JP2002103469A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法

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JP2002103469A
JP2002103469A JP2000305896A JP2000305896A JP2002103469A JP 2002103469 A JP2002103469 A JP 2002103469A JP 2000305896 A JP2000305896 A JP 2000305896A JP 2000305896 A JP2000305896 A JP 2000305896A JP 2002103469 A JP2002103469 A JP 2002103469A
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rubber
inner liner
tire
composition liquid
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Yasushi Ota
康 大田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未加硫インナーライナー部材の取扱いが簡単
で、スクラップの発生も抑えられる空気入りタイヤの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 ゴム組成物液20を溜めた貯留槽22を
タイヤ成型ドラム24の下方に配置し、タイヤ成型ドラ
ム24を1回転以上回転させると、タイヤ成型ドラム2
4の外周面にゴム組成物液20が塗布される。塗布され
たゴム組成物液20を乾燥すると、タイヤ成型ドラム2
4の外周面に肉厚の一定した極めて薄い環状の未加硫イ
ンナーライナー部材が得られる。以後従来通りにタイヤ
構成部材を取り付けて生タイヤを完成させ、その生タイ
ヤをモールドで加硫する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの内面には、空気漏れを
防止し、タイヤ空気圧を一定に保つために、ハロゲン化
ブチルゴムなどの低気体透過性ゴムからなるインナーラ
イナーが設けられている。
【0003】従来の空気入りタイヤでは、内圧保持、酸
素不透過性及び生産性を考慮し、インナーライナーの製
品ゲージが0.4mm以上であった。
【0004】タイヤ製造工程において、インナーライナ
ー部材の供給はカレンダー工程で0.8mm以上でシー
ト状にし、布製のライナー、ポリライナー、フィルムラ
イナー等に巻き取られて成型工程で巻出され成型されて
いた。
【0005】形状が固定された回転可能な支持体、また
は成型ブラダー(別称ソフトコアー。特開平5−269
886号公報等に記載の公知のもの。)を用いた成型の
場合は、押出機から押し出されたリボン状シートを直接
ドラム外周面に螺旋状に巻き付け(隣り合うリボン状シ
ートの一部分が重なるように積層)てインナーライナー
を成型していた。
【0006】近年、省エネルギーの社会的な要請に伴
い、空気入りタイヤの軽量化を目標として、インナーラ
イナーの薄ゲージ化が考えられている。
【0007】インナーライナーを薄ゲージ化する手法と
して、ブチルゴムの含有量を多くする、充填剤を添加す
る等の手法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ゴム組成物の改良によ
り、インナーライナーの製品ゲージを0.1〜0.4m
m程度にすることが可能であるが、拡張を伴う成型工程
へ供給される未加硫のインナーライナー(以後、タイヤ
成型ドラムへ貼り付け前のものを未加硫インナーライナ
ー部材と呼ぶ。)は0.2〜0.8mmのシート厚さに
なり、シート剛性は低下してしまうので(腰が弱くな
る)、カレンダー作業性の著しい低下や、巻取りライナ
ーへの密着等により、局部的に伸ばされたり、供給ライ
ンで皺が発生したりし、未加硫インナーライナー部材及
び生タイヤの修理、スクラップを増加させる等の問題に
より生産上好ましくない。
【0009】また、形状が固定された回転可能な支持体
や、成型ブラダーを用いて成型を行う場合、成型での拡
張が無いため、直ちに0.1〜0.4mmのシート状の
未加硫インナーライナー部材を貼り付ける必要がある
が、押出機によるリボンを0.1〜0.4mmで生産す
るには著しく生産性を低下させ、また積層部分のゲージ
が厚くなるので好ましくない。
【0010】本発明は、上記事実を考慮し、薄肉の未加
硫インナーライナー部材を形成し、スクラップの発生も
抑えられる空気入りタイヤの製造方法を提供することが
目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入
りタイヤの製造方法は、インナーライナー用の未加硫の
ゴム組成物に、揮発性を有し、かつ前記ゴム組成物を溶
解する溶剤を付与してゴム組成物液を得る工程と、前記
ゴム組成物液をタイヤ成型ドラムの外周面に塗布する塗
布工程と、前記タイヤ成型ドラムの外周面に塗布された
