JP2002030302A - 耐硫化特性を有する銀粘土組成物及び耐硫化特性を有する銀焼結品の製造方法 - Google Patents

耐硫化特性を有する銀粘土組成物及び耐硫化特性を有する銀焼結品の製造方法

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JP2002030302A
JP2002030302A JP2000212426A JP2000212426A JP2002030302A JP 2002030302 A JP2002030302 A JP 2002030302A JP 2000212426 A JP2000212426 A JP 2000212426A JP 2000212426 A JP2000212426 A JP 2000212426A JP 2002030302 A JP2002030302 A JP 2002030302A
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sulfidation resistance
clay composition
sintered product
alloy powder
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Makoto Miyata
真 宮田
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Aida Chemical Industries Co Ltd
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Aida Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀宝飾品、美術工芸品、装飾品等の工芸的要
素の大きい貴金属造形物を作成するための素材として好
適に用いることができる耐硫化特性を有する銀粘土組成
物及び耐硫化特性を有する銀焼結品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の耐硫化特性を有する銀粘土組成
物は、不銹銀を構成する銀合金粉末と有機系バインダー
水溶液とを混練してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀宝飾品、美術工
芸品、装飾品等の工芸的要素の大きい貴金属造形物を作
成するための素材として好適に用いることができる耐硫
化特性を有する銀粘土組成物及び耐硫化特性を有する銀
焼結品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀は古来からその色調の美しさから、貴
金属などの宝飾品として使用されることが多い。尤も、
銀は硫化水素を含む雰囲気中などで容易に硫化されて変
色(黒変)してしまい、その装飾効果を著しく低減させ
ることが知られている。即ち、銀製品が金製品や白金製
品に比べて宝飾価値が低いのは、この銀の硫化のためと
いっても過言ではなかった。そのため従来より、銀の硫
化防止や銀を硬くするなどの目的で種々の金属を合金さ
せた各種の銀合金が知られ、多種の用途に適用されてい
る。例えば、銀錫合金は耐食性に富むので、歯科用イン
レーなどに使用され、銀銅合金は貨幣、食器類等として
使用され、銀白金合金は歯科材料などに使用されてい
る。特に銀亜鉛合金や銀アルミニウム合金、銀カドミニ
ウム合金などは硫化水素により黒変し難い性質を有する
ことが知られており、不銹銀(Stainless silver)とし
て知られている。また、近年提案された特開昭62−2
0850号公報には、銀にゲルマニウムやガリウムを添
加して合金化することにより、耐硫化特性を示すことが
開示されている。一方、銀の硫化を防止するもう一つの
手法としては、銀製品の表面に透明薄膜のコーティング
を施し、このコーティング層により、銀製品の表面と空
気中の硫化水素との接触を遮断する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法は、何れも鋳造製品に関するものであって、近
年工芸やクラフト等における手法によって簡易にアクセ
サリー等を作り出す金属粘土の分野にこれらの技術が導
入されたことはなかった。特に、コーティング層により
硫化水素の接触を遮断する方法は、加工、操作が簡便で
あることをその特色とする金属粘土の分野では、余計な
工程を増やすことになり、到底導入できるものではなか
った。また、コーティング層は、本来の銀の発色を損な
うことが多いという点でも、主に装飾品を作ることを目
的とする金属粘土の分野では容認できない問題であっ
た。そこで、本発明者らは、金属粘土の分野で、余計な
加工、操作を増やすことなく、従来通り簡便な操作で銀
製の装飾品を作ることができ、作成された装飾品は、耐
硫化特性を有して永続的に銀の色調を有するものとなる
銀粘土組成物を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、不銹銀を構成する銀合金粉末と有機系バ
インダー水溶液とを混練してなることを特徴とする耐硫
化特性を有する銀粘土組成物に関するものである。ま
た、本発明は、不銹銀を構成する銀合金粉末と有機系バ
インダー水溶液とを混練してなる粘土状或いはスラリー
状の組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾
燥固化させた造形体又は物品付着物を焼結させることを
特徴とする耐硫化特性を有する銀焼結品の製造方法をも
提案するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における不銹銀を構成する
銀合金粉末としては、銀に亜鉛を添加する銀亜鉛(Ag
−Zn)系、銀にアルミニウムを添加する銀アルミニウ
ム(Ag−Al)系、銀にカドミニウムを添加する銀カ
ドミニウム(Ag−Cd)系などがあり、銀にゲルマニ
ウム(Ge)やガリウムを添加しても良く、これらを粉
末化した銀合金粉末は、何れも硫化に伴う黒変を抑える
ことができる。また、Ag−Zn系には少量の銅、ナト
リウムを含有させることが望ましく、Ag−Al系には
少量の亜鉛を、Ag−Cd系には少量の珪素を含有させ
ることが望ましい。さらに、銀にクロムやベリリウム、
バリウム、インジウム等を添加した合金を粉末化し、耐
硫化特性を有する合金粉末として使用することができ
る。尚、各合金において銀に添加する金属元素の割合
は、種類によって一定ではないが、おおよそ3〜15%
の範囲である。
【0006】また、銀焼結品の色彩や発色に影響を与え
ない範囲で、他の金属粉末或いは金属合金粉末を併用す
ることもできる。例えば鋳造品の物性改良においては、
合金組成を変更する必要があり、しかも数%もの多量の
他の元素を添加する必要があるため、銀の発色等にも影
響を与えることが多い。しかし、焼結品では、前記銀合
