JP2002097572A - 基板ホルダー及び該基板ホルダーを用いた光学部品の製造方法 - Google Patents

基板ホルダー及び該基板ホルダーを用いた光学部品の製造方法

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健 川俣
Nobuyoshi Toyohara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、片面しか成膜の必要がない光学部
品の成膜の場合においても、生産性向上に寄与し得る基
板ホルダーを提供する。 【解決手段】 光学部品の光学機能面に成膜装置により
光学薄膜を形成する際に、前記光学部品を保持する基板
ホルダー9であって、基板室10において光学部品であ
る第一の凹レンズ12の光学機能面に対して成膜領域を
決め成膜領域側から前記第一の凹レンズ12を保持する
第一の基板保持具14と、第二の凹レンズ13の光学機
能面に対して成膜領域を決め成膜領域側から前記第二の
凹レンズ13を保持する第二の基板保持具15と、前記
第一の基板保持具14と前記第二の基板保持具15の間
に介在し、前記第一の凹レンズ12と第二の凹レンズ1
3とを各々成膜領域の反対領域側から保持する第三の基
板保持具16と、第一乃至第三の基板保持具14、1
5、16を一体的に保持する押さえ具とを有するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学部品の製造の
際に用いられる基板ホルダー及び該基板ホルダーを用い
た光学部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズ、プリズムのような光学部
品は、その表面に光学薄膜を形成する場合が多い。特に
レンズは、その透過率を確保するために、レンズの両面
に反射防止膜を形成することが多い。
【0003】ところで、光学部品の表面に反射防止膜等
の光学膜を形成する際には、その高い要求性能を満たす
ために真空蒸着を代表例とするような、真空雰囲気内で
の成膜が行われる。前記真空雰囲気を得るには、通常1
時間程度以上の真空排気が必要であり、前記真空排気の
時間は、光学膜の形成に必要な時間の多くを占めてい
る。
【0004】この真空排気のための必要時間は、前記両
面に反射防止膜を形成するような光学部品を製造しよう
とする場合、製造タクトタイムの多くの部分を占めるこ
とになる。
【0005】前記長い真空排気の時間による時間損失を
小さくし、生産の効率を高めるための方法として、たと
えば実開平6−73156号公報に開示されている同一
バッチ(一度の真空排気)においてその両面の成膜を行
うために反転パレットを用いた方法がある。
【0006】この方法によれば、成膜装置に両面成膜を
行う機構を付加するために装置価格は上昇するが、前記
長時間を要する真空排気は一回行うのみで済み、生産効
率を確実に上げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
6−73156号公報に開示されている反転パレットを
用いた方法では、例えば、接合レンズを構成する接合前
レンズのような、片面しか成膜の必要ない光学部品にお
いては、前記成膜装置における両面成膜の恩恵を受ける
ことができず、生産性を上げることができないという問
題がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、片面しか成膜の必要がない光学部品の成膜の場合に
おいても、生産性向上に寄与し得る基板ホルダーを提供
すること、及び前記基板ホルダーを使用し生産効率の向
上を図ることができる光学部品の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光学部品の光学機能面に成膜装置により光学薄膜を形成
する際に、前記光学部品を保持する基板ホルダーであっ
て、第一の光学部品の光学機能面に対して成膜領域を決
め成膜領域側から前記第一の光学部品を保持する第一の
基板保持具と、第二の光学部品の光学機能面に対して成
膜領域を決め成膜領域側から前記第二の光学部品を保持
する第二の基板保持具と、前記第一の基板保持具と前記
第二の基板保持具の間に介在し、前記第一の光学部品と
前記第二の光学部品とを各々成膜領域の反対領域側から
保持する第三の基板保持具と、前記第一乃至第三の基板
保持具を一体的に保持する押さえ手段とを有することを
特徴とするものである。
【0010】請求項1記載の発明について作用を説明す
る。複数面同時成膜を行うための機構を持たない、通常
の成膜装置を使用して、光学部品の複数の面に対して成
膜を行う場合には、それぞれの面を成膜するために、成
膜基板のセット等の準備工程、真空排気工程、成膜工
程、真空を大気圧に戻す工程を繰り返す必要がある。
【0011】これに対し、複数面同時成膜を行う機構を
