JP2002097501A - 造形用粘土組成物 - Google Patents

造形用粘土組成物

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JP2002097501A
JP2002097501A JP2000287993A JP2000287993A JP2002097501A JP 2002097501 A JP2002097501 A JP 2002097501A JP 2000287993 A JP2000287993 A JP 2000287993A JP 2000287993 A JP2000287993 A JP 2000287993A JP 2002097501 A JP2002097501 A JP 2002097501A
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clay composition
water
molding
noble metal
clay
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JP2000287993A
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Tomoaki Kasukawa
知昭 粕川
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Aida Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Aida Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保水性に優れ、保管時、造形時、或いは造形
後の乾燥によるひび割れを防止することができる造形用
粘土組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の造形用粘土組成物は、純貴金属
粉末、貴金属合金粉末の一種以上からなる貴金属粉末と
有機系バインダ水溶液とを混練してなる貴金属造形用粘
土組成物において、糖又は糖類を配合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保水性に優れ、保
管時、造形時、或いは造形後の乾燥によるひび割れを防
止することができる造形用粘土組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】工芸的要素の大きい貴金属造形物を造る
場合、貴金属粉末と有機系バインダ水溶液とを基本構成
とする粘土組成物を用い、これを所定形状に造形し、乾
燥した後、加熱することによりバインダ組成物を分解、
蒸発、燃焼等により除去し、貴金属粉末の粒子相互を焼
結して目的の貴金属造形物を製造することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記貴金属造形用粘土
組成物は、貴金属微粉末を使用しているため、水分が抜
け易かった。そのため、造形時に水分の揮発が生じる
と、造形物にひびが入り易く、その部分に水を塗布した
り、新たな粘土を補充するなどのひび割れを修復する作
業を行う必要があった。したがって、特に複雑且つ精微
な造形を必要とする造形物は、例えば霧吹きにて水分を
補充しながら造形するなどの熟練した技術が必要であっ
た。また、保管時の乾燥を防ぐため、厳重な包装による
商品管理が必要となり、生産性が悪かった。さらに、粘
土組成物を購入した消費者は、一度に使い切れずに残っ
た粘土組成物を保管するために、厳重に再包装する必要
があり、取扱い性が悪かった。そこで、本発明は、保水
性に優れ、保管時、造形時、或いは造形後の乾燥による
ひび割れを防止できる造形用粘土組成物を提案すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述のような課題を解決
することのできる貴金属造形用粘土組成物を得るべく研
究を行った結果、純貴金属粉末、貴金属合金粉末の一種
以上からなる貴金属粉末と有機系バインダ水溶液とを混
練してなる貴金属造形用粘土組成物において、糖又は糖
類を添加することにより、保水性が向上し、造形時の作
業性を一定時間保たせることができる知見を得たのであ
る。また、保管時の保水性も向上し、さらにこの添加物
を加えても、貴金属特有の発色には影響を与えず、銀に
対しては焼結後の貴金属造形物のいぶし加工に悪影響を
与えることはない。
【0005】
【発明の実施の形態】水分子は、クラスターと呼ばれる
会合構造をとることが知られている。このクラスター
は、水素結合の力で保たれているため、非常に弱い結合
である。また、水分子は、氷(固体)の状態でトリジマ
イト構造(鱗珪石型構造)と呼ばれる結晶構造型の巨大
分子構造をとることが知られ、鱗珪石型構造のSiの位
置がO原子により占められている。β−D−グルコース
の構造は、水のトリジマイト構造にほぼ一致し、水のク
ラスターはβ−D−グルコースを含んだ状態で、結合力
が強まる。β−D−グルコース分子の熱運動は、水分子
の熱運動に比べて遅いので、β−D−グルコースを含ん
だクラスターは恰も止まったような状態になり、構造を
安定化させる。このような安定化により、クラスター全
体の熱運動が抑制され、気体になり難く(揮発し難く)
なる。したがって、β−D−グルコースを含有する有機
系バインダ水溶液を混練した造形用粘土組成物では、水
が粘土より抜け難くなり、保水効果が上がる。
【0006】本発明における糖又は糖類としては特に限
定するものではないが、単糖類としては前述のようにβ
−D−グルコースが最もトリジマイト構造を採り易いの
で、好ましい。また、β−D−グルコースを含む配糖類
の非糖部に、水溶性のOH基と非水溶性のベンゼン環を
持つサリシン(サリゲニン−β−D−グルコシド)、ア
ルブチン(ヒドロキノン−β−D−グルコキシド)、ヘ
スペリジン、ナリンギンなどは、水を安定化させる効果
が働き、粘土に添加することにより、保水剤としての効
果が大きい。また、ラクトース(乳糖)、ラフィノース
などを用いるようにしても良い。
【0007】その他の構成については、特に限定するも
のではなくどのように構成しても良い。例えば貴金属粉
末は、Au,Ag,Cu,Pt,Pd,Rh,Ru,I
r,Os等の純貴金属粉やこれらの元素の一種以上を主
