JP2002093705A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

Info

Publication number
JP2002093705A
JP2002093705A JP2001194326A JP2001194326A JP2002093705A JP 2002093705 A JP2002093705 A JP 2002093705A JP 2001194326 A JP2001194326 A JP 2001194326A JP 2001194326 A JP2001194326 A JP 2001194326A JP 2002093705 A JP2002093705 A JP 2002093705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor film
film
silicon
amorphous semiconductor
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001194326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002093705A5 (ja
JP4869504B2 (ja
Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Toru Mitsuki
亨 三津木
Kenji Kasahara
健司 笠原
Takeomi Asami
勇臣 浅見
Yoshie Takano
圭恵 高野
Takeshi Shichi
武司 志知
Chiho Kokubo
千穂 小久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2001194326A priority Critical patent/JP4869504B2/ja
Publication of JP2002093705A publication Critical patent/JP2002093705A/ja
Publication of JP2002093705A5 publication Critical patent/JP2002093705A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4869504B2 publication Critical patent/JP4869504B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法で作製される結晶質シリコン膜
は、その結晶方位面がランダムに存在し、特定の結晶方
位に対する配向率が低かった。 【解決手段】シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを
0.1〜10原子%含有する半導体材料を第1層目、非
晶質シリコン膜を第2層目に用い、これらの積層、また
は3層以上の積層からなる非晶質半導体膜にレーザー光
を照射して結晶化を行うことで、良好な半導体膜が得ら
れ、その半導体膜を利用してTFTを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は結晶構造を有する半
導体膜でチャネル形成領域を形成した半導体装置に関す
る。特に、本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTと
いう)で構成された回路を有する半導体装置およびその
作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表され
る電気光学装置およびその様な電気光学装置を部品とし
て搭載した電子機器に関する。
【0002】尚、本明細書において半導体装置とは、半
導体特性を利用して機能しうる装置全般を指し、半導体
集積回路、電気光学装置、及び半導体集積回路や電気光
学装置を搭載した電子機器は半導体装置の範疇に含まれ
るものとする。
【0003】
【従来の技術】近年、厚さ数nmから数百nm程度の結
晶構造を有する半導体膜(以下、結晶質半導体膜とい
う)を用いて、薄膜トランジスタ(以下、TFTとい
う)を作製する技術が開発されている。TFTは液晶表
示装置に用いるスイッチング素子として実用化が進み、
近年においてはガラス基板上に半導体集積回路を形成す
ることも可能になっている。
【0004】TFTに用いる結晶質半導体膜の材料は、
主としてシリコンが用いられている。結晶構造を有する
シリコン膜(以下、結晶質シリコン膜という)は、プラ
ズマCVD法や減圧CVD法により、ガラスまたは石英
などの基板上に堆積した非晶質シリコン膜を、加熱処
理、或いはレーザー光の照射(以下、本明細書中におい
てレーザー処理という)により結晶化したものが利用さ
れてきた。
【0005】例えば、加熱処理による場合には、非晶質
シリコン膜を結晶化させるために600℃以上の温度で
10時間以上の加熱処理が必要とされている。この処理
温度と処理時間は、TFTの生産性を考慮すると必ずし
も適切な方法とは考えられていない。TFTを用いた応
用製品として液晶表示装置を考慮すると、基板の大面積
化に対応するために大型の熱処理炉が必要となり、生産
工程における消費エネルギーが増大するばかりか、広い
面積に渡って一様な結晶を得ることが困難となる。
【0006】また、従来の技術により作製された結晶質
シリコン膜を用いたTFTは、単結晶シリコン基板を用
いたMOSトランジスタの特性と比べ、依然劣ってい
た。ガラスや石英などの異種材料上に厚さ数nmから数
百nm程度の半導体膜を結晶化させたとしても、複数の
結晶粒が集合して成る多結晶構造しか得ることが出来
ず、結晶粒中及び結晶粒界に多数存在する欠陥によりキ
ャリアがトラップされ、TFTの性能を拘束する要因と
なっていた。
【0007】また、TFTに適用される代表的な結晶質
半導体材料はシリコンであり、結晶構造を有するシリコ
ン膜(以下、結晶質シリコン膜という)は、プラズマC
VD法や減圧CVD法により、ガラスまたは石英などの
基板上に堆積した非晶質シリコン膜を、加熱処理、或い
はレーザー光の照射(以下、本明細書中においてレーザ
ー処理という)により結晶化したものが適用されてい
る。しかし、TFTに必要な半導体膜の厚さは10〜1
00nm程度であり、この程度の膜厚で高品質の結晶質
半導体膜をガラスや石英などの異種材料から成る基板上
に形成することは困難である。
【0008】加熱処理による場合には、非晶質シリコン
膜を結晶化させるために600℃以上の温度で10時間
以上の加熱処理が必要とされている。この処理温度と処
理時間は、TFTの生産性を考慮すると必ずしも適切な
方法とはならない。TFTを用いた応用製品として液晶
表示装置を考慮すれば、基板の大面積化に対応するため
に大型の熱処理炉が必要となり、生産工程における消費
エネルギーが増大するばかりか、広い面積に渡って一様
な結晶を得ることが困難となる。また、レーザー処理に
よる場合には、レーザー発振器の出力の不安定さのため
に、やはり均質な結晶を得ることが困難である。このよ
うな結晶の品質のばらつきはTFTの特性ばらつきの原
因となっている。
【0009】結晶質シリコン膜を形成する他の手法とし
て、非晶質シリコン膜にシリコンの結晶化を助長する元
素を導入し、従来よりも低い温度の加熱処理で結晶質シ
リコン膜を作製する技術が開示されている。例えば、特
開平7−130652号公報、特開平8−78329号
公報では、非晶質シリコン膜にニッケルなどの金属元素
を導入し、550℃、4時間の熱処理により結晶質シリ
コン膜を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法で作製
される結晶質シリコン膜は、結晶化の際、基板や下地絶
縁膜の影響を受けるため、複数の結晶粒が析出し、{1
11}に配向する傾向があるものの、その面方位に配向
する割合は低かった。
【0011】本発明はこのような問題点を解決する手段
を提供することを目的とし、非晶質半導体膜を結晶化し
て得られる結晶質半導体膜の特性を高め、そのような結
晶質半導体膜を活性層に用いたTFTを提供することを
第1の目的とする。
【0012】また、ガラスまたは石英などの基板上の非
晶質半導体膜を上記方法(特開平7−130652号公
報、特開平8−78329号公報)により結晶化させる
と、通常は多結晶構造が得られる。非晶質半導体膜の結
晶化は、非晶質半導体膜と基板との界面に自然に発生す
る結晶核が基になり結晶化が進むと考えられている。多
結晶構造における個々の結晶粒は任意な結晶面が析出し
てしまうが、下地にある酸化シリコンとの界面エネルギ
ーが最小となる(111)面の結晶が析出する確率的に
最も多くなっている。
【0013】また、シリコンの結晶化を助長する元素を
非晶質シリコン膜に導入して結晶化を行う場合には、自
然核が発生するより低い温度で導入した元素のシリサイ
ド化物が形成され、当該シリサイドを基にした結晶成長
が起こっている。例えば、形成されるNiSi2は特定
の配向性を持たないが、非晶質半導体膜の厚さを20〜
100nmとすると基板表面に対し平行な方向しか殆ど
成長することが許されなくなる。この場合、NiSi2
と結晶シリコンの(111)面とが接する界面エネルギ
ーが最も小さいので、結晶質シリコン膜の表面と平行な
面は(110)面となり、この格子面が優先的に配向す
る。結晶成長方向が基板表面に対し平行な方向に、柱状
に成長する場合には、その柱状結晶を軸とした回転方向
には自由度が存在するため、必ずしも(110)面が配
向するとは限らないため、その他の格子面も析出し、全
体として(110)面に配向する割合はやはり20%に
満たなかった。
【0014】配向率が低い場合、異なる方位の結晶がぶ
つかる結晶粒界で、格子の連続性を保持することが殆ど
不可能となり、不対結合手が多く形成されることが容易
に推定される。粒界にできる不対結合手は再結合中心ま
たは捕獲中心となり、キャリア(電子・ホール)の輸送
特性を低下させている。その結果、キャリアが再結合で
消滅したり欠陥にトラップされたりするため、このよう
な結晶質半導体膜を用いてTFTを作製しても高い電界
効果移動度を有するTFTを期待することができない。
【0015】また、結晶粒の位置を意図的に制御するこ
とは殆ど不可能であり、結晶粒界はランダムに存在する
ため、TFTのチャネル形成領域を特定の結晶方位をも
つ結晶粒で形成することができない。このことは、TF
Tの電気的特性がばらつく要因として非常に憂慮されて
いる。
【0016】本発明はこのような問題点を解決する手段
を提供することを目的とし、非晶質半導体膜を結晶化し
て得られる結晶質半導体膜の配向率を高め、そのような
結晶質半導体膜を用いたTFTを提供することを第2の
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本明細書で開示する発明の構成は、絶縁表面上
に半導体層を有する半導体装置であって、前記半導体層
は、ゲルマニウムを含む第1の結晶質半導体層15と、
前記第1の結晶質半導体層に接する第2の結晶質半導体
層16とを有することを特徴とする半導体装置である。
【0018】また、上記構成において、前記第1の結晶
質半導体層15は、ゲルマニウムを0.1原子%〜10
原子%未満、さらに好ましくは1〜5原子%の範囲で含
むことを特徴としている。また、上記構成において、前
記第2の結晶質半導体層16は、シリコンを主成分とす
ることを特徴としている。また、結晶質半導体層15、
16中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/c
3未満、酸素の濃度は1×1019/cm3未満である。
【0019】また、上記構成において、前記第1の結晶
質半導体層15および前記第2の結晶質半導体層16
は、レーザー光により結晶化されたことを特徴としてい
る。
【0020】また、上記構造を実現するための発明の構
成は、図1に示すように、絶縁表面上にゲルマニウムを
含む第1の非晶質半導体膜11を形成する第1の工程
と、前記第1の非晶質半導体膜11上に接する第2の非
晶質半導体膜12を形成する第2の工程と、前記第1の
非晶質半導体膜及11び前記第2の非晶質半導体膜12
にレーザー光を照射して結晶化させる第3の工程と、を
有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0021】また、他の発明の構成は、図6に示すよう
に、絶縁表面上の電極(ゲート電極401、402)を
覆う絶縁膜403a、403bを形成する第1の工程
と、前記絶縁膜上にゲルマニウムを含む第1の非晶質半
導体膜を形成する第2の工程と、前記第1の非晶質半導
体膜上に接する第2の非晶質半導体膜を形成する第3の
工程と、前記第1の非晶質半導体膜及び前記第2の非晶
質半導体膜にレーザー光を照射して結晶化させる第4の
工程と、を有することを特徴とする半導体装置の作製方
法である。
【0022】また、上記構成において、前記第1の非晶
質半導体膜は、0.1原子%〜10原子%未満、さらに
好ましくは1〜5原子%の範囲でゲルマニウムを含むこ
とを特徴としている。また、上記構成において、前記第
2の非晶質半導体膜は、シリコンを主成分とすることを
特徴としている。また、非晶質半導体膜11、12中に
含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3