金粉末については特に変更することなくそのまま使用す
ることができ、しかも他の金属粉末或いは金属合金粉末
を極めて少ない添加範囲で添加することにより、所望の
特性改質を行うことができるという利点がある。そのた
め、銀の発色等にも殆ど影響を与えることがない。
【0007】前記銀合金粉末以外の成分については、通
常の銀粘土組成物と同様の組成で良く、例えば前記銀合
金粉末に、水溶性セルロース樹脂等のバインダ水溶液に
バインダーを添加して粘土状として所望の形状に造形し
ても良いし、スラリー状として適宜物品に塗り付けるよ
うにしても良い。バインダーも特に限定するものではな
いが、水溶性セルロース系樹脂0.022〜3.0wt
%と、デンプン0.02〜3.0wt%又はフェニルプ
ロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分
子などの粘稠剤0〜0.5wt%とからなるバインダー
を用いることが望ましい。
【0008】加工(造形)及び焼結、並びに焼結品の特
性を考慮して、より望ましい配合としては、銀−ゲルマ
ニウム合金粉末を80〜95wt%、有機系バインダー
として水溶性セルロース系樹脂を0.02〜5.0wt
%、焼結促進剤として四硼酸リチウム0.1〜3.0w
t%、硼酸0.1〜4.0wt%、残量水からなる組成
物を挙げることができる。上述の配合における水溶性セ
ルロース系樹脂が前記範囲よりも小さい場合は、造形又
は付着させた際の強度が不足し、形状維持ができなくな
り、前記範囲よりも大きい場合は収縮が大きくなる。ま
た、四硼酸リチウムが前記範囲よりも少ない場合には十
分な焼結促進効果が得られず、前記範囲よりも大きい場
合にはそれ以上の効果の向上が認められない。さらに、
硼酸が前記範囲よりも少ない場合にはその添加効果が認
められず、水溶性セルロース系樹脂が四硼酸リチウムの
作用により分解し易くなり、加工適性が損なわれ、前記
範囲よりも大きい場合にはそれ以上の効果の向上が認め
られない。尚、銀−ゲルマニウム合金粉末を例にした
が、他の合金粉末を使用しても、その範囲並びに他成分
の添加範囲を同様にすることにより、同様の望ましい銀
粘土組成物とすることができる。
【0009】また、粘土状にした組成物の造形法、スラ
リー状にした組成物の塗り付け法についても特に限定す
るものではなく、さらにその後、例えば50〜100℃
で1時間程度乾燥するが、この乾燥条件も一例に過ぎ
ず、何等制限されるものではないし、その後の焼結につ
いても何等制限されるものではない。例えば前記銀−ゲ
ルマニウム合金粉末を用いた粘土組成物は、所望の形状
に造形し、600〜900℃で焼結することにより、耐
硫化特性に優れた結品とすることができる。
【0010】例えば各地の温泉の中には硫黄泉に属する
ものがあり、この硫黄泉にはHS-、S23 2-、H2Sな
どが含有されることが知られているが、通常の銀粘土を
用いて作成した焼結品では、常温にて容易に銀と反応し
て黒色の硫化銀(Ag2S)等の硫化物の膜が形成され
てしまう。しかしながら、本発明より得られる耐硫化特
性を有する銀焼結品は、このような硫黄泉に接触しても
硫化することがなく、銀特有の美麗な発色が永続的に維
持されるものとなる。
【0011】
【実施例】[実施例1]平均粒径20μmの銀(92.
5wt%)−ゲルマニウム(7.5wt%)合金粉末9
0.0wt%、水溶性セルロース系樹脂1.8wt%、
四硼酸リチウム0.3wt%、硼酸0.4wt%、水
7.5wt%からなる組成物を十分に混練して造形用粘
土組成物とし、この造形用粘土組成物を用いて10.0
×30.0×3.0mmの所望形状の造形体を造形し、
常温放置或いは80℃×20分の条件にて乾燥した。そ
の後、この乾燥造形体を電気炉にて800℃で60分焼
成した。得られた銀焼結品をバフ研磨し、同じ大きさの
純銀板とともに、0.1%『六十〇ハップ』(武藤鉦製
薬株式会社製)液(硫黄含有液)に10分浸漬させた結
果、純銀板は硫化して黒く変色したが、銀焼結品は全く
変色せず、銀の美麗な発色を維持していた。また、得ら
れた銀焼結品の収縮率は11.25%であり、折り曲げ
試験を行った結果、25kg/mm2を示し、強度的に
も十分な耐性を有することが確認された。
【0012】以上本発明の実施例を示したが、本発明は
前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲
に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施する
ことができる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、不銹銀を
構成する銀合金を粉末化し、有機系バインダー水溶液と
ともに混練して粘土状或いはスラリー状の組成物とし、
所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた
造形体又は物品付着物を使用した銀合金粉末の融点以下
で焼結させることにより、耐硫化特性を有し、且つ十分
な強度をもつ銀製焼結品を提供できるものであり、従来
の金属粘土における加工並びに操作は全く変更すること
がないので、その実用的価値は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B44F 9/10 B44F 9/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不銹銀を構成する銀合金粉末と有機系バ
    インダー水溶液とを混練してなることを特徴とする耐硫
    化特性を有する銀粘土組成物。
  2. 【請求項2】 不銹銀を構成する銀合金粉末と有機系バ
    インダー水溶液とを混練してなる粘土状或いはスラリー
    状の組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾
    燥固化させた造形体又は物品付着物を焼結させることを
    特徴とする耐硫化特性を有する銀焼結品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240160A (ja) * 2008-06-09 2008-10-09 Aida Kagaku Kogyo Kk 耐硫化特性を有する銀焼結品を得るための銀粘土組成物、耐硫化特性を有する銀焼結品、及びその製造方法
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JP2011179118A (ja) * 2010-02-05 2011-09-15 Mitsubishi Materials Corp 銀粘土用銀粉末、銀粘土及び銀合金焼結体、並びに、銀粘土の製造方法及び銀合金焼結体の製造方法
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