前記ゴム組成物液に含まれる前記溶剤を揮発させ、未加
硫インナーライナー部材を得る乾燥工程と、を含むこと
を特徴としている。
【0012】請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方
法によれば、先ず、最初の工程で、インナーライナー用
の未加硫のゴム組成物に、揮発性を有し、かつゴム組成
物を溶解する溶剤を付与する。これにより、ゴム組成物
液が得られる。
【0013】塗布工程では、ゴム組成物液をタイヤ成型
ドラムの外周面に塗布する。
【0014】ゴム組成物液をタイヤ成型ドラムの外周面
に塗布するので、タイヤ成型ドラム表面にゴム組成物を
極めて薄く形成することができる。
【0015】乾燥工程で溶剤を揮発させると、タイヤ成
型ドラムの外周面に薄い未加硫インナーライナー部材が
得られる。
【0016】溶剤は揮発性を有しているので、乾燥方法
は自然乾燥であっても良く、送風により強制的に乾燥さ
せても良い。溶剤が除去されることにより、タイヤ成型
ドラム上の未加硫インナーライナー部材の厚みは更に薄
くなる。
【0017】なお、乾燥工程以降は、従来の空気入りタ
イヤの製造工程と同一である。
【0018】本発明では、未加硫インナーライナー部材
をタイヤ成型ドラムの外周面に直接形成するので、従来
のように製造過程(カレンダー工程等)で不良を生ずる
ことが無く、取扱いも容易である。
【0019】さらに、大きなカレンダー工程の削減がで
き、コストダウンを図ることができる。
【0020】なお、タイヤ成型ドラム上の未加硫インナ
ーライナー部材の厚みは、例えば、ゴム組成物液の濃度
や塗布時間によってコントロールすることができる。ま
た、乾燥後に、更に塗布を行うことによって厚みを部分
的にまたは全体的に増やすこともできる。
【0021】さらに、タイヤ成型ドラムには、ジョイン
ト部分の無い環状の未加硫インナーライナー部材が形成
されるので、タイヤの回転バランスを良化できる。
【0022】さらに、従来よりも薄い未加硫インナーラ
イナー部材を用いて生タイヤを製造するので、タイヤの
ゲージを薄くでき、加硫時間を短縮化することもでき
る。
【0023】請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方
法は、インナーライナー用の未加硫のゴム組成物に、揮
発性を有し、かつ前記ゴム組成物を溶解する溶剤を付与
してゴム組成物液を得る工程と、生タイヤのカーカス内
周面に前記ゴム組成物液を塗布する塗布工程と、前記生
タイヤのカーカス内周面に塗布された前記ゴム組成物液
に含まれる前記溶剤を揮発させ、未加硫インナーライナ
ー部材を得る乾燥工程と、を含むことを特徴としてい
る。
【0024】請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方
法によれば、先ず、最初の工程で、インナーライナー用
の未加硫のゴム組成物に、揮発性を有し、かつゴム組成
物を溶解する溶剤を付与する。これにより、ゴム組成物
液が得られる。
【0025】塗布工程では、ゴム組成物液を生タイヤの
カーカス内周面に塗布する。なお、ゴム組成物液を塗布
する前の生タイヤは、従来の加硫直前の生タイヤから未
加硫インナーライナー部材を取り除いた構成のものであ
り、未加硫インナーライナー部材以外の構成及び製法は
従来通りである。
【0026】ゴム組成物液を生タイヤのカーカス内周面
に塗布するので、生タイヤのカーカス内周面にゴム組成
物を極めて薄く形成することができる。
【0027】乾燥工程で溶剤を揮発させると、生タイヤ
のカーカス内周面に薄い未加硫インナーライナー部材が
得られる。
【0028】溶剤は揮発性を有しているので、乾燥方法
は自然乾燥であっても良く、送風により強制的に乾燥さ
せても良い。溶剤が除去されることにより、未加硫イン
ナーライナー部材の厚みは更に薄くなる。
【0029】なお、乾燥工程以降は、従来の空気入りタ
イヤの製造工程と同一である。
【0030】本発明では、未加硫インナーライナー部材
を生タイヤのカーカス内周面に直接形成するので、従来
のように製造過程(カレンダー工程等)で不良を生ずる
ことが無く、取扱いも容易である。
【0031】さらに、大きなカレンダー工程の削減がで
き、コストダウンを図ることができる。
【0032】なお、生タイヤのカーカス内周面上の未加
硫インナーライナー部材の厚みは、例えば、ゴム組成物
液の濃度によってコントロールすることができる。ま
た、乾燥後に、更に塗布を行うことによって厚みを部分
的にまたは全体的に増やすこともできる。
【0033】さらに、生タイヤのカーカス内周面には、
ジョイント部分の無い環状の未加硫インナーライナー部
材が形成されるので、タイヤの回転バランスを良化でき
る。
【0034】さらに、従来よりも薄い未加硫インナーラ
イナー部材を生タイヤのカーカス内周面に形成できるの
で、タイヤのゲージを薄くでき、加硫時間を短縮化する
こともできる。
【0035】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、
前記ゴム組成物液の濃度は、1〜60%の範囲内である
ことを特徴としている。
