JP2002103476A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法

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JP2002103476A
JP2002103476A JP2000305895A JP2000305895A JP2002103476A JP 2002103476 A JP2002103476 A JP 2002103476A JP 2000305895 A JP2000305895 A JP 2000305895A JP 2000305895 A JP2000305895 A JP 2000305895A JP 2002103476 A JP2002103476 A JP 2002103476A
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Yasushi Ota
康 大田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未加硫インナーライナー部材の取扱いが簡単
で、スクラップの発生も抑えられる空気入りタイヤの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 カレンダーで成型したシート状の未加硫
インナーライナー部材30の下面にフィルム34を貼り
付け、上面の両端部分にチェーファー付きトゥゴム部材
38を貼り付けて、剛性を確保した補強付き未加硫イン
ナーライナー部材46を得る。補強付き未加硫インナー
ライナー部材46を所定の長さに切断し、これをタイヤ
成型ドラムの外周面に貼り付けると共に他のタイヤ構成
部品を貼り付けて生タイヤを成型する。その生タイヤを
モールドで加硫する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの内面には、空気漏れを
防止し、タイヤ空気圧を一定に保つために、ハロゲン化
ブチルゴムなどの低気体透過性ゴムからなるインナーラ
イナーが設けられている。
【0003】従来の空気入りタイヤでは、内圧保持、酸
素不透過性及び生産性を考慮し、インナーライナーの製
品ゲージが0.4mm以上であった。
【0004】また、タイヤ製造工程において、インナー
ライナー部材の供給はカレンダー工程で0.8mm以上
でシート状にし、布製のライナー、ポリライナー、フィ
ルムライナー等に巻き取られて成型工程で巻出され成型
されていた。
【0005】近年、省エネルギーの社会的な要請に伴
い、空気入りタイヤの軽量化を目標として、インナーラ
イナーの薄ゲージ化が考えられている。
【0006】インナーライナーを薄ゲージ化する手法と
して、ブチルゴムの含有量を多くする、充填剤を添加す
る等の手法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、何れの
場合も未加硫のインナーライナー(以後、タイヤ成型ド
ラムへ貼り付け前のものを未加硫インナーライナー部材
と呼ぶ。)の強度は低下してしまうので(腰が弱くな
る)、カレンダー作業性の著しい低下や、巻取りライナ
ーへの密着等により、局部的に伸ばされたり、供給ライ
ンで皺が発生したりし、未加硫インナーライナー部材及
び生タイヤの修理、スクラップを増加させる等の問題に
より生産上好ましくない。
【0008】本発明は、上記事実を考慮し、薄肉の未加
硫インナーライナー部材を形成し、スクラップの発生も
抑えられる空気入りタイヤの製造方法を提供することが
目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入
りタイヤの製造方法は、インナーライナー用の未加硫の
ゴム組成物をカレンダーにて連続した薄肉シート状の未
加硫インナーライナー部材に形成するカレンダー工程を
含み、少なくとも薄肉シート状の未加硫インナーライナ
ー部材と他の複数のタイヤ構成部材とを組み合わせて生
タイヤを成型する生タイヤ成型工程と、前記生タイヤを
モールドで加硫成型する加硫工程と、を有する空気入り
タイヤの製造方法であって、前記カレンダー工程の後
に、前記他の複数のタイヤ構成部材の内の少なくとも1
つのタイヤ構成部材、及び薄肉のフィルムの少なくとも
一方を前記未加硫インナーライナー部材に貼り付けて補
強付き未加硫インナーライナー部材を得る補強工程と、
前記補強付き未加硫インナーライナー部材をタイヤ成型
ドラムに貼り付けると共に、残りのタイヤ構成部材を貼
り付けて生タイヤを完成する生タイヤ成型工程と、を有
することを特徴としている。
