JP2002100365A - 蓄電池用圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents
蓄電池用圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池Info
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- JP2002100365A JP2002100365A JP2000290380A JP2000290380A JP2002100365A JP 2002100365 A JP2002100365 A JP 2002100365A JP 2000290380 A JP2000290380 A JP 2000290380A JP 2000290380 A JP2000290380 A JP 2000290380A JP 2002100365 A JP2002100365 A JP 2002100365A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 蓄電池用格子に用いる鉛−アンチモン合金の
表面層を形成した鉛−カルシウム合金を母材とする蓄電
池用圧延鉛合金シートにおいて、母材の鉛−カルシウム
合金と表面層の鉛−アンチモン合金との密着性を改善
し、この蓄電池用圧延鉛合金シートから得た格子体を備
えた鉛蓄電池において、安定した寿命特性を得ること。 【解決手段】 鉛−カルシウム合金からなる鉛合金シー
トの表面に鉛−アンチモン合金箔を圧着圧延して一体化
した蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて、鉛−アンチモ
ン合金箔の引張り強度は16N/mm2以上のものを用
いる。
表面層を形成した鉛−カルシウム合金を母材とする蓄電
池用圧延鉛合金シートにおいて、母材の鉛−カルシウム
合金と表面層の鉛−アンチモン合金との密着性を改善
し、この蓄電池用圧延鉛合金シートから得た格子体を備
えた鉛蓄電池において、安定した寿命特性を得ること。 【解決手段】 鉛−カルシウム合金からなる鉛合金シー
トの表面に鉛−アンチモン合金箔を圧着圧延して一体化
した蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて、鉛−アンチモ
ン合金箔の引張り強度は16N/mm2以上のものを用
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池の格子体に
用いる圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池に関す
るものである。
用いる圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用蓄電池は使用者のメンテ
ナンスを軽減するために自己放電が小さく、減液量の少
ない、鉛−カルシウム系合金を正・負両極に用いたいわ
ゆるカルシウム電池が普及し始めた。また、生産方式も
従来の鋳造方式から生産性の高い圧延シートを用いるエ
キスパンド方式が主流になりつつある。
ナンスを軽減するために自己放電が小さく、減液量の少
ない、鉛−カルシウム系合金を正・負両極に用いたいわ
ゆるカルシウム電池が普及し始めた。また、生産方式も
従来の鋳造方式から生産性の高い圧延シートを用いるエ
キスパンド方式が主流になりつつある。
【0003】この、鉛−カルシウム系合金製のエキスパ
ンド格子を用いた電池が普及するとともに、その弱点に
も改良が加えられてきた。例えば、特開昭63−148
556号公報および特開昭61−124064号公報に
はカルシウム電池の弱点である高温寿命特性あるいは過
放電放置後の充電受入性を改善するために鉛−カルシウ
ム合金格子表面に鉛−スズ合金層や鉛−アンチモン合金
層を形成し、格子と活物質との密着性を高める手段が開
示されている。
ンド格子を用いた電池が普及するとともに、その弱点に
も改良が加えられてきた。例えば、特開昭63−148
556号公報および特開昭61−124064号公報に
はカルシウム電池の弱点である高温寿命特性あるいは過
放電放置後の充電受入性を改善するために鉛−カルシウ
ム合金格子表面に鉛−スズ合金層や鉛−アンチモン合金
層を形成し、格子と活物質との密着性を高める手段が開
示されている。
【0004】しかしながら、近年、自動車のエレクトロ
ニクス化がさらに進み、蓄電池にかかる負荷はより大き
く増えるとともに、より高温雰囲気下で使用される傾向
にある。そのため、前記したような格子表面に鉛−アン
チモン合金層を形成する対策を講じてもなお、短寿命に
至る蓄電池があった。
