JP3212470B2 - タイヤ用ポリマー組成物 - Google Patents
タイヤ用ポリマー組成物Info
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Description
軟性とのバランスに優れ、更にゴムとの接着性に優れた
タイヤ用ポリマー組成物に関し、更に詳しくは空気入り
タイヤのタイヤ内の空気圧保持性を損なうことなく、イ
ンナーライナー層などの空気透過防止層を薄くしてタイ
ヤの軽量化を図ることが出来るタイヤ用ポリマー組成物
に関する。
な技術的課題の一つであり、この対策の一環として空気
入りタイヤの軽量化に対する要求も益々強いものになっ
てきている。
イヤ空気圧を一定に保持するためにブチルゴムなどのよ
うな低気体透過性のゴムからなるインナーライナー層が
設けられている。しかしながら、ハロゲン化ブチルゴム
はヒステリシス損失が大きいため、タイヤの加硫後に、
カーカスコード間の間隙において、カーカス層の内面ゴ
ム及びインナーライナー層に波打ちが生じた場合、カー
カス層の変形とともにインナーライナーゴム層が変形す
るので、転動抵抗が増加するという問題がある。このた
め、一般に、インナーライナー層(ハロゲン化ブチルゴ
ム)とカーカス層の内面ゴムとの間にヒステリシス損失
が小さいタイゴムと呼ばれるゴムシートを介して両者を
接合している。従って、ハロゲン化ブチルゴムのインナ
ーライナー層の厚さに加えて、タイゴムの厚さが加算さ
れ、層全体として1mm(1000μm)を超える厚さに
なり、結果的に製品タイヤの重量を増大させる原因の一
つになっていた。
てブチルゴムなどの低気体透過性ゴムに代えて種々の材
料を用いる技術が提案されている。例えば、特公昭47
−31761号公報には加硫タイヤの内面に、空気透過
係数[cm3(標準状態)/cm・sec ・mmHg]が30℃で1
0×10-13 以下、70℃で50×10-13 以下の、ポ
リ塩化ビニリデン、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂などの合成樹脂の溶液又は分散液を0.1mm以下で
塗布することが開示されている。
加硫タイヤのカーカス内周面に、もしくはインナーライ
ナー内周面に、特定の空気透過係数を有する合成樹脂の
被覆層を設けて合成樹脂被覆層の厚さを0.1mm以下に
することが記載されているが、この公報に記載された空
気入りタイヤはゴムと合成樹脂フィルムとの接着性に問
題があり、またインナーライナー層が耐熱性、耐湿性
(又は耐水性)に劣るという欠点を有する。
内面をハロゲン化処理(従来から知られている塩素化処
理用液、臭素溶液、ヨウ素溶液を使用)し、その上にメ
トキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレタ
ンとポリ塩化ビニリデンのブレンド、ポリウレタンとポ
リフッ化ビニリデンのブレンドのポリマー皮膜(膜厚1
0〜200μm)を形成することが開示されている。
メトキシメチル化ナイロンの薄膜をインナーライナーと
する空気入りタイヤが開示されており、この技術によれ
ば、グリーンタイヤ内面にメトキシメチル化ナイロンの
溶液又はエマルジョンを散布又は塗布し、次いでタイヤ
を加硫するか、或いは加硫後タイヤ内面にメトキシメチ
ル化ナイロンの溶液又はエマルジョンを散布又は塗布す
ることによって空気入りタイヤを製造している。しかし
ながら、この公報に開示の技術においても薄膜の耐水性
に劣る欠点に加えて、膜厚の均一性を保持することが困
難であると言う欠点を有している。
ムに代わる、空気入りタイヤのインナーライナー層用の
種々の材料が提案されているが、未だ実用化されるには
至っていない。特に空気入りタイヤのインナーライナー
層として必要な耐空気透過性と柔軟性とのバランスに優
れ、更にゴムとの接着性に優れた材料は未だ開発される
に至っていない。従って、本発明の目的は、空気入りタ
イヤの空気圧保持性を損なうことなく、タイヤの軽量化
を可能にし、かつ、耐空気透過性及び柔軟性とのバラン
スに優れ、またゴム層との接着性に優れた空気入りタイ
ヤの空気透過防止層用として最適のタイヤ用ポリマー組
成物を提供することにある。
空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cm
Hg以下でヤング率が500MPa 超の少なくとも一種の熱
可塑性樹脂を全ポリマー成分重量当り10重量%以上並
びに(B)空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2
・sec ・cmHg超でヤング率が500MPa 以下の少なくと
も一種のエラストマー成分を全ポリマー成分重量当り1
0重量%以上で、成分(A)及び成分(B)の合計量
(A)+(B)が全ポリマー成分の合計重量当り30重
量%以上となる量で含み、かつ、(C)前記(A)成分
の熱可塑性樹脂にタイヤとして使用した際の相対するゴ
ム層との臨界表面張力差が3mN/m以下の他の熱可塑性
樹脂を(A),(B)及び(C)成分の合計重量当り3〜
70重量%を含む、空気透過係数が25×10-1 2 cc・
cm/cm2 ・sec ・cmHg以下でヤング率が1〜500MPa
のタイヤ用ポリマー組成物が提供される。
では前記成分(B)のエラストマーが組成物中において
不連続相を形成している。
分として配合される熱可塑性樹脂は、空気透過係数が2
5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下、好ましく
は0.1×10-12 〜10×10-12 cc・cm/cm2 ・se
c ・cmHgでヤング率が500MPa 超、好ましくは500
〜3000MPa の任意の熱可塑性樹脂を用いることがで
き、その配合量は樹脂及びゴムを含むポリマー成分の合
計重量当り10重量%以上、好ましくは20〜85重量
%である。
以下のような熱可塑性樹脂及びこれらの又はこれらを含
む任意の樹脂混合物を挙げることができる。また、これ
らに、酸化防止剤等が添加された熱可塑性樹脂成分でも
良い。