【0010】従来の空気入りタイヤの製造方法では、タ
イヤ成型ドラムの外周面に先ず未加硫インナーライナー
部材が貼り付けられ、その後、チェーファー等のタイヤ
構成部材が順次貼り付けられるようになっており、カレ
ンダー工程と未加硫インナーライナー部材をタイヤ成型
ドラムに貼り付けるまでの間に未加硫インナーライナー
部材に伸びや皺を発生する場合があり、特に薄肉に形成
した未加硫インナーライナー部材では顕著であった。
【0011】一方、請求項1に記載の空気入りタイヤの
製造方法によれば、カレンダー工程では、インナーライ
ナー用の未加硫のゴム組成物がカレンダーにて連続した
薄肉シート状の未加硫インナーライナー部材に形成され
る。
【0012】薄肉シート状の未加硫インナーライナー部
材には、次の補強工程で、一部のタイヤ構成部材、及び
薄肉のフィルムの少なくとも一方(両方でも良い)が貼
り付けられ、剛性の確保された補強付き未加硫インナー
ライナー部材が得られる。
【0013】したがって、カレンダー工程からタイヤ成
型ドラムへの貼り付けまでの間に未加硫インナーライナ
ー部材の、伸び、皺の発生等が抑えられる。
【0014】生タイヤ成型工程では、補強付き未加硫イ
ンナーライナー部材と残りのタイヤ構成部材とがタイヤ
成型ドラムに貼り付けられて生タイヤの成型が行われ、
次の加硫工程では生タイヤがモールドで加硫成型され製
品タイヤとなる。
【0015】なお、フィルムは、生タイヤの加硫に際し
て不要であれば加硫前の取り除き、加硫に際して問題な
ければ、また、製品タイヤに残っても問題なければ加硫
前に取り除かなくても良い。
【0016】請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方
法は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法にお
いて、前記一部のタイヤ構成部材は、ビード廻りの部材
であるチェーファーを含むことを特徴としている。
【0017】請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方
法では、ビード廻りの部材であるチェーファーにて未加
硫インナーライナー部材の補強が行われる。なお、チェ
ーファーは、未加硫インナーライナー部材の幅方向端部
付近に貼り付けられる。
【0018】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、
前記一部のタイヤ構成部材は、ビード部のトゥゴムを含
むことを特徴としている。
【0019】請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方
法では、タイヤ構成部材であるビード部のトゥゴム(ビ
ード部のビードトゥ部分を形作るゴム)を補強部材とし
て利用し、トゥゴムにて未加硫インナーライナー部材の
補強が行われる。なお、トゥゴムは、未加硫インナーラ
イナー部材の幅方向端部付近に貼り付けられる。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
において、前記フィルムは、熱可塑性の合成樹脂材料か
ら形成されていることを特徴としている。
【0021】請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方
法によれば、フィルムを熱可塑性の合成樹脂材料から形
成したので、フィルムを貼り付けたままの生タイヤを加
硫成型することが可能となる。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
において、前記未加硫インナーライナー部材のゲージ
が、0.2〜0.8mmの範囲内であることを特徴として
いる。
【0023】生タイヤの拡張により未加硫インナーライ
ナー部材のゲージは薄くなり、製品タイヤにおいて、セ
ンター付近のインナーライナーのゲージは未加硫インナ
ーライナー部材のゲージの略半分の0.1〜0.4mmと
なる。
【0024】製品タイヤにおいて、センター付近のイン
ナーライナーのゲージが0.1mm未満では薄すぎて気体
の透過を防止できなくなる虞があり、0.4mmを越える
と軽量化のメリットが薄れる。
【0025】したがって、未加硫インナーライナー部材
のゲージを0.2〜0.8mmの範囲内とすることが好ま
しい。
【0026】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
において、前記インナーライナー用の未加硫のゴム組成