ニクス化がさらに進み、蓄電池にかかる負荷はより大き
く増えるとともに、より高温雰囲気下で使用される傾向
にある。そのため、前記したような格子表面に鉛−アン
チモン合金層を形成する対策を講じてもなお、短寿命に
至る蓄電池があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような短寿命の要
因について分析を行ったところ、鉛−カルシウム合金母
材表面上に形成された鉛−アンチモン合金層の形成状態
のばらつきによっては鉛−カルシウム母材と鉛−アンチ
モン合金層との密着が不十分な場合があり、このような
場合に蓄電池が短寿命に至ることがわかってきた。
因について分析を行ったところ、鉛−カルシウム合金母
材表面上に形成された鉛−アンチモン合金層の形成状態
のばらつきによっては鉛−カルシウム母材と鉛−アンチ
モン合金層との密着が不十分な場合があり、このような
場合に蓄電池が短寿命に至ることがわかってきた。
【0006】本発明はこのような蓄電池用格子に用いる
鉛−アンチモン合金の表面層を形成した鉛−カルシウム
合金を母材とする蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて母
材の鉛−カルシウム合金と表面層の鉛−アンチモン合金
との密着性を改善し、この蓄電池用圧延合金シートから
得た格子体を備えた鉛蓄電池において、安定した寿命特
性を得ることを目的とする。
鉛−アンチモン合金の表面層を形成した鉛−カルシウム
合金を母材とする蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて母
材の鉛−カルシウム合金と表面層の鉛−アンチモン合金
との密着性を改善し、この蓄電池用圧延合金シートから
得た格子体を備えた鉛蓄電池において、安定した寿命特
性を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために本発明の請求項1記載に係る発明は、蓄電池格子
体に用いる鉛−カルシウム合金からなる鉛合金シートの
表面に鉛−アンチモン合金箔を圧着圧延して両合金を一
体化した蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて、前記鉛−
アンチモン合金箔の引張り強度を16N/mm2以上で
することを示したものである。
ために本発明の請求項1記載に係る発明は、蓄電池格子
体に用いる鉛−カルシウム合金からなる鉛合金シートの
表面に鉛−アンチモン合金箔を圧着圧延して両合金を一
体化した蓄電池用圧延鉛合金シートにおいて、前記鉛−
アンチモン合金箔の引張り強度を16N/mm2以上で
することを示したものである。
【0008】本発明の請求項2記載に係る発明は、請求
項1に記載の構成を有する圧延鉛合金シートにおいて引
張り強度が16N/mm2未満である鉛−アンチモン合
金箔を加熱処理およびまたは放置処理により時効硬化さ
せて、その強度を16N/mm2とすることを示したも
のである。
項1に記載の構成を有する圧延鉛合金シートにおいて引
張り強度が16N/mm2未満である鉛−アンチモン合
金箔を加熱処理およびまたは放置処理により時効硬化さ
せて、その強度を16N/mm2とすることを示したも
のである。
【0009】本発明の請求項3記載に係る発明は、請求
項1もしくは2に記載の構成を有する蓄電池用圧延鉛合
金シートからなる正極格子体を備えた鉛蓄電池を示した
ものである。
項1もしくは2に記載の構成を有する蓄電池用圧延鉛合
金シートからなる正極格子体を備えた鉛蓄電池を示した
ものである。
【0010】本発明の請求項4記載に係る発明は、請求
項3に記載の構成を有する鉛蓄電池において、前記正極
格子体はエキスパンド加工等の塑性変形を伴う加工によ
り形成された鉛蓄電池を示したものである。
項3に記載の構成を有する鉛蓄電池において、前記正極
格子体はエキスパンド加工等の塑性変形を伴う加工によ
り形成された鉛蓄電池を示したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
て説明する。
【0012】鉛−カルシウム系合金としての鉛−カルシ
ウム−スズ合金を調整した。この合金は実質上アンチモ
ンを含有しないものの、不可避の不純物として0.00
5質量%〜0.0001質量%程度アンチモンが通常含
有されている。またカルシウムは0.04質量%〜0.
1質量%、スズについては0.3質量%〜2.0質量%
含有させることが通常行われている。
ウム−スズ合金を調整した。この合金は実質上アンチモ
ンを含有しないものの、不可避の不純物として0.00
5質量%〜0.0001質量%程度アンチモンが通常含
有されている。またカルシウムは0.04質量%〜0.