成分とする貴金属合金粉の一種以上からなり、粒径1〜
100μmのものが全体の90%以上を占めるものが好
ましく、特に平均粒径が5〜30μmで適度に分布して
いるものが望ましい。これは大きな粒子間に小さな粒子
が混在し、巨大粒子間の空隙を埋めることにより、充填
率が高くなり、従って焼結時に発生する収縮率が低い貴
金属焼結品を得ることができる。また、有機系バインダ
としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等から選ばれる水溶性セルロース
系樹脂0.022〜2.0wt%が用いられ、その他、
必要に応じて粘稠剤としてのデンプン(α化デンプン)
0.02〜2.0wt%又はフェニルプロパンを骨格と
する構成単位体が縮合してなる網状高分子0〜0.5w
t%などを用いるようにしても良い。
【0008】前述の糖又は糖類は0.1〜0.75wt
%の範囲で配合され、前記有機系バインダと併せて前記
貴金属粉末に対して2wt%を越えない範囲で配合され
る。この範囲より糖又は糖類の配合量が少ないと、保水
性を向上する効果が十分に現れず、造形物にひびが入り
易いものとなる。また、糖又は糖類の配合量がこの範囲
よりも多いと、乾燥後にも相当量の水分が残存してしま
い、焼結時にこの残存した水分が一気に表面から抜ける
為に、表面に気泡が現れて見映えが悪いものとなる。
【0009】このように糖又は糖類を配合してなる本発
明の造形用粘土組成物は、保水性に優れ、そのため、造
形時に水分の揮発が生じ難く、美麗な造形物を得ること
ができる。また、保管時の乾燥も生じ難いので、少なく
とも従来のように厳重な包装による商品管理を必要とせ
ず、生産性も向上する。さらに、粘土組成物を購入した
消費者は、一度に使い切れずに残った粘土組成物を保管
するために、比較的簡易に再包装すれば良く、取扱い性
が良いものとなる。
【0010】
【実施例】1.水抜け性試験 以下の実施例1,2及び比較例1にて作成した粘土組成
物を、長さ20mm,幅20mm,厚さ4mmのテスト
ピースに成形し、35℃の恒温槽にて80分間静置し、
水の減少量を測定し、結果を表1に示した。
【0011】[実施例1]銀粉末92gとメチルセルロ
ース(信越化学工業(株)製メトロースSM8000)
1.2g、水6.5g、サリシン0.3gをよく混練し
て銀粘土組成物を得た。
【0012】[実施例2]銀粉末92gと水溶性セルロ
ース系樹脂1.2g、水6.5g、ヘスペリジン0.3
gをよく混練して銀粘土組成物を得た。
【0013】[比較例1]銀粉末92gと水溶性セルロ
ース系樹脂1.2g、水6.8gをよく混練して銀粘土
組成物を得た。
【0014】
【表1】
【0015】2.焼結試験 以下の実施例3及び比較例2にて作成した粘土組成物を
用いて焼結を行い、得られた焼結品の状態をみた。
【0016】[実施例3]前記実施例1と同様に銀粉末
92gとメチルセルロース(信越化学工業(株)製メト
ロースSM8000)1.2g、水6.5g、サリシン
0.3gをよく混練して銀粘土組成物を得た。次に、作
成した粘土組成物を用いて適宜形状に造形し、70℃の
乾燥器内で1時間乾燥、硬化させた。造形時や乾燥時に
ひび割れ等は全く発生しなかった。さらに、炉内が87
0℃になった状態の電気炉内に入れ、10分間加熱した
後、電気炉内から取り出し、室温で放冷、冷却し、焼却
品を得た。得られた焼結品は、特に色の変色等もなく、
サリシンが焼結品に悪影響を与えないことが確認され
た。
【0017】[比較例2]銀粉末92gとメチルセルロ
ース(信越化学工業(株)製メトロースSM8000)
1.2g、水6.0g、サリシン0.8gをよく混練し
て銀粘土組成物を得た。次に、作成した粘土組成物を用
いて適宜形状に造形し、70℃の乾燥器内で1時間乾
燥、硬化させた。さらに、炉内が870℃になった状態
の電気炉内に入れ、10分間加熱した後、電気炉内から
取り出し、室温で放冷、冷却し、焼却品を得た。得られ
た焼結品は、表面に気泡が現れ、目的の造形物は得られ
なかった。
【0018】以上本発明の実施例を示したが、本発明は
前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の貴金属粘
土組成物は、粘土の乾燥速度を適度に遅延することがで
き、従来のように造形時に水を塗布し、ひび割れを修復
するなどの作業を省くことができるため、作業効率が向
上し、熟練した技術がなくても細かい造形を行うことが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純貴金属粉末、貴金属合金粉末の一種以
    上からなる貴金属粉末と有機系バインダ水溶液とを混練
    してなる貴金属造形用粘土組成物において、糖又は糖類
    を配合したことを特徴とする造形用粘土組成物。
JP2000287993A 2000-09-22 2000-09-22 造形用粘土組成物 Pending JP2002097501A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015080181A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 三菱マテリアル株式会社 貴金属焼結体形成用粘土状成形体
WO2015080128A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 三菱マテリアル株式会社 貴金属焼結体用粘土状組成物

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JP2015105382A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 三菱マテリアル株式会社 貴金属焼結体形成用粘土状成形体
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US10239121B2 (en) 2013-11-28 2019-03-26 Mitsubishi Materials Corporation Clay-like composition for sintered precious metal body

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