満、酸素の濃度は1×101 9/cm3未満である。
【0023】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明の構成は、結晶構造を有する半導体層でチャネル形
成領域を形成した半導体装置において、半導体層は、シ
リコンを主成分としゲルマニウムを含有する第1の半導
体膜と、シリコンを主成分とする第2の半導体膜とから
成り、第1の半導体膜及び第2の半導体膜に含まれる窒
素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満であり、酸
素の濃度は1×1019/cm3未満であることを特徴と
している。
【0024】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層でチャネル形成領域を形成した半導体装置に
おいて、半導体層は、シリコンを主成分とし、該シリコ
ンよりも原子半径の大きな元素を含有する第1の半導体
膜と、シリコンを主成分とする第2の半導体膜とから成
り、第1の半導体膜及び第2の半導体膜に含まれる窒素
及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満であり、酸素
の濃度は1×1019/cm3未満であることを特徴とし
ている。
【0025】また、他の発明の構成は、絶縁表面上に、
シリコンを主成分としゲルマニウムを含有する第1の非
晶質半導体膜を形成する第1の工程と、第1の半導体膜
上に、シリコンを主成分とする第2の非晶質半導体膜を
形成する第2の工程と、第1の非晶質半導体膜または第
2の非晶質半導体膜にシリコンの結晶化を助長する元素
を添加する第3の工程と、第1の非晶質半導体膜及び第
2の非晶質半導体膜とを加熱処理により結晶化させ、第
1の結晶質半導体膜と第2の結晶質半導体膜を形成する
第4の工程とを有することを特徴としている。
【0026】絶縁表面上に、シリコンを主成分とし、該
シリコンよりも原子半径の大きな元素を含有する第1の
非晶質半導体膜を形成する第1の工程と、第1の半導体
膜上に、シリコンを主成分とする第2の非晶質半導体膜
を形成する第2の工程と、第1の非晶質半導体膜または
第2の非晶質半導体膜にシリコンの結晶化を助長する元
素を添加する第3の工程と、第1の非晶質半導体膜及び
第2の非晶質半導体膜とを加熱処理により結晶化させ、
第1の結晶質半導体膜と第2の結晶質半導体膜を形成す
る第4の工程とを有することを特徴としている。
【0027】結晶方位の分布は反射電子回折パターン
(EBSP:Electron Backscatter diffraction Patte
rn)により求めることができる。EBSPは走査型電子
顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)に専
用の検出器を設け、一次電子の後方散乱から結晶方位を
分析する手法である(以下、この手法を便宜上EBSP
法と呼ぶ)。EPSPを用いた結晶半導体膜の評価
は、"Microtexture Analysisof Location Controlled L
arge Si Grain Formed by Exciter-Laser Crystallizat
ion Method: R. Ishihara and P. F. A. Alkemade, AML
CD'99 Digest of Technical Papers 1999 Tokyo Japan,
pp99-102"に紹介されている。
【0028】この測定方法は、結晶構造を持った試料に
電子線が入射すると、後方にも非弾性散乱が起こり、そ
の中には試料中でブラッグ回折による結晶方位に特有の
線状パターン(一般に菊地像と呼ばれる)も合わせて観察
される。EBSP法は検出器スクリーンに映った菊地像
を解析することにより試料の結晶方位を求めている。試
料の電子線の当たる位置を移動させつつ方位解析を繰り
返す(マッピング測定)ことで、面状の試料について結晶
方位または配向の情報を得ることができる。入射電子線
の太さは、走査型電子顕微鏡の電子銃のタイプにより異
なるが、ショットキー電界放射型の場合、10〜20nm
の非常に細い電子線が照射される。マッピング測定で
は、測定点数が多いほど、また測定領域が広いほど、結
晶配向のより平均化した情報を得ることができる。実際
には、100×100μm2の領域で、10000点(1
μm間隔)〜40000点(0.5μm間隔)の程度の測
定を行っている。
【0029】マッピング測定により各結晶粒の結晶方位
がすべて求まると、膜に対する結晶配向の状態を統計的
に表示できる。図42(A)にEBSP法により求めら
れる逆極点図の例を示す。逆極点図は多結晶体の優先配
向を表示する際によく用いられるもので、試料のある特
定の面(ここでは膜表面)が、どの格子面に一致している
かを集合的に表示したものである。
【0030】図42(A)の扇形状の枠は一般に標準三
角形と呼ばれるもので、この中に立方晶系における全て
の指数が含まれている。またこの図中における長さは、
結晶方位における角度に対応している。たとえば{00
1}と{101}の間は45度、{101}と{11
1}の間は35.26度、{111}と{001}の間
は54.74度である。また、白抜きの点線は{10
1}からのずれ角5度及び10度の範囲を示している。
【0031】図42(A)は、マッピングにおける全測
定点(この例では11655点)を標準三角形内にプロッ
トしたものである。{101}付近で点の密度が濃くな
っていることがわかる。図42(B)は、このような点
の集中度を等高線表示したものである。ここで数値は各
結晶粒が完全に無秩序な配向だと仮定した場合、すなわ
ち標準三角形内に点を偏りなく分布させた場合に対する
倍率を示しており無次元数である。
【0032】このように特定の指数(ここでは{10
1})に優先配向している事がわかった場合、その指数
近傍にどの程度の結晶粒が集まっているか、その割合を
数値化することで、優先配向の度合いをよりイメージし
やすくなる。例えば図42(A)に例示した逆極点図に
おいて{101}からのずれ角5度及び10度の範囲
(図中に白点線で示す)に存在する点数の全体に対する
割合を配向率として次式により求めて示すことができ
る。
【0033】
【数1】
【0034】この割合は、次のように説明することもで
きる。図42(A)のように{101}付近に分布が集
中している場合、実際の膜においては各結晶粒の<10
1>方位は基板に概略垂直であるが、その周りにやや揺
らぎを持って並んでいることが予想される。この揺らぎ
の角に許容値を5度、10度と設け、それより小さいも
のの割合を数値で示してゆく。以上に説明したように許
容ずれ角を5度及び10度と定め、それを満たす結晶粒
の割合を表示してゆくことにより配向率を求めることが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態1について、以
下に説明する。
【0036】(実施形態1)まず、絶縁表面を有する基
板10上に、シリコンを主成分としゲルマニウムを含む
第1の非晶質半導体膜(ゲルマニウムを含むシリコン膜
とも呼ぶ)11と、シリコンを主成分とする第2の非晶
質半導体膜(シリコン膜とも呼ぶ)12を積層形成す
る。(図1(A))
【0037】絶縁表面を有する基板10としては、アル
ミナホウケイ酸ガラスやバリウムホウケイ酸ガラスなど
で代表されるガラス基板や石英基板やサファイア基板を
用いることができる。あるいはシリコン、ゲルマニウ
ム、ガリウム・砒素などの半導体基板、金属基板または
ステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いて
も良い。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラ
スチック基板を用いてもよい。
【0038】第1の非晶質半導体膜11の材料に限定は
ないが、SiXGe1-X(0<X<1)、好ましくは、シ
リコンを主成分としゲルマニウムを0.1原子%〜10
原子%未満、さらに好ましくは1〜5原子%の範囲で含
有している非晶質半導体膜(ゲルマニウムを含む非晶質
シリコン膜)を用いる。また、非晶質半導体中に含まれ
る窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素
の濃度は1×1019/cm3未満とすることが好まし
く、後に行われる非晶質半導体膜の結晶化の過程におい
て、作製される結晶質半導体膜の電気的特性に悪影響が
出ないようにする。
【0039】第1の非晶質半導体膜11の成膜方法は、
特に限定されず、プラズマCVD法や減圧CVD法で形
成してもよいし、ゲルマニウムを含むシリコンからなる
ターゲットを用いたスパッタ法で形成してもよいし、プ
ラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法で得られた
シリコン膜にゲルマニウムをイオン注入して形成しても
よい。
【0040】プラズマCVD法を用いる場合には、Si
4とGeH4とから成る反応ガス、或いは、SiH4
2で希釈したGeH4成る反応ガスを加えて反応室に導
入し、1〜200MHzの高周波放電により分解し基板
上に第1の非晶質半導体膜を堆積させる。反応ガスは、
SiH4の代わりにSi26またはSiF4を、GeH 4
の代わりにGeF4を採用しても良い。減圧CVD法を
用いる場合にも同様な反応ガスを適用することが可能で
あり、好ましくはHeで反応ガスを希釈して、400〜
500℃の温度で基板上に第1の非晶質半導体膜を堆積
する。なお、第1の非晶質半導体膜11中におけるゲル
マニウムの含有量は、反応ガスの混合比により適宜調節
することができる。
【0041】図17は第1の非晶質半導体膜及び第2の
非晶質半導体膜を形成するために用いるプラズマCVD
装置の構成の一例を説明する図である。プラズマCVD
装置は反応室1001に高周波電源1005が接続する
陰極(カソード)1002、陽極(アノード)1003
が設けられた平行平板型である。陰極1002はシャワ
ー板となっていて、ガス供給手段1006からの反応ガ
スは、このシャワー板を通して反応室中に供給される。
陽極1003にはシーズヒーターなどによる加熱手段が
設けられ、基板1015が設置されている。ガス供給系
の詳細は割愛するが、SiH4やGeH4などが充填され
たシリンダー1014、ガスの流量を制御するマスフロ
ーコントローラー1012、ストップバルブ1013な
どから構成されている。排気手段1007は、ゲートバ
ルブ1008、自動圧力制御弁1009、ターボ分子ポ
ンプ(または複合分子ポンプ)1010、ドライポンプ
1007から成っている。ターボ分子ポンプ(または複
合分子ポンプ)1010、ドライポンプ1007は潤滑
油を使用しないもので、油の拡散による反応室内の汚染
を完全に無くしている。排気速度は、反応室の容積13
Lの反応室に対し、一段目に排気速度300L/秒のタ
ーボ分子ポンプ、二段目に排気速度40m3/hrのド
ライポンプを設け、排気系側から有機物の蒸気が逆拡散
してくるのを防ぐと共に、反応室の到達真空度を高め、
非晶質半導体膜の形成時に不純物元素が膜中に取り込ま
れることを極力防いでいる。
【0042】このような装置で作製される非晶質半導体
膜に含まれる窒素、炭素、酸素のそれぞれの含有量は二
次イオン質量分析法(SIMS)によって測定した場
合、いずれの成膜条件においても窒素、炭素の含有量は
5×1018/cm3未満、酸素の含有量は1×1019/c
3未満である。
【0043】第2の非晶質半導体膜12は、シリコンを
主成分とする非晶質半導体膜(非晶質シリコン膜)を用
いる。また、第1の非晶質半導体膜と同様に、非晶質半
導体中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/c
3未満、酸素の濃度は1×1019/cm3未満とするこ
とが好ましい。
【0044】第2の非晶質半導体膜12の成膜方法は、
プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法、あるい
はその他適宣の方法を用いればよい。
【0045】また、第2の非晶質半導体膜の膜厚は、第
1の非晶質半導体膜の半分以下の膜厚とすることが好ま
しく、第1の非晶質半導体膜と第2の非晶質半導体膜と
の積層膜の総膜厚を20〜100nm(好ましくは30
〜60nm)とすることが望ましい。
【0046】また、汚染を防ぐために大気に触れること
なく、第1の非晶質半導体膜11と第2の非晶質半導体
膜12とを連続的に成膜することが好ましい。
【0047】また、基板から半導体膜への不純物の汚染
を防ぐため、第1の非晶質半導体膜を形成する前に基板
上に下地絶縁膜を形成してもよい。下地絶縁膜として
は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シ
リコン膜から選ばれた単層膜、またはそれらを2層以上
積層させた積層膜を用いることができる。また、汚染を
防ぐために大気に触れることなく、下地絶縁膜と第1の
非晶質半導体膜11と第2の非晶質半導体膜12とを連
続的に成膜することが好ましい。
【0048】次いで、レーザー処理を行い、第1の非晶
質半導体膜11及び第2の非晶質半導体膜12を結晶化
させて、第1の結晶質半導体膜13及び第2の結晶質半
導体膜14を形成する。(図1(B))
【0049】レーザー処理は、波長400nm以下のエ