1質量%、スズについては0.3質量%〜2.0質量%
含有させることが通常行われている。
【0013】図1に示したようにこの合金の溶湯1を連
続鋳造機2に供給して連続帯状の鋳造スラブ3を作製す
る。この鋳造スラブ3の表面に鉛−アンチモン合金箔4
(圧延箔)を重ね合わせて両者を多段階の圧延ローラ5
で圧延一体化して蓄電池用圧延鉛合金シート6を得る。
ここで鉛−アンチモン合金箔4は格子目となる部分に圧
着すればよいので、この部分の幅寸法に応じて鉛−アン
チモン合金箔4の幅寸法を設定すればよい。例えば蓄電
池用圧延鉛合金シート6の両側部にエキスパンド加工を
行う場合、蓄電池用圧延鉛合金シート6の中央部に図2
に示したように非展開部7を設定し、この非展開部7を
残して2本の鉛−アンチモン合金箔4を圧着すればよ
い。
続鋳造機2に供給して連続帯状の鋳造スラブ3を作製す
る。この鋳造スラブ3の表面に鉛−アンチモン合金箔4
(圧延箔)を重ね合わせて両者を多段階の圧延ローラ5
で圧延一体化して蓄電池用圧延鉛合金シート6を得る。
ここで鉛−アンチモン合金箔4は格子目となる部分に圧
着すればよいので、この部分の幅寸法に応じて鉛−アン
チモン合金箔4の幅寸法を設定すればよい。例えば蓄電
池用圧延鉛合金シート6の両側部にエキスパンド加工を
行う場合、蓄電池用圧延鉛合金シート6の中央部に図2
に示したように非展開部7を設定し、この非展開部7を
残して2本の鉛−アンチモン合金箔4を圧着すればよ
い。
【0014】ここで鉛アンチモン合金箔4としてはアン
チモン含有量1〜10質量%のものが用いられる。また
このアンチモンに加えて特に電池の過放電放置後の受電
受入性を改善するために5質量%程度のスズを添加する
こともできる。
チモン含有量1〜10質量%のものが用いられる。また
このアンチモンに加えて特に電池の過放電放置後の受電
受入性を改善するために5質量%程度のスズを添加する
こともできる。
【0015】本発明の蓄電池用圧延鉛合金シートにおい
ては表面に圧着する鉛−アンチモン合金箔4の引張り強
度が16N/mm2以上となるように構成する。圧着す
る鉛−アンチモン合金箔4の引張り強度をこのような値
とすることにより、鉛−アンチモン合金の表面層が鉛−
カルシウム合金上で均一でかつ平滑に形成され、両者間
の密着性も良好なものとすることができる。鉛−アンチ
モン合金箔の引張り強度が16N/mm2未満となった
場合には鱗片状の鉛−アンチモン合金層が鉛−カルシウ
ム合金上に重ね合った状態で形成される。このような蓄
電池用圧延鉛合金シートから得た格子体を鉛蓄電池の正
極に用いた場合には、格子体と活物質間の密着性が損な
われる結果、電池の寿命が低下してしまう。また、例え
ばエキスパンド法のように格子体を形成する過程で蓄電
池用圧延鉛合金シートに塑性変形を伴う加工を施す場
合、この塑性変形の段階で鉛−アンチモン合金の鱗片同
士が引き剥がされて蓄電池用圧延鉛合金シート表面から
脱落したりするので、本発明の構成が鉛−アンチモン合
金箔と母材の鉛−カルシウム合金との密着性を高め、安
定して良好な蓄電池寿命特性を得る上で必要となる。
ては表面に圧着する鉛−アンチモン合金箔4の引張り強
度が16N/mm2以上となるように構成する。圧着す
る鉛−アンチモン合金箔4の引張り強度をこのような値
とすることにより、鉛−アンチモン合金の表面層が鉛−
カルシウム合金上で均一でかつ平滑に形成され、両者間
の密着性も良好なものとすることができる。鉛−アンチ
モン合金箔の引張り強度が16N/mm2未満となった
場合には鱗片状の鉛−アンチモン合金層が鉛−カルシウ
ム合金上に重ね合った状態で形成される。このような蓄
電池用圧延鉛合金シートから得た格子体を鉛蓄電池の正
極に用いた場合には、格子体と活物質間の密着性が損な
われる結果、電池の寿命が低下してしまう。また、例え
ばエキスパンド法のように格子体を形成する過程で蓄電
池用圧延鉛合金シートに塑性変形を伴う加工を施す場
合、この塑性変形の段階で鉛−アンチモン合金の鱗片同
士が引き剥がされて蓄電池用圧延鉛合金シート表面から
脱落したりするので、本発明の構成が鉛−アンチモン合
金箔と母材の鉛−カルシウム合金との密着性を高め、安
