JP2002100945A - 弾性表面波装置およびその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置およびその製造方法

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JP2002100945A JP2000290006A JP2000290006A JP2002100945A JP 2002100945 A JP2002100945 A JP 2002100945A JP 2000290006 A JP2000290006 A JP 2000290006A JP 2000290006 A JP2000290006 A JP 2000290006A JP 2002100945 A JP2002100945 A JP 2002100945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波装置を小型化すると共に、効率よ
く製造できるようにする。 【解決手段】 第1の工程は、集合基板40に対して、
弾性表面波素子20の櫛形電極22と集合基板40の一
方の面とが対向し且つ両者の間に空間33が形成される
ように複数の弾性表面波素子20を実装し、フリップチ
ップボンディングによって各弾性表面波素子20の接続
電極24と集合基板40の各導体パターン11とを電気
的に接続する。第2の工程は、空間33を除いて弾性表
面波素子20を覆うように封止材50を配置して、弾性
表面波素子20を封止する。第3の工程は、弾性表面波
素子20が封止された後の集合基板40および封止材5
0を、隣接する弾性表面波素子20の間において切断し
て、複数の弾性表面波装置を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波素子が
実装基板上に実装され、弾性表面波素子の接続電極と実
装基板の導体パターンが電気的に接続され、且つ弾性表
面波素子が封止された構造を有する弾性表面波装置およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波素子は、携帯電話等の移動体
通信機器におけるフィルタ等に広く利用されている。移
動体通信機器では、小型化、軽量化が要望されており、
そのため、それに使用される電子部品の小型化、軽量
化、薄型化が要望されている。
【0003】半導体部品等の電子部品は、チップが実装
基板上に実装され、チップの電極と実装基板の導体パタ
ーンが電気的に接続され、且つチップが封止された構造
を有するパッケージの形態で使用される場合が多い。チ
ップの電極と実装基板の導体パターンとの電気的接続方
法には、ワイヤボンディング、テープボンディング(Ta
pe Automated Bonding;TAB)、フリップチップボンディ
ング等の種々の方法がある。
【0004】弾性表面波素子も同様に、弾性表面波素子
が実装基板上に実装され、弾性表面波素子の接続電極と
実装基板の導体パターンが電気的に接続され、且つ弾性
表面波素子が封止された構造を有するパッケージの形態
で使用される場合が多い。本出願では、このような構造
のパッケージを弾性表面波装置と言う。
【0005】近年、半導体部品等の電子部品に関して
は、小型化、軽量化、薄型化の要望を満たす超小型パッ
ケージとして、チップサイズと同等あるいはわずかに大
きいパッケージであるチップサイズパッケージ(Chip S
ize Package;以下、CSPと記す。)が種々提案され
ている。
【0006】これに対し、弾性表面波装置に関しては、
弾性表面波素子に特有の問題があるため、CSPのよう
な超小型パッケージは実現していない。弾性表面波素子
に特有の問題とは、弾性表面波素子では、その表面に、
櫛形電極が形成されており、この櫛形電極に水分、塵埃
等の異物が付着しないように弾性表面波素子を封止する
必要がある一方で、弾性表面波に影響を与えないよう
に、弾性表面波素子の表面における弾性表面波伝搬領域
に封止用の樹脂等が接触しないようにする必要があるこ
とである。そのため、従来は、予め所定の形状に形成さ
れたパッケージ部材内に弾性表面波素子を収納し、封止
して弾性表面波装置を形成するようにしていた。
【0007】ここで、図9および図10を参照して、従
来の弾性表面波装置の構造の2つの例について説明す
る。
【0008】図9に示した弾性表面波装置では、セラミ
ックまたは樹脂で形成されたパッケージ部材101内に
弾性表面波素子110が収納されている。パッケージ部
材101は、その上面で開口する凹部を有している。弾
性表面波素子110は、一方の面上において櫛形電極1
11と図示しないボンディングパッドとを有している。
弾性表面波素子110は、一方の面を上向きにして凹部