キシマレーザーや、YAGレーザーまたはYVO4レー
ザーの第2高調波(波長532nm)〜第4高調波(波
長266nm)を光源として用いて行う。これらのレー
ザー光は光学系にて線状またはスポット状に集光し、そ
のエネルギー密度を100〜700mJ/cm2として
照射し、上記のように集光したレーザービームを基板の
所定の領域に渡って走査させ処理を行う。また、図1
(B)では表面側からのみ照射した例を示しているが、
両面から照射してもよい。その他、レーザーの代わり
に、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、メ
タルハライドランプなどを光源としても良い。また、レ
ーザー処理の後、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水
銀ランプ、メタルハライドランプなどの光を照射しても
よい。
【0050】なお、このレーザー処理を行う前に第1の
非晶質半導体膜11及び第2の非晶質半導体膜が含有す
る水素を放出させておくことが好ましく、400〜50
0℃で1時間程度の熱処理を行い含有する水素量を5at
om%以下にしてからレーザー照射させて結晶化させると
膜表面の荒れを防ぐことができるので良い。
【0051】上記レーザー処理によって、結晶成長が生
じて良好な膜質を有する結晶質半導体膜が得られる。
【0052】次いで、第1の結晶質半導体膜13と第2
の結晶質半導体膜14との積層膜に公知のパターニング
処理を行い、所望の形状の半導体層(第1の結晶質半導
体層15と第2の結晶質半導体層16との積層構造を有
する)を形成する。
【0053】以上の工程により積層構造を有する半導体
層が得られる。
【0054】こうして得られた積層構造を有する半導体
層を用いたTFT等の素子は優れた電気特性を有する。
【0055】上記レーザー処理において、結晶成長が生
じるメカニズムは、現段階で必ずしも明らかではない
が、概略以下のように推測することができる。
【0056】レーザー処理する半導体膜(シリコン膜)
が単層であった場合、レーザー光の照射後の固相化過程
において、溶融した液相シリコンの熱は基板に拡散する
ため、液相シリコンは基板との界面から冷却されて、固
相化が進み結晶化する。従って、膜面に対して垂直方向
に結晶成長が生じる。また、こうして結晶化した半導体
膜は、基板上に形成された下地絶縁膜(SiO2)の影
響を受け、エネルギー的に安定しやすい[111]に配向
する傾向が強かった。
【0057】これに対して、レーザー処理する半導体膜
が本発明のような積層(ゲルマニウムを含むシリコン膜
とシリコン膜との積層)であった場合、ゲルマニウムの
融点は937℃であり、シリコンの融点である1415
℃より低いことからわかるように、第1の非晶質半導体
膜(ゲルマニウムを含むシリコン膜)と第2の非晶質半
導体膜(シリコン膜)とでは、固相化が始まる温度が若
干異なり、シリコン膜のほうが高い温度で固相化が始ま
る。従って、シリコン膜が一部固相化し始めても、しば
らくゲルマニウムを含むシリコン膜は溶融した液相であ
る状態が続く。こうして結晶化した半導体膜は、基板上
に形成された下地絶縁膜(SiO2)の影響を受けな
い。また、レーザー光の照射後の固相化過程において、
溶融した液相シリコンは、溶融した液相状態のゲルマニ
ウムを含むシリコン膜との界面付近で過冷却になりやす
いと考えられる。
【0058】また、図19で示したように、非晶質半導
体膜のパターニング後にレーザー処理を行って端部から
結晶核を発生させて横方向(ラテラル方向)に結晶成長
させてもよい。
【0059】また、図20で示したように、パターニン
グした絶縁層を利用してレーザー光強度を空間的に変調
させて適度な温度勾配を形成し、ラテラル方向に結晶成
長させてもよい。
【0060】上記実施の形態における非晶質半導体膜と
しては、非晶質半導体膜、微結晶半導体膜、または非晶
質構造を含む化合物半導体膜を用いることが可能であ
る。
【0061】(実施形態2)本発明で得られる{10
1}面の配向率が高い結晶質半導体膜は、シリコンを主
成分とすることに特徴を有している。このような結晶質
半導体膜の典型的な一実施形態は、シリコンを主成分と
し、ゲルマニウムを含む第1の結晶質半導体膜と、シリ
コンを主成分とする第2の結晶質半導体膜とから成って
いる。第1の結晶質半導体膜及び第2の結晶質半導体膜
はいずれも非晶質半導体膜を絶縁表面上にプラズマCV
D法または減圧CVD法などで形成し、その後シリコン
の結晶化を助長する元素を添加して結晶化させることに
より得られるものである。
【0062】このような結晶質半導体膜を形成するため
の基板は、アルミナホウケイ酸ガラスやバリウムホウケ
イ酸ガラスなどの無アルカリガラス基板や石英基板が適
している。その他に、シリコン、ゲルマニウム、ガリウ
ム・砒素などの半導体基板の表面に絶縁膜を形成しこれ
を基板とすることも可能である。
【0063】上記ガラス基板を用いる場合には、非晶質
半導体膜とガラス基板との間に窒化シリコン、酸化シリ
コン、または酸化窒化シリコンなどでブロッキング層を
形成する。こうして、ガラス基板中に含まれるアルカリ
金属元素などの不純物元素が半導体膜中に拡散すること
を防ぐ。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3
2を反応ガスとして用い、窒化シリコン膜を形成す
る。または、SiH4、N 2O、NH3を反応ガスとして
用い、酸化窒化シリコン膜を形成する。ブロッキング層
の厚さは20〜200nmで形成する。
【0064】このような絶縁体の表面上に形成する非晶
質半導体膜は、シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを
含む第1の非晶質半導体膜と、シリコンを主成分とする
第2の非晶質半導体膜とを積層させた構造となってい
る。第1の非晶質半導体膜は、シリコンを主成分としゲ
ルマニウムを0.1原子%以上、75原子%未満の範囲
で含有する非晶質半導体膜を用いる。ゲルマニウムの含
有量は、代表的な反応ガスとして用いられるSiH4
GeH4の混合比により調節することができる。また、
第1及び第2の非晶質半導体中に含まれる窒素及び炭素
の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は1×1
19/cm3未満とし、非晶質半導体膜の結晶化の過程
において、また作製される結晶質半導体膜の電気的特性
に悪影響が出ないようにする。
【0065】上記第1及び第2の非晶質半導体膜の形成
は、プラズマCVD法または減圧CVD法、その他適宣
の方法により行う。プラズマCVD法を適用する場合に
は、SiH4とGeH4とから成る反応ガス、或いは、S
iH4とH2で希釈したGeH 4成る反応ガスを加えて反
応室に導入し、1〜200MHzの高周波放電により分
解し基板上に非晶質半導体膜を堆積させる。反応ガス
は、SiH4の代わりにSi26またはSiF4を、Ge
4の代わりにGeF4を採用しても良い。減圧CVD法
を用いる場合にも同様な反応ガスを適用することが可能
であり、好ましくはHeで反応ガスを希釈して、400
〜500℃の温度で基板上に非晶質半導体膜を堆積す
る。いずれにしても、本発明で用いる上記ガスは、堆積
される非晶質半導体膜に取り込まれる酸素、窒素、炭素
などの不純物元素の濃度を低減するために高純度に精製
されたものを用いる。堆積される非晶質半導体膜の厚さ
は20〜100nmの範囲とする。
【0066】結晶化に際しては、第2の非晶質半導体膜
の表面に、該非晶質半導体膜の結晶化を助長する元素を
導入する。当該元素としては、鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロ
ジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(O
s)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(C
u)、金(Au)から選ばれた一種または複数種の元素
を用いる。これらの元素は、本明細書に記載する何れの
発明においても非晶質半導体膜の結晶化を助長する元素
として使用することができる。上記いずれの元素を用い
ても同質、同様の効果を得ることができるが、代表的に
はニッケルを用いる。
【0067】当該元素を導入する箇所は、第2の非晶質
半導体膜の全面、または第1の非晶質半導体膜の全面と
する。或いは第2の非晶質半導体膜の膜面における適宣
箇所のスリット状の面または点状の面などとする。後者
の場合には、好ましくは非晶質半導体膜上に絶縁膜が形
成され、その絶縁膜に設けられた開孔を利用して当該元
素を導入することができる。開孔の大きさに特に限定は
ないが、その幅は10〜40μmとすることができる。
また、その長手方向の長さは任意に決めれば良く、数十
μm〜数十cmの範囲とすることができる。
【0068】これらの当該元素を導入する方法は、当該
元素を含む薄膜を非晶質半導体膜の表面又は内部に存在
させる手法であれば特に限定はなく、例えば、スパッタ
法、蒸着法、プラズマ処理法(含むプラズマCVD
法)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法などを使用
することができる。プラズマ処理法は、不活性ガスによ
るグロー放電雰囲気において、陰極からスパッタされる
当該元素を利用する。また、金属塩の溶液を塗布する方
法は簡易であり、当該元素の濃度調整が容易である点で
有用である。
【0069】金属塩としては各種塩を用いることが可能
であり、溶媒としては水、アルコール類、アルヒデト
類、エーテル類その他の有機溶媒、または水とこれらの
有機溶媒の混合物を用いることができる。また、それら
の金属塩が完全に溶解した溶液とは限らず、金属塩の一
部または全部が懸濁状態で存在する溶液であっても良
い。いずれの方法を採用するにしても、当該元素は非晶
質半導体膜の表面又は内部に分散させて導入する。
【0070】上記何れかの方法でシリコンの結晶化を助
長する元素を導入した後、当該元素を利用して非晶質半
導体膜の結晶化を行う。結晶化は加熱処理、レーザー光
または紫外線、赤外線などの強光の照射によって行う。
加熱処理のみでも{101}に優先的に配向する結晶質
シリコン膜を得ることができるが、好ましくは、加熱処
理を行いその後レーザー光などの強光の照射を行う方法
を適用する。加熱処理後のレーザー処理は、結晶粒内に
残される結晶欠陥を修復し消滅させることができ、作製
される結晶の品質を向上させる目的に対して有効な処置
となる。
【0071】結晶化をするための加熱処理に先立って、
第1及び第2の非晶質半導体膜が含有する水素を放出さ
せる脱水素化処理を行う。この処理は400〜500℃
にて0.5〜5時間、代表的には500℃にて1時間の
条件で脱水素化処理を行う。
【0072】結晶化のための加熱処理は450〜100
0℃の範囲で行うことが可能であるが、温度の上限は使
用する基板の耐熱温度が一つの上限として考慮される。
例えば、石英基板を用いる場合には1000℃の熱処理
にも耐え得るが、ガラス基板の場合にはその歪み点以下
が上限温度の一つの根拠となる。例えば、歪み点667
℃のガラス基板に対しては、660℃程度が限度と見る
べきである。必要とされる時間は加熱温度や、その後の
処理条件(例えばレーザー光を照射する処理の有無な
ど)により適宣設定するが、好適には550〜600℃
にて4〜24時間の加熱処理を行う。また、その後レー
ザー処理を行う場合には、500〜550℃にて4〜8
時間の熱処理を行う。以上の加熱処理は空気中や水素雰
囲気中でも良いが、好適には窒素或いは不活性ガス雰囲
気中にて行う。
【0073】また、レーザー処理は、波長400nm以
下のエキシマレーザーや、YAGまたはYVO4レーザ
ーの第2高調波(波長532nm)〜第4高調波(波長
266nm)を光源として用いて行う。これらのレーザ
ー光は光学系にて線状またはスポッ状に集光し、そのエ
ネルギー密度を100〜700mJ/cm2として照射
し、上記のように集光したレーザービームを基板の所定
の領域に渡って走査させ処理を行う。その他、レーザー
の代わりに、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ラ
ンプ、メタルハライドランプなどを光源としても良い。
【0074】以上のような工程により、本発明における
{101}面の配向率が高い結晶質半導体膜が得られる
メカニズムは、現段階で必ずしも明らかではないが、概
略以下のように推測することができる。
【0075】第1及び第2の非晶質半導体膜に導入され
たシリコンの結晶化を助長する元素は、脱水素処理中に
速やかに非晶質半導体中に拡散する。そして、不均質な
核形成が始まる。そして、当該元素とシリコンが反応し
てシリサイドが形成され、これが結晶核となりその後の
結晶成長に寄与する。例えば、代表的な元素としてニッ
ケルを用いた場合、ニッケルシリサイド(以下、NiS
2と記する)が形成される。第1の非晶質半導体膜に
おいては、NiSi2中にゲルマニウムが殆ど固溶され
ないため、非晶質半導体膜中のゲルマニウムを周囲に排
除しつつ核が形成する。
【0076】NiSi2は特定の配向性を持たないが、
非晶質半導体膜の厚さを20〜100nmとすると基板
表面に対し平行な方向しか殆ど成長することが許されな
くなる。この場合、NiSi2と結晶シリコンの(11
1)面とが接する界面エネルギーが最も小さいので、結