定して良好な蓄電池寿命特性を得る上で必要となる。
【0016】鉛−アンチモン合金の引張り強度が16N
/mm2に満たない場合には鉛−アンチモン合金を時効
硬化させて強度を高めてから用いればよい。時効硬化を
起こすためにはある期間放置すればよい。また放電中の
雰囲気温度を高めることにより放置期間を短縮すること
ができる。
/mm2に満たない場合には鉛−アンチモン合金を時効
硬化させて強度を高めてから用いればよい。時効硬化を
起こすためにはある期間放置すればよい。また放電中の
雰囲気温度を高めることにより放置期間を短縮すること
ができる。
【0017】本発明の蓄電池用圧延鉛合金シートをパン
チング加工もしくはエキスパンド加工等の加工を施して
網目部を形成したものを正極格子体として用いれば本発
明の鉛蓄電池を構成することができる。前記したよう
に、エキスパンド格子のように塑性変形を経て得られる
格子を用いる場合に格子と鉛−アンチモン合金との間の
密着性が大きく寿命特性に影響するので、本発明の構成
はこのようなエキスパンド格子を用いた鉛蓄電池を適用
することにより、顕著な効果を得ることができる。
チング加工もしくはエキスパンド加工等の加工を施して
網目部を形成したものを正極格子体として用いれば本発
明の鉛蓄電池を構成することができる。前記したよう
に、エキスパンド格子のように塑性変形を経て得られる
格子を用いる場合に格子と鉛−アンチモン合金との間の
密着性が大きく寿命特性に影響するので、本発明の構成
はこのようなエキスパンド格子を用いた鉛蓄電池を適用
することにより、顕著な効果を得ることができる。
【0018】
【実施例】次に鉛−アンチモン合金の圧延箔を幅寸法が
26mm、厚み寸法が0.2mmとして作製し、圧延後
の放置時間を変化させて種々の引張り強度のものを作製
した。これらの鉛−アンチモン合金箔としては鉛−8質
量%アンチモンのものと鉛−5質量%アンチモン−5質
量%スズのものを作製した。これらの鉛−アンチモン合
金箔を図1に示したと同様な方法で鉛−0.06質量%
カルシウム−1.4質量%スズ合金製(幅80mm、厚
みが10mm)の鋳造スラブ上に重ね合わせて圧延一体
化し、両者端をトリミングして幅が78mm、厚みが
1.0mmの蓄電池用圧延鉛合金シートを得た。
26mm、厚み寸法が0.2mmとして作製し、圧延後
の放置時間を変化させて種々の引張り強度のものを作製
した。これらの鉛−アンチモン合金箔としては鉛−8質
量%アンチモンのものと鉛−5質量%アンチモン−5質
量%スズのものを作製した。これらの鉛−アンチモン合
金箔を図1に示したと同様な方法で鉛−0.06質量%
カルシウム−1.4質量%スズ合金製(幅80mm、厚
みが10mm)の鋳造スラブ上に重ね合わせて圧延一体
化し、両者端をトリミングして幅が78mm、厚みが
1.0mmの蓄電池用圧延鉛合金シートを得た。
【0019】この蓄電池用圧延鉛合金シート表面の鉛−
アンチモン合金箔を圧着した部分を光学顕微鏡で観察し
た。その結果を表1に示す。なお、鉛−アンチモン合金
箔を圧着した部分が均一でかつ平滑な金属光沢を有して
いる場合には○を、この部分が鉛−アンチモン合金層が
鱗片が重なり合った状態となり、平滑な表面でない場合
は×を表記した。
アンチモン合金箔を圧着した部分を光学顕微鏡で観察し
た。その結果を表1に示す。なお、鉛−アンチモン合金
箔を圧着した部分が均一でかつ平滑な金属光沢を有して
いる場合には○を、この部分が鉛−アンチモン合金層が
鱗片が重なり合った状態となり、平滑な表面でない場合
は×を表記した。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示した結果から、圧着する鉛−アン
チモン合金箔の引張り強度を16N/mm2以上とする
ことにより、鉛−アンチモン合金箔を平滑で均一な状態
に圧着した蓄電池用圧延鉛合金シートを鋳造できること
がわかる。
チモン合金箔の引張り強度を16N/mm2以上とする
ことにより、鉛−アンチモン合金箔を平滑で均一な状態
に圧着した蓄電池用圧延鉛合金シートを鋳造できること
がわかる。
【0022】次に、表1に示した蓄電池用圧延鉛合金シ
