ヤル15に連結されてなると共に前記回転軸3cに連結
されてなる作動リンク17とよりなる。前記ダイヤル1
5は、前記化粧部材11に形成された開口11cから一
部が露出している。
【0024】前記上下方向制御手段6は、前記支持部1
2を風下側から跨ぐように真ん中に溝部6aが形成され
てなると共に前記横ルーバー4に形成された前記係合孔
4fに爪6bが係合支持されている。
【0025】かかる構成よりなる風向調整装置1は、次
に順序で組み立てられる。即ち、化粧部材11には、横
ルーバー4をスペーサー18と支持部12の軸受け部1
2aでもって組み立て、それに上下方向制御手段6の爪
6bをルーバー4の係合孔4fに組み立る。ケース本体
10には、縦ルーバー3と連結リンク14とで組み立て
る。こうしたそれぞれ予め組み立てられた化粧部材11
とケース本体10とを組立後、リンク部材13を組み立
てることで、完成する。
【0026】この実施形態では、かかる構成よりなるの
で、前記支持部12により、ケース体2のケース本体1
0の吹き出し口10cの略中央部が保持されるので、ケ
ース体2が左右に長尺でもケース体2自体の剛性が確保
される。また、リンク部材13が該支持部12に連結さ
れていて、横ルーバー4の中央側の第2回転軸4bにあ
って回転作動させるので、横ルーバー4に作用する応力
を分散させて、横ルーバー4の捻れが防止できることに
なる。横ルーバー4の剛性が向上することにより、上下
方向制御手段6を操作させた時の操作感が向上すること
になる。
【0027】また、左右方向制御手段5のダイヤル15
を操作して、縦ルーバー3を左右何れかに傾けさせる
と、リンク部材13が楔状であるので、縦ルーバー3の
操作角と整合することになり、図5に二点鎖線で示す風
Aの流れのように、リンク部材13が縦ルーバー3の操
作角と整合するので、空気抵抗が低減でき、風向制御特
性が向上することになる。また、前記ダイヤル15を操
作して縦ルーバー3を中立位置にすると、図5に実線で
示す風Aの流れのように、リンク部材13が風Aの流れ
を両側に逃がすことにより、通気抵抗を低減できる。
【0028】また、前記上下方向制御手段6が、前記支
持部12を溝部6aで跨ぐと共に前記横ルーバー4のル
ーバー本体4dの係合孔4fに爪6bで支持してなるの
で、前記横ルーバー4の捻れが更に防止され、操作感が
更に向上する。
【0029】また、前記上下方向制御手段6による操作
荷重が、前記リンク部材13の全てで受けることにな
り、図4に示すように、実線で示す位置から二点鎖線で
示す位置にリンク部材13が移動して、ケース体2のケ
ース本体10の上下何れかの壁に当接した段階で横ルー
バー4の傾きを停止させることになり、リンク部材13
は、ストッパ機能を有し、横断面楔形のリンク部材13
で受けるので、ストッパの剛性が向上することになる。
【0030】また、前記リンク部材13と該リンク部材
13を支持した軸4cとの摺動抵抗よりも、軸4aとケ
ース体2との摺動抵抗が小さいように構成してなるの
で、左右方向制御手段5及び上下方向制御手段6による
縦ルーバー3及び横ルーバー4の操作で、十分な操作感
を発生させつつも、ねじれがより出にくいことになる。
【0031】図7は、本発明の他の実施形態で、前記横
ルーバー4の左右のルーバー本体4d,4eが、「他端
部」である第2回転軸4bで一体に形成されている例を
示してきたが、図7に示す例では、分割された第2回転
軸4gであり、左右のルーバー本体4d,4eが共に別
部材よりなるものであり、かかる構成にしても、本願発
明の前記した効果を有する。そして、図7に示すよう
に、軸受け部12bが、支持受け部10eに形成されて
なるものである。
【0032】前記実施形態では、支持部12と支持受け
部10dとを前後に配して、横ルーバー4の第2回転軸
4bを保持する例で説明したが、これに限るものではな
く、支持部12のみ、或いは支持受け部10dのみであ
っても良い。
【0033】また、前記実施形態では、ケース体2の長
辺を左右方向にし、短辺を上下方向になるようにして説
明したが、これに限らず、例えば、ケース体2の長辺を
上下方向にし、短辺を左右方向になるようにしても良
い。要は、吹き出し口11bの一方が長尺であれば良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風向調整装置の一実施形態の斜視図。
【図2】図1のSA−SA線に沿った断面図。
【図3】図2のSB−SB線に沿った断面図。
【図4】図2の作動説明図。
【図5】図3の作動説明図。
【図6】図1の分解斜視図。
【図7】本発明の風向調整装置の他の実施形態に係る図
7相当分解斜視図。
【符号の説明】
1 風向調整装置 2 ケース体 3 「風向調整羽根」である縦ルーバー 4 「風向調整羽根」である横ルーバー 4a 横ルーバーの一端部 4b 横ルーバーの他端部 4c 横ルーバーの連結部 4d,4e ルーバー本体 4f 係合孔 5 「操作手段」である左右方向制御手段 6 「操作手段」である上下方向制御手段 7 ダクト 10 ケース本体 10c、11b 吹き出し口 11 化粧部材 12 支持部 12a 軸受け部 13 リンク部材
フロントページの続き (72)発明者 望月 肇 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 (72)発明者 竹内 貴司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクトに接続されてなると共に一方が長
    尺な吹き出し口を有するケース体と、該ケース体の吹き
    出し口内部の壁に一端部が回動自在に軸支され且つ操作
    手段により風向きが調整される風向調整羽根とを少なく
    とも備えてなり、 前記ケース体の吹き出し口の略中央部には、前記風向調
    整羽根の他端部をそれぞれ回転自在に支持してなる支持
    部が前記壁と略平行に設置されてなり、 前記操作手段は、前記風向調整羽根の他端部に形成さ
    れ、前記支持部を挟んで隣り合う風向き調整羽根と連結
    するリンク部材を有することを特徴とする風向調整装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の風向調整装置であっ
    て、 前記リンク部材の風上側は、風上へ向かう楔状に形成さ
    れてなることを特徴とする風向調整装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の風向調整
    装置であって、 前記操作手段は、前記支持部を跨ぐと共に前記風向調整
    羽根を支持してなることを特徴とする風向調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記
    載の風向調整装置であって、 前記リンク部材の端部は、前記ケース体の上下何れかの
    内壁に当接することで、風向調整羽根の傾きを停止可能
    なるように構成したことを特徴とする風向調整装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記
    載の風向調整装置であって、 前記リンク部材と該リンク部材を支持した軸との摺動抵
    抗よりも、軸とケース体との摺動抵抗が小さいように構
    成したことを特徴とする風向調整装置。
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