【0036】ゴム組成物液の濃度が60%を越えると固
形分(溶解しない部分)が混ざり、また、気泡が入りや
すくなるので品質状不安定となる。
【0037】一方、ゴム組成物液の濃度が1%未満で
は、溶剤を揮発させる量が多くなり膜厚生成時間がかか
り過ぎる。また、乾燥後の膜厚が薄くなり過ぎる場合も
ある。
【0038】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤの製造方法において、前記ゴム組成物
液の濃度は、10〜40%の範囲内であることを特徴と
している。
【0039】請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方
法によれば、ゴム組成物液の濃度を10〜40%の範囲
内としたので、ゴム組成物液の濃度は薄過ぎず、濃過ぎ
ず、塗布し易く、また、適性な厚みの未加硫インナーラ
イナー部材を効率的に得ることができる。
【0040】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
において、前記インナーライナー用の未加硫のゴム組成
物は、ハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴム単独、ま
たはハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴムとジエン系
ゴムからなるゴム成分に、アスペクト比5以上30未満
の層状または板状無機充填剤を配合したことを特徴とし
ている。
【0041】このインナーライナー用のゴム組成物にお
いては、(A)成分のゴム成分として、ハロゲン化ブチ
ルゴム25〜100重量%とジエン系ゴム0重量%以上
20重量%未満とを含有するものが用いられる。
【0042】ゴム成分中のハロゲン化ブチルゴムの含有
量が25重量%未満では充分な耐空気透過性が発揮され
ない。
【0043】耐空気透過性を考慮すると、このハロゲン
化ブチルゴムの含有量は50重量%以上が好ましく、特
に70重量%以上が好ましい。
【0044】また、ジエン系ゴムの含有量が20重量%
以上では耐空気透過性が低下する。耐空気透過性及び耐
屈曲疲労性などを考慮すると、ハロゲン化ブチルゴム4
0重量%以上を含むブチルゴム85〜100重量%とジ
エン系ゴム15〜0重量%とからなるゴム成分を用いる
のが有利である。
【0045】前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素
化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、その変性ゴムなどが
含まれる。例えば塩素化ブチルゴムとしては「Enja
yButyl HT10−66」(エンジェイケミカル
社製、商標)があり、臭素化ブチルゴムとしては「ブロ
モブチル2255」(エクソン社製、商標)がある。
【0046】また、変性ゴムとしてイソモノオレフィン
とパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化
変性共重合体を用いることができ、例えば「Expro
50」(エクソン社製、商標)などとして入手可能であ
る。
【0047】また、このゴム成分中に配合し得るジエン
系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレン合成ゴム
(IR)、シス1,4−ポリブタジエン(BR)、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(1,2B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)などが挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせてもよい。
【0048】このインナーライナー用のゴム組成物にお
いては、(B)成分として、アスペクト比が5以上30
未満の層状又は板状の無機充填剤が用いられる。
【0049】ここで、アスペクト比とは、無機充填剤を
電子顕微鏡で観察し、任意の粒子50個について長径と
短径を測定し(図6に単位粒子の長径と短径を示
す。)、その平均長径aと平均短径bよりa/bとして
求められる。
【0050】上記アスペクト比をもつ層状又は板状無機
充填剤を、前記(A)成分であるゴム成分に配合したも
のは、特に押し出しまたは圧廷工程において層構造を形
成し、空気の透過経路を遮り、耐空気透過性が効果的に
発揮される。
【0051】したがって、通常のカーボンブラックや無
機充填剤よりも少ない配合量で、耐空気透過性を向上さ
せることが可能となる。
【0052】その結果、従来のカーボンブラックや無機
充填剤に比べて、低温時における硬さの増大を抑えるこ
とができるので、低温時の耐久性を改善することができ
る。
【0053】このアスペクト比が5未満では耐空気透過
性の向上効果が充分に発揮されないおそれがあり、30
以上ではゴム成分の分散が悪くなり、層状効果が薄れ、
むしろ耐空気透過性が悪くなる傾向がある。
【0054】さらに、アスペクト比が30以上では充填
剤の分散が悪くなり、混練り条件を分散するまで練りス