6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N4
6)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロ
ン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナ
イロン66/PPS共重合体、ポリエステル系樹脂(例
えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタ
レート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリ
レート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PB
N)、液晶ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート
/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリオキシ
アルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート
共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系
樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメ
タクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合
体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、
メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合
体)、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂(例えばポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチ
ル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル(EV
A)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコ
ール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリ
デン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビ
ニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチ
ルアクリレート共重合体)、セルロース系樹脂(例えば
酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂
(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ
化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(P
CTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体
(ETFE)、イミド系樹脂(例えば芳香族ポリイミド
(PI))などを挙げることができる。
の空気透過係数、ヤング率及び配合量としなければなら
ない。ヤング率500MPa 以下の柔軟性を有し、かつ空
気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg
以下である素材は、工業的にまだ開発されておらず、ま
た、空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec
・cmHgを超えると、タイヤ用ポリマー組成物としての耐
空気透過性が低下し、タイヤの空気透過防止層としての
機能を果たさなくなる。更に、これらの熱可塑性樹脂の
配合量が10重量%未満の場合にも同様に耐空気透過性
が低下して、タイヤの空気透過防止層としては使用でき
ないこととなるので好ましくない。
分として配合されるエラストマー成分は、空気透過係数
が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHgより大き
く、ヤング率が500MPa 以下の任意のエラストマーも
しくはそれらの任意のブレンド又はこれらにエラストマ
ーの分散性や耐熱性などの改善その他のために一般的に
エラストマーに配合される補強剤、充填剤、架橋剤、軟
化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加
したエラストマー組成物で、その配合量は空気透過防止
層を構成する樹脂及びエラストマー成分を含むポリマー
成分の合計量の全重量当り10重量%以上、好ましくは
10〜85重量%であり、かつ、成分(A)及び成分
(B)の合計量(A)+(B)が全ポリマー成分重量当
り30重量%以上となる量である。
ラストマーとしては、上記空気透過係数及びヤング率を
有するものであれば、特に限定されないが、例えば以下
のようなものを挙げることができる。
R、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シス
BR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化
SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレ
ンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレン
プロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(II
R)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマ
