JP2002144445A - タイヤの製造方法及び製造装置 - Google Patents

タイヤの製造方法及び製造装置

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JP2002144445A
JP2002144445A JP2000340898A JP2000340898A JP2002144445A JP 2002144445 A JP2002144445 A JP 2002144445A JP 2000340898 A JP2000340898 A JP 2000340898A JP 2000340898 A JP2000340898 A JP 2000340898A JP 2002144445 A JP2002144445 A JP 2002144445A
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Japan
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inner liner
liner
tire
unvulcanized inner
unvulcanized
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JP2000340898A
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Yasushi Ota
康 大田
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】未加硫インナーライナーに局部的に伸び、シワ
等が発生するのを防止し、未加硫インナーライナー及び
生タイヤの修理、スクラップの増加を低減できるタイヤ
の製造方法及び製造装置を得る。 【解決手段】カレンダー装置12でシート状の薄厚に成
型されたインナーライナー20は、シリコンライナー3
0とともに巻取ロール22に巻き取られる。このよう
に、剛性が低くなったインナーライナー20をシリコン
ライナー30で補強して取り扱うため、インナーライナ
ー20に局部的な伸び、シワ等が発生することを防止で
きる。また、シリコンライナー30は離型性に優れてい
るため、インナーライナー20をシリコンライナー30
から円滑に分離させることができ、インナーライナー2
0に伸びやシワ等が発生することを防止できる。この結
果、インナーライナー20及び生タイヤの修理、スクラ
ップの増加を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気や窒素
が充填されているタイヤの製造方法及び製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤの内面には、空気漏れを防止し、
タイヤ空気圧を一定に保つために、ハロゲン化ブチルゴ
ムなどの低気体透過性ゴムからなるインナーライナーが
設けられている。
【0003】従来の空気入りタイヤでは、内圧保持、酸
素不透過性及び生産性を考慮し、インナーライナーの製
品ゲージが0.4mm以上であった。
【0004】また、タイヤ製造工程において、インナー
ライナー部材の供給はカレンダー工程で0.8mm以上
でシート状にし、ビニロンスパンライナー、PETスパ
ンライナー等に巻き取られていた。また、成型工程で
は、巻き取られたインナーライナーを巻き出し、成型ド
ラムに巻き付けて成型していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インナーラ
イナーのゴム質は、インナーライナーシートゲージを薄
くすることが可能であり、製品のインナーライナーゲー
ジを0.1mm〜0.4mm程度にしても、従来と比較
して、内圧保持、酸素不透過性及び生産性を向上させる
ことができる。
【0006】ここで、製品ゲージを0.1mm〜0.4
mmにする場合、成型工程へ供給されるインナーライナ
ーは0.2mm〜0.8mmのシート厚さとなり、シー
ト剛性が不足するため、巻取りライナーへの密着や供給
ラインでの抵抗により局部的にシートが伸ばされたり、
シワが発生する等、未加硫インナーライナー部材及び生
タイヤの修理、スクラップを増加させる等の問題により
生産上好ましくない。
【0007】そこで、本発明は、上記事実を考慮し、未
加硫インナーライナーに局部的に伸び、シワ等が発生す
るのを防止し、未加硫インナーライナー及び生タイヤの
修理、スクラップの増加を低減できるタイヤの製造方法
及び製造装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のタイヤ
の製造方法では、カレンダー装置により厚さ0.2mm
〜0.8mmのシート状に成形された未加硫インナーラ
イナーを用いて空気入りタイヤを製造する空気入りタイ
ヤの製造方法であって、前記カレンダー装置によりシー
ト状に成形された前記未加硫インナーライナーをシリコ
ンライナーと共に巻き取る巻取工程と、前記巻取工程で
前記シリコンライナーと共に巻き取られた前記未加硫イ
ンナーライナーを該シリコンライナーから剥がす巻出工
程と、前記巻出工程で前記シリコンライナーから剥がさ
れた前記未加硫インナーライナーを成型ドラムに巻き付
ける成型工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】次に、請求項1に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0010】本発明のタイヤの製造方法では、以下の各
工程を備えている。
【0011】先ず巻取工程において、カレンダー装置に
より厚さ0.2mm〜0.8mmのシート状に成形され
た未加硫インナーライナーがシリコンライナーと共に巻
き取られる。