テージを追加することになり、生産性が悪化する。この
点から、より好ましいアスペクト比は10〜20の範囲
である。
【0055】このようなアスペクト比を有する層状又は
板状無機充填剤としては、天然品及び合成品のいずれで
あってもよく、特に制限されず、例えばカオリン、クレ
ー、マイカ、長石、シリカ及びアルミナの含水複合体な
どが挙げられる。
【0056】これらの中ではカオリン質クレー及びセリ
サイト質クレーが好適である。
【0057】また、この層状又は板状無機充填剤は、そ
の平均粒子径が大きすぎると耐屈曲疲労性が低下するお
それがあるので、平均粒子径は30μm以下が好まし
い。
【0058】本発明においては、該(B)成分の層状又
は板状無機充填剤は、一種を単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0059】また、その含有量は、前記(A)成分であ
るゴム成分100重量部当たり、10〜270重量部の
範囲が好ましい。
【0060】この(B)成分の含有量が10重量部未満
では該(B)成分を配合した効果が充分に発揮されない
おそれがあり、また270重量部を超えると硬さが増大
し、耐低温クラック性が悪くなると共に、耐屈曲疲労性
が低下する原因となる。
【0061】この点から、該(B)成分のより好ましい
含有量は、20〜180重量部の範囲である。
【0062】本発明のゴム組成物においては、未加硫ゴ
ムの強度を向上させるなどの目的で、前記(A)成分1
00重量部当たり、さらに(C)カーボンブラック0〜
80重量部、好ましくは10〜60重量部を含有させる
ことができる。
【0063】この(C)成分の含有量が80重量部を超
えると硬さが増大し、耐低温クラック性及び耐屈曲疲労
性が低下する傾向がある。
【0064】上記(C)成分のカーボンブラックの種類
は特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填剤として慣用
されているものの中から任意のものを適宜選択して用い
ることができ、例えばFEF、SRF、HAF、ISA
F、SAF、GPFなどが挙げられる。
【0065】これらの中で、ジブチルフタレート吸油量
(DBP)が65ミリリットル/100g以上、好まし
くは65〜100ミリリットル/100gであり、かつ
ヨウ素吸着量(IA)が20mg/g以上、好ましくは
20〜38mg/gの範囲にあるものが望ましい。
【0066】本発明においては、前記(B)成分と
(C)成分との合計含有量は、耐空気透過性、耐屈曲疲
労性、耐低温クラック性及び加工性などのバランスの面
から、(A)成分100重量部当たり、30〜300重
量部の範囲が好ましく、特に50〜250重量部の範囲
が好適である。
【0067】本発明のゴム組成物においては、ゴム成分
中への層状又は板状無機充填剤やカーボンクラックの分
散性を良くし、所望の物性を向上させる目的で、(A)
成分100重量部当たり、さらに(D)分散改良剤0〜
5重量部を含有させることができる。この分散改良剤と
しては、例えばシランカップリング剤、ジメチルステア
リルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0068】なお、本発明のゴム組成物においては、例
えば、ナフテン系オイル又はパラフィン系オイル等のオ
イルを、適宜添加しても良い。ここで、ナフテン系オイ
ルは環分析による%CNが30以上のものが好ましく、
パラフィン系オイルは%CPが60以上のものが好適で
ある。
【0069】このような本発明のゴム組成物は、加硫ゴ
ムにおける−20℃での0.1%動的弾性率が、通常8
00MPa以下、好ましくは600MPa以下である。
【0070】また、本発明のゴム組成物には、所望によ
り、有機短繊維を含有させることができる。
【0071】この有機短繊維を含有させた場合には、イ
ンナーライナーを簿ゲージ化してタイヤを製造する際に
生じる内面コード露出を抑制することができる。
【0072】この有機短繊維は、平均径1〜100μm
で、平均長が0.1〜0.5mm程度であるものが好ま
しい。
【0073】この有機短繊維は、FRR(短繊維と未加
硫ゴムとの複合体)として配合してもよい。
【0074】このような有機短繊維の含有量は、(A)
成分100重量部当たり、0.3〜15重量部が好まし
い。
【0075】0.3重量部未満では内面コード露出の解
消効果は少なく、15重量部を超えれば加工性に悪影響
を及ぼすことがある。
【0076】有機短繊維の材質には特に制限はなく、例
えばナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、アイソタク
チックポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げること
ができるが、これらの中では、ポリアミドが好ましい。
【0077】また、有機短繊維配合ゴムのモデュラスを
増大させるためにはへキサメチレンテトラミンやレゾル
シンなどのゴムと繊維との接着向上剤をさらに配合する
ことができる。
【0078】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、前記の配合剤以外に、通常ゴム工