持つ成膜装置を使用する場合、前記の工程は、成膜工程
を除き繰り返す必要がないため、光学部品の製造タクト
タイムを短縮できる。
【0012】前記のような複数面同時成膜を行う方法と
しては、複数の成膜源に複数の成膜面が対向するような
装置(たとえば、2個のスパッタリングターゲットを対
向位置に設け、その間に成膜基板を配置したスパッタリ
ング装置)を用いる方法や、成膜基板自体を反転させる
(たとえば、実開平6−73166号公報に開示されて
いるような反転パレットを使用する)方法がある。
【0013】請求項1記載の発明は、第一、第二の基板
保持具の間に第三の基板保持具を挟む形で設けることに
より、片側からの成膜しか必要ない2つの光学部品を、
同一の基板ホルダーに装着することができるようにし
て、恰も複数の成膜面を持つ光学部品のように扱うこと
を可能とするものである。
【0014】即ち、片側からの成膜しか必要ない光学部
品の成膜を、2種類同時に、又は2倍の充填率において
行うことができるようになり、これまで、複数面同時成
膜の可能な成膜装置を用いてもその複数面同時成膜によ
る生産効率向上の恩恵を受けることのできなかった片側
からの成膜しか必要ない光学部品の場合においても、複
数面同時成膜による光学部品の場合と同等の生産性向上
の効果を得ることができる。
【0015】即ち、請求項1記載の発明の基板ホルダー
によれば、前記複数の蒸着源に複数の成膜面が対向する
ような成膜装置においても、また、前記成膜基板自体を
反転させる成膜装置においても、各々利用することがで
き、これにより、光学部品の広範な生産形態において生
産性向上の効果を得ることができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の基
板ホルダーにおいて、前記基板ホルダーは、前記成膜装
置に設けられた基板反転機構により表裏反転可能に支持
可能される表裏反転軸を備えていることを特徴とするも
のである。
【0017】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明を、比較的光学部品表面に光学薄膜を形成する
際に利用しやすく、実際によく利用されている成膜基板
自体を反転させる基板反転機構を持った成膜装置に対し
て適用するものであり、これにより前記基板ホルダーに
より保持した2個の光学部品の各成膜領域に光学薄膜を
順に形成する場合において、容易に生産性向上の効果を
得ることができる。
【0018】請求項3記載の発明は、第一の光学部品の
成膜領域側から第一の基板保持具により、第一の光学部
品の成膜領域反対側から第三の基板保持具により、第一
の光学部品を挟むことで、第一の光学部品を保持すると
ともに、その光学機能面に対して成膜領域を決める工程
と、この第三の基板保持具上に第二の光学部品をその成
膜領域の反対領域を下にして置く工程と、第三の基板保
持具により支持された第二の光学部品の成膜領域側を第
二の基板保持具により挟み込み、前記第一乃至第三の基
板保持具を一体化する工程と、第一乃至第三の基板保持
具により保持された第一、第二の光学部品の各成膜領域
に光学薄膜を同時に又は順に成膜する工程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0019】請求項3記載の発明によれば、前記請求項
1記載の発明の構成を備えた基板ホルダーを用いて、前
記第一、第二の光学部品の各成膜領域に光学薄膜を同時
に又は順に成膜するものであるから、第一、第二の光学
部品を恰も一つの光学部品のような状態で扱い、各成膜
領域に対する成膜を行うことができ、これにより、光学
部品に対する成膜を行う際の効率向上、さらには生産性
向上を図ることができる光学部品の製造方法を提供でき
る。
【0020】これら各発明において、基板ホルダーとし
て表裏一つずつの光学部品を保持する場合にも効果はあ
るが、従来例(実開平6−73166号公報)にあるよ
うに、表裏それぞれ多数の基板室を設け、同時に多数の
光学部品を保持する場合には、より生産性向上の効果が
高くなる。
【0021】また、表裏組み合わされる前記第一の光学
部品と前記第二の光学部品が同一のものであるか、それ
らの径が同一のものである場合、接合レンズの場合と同
様に充填率を上げ易いという利点が生じ、特に効果が高
くなる。
【0022】更に加えるならば、成膜に加熱を要して特
に光学部品が大きい場合、加熱工程と冷却工程に多くの
時間が必要となることから、このような場合に本発明の
基板ホルダー及び光学部品の製造方法の適用による効果
が高くなる。
【0023】具体的には、前記成膜に加熱を要して特に
光学部品が大きい場合、前記排気行程中に並行して行う
前記加熱工程では成膜対象となる光学部品の温度を20
0℃以上の高温に安定させる必要があり、相当の時間を
要する。
【0024】さらに、成膜工程後、真空を大気圧に戻す
工程に移る前に、成膜後の光学部品を一定以下の温度に