【0012】巻出工程において、シリコンライナーと共
に巻き取られた未加硫インナーライナーがシリコンライ
ナーから剥がされる。
【0013】成型工程において、巻出工程で巻き出され
た未加硫インナーライナーが成型ドラムに巻き付けられ
る。
【0014】上記各工程を経た未加硫インナーライナー
を用いて生タイヤが製造され、その後加硫工程で加硫さ
れてタイヤが製造される。
【0015】本発明のタイヤの製造方法では、カレンダ
ー装置で製造された未加硫インナーライナーは厚さが
0.2mm〜0.8mm程度であるため、未加硫インナ
ーライナー自体の剛性が小さくなり、インナーライナー
の取扱い時に局部的な伸びやシワが発生しやすくなる
が、上記巻取工程においてシリコンライナーに巻き取ら
れて補強されるため、インナーライナーの取扱い等で未
加硫インナーライナーに局部的な伸びやシワが発生する
ことを防止できる。
【0016】また、シリコンライナーは離型性に優れて
いるため、巻出工程で未加硫インナーライナーがシリコ
ンライナーから円滑に剥がすことができ、その際に未加
硫インナーライナーが伸ばされたり、シワが発生したり
することを防止できる。
【0017】この結果、インナーライナー、このインナ
ーライナーを用いた生タイヤ及びこの生タイヤを加硫し
たタイヤの修理又はスクラップを低減でき、タイヤの生
産性を向上させることができる。
【0018】請求項2に記載のタイヤの製造方法では、
カレンダー装置により厚さ0.2mm〜0.8mmのシ
ート状に成形された未加硫インナーライナーを用いてタ
イヤを製造するタイヤの製造方法であって、前記カレン
ダー装置によりシート状に成形された前記未加硫インナ
ーライナーを合成樹脂製ライナーと共に巻き取る巻取工
程と、前記巻取工程で前記合成樹脂製ライナーと共に巻
き取られた前記未加硫インナーライナーを該合成樹脂製
ライナーから剥がす巻出工程と、前記巻出工程で前記合
成樹脂製ライナーから剥がされた前記未加硫インナーラ
イナーを成型ドラムに巻き付ける成型工程と、を備えた
ことを特徴とする。
【0019】次に、請求項2に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0020】本発明のタイヤの製造方法では、以下の各
工程を備えている。
【0021】先ず巻取工程において、カレンダー装置に
より厚さ0.2mm〜0.8mmのシート状に成形され
た未加硫インナーライナーが合成樹脂ライナー(例え
ば、PETフィルムライナー)と共に巻き取られる。
【0022】巻出工程において、合成樹脂製ライナーと
共に巻き取られた未加硫インナーライナーが合成樹脂製
ライナーから剥がされる。
【0023】成型工程において、巻出工程で巻き出され
た未加硫インナーライナーが成型ドラムに巻き付けられ
る。
【0024】上記各工程を経た未加硫インナーライナー
を用いて生タイヤが製造され、その後加硫工程で加硫さ
れてタイヤが製造される。
【0025】本発明のタイヤの製造方法では、カレンダ
ー装置で製造された未加硫インナーライナーは厚さが
0.2mm〜0.8mm程度であるため、未加硫インナ
ーライナー自体の剛性が小さくなり、インナーライナー
の取扱い時に局部的な伸びやシワが発生しやすくなる
が、上記巻取工程において剛性が比較的高く変形しにく
い合成樹脂製ライナーに巻き取られて補強されるため、
インナーライナーの取扱い等で未加硫インナーライナー
に局部的な伸びやシワが発生することをより効果的に防
止できる。
【0026】この結果、インナーライナー、このインナ
ーライナーを用いた生タイヤ及びこの生タイヤを加硫し
たタイヤの修理又はスクラップを低減でき、タイヤの生
産性を向上させることができる。
【0027】請求項3に記載のタイヤの製造方法では、
前記巻出工程において、前記未加硫インナーライナー
は、剥離ロールにより前記シリコンライナー又は前記合
成樹脂製ライナーから剥がされることを特徴とする。
【0028】次に、請求項3に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0029】巻出工程においては、未加硫インナーライ
ナーは剥離ロールにより均一な引張力をもってシリコン
ライナー又は合成樹脂製ライナーから剥がされるため、
未加硫インナーライナーに局部的な伸びやシワ等が発生
することを防止できる。
【0030】この結果、インナーライナー、このインナ
ーライナーを用いた生タイヤ及びこの生タイヤを加硫し
た空気入りタイヤの修理又はスクラップを低減でき、タ
イヤの生産性を向上させることができる。
【0031】請求項4に記載のタイヤの製造方法では、
前記巻出工程で剥がされた前記未加硫インナーライナー
を、空気吸引手段を備えた搬送装置により吸着固定しな
がら前記成型ドラム側に搬送する搬送工程を備えたこと
を特徴とする。
【0032】次に、請求項4に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0033】巻出工程においてシリコンライナー又は合
成樹脂製ライナーから剥がされた未加硫インナーライナ
ーは、搬送工程において空気吸引手段により搬送装置に
吸着固定された状態で成型ドラム側に搬送されていく。
【0034】ここで、シリコンライナー又は合成樹脂製
ライナーから剥がされた未加硫インナーライナーは薄厚
とされているが、未加硫インナーライナーが搬送装置に
吸着固定されているので、搬送時に搬送装置上を移動し
たり、搬送装置との間の摩擦等により局所的に伸ばされ
ることがない。このため、未加硫インナーライナーに伸
び、シワ等が発生することを防止できる。
【0035】請求項5に記載のタイヤの製造方法では、
前記搬送工程で前記成型ドラム側へ搬送された未加硫イ
ンナーライナーを、移動可能に設けられた吸引移動手段
により吸着して前記搬送装置上から前記成型ドラム上に