物は、ハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴム単独、ま
たはハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴムとジエン系
ゴムからなるゴム成分に、アスペクト比5以上30未満
の層状または板状無機充填剤を配合したことを特徴とし
ている。
【0027】このインナーライナー用のゴム組成物にお
いては、(A)成分のゴム成分として、ハロゲン化ブチ
ルゴム25〜100重量%とジエン系ゴム0重量%以上
20重量%未満とを含有するものが用いられる。
【0028】ゴム成分中のハロゲン化ブチルゴムの含有
量が25重量%未満では充分な耐空気透過性が発揮され
ない。
【0029】耐空気透過性を考慮すると、このハロゲン
化ブチルゴムの含有量は50重量%以上が好ましく、特
に70重量%以上が好ましい。
【0030】また、ジエン系ゴムの含有量が20重量%
以上では耐空気透過性が低下する。耐空気透過性及び耐
屈曲疲労性などを考慮すると、ハロゲン化ブチルゴム4
0重量%以上を含むブチルゴム85〜100重量%とジ
エン系ゴム15〜0重量%とからなるゴム成分を用いる
のが有利である。
【0031】前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素
化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、その変性ゴムなどが
含まれる。例えば塩素化ブチルゴムとしては「Enja
yButyl HT10−66」(エンジェイケミカル
社製、商標)があり、臭素化ブチルゴムとしては「ブロ
モブチル2255」(エクソン社製、商標)がある。
【0032】また、変性ゴムとしてイソモノオレフィン
とパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化
変性共重合体を用いることができ、例えば「Expro
50」(エクソン社製、商標)などとして入手可能であ
る。
【0033】また、このゴム成分中に配合し得るジエン
系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレン合成ゴム
(IR)、シス1,4−ポリブタジエン(BR)、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(1,2B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)などが挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせてもよい。
【0034】このインナーライナー用のゴム組成物にお
いては、(B)成分として、アスペクト比が5以上30
未満の層状又は板状の無機充填剤が用いられる。
【0035】ここで、アスペクト比とは、無機充填剤を
電子顕微鏡で観察し、任意の粒子50個について長径と
短径を測定し(図4に単位粒子の長径と短径を示
す。)、その平均長径aと平均短径bよりa/bとして
求められる。
【0036】上記アスペクト比をもつ層状又は板状無機
充填剤を、前記(A)成分であるゴム成分に配合したも
のは、特に押し出しまたは圧廷工程において層構造を形
成し、空気の透過経路を遮り、耐空気透過性が効果的に
発揮される。
【0037】したがって、通常のカーボンブラックや無
機充填剤よりも少ない配合量で、耐空気透過性を向上さ
せることが可能となる。
【0038】その結果、従来のカーボンブラックや無機
充填剤に比べて、低温時における硬さの増大を抑えるこ
とができるので、低温時の耐久性を改善することができ
る。
【0039】このアスペクト比が5未満では耐空気透過
性の向上効果が充分に発揮されないおそれがあり、30
以上ではゴム成分の分散が悪くなり、層状効果が薄れ、
むしろ耐空気透過性が悪くなる傾向がある。
【0040】さらに、アスペクト比が30以上では充填
剤の分散が悪くなり、混練り条件を分散するまで練りス
テージを追加することになり、生産性が悪化する。この
点から、より好ましいアスペクト比は10〜20の範囲
である。
【0041】このようなアスペクト比を有する層状又は
板状無機充填剤としては、天然品及び合成品のいずれで
あってもよく、特に制限されず、例えばカオリン、クレ
ー、マイカ、長石、シリカ及びアルミナの含水複合体な
どが挙げられる。
【0042】これらの中ではカオリン質クレー及びセリ
サイト質クレーが好適である。
【0043】また、この層状又は板状無機充填剤は、そ
の平均粒子径が大きすぎると耐屈曲疲労性が低下するお