業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進
剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン
酸などを配合させることができる。
【0079】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1にしたが
って、空気入りタイヤの製造方法の第1の実施形態を説
明する。 (1) 先ず、インナーライナー用のゴム組成物に、揮
発性を有し、かつゴム組成物を溶解させる溶剤を付与
し、ゴム組成物液を作る。
【0080】インナーライナー用のゴム組成物は、例え
ば、以下の表1に記載する実施配合1〜3の組成のもの
を用いることができるが、他の組成のものであっても良
い。なお、以下の表1内に、参考までに従来配合も合わ
せて記載した。
【0081】
【表1】 (注) 1)カーボンブラックGPF:DBP85ミリリットル
/100g、IA35mg/g 2)カオリンクレー:J.M.Huber社製「Pol
yfil DL」、アスペクト比10 3)分散改良剤:花王社製「DM80」、ジメチルステ
アリルアミン
【0082】また、溶剤としては、例えば、工業用ガソ
リンが一般的に流通しており安価で好ましいが、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の他の溶剤を用いても良い。
【0083】なお、ゴム組成物液の濃度は、1〜60%
の範囲内とすることが好ましく、更に好ましくは10〜
40%の範囲内である。 (2) 図1に示すように、ゴム組成物液20を溜めた
貯留槽22をタイヤ成型ドラム24の下方に配置し、タ
イヤ成型ドラム24を1回転以上回転させると、タイヤ
成型ドラム24の外周面にゴム組成物液20が塗布され
る。
【0084】なお、本実施形態において、タイヤ成型ド
ラム24は従来周知のものを使用でき、その構造は特に
問わない。
【0085】なお、図2に示すようにスプレーノズル2
6からゴム組成物液20を噴出して塗布しても良く、図
3に示すようにゴム組成物液20を染ませたスポンジロ
ール28を用いてゴム組成物液20を塗布しても良い。
【0086】なお、ゴム組成物液20の濃度は1〜60
%が好ましく、10%〜40%が更に好ましい。
【0087】ゴム組成物液20の濃度が60%を越える
と、ゴム組成物液20に固形分が混ざったり、気泡が入
りやすくなる等品質が不安定になると共に、塗布が困難
となる。また、スプレーノズル26を用いる場合、詰ま
り易くなる。 (3) タイヤ成型ドラム24の外周面に塗布されたゴ
ム組成物液20を、例えば、送風する等して乾燥させ
る。
【0088】これにより、タイヤ成型ドラム24の外周
面に肉厚の一定した極めて薄い環状の未加硫インナーラ
イナー部材が得られる。
【0089】なお、ゴム組成物液20の濃度が10%未
満になると、溶剤の占める割合が多くなり、乾燥に時間
がかかりすぎ、1%未満になると、乾燥時間がさらにか
かることになる。
【0090】また、蒸発した工業用ガソリンは吸引して
回収する。 (4) 乾燥工程以降の工程は従来通りであるので、そ
の他の工程については簡単に説明する。
【0091】未加硫インナーライナー部材の幅方向端部
付近にナイロンチェーファーやトゥゴムを巻き付ける。
【0092】未加硫インナーライナー部材の上にカーカ
スプライが巻き付けられ、その両側部分にビードコア及
びスティフナーまたはビードフィラーが取り付けられ
る。
【0093】その後、カーカスプライの両端部が内側に
折り返されて、サイドトレッドが巻き付けられる。
【0094】その後、次工程の他のタイヤ成型ドラム
(セカンドドラム)に移し変え、内部に空気を充填する
と共に両端部分を互いに接近させて中央部分にベルト及
びトップトレッドを巻き付け生タイヤを完成させる。
【0095】この生タイヤは、その後、従来通りに図示
しないモールドに装填されて加硫されて製品タイヤとな
る。
【0096】本実施形態では、未加硫インナーライナー
部材をタイヤ成型ドラム24の外周面に直接形成するの
で、従来のように製造過程(カレンダー工程等)で不良
を生ずることが無く、取扱いも容易である。
【0097】さらに、大きなカレンダー工程の削減がで
きる。
【0098】また、本実施形態の空気入りタイヤの製造
方法によれば、塗装回数を増やすことにより未加硫イン
ナーライナー部材の厚さを部分的に厚くすることが容易
である。
【0099】例えば、タイヤショルダー付近の厚さを厚
くすることによってコード出現象(タイヤ製造過程のイ
ンフレーション時に、タイヤ内面にカーカスコードが浮
き出る現象)を抑えることができ、一方のショルダーか
ら他方のショルダーにかけての厚さを厚くすることによ
ってスチールベルトへの空気(酸素)の透過を更に抑制
し、スチールベルトの錆の発生を抑えることができ、タ
イヤサイド部(タイヤの中で最も薄い部分)の厚さを厚
くすることによってタイヤの内圧を長期に渡って保持す
ることができる。 [第2の実施形態]次に、本発明の空気入りタイヤの製