移動させる移動工程を備えたことを特徴とする。
【0036】次に、請求項5に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0037】移動工程において、成型ドラム側へ搬送さ
れた未加硫インナーライナーは、移動可能に設けられた
吸引移動手段により吸着されて搬送装置上から成型ドラ
ム上に移動させられる。
【0038】このように、未加硫インナーライナーは吸
引移動手段に吸着されて搬送装置から成型ドラムに移動
させるため、作業者が手で触れること等により発生する
未加硫インナーライナー表面の傷、シワ等を防止でき
る。
【0039】請求項6に記載のタイヤの製造方法では、
前記搬送装置に設けられた前記空気吸引手段の作動を停
止し、前記成型ドラムに設けられた吸引手段を作動さ
せ、前記搬送装置で前記未加硫インナーライナーを搬送
しながら前記吸引移動手段により移動された前記未加硫
インナーライナーを該成型ドラムに吸着させて巻き付け
ることを特徴とする。
【0040】次に、請求項6に記載のタイヤの製造方法
の作用効果について説明する。
【0041】未加硫インナーライナーを搬送装置から成
型ドラムに移動させる際には、搬送装置の空気吸引手段
の作動が停止され、成型ドラムに設けられた吸引手段が
作動される。成型ドラム上に移動した未加硫インナーラ
イナーは、搬送装置で搬送されながら成型ドラムに吸着
された状態で巻き付けられていく。
【0042】このように、搬送装置に設けられた空気吸
引手段の作動を停止し、成型ドラムに設けられた吸引手
段を作動させることにより、未加硫インナーライナーの
搬送装置による吸着固定を解除して、未加硫インナーラ
イナーを成型ドラムに吸着させて巻き付けていくことが
できる。
【0043】このため、未加硫インナーライナーに局部
的な伸びやシワが発生することを防止することができ
る。
【0044】請求項7に記載のタイヤの製造装置では、
成型ドラムに巻き付けて加硫したインナーライナーを用
いてタイヤを製造するタイヤの製造装置において、厚さ
0.2mm〜0.8mmのシート状の未加硫インナーラ
イナーを成形するカレンダー装置と、前記カレンダー装
置で成形された前記未加硫インナーライナーをシリコン
ライナー又は合成樹脂製ライナーと共に巻き取る巻取装
置と、を備えたことを特徴とする。
【0045】次に、請求項7に記載のタイヤの製造装置
の作用効果について説明する。
【0046】カレンダー装置により、厚さ0.2mm〜
0.8mmのシート状の未加硫インナーライナーが成形
される。未加硫インナーライナーは、巻取装置によりシ
リコンライナー又は合成樹脂製ライナー(例えば、PE
Tフィルムライナー)と共に巻き取られる。
【0047】このように、カレンダー装置で成形される
未加硫インナーライナーは薄いシート状であるためにそ
の剛性が低くなるが、シリコンライナー又は合成樹脂製
ライナーで補強されるため、未加硫インナーライナーに
局所的な伸びやシワが発生することを防止できる。
【0048】一方、シリコンライナー又は合成樹脂製ラ
イナーに巻き取られた未加硫インナーライナーは、下流
の工程でシリコンライナー又は合成樹脂製ライナーから
剥がされるが、特に、シリコンライナーは離型性に優れ
ているため、未加硫インナーライナーに伸びやシワを発
生させずに円滑に剥がすことができる。
【0049】この結果、インナーライナー、このインナ
ーライナーを用いた生タイヤ及びこの生タイヤを加硫し
たタイヤの修理又はスクラップを低減でき、タイヤの生
産性を向上させることができる。
【0050】請求項8に記載のタイヤの製造装置では、
空気吸引手段が設けられ、前記シリコンライナー又は合
成樹脂製ライナーから剥がされた前記未加硫インナーラ
イナーを前記空気吸引手段により吸着固定して前記成型
ドラム側に搬送する搬送装置を備えたことを特徴とす
る。
【0051】次に、請求項8に記載のタイヤの製造装置
の作用効果について説明する。
【0052】シリコンライナー又は合成樹脂製ライナー
から剥がされた未加硫インナーライナーは、空気吸引手
段により搬送装置に吸着固定されて成型ドラム側に搬送
される。
【0053】未加硫インナーライナーは薄いシート状の
ものであるが、空気吸引手段により搬送装置に吸着固定
されて成型ドラム側へ搬送されるため、インナーライナ
ーが搬送装置上を移動することなく、また搬送装置との
摩擦等による伸びやシワの発生を防止できる。
【0054】請求項9に記載のタイヤの製造装置では、
移動可能に設けられ、前記搬送装置で搬送された前記未
加硫インナーライナーを吸着して前記成型ドラム上に移
動させる吸引移動手段を備えたことを特徴とする。
【0055】次に、請求項9に記載のタイヤの製造装置
の作用効果について説明する。
【0056】搬送装置で搬送された未加硫インナーライ
ナーは、吸引移動手段により吸着されて成型ドラム上に
移動させられる。
【0057】このように、未加硫インナーライナーは吸
引移動手段に吸着されて搬送装置から成型ドラムに移動
させるため、作業者の手で直接触れることがないため、
未加硫インナーライナーの表面に傷、シワ等が発生する
ことを防止できる。
【0058】請求項10に記載のタイヤの製造装置で
は、前記成型ドラムには前記未加硫インナーライナーを
吸着させる吸引手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0059】次に、請求項10に記載のタイヤの製造装
置の作用効果について説明する。
【0060】搬送装置により移動された未加硫インナー
ライナーは、吸引手段により成型ドラムに巻き付けられ
ていく。このため、巻付け時に未加硫インナーライナー
が成型ドラムの外周上を滑ることを防止できる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製造装置につい