それがあるので、平均粒子径は30μm以下が好まし
い。
【0044】本発明においては、該(B)成分の層状又
は板状無機充填剤は、一種を単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】また、その含有量は、前記(A)成分であ
るゴム成分100重量部当たり、10〜270重量部の
範囲が好ましい。
【0046】この(B)成分の含有量が10重量部未満
では該(B)成分を配合した効果が充分に発揮されない
おそれがあり、また270重量部を超えると硬さが増大
し、耐低温クラック性が悪くなると共に、耐屈曲疲労性
が低下する原因となる。
【0047】この点から、該(B)成分のより好ましい
含有量は、20〜180重量部の範囲である。
【0048】本発明のゴム組成物においては、未加硫ゴ
ムの強度を向上させるなどの目的で、前記(A)成分1
00重量部当たり、さらに(C)カーボンブラック0〜
80重量部、好ましくは10〜60重量部を含有させる
ことができる。
【0049】この(C)成分の含有量が80重量部を超
えると硬さが増大し、耐低温クラック性及び耐屈曲疲労
性が低下する傾向がある。
【0050】上記(C)成分のカーボンブラックの種類
は特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填剤として慣用
されているものの中から任意のものを適宜選択して用い
ることができ、例えばFEF、SRF、HAF、ISA
F、SAF、GPFなどが挙げられる。
【0051】これらの中で、ジブチルフタレート吸油量
(DBP)が65ミリリットル/100g以上、好まし
くは65〜100ミリリットル/100gであり、かつ
ヨウ素吸着量(IA)が20mg/g以上、好ましくは
20〜38mg/gの範囲にあるものが望ましい。
【0052】本発明においては、前記(B)成分と
(C)成分との合計含有量は、耐空気透過性、耐屈曲疲
労性、耐低温クラック性及び加工性などのバランスの面
から、(A)成分100重量部当たり、30〜300重
量部の範囲が好ましく、特に50〜250重量部の範囲
が好適である。
【0053】本発明のゴム組成物においては、ゴム成分
中への層状又は板状無機充填剤やカーボンクラックの分
散性を良くし、所望の物性を向上させる目的で、(A)
成分100重量部当たり、さらに(D)分散改良剤0〜
5重量部を含有させることができる。この分散改良剤と
しては、例えばシランカップリング剤、ジメチルステア
リルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0054】なお、本発明のゴム組成物においては、例
えば、ナフテン系オイル又はパラフィン系オイル等のオ
イルを、適宜添加しても良い。ここで、ナフテン系オイ
ルは環分析による%CNが30以上のものが好ましく、
パラフィン系オイルは%CPが60以上のものが好適で
ある。
【0055】このような本発明のゴム組成物は、加硫ゴ
ムにおける−20℃での0.1%動的弾性率が、通常8
00MPa以下、好ましくは600MPa以下である。
【0056】また、本発明のゴム組成物には、所望によ
り、有機短繊維を含有させることができる。
【0057】この有機短繊維を含有させた場合には、イ
ンナーライナーを簿ゲージ化してタイヤを製造する際に
生じる内面コード露出を抑制することができる。
【0058】この有機短繊維は、平均径1〜100μm
で、平均長が0.1〜0.5mm程度であるものが好ま
しい。
【0059】この有機短繊維は、FRR(短繊維と未加
硫ゴムとの複合体)として配合してもよい。
【0060】このような有機短繊維の含有量は、(A)
成分100重量部当たり、0.3〜15重量部が好まし
い。
【0061】0.3重量部未満では内面コード露出の解
消効果は少なく、15重量部を超えれば加工性に悪影響
を及ぼすことがある。
【0062】有機短繊維の材質には特に制限はなく、例
えばナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アイソタク
チックポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げること
ができるが、これらの中では、ポリアミドが好ましい。
【0063】また、有機短繊維配合ゴムのモデュラスを
増大させるためにはへキサメチレンテトラミンやレゾル
シンなどのゴムと繊維との接着向上剤をさらに配合する
ことができる。
【0064】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、前記の配合剤以外に、通常ゴム工