内に収納されている。パッケージ部材101には、弾性
表面波素子110のボンディングパッドに対応する位置
からパッケージ部材101の底面にかけて導体パターン
102が形成されている。導体パターン102と弾性表
面波素子110のボンディングパッドはワイヤボンディ
ングされている。すなわち、導体パターン102と弾性
表面波素子110のボンディングパッドとは、アルミニ
ウム等よりなるボンディングワイヤ103によって電気
的に接続されている。パッケージ部材101の上面に
は、この上面に形成された開口部を塞ぐように、セラミ
ック、樹脂または金属で形成された蓋体104が気密に
接着されている。このような構造により、弾性表面波素
子110の一方の面に封止用の樹脂等が接触することな
く、弾性表面波素子110が封止されている。
【0009】図10に示した弾性表面波装置では、セラ
ミックまたは樹脂で形成されたパッケージ部材105内
に弾性表面波素子110が収納されている。パッケージ
部材105は、その上面で開口する凹部を有している。
パッケージ部材105には、凹部内の底部からパッケー
ジ部材105の底面にかけて導体パターン106が形成
されている。弾性表面波素子110は、一方の面上にお
いて櫛形電極111と金等よりなる突起状の接続電極
(バンプ)112とを有している。接続電極112と導
体パターン106はフェイスダウンボンディングされて
いる。すなわち、弾性表面波素子110は、一方の面を
下向きにして凹部内に収納され、接続電極112と導体
パターン106とは、互いに接触し、電気的に接続され
ている。パッケージ部材105の上面には、この上面に
形成された開口部を塞ぐように、セラミック、樹脂また
は金属で形成された蓋体107が気密に接着されてい
る。このような構造により、弾性表面波素子110の一
方の面に封止用の樹脂等が接触することなく、弾性表面
波素子110が封止されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図9または図10に示
したような構造の弾性表面波装置では、いずれも、予め
所定の形状に形成されたパッケージ部材を用いるため、
CSPのような小型化は困難であるという問題点があ
る。
【0011】また、図9または図10に示したような構
造の弾性表面波装置では、いずれも、弾性表面波素子の
1個毎に封止処理を行って弾性表面波装置が製造される
ため、生産効率が悪いという問題点がある。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、弾性表面波装置の小型化を可
能にした弾性表面波装置およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0013】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に
加え、弾性表面波装置を効率よく製造できるようにした
弾性表面波装置の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
の製造方法は、櫛形電極と接続電極とを有する弾性表面
波素子が、導体パターンを有する実装基板上に実装さ
れ、弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パター
ンが電気的に接続され、且つ弾性表面波素子が封止され
た構造を有する弾性表面波装置を製造する方法であっ
て、それぞれ一方の面において露出する導体パターンを
有する複数の実装基板となる部分を含む集合基板に対し
て、弾性表面波素子の櫛形電極と集合基板の一方の面と
が対向し且つ両者の間に空間が形成されるように複数の
弾性表面波素子を配置し、フリップチップボンディング
によって各弾性表面波素子の接続電極と集合基板の各導
体パターンとを電気的に接続する工程と、接続する工程
と並行して、あるいは接続する工程の後に、櫛形電極と
集合基板の一方の面との間に形成される空間を除いて弾
性表面波素子を覆うように封止材を配置して、弾性表面
波素子を封止する工程と、弾性表面波素子が封止された
後の集合基板および封止材を、隣接する弾性表面波素子
の間において切断して、複数の弾性表面波装置を形成す
る工程とを備えたものである。
【0015】本発明の弾性表面波装置の製造方法では、
集合基板上に複数の弾性表面波素子が配置され、フリッ
プチップボンディングによって各弾性表面波素子の接続
電極と集合基板の各導体パターンとが電気的に接続さ
れ、櫛形電極と集合基板の一方の面との間に形成される
空間を除いて弾性表面波素子を覆うように封止材を配置
することによって弾性表面波素子が封止される。そし
て、弾性表面波素子が封止された後の集合基板および封
止材を、隣接する弾性表面波素子の間において切断する