ー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、
含ハロゲンゴム(例えばBr−IIR、Cl−IIR、
イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物
(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒド
リンゴム(CHR,CHC)、クロロスルホン化ポリエ
チレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレ
イン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコ
ンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシ
リコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含
イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム
(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニ
ルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファ
ゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン
系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエス
テル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー)などを挙げることができる。
付与成分として、タイヤとして使用した際の相対するゴ
ム層との臨界表面張力差(Δγc)が3mN/m以下の熱
可塑性樹脂を(A),(B)及び(C)成分の合計重量当
り3〜70重量%、好ましくは3〜50重量%組成物中
に配合する。この配合量が少ないと、相対する成分との
接着が充分でなくなり、逆に多過ぎると、空気透過係数
が大きくなり過ぎたり、弾性率が高くなり過ぎたりし
て、実用的ではない。
樹脂の具体例としては、分子量100万以上、好ましく
は300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWP
E)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチ
レン−メチルアクリレート樹脂(EMA)等のアクリレ
ート共重合体類及びそのマレイン酸付加物、ポリプロピ
レン(PP)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブタジエ
ン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、ポリエチ
レン(PE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)
などを挙げることができる。
の合計量とエラストマー成分(B)との組成比は、フィ
ルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決
めればよいが、好ましい範囲は10/90〜90/1
0、更に好ましくは20/80〜85/15である。
通り、特定の空気透過係数及びヤング率を有するポリマ
ー成分(A),(B)及び(C)を必須の構成成分として
含むが、これを図示すれば図1のグラフ図に示す通りと
なり、図1において成分(A)は領域Xに、成分(B)
は領域Yに、成分(C)は相対するゴム層との臨界表面
張力差3mN/m以下であることを基準に決定されるが、
得られたポリマー組成物は領域Zに相当する。
塑性樹脂A1 〜An を決定し、これらの平均値Aav
(=ΣφiAi(i=1〜n)、ここでφiはAiの重
量%)を求める。この点Aavと空気透過係数が25×
10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg、ヤング率500MP
a の点Pとを直線で結び、直線AavPを外挿してでき
た直線の下側と、空気透過係数25×10-12 cc・cm/
cm2 ・sec ・cmHg以上の領域Sに、Y領域に属する
(B)成分、B1 〜Bn の平均値Bav(=ΣφiBi
(i=1〜n)、ここでφiはBiの重量%)が入るよ
うなエラストマーを選択し、適当配合で混合し、更に、
成分(C)を添加して目的の領域Zに入るポリマー組成
物を得ることができる。
用いて製造した空気透過防止層を有する空気入りタイヤ
について更に詳しく説明する。本発明に係る空気入りタ
イヤの空気透過防止層は、タイヤ内部の任意の位置、即
ちカーカス層の内側又は外側、或いはその他の位置に配
置することができる。要はタイヤ内部からの空気の透過
拡散を防止して、タイヤ内部の空気圧を長期間保持する
ことができるように配置することにより本発明の目的が
達成される。
配置の典型例を例示する子午線方向半断面図である。図
2において、左右一対のビードコア1,1間にカーカス
層2が装架され、このカーカス層2の内側のタイヤ内面
には、インナーライナー層3が設けられている。図2に
おいて4はサイドウォールを示す。
ポリマー組成物の製造方法は、予め(A)及び(C)成
分を構成する熱可塑性樹脂成分とエラストマー(ゴムの
場合は未加硫物)成分(B)とを2軸混練押出機等で溶
融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラスト
マー成分を分散させる。エラストマー成分を加硫する場
合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的
に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラス
トマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混