晶質シリコン膜の表面と平行な面は(110)面とな
り、この格子面が優先的に配向する。結晶成長方向が基
板表面に対し平行な方向に、しかも柱状に成長する場合
には、その柱状結晶を軸とした回転方向には自由度が存
在するため、必ずしも(110)面が配向するとは限ら
ないため、その他の格子面も析出すると考えられる。
【0077】NiSi2から見ると、周囲の非晶質半導
体のみに原子半径の大きいゲルマニウムが存在している
ため、大きな歪み(引っ張り応力)が発生していること
が予想される。この歪みエネルギーにより、核生成の臨
界半径を大きくする方向に働く。さらに、この歪み(引
っ張り応力)は、NiSi2による核の結晶方位に制限
を与え、特定の結晶面(具体的には、{101}面)の
配向率を高める作用があると推測される。
【0078】NiSi2の構造はホタル石型構造であ
り、ダイアモンド型構造のシリコン格子間にニッケル原
子を配置した構造となっている。NiSi2からニッケ
ル原子が無くなるとシリコンの結晶構造が残ることにな
る。数々の実験の結果から、ニッケル原子は非晶質シリ
コン側に移動していくことが判明しており、この理由は
非晶質シリコン中の固溶度の方が結晶シリコン中のそれ
よりも高いためであると考えられる。従って、恰もニッ
ケルが非晶質シリコン中を移動しながら結晶シリコンを
形成するというモデルを立案することができる。
【0079】また、非晶質半導体膜中におけるニッケル
の拡散速度は、膜中にゲルマニウムが含まれる方が早い
ことが考えられる。本発明の場合、NiSi2による結
晶の成長は、第1の非晶質半導体膜の方が早く結晶成長
することが考えられる。
【0080】以上の考察より、加熱処理によって、第1
の非晶質半導体膜は{101}面の配向率が高い結晶が
成長し、それに伴って第2の非晶質半導体膜ではエピタ
キシャル成長的に同じ面方位の結晶が成長する。
【0081】本発明は、シリコンを主成分とする結晶質
半導体膜の{101}面の配向を高めるために、シリコ
ンを主成分としゲルマニウムを含む第1の非晶質半導体
膜と、シリコンを主成分とする第2の非晶質半導体膜と
を順次形成し、シリコンの結晶化を助長する元素を添加
して、加熱処理、または加熱処理とレーザー処理を行っ
て結晶化させる方法を採用する。
【0082】非晶質シリコンに0.1〜10原子%のゲ
ルマニウムを含有させると結晶核の発生密度が低下す
る。図36は結晶核の隣接間距離について、GeH4
添加量依存性について調べた結果であり、縦軸はその累
積度数を示している。図36(A)はシリコンの結晶化
を助長する元素として、酢酸ニッケル塩が3ppmの水
溶液を用いた結果であり、図36(B)は1ppmの結
果を示している。GeH 4の添加量の増加は、非晶質シ
リコン中に含まれるゲルマニウム濃度がそれに伴って増
えることを意味する。図36(A)、(B)の結果は、
いずれもGeH4の添加量が多い方が結晶核の隣接間距
離が長くなることを示している。図37はこの結果を基
に、GeH4の添加量に対する結晶核の密度を示してい
る。GeH4の量が増加するに従い、結晶核密度が低下
している傾向が示されている。この結果は、上記考察に
おいて、非晶質シリコン膜中にゲルマニウムが存在する
ことにより核生成の臨界半径を大きくする方向に働くこ
とを裏付けている。
【0083】次に上述の本発明に基づいて作製される結
晶質半導体膜について、その作製条件の一例を示す。表
1はプラズマCVD法で作製する第1及び第2の非晶質
半導体膜の作製条件である。反応ガスはSiH4と水素
で10%に希釈されたGeH4を用いる。これらの反応
ガスは、形成される非晶質半導体膜に含まれる酸素、窒
素、炭素の不純物濃度を低減させるために、SiH4
純度は99.9999%以上のものを、またGeH4
窒素、炭化水素化合物が1ppm以下、CO2が2pp
m以下の高純度品を用いている。第1の非晶質半導体膜
において、シリコンに対するゲルマニウムの含有量を変
化させるために、合計流量が一定になるようにして、S
iH4とH2で10%に希釈したGeH4のガス流量の混
合比を変化させている。共通条件としては、高周波電力
が0.35W/cm2(27MHz)であり、繰り返し
周波数10kHz(デューティ比30%)のパルス放電
に変調して平行平板型のプラズマCVD装置の陰極に給
電する。その他、共通条件として反応圧力33.25P
a、基板温度300℃、電極間隔35mmとする。
【0084】
【表1】
【0085】図35は第1及び第2の非晶質半導体膜を
形成するために用いるプラズマCVD装置の構成の一例
を示している。プラズマCVD装置は反応室3501に
高周波電源3505が接続する陰極(カソード)350
2、陽極(アノード)3503が設けられた平行平板型
である。陰極3502はシャワー板となっていて、ガス
供給手段3506からの反応ガスは、このシャワー板を
通して反応室中に供給される。陽極3503にはシーズ
ヒーターなどによる加熱手段が設けられ、基板3515
が設置されている。ガス供給系の詳細は割愛するが、S
iH4やGeH4などが充填されたシリンダー3514、
ガスの流量を制御するマスフローコントローラー351
2、ストップバルブ3513などから構成されている。
排気手段3507は、ゲートバルブ3508、自動圧力
制御弁3509、ターボ分子ポンプ(または複合分子ポ
ンプ)3510、ドライポンプ3507から成ってい
る。ターボ分子ポンプ(または複合分子ポンプ)351
0、ドライポンプ3507は潤滑油を使用しないもの
で、油の拡散による反応室内の汚染を完全に無くしてい
る。排気速度は、反応室の容積13Lの反応室に対し、
一段目に排気速度300L/秒のターボ分子ポンプ、二
段目に排気速度40m3/hrのドライポンプを設け、
排気系側から有機物の蒸気が逆拡散してくるのを防ぐと
共に、反応室の到達真空度を高め、非晶質半導体膜の形
成時に不純物元素が膜中に取り込まれることを極力防い
でいる。
【0086】このような装置で作製される非晶質半導体
膜に含まれる窒素、炭素、酸素のそれぞれの含有量は二
次イオン質量分析法(SIMS)によって測定されてい
る。図38にその結果を示す。測定に用いた試料は、シ
リコン基板上にSiH4のみ、水素で10%に希釈した
GeH4を5SCCM添加した条件、同10SCCM添
加した条件の順に積層したものであるが、いずれの成膜
条件においても窒素、炭素の含有量は5×1018/cm
3未満、酸素の含有量は1×1019/cm3未満である。
【0087】絶縁表面上に形成する第1の非晶質半導体
膜の厚さは5〜30nmとし、その上に形成する第2の
非晶質半導体膜の厚さは15〜70nmとして形成し、
第1の非晶質半導体膜の厚さ第2の非晶質半導体膜に対
して薄くなるように形成する。第1の非晶質半導体膜に
はシリコンに対して原子半径の大きなゲルマニウムを含
有し、結晶核の生成密度を小さくすることができる。上
述の如く、この第1の非晶質半導体膜は結晶化において
第2の非晶質半導体膜を結晶化させ、特定の結晶面の配
向を高めるためのシード層として利用するため、本来第
2の非晶質半導体膜よりも薄く形成することが望まし
い。
【0088】第1及び第2の非晶質半導体膜の結晶化
は、シリコンの結晶化を助長する元素としてニッケルを
用い、500〜600℃の加熱処理、または加熱処理と
レーザー処理を行う。代表的な作製条件として、窒素雰
囲気中550℃にて4時間の加熱処理及びレーザー処理
を行う方法がある。ニッケルは酢酸ニッケルを10pp
mの濃度で含有する水溶液を用い、スピナーで塗布す
る。また、レーザー処理はXeClエキシマレーザー
(波長308nm)を用い、照射エネルギー密度300〜
600mJ/cm2、重ね合わせ率90〜95%で照射
する。レーザー処理は加熱処理により結晶化した膜の未
結晶化部分の結晶化や、結晶粒内に欠陥を補修するため
に行っている。
【0089】結晶質半導体膜に残存する欠陥は水素化処
理により、0.01〜1原子%程度の水素を含有させる
ことにより効果的に低減させることができる。水素化は
水素を含む雰囲気中で350〜500℃の加熱処理によ
り行うことができる。また、プラズマにより生成された
水素を用いて水素化を行うことも可能である。また、S
iF4、GeF4などのフッ化物により第1の非晶質半導
体膜を形成した場合には0.001〜1原子%程度のフ
ッ素が膜中に残存し、欠陥を補償する元素となる。
【0090】こうして{101}面に対して高い配向性
を示す結晶質半導体膜は、添加するゲルマニウムの濃度
を0.1〜10原子%の範囲で添加するだけでなく、膜
中に含まれる酸素、窒素、炭素の元素の濃度を1×10
19/cm3未満にすること、及び膜厚を20〜100n
mの範囲として、基板表面と平行な方向の成長が支配的
となるようにすることの相乗効果により達成される。
【0091】このような{110}面の配向率の高い結
晶質半導体膜はTFTのチャネル形成領域、光起電力素
子の光電変換層など素子の特性を決定付けるチャネル形
成領域に好適に用いることができる。
【0092】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0093】
【実施例】[実施例1]ここでは、同一基板上に画素部
と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネ
ル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する
方法について詳細に図2〜図5を用いて説明する。
【0094】まず、実施の形態に従って、基板100a
上に積層構造を有する島状の半導体層101a〜105
bを形成した。(図2(A))積層構造を有する島状の
半導体層のうち、下層の101a〜105aは、図1
(C)中の第1の結晶質半導体層15に相当するシリコ
ン膜(ゲルマニウムを含む)であり、上層の101b〜
105bは図1中の第2の結晶質半導体層16に相当す
るシリコン膜である。なお、基板100a上に酸化シリ
コン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜など
の絶縁膜からなる下地絶縁膜100bを形成した。
【0095】本実施例では下地絶縁膜100bとして2
層構造を用いるが、単層膜または2層以上の積層膜を用
いても良い。下地絶縁膜100bの一層目(下層)とし
ては、プラズマCVD法を用い、SiH4、NH3、及び
2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化シリコン膜
を10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成す
る。本実施例では、膜厚50nmの酸化窒化シリコン膜
(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=
17%)を形成した。次いで、下地絶縁膜100bのニ
層目(上層)としては、プラズマCVD法を用い、Si
4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化シ
リコン膜を50〜200nm(好ましくは100〜15
0nm)の厚さに積層形成する。本実施例では、膜厚10
0nmの酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O
=59%、N=7%、H=2%)を形成した。
【0096】次いで、プラズマCVD法またはスパッタ
法により50〜100nmの厚さの酸化珪素膜によるマ
スク層106を形成した。この状態で上記半導体層に対
し、TFTのしきい値電圧(Vth)を制御する目的でp
型を付与する不純物元素、ここではボロンを1×1016
〜5×1017atoms/cm3程度の濃度で上記半導体層の全
面に添加した。(図2(B))本実施例ではマスク層形
成後にボロンの添加を行ったが、特に工程順序は限定さ
れず、例えば、パターニングによって半導体層を形成す
る前に行っても良い。
【0097】半導体に対してp型を付与する不純物元素
には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)など周期律表第13族の元素が知られている。
その方法として、イオン注入法やイオンドープ法を用い
ることができるが、大面積基板を処理するにはイオンド
ープ法が適している。イオンドープ法ではジボラン(B
26)をソースガスとして用いボロン(B)を添加す
る。このような不純物元素の注入は必ずしも必要でなく
省略しても差し支えないが、特にnチャネル型TFTの
しきい値電圧を所定の範囲内に収めるために好適に用い
る手法である。省略した場合、マスク層106の形成は
必要でない。
【0098】次いで、マスク層106をフッ酸などの溶
液でエッチング除去した。
【0099】次いで、膜厚を10〜200nmとして珪
素を含む絶縁膜でゲート絶縁膜107を形成した。(図
2(C))ゲート絶縁膜107としては、酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜(SiOx N
y )、有機樹脂膜(BCB(ベンゾシクロブテン)
膜)、またはこれらの積層膜等を100〜400nmの
膜厚範囲で用いることができる。また、ゲート絶縁膜1
07の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD
法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法、塗布法等の