ことによって、複数の弾性表面波装置が形成される。
【0016】本発明の弾性表面波装置の製造方法におい
て、封止する工程は、封止材としての樹脂を弾性表面波
素子を覆うように配置する工程と、樹脂を硬化させる工
程とを含んでいてもよい。
【0017】また、本発明の弾性表面波装置の製造方法
において、封止する工程は、封止材としての第1の樹脂
を少なくとも隣接する弾性表面波素子の間に配置する工
程と、第1の樹脂の粘性を高める工程と、弾性表面波素
子を覆うように、第1の樹脂の上に、第1の樹脂と同一
のまたは異なる、封止材としての第2の樹脂を配置する
工程と、第1の樹脂および第2の樹脂を硬化させる工程
とを含んでいてもよい。
【0018】本発明の弾性表面波装置は、一方の面にお
いて露出する導体パターンを有する実装基板と、一方の
面において櫛形電極と接続電極とを有し、櫛形電極と実
装基板の一方の面とが対向し且つ両者の間に空間が形成
されるように実装基板上に実装され、フリップチップボ
ンディングによって接続電極が実装基板の導体パターン
に電気的に接続された弾性表面波素子と、櫛形電極と実
装基板の一方の面との間に形成される空間を除いて弾性
表面波素子を覆うように配置された封止材よりなり、弾
性表面波素子を封止する封止部とを備え、実装基板およ
び封止部は、切断によって形成されて同一の平面を構成
する側面を有するものである。
【0019】本発明の弾性表面波装置では、弾性表面波
素子の櫛形電極と実装基板の一方の面とが対向し且つ両
者の間に空間が形成されるように弾性表面波素子が実装
基板上に実装され、フリップチップボンディングによっ
て弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パターン
とが電気的に接続され、櫛形電極と実装基板の一方の面
との間に形成される空間を除いて弾性表面波素子を覆う
ように配置された封止材よりなる封止部によって弾性表
面波素子が封止される。実装基板および封止部は、切断
によって形成されて同一の平面を構成する側面を有して
いる。
【0020】本発明の弾性表面波装置において、封止材
は、硬化処理前は流動性を有し、硬化処理によって硬化
する樹脂であってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実
施の形態に係る弾性表面波装置を示す断面図、図2は本
実施の形態に係る弾性表面波装置を示す説明図である。
なお、図1は、弾性表面波装置の集合状態を表してい
る。また、図2において、(a)は弾性表面波装置の平
面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図、(c)
は(a)におけるC−C線断面図である。
【0022】図1および図2に示したように、本実施の
形態に係る弾性表面波装置は、実装基板10と、この実
装基板10上に実装された弾性表面波素子20と、この
弾性表面波素子20を気密封止する封止部30とを備え
ている。
【0023】実装基板10は、一方の面(図1において
上側の面)において露出する導体パターン11を有して
いる。この導体パターン11は、実装基板10内を通過
して、実装基板10の他方の面(図1において下側の
面)に設けられた図示しない電極に接続されている。実
装基板10は、例えばセラミックまたは樹脂で形成され
ている。
【0024】弾性表面波素子20は、圧電基板21と、
この圧電基板21の一方の面(図1において下側の面)
に形成された櫛形電極22および導体パターン23と、
導体パターン23の端部に形成された金等よりなる突起
状の接続電極(バンプ)24とを有している。導体パタ
ーン23は櫛形電極22に接続されている。弾性表面波
素子20は、櫛形電極22によって発生される弾性表面
波を基本動作に使用する素子であり、フィルタ、共振器
等として利用される。
【0025】弾性表面波素子20は、櫛形電極22と実
装基板10の一方の面とが対向し且つ両者の間に空間3
3が形成されるように実装基板10上に実装され、フェ
イスダウンボンディングの一種であるフリップチップボ
ンディングによって接続電極24が実装基板10の導体
パターン11に電気的に接続されている。なお、図1で
は、便宜上、導体パターン11、櫛形電極22、導体パ
ターン23、接続電極24および空間33を、他の部分
に比べて大きく描いている。
【0026】封止部30は、櫛形電極22と実装基板1
0の一方の面との間に形成される空間33を除いて弾性
表面波素子20を覆うように配置された封止材よりな
る。封止材は、例えば、硬化処理前は、流動性を有する
と共に空間33内に容易には入り込まないような適当な
粘性を有し、硬化処理によって硬化および乾燥する樹脂
である。
【0027】実装基板10および封止部30は、それぞ
れ、切断によって形成されて同一の平面を構成する側面