て説明する。
【0062】図1に示すように、空気入りタイヤの製造
装置10は、カレンダー装置12を備えている。カレン
ダー装置12は、上ロール14及び下ロール16を有し
ており、搬送されてきたゴム18を上ロール14と下ロ
ール16との間を通過させることにより、厚さ0.2m
m以上0.8mm以下のシート状の未加硫インナーライ
ナー20(以下、単に「インナーライナー20」と略称
する。)に成形する。
【0063】カレンダー装置12の下流には、カレンダ
ー装置12によりシート状に成形されたインナーライナ
ー20を巻き取る巻取ロール22が配置されている。
【0064】図1に示すように、巻取ロール22の断面
中央にはシャフト24がその長手方向に貫通しており、
シャフト24の両端は軸受け(図示省略)に軸支されて
いる。なお、シャフト24の一端にはギヤ(図示省略)
が取付けられており、ギヤにはモータ(図示省略)が接
続されている。
【0065】また、巻取ロール22の近傍にはライナー
巻取ロール26が設けられている。ライナー巻取ロール
26には回転可能なシャフト28が設けられており、こ
のシャフト28にはモータ(図示省略)と接続したギヤ
(図示省略)が取り付けられている。
【0066】また、ライナー巻取ロール26の外周には
離型性に優れたシリコンライナー30が巻き付けられて
いる。このシリコンライナー30は、PETライナー等
にシリコン系樹脂又はシリコンゴムをコーティングして
構成されている。
【0067】なお、ライナー巻取ロール26の外周に巻
き付けられたシリコンライナー30の厚さは、0.15
mm以上0.6mm以下の範囲に設定されている。
【0068】カレンダー装置12によりシート状に成形
されたインナーライナー20は、非常に薄いものである
ため剛性が低下しているが、ライナー巻取ロール26か
ら巻き出されたシリコンライナー30と共に巻取ロール
22に巻き取られることにより補強される。
【0069】このため、インナーライナー20に剛性の
低下による局部的な伸び、シワの発生を防止できる。ま
た、シリコンライナー30は離型性に優れているため、
後述の巻出工程においてインナーライナー20をシリコ
ンライナー30から容易に剥がすことができる。このた
め、剥がす際にインナーライナー20に局部的な伸び、
シワが発生することを防止できる。
【0070】なお、ライナー巻取ロール26の外周に
は、シリコンライナー30に限られず、比較的剛性の高
い合成樹脂製ライナーとしてのPETフィルムライナー
(図示省略)を巻き付けてもよい。
【0071】ここで、PETフィルムライナーは、内部
に割符経糸及び緯糸を備えたシリカ系の材料で構成され
ている。PETフィルムライナーの表面には、離型性を
向上させるためのコロナ処理が施されている。さらに、
離型効果を大きくするため、表面に凸凹を付すシボ加工
が施されている。
【0072】なお、PETフィルムライナーの厚さは、
0.1mm以上0.5mm以下の範囲に設定されてい
る。
【0073】このように、PETフィルムライナーの内
部に割符経糸及び緯糸を備えたことにより剛性を高くで
きるとともに、シリカ系の材料を用い、表面にコロナ処
理及びシボ加工を施したことにより離型性を向上でき
る。
【0074】また、PETフィルムライナーでインナー
ライナー20を補強することにより、インナーライナー
20に局所的な伸びやシワが発生することを効果的に防
止でき、さらに、巻出工程においてインナーライナー2
0をPETフィルムライナーからさらに容易に剥がすこ
とができる。
【0075】図2及び図3に示すように、巻取ロール2
2の下流には、シリコンライナー30からインナーライ
ナー20を剥がす剥離ロール32が設けられている。剥
離ロール32はシャフト34を備えており、このシャフ
ト34が軸受け(図示省略)に軸支されている。また、
シャフト34にはギヤ(図示省略)が取付けられてお
り、ギヤにはモータ(図示省略)が接続されている。
【0076】さらに、剥離ロール32の幅はシリコンラ
イナー30の幅と略同じ寸法となるように設定されてお
り、剥離ロール32の外周(略1/2円周)にシリコン
ライナー30を巻き付けてインナーライナー20とシリ
コンライナー30を分離する。
【0077】このように剥離ロール32を設けることに
より、シリコンライナー30との分離時にインナーライ
ナー20に局部的な伸び、シワ等が発生することを防止
できる。
【0078】特に、シリコンライナー30と比較して離
型性の低いPETフィルムライナーを用いた場合におい
ては、剥離ロール32を設けることが好ましい。
【0079】なお、剥離ロール32をインナーライナー
20に直接接触させて、インナーライナー20とシリコ
ンライナー30を分離させてもよい。
【0080】巻取ロール22の近傍には、インナーライ
ナー20と分離したシリコンライナー30を巻き取る回
収ロール36が設けられている。回収ロール36が回転
駆動することにより、回収ロール36の外周にはインナ
ーライナー20と分離したシリコンライナー30が巻き
付けられていく。
【0081】剥離ロール32の下流側、特に中心間距離
が100mm以内の領域には駆動ロール38が設けられ
ている。駆動ロール38はシャフト40を備えていると
ともに、シャフト40にはモータ(図示省略)が接続さ
れており、モータの駆動により駆動ロール38が回転で
きるようになっている。駆動ロール38の外周(略1/
2円周)にはシリコンライナー30と分離したインナー
ライナー20が巻き付けられ、駆動ロール38の回転に
よりインナーライナー20のみが下流に送られる。
【0082】なお、駆動ロール38と剥離ロール32の
中心間距離を100mm以内としたのは、100mmを
越えればインナーライナー20に引張りシワ等が発生す
るため、不適切だからである。
【0083】駆動ロール38の下流側には、ウェブスタ