まで冷却しておかないと、前記真空を大気圧に戻す工程
において前記光学部品が急冷されて光学部品に割れが生
じる場合があるため、前記冷却時間にも相当の時間を要
することから、本発明による光学部品の充填率の向上に
より高い効果を得ることができる。
【0025】また、本発明で用いる第3の基板保持具の
役割は、前記第1の光学部品と、第二の光学部品を、そ
れぞれ第一の基板保持具、第二の基板保持具と対になっ
て保持することであるから、これは一体のものに限定さ
れず、必要に応じて、二体以上の分離した形態をなす場
合もあり、このような構成でも同様の効果を得ることが
可能である。また、本発明で用いる第一乃至第三の基板
保持具を一体的に保持する押さえ手段は、クリップのよ
うに押さえ具として一つの体をなす場合や、第一乃至第
三の基板保持具に一体化され、それらの一部分として設
けられる場合もある。前記押さえ手段は、前記どちらの
場合においても、第一乃至第三の基板保持具を一体的に
保持する機能を持てば、同様の効果を得ることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0027】(実施の形態1) (構成)図1は、本発明の実施の形態1の光学部品に対
する表裏面同時成膜を行う連続成膜装置の成膜室1を示
す概略断面図であり、図2は基板ホルダー9の平面図、
図3は基板ホルダー9における2個の光学部品である凹
レンズ12、13が保持される基板室10の部分拡大断
面図である。本実施の形態1の連続成膜装置は、上下に
スパッタリングターゲット2、3を備えたスパッタリン
グ装置として構成されている。
【0028】即ち、前記成膜室1には、室内上方に配置
されたスパッタリングターゲット2と、室内下方に配置
されたスパッタリングターゲット3とが配置されてい
る。
【0029】前記成膜室1には、それぞれ前記スパッタ
リングターゲット2、3と前記基板ホルダー9との間に
の位置にあり、成膜時には前記スパッタリングターゲッ
ト2、3と前記基板ホルダー9の間を塞がぬ位置(開位
置)に移動し、非成膜時には前記スパッタリングターゲ
ット2、3と前記基板ホルダー9の間を塞ぐ位置(閉位
置)に移動するシャッター4、5を配置している。
【0030】さらに、前記成膜室1には、図示せぬ前室
と前記成膜室1とを区切るゲートバルブ6と、図示せぬ
後室と前記成膜室1とを区切るゲートバルブ7とを設け
ている。
【0031】また、前記成膜室1には、前記基板ホルダ
ー9の移動のため、2本のコンベア状の基板ホルダー移
動機構8を備えている。
【0032】前記基板ホルダー移動機構8は、前記スパ
ッタリングターゲット2、3と、基板ホルダー9の円形
孔状の18個の基板室10との間を塞がない位置に2本
平行に配置されている。
【0033】ここで、前記基板ホルダー9は、図2に示
す両端部の一対のすべり止め11によって前記基板ホル
ダー移動機構8と係合して成膜室1の中を図1に示す矢
印a方向に移動可能となっている。
【0034】前記基板ホルダー9の基板室10には、光
学薄膜の成膜領域を上方に向けた光学部品である第一の
凹レンズ12と、成膜領域を下方に向けた光学部品であ
る第二の凹レンズ13とが保持される。
【0035】前記基板室10は、図3に示すように、前
記第一の凹レンズ12の成膜領域側から前記第一の凹レ
ンズ12を保持する第一の基板保持具14と、前記第二
の凹レンズ13の成膜領域側から前記第二の凹レンズ1
3を保持する第二の基板保持具15と、前記第一の凹レ
ンズ12と前記第二の凹レンズ13を成膜領域の反対側
から各々保持する第三の基板保持具16とから形成され
る。
【0036】これら第一乃至第三の基板保持具14乃至
16は、ネジ17により一体化される。ネジ17は、図
4に示すように、ネジ頭部17aと、ネジ山部17b
と、ネジ首部17cとからなり、前記ネジ首都17cは
前記ネジ山部17bよりも細くなっている。前記第一、
第二の基板保持具14,15には、前記ネジ山部17b
に合致するネジ穴が設けられ、前記第三の基板保持具1
6には、前記ネジ山部17bを容易に貫通できる大きき
の穴が設けられている。前記ネジ17は、前記第二の基
板保持具15に予めワッシャー18とともに取り付けら
れている。
【0037】即ち、基板ホルダー9は、それぞれ同じ大
きさの長方形形状を持つ、前記第一の基板保持具14
と、前記第二の基板保持具15と、前記第三の基板保持
具16とにより主要な構成をなし、さらに、両端部の配
置する一対のすべり止め11により、前記第一の基板保
持具14と、前記第二の基板保持具15と、前記第三の
基板保持具16とが一体化されて構成される。
【0038】(作用)以下に本実施の形態1の基板ホル
ダー9を使用した第一の凹レンズ12、第二の凹レンズ
13に対する光学薄膜の成膜方法について図5乃至図8
をも参照して説明する。
【0039】図5に示すように、前記第一の基板保持具
14の基板室10を形成する円形孔の部分に設けた受溝