10a,30aを有している。
【0028】図7は、弾性表面波素子20の一方の面に
形成される櫛形電極22、導体パターン23および接続
電極24のパターンの一例を示す平面図である。図7に
示した例では、弾性表面波素子20はフィルタの構成に
なっている。また、図7において、記号“IN”を付し
た接続電極24は入力端子であり、記号“OUT”を付
した接続電極24は出力端子であり、記号“GND”を
付した接続端子24は接地端子である。また、図7にお
いて、符号25で示す破線で囲まれた領域は、弾性表面
波伝搬領域を含み、その内側に封止材が入り込まないよ
うにする必要のある領域である。この領域25は、櫛形
電極22と実装基板10の一方の面との間に形成される
空間33に対応している。
【0029】図8は、本実施の形態に係る弾性表面波装
置が用いられる回路の一例を示すブロック図である。図
8は、デュアルバンド携帯電話のフロントエンドモジュ
ールの回路を示している。このフロントエンドモジュー
ル60は、アンテナに接続されるアンテナ端子61と、
第1のポートがアンテナ端子61に接続されたダイプレ
クサ62とを備えている。ダイプレクサ62は、第1の
ポートの他に第2のポートと第3のポートを有してい
る。ダイプレクサ62は、第2のポートと第3のポート
に入力される送信信号を第1のポートより出力すると共
に、第1のポートに入力される受信信号をその周波数に
応じて第2のポートまたは第3のポートより出力するよ
うになっている。第2のポートは欧州における携帯電話
方式であるGSM(Global System for Mobil Communic
ations)方式の信号(送信周波数925〜960MH
z、受信周波数880〜915MHz)を入出力するよ
うになっている。第3のポートは欧州における携帯電話
方式であるDCS(Digital Cellular System)方式の
信号(送信周波数1805〜1880MHz、受信周波
数1710〜1785MHz)を入出力するようになっ
ている。
【0030】フロントエンドモジュール60は、更に、
GSM方式用の送信信号入力端子63と、GSM方式用
の受信信号出力端子64と、DCS方式用の送信信号入
力端子65と、DCS方式用の受信信号出力端子66と
を備えている。フロントエンドモジュール60は、更
に、可動接点がダイプレクサ62の第2のポートに接続
された高周波(以下、RFと記す。)スイッチ67と、
入力端が入力端子63に接続され、出力端がRFスイッ
チ67の送信信号側(図8ではTxで示す。)の固定接
点に接続されたローパスフィルタ(以下、LPFと記
す。)68と、入力端がRFスイッチ67の受信信号側
(図8ではRxで示す。)の固定接点に接続され、出力
端が出力端子64に接続されたバンドパスフィルタ(以
下、BPFと記す。)69とを備えている。フロントエ
ンドモジュール60は、更に、可動接点がダイプレクサ
62の第3のポートに接続されたRFスイッチ70と、
入力端が入力端子65に接続され、出力端がRFスイッ
チ70の送信信号側の固定接点に接続されたLPF71
と、入力端がRFスイッチ70の受信信号側の固定接点
に接続され、出力端が出力端子66に接続されたBPF
72とを備えている。
【0031】本実施の形態に係る弾性表面波装置は、例
えば、図8に示したフロントエンドモジュール60にお
けるBPF69,72に用いられる。
【0032】次に、図1および図3ないし図6を参照し
て、本実施の形態に係る弾性表面波装置の製造方法につ
いて説明する。図3は弾性表面波装置の製造方法におけ
る一工程を示す斜視図、図4は図3に続く工程を示す斜
視図である。なお、図3および図4は、1つの弾性表面
波装置に対応する部分のみを示している。また、図5お
よび図6は、それぞれ弾性表面波装置の集合状態を示す
断面図である。なお、図5は集合基板の面に平行な断面
を示し、図6は集合基板の面に垂直な断面を示してい
る。
【0033】本実施の形態に係る弾性表面波装置の製造
方法では、複数の弾性表面波素子についての封止処理を
同時に行う。そのため、本実施の形態では、図1および
図6に示したように、複数の実装基板10となる部分を
含む集合基板40を用いる。図1に示したように、集合
基板40には、各実装基板10となる部分において、そ
れぞれ一方の面(図1における上側の面)において露出
する導体パターン11が形成されている。
【0034】弾性表面波装置の製造方法は、以下の第1
ないし第3の工程を備えている。第1の工程は、集合基
板40に対して、弾性表面波素子20の櫛形電極22と
集合基板40の一方の面とが対向し且つ両者の間に空間
33が形成されるように複数の弾性表面波素子20を配
置し、フリップチップボンディングによって各弾性表面
波素子20の接続電極24と集合基板40の各導体パタ