ートからロータリーエキスパンド法により形成した正極
格子体を用いて正極板を作製した。またさらに表1の蓄
電池用圧延鉛合金シートに関して図3に示すようにシー
ト幅を110mmに変更するとともに、鉛−アンチモン
合金箔4’の幅を88mmに変更した蓄電池用圧延鉛合
金シート6’を作製し、パンチング(打ち抜き)により
矩形状の開口部8を形成したものを正極格子体とした正
極板を作製した。
ートからロータリーエキスパンド法により形成した正極
格子体を用いて正極板を作製した。またさらに表1の蓄
電池用圧延鉛合金シートに関して図3に示すようにシー
ト幅を110mmに変更するとともに、鉛−アンチモン
合金箔4’の幅を88mmに変更した蓄電池用圧延鉛合
金シート6’を作製し、パンチング(打ち抜き)により
矩形状の開口部8を形成したものを正極格子体とした正
極板を作製した。
【0023】これらのエキスパンド格子体を用いた正極
板、パンチングによる格子体を用いた正極板にそれぞれ
従来の負極板を用いて鉛蓄電池を作製した。なお、これ
らの電池は正極板5枚と、微孔性ポリエチレンセパレー
タで袋詰めした負極板6枚とで構成された極板群を有し
ており、それぞれ公称電圧12V、5時間率定格容量4
8Ahである。
板、パンチングによる格子体を用いた正極板にそれぞれ
従来の負極板を用いて鉛蓄電池を作製した。なお、これ
らの電池は正極板5枚と、微孔性ポリエチレンセパレー
タで袋詰めした負極板6枚とで構成された極板群を有し
ており、それぞれ公称電圧12V、5時間率定格容量4
8Ahである。
【0024】そして、これらの蓄電池を75℃気相雰囲
気中で、軽負荷寿命試験(JIS−D5301)を行っ
た。なお、試験数はそれぞれの蓄電池について数を5個
とした。これらの結果を図4および図5に示す。なお、
図4および図5では横軸に鉛−アンチモン合金の引張り
強度、縦軸を寿命サイクル数とし、箔の組成として鉛−
8質量%アンチモンのものを用いた結果を図4に、鉛−
5質量%アンチモン−5質量%スズのものを用いた結果
を図5に示した。
気中で、軽負荷寿命試験(JIS−D5301)を行っ
た。なお、試験数はそれぞれの蓄電池について数を5個
とした。これらの結果を図4および図5に示す。なお、
図4および図5では横軸に鉛−アンチモン合金の引張り
強度、縦軸を寿命サイクル数とし、箔の組成として鉛−
8質量%アンチモンのものを用いた結果を図4に、鉛−
5質量%アンチモン−5質量%スズのものを用いた結果
を図5に示した。
【0025】図4および図5に示した結果から明らかな
ように鉛−アンチモン合金箔の引張り強度が16N/m
m2以上の領域で安定して良好な寿命特性が得られるこ
とがわかる。また、この傾向は鉛−アンチモン合金箔中
のスズの有無に大きく影響されるものではないことがわ
かる。
ように鉛−アンチモン合金箔の引張り強度が16N/m
m2以上の領域で安定して良好な寿命特性が得られるこ
とがわかる。また、この傾向は鉛−アンチモン合金箔中
のスズの有無に大きく影響されるものではないことがわ
かる。
【0026】また、格子体の製造方法としては塑性変形
を伴うエキスパンド格子を用いた蓄電池が塑性変形を伴
わないパンチング(打ち抜き加工)による格子体を用い
た蓄電池に比較して鉛−アンチモン合金箔の引張り強度
の寿命特性に及ぼす影響がより大きいものとなってい
る。これは蓄電池用圧延鉛合金シート母材との密着が不
十分である鉛−アンチモン合金箔がエキスパンド加工に
おいて塑性変形が進行する過程で剥離が進行したことに
よると推測される。よって、鉛−アンチモン合金箔の引
張り強度が寿命特性に及ぼす影響のより顕著なエキスパ
ンド格子を用いる鉛蓄電池に本発明の構成を適用すれ
ば、より本発明の効果を顕著に得ることができる。
を伴うエキスパンド格子を用いた蓄電池が塑性変形を伴
わないパンチング(打ち抜き加工)による格子体を用い
た蓄電池に比較して鉛−アンチモン合金箔の引張り強度
の寿命特性に及ぼす影響がより大きいものとなってい
る。これは蓄電池用圧延鉛合金シート母材との密着が不
十分である鉛−アンチモン合金箔がエキスパンド加工に
おいて塑性変形が進行する過程で剥離が進行したことに