形成方法を用いることができる。また、熱酸化工程によ
ってゲート絶縁膜107を形成してもよい。
【0100】また、ゲート絶縁膜107を形成する前
に、半導体層の表面を洗浄することが望ましい。被膜表
面の汚染不純物(代表的にはC、Na等)除去は、オゾ
ンを容存させた純水で洗浄を行った後に、フッ素を含有
する酸性溶液を用い、被膜表面を極薄くエッチングする
ことにより行えばよい。
【0101】次いで、駆動回路のnチャネル型TFTの
LDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元
素を半導体層102a、102b、104a、104b
に選択的に添加する。そのため、あらかじめレジストマ
スク108a〜108eを形成した。n型を付与する不
純物元素としては、燐(P)や砒素(As)を用いれば
良く、ここでは燐(P)を添加すべく、フォスフィン
(PH3)を用いたイオンドープ法を適用した。形成さ
れた不純物領域は低濃度n型不純物領域109とし、含
まれる燐(P)濃度は2×1016〜5×1019atoms/c
m3の範囲とすれば良い。本明細書中では、ここで形成さ
れた不純物領域109に含まれるn型を付与する不純物
元素の濃度を(n-)と表す。また、不純物領域110
は、画素部の保持容量を形成するための半導体層であ
り、この領域にも同じ濃度で燐(P)を添加した。(図
2(D))
【0102】次いで、添加した不純物元素を活性化させ
る工程を行う。活性化は、レーザー活性化処理や不活性
雰囲気中、例えば窒素雰囲気中で600〜900℃で1
〜4時間の熱処理により行うことができる。また、両者
を併用しても良い。
【0103】次いで、図2(E)に示すように、ゲート
絶縁膜107上にゲート電極を形成するための耐熱性導
電層を形成する。耐熱性導電層は単層で形成しても良い
が、必要に応じて二層あるいは三層といった複数の層か
ら成る積層構造としても良い。このような耐熱性導電性
材料を用い、例えば、導電性の窒化物金属膜から成る導
電層(A)111と金属膜から成る導電層(B)112
とを積層した構造とすると良い。導電層(B)112は
タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(M
o)、タングステン(W)から選ばれた元素、または前
記元素を主成分とする合金か、前記元素を組み合わせた
合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo−Ta合金
膜)で形成すれば良く、導電層(A)111は窒化タン
タル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタ
ン(TiN)膜、窒化モリブデン(MoN)などで形成
する。また、導電層(A)111はタングステンシリサ
イド、チタンシリサイド、モリブデンシリサイドを適用
しても良い。
【0104】導電層(A)111は10〜50nm(好
ましくは20〜30nm)とし、導電層(B)112は
200〜400nm(好ましくは250〜350nm)
とすれば良い。本実施例では、Wターゲット(純度9
9.9999%)を用いたスパッタ法で、アルゴン(A
r)ガスと窒素(N2)ガスを導入して導電層(A)1
11を窒化タングステン(WN)で50nmの厚さに形
成し、導電層(B)112をタングステン(W)で25
0nmの厚さに形成した。その他の方法として、熱CV
D法でW膜を形成することもできる。
【0105】尚、図示しないが、導電層(A)111の
下に2〜20nm程度の厚さで燐(P)をドープした珪
素膜を形成しておくことは有効である。ドープした珪素
膜上に形成される導電膜の密着性向上と酸化防止を図る
と同時に、導電層(A)111または導電層(B)11
2が微量に含有するアルカリ金属元素がゲート絶縁膜1
07に拡散するのを防ぐことができる。いずれにして
も、(A)111及び導電層(B)112の抵抗率を1
0〜50μΩcmの範囲とすることが好ましい。
【0106】次いで、フォトマスクを用いレジストマス
ク113〜118を形成し、導電層(A)111と導電
層(B)112とをエッチングしてゲート電極119〜
123と容量配線124を形成した。ゲート電極119
〜123と容量配線124は、導電層(A)から成る1
19a〜124aと、導電層(B)から成る119b〜
124bとが一体として形成されている。(図3
(A))
【0107】次いで、画素TFTのnチャネル型TFT
にLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物
元素添加の工程(n--ドープ工程)を行う。ゲート電極
119〜123をマスクとして自己整合的にn型を付与
する不純物元素をイオンドープ法で添加した。n型を付
与する不純物元素として添加する燐(P)の濃度は1×
1016〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲で添加した。
このようにして、図3(B)に示すように半導体層に低
濃度n型不純物領域125〜128を形成した。
【0108】次いで、nチャネル型TFTにおいて、ソ
ース領域またはドレイン領域として機能する高濃度n型
不純物領域の形成を行った(n+ドープ工程)。まず、
フォトマスクを用い、レジストのマスク129〜132
を形成し、n型を付与する不純物元素を添加して高濃度
n型不純物領域133〜138を形成した。n型を付与
する不純物元素には燐(P)を用い、その濃度が1×1
20〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲となるようにフ
ォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行っ
た。(図3(C))
【0109】次いで、pチャネル型TFTを形成する半
導体層101a、101b、103a、103bにソー
ス領域およびドレイン領域とする高濃度p型不純物領域
142、143を形成する。本実施例では、ゲート電極
119、121をマスクとしてp型を付与する不純物元
素を添加し、自己整合的に高濃度p型不純物領域を形成
した。このとき、nチャネル型TFTを形成する半導体
層102a、102b、104、105は、第4のフォ
トマスクを用いてレジストマスク139〜141を形成
し全面を被覆しておく。高濃度p型不純物領域142、
143はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で
形成した。この領域のボロン(B)濃度は3×1020
3×1021atoms/cm3となるようにする。(図3
(D))
【0110】この高濃度p型不純物領域142、143
には、前工程において燐(P)が添加されていて、高濃
度p型不純物領域142a、143aには1×1020
1×1021atoms/cm3の濃度で含有し、高濃度p型不純
物領域142b、143bには1×1016〜5×1019
atoms/cm3の濃度で含有しているが、この工程で添加す
るボロン(B)の濃度を1.5から3倍となるようにす
ることにより、pチャネル型TFTのソース領域および
ドレイン領域として機能する上で何ら問題はなかった。
【0111】その後、図4(A)に示すように、ゲート
電極およびゲート絶縁膜上から保護絶縁膜144を形成
した。保護絶縁膜は酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化
珪素膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれ
ば良い。いずれにしても保護絶縁膜144は無機絶縁物
材料から形成する。保護絶縁膜144の膜厚は100〜
200nmとする。
【0112】その後、それぞれの濃度で添加されたn型
またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行
う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニー
ル法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラ
ピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用すること
ができる。本実施例では550℃で4時間の熱処理を行
った。(図4(B))。
【0113】活性化の工程の後、さらに、3〜100%
の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃、1〜12
時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行っ
た。この工程は熱的に励起された水素により半導体層中
にある1016〜1018/cm3のダングリングボンドを終端
する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水
素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っ
ても良い。
【0114】活性化および水素化の工程が終了したら、
有機絶縁物材料からなる層間絶縁膜145を1.0〜
2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料と
しては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミ
ドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用する
ことができる。
【0115】このようにして層間絶縁膜を有機絶縁物材
料で形成することにより、表面を良好に平坦化させるこ
とができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低い
ので、寄生容量を低減するできる。しかし、吸湿性があ
り保護膜としては適さないので、本実施例のように、保
護絶縁膜144として形成した酸化珪素膜、酸化窒化珪
素膜、窒化珪素膜などと組み合わせて用いる必要があ
る。
【0116】その後、フォトマスクを用い、所定のパタ
ーンのレジストマスクを形成し、それぞれの半導体層に
形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコン
タクトホールを形成する。本実施例では、エッチングガ
スにCF4、O2、Heの混合ガスを用いたドライエッチ
ング法により有機樹脂材料から成る層間絶縁膜をエッチ
ングし、その後、エッチングガスをCF4、O2として保
護絶縁膜144をエッチングした。
【0117】次いで、導電性の金属膜をスパッタ法や真
空蒸着法で形成し、フォトマスクによりレジストマスク
パターンを形成し、エッチングによってソース配線14
6〜150とドレイン配線151〜155を形成する。
ここで、ドレイン配線155は画素電極として機能する
ものである。図示していないが、本実施例ではこの電極
を、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、半導体
層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコ
ンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム
(Al)を300〜400nmの厚さで形成して配線と
した。
【0118】この状態で水素化処理を行うとTFTの特
性向上に対して好ましい結果が得られた。例えば、3〜
100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で
1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ
水素化法を用いても同様の効果が得られた。(図4
(C))。
【0119】こうして、同一の基板上に、駆動回路23
0のTFTと画素部231の画素TFTとを有した基板
を完成させることができた。駆動回路には第1のpチャ
ネル型TFT200、第1のnチャネル型TFT20
1、第2のpチャネル型TFT202、第2のnチャネ
ル型TFT203、画素部には画素TFT204、保持
容量205が形成されている。また、駆動回路230に
はロジック回路232及びサンプリング回路233が形
成されている。本明細書では便宜上このような基板をア
クティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0120】駆動回路の第1のpチャネル型TFT20
0には、ゲルマニウムを含むシリコン膜101aとシリ
コン膜101bとの積層構造を有する半導体層にチャネ
ル形成領域206、高濃度p型不純物領域から成るソー
ス領域207a、207b、ドレイン領域208a,2
08bを有したシングルドレインの構造を有している。
第1のnチャネル型TFT201には、ゲルマニウムを
含むシリコン膜102aとシリコン膜102bとの積層
構造を有する半導体層にチャネル形成領域209、ゲー
ト電極120と重なるLDD領域210、ソース領域2
12、ドレイン領域211を有している。
【0121】このLDD領域において、ゲート電極12
0と重なるLDD領域をLovとしてそのチャネル長方向
の長さは0.5〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.