業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進
剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン
酸などを配合させることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】図1乃至図3にしたがって、空気
入りタイヤの製造方法の一実施形態を説明する。
【0066】図2は、補強付き未加硫インナーライナー
部材の製造装置12の概略が記載されている。
【0067】補強付き未加硫インナーライナー部材の製
造装置12は、カレンダー14、第1コンベア16、フ
ィルム供給装置18、チェーファー供給装置20、第2
コンベア22、巻き取り装置24を備えている。
【0068】このカレンダー14は、従来通りの一般的
な構成であり、インナーライナー用のゴム組成物26を
一対の回転するロール28の間から送出し、一定幅一定
厚さのシート状の未加硫インナーライナー部材30を連
続的に得る。
【0069】第1コンベア16及び第2コンベア22
は、未加硫インナーライナー部材30の搬送を行う。
【0070】フィルム供給装置18は、ロール32を備
え、ロール32には一定幅一定厚さのフィルム34が巻
き取られている。
【0071】チェーファー供給装置20は、ロール36
を備え、ロール36にはキャンバスチェーファーを埋設
したチェーファー付きトゥゴム部材38が巻き取られて
いる。
【0072】また、巻き取り装置24は、巻き取りロー
ル40、布製のライナー42を巻き取ったライナーロー
ル44を備えている。
【0073】次に、上記補強付き未加硫インナーライナ
ー部材の製造装置12を用いた空気入りタイヤの製造方
法を説明する。 (1) カレンダー14で用いるインナーライナー用の
ゴム組成物26は、例えば、以下の表1に記載する実施
配合1〜3の組成のものを用いることができるが、他の
組成のものであっても良い。なお、以下の表1内に、参
考に従来配合も合わせて記載した。
【0074】
【表1】 (注) 1)カーボンブラックGPF:DBP85ミリリットル
/100g、IA35mg/g 2)カオリンクレー:J.M.Huber社製「Pol
yfil DL」、アスペクト比10 3)分散改良剤:花王社製「DM80」、ジメチルステ
アリルアミン
【0075】(2) カレンダー14では、インナーラ
イナー用のゴム組成物26を一対の回転するロール28
の間から送出し、一定幅一定厚さのシート状の未加硫イ
ンナーライナー部材30を連続的に送出する(図1
(A)参照)。
【0076】送出した未加硫インナーライナー部材30
は、第1コンベア16及び第2コンベア22で搬送され
る。
【0077】この第2コンベア22で搬送される際に、
上面の両端部分にはチェーファー供給装置20から送り
出されたチェーファー付きトゥゴム部材38が貼り付け
られ(図1(B)参照)、その後、未加硫インナーライ
ナー部材30の下面にはフィルム供給装置18から送り
出されたフィルム34が貼り付けられ、剛性の確保され
た補強付き未加硫インナーライナー部材46が形成され
る(図1(C)及び図3(A)参照)。 (3) 補強付き未加硫インナーライナー部材46は、
巻き取り装置24において、布製のライナー42と共に
巻き取りロール40に巻き取られる。 (4) 次の工程では、巻き取りロール40から送出さ
れた補強付き未加硫インナーライナー部材46を所定の
長さに切断し、フィルム34を内側にしてタイヤ成型ド
ラム(ファーストドラム)の外周面に貼り付ける。
【0078】なお、以降の工程は従来通りであるので、
以後の工程は簡単に説明する。
【0079】補強付き未加硫インナーライナー部材46
の上にカーカスプライが巻き付けられ、その両側部分に
ビードコア及びスティフナーまたはビードフィラーが取
り付けられる。
【0080】その後、カーカスプライの両端部が内側に
折り返されて、サイドトレッドが巻き付けられる。
【0081】その後、次工程の他のタイヤ成型ドラム
(セカンドドラム)に移し変え、内部に空気を充填する
と共に両端部分を互いに接近させて中央部分にベルト及
びトップトレッドを巻き付け生タイヤを完成させる。
【0082】この生タイヤは、その後、従来通りに図示
しないモールドに装填されて加硫されて製品タイヤとな
る。
【0083】本実施形態では、フィルム30及びチェー
ファー付きトゥゴム38で補強された補強付き未加硫イ
ンナーライナー部材46を生タイヤの製造時に用いるの