ー42が設けられている。このウェブスター42により
インナーライナー20がさらに下流に送られる。
【0084】図2及び図4に示すように、ウェブスター
42の下流にはベルトコンベア44が設けられている。
ベルトコンベア44は、回転可能な第1のロール46
と、回転可能な第2のロール48と、第1のロール46
及び第2のロール48に掛け渡され、複数の開孔50が
形成された無端ベルト52を備えている。第1のロール
46又は第2のロール48はそれぞれシャフト54、5
6を備えており、各シャフト54、56の一方にはモー
タ(図示省略)と接続したギヤ(図示省略)が取付けら
れている。
【0085】第1のロール46と第2のロール48の間
には、直方体状の中空箱58が配置されている。無端ベ
ルト52と対面する中空箱58の上面には無端ベルト5
2の開孔50と連通する複数の連通孔(図示省略)が形
成されている。
【0086】また、中空箱58はダクト60の入口に接
続されている。ダクト60の出口には吸引ポンプ62が
接続されており、この吸引ポンプ62が作動するとイン
ナーライナー20が空気吸引により無端ベルト52に吸
着固定される。
【0087】図2に示すように、ベルトコンベア44の
下流には、無端ベルト52上のインナーライナー20を
下流の成型ドラム64上に移動させる吸着ジグ66が設
けられている。
【0088】吸着ジグ66は、インナーライナー20と
密着する吸着パッド68と、この吸着パッド68を上下
方向(図2中矢印A方向及びその反対方向)及び左右方
向(図2中矢印B方向及びその反対方向)に移動可能に
保持する吸着ジグ本体70から構成されている。
【0089】吸着ジグ本体70は、吸引ポンプ72と接
続されており、吸引ポンプ72が作動すると空気吸引に
よりインナーライナー20が吸着パッド68に吸着され
る。
【0090】図2及び図5に示すように、ベルトコンベ
ア44の近傍には成型ドラム64が設けられている。成
型ドラム64にはシャフト74が貫通しており、このシ
ャフト74にはモータ(図示省略)と接続したギヤ(図
示省略)が取り付けられている。
【0091】また、成型ドラム64の外周面には複数の
円孔76が一列に形成されている。成型ドラム64のシ
ャフト74の内部にはチューブ78が配置されており、
このチューブ78の一端が上記円孔76と連通するとと
もに、他端が吸引ポンプ80と接続されている。このた
め、吸引ポンプ80が作動すると、インナーライナー2
0が空気吸引により成型ドラム64の外周面に吸着固定
される。
【0092】ここで、カレンダー装置12により製造さ
れる薄厚のインナーライナー20について詳細に説明す
る。
【0093】インナーライナー20の製造に用いられる
ゴム組成物においては、(A)ハロゲン化ブチルゴム2
5〜100重量%とジエン系ゴムを0重量%以上20重
量%未満とを含有するゴム成分のものが用いられる。
【0094】ゴム成分中のハロゲン化ブチルゴムの含有
量が25重量%未満では充分な耐空気透過性が発揮され
ない。耐空気透過性を考慮すると、このハロゲン化ブチ
ルゴムの含有量は50重量%以上が好ましく、特に70
重量%以上が好ましい。
【0095】また、ジエン系ゴムの含有量が20重量%
以上では耐空気透過性が低下する。耐空気透過性及び耐
屈曲疲労性などを考慮すると、ハロゲン化ブチルゴム4
0重量%以上を含むブチルゴム85〜100重量%とジ
エン系ゴム15〜0重量%とからなるゴム成分を用いる
のが有利である。
【0096】前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素
化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、その変性ゴムなどが
含まれる。例えば塩素化ブチルゴムとしては「Enja
yButyl HT10−66」(エンジェイケミカル
社製、商標)があり、臭素化ブチルゴムとしては「ブロ
モブチル2255」(エクソン社製、商標)がある。
【0097】また、変性ゴムとしてイソモノオレフィン
とパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化
変性共重合体を用いることができ、例えば「Expro
50」(エクソン社製、商標)などとして入手可能であ
る。
【0098】また、このゴム成分中に配合し得るジエン
系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレン合成ゴム
(IR)、シス1,4−ポリブタジエン(BR)、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(1,2B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)などが挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせてもよい。
【0099】このインナーライナー用のゴム組成物にお
いては、(B)成分として、アスペクト比が5以上30
未満の層状又は板状の無機充填剤が用いられる。
【0100】ここで、アスペクト比とは、無機充填剤を
電子顕微鏡で観察し、任意の粒子50個について長径と
短径を測定し、その平均長径aと平均短径bよりa/b
として求められる。
【0101】上記アスペクト比をもつ層状又は板状無機
充填剤を、前記(A)成分であるゴム成分に配合したも
のは、特に押し出しまたは圧廷工程において層構造を形
成し、空気の透過経路を遮り、耐空気透過性が効果的に
発揮される。
【0102】したがって、通常のカーボンブラックや無
機充填剤よりも少ない配合量で、耐空気透過性を向上さ
せることが可能となる。
【0103】その結果、従来のカーボンブラックや無機
充填剤に比べて、低温時における硬さの増大を抑えるこ