0μmとした。nチャネル型TFTにおけるLDD領域
の長さをこのようにすることにより、ドレイン領域近傍
に発生する高電界を緩和して、ホットキャリアの発生を
防ぎ、TFTの劣化を防止することができる。
【0122】駆動回路の第2のpチャネル型TFT20
2は同様に、ゲルマニウムを含むシリコン膜103aと
シリコン膜103bとの積層構造を有する半導体層にチ
ャネル形成領域213、高濃度p型不純物領域から成る
ソース領域214a、214b、ドレイン領域215
a,215bを有したシングルドレインの構造を有して
いる。
【0123】また、駆動回路の第2のnチャネル型TF
T203には、ゲルマニウムを含むシリコン膜104a
とシリコン膜104bとの積層構造を有する半導体層に
チャネル形成領域216、ゲート電極122と一部が重
なるLDD領域217、218、ソース領域220、ド
レイン領域219が形成されている。このTFTのゲー
ト電極と重なるLovの長さも0.5〜3.0μm、好ま
しくは1.0〜2.0μmとした。また、ゲート電極と
重ならないLDD領域をLoffとして、このチャネル長
方向の長さは0.5〜4.0μm、好ましくは1.0〜
2.0μmとした。
【0124】画素TFT204には、ゲルマニウムを含
むシリコン膜105aとシリコン膜105bとの積層構
造を有する半導体層にチャネル形成領域221、22
2、LDD領域223〜225、ソースまたはドレイン
領域226〜228を有している。LDD領域(Lof
f)のチャネル長方向の長さは0.5〜4.0μm、好
ましくは1.5〜2.5μmである。
【0125】さらに、容量配線124と、ゲート絶縁膜
と同じ材料から成る絶縁膜と、画素TFT204のドレ
イン領域228に接続する半導体層229とから保持容
量205が形成されている。なお、図4(C)では画素
TFT204をダブルゲート構造としたが、シングルゲ
ート構造でも良いし、複数のゲート電極を設けたマルチ
ゲート構造としても差し支えない。
【0126】以上の様なTFT構成は、画素TFTおよ
び駆動回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するT
FTの構造を最適化し、半導体装置の動作性能と信頼性
を向上させることを可能としている。
【0127】また、このアクティブマトリクス基板はそ
のまま反射型の液晶表示装置に適用することができる。
一方、透過型の液晶表示装置とする場合には画素部の各
画素に設ける画素電極を透明電極で形成すれば良い。
【0128】次いで、上記アクティブマトリクス基板か
ら、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工
程を説明する。
【0129】まず、図5に示すように、図4(C)の状
態のアクティブマトリクス基板にスペーサを形成する。
スペーサは数μmの粒子を散布して設ける方法でも良い
が、ここでは基板全面に樹脂膜を形成した後、樹脂膜を
パターニングして柱状スペーサ157を形成する方法を
採用した。
【0130】柱状スペーサ157の配置は任意に決定す
れば良いが、好ましくは、図5で示すように、画素部2
31においてはドレイン配線155(画素電極)のコン
タクト部と重ねてその部分を覆うように柱状スペーサ1
57を形成すると良い。コンタクト部は平坦性が損なわ
れ、この部分では液晶がうまく配向しなくなるので、こ
のようにしてコンタクト部にスペーサ用の樹脂を充填す
る形で柱状スペーサ157を形成することでディスクリ
ネーションなどを防止することができる。
【0131】その後、配向膜158を形成した。通常、
液晶表示素子の配向膜にはポリイミド樹脂を用いる。配
向膜を形成した後、ラビング処理を施して液晶分子があ
る一定のプレチルト角を持って配向するようにした。ま
た、ラビング処理では静電気の発生がしばしば問題とな
るが、駆動回路のTFT上にもスペーサ157を形成し
ておくと、スペーサとしての本来の役割と、静電気から
TFTを保護する効果を得ることができる。
【0132】対向側の対向基板158には、遮光膜15
9、透明導電膜160および配向膜161を形成する。
遮光膜159はTi、Cr、Alなどを150〜300
nmの厚さで形成する。そして、画素部と駆動回路が形
成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシー
ル剤162で貼り合わせる。シール剤162にはフィラ
ー163が混入されていて、このフィラー163とスペ
ーサ157によって均一な間隔を保ちつつ、2枚の基板
が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料1
64を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止
する。液晶材料には公知の液晶材料を用いれば良い。こ
のようにして図5に示すアクティブマトリクス型液晶表
示装置が完成する。
【0133】[実施例2]本実施例では実施例1とは異
なるアクティブマトリクス基板及びアクティブマトリク
ス型液晶表示装置の作製方法について説明する。ここで
は、同一基板上にNチャネル型逆スタガ型TFT420
及びPチャネル型の逆スタガ型TFT421を作製する
例について図6、図7を用い、以下に説明する。
【0134】まず、基板400を用意する。基板400
としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの
絶縁性基板等を用いることができる。なお、基板からの
不純物の拡散を防止してTFTの電気特性を向上させる
ための下地絶縁膜を設ける構成としてもよい。下地絶縁
膜を設ける場合、その下地絶縁膜の材料としては、酸化
シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜(S
iOx Ny )、またはこれらの積層膜等を100〜50
0nmの膜厚範囲で用いることができ、形成手段として
は熱CVD法、プラズマCVD法、蒸着法、スパッタ
法、減圧熱CVD法等の形成方法を用いることができ
る。或いは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム・砒素
などの半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、これを基板
としても良い。また、プラスチック基板も用いることが
できる。
【0135】次いで、単層構造または積層構造を有する
ゲート配線(ゲート電極含む)401、402を形成す
る。ゲート配線401、402の形成手段としては熱C
VD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、
スパッタ法等を用いて10〜1000nm、好ましくは
30〜300nmの膜厚範囲の導電膜を形成した後、公
知のパターニング技術で形成する。また、ゲート配線4
01、402の材料としては、導電性材料または半導体
材料を主成分とする材料、例えばTa(タンタル)、M
o(モリブデン)、Ti(チタン)、W(タングステ
ン)、クロム(Cr)等の高融点金属材料、これら金属
材料とシリコンとの化合物であるシリサイド、N型又は
P型の導電性を有するポリシリコン等の材料、低抵抗金
属材料Cu(銅)、Al(アルミニウム)等を主成分と
する材料層を少なくとも一層有する構造であれば特に限
定されることなく用いることができる。なお、ゲート配
線の下層を低抵抗金属材料とし上層を高融点金属材料と
した積層構造が好ましく、例えばAl(下層)とTa
(上層)の積層構造、Al(下層)とW(上層)の積層
構造、Al(下層)とCu(上層)の積層構造が望まし
い。また、ゲート配線を保護するための陽極酸化膜また
は酸化膜を形成する構成としてもよい。
【0136】次いで、ゲート絶縁膜を形成する。ゲート
絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒
化酸化シリコン膜(SiOx Ny )、有機樹脂膜(BC
B(ベンゾシクロブテン)膜)、またはこれらの積層膜
等を100〜400nmの膜厚範囲で用いることができ
る。ゲート絶縁膜の形成手段としては熱CVD法、プラ
ズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法、
塗布法等の形成方法を用いることができる。ここでは図
6(A)に示すように、積層構造のゲート絶縁膜403
a、403bを用いた。下層のゲート絶縁膜403a
は、基板やゲート配線からの不純物の拡散を効果的に防
止する窒化シリコン膜等を膜厚10nm〜60nmの膜
厚範囲で形成する。
【0137】次いで、ゲルマニウムを含むシリコン膜と
シリコン膜との積層膜を形成する。下層となるゲルマニ
ウムを含むシリコン膜としては、シリコンを主成分とし
ゲルマニウムを0.1原子%〜10原子%未満、好まし
くは1〜5原子%の範囲で含有している膜を用いる。ま
た、ゲルマニウムを含むシリコン膜中に含まれる窒素及
び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は
1×1019/cm3未満とすることが好ましい。
【0138】ゲルマニウムを含むシリコン膜の成膜方法
は、特に限定されず、プラズマCVD法や減圧CVD法
で形成してもよいし、ゲルマニウムを含むシリコンから
なるターゲットを用いたスパッタ法で形成してもよい
し、プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法で得
られたシリコン膜にゲルマニウムをイオン注入して形成
してもよい。
【0139】また、上層となるシリコン膜も同様に窒素
及び炭素の濃度は5×1018/cm 3未満、酸素の濃度
は1×1019/cm3未満とすることが好ましい。ま
た、シリコン膜の成膜方法は、特に限定されず、プラズ
マCVD法や減圧CVD法やスパッタ法等の公知の技術
を用いることができる。
【0140】なお、上記ゲート絶縁膜403a、403
bと非晶質半導体膜(ゲルマニウムを含むシリコン膜と
シリコン膜)とを大気にさらすことなく連続成膜すれ
ば、不純物がゲート絶縁膜と非晶質半導体膜との界面に
混入しないため良好な界面特性を得ることができる。
【0141】次いで、非晶質半導体膜の結晶化処理を行
い、結晶質半導体膜を形成した後、得られた結晶質半導
体膜を所望の形状にパターニングして、ゲルマニウムを
含むシリコン膜404a、405aとシリコン膜404
b、405bとの積層構造を有する結晶質半導体層を形
成する。(図6(A))結晶化処理としては、実施の形
態に示したレーザー処理を用いればよい。
【0142】次いで、結晶質半導体層上に絶縁層40
6、407を形成する。この絶縁層406、407は不
純物元素の添加工程時にチャネル形成領域を保護する。
この絶縁層406、407としては、酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜(SiOx Ny
)、有機樹脂膜(BCB膜)、またはこれらの積層膜
等を100〜400nmの膜厚範囲で用いることができ
る。絶縁層406、407は、公知のパターニング技
術、例えば通常の露光や裏面露光等を用いて形成する。
(図6(B))
【0143】次いで、フォトマスクを用いてNチャネル
型TFTとなる半導体層の一部を覆うレジストマスク4
08及びPチャネル型TFTとなる半導体層を覆うレジ