練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておく
ことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に
使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー
押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等
が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練および
ゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが
好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次
混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑
性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時
の剪断速度は2500〜7500 Sec-1であるのが好ま
しい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤
を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5
分であるのが好ましい。上記方法で作製されたポリマー
組成物は、次に押出し成形またはカレンダー成形によっ
てフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可
塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する
方法によれば良い。このようにして得られる薄膜は、熱
可塑性樹脂(A)及び(C)のマトリクス中に少なくと
も一部のエラストマー(B)が不連続相として分散した
構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより柔
軟性と耐空気透過性のバランスを付与することが可能で
かつ、耐熱変形性改善、耐水性向上等の効果を得ること
が出来、かつ熱可塑の加工が可能となるため通常の樹脂
用成形機即ち押出し成形または、カレンダー成形によっ
て、フィルム化することが可能となる。フィルム化の方
法は、通常の熱可塑性樹脂または、熱可塑性エラストマ
ーをフィルム化する方法によれば良い。
る空気透過防止層を有する空気入りタイヤの製造方法に
ついて、図2に示すように、インナーライナー層3をカ
ーカス層2の内側に配置する場合の一例を説明すると、
予め本発明のポリマー組成物を所定の幅と厚さの薄膜状
に押し出し、それをタイヤ成型用ドラム上に円筒に貼り
着ける。その上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベル
ト層、トレッド層等の通常のタイヤ製造に用いられる部
材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤ
とする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加
熱加硫することにより、所望の軽量化空気入りタイヤを
製造することができる。なお、カーカス層の外周面に空
気透過防止層を設ける場合にも、これに順じて行うこと
ができる。
めるゴム層の材料には特に限定はなく、従来からタイヤ
用ゴム材料として一般に使用されている任意のゴム材料
とすることができる。そのようなゴムとしては、例え
ば、NR,IR,BR,SBR等のジエン系ゴム、ハロ
ゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、
スチレン系エラストマー等にカーボンブラック等の補強
剤、プロセスオイル等の軟化剤、可塑剤及び加硫剤等の
配合剤を添加したゴム組成物とすることができる。
係数が25×10-12 cc・cm/cm2・sec ・cmHg以下、
好ましくは5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下
である。空気透過係数を25×10-12 cc・cm/cm2 ・
sec ・cmHg以下にすることによって空気透過防止層の厚
さを従来の空気透過防止層の厚さの1/2以下にするこ
とができる。
くは10〜300MPa 、厚さが0.02〜1.0mm、好
ましくは0.05〜0.5mmである。ヤング率が1MPa
未満ではタイヤ成型時にシワがよる等によりハンドリン
グが困難になるので好ましくなく、逆に500MPa 超で
は走行時のタイヤ変形に追従できないので好ましくな
い。
説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。以下の例において使用した評
価方法は以下の通りである。
の気体透過度試験方法(A法)」に準じた。 試験片 : 各例で作成したフィルムサンプルを用い
た。 試験気体 : 空気(N2 :O2 =8:2) 試験温度 : 30℃
た。 試験片 : 各例で押出成形により作成したフィルム
サンプルを、押出時の樹脂の流れ方向に平行に、JIS
3号ダンベルで打ち抜いた。得られた応力〜ひずみ曲線
の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その接線の傾き
よりヤング率を求めた。
時間20分でプレスをした。その時の温度は、各樹脂の
融点+20℃とした。そのシートを1インチ幅で、JI
S K6256に従って剥離試験をした時に、材料破壊
となったものを○、剥離力が全く出ないものを×とし
た。剥離力があるが界面剥離となった場合を△とした。
この時に使用したゴムは、SBR/NR=50部:50
部の系で、そのγc=30mN/mであった。
×41/2 −J)を使用して、初期圧力200kPa 、無負
荷条件にて室温21℃で3ヶ月間放置して測定間隔4日
毎に圧力を測定した。測定圧力Pt、初期圧力Po及び