とができるので、低温時の耐久性を改善することができ
る。
【0104】このアスペクト比が5未満では耐空気透過
性の向上効果が充分に発揮されないおそれがあり、30
以上ではゴム成分の分散が悪くなり、層状効果が薄れ、
むしろ耐空気透過性が悪くなる傾向がある。
【0105】さらに、アスペクト比が30以上では充填
剤の分散が悪くなり、混練り条件を1ステージ練りとす
ることが不可能になり、生産性が悪化する。この点か
ら、より好ましいアスペクト比は10〜20の範囲であ
る。
【0106】このようなアスペクト比を有する層状又は
板状無機充填剤としては、天然品及び合成品のいずれで
あってもよく、特に制限されず、例えばカオリン、クレ
ー、マイカ、長石、シリカ及びアルミナの含水複合体な
どが挙げられる。
【0107】これらの中ではカオリン質クレー及びセリ
サイト質クレーが好適である。
【0108】また、この層状又は板状無機充填剤は、そ
の平均粒子径が大きすぎると耐屈曲疲労性が低下するお
それがあるので、平均粒子径は30μm以下が好まし
い。
【0109】本発明においては、該(B)成分の層状又
は板状無機充填剤は、一種を単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0110】また、その含有量は、前記(A)成分であ
るゴム成分100重量部当たり、10〜270重量部の
範囲が好ましい。
【0111】この(B)成分の含有量が10重量部未満
では該(B)成分を配合した効果が充分に発揮されない
おそれがあり、また270重量部を超えると硬さが増大
し、耐低温クラック性が悪くなると共に、耐屈曲疲労性
が低下する原因となる。
【0112】この点から、該(B)成分のより好ましい
含有量は、20〜180重量部の範囲である。
【0113】ゴム組成物においては、未加硫ゴムの強度
を向上させるなどの目的で、前記(A)成分100重量
部当たり、さらに(C)カーボンブラック0〜80重量
部、好ましくは10〜60重量部を含有させることがで
きる。
【0114】この(C)成分の含有量が80重量部を超
えると硬さが増大し、耐低温クラック性及び耐屈曲疲労
性が低下する傾向がある。
【0115】上記(C)成分のカーボンブラックの種類
は特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填剤として慣用
されているものの中から任意のものを適宜選択して用い
ることができ、例えばFEF、SRF、HAF、ISA
F、SAF、GPFなどが挙げられる。
【0116】これらの中で、ジブチルフタレート吸油量
(DBP)が65ミリリットル/100g以上、好まし
くは65〜100ミリリットル/100gであり、かつ
ヨウ素吸着量(IA)が20mg/g以上、好ましくは
20〜38mg/gの範囲にあるものが望ましい。
【0117】本実施形態においては、前記(B)成分と
(C)成分との合計含有量は、耐空気透過性、耐屈曲疲
労性、耐低温クラック性及び加工性などのバランスの面
から、(A)成分100重量部当たり、30〜300重
量部の範囲が好ましく、特に50〜250重量部の範囲
が好適である。
【0118】本発明のゴム組成物においては、ゴム成分
中への層状又は板状無機充填剤やカーボンクラックの分
散性を良くし、所望の物性を向上させる目的で、(A)
成分100重量部当たり、さらに(D)分散改良剤0〜
5重量部を含有させることができる。この分散改良剤と
しては、例えばシランカップリング剤、ジメチルステア
リルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0119】さらに、ゴム組成物においては、前記のカ
ーボンブラックを配合した場合には、ナフテン系オイル
又はパラフィン系オイル等のオイルを、(A)成分であ
るゴム成分100重量部当たり、1重量部以上、特に3
〜20重量部の割合で含有させることが好ましい。ここ
で、ナフテン系オイルは環分析による%CNが30以上
のものが好ましく、パラフィン系オイルは%CPが60
以上のものが好適である。
【0120】このようなゴム組成物は、加硫ゴムにおけ
る−20℃での0.1%動的弾性率が、通常800MP
a以下、好ましくは600MPa以下である。
【0121】また、ゴム組成物には、所望により、有機
短繊維を含有させることができる。
【0122】この有機短繊維を含有させた場合には、イ
ンナーライナー20を簿ゲージ化してタイヤを製造する
際に生じる内面コード露出を抑制することができる。
【0123】この有機短繊維は、平均径1〜100μm
で、平均長が0.1〜0.5mm程度であるものが好ま
しい。
【0124】この有機短繊維は、FRR(短繊維と未加
硫ゴムとの複合体)として配合してもよい。
【0125】このような有機短繊維の含有量は、(A)
成分100重量部当たり、0.3〜15重量部が好まし
い。
【0126】0.3重量部未満では内面コード露出の解
消効果は少なく、15重量部を超えれば加工性に悪影響
を及ぼすことがある。
【0127】有機短繊維の材質には特に制限はなく、例
えばナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アイソタク
チックポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げること
ができるが、これらの中では、ポリアミドが好ましい。
【0128】また、有機短繊維配合ゴムのモデュラスを
増大させるためにはへキサメチレンテトラミンやレゾル
シンなどのゴムと繊維との接着向上剤をさらに配合する
ことができる。
【0129】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、前記の配合剤以外に、通常ゴム工