部14a上に18個の既に洗浄された凹レンズ12の成
膜領域(成膜面)側を載せ、次に、図5に示すように、
この第一の基板保持具14により保持された18個の凹
レンズ12の成膜領域側とは反対側から第三の基板保持
具16の基板室10を形成する18個の円形孔の部分に
設けた円形の突条部16aの下面側を載せて18個の凹
レンズ12を挟み込む。
【0040】次に、図7に示すように、第三の基板保持
具16の基板室10を形成する18個の円形孔の部分の
突条部16aの上面側に、18個の既に洗浄された凹レ
ンズ13の成膜領域側とは反対側の領域を各々載せる。
【0041】次に、図8に示すように、第三の基板保持
具16上の18個の凹レンズ13の成膜領域側に、第二
の基板保持具15の基板室10を形成する円形孔の部分
に設けた受溝部15aを各々被せて18個の凹レンズ1
3を挟み込む。
【0042】この後、ネジ17を図示しないネジ止め具
(ドライバー)により回転、固定することで、第一乃至
第三の基板保持具14、15、16の両端部を押さえ込
み、一体化する。
【0043】次に、18個ずつの凹レンズ12、13を
保持した前記基板ホルダー9を、図示せぬ連続成膜装置
の排気室にセットし、図示せぬ排気装置により排気を開
始する。
【0044】その後、排気室の真空度が一定よりも良い
値を示したところで、図示せぬ連続成膜装置の第一成膜
(処理)室との間に設けられたゲートバルブが開き、前
記基板ホルダー9は前記図示せぬ連続成膜装置の図示せ
ぬ第一成膜室に送られる。
【0045】ここで、図示せぬ連続成膜装置の前記成膜
室1を含む各成膜室は、図示せぬ排気装置によりあらか
じめ一定以上の真空度に排気されている。
【0046】連続成膜装置の前記成膜室1の前段に置か
れた図示せぬ各成膜室においてそれぞれの処理を施され
た後、前記基板ホルダー9は前記成膜室1へ前記ゲート
バルブ6を経て送り込まれる。
【0047】前記基板ホルダー9が前記成膜室1に送ら
れた後、図示せぬガス導入機構によりスパッタガスが導
入され、成膜室1内は0.4Paの一定圧に保たれる。
ここで、前記スパッタリングターゲット2、3に図示せ
ぬ電力供給装置により電力を供給し、前記スパッタリン
グターゲット2、3の上にプラズマを生成する。
【0048】プラズマ生成時点においては、前記シャッ
ター4、5は閉位置にあるが、プラズマが生成されて1
0秒後にこれは開位置に移動する。
【0049】前記シャッター4、5が開位置にきたら、
前記基板ホルダー9は前記基板ホルダー移動機構8によ
り位置9aから位置9bに向かって移動を開始する。
【0050】前記凹レンズ12、13の各成膜領域に
は、前記基板ホルダー9の移動に伴って、各々光学薄膜
が形成される。
【0051】即ち、前記上方に成膜領域を持つ凹レンズ
12への成膜は、前記成膜室1の上方に配置されたスパ
ッタリングターゲット2により行われ、前記下方に成膜
領域を持つ凹レンズ13への成膜は、前記成膜室1の下
方に配置されたスパッタリングターゲット3により行わ
れる。
【0052】ここで、基板ホルダー9の移動中での成膜
により、各凹レンズ12、13の膜厚が所定の値にな
る。
【0053】所定の膜厚の光学薄膜の形成が完了する
と、図示せぬ電力供給装置による電力の供給が断たれ、
プラズマが消滅する。同時に図示せぬガス導入機構によ
るガスの導入も停止し、前記シャッター4、5も閉位置
へ移動する。
【0054】次に、前記成膜室1のゲートバルブ7が開
き、前記基板ホルダー9は、成膜室1から図示せぬ後室
へ搬出される。
【0055】このようにして、光学部品として同径の凹
レンズ12、13への成膜を行うものであるが、上述し
た基板ホルダー9と同様の構造を有する基板ホルダーを
使用し、かつ、同様の製造工程によって、径や形状の異
なるレンズや、形状の異なるプリズム等、片面しか成膜
の必要ない他の光学部品に対しても、各々成膜が必要な
片面ずつの成膜を通常の2倍の充填率をもっ同時に行う
ことができる。
【0056】本実施の形態1における、前記凹レンズ1
2を前記第一の基板保持具14と、前記第三の基板保持
具16とに挟み込む工程の作業順序は、先に前記第一の
基板保持具14を置き、その上に凹レンズ12、次に前
記第三の基板保持具16を置くとしている。この作業順
序は、先に前記第三の基板保持具16を置き、その上に
凹レンズ12、次に前記第一の基板保持具14を置くと
しても、本実施の形態の効果になんら影響がない。
【0057】また、本実施の形態1において、第一乃至
第三の基板保持具14乃至16を一体的に保持する押さ
え具として機能したネジ17は、予め第一の基板保持具
14に取り付けられ、一体化されていたが、前記ネジ1
7が別に用意され、後から取り付けられたとしても本実
施の形態1の効果になんら影響がない。
【0058】(効果)本実施の形態1によれば、各々片
面しか成膜の必要ない光学部品である凹レンズ12、1