ストマスク409を形成し、半導体層にn型を付与する
不純物元素を添加するドーピング工程を行ない、第1の
不純物領域(n+ 領域)410aを形成する。(図6
(C))
【0144】次いで、レジストマスク408、409を
除去した後、絶縁層406、407をマスクとして半導
体層にn型を付与する不純物元素を添加する2回目のド
ーピング工程を行ない、第2の不純物領域(n- 領域)
412を形成する。(図6(D))この工程において、
さらに不純物が添加されて第1の不純物領域410bが
形成される。
【0145】次いで、フォトマスクを用いてNチャネル
型TFTを覆うレジストマスク414を形成し、半導体
層にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行な
い、第3の不純物領域(p+ 領域)413を形成する。
(図7(A))
【0146】次いで、レジストマスク414を除去した
後、ファーネスアニール、レーザーアニールまたはラン
プアニールにより不純物イオンの活性化およびイオン添
加時の損傷の回復を図る。
【0147】以上の工程を経て、Nチャネル型TFT4
20のソース領域、ドレイン領域、低濃度不純物領域、
及びチャネル形成領域が形成され、Pチャネル型TFT
421のソース領域、ドレイン領域、及びチャネル形成
領域が形成される。
【0148】次いで、実施例1に従って全面に層間絶縁
膜415を形成する。(図7(B))
【0149】そして、公知の技術を用いてコンタクトホ
ールを形成した後、配線416〜419を形成して、図
7(C)に示す状態を得る。この配線416〜419は
ソース配線またはドレイン配線として機能する。最後に
水素雰囲気中で熱処理を行い、全体を水素化してNチャ
ネル型TFT及びPチャネル型TFTが完成する。
【0150】なお、本実施例でのドーピング順序(n+
領域→n- 領域→p+ 領域)に限定されず、例えば、p
+ 領域→n- 領域→n+ 領域の順とすることも可能であ
る。
【0151】また、上記本実施例においてチャネル形成
領域へ微量な不純物元素の添加を行ない、TFTのしき
い値制御を行う工程(チャネルドーピング工程とも呼
ぶ)を加えてもよい。
【0152】本実施例で示すNチャネル型TFT及びP
チャネル型TFTを用いて相補的に結合させた回路はC
MOS回路と呼ばれ、半導体回路を構成する基本回路で
ある。
【0153】また、本実施例で示すNチャネル型TFT
を用いて画素部の画素TFTを形成することができる。
図8(A)は、画素部の画素の一つを拡大した上面図で
あり、図8(A)において、点線A−A'で切断した部
分が、図8(B)の画素部の断面構造に相当する。
【0154】画素部において、画素TFT部423はN
チャネル型TFTで形成されている。基板上51にゲー
ト電極52が形成され、その上に窒化珪素からなる第1
絶縁膜53a、酸化珪素からなる第2絶縁膜53bが設
けられている。また、第2絶縁膜上には、活性層として
n+ 領域54〜56と、チャネル形成領域57、58
と、前記n+ 型領域とチャネル形成領域の間にn- 型領
域59、60が形成される。また、活性層は、下層をゲ
ルマニウムを含むシリコン膜とし、上層をシリコン膜と
する積層構造を有する半導体層である。また、チャネル
形成領域57、58は絶縁層61、62で保護される。
絶縁層61、62及び活性層を覆う第1の層間絶縁膜6
3にコンタクトホールを形成した後、n+ 領域54に接
続する配線64が形成され、n+ 領域56に配線65が
接続され、さらにその上にパッシベーション膜66が形
成される。そして、その上に第2の層間絶縁膜67が形
成される。さらに、その上に第3の層間絶縁膜68が形
成され、ITO、SnO2等の透明導電膜からなる画素
電極69が配線65と接続される。また、70は画素電
極69と隣接する画素電極である。
【0155】本実施例では一例として透過型の液晶表示
装置の例を示したが特に限定されない。例えば、画素電
極の材料として反射性を有する金属材料を用い、画素電
極のパターニングの変更、または幾つかの工程の追加/
削除を適宜行えば反射型の液晶表示装置を作製すること
が可能である。
【0156】[実施例3]本実施例では、実施例1また
は実施例2で作製したアクティブマトリクス型液晶表示
装置の構成を図9に説明する。
【0157】図9に示す上面図は、画素部、駆動回路、
FPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Print
ed Circuit)を貼り付ける外部入力端子、外部入力端子
と各回路の入力部までを接続する配線81などが形成さ
れたアクティブマトリクス基板と、カラーフィルタなど
が設けられた対向基板82とがシール材83を介して貼
り合わされている。
【0158】ゲート側駆動回路84と重なるように対向
基板側に遮光層86aが設けられ、ソース側駆動回路8
5と重なるように対向基板側に遮光層86bが形成され
ている。また、画素部87上の対向基板側に設けられた
カラーフィルタ88は遮光層と、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の各色の着色層とが各画素に対応し
て設けられている。実際に表示する際には、赤色(R)
の着色層、緑色(G)の着色層、青色(B)の着色層の
3色でカラー表示を形成するが、これら各色の着色層の
配列は任意なものとする。
【0159】ここでは、カラー化を図るためにカラーフ
ィルタ88を対向基板に設けているが特に限定されず、
アクティブマトリクス基板を作製する際、アクティブマ
トリクス基板にカラーフィルタを形成してもよい。
【0160】また、カラーフィルタにおいて隣り合う画
素の間には遮光層が設けられており、表示領域以外の箇
所を遮光している。また、ここでは、駆動回路を覆う領
域にも遮光層86a、86bを設けているが、駆動回路
を覆う領域は、後に液晶表示装置を電子機器の表示部と
して組み込む際、カバーで覆うため、特に遮光層を設け
ない構成としてもよい。また、アクティブマトリクス基
板を作製する際、アクティブマトリクス基板に遮光層を
形成してもよい。
【0161】また、上記遮光層を設けずに、対向基板と
対向電極の間に、カラーフィルタを構成する着色層を複
数層重ねた積層で遮光するように適宜配置し、表示領域
以外の箇所(各画素電極の間隙)や、駆動回路を遮光し
てもよい。
【0162】また、外部入力端子にはベースフィルムと
配線から成るFPC89が異方性導電性樹脂で貼り合わ
されている。さらに補強板で機械的強度を高めている。
【0163】以上のようにして作製される液晶表示装置
は各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0164】また、上記液晶表示装置におけるブロック
図を図10に示す。なお、図10はアナログ駆動を行う
ための回路構成である。本実施例では、ソース側駆動回
路90、画素部91及びゲート側駆動回路92を有して
いる。なお、本明細書中において、駆動回路とはソース
側処理回路およびゲート側駆動回路を含めた総称であ
る。
【0165】ソース側駆動回路90は、シフトレジスタ
90a、バッファ90b、サンプリング回路(トランス
ファゲート)90cを設けている。また、ゲート側駆動
回路92は、シフトレジスタ92a、レベルシフタ92
b、バッファ92cを設けている。また、必要であれば
サンプリング回路とシフトレジスタとの間にレベルシフ
タ回路を設けてもよい。
【0166】また、本実施例において、画素部91は複
数の画素を含み、その複数の画素に各々TFT素子が設
けられている。
【0167】これらソース側駆動回路90およびゲート
側駆動回路92はNチャネル型TFTまたはPチャネル
型TFTで形成されている。
【0168】なお、図示していないが、画素部91を挟
んでゲート側駆動回路92の反対側にさらにゲート側駆
動回路を設けても良い。
【0169】また、デジタル駆動させる場合は、図11
に示すように、サンプリング回路の代わりにラッチ
(A)93b、ラッチ(B)93cを設ければよい。ソ
ース側駆動回路93は、シフトレジスタ93a、ラッチ
(A)93b、ラッチ(B)93c、D/Aコンバータ
93d、バッファ93eを設けている。また、ゲート側
駆動回路95は、シフトレジスタ95a、レベルシフタ
95b、バッファ95cを設けている。また、必要であ
ればラッチ(B)93cとD/Aコンバータ93dとの
間にレベルシフタ回路を設けてもよい。
【0170】なお、上記構成は、実施例1または実施例
2に示した製造工程に従って実現することができる。ま
た、本実施例では画素部と駆動回路の構成のみ示してい
るが、本実施例の製造工程に従えば、さらに複雑なロジ
ック回路(信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアン
プ、γ補正回路など)をも構成することができ、さらに
は同一基板上にメモリやマイクロプロセッサをも形成し
うる。
【0171】[実施例4]本実施例は実施例2におい
て、ゲート電極が設けられた基板上にスパッタ法を用い
て、連続的にゲート絶縁膜と半導体膜とを成膜する例を
示す。
【0172】まず、基板上にゲート配線401、402
を形成した後、下層のゲート絶縁膜403a、上層のゲ
ート絶縁膜403b、第1の非晶質半導体膜、第2の非
晶質半導体膜を順次、連続的に積層する。このように連
続的に成膜する場合において使用する複数のチャンバー
を備えた装置の一例を図18に示した。
【0173】本実施例では、全てスパッタ法を用い、比
較的低温での成膜を行うことが可能であるのでプラスチ
ック基板を用いた。ただし、本実施例に限定されず、プ
ラスチック基板以外の基板を用いることが可能なことは
言うまでもない。
【0174】図18に本実施例で示す装置(連続成膜シ
ステム)の上面からみた概要を示す。図18において、
1110〜1115が気密性を有するチャンバーであ
る。各チャンバーには、真空排気ポンプ、不活性ガス導
入系が配置されている。
【0175】1110、1115で示されるチャンバー
は、試料(処理基板)1130をシステムに搬入するた
めのロードロック室である。1111は第1のゲート絶
縁膜を成膜するための第1のチャンバーである。111
2は第2のゲート絶縁膜を成膜するための第2のチャン
バーである。1113は第1の非晶質半導体膜及び第2
の非晶質半導体膜を成膜するための第3のチャンバーで
ある。また、1120は各チャンバーに対して共通に配
置された試料の共通室である。さらに非晶質半導体膜上
に連続して絶縁膜を形成して絶縁層406、407を形
成する場合、1114は、その絶縁膜を成膜するための
第4のチャンバーである。
【0176】以下に動作の一例を示す。
【0177】最初、全てのチャンバーは、一度高真空状
態に真空引きされた後、さらに不活性ガス、ここでは窒
素によりパージされている状態(常圧)とする。また、
全てのゲート弁1122〜1127を閉鎖した状態とす
る。
【0178】まず、処理基板は多数枚が収納されたカセ
ット1128ごとロードロック室1110に搬入され
る。カセットの搬入後、図示しないロードロック室の扉
を閉鎖する。この状態において、ゲート弁1122を開
けてカセットから処理基板1130を1枚取り出し、ロ
ボットアーム1121によって共通室1120に取り出
す。この際、共通室において位置合わせが行われる。な
お、この基板1130は実施例2に従って得られた配線
401、402が形成されたものを用いた。