ーン11とを電気的に接続する。
【0035】第2の工程は、第1の工程と並行して、あ
るいは第1の工程の後に、櫛形電極22と集合基板40
の一方の面との間に形成される空間33を除いて弾性表
面波素子20を覆うように封止材50を配置して、弾性
表面波素子20を封止する。図1、図5および図6は、
この第2の工程終了後の状態、すなわち弾性表面波装置
の集合状態を示している。
【0036】第3の工程は、弾性表面波素子20が封止
された後の集合基板40および封止材50を、隣接する
弾性表面波素子20の間において切断して、複数の弾性
表面波装置を形成する。図1、図5および図6におい
て、符号41は、集合基板40および封止材50の切断
位置を示している。集合基板40は、切断されることに
より、個々の封止基板10となる。封止材50は、切断
されることにより、個々の封止部30となる。このよう
にして形成された弾性表面波装置では、実装基板10お
よび封止部30は、それぞれ、切断によって形成されて
同一の平面を構成する側面10a,30aを有すること
なる。また、これらの側面10a,30aは、弾性表面
波装置の側面となる。
【0037】なお、第1の工程において、接続電極24
と導体パターン11との電気的な接続の方法は任意であ
る。例えば、接続電極24として半田バンプや金バンプ
等を用いて、接続電極24と導体パターン11とを溶着
してもよい。あるいは、接続電極24と導体パターン1
1とを接触させた状態で、接続電極24の近傍におい
て、弾性表面波素子20と集合基板40との間に接着用
の樹脂を介在させ、この接着用の樹脂を熱等によって収
縮および硬化させることによって、接続電極24と導体
パターン11とを電気的に接続するようにしてもよい。
後者の方法の場合、封止材としての樹脂が接着用の樹脂
を兼ねるようにすれば、第2の工程を第1の工程と並行
して行うことが可能である。
【0038】第2の工程は、例えば、封止材としての樹
脂を、櫛形電極22と集合基板40の一方の面との間に
形成される空間33を除いて弾性表面波素子20を覆う
ように配置する工程と、この樹脂を硬化させる工程とを
含む。この場合の封止材としての樹脂は、硬化処理前
は、流動性を有すると共に空間33内に容易には入り込
まないような適当な粘性を有し、硬化処理によって硬化
および乾燥する樹脂である。樹脂を配置することは、例
えば、複数の弾性表面波素子20が実装された集合基板
40上に、樹脂を均一に塗布することによって行われ
る。樹脂の硬化処理は、例えば、加熱と紫外線照射の少
なくとも一方を用いて行われる。
【0039】上述のようにして樹脂を配置し、硬化させ
る場合には、櫛形電極22と集合基板40の一方の面と
の間に形成される空間33に樹脂が入り込まないよう
に、弾性表面波素子20と集合基板40との間の隙間の
大きさや、樹脂の温度流動性を最適化する。更に、樹脂
としては、硬化処理時に不純なガスを発生する等の不具
合のない樹脂を選定する。
【0040】また、第2の工程は、集合基板40上にお
いて封止材としての第1の樹脂を少なくとも隣接する弾
性表面波素子20の間に配置する工程と、第1の樹脂の
粘性を高める工程と、弾性表面波素子20を覆うよう
に、第1の樹脂の上に、第1の樹脂と同一のまたは異な
る、封止材としての第2の樹脂を配置する工程と、第1
の樹脂および第2の樹脂を硬化させる工程とを含んでい
てもよい。この場合、第1の樹脂は、硬化処理前には流
動性を有すると共に空間33内に容易には入り込まない
ような適度な粘性を有し、硬化処理によって硬化および
乾燥する樹脂とする。また、弾性表面波素子20と集合
基板40との間の隙間の大きさや、第1の樹脂の温度流
動性を最適化する。第2の樹脂は、硬化処理前は流動性
を有し、硬化処理によって硬化および乾燥する樹脂とす
る。また、第1樹脂および第2の樹脂としては、硬化処
理時に不純なガスを発生する等の不具合のない樹脂を選
定する。
【0041】第1の樹脂や第2の樹脂を配置すること
は、例えば第1の樹脂または第2の樹脂を塗布すること
によって行われる。第1の樹脂の粘性を高める工程は、
例えば、第1の樹脂がゲル化あるいは完全に硬化するよ
うに、加熱と紫外線照射の少なくとも一方を用いて行わ
れる。第2の樹脂の硬化処理は、例えば、加熱と紫外線
照射の少なくとも一方を用いて行われる。このような方
法によれば、第1の樹脂の配置後、速やかに、第1の樹
脂の粘性を高める処理を行うことができるので、櫛形電
極22と集合基板40の一方の面との間に形成される空
間33に第1の樹脂が入り込むことを容易に防止するこ
とができる。
【0042】以上説明したように、本実施の形態に係る
弾性表面波装置およびその製造方法では、フリップチッ
プボンディングによって各弾性表面波素子20の接続電
極24と実装基板10の各導体パターン11とが電気的