3に対して、前記成膜室1における成膜工程によって通
常の2倍の充填率で各々の片面に対して同時に成膜を行
うことができ、高い生産性を得ることができる。
【0059】(実施の形態2) (構成)以下に本発明の実施の形態2の構成を、図9、
図10、図11を参照して説明する。
【0060】図9はバッチ式成膜装置(真空蒸着装置)
の成膜室21を示すものである。また図10は、略三角
形状に形成され前記バッチ式成膜装置の基板反転機構に
合致して、前記成膜室21内で反転が可能な反転パレッ
ト(基板ホルダー)26を示す平面図であり、図11は
前記反転パレット26の基板室30を示す拡大断面図で
ある。
【0061】また、前記反転パレット26は、実施の形
態1の第一乃至第三の基板保持具14、15、16と同
様、受溝部34aを有する第一の基板保持具34、受溝
部35aを有する第二の基板保持具35及び突条部36
aを有する第三の基板保持具36を備え、これら第一乃
至第三の基板保持具34、35、36により31個の基
板室30を形成している。
【0062】そして、図11に示すように、前記各基板
室30により、成膜後接合され、一つの接合レンズとな
る一組ずつの凹レンズ31、凸レンズ32を、凹レンズ
31の成膜領域が下側、凸レンズ32の成膜領域が上側
となるようにして挟み込み状態で保持するようになっつ
ている。
【0063】即ち、前記反転パレット26は、基板室3
0において、前記凹レンズ31の成膜領域側からこの凹
レンズ31を保持する第一の基板保持具34と、前記凸
レンズ32の成膜領域側からこの凸レンズ32を保持す
る第二の基板保持具35と、前記凹レンズ31と前記凸
レンズ32を成膜領域の反対側から保持する第三の基板
保持具36とを具備している。
【0064】前記凹レンズ31と、前記凸レンズ32と
は、屈折率の異なる光学ガラスを素材としている。
【0065】前記成膜室21は、下方に配置された電子
銃型蒸着源22、下方に配置されたエンドホール型イオ
ンガン23、上方に配置された前記反転パレット26が
装着され、その中で前記反転パレット28の反転動作が
可能なドーム枠24、前記電子銃型蒸着源22に付属し
ており、成膜時には前記電子銃型蒸着源22と前記ドー
ム枠24に装着された反転パレット26の間を塞がぬ位
置(開位置)、非成膜時には前記電子銃型蒸着源22と
前記ドーム枠24に装着された反転パレット26の間を
塞ぐ位置(閉位置)とるシャッター25、及び、反転パ
レット26を反転させる図示せぬ基板反転機構を具備し
ている。
【0066】前記電子銃型蒸着源22は、複数の蒸着物
質を蒸着するために、図示せぬ材料交換機構を具備して
いる。
【0067】前記反転パレット26は、この反転パレッ
ト26が反転する時にその回転軸となる図9に示す反転
軸27、28を介して、前記ドーム枠24に装着され
る。
【0068】(作用)以下に本実施の形態2における凹
レンズ31、凸レンズ32への成膜方法について説明す
る。
【0069】実施の形態1の場合と同様にして、前記第
一の基板保持具34と前記第三の基板保持具36の間に
31個の既に洗浄された凹レンズ31を挟み込み、更
に、第二の基板保持具35と第三の基板保持具36の間
に31個の既に洗浄された凸レンズ32を挟み込み、前
記図示せぬ押さえ手段によりこれらを一体化して、反転
パレット26とする。
【0070】この反転パレット26を、前記凹レンズ3
1の成膜領域(下面)が電子銃型蒸着源22に対面する
配置で前記成膜室21の前記ドーム枠24に装着し、図
示せぬ排気装置により排気を開始する。
【0071】その後、排気室の真空度が一定よりも良い
値を示した後、前記イオンガン23を動作させて、成膜
対象である前記凹レンズ31に向けて、図示せぬイオン
ビームを放出する。
【0072】更に、前記シャッター5が閉位置にある状
態で前記図示せぬ材料交換機構により蒸着材料22aの
選択が行われた後、前記電子銃型蒸着源22を動作させ
て蒸着材料22aを加熱する。前記電子銃型蒸着源22
が安定したところで前記シャッター25を開位置として
前記凹レンズ31に対する蒸着を開始する。
【0073】ここで、前記図示せぬイオンビームの働き
により、前記凹レンズ31の表面に形成される光学薄膜
は、十分な光学特性、機械的強度を持った薄膜となる。
【0074】前記凹レンズ31の成膜領域表面に所定の
光学薄膜の形成が完了して、前記シャッター5が閉位置
をとった後に、前記電子銃型蒸着源22は一時動作を止
めて、図示せぬ材料交換機構により次層の蒸着材料が選
択される。
【0075】このようなプロセスにより必要な層数の光
学薄膜を形成した後、前記イオンガン3の動作を停止さ
せ、図示せぬ基板反転機構により、反転パレット26を
表裏反転する。反転パレット26の表裏反転により、成
膜対象である凸レンズ32の成膜領域が電子銃型蒸着源
22に向く。
【0076】この後、前記と同様のプロセスにより、前
記凸レンズ32の成膜領域にも、所定の光学薄膜を形成