業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進
剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン
酸などを配合させることができる。
【0130】このようにして得られたゴム組成物は、タ
イヤのインナーライナー用ゴム組成物として用いられ
る。また、このインナーライナー20を用いた空気入り
タイヤは、前記のゴム組成物を用いて通常の方法によっ
て製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように
各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でイン
ナーライナー用部材として押出し加工され、従来の製造
工程により、インナーライナー20が薄ゲージ化された
タイヤを容易に製造することができる。
【0131】次に、本発明に係る空気入りタイヤの製造
方法について説明する。
【0132】図1に示すように、カレンダー装置12に
より、厚さ0.2mm以上0.8mm以下のシート状の
インナーライナー20が成形される。
【0133】巻取工程において、成形されたシート状の
インナーライナー20は、ライナー巻取ロール26から
巻き出されたシリコンライナー30と共に巻取ロール2
2に巻き取られる。
【0134】これにより、インナーライナー20とシリ
コンライナー30を一体として取り扱うことができる。
このため、剛性が低いインナーライナー20をシリコン
ライナー30で補強でき、インナーライナー20に局部
的な伸びやシワが発生することを防止できる。
【0135】図3に示すように、巻出工程において、巻
取ロール22に巻き取られたインナーライナー20は、
回転駆動する剥離ロール32によりシリコンライナー3
0から分離される。このとき、シリコンライナー30は
もともと離型効果が高いため、インナーライナー20と
シリコンライナー30は容易に分離される。また、剥離
ロール32によりシリコンライナー30に略均一の引張
力が付与されるため、分離時にシリコンライナー30及
びインナーライナー20に局所的な伸び、シワ等が発生
することを防止できる。
【0136】このように剥離ロール32を設けることに
より、シリコンライナー30よりも離型効果が劣るPE
Tフィルムライナーを用いた場合には、インナーライナ
ー20とシリコンライナー30との分離が容易となるた
め特に好ましい。
【0137】シリコンライナー30と分離したインナー
ライナー20は、回転駆動する駆動ロール38及びウエ
ブスター42によりさらに下流に搬送される。
【0138】図2及び図4に示すように、搬送工程にお
いて、インナーライナー20は、ベルトコンベア44で
成型ドラム64側(図4中矢印C方向)に搬送される。
このとき、インナーライナー20は、吸引ポンプ62が
作動されるため、空気吸引により無端ベルト52に吸着
固定される。このため、搬送中にインナーライナー20
が無端ベルト52上を移動することがなく、インナーラ
イナー20に局所的な伸びやシワ等が発生することを防
止できる。
【0139】次に、移動工程において、インナーライナ
ー20が吸着パッド68に吸着されて成型ドラム64上
に移動させられる。このとき、ベルトコンベア44に接
続された吸引ポンプ62の作動が停止し、吸着パッド本
体70に接続された吸引ポンプ72が作動する。このよ
うに、インナーライナー20を吸着パッド68で吸着さ
せて移動させることにより、インナーライナー20に伸
び、シワ等が発生することを防止できる。
【0140】次に、図2及び図5に示すように、成型工
程において、成型ドラム64に接続された吸引ポンプ8
0が作動し、インナーライナー20がベルトコンベア4
4で搬送されながら、回転駆動する成型ドラム64の外
周面に吸着した状態で巻き付けられていく。
【0141】このとき、成型工程においてもベルトコン
ベア44に接続された吸引ポンプ62は停止された状態
となっているため、インナーライナー20は無端ベルト
52に吸着固定されていない。このため、インナーライ
ナー20が無端ベルト52から解除されるため、インナ
ーライナー20を成型ドラム64に巻き付ける際に、イ
ンナーライナー20に局部的な伸び、シワ等が発生する
ことを防止できる。
【0142】その後、このインナーライナー20を用い
て生タイヤが成型され、加硫工程において空気入りタイ
ヤが製造される。
【0143】以上に説明した空気入りタイヤの製造方法
によれば、インナーライナー20、このインナーライナ
ー20を用いた生タイヤ及びこの生タイヤを加硫した空
気入りタイヤの修理又はスクラップを低減でき、空気入
りタイヤの生産性を向上させることができる。
【0144】なお、インナーライナー20を吸着パッド
68で成型ドラム64上に移動させることに限られず、
例えば、ベルトコンベア44自体を成型ドラム64方向
に移動させ後、ベルトコンベア44に接続した吸引ポン
プ62を停止させ、成型ドラム64に接続した吸引ポン
プ80を作動させて、インナーライナー20を成型ドラ
ム64の外周に巻き付けてもよい。この方法によれば、
吸着パッド68を用いないでよい。
【0145】
【発明の効果】本発明のタイヤの製造方法及びその製造
装置によれば、未加硫インナーライナーに局部的に伸
び、シワ等が発生するのを防止し、未加硫インナーライ
ナー及び生タイヤの修理、スクラップの増加を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製
造装置を構成するカレンダー装置及び巻取ロールの側面
図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製
造装置の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製