よると推測される。よって、鉛−アンチモン合金箔の引
張り強度が寿命特性に及ぼす影響のより顕著なエキスパ
ンド格子を用いる鉛蓄電池に本発明の構成を適用すれ
ば、より本発明の効果を顕著に得ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の構成によれば鉛
蓄電池用格子体に用いる鉛−アンチモン合金の表面層を
形成をした鉛−カルシウム合金を母材とする蓄電池用圧
延鉛合金シートにおいて母材の鉛−カルシウム合金と表
面層の鉛−アンチモン合金との密着性を改善することが
できるとともに、この蓄電池用圧延鉛合金シートから得
た格子体を正極に用いることにより安定した寿命特性を
有した鉛蓄電池を得ることができ、工業上、極めて有用
である。
蓄電池用格子体に用いる鉛−アンチモン合金の表面層を
形成をした鉛−カルシウム合金を母材とする蓄電池用圧
延鉛合金シートにおいて母材の鉛−カルシウム合金と表
面層の鉛−アンチモン合金との密着性を改善することが
できるとともに、この蓄電池用圧延鉛合金シートから得
た格子体を正極に用いることにより安定した寿命特性を
有した鉛蓄電池を得ることができ、工業上、極めて有用
である。
【図1】蓄電池用圧延鉛合金シートの製造工程を示す図
【図2】蓄電池用圧延鉛合金シート上に鉛−アンチモン
合金箔を圧着した状態を示す図
合金箔を圧着した状態を示す図
【図3】蓄電池用圧延鉛合金シート上に鉛−アンチモン
合金箔を圧着した状態を示す図
合金箔を圧着した状態を示す図
【図4】実施例における75℃軽負荷寿命サイクル数を
示す図
示す図
【図5】実施例における75℃軽負荷寿命サイクル数を
示す図
示す図
1 溶湯 2 連続鋳造機 3 鋳造スラブ 4,4’ 鉛−アンチモン合金箔 5 圧延ローラ 6,6’ 蓄電池用圧延鉛合金シート 7 非展開部 8 開口部
Claims (4)
- 【請求項1】 鉛−カルシウム合金からなる鉛合金シー
トの表面に鉛−アンチモン合金箔を圧着圧延して前記鉛
合金シートと前記鉛−アンチモン合金箔を一体化した蓄
電池用圧延鉛合金シートにおいて、前記鉛−アンチモン
合金箔の引張り強度は16N/mm2以上であることを
特徴とする蓄電池用圧延鉛合金シート。 - 【請求項2】 引張り強度が16N/mm2未満である
鉛−アンチモン合金箔を加熱処理およびまたは放置処理
により時効硬化させて、その強度が16N/mm2以上
とされたことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池用圧
延鉛合金シート。 - 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の蓄電池用圧
延鉛合金シートからなる正極格子体を備えた鉛蓄電池。 - 【請求項4】 前記正極格子体はエキスパンド加工等の
塑性変形を伴う加工により形成された請求項3に記載の
鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000290380A JP2002100365A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 蓄電池用圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000290380A JP2002100365A (ja) | 2000-09-25 | 2000-09-25 | 蓄電池用圧延鉛合金シートとそれを用いた鉛蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002100365A true JP2002100365A (ja) | 2002-04-05 |
Family
ID=18773618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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2000
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