する。
【0077】本実施の形態2では、光学部品として一つ
の接合レンズを構成する一組の凹レンズ31、凸レンズ
32の成膜を行う場合について説明したが、反転パレッ
ト26と同様の構造の基板ホルダー、及び、製造工程に
よって、径や形状の異なるレンズや、形状の異なるプリ
ズム等、他の片面しか成膜の必要ない光学部品に対して
も、本実施の形態2の場合と同様にして成膜が可能であ
る。
【0078】また、本実施の形態2では、十分な光学特
性、機械的強度を持った薄膜を得るために、エンドホー
ル型のイオンガン23を利用したが、十分な光学特性、
機械的強度を持った薄膜を得るには、この他、イオンガ
ン23を使用する代わりに加熱を行い基板を予め高い温
度に安定させる等して成膜を行っても本実施の形態2の
効果に変わりはない。
【0079】更に、成膜基板がプラスチックで、イオン
ガンや加熱、又はそれに代替えする手段を用いずとも所
望の特性をもつ薄膜が得られる場合には、同様の成膜装
置で、イオンガンや加熱、又はそれに代替する手段を用
いずに成膜を行い、本実施の形態2と同様の効果を得る
ことができる。
【0080】(効果)本実施の形態2によれば、片面し
か成膜の必要ない光学部品においても、片面ずつ順次成
膜を行う両面成膜装置を使用して、同バッチで通常の2
倍の充填率をもって成膜領域が表裏に配置された一対ず
つの光学部品に対する成膜を順次に行うことができ、高
い生産性を得ることができる。
【0081】特に、一つの接合レンズを構成する一組の
凹レンズ31、凸レンズ32を対象としたことで、その
生産数量は同一となることから、接合レンズ生産の編成
がし易いという利点と、その径が同一であるため成膜室
21内への充填率が高くなり、より高い効果を得ること
ができる。
【0082】(実施の形態3) (構成)本発明の実施の形態3の構成は、蒸着装置が、
排気室、成膜室、ベント室の3槽からなる連続式の蒸着
装置であること、反転パレット用の反転枠を排気室から
成膜室、成膜室からベント室へ移送するための移送機構
が具備されていること、成膜室にはイオンガンが無く、
これに替わり、排気室、成膜室に反転パレットを加熱す
るためのヒータが備え付けてあることを除き、上述した
実施の形態2の場合と同様である。
【0083】前記排気室に備え付けられたヒータは、反
転パレットの基板室を上下から効率よく加熱することの
できるように、排気室の上下に設けられており、前記成
膜室に備え付けられたヒータは、成膜室上方に備え付け
られている。また、前記成膜室は、成膜を行うのに必要
な真空度となるように予め排気されている。
【0084】(作用)実施の形態2と同様にして第一の
光学部品、第二の光学部品を保持した反転パレットを反
転枠に装着した状態で前記排気室に投入し、排気を始め
る。
【0085】前記反転枠に装着された反転パレット及び
これに保持される各光学部品は、排気工程中に、前記排
気室に設けられたヒータにより、第一の光学部品及び第
二の光学部品共に効率よく加熱され、前記排気室が前記
成膜室の真空度と同等程度の真空度にまで排気されるま
でに、250℃程度の温度で安定する。
【0086】前記排気室の真空度が、前記成膜室の真空
度と同等程度の真空度にまで排気されると、前記移送機
構により、反転粋が成膜室に移送される。
【0087】反転枠が成膜室に移送された後、第一の光
学部品及び第二の光学部品は前記成膜室上方に設けられ
たヒータにより、加熱が継続され、光学部品の温度は2
50℃程度で安定される。
【0088】その後、実施の形態2と同様のプロセスに
より、前記第一の光学部品、前記第二の光学部品それぞ
れの成膜領域に所望の光学薄膜が形成され、光学薄膜の
形成が終了したら、さらに前記反転枠は前記移送機構に
より前記ベント室に移送され、反転パレットの冷却、大
気解放がなされ、前記反転枠に装着された前記反転パレ
ット、及び、これに保持される第一の光学部品、第二の
光学部品が取り出される。
【0089】(効果)本実施の形態3によれば、片面し
か成膜の必要ない光学部品においても、両面成膜装置に
よって同バッチに通常の2倍の充填率で表裏に配置され
た一組ずつの光学部品に対する成膜を順次に行うことが
でき、高い生産性を得ることができる。
【0090】特に、光学部品として、一つの接合レンズ
を構成する一組のレンズを対象とすれば、その生産数量
は同一となることから接合レンズの生産の編成がしやす
いという利点と、その径が同一であることから成膜室内
における充填率が高くなり、より高い効果を得ることが
できる。
【0091】また、成膜前に第一の光学部品、第二の光
学部品ともに直接に加熱できる機能を持つ蒸着装置を用
いたことで、両方の光学部品が短時間で同程度の温度に
なるように安定して加熱でき、安定した生産性をえるこ
とができる。
【0092】(実施の形態4) (構成)次に、本発明の実施の形態4について図12を
参照して説明する。本実施の形態4における基板ホルダ