に接続され、櫛形電極22と実装基板10の一方の面と
の間に形成される空間33を除いて弾性表面波素子20
を覆うように配置された封止材よりなる封止部30によ
って弾性表面波素子20が封止される。
【0043】このように、本実施の形態によれば、フリ
ップチップボンディングを用いることによって弾性表面
波装置の高さを小さくすることができると共に、予め所
定の形状に形成されたパッケージ部材を用いずに弾性表
面波素子20を封止するので、パッケージ部材を用いる
場合に比べて、弾性表面波装置の実装面積および高さを
小さくすることができる。従って、本実施の形態によれ
ば、弾性表面波装置をCSPのように小型化することが
可能になる。
【0044】また、本実施の形態に係る弾性表面波装置
の製造方法によれば、集合基板40上に複数の弾性表面
波素子20を配置し、各弾性表面波素子20の接続電極
24と集合基板40の各導体パターン11との電気的な
接続と、封止材50による各弾性表面波素子20の封止
とを行った後、集合基板40および封止材50を、隣接
する弾性表面波素子20の間において切断して、複数の
弾性表面波装置を形成するようにしたので、効率よく弾
性表面波装置を製造することができる。
【0045】また、本実施の形態に係る弾性表面波装置
およびその製造方法によれば、弾性表面波装置の実装基
板10および封止部30は、切断によって形成されて同
一の平面を構成する側面10a,30aを有し、この側
面10a,30aが弾性表面波装置の側面を構成するこ
とになる。従って、本実施の形態によれば、弾性表面波
装置の側面は平面となるので、弾性表面波装置の側面が
平面ではない場合に比べて、弾性表面波装置の取り扱い
が容易になる。
【0046】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々の変更が可能である。例えば、櫛形電極、
導体パターンおよび接続電極のパターンは、図7に示し
た例に限らず、任意に設計可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし3
のいずれかに記載の弾性表面波装置の製造方法によれ
ば、フリップチップボンディングを用いることによって
弾性表面波装置の高さを小さくすることができると共
に、予め所定の形状に形成されたパッケージ部材を用い
ずに弾性表面波素子を封止するので、パッケージ部材を
用いる場合に比べて、弾性表面波装置の実装面積および
高さを小さくすることができる。従って、本発明によれ
ば、弾性表面波装置の小型化が可能になるという効果を
奏する。更に、本発明によれば、集合基板上に複数の弾
性表面波素子を配置し、各弾性表面波素子の接続電極と
集合基板の各導体パターンとの電気的な接続と、各弾性
表面波素子の封止とを行った後、集合基板および封止材
を、隣接する弾性表面波素子の間において切断して、複
数の弾性表面波装置を形成するようにしたので、弾性表
面波装置を効率よく製造することができるという効果を
奏する。更に、本発明によれば、製造された弾性表面波
装置において、実装基板および封止部は、切断によって
形成されて同一の平面を構成する側面を有することとな
るので、弾性表面波装置の取り扱いが容易になるという
効果を奏する。
【0048】また、請求項4または5記載の弾性表面波
装置によれば、フリップチップボンディングを用いるこ
とによって弾性表面波装置の高さを小さくすることがで
きると共に、予め所定の形状に形成されたパッケージ部
材を用いずに弾性表面波素子を封止するので、パッケー
ジ部材を用いる場合に比べて、弾性表面波装置の実装面
積および高さを小さくすることができる。従って、本発
明によれば、弾性表面波装置の小型化が可能になるとい
う効果を奏する。更に、本発明によれば、弾性表面波装
置の実装基板および封止部は、切断によって形成されて
同一の平面を構成する側面を有するので、弾性表面波装
置の取り扱いが容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置を
示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置を
示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置の
製造方法における一工程を示す斜視図である。
【図4】図3に続く工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置の
集合状態を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置の
集合状態を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態における弾性表面波素子