造装置によりインナーライナーとシリコンライナーを分
離させる状態を示した作動図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製
造装置を構成するベルトコンベアの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製
造装置を構成する成型ドラムの斜視図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤの製造装置 12 カレンダー装置 20 未加硫インナーライナー 22 巻取ロール(巻取装置) 30 シリコンライナー 32 剥離ロール 44 ベルトコンベア(搬送装置) 62 吸引ポンプ(空気吸引手段) 64 成型ドラム 66 吸着ジグ(吸引移動手段) 80 吸引ポンプ(吸引手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カレンダー装置により厚さ0.2mm〜
    0.8mmのシート状に成形された未加硫インナーライ
    ナーを用いてタイヤを製造するタイヤの製造方法であっ
    て、 前記カレンダー装置によりシート状に成形された前記未
    加硫インナーライナーをシリコンライナーと共に巻き取
    る巻取工程と、 前記巻取工程で前記シリコンライナーと共に巻き取られ
    た前記未加硫インナーライナーを該シリコンライナーか
    ら剥がす巻出工程と、 前記巻出工程で前記シリコンライナーから剥がされた前
    記未加硫インナーライナーを成型ドラムに巻き付ける成
    型工程と、 を備えたことを特徴とするタイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 カレンダー装置により厚さ0.2mm〜
    0.8mmのシート状に成形された未加硫インナーライ
    ナーを用いてタイヤを製造するタイヤの製造方法であっ
    て、 前記カレンダー装置によりシート状に成形された前記未
    加硫インナーライナーを合成樹脂製ライナーと共に巻き
    取る巻取工程と、 前記巻取工程で前記合成樹脂製ライナーと共に巻き取ら
    れた前記未加硫インナーライナーを該合成樹脂製ライナ
    ーから剥がす巻出工程と、 前記巻出工程で前記合成樹脂製ライナーから剥がされた
    前記未加硫インナーライナーを成型ドラムに巻き付ける
    成型工程と、 を備えたことを特徴とするタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記巻出工程において、前記未加硫イン
    ナーライナーは、剥離ロールにより前記シリコンライナ
    ー又は前記合成樹脂製ライナーから剥がされることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記巻出工程で剥がされた前記未加硫イ
    ンナーライナーを、空気吸引手段を備えた搬送装置によ
    り吸着固定しながら前記成型ドラム側に搬送する搬送工
    程を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のタイヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記搬送工程で前記成型ドラム側へ搬送
    された未加硫インナーライナーを、移動可能に設けられ
    た吸引移動手段により吸着して前記搬送装置上から前記
    成型ドラム上に移動させる移動工程を備えたことを特徴
    とする請求項4に記載のタイヤの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記搬送装置に設けられた前記空気吸引
    手段の作動を停止し、 前記成型ドラムに設けられた吸引手段を作動させ、前記
    搬送装置で前記未加硫インナーライナーを搬送しながら
    前記吸引移動手段により移動された前記未加硫インナー
    ライナーを該成型ドラムに吸着させて巻き付けることを
    特徴とする請求項5に記載のタイヤの製造方法。
  7. 【請求項7】 成型ドラムに巻き付けて加硫したインナ
    ーライナーを用いてタイヤを製造するタイヤの製造装置
    において、 厚さ0.2mm〜0.8mmのシート状の未加硫インナ
    ーライナーを成形するカレンダー装置と、 前記カレンダー装置で成形された前記未加硫インナーラ
    イナーをシリコンライナー又は合成樹脂製ライナーと共
    に巻き取る巻取装置と、 を備えたことを特徴とするタイヤの製造装置。
  8. 【請求項8】 空気吸引手段が設けられ、前記シリコン
    ライナー又は合成樹脂製ライナーから剥がされた前記未
    加硫インナーライナーを前記空気吸引手段により吸着固
    定して前記成型ドラム側に搬送する搬送装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項7に記載のタイヤの製造装置。
  9. 【請求項9】 移動可能に設けられ、前記搬送装置で搬
    送された前記未加硫インナーライナーを吸着して前記成
    型ドラム上に移動させる吸引移動手段を備えたことを特
    徴とする請求項8に記載のタイヤの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記成型ドラムには前記未加硫インナ
    ーライナーを吸着させる吸引手段が設けられていること
    を特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のタ
    イヤの製造装置。
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