ー41は、図12に示すように、基板室50において、
第一の自由曲面プリズム52の成膜領域側が外側(図1
2において下側)となる状態で受溝部44aにて保持す
る第一の基板保持具44と、第二の自由曲面プリズム5
3の成膜領域側を外側(図11において上側)となる状
態で受溝部45aにて保持する第二の基板保持具45
と、第一の基板保持具44、第二の基板保持具45の間
に介在して第一の自由曲面プリズム52、第二の自由曲
面プリズム53の各成膜領域とは反対側の一端を各々保
持する分離構造の第三の基板保持具46a、46bと、
第一の基板保持具44、第二の基板保持具45、第三の
基板保持具46a、46bを一体化する図示しない押さ
え手段とを具備している。
【0093】(作用)本実施の形態4において、各自由
曲面プリズム52、53を、基板ホルダー41の基板室
50に取り付る際、最初に第一の基板保持具44の受溝
部44a上に第一の自由曲面プリズム52の成膜領域側
を載せ、一方の第三の基板保持具46aに設けた突出片
46cにより第一の自由曲面プリズム52の成膜領域と
は反対側の一端を固定保持する。
【0094】次に、前記第一の基板保持具44に第一の
自由曲面プリズム52を固定した場合と同様に、第二の
基板保持具45の受溝部45aにより第二の自由曲面プ
リズム53を載せ、第三の基板保持具46bに設けた突
出片46dにより第二の自由曲面プリズム53の成膜領
域とは反対側の一端を固定保持する。
【0095】このようにして第一の基板保持具44、第
二の基板保持具45上にそれぞれ第一の自由曲面プリズ
ム52、第二の自由曲面プリズム53が固定保持された
後、図11に示すように第一の自由曲面プリズム52、
第二の自由曲面プリズム53の各成膜領域と反対側の領
域が対向するようにしてこれらを突き合わせて、図示し
ない押さえ手段により一体化することで、図12に示す
ような基板室50の構造とするものである。
【0096】本実施の形態4における基板室50の構成
は、既述した実施の形態1乃至3のいずれの場合にも適
用でき、その場合の作用は光学部品の保持方法を除き、
各々実施の形態1乃至3の場合と同様である。
【0097】(効果)本実施の形態4によれば、自由曲
面プリズムのような光学部品の場合においても、実施の
形態1乃至3に示した場合と同様の効果を得ることがで
きる。また、自由曲面プリズムの固定保持に用いた第三
の基板保持具46a、46bが一体をなさず分離した構
造でも、同様の効果を得ることができる。
【0098】以上説明した本発明によれば、以下の構成
を付記することができる。
【0099】(付記)接合レンズを構成する接合前の第
一のレンズの成膜領域側から第一の基板保持具により、
第一のレンズの成膜領域反対側から第三の基板保持具に
より前記第一のレンズを挟むことでこの第一のレンズを
保持するとともにその光学機能面に対して成膜領域を決
める工程と、第三の基板保持具上に接合レンズを構成す
る接合前の第二のレンズを置く工程と、第三の基板保持
具により支持された前記第二のレンズの成膜領域側を第
二の基板保持具により挟み込み、前記第一乃至第三の基
板保持具を一体化する工程と、第一乃至第三の基板保持
具により保持された前記両レンズの各成膜領域に光学薄
膜を同時に又は順に成膜する工程とを含むことを特徴と
する光学部品の製造方法。
【0100】この光学部品の製造方法によれば、接合前
の各レンズが、最終的に接合され一つの接合レンズとな
る一組のレンズである場合、その生産数量は同一となる
ことから生産の編成がし易いという利点と、一般にその
径が同一か略同じであるため成膜室内における充填率を
上げ易いという利点があり、特に効果が高くなる。
【0101】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の蒸
着源に複数の成膜面が対向するような成膜装置において
も、また、前記成膜基板自体を反転させる成膜装置にお
いても、各々利用することができ、これにより、光学部
品の広範な生産形態において生産性向上の効果を得るこ
とができる基板ホルダーを提供することができる。
【0102】請求項2記載の発明によれば、固定保持し
た2個の光学部品の成膜が必要な各成膜領域に光学薄膜
を順に形成する場合において、容易に生産性向上の効果
を得ることができる基板ホルダーを提供することができ
る。
【0103】請求項3記載の発明によれば、前記請求項
1記載の発明の基板ホルダーを用いて、前記第一、第二
の光学部品の各成膜領域に光学薄膜を同時に又は順に成
膜するものであり、第一、第二の光学部品を恰も一つの
光学部品のような状態で扱い、各成膜領域に対する成膜
を行うことができ、これにより、光学部品に対する成膜
を行う際の効率向上、さらには生産性向上を図ることが
できる光学部品の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の連続成膜装置の成膜室