で、取扱いが容易であり、伸び、皺の発生が抑えられ
(例えば、布製のライナー42を剥がす時、タイヤ成型
ドラムへの貼り付け時等)、スクラップの発生も抑えら
れる。
【0084】ここで、図1(C)に示すように、未加硫
インナーライナー部材30の幅をW 0、フィルム34の
幅をW1としたときに、幅W0>幅W1とし、補強付き未
加硫インナーライナー部材46の幅方向両側部分にフィ
ルム34の貼り付けられていない部分を設けた方が良
い。
【0085】これは、未加硫インナーライナー部材46
の幅方向両端部分はタイヤ成型ドラム上で幅方向内側へ
折り返されるためであり、フィルム34が両端部分に貼
りつけられていると、生タイヤのゴム中にフィルム34
が埋設されてしまい、本来必要とされるタイヤ構成部材
同士の接着が強固に出来なくなるからである。
【0086】したがって、幅W0>幅W1でない場合に
は、幅方向両側部分のフィルム34を削除する処理を必
要とし、手間がかかる。
【0087】また、タイヤ成型ドラムに巻き付ける際
に、フィルム34がタイヤ成型ドラム外周面側になるの
で、幅W0≦幅W1であると、補強付き未加硫インナーラ
イナー部材46が滑って巻き付け作業が出来なくなる。
【0088】なお、幅W1が幅W0の80%を越え100
%未満では、補強付き未加硫インナーライナー部材46
のタイヤ成型ドラムへの巻き付きが不安定であり、幅W
1が幅W0の10%未満では、未加硫インナーライナー部
材30の補強が不足し、剛性が確保できなくなる虞があ
る。
【0089】したがって、幅W1は幅W0の10%〜80
%が好ましい。
【0090】なお、上記実施形態では、フィルム34を
未加硫インナーライナー部材30の中央部分に一枚貼り
つけるようにしたが、図1(D)に示すように、幅狭の
フィルム34を複数枚(図では2枚)貼り付けて補強し
ても良い。
【0091】生タイヤの拡張により、センター付近にお
いて、製品タイヤのインナーライナーのゲージは未加硫
インナーライナー部材30のゲージの略半分となる。
【0092】製品タイヤにおいて、センター付近のイン
ナーライナーのゲージが0.1mm未満では薄すぎて気体
の透過を防止できなくなる虞があり、0.4mmを越える
と軽量化のメリットが薄れる。
【0093】したがって、未加硫インナーライナー部材
30のゲージを0.2〜0.8mmの範囲内とすることが
好ましい。
【0094】なお、未加硫インナーライナー部材30の
ゴム組成物を更に改良し、気体が更に透過し難くなれ
ば、更にゲージを薄くすることも出来るのは勿論であ
る。 (試験例)本発明の効果を確かめるために、従来例の未
加硫インナーライナー部材を用いて空気入りタイヤを製
造したとき、比較例の未加硫インナーライナー部材を用
いて空気入りタイヤを製造したとき、及び本発明の適用
された補強付き未加硫インナーライナー部材を用いて空
気入りタイヤを製造したときの、各製造途中における未
加硫インナーライナー部材のシート伸び発生率及び皺発
生率を調べる共に、内圧保持性を調べた。 ・シート伸び発生率:タイヤを100本分製造したとき
に、成型工程にて巻き出し時の波打ち(部分伸び)を、
巻き出しライナー上でベンチマーク(センター、両端の
3箇所)し、供給コンベア上で測定。マークの位置が元
の位置から2mm以上ずれている場合に波打ち発生とカウ
ントする。 ・皺発生率:タイヤを100本分製造したときに、未加
硫インナーライナー部材を成型ドラムに巻き付けた時に
発生する皺について、何本分発生するかをカウントす
る。 ・内圧保持性:PSR185/65R14サイズのタイ
ヤに初期内圧180KPaを付与し、1ヶ月後に内圧を
測定した。
【0095】内圧保持性は、下式によって求めた。
【0096】
【数1】
【0097】上記式で得られた値が大きいほど内圧保持
性に優れていることを表す。
【0098】なお、比較例1,2及び実施例1〜9の未
加硫インナーライナー部材に用いたゴム組成物は、上記
表1に記載の実施配合3のゴム組成物であり、従来例の
未加硫インナーライナー部材に用いたゴム組成物は、上
記表1に記載の従来配合のゴム組成物である。
【0099】なお、各未加硫インナーライナー部材の厚
さ、補強の形態は以下の表2内に記載した通りである。
また、評価は以下の表2に記載した通りである。
【0100】
【表2】
【0101】試験の結果、本発明の適用された実施例1
〜9では、補強付き未加硫インナーライナー部材を用い
たので、伸び発生率及び皺発生率は共に0%であり、シ
ート厚さは薄いものの補強が有るため、シート厚さの厚
い(1.2mm)従来例と同様に歩留まりが良いことが