造方法の第2の実施形態を説明する。 (1) 図4に示すように、本実施形態では、先ず、未
加硫インナーライナー部材の設けられていない生タイヤ
30を従来通りの製造方法で製造する。 (2) 生タイヤ30のカーカス内周面に、ゴム組成物
液20を塗布する。なお、ゴム組成物液20は、例え
ば、図4に示すように回転式のベルガン32を用いた
り、図5に示すように、ゴム組成物液20を染ませた複
数のスポンジロール34を用いて塗布することが出来る
が、他の方法で塗布しても良い。 (3) 生タイヤ30のカーカス内周面に塗布されたゴ
ム組成物液20を、例えば、送風する等して乾燥させ
る。
【0100】これにより、生タイヤ30のカーカス内周
面に肉厚の一定した極めて薄い環状の未加硫インナーラ
イナー部材が得られる。 (4) 乾燥工程以降の生タイヤ30は、従来通りに図
示しないモールドに装填されて加硫されて製品タイヤと
なる。
【0101】本実施形態では、未加硫インナーライナー
部材を生タイヤ30のカーカス内周面に直接形成するの
で、従来のように製造過程(カレンダー工程等)で不良
を生ずることが無く、取扱いも容易である。
【0102】さらに、大きなカレンダー工程の削減がで
きる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空気入りタ
イヤの製造方法によれば、未加硫インナーライナー部材
の取扱いが簡単で、スクラップの発生も抑えられる、と
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】未加硫インナーライナー部材の製造方法を説明
する説明図である。
【図2】未加硫インナーライナー部材の他の製造方法を
説明する説明図である。
【図3】未加硫インナーライナー部材の他の製造方法を
説明する説明図である。
【図4】未加硫インナーライナー部材の他の製造方法を
説明する説明図である。
【図5】未加硫インナーライナー部材の他の製造方法を
説明する説明図である。
【図6】アスペクト比を説明するための説明図である。
【符号の説明】
20 ゴム組成物液 24 タイヤ成型ドラム 30 生タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/28 C08L 23/28 Fターム(参考) 4F212 AH20 VA02 VA10 VD20 VD22 VL19 4J002 AC013 AC023 AC043 AC053 AC073 AC083 AC093 BB18X BB24W DE146 DJ006 DJ016 DJ036 DJ056 FA016 FD010 FD016 FD200 GN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナーライナー用の未加硫のゴム組成
    物に、揮発性を有し、かつ前記ゴム組成物を溶解する溶
    剤を付与してゴム組成物液を得る工程と、 前記ゴム組成物液をタイヤ成型ドラムの外周面に塗布す
    る塗布工程と、 前記タイヤ成型ドラムの外周面に塗布された前記ゴム組
    成物液に含まれる前記溶剤を揮発させ、未加硫インナー
    ライナー部材を得る乾燥工程と、 を含む空気入りタイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 インナーライナー用の未加硫のゴム組成
    物に、揮発性を有し、かつ前記ゴム組成物を溶解する溶
    剤を付与してゴム組成物液を得る工程と、 生タイヤのカーカス内周面に前記ゴム組成物液を塗布す
    る塗布工程と、 前記生タイヤのカーカス内周面に塗布された前記ゴム組
    成物液に含まれる前記溶剤を揮発させ、未加硫インナー
    ライナー部材を得る乾燥工程と、 を含む空気入りタイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物液の濃度は、1〜60%
    の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ゴム組成物液の濃度は、10〜40
    %の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の空
    気入りタイヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記インナーライナー用の未加硫のゴム
    組成物は、ハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴム単
    独、またはハロゲン化ブチルゴムを含むブチルゴムとジ
    エン系ゴムからなるゴム成分に、アスペクト比5以上3
    0未満の層状または板状無機充填剤を配合したことを特
    徴とした請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空
    気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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