の一方の面に形成される櫛形電極、導体パターンおよび
接続電極のパターンの一例を示す平面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る弾性表面波装置が
用いられる回路の一例を示すブロック図である。
【図9】従来の弾性表面波装置の構造の一例を示す断面
図である。
【図10】従来の弾性表面波装置の構造の他の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
10…実装基板、10a…側面、11…導体パターン、
20…弾性表面波素子、21…圧電基板、22…櫛形電
極、23…導体パターン、24…接続電極、30…封止
部、30a…側面、33…空間、40…集合基板、41
…切断位置、50…封止材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 信也 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA29 AA34 HA04 HA07 HA08 JJ03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 櫛形電極と接続電極とを有する弾性表面
    波素子が、導体パターンを有する実装基板上に実装さ
    れ、弾性表面波素子の接続電極と実装基板の導体パター
    ンが電気的に接続され、且つ弾性表面波素子が封止され
    た構造を有する弾性表面波装置の製造方法であって、 それぞれ一方の面において露出する導体パターンを有す
    る複数の実装基板となる部分を含む集合基板に対して、
    弾性表面波素子の櫛形電極と前記集合基板の一方の面と
    が対向し且つ両者の間に空間が形成されるように複数の
    弾性表面波素子を配置し、フリップチップボンディング
    によって各弾性表面波素子の接続電極と前記集合基板の
    各導体パターンとを電気的に接続する工程と、 前記接続する工程と並行して、あるいは前記接続する工
    程の後に、前記櫛形電極と前記集合基板の一方の面との
    間に形成される空間を除いて前記弾性表面波素子を覆う
    ように封止材を配置して、前記弾性表面波素子を封止す
    る工程と、 前記弾性表面波素子が封止された後の集合基板および封
    止材を、隣接する弾性表面波素子の間において切断し
    て、複数の弾性表面波装置を形成する工程とを備えたこ
    とを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封止する工程は、前記封止材として
    の樹脂を前記弾性表面波素子を覆うように配置する工程
    と、前記樹脂を硬化させる工程とを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の弾性表面波装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記封止する工程は、前記封止材として
    の第1の樹脂を少なくとも隣接する弾性表面波素子の間
    に配置する工程と、前記第1の樹脂の粘性を高める工程
    と、前記弾性表面波素子を覆うように、前記第1の樹脂
    の上に、第1の樹脂と同一のまたは異なる、前記封止材
    としての第2の樹脂を配置する工程と、前記第1の樹脂
    および第2の樹脂を硬化させる工程とを含むことを特徴
    とする請求項1記載の弾性表面波装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 一方の面において露出する導体パターン
    を有する実装基板と、 一方の面において櫛形電極と接続電極とを有し、前記櫛
    形電極と前記実装基板の一方の面とが対向し且つ両者の
    間に空間が形成されるように実装基板上に実装され、フ
    リップチップボンディングによって前記接続電極が前記
    実装基板の導体パターンに電気的に接続された弾性表面
    波素子と、 前記櫛形電極と前記実装基板の一方の面との間に形成さ
    れる空間を除いて前記弾性表面波素子を覆うように配置
    された封止材よりなり、前記弾性表面波素子を封止する
    封止部とを備え、 前記実装基板および封止部は、切断によって形成されて
    同一の平面を構成する側面を有することを特徴とする弾
    性表面波装置。
  5. 【請求項5】 前記封止材は、硬化処理前は流動性を有
    し、硬化処理によって硬化する樹脂であることを特徴と
    する請求項4記載の弾性表面波装置。
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