を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の基板ホルダーの平面図
である。
【図3】本発明の実施の形態1の基板ホルダーにおける
2個の光学部品である凹レンズ、凸レンズが保持される
基板室の部分拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の第一乃至第三の基板保
持具及びこれらを一体化するネジの構造を示す部分断面
図である。
【図5】本発明の実施の形態1の基板ホルダーにより凹
レンズを保持する工程を示す部分拡大断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の基板ホルダーにより凹
レンズを挟み込む工程を示す部分拡大断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1の基板ホルダーにより凸
レンズを保持する工程を示す部分拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1の基板ホルダーにより凸
レンズを挟み込む工程を示す部分拡大断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の成膜室を示す概略構成
図である。
【図10】本発明の実施の形態2の反転パレットの平面
図である。
【図11】本発明の実施の形態2の反転パレットにより
2個の光学部品である凹レンズ、凸レンズが保持される
基板室の部分拡大断面図である。
【図12】本発明の実施の形態4の基板室の部分拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 スパッタリングターゲット 3 スパッタリングターゲット 4 シャッター 6 ゲートバルブ 7 ゲートバルブ 8 基板ホルダー移動機構 9 基板ホルダー 10 基板室 11 すべり止め 12 凹レンズ 13 凹レンズ 14 第一の基板保持具 15 第二の基板保持具 16 第三の基板保持具 17 ネジ 18 ワッシャー 21 成膜室 22 電子銃型蒸着源 23 イオンガン 24 ドーム枠 25 シャッター 26 反転パレット 27 反転軸 30 基板室 31 凹レンズ 32 凸レンズ 34 第一の基板保持具 35 第二の基板保持具 35 第三の基板保持具
フロントページの続き (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 出口 武司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H043 AE04 AE10 AE23 2K009 AA02 BB02 BB11 DD03 DD04 DD09 4K029 JA02 JA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部品の光学機能面に成膜装置により
    光学薄膜を形成する際に、前記光学部品を保持する基板
    ホルダーであって、 第一の光学部品の光学機能面に対して成膜領域を決め成
    膜領域側から前記第一の光学部品を保持する第一の基板
    保持具と、 第二の光学部品の光学機能面に対して成膜領域を決め成
    膜領域側から前記第二の光学部品を保持する第二の基板
    保持具と、 前記第一の基板保持具と前記第二の基板保持具の間に介
    在し、前記第一の光学部品と前記第二の光学部品とを各
    々成膜領域の反対領域側から保持する第三の基板保持具
    と、 前記第一乃至第三の基板保持具を一体的に保持する押さ
    え手段と、 を有することを特徴とする基板ホルダー。
  2. 【請求項2】 前記基板ホルダーは、前記成膜装置に設
    けられた基板反転機構により表裏反転可能に支持可能さ
    れる表裏反転軸を備えていることを特徴とする請求項1
    記載の基板ホルダー。
  3. 【請求項3】 第一の光学部品の成膜領域側から第一の
    基板保持具により、第一の光学部品の成膜領域反対側か
    ら第三の基板保持具により、第一の光学部品を挟むこと
    で、第一の光学部品を保持するとともに、その光学機能
    面に対して成膜領域を決める工程と、 この第三の基板保持具上に、第二の光学部品をその成膜
    領域の反対領域を下にして置く工程と、 第三の基板保持具により支持された第二の光学部品の成
    膜領域側を第二の基板保持具により挟み込み、前記第一
    乃至第三の基板保持具を一体化する工程と、 第一乃至第三の基板保持具により保持された第一、第二
    の光学部品の各成膜領域に光学薄膜を同時に又は順に成
    膜する工程と、 を含むことを特徴とする光学部品の製造方法。
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