経過日数tとして、関数: Pt/Po=exp(−αt) に回帰してα値を求める。得られたαを用い、t=30
を下式に代入し、 β=[1−exp(−αt)]×100 β値を得る。このβ値を1ヶ月当りの圧力低下率(%/
月)とする。
ー層の耐久試験法) 165SR13スチールラジアルタイヤ(リム 13×
41/2 −J)を用い、空気圧140kPa 、荷重5.5kN
の試験条件下に、室温(38℃)にて、φ1707mmド
ラム上で、速度80km/hで10,000km走行後にタ
イヤ内面を検査する。インナーライナー層を目視検査
し、次の故障が発見されるものを不合格とする。 1)キレツ、クラックのあるもの 2)ハガレ、浮き上がりのあるもの
可塑性樹脂成分(A),(C)各々の1種または2種とエ
ラストマー成分(B)及び場合によっては、加硫剤、滑
材等の他成分とを2軸混練機にて混練後連続して樹脂用
ペレタイザーでペレット化し、次に該ペレットを使用し
て樹脂用押出機で幅350mm、厚さ0.1mmのフィルム
とした。得られたフィルムの空気透過係数及びヤング率
を測定し、結果をそれぞれ表I〜表XIV に示した。
ルスチレン)(Br−IPMS)に各種配合剤を混合
し、密閉式のゴム用バンバリーミキサー中で混練し、次
いでゴム用ロールを使用して厚さ2.5mmのゴムシート
状とし、マスターバッチA及びBを作製した。このマス
ターバッチA又はBのシートをゴム用ペレタイザーでペ
レット化し、該ペレットを用いて、表XVに示す各種配合
割合(重量部)で成分(A) 及び(C)と該マスターバ
ッチとを2軸混練機にて混練し、更に加硫系を添加し混
練中に樹脂マトリックス中にドメインとして分散したゴ
ムマスターバッチ成分を動的に加硫せしめた。二軸混練
機で混合した該エラストマー組成物をストランド状に押
し出し、該ポリマー組成物を更に樹脂用ペレタイザーで
ペレット化し、該ペレットを使用して次に樹脂用押出機
で幅350mm、厚さ0.05mmのフィルムを作製した。
得られたフィルムの空気透過係数及びヤング率を測定し
た。このフィルムをタイヤ成形用のドラムに巻き、その
上にカーカス、サイドベルト、トレッド等のタイヤ部材
を積層させ、インフレートさせて、グリーンタイヤとし
た。グリーンタイヤは、加硫機で185℃、15分間、
圧力2.3MPa にて加硫させ、タイヤサイズ165SR
13のタイヤに仕上げた。
面に厚さ約0.7mmのタイゴムを介して、以下の配合表
に示す未加硫のブチルゴム組成物から成る約0.5mmの
インナーライナー層を有するグリーンタイヤを成形し、
その後、加硫して、タイヤを仕上げた(サイズ165S
R13)。
差が3mN/m 以下である熱可塑性樹脂を使用しない場合
で、タイヤを仕上げた。
ー層(空気透過防止層)の重量測定、空気漏れ試験及び
タイヤの耐久性試験を行ったところ、結果は表XVの通り
であった。
タイヤ内の空気圧保持性を良好に保持し、かつ柔軟性を
維持しつつ、しかもゴムとの接着性に優れており、タイ
ヤの軽量化を図ることができる、空気入りタイヤの空気
透過防止層に適したタイヤ用ポリマー組成物を得ること
ができる。
びに本発明のポリマー組成物の空気透過係数とヤング率
との関係を示すグラフ図である。
向半断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)空気透過係数が25×10-12 cc
・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下でヤング率が500MPa 超
の少なくとも一種の熱可塑性樹脂を全ポリマー成分重量
当り10重量%以上並びに (B)空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・se
c ・cmHg超でヤング率が500MPa 以下の少なくとも一
種のエラストマー成分を全ポリマー成分重量当り10重
量%以上で、成分(A)及び成分(B)の合計量(A)
+(B)が全ポリマー成分重量当り30重量%以上とな
る量で含み、かつ、 (C)前記(A)成分の熱可塑性樹脂にタイヤとして使
用した際の相対するゴム層との臨界表面張力差が3mN/
m以下の他の熱可塑性樹脂を(A),(B)及び(C)成
分の合計重量当り3〜70重量%を含む、空気透過係数
が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下でヤン
グ率が1〜500MPa のタイヤ用ポリマー組成物。 - 【請求項2】 前記(A)成分の熱可塑性樹脂がポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリニトリル系樹
脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリビニル系樹
脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂及びイミド系樹脂
の群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂である
請求項1記載のタイヤ用ポリマー組成物。 - 【請求項3】 前記(B)成分のエラストマーがジエン
系ゴム及びその水添物、オレフィン系ゴム、含ハロゲン
系ゴム、シリコンゴム、含イオウゴム、フッ素ゴム並び
に熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも一
種のエラストマーである請求項1又は2に記載のタイヤ
用ポリマー組成物。 - 【請求項4】 成分(B)のエラストマーが組成物中で
不連続相を形成している請求項1〜3のいずれか1項に
記載のタイヤ用ポリマー組成物。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP02831895A JP3212470B2 (ja) | 1995-02-16 | 1995-02-16 | タイヤ用ポリマー組成物 |
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