分かる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空気入りタ
イヤの製造方法によれば、未加硫インナーライナー部材
の取扱いが簡単で、スクラップの発生も抑えられる、と
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)は補強付き未加硫イン
ナーライナー部材の製造方法を説明する説明図であり、
(D)は他の実施形態に係る補強付き未加硫インナーラ
イナー部材の斜視図である。
【図2】補強付き未加硫インナーライナー部材の製造装
置の概略構成図である。
【図3】(A)は図1(C)に示す製造途中の補強付き
未加硫インナーライナー部材の断面図であり、(B)は
図1(D)に示す製造途中の補強付き未加硫インナーラ
イナー部材の断面図である。
【図4】アスペクト比を説明するための説明図である。
【符号の説明】
26 未加硫のゴム組成物 30 未加硫インナーライナー部材 34 フィルム 38 チェーファー付きトゥゴム(チェーファー、ト
ゥゴム、タイヤ構成部材) 46 補強付き未加硫インナーライナー部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 21/00 C08L 21/00 23/22 23/22 Fターム(参考) 4F212 AH20 VA02 VA10 VD11 VD20 VD22 VK02 VL11 4J002 AC013 AC043 AC053 AC063 AC073 AC083 AC093 AC121 BB182 BC053 BG103 DE146 DJ006 DJ016 DJ036 DJ056 FA116 GN01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナーライナー用の未加硫のゴム組成
    物をカレンダーにて連続した薄肉シート状の未加硫イン
    ナーライナー部材に形成するカレンダー工程を含み、少
    なくとも薄肉シート状の未加硫インナーライナー部材と
    他の複数のタイヤ構成部材とを組み合わせて生タイヤを
    成型する生タイヤ成型工程と、 前記生タイヤをモールドで加硫成型する加硫工程と、 を有する空気入りタイヤの製造方法であって、 前記カレンダー工程の後に、前記他の複数のタイヤ構成
    部材の内の少なくとも1つのタイヤ構成部材、及び薄肉
    のフィルムの少なくとも一方を前記未加硫インナーライ
    ナー部材に貼り付けて補強付き未加硫インナーライナー
    部材を得る補強工程と、 前記補強付き未加硫インナーライナー部材をタイヤ成型
    ドラムに貼り付けると共に、残りのタイヤ構成部材を貼
    り付けて生タイヤを完成する生タイヤ成型工程と、 を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一部のタイヤ構成部材は、ビード廻
    りの部材であるチェーファーを含むことを特徴とする請
    求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一部のタイヤ構成部材は、ビード部
    のトゥゴムを含むことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フィルムは、熱可塑性の合成樹脂材
    料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記未加硫インナーライナー部材のゲー
    ジが、0.2〜0.8mmの範囲内であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入り
    タイヤの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記インナーライナー用の未加硫のゴム
    組成物は、ハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴム単
    独、またはハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴムとジ
    エン系ゴムからなるゴム成分に、アスペクト比5以上3
    0未満の層状または板状無機充填剤を配合したことを特
    徴とした請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空
    気入りタイヤの製造方法。
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