【0179】ここでゲート弁1122を閉鎖し、次いで
ゲート弁1123を開ける。そして第1のチャンバー1
111へ処理基板1130を移送する。第1のチャンバ
ー内では、絶縁膜403aを得る。本実施例では単層の
窒化シリコン膜を採用しているが、二層または三層以上
の積層構造としてもよい。なお、ここではターゲットを
用いたスパッタ法が可能なチャンバーを用いたが、プラ
ズマCVD法が可能なチャンバーを用いても良い。
【0180】絶縁膜403aの成膜終了後、処理基板は
ロボットアームによって共通室に引き出され、第2のチ
ャンバー1112に移送される。第2のチャンバー内で
は、第1のチャンバーと同様にスパッタ法で絶縁膜40
3bを得る。
【0181】絶縁膜403bの成膜終了後、処理基板は
共通室に引き出され、第3のチャンバー1113に移送
される。第3のチャンバー内では第2のチャンバーと同
様に、第1の非晶質半導体膜及び第2の非晶質半導体膜
を得る。第3のチャンバー内には複数のターゲットを備
え、第1の非晶質半導体膜の成膜時にはゲルマニウムを
含むシリコンからなるターゲットを用い、第2の非晶質
半導体膜の成膜時にはシリコンからなるターゲットを用
いた。ここでは同一チャンバーで積層させたが、異なる
チャンバーで積層させてもよい。なお、ここではターゲ
ットを用いたスパッタ法が可能なチャンバーを用いた
が、プラズマCVD法が可能なチャンバーを用いても良
い。
【0182】非晶質半導体膜の成膜終了後、処理基板は
共通室に引き出される。
【0183】このようにして四層が連続的に成膜された
被処理基板はロボットアームによってロードロック室1
115に移送されカセット1129に収納される。
【0184】このように、大気にさらすことなく連続成
膜すれば、不純物がゲート絶縁膜と非晶質半導体膜との
界面に混入しないため良好な界面特性を得ることができ
る。
【0185】さらに、非晶質半導体膜上に連続して絶縁
膜を形成して絶縁層406、407を形成する場合、第
4のチャンバーに移送して同様に成膜した後、パターニ
ングすればよい。
【0186】なお、図18に示した装置は一例に過ぎな
いことはいうまでもない。また、本実施例は実施例1乃
至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0187】例えば、本実施例を実施例1における下地
絶縁膜100a、非晶質半導体膜とを連続的に成膜する
場合に適用することができる。その場合、下層の下地絶
縁膜を第1のチャンバーで成膜し、上層の下地絶縁膜を
第2のチャンバーで成膜し、第1の非晶質半導体膜及び
第2の非晶質半導体膜を第3のチャンバーで成膜すれば
よい。また、第1の非晶質半導体膜及び第2の非晶質半
導体膜を別々のチャンバーで成膜してもよい。即ち、第
1の非晶質半導体膜を第3のチャンバー、第2の非晶質
半導体膜を第4のチャンバーで成膜してもよい。
【0188】[実施例5]ここでは、上記実施例1で得
られるTFTを用いてEL(エレクトロルミネセンス)
表示装置を作製した例について図12〜図15を用い、
以下に説明する。
【0189】同一の絶縁体上に画素部とそれを駆動する
駆動回路を有した発光装置の例(但し封止前の状態)を
図12に示す。なお、駆動回路には基本単位となるCM
OS回路を示し、画素部には一つの画素を示す。このC
MOS回路は実施例1に従えば得ることができる。
【0190】図12において、500は絶縁体であり、
その上にはNチャネル型TFT501、Pチャネル型T
FT502、Pチャネル型TFTからなるスイッチング
TFT503およびNチャネル型TFTからなる電流制
御TFT504が形成されている。
【0191】Nチャネル型TFT501およびPチャネ
ル型TFT502の説明は実施例1を参照すれば良いの
で省略する。また、スイッチングTFT503はソース
領域およびドレイン領域の間に二つのチャネル形成領域
を有した構造(ダブルゲート構造)となっているが、実
施例1でのPチャネル型TFTの構造の説明を参照すれ
ば容易に理解できるので説明は省略する。なお、本実施
例はダブルゲート構造に限定されることなく、チャネル
形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは
三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
【0192】また、電流制御TFT504のドレイン領
域505の上には層間絶縁膜507a、507bが設け
られる前に、保護絶縁膜506及びゲート絶縁膜にコン
タクトホールが設けられている。これは第1層間絶縁膜
507a及び第2の層間絶縁膜507bにコンタクトホ
ールを形成する際に、エッチング工程を簡単にするため
である。層間絶縁膜507a、507bにはドレイン領
域505に到達するようにコンタクトホールが形成さ
れ、ドレイン領域505に接続された画素電極508が
設けられている。画素電極508はEL素子の陰極とし
て機能する電極であり、周期表の1族もしくは2族に属
する元素を含む導電膜を用いて形成されている。本実施
例では、リチウムとアルミニウムとの化合物からなる導
電膜を用いる。
【0193】次に、513は画素電極508の端部を覆
うように設けられた絶縁膜であり、本明細書中ではバン
クと呼ぶ。バンク513は珪素を含む絶縁膜もしくは樹
脂膜で形成すれば良い。樹脂膜を用いる場合、樹脂膜の
比抵抗が1×106〜1×1012Ωm(好ましくは1×
108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン粒子も
しくは金属粒子を添加すると、成膜時の絶縁破壊を抑え
ることができる。
【0194】また、EL素子509は画素電極(陰極)
508、EL層511および陽極512からなる。陽極
512は、仕事関数の大きい導電膜、代表的には酸化物
導電膜が用いられる。酸化物導電膜としては、酸化イン
ジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれらの化合物を
用いれば良い。
【0195】なお、本明細書中では発光層に対して正孔
注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注
入層もしくは電子阻止層を組み合わせた積層体をEL層
と定義する。
【0196】なお、ここでは図示しないが陽極512を
形成した後、EL素子509を完全に覆うようにしてパ
ッシベーション膜を設けることは有効である。パッシベ
ーション膜としては、炭素膜、窒化シリコン膜もしくは
窒化酸化シリコン膜を含む絶縁膜からなり、該絶縁膜を
単層もしくは組み合わせた積層で用いる。
【0197】次いで、EL素子を保護するための封止
(または封入)工程まで行った後のEL表示装置につい
て図13(A)、(B)を用いて説明する。
【0198】図13(A)は、EL素子の封止までを行
った状態を示す上面図、図13(B)は図13(A)を
A−A’で切断した断面図である。点線で示された60
1は画素部、602はソース側駆動回路、603はゲー
ト側駆動回路である。また、604はカバー材、605
は第1シール材、606は第2シール材である。
【0199】なお、608はソース側駆動回路602及
びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送する
ための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)608からビデオ信号やク
ロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示
されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。
【0200】次に、断面構造について図13(B)を用
いて説明する。絶縁体600の上方には画素部、ソース
側駆動回路609が形成されており、画素部は電流制御
TFT710とそのドレインに電気的に接続された画素
電極611を含む複数の画素により形成される。また、
ソース側駆動回路609はNチャネル型TFTとPチャ
ネル型TFTとを組み合わせたCMOS回路を用いて形
成される。なお、絶縁体600には偏光板(代表的には
円偏光板)を貼り付けても良い。
【0201】また、画素電極611の両端にはバンク6
12が形成され、画素電極611上にはEL層613お
よびEL素子の陽極614が形成される。陽極614は
全画素に共通の配線としても機能し、接続配線615を
経由してFPC616に電気的に接続されている。さら
に、画素部及びソース側駆動回路609に含まれる素子
は全てパッシベーション膜(図示しない)で覆われてい
る。
【0202】また、第1シール材605によりカバー材
604が貼り合わされている。なお、カバー材604と
EL素子との間隔を確保するためにスペーサを設けても
良い。そして、第1シール材605の内側には空隙61
7が形成されている。なお、第1シール材605は水分
や酸素を透過しない材料であることが望ましい。さら
に、空隙617の内部に吸湿効果をもつ物質や酸化防止
効果をもつ物質を設けることは有効である。
【0203】なお、カバー材604の表面および裏面に
は保護膜として炭素膜(具体的にはダイヤモンドライク
カーボン膜)を2〜30nmの厚さに設けると良い。こ
のような炭素膜(ここでは図示しない)は、酸素および
水の侵入を防ぐとともにカバー材604の表面を機械的
に保護する役割をもつ。
【0204】また、カバー材604を接着した後、第1
シール材605の露呈面を覆うように第2シール材60
6を設けている。第2シール材606は第1シール材6
05と同じ材料を用いることができる。
【0205】以上のような構造でEL素子を封入するこ
とにより、EL素子を外部から完全に遮断することがで
き、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣化を
促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、
信頼性の高いEL表示装置が得られる。
【0206】次ぎに、上記工程で得られるEL表示装置
において、画素部のさらに詳細な上面構造を図14
(A)に、回路図を図14(B)に示す。図14(A)
及び図14(B)では共通の符号を用いるので互いに参
照すれば良い。
【0207】スイッチングTFT702のソースはソー
ス配線715に接続され、ドレインはドレイン配線70
5に接続される。また、ドレイン配線705は電流制御
TFT706のゲート電極707に電気的に接続され
る。また、電流制御TFT706のソースは電流供給線
716に電気的に接続され、ドレインはドレイン配線7
17に電気的に接続される。また、ドレイン配線717
は点線で示される画素電極(陰極)718に電気的に接
続される。
【0208】このとき、719で示される領域には保持
容量が形成される。保持容量719は、電流供給線71
6と電気的に接続された半導体膜720、ゲート絶縁膜
と同一層の絶縁膜(図示せず)及びゲート電極707と
の間で形成される。また、ゲート電極707、第1層間
絶縁膜と同一の層(図示せず)及び電流供給線716で
形成される容量も保持容量として用いることが可能であ
る。
【0209】次ぎに、上記EL表示装置の回路構成例を
図15に示す。なお、本実施例ではデジタル駆動を行う
ための回路構成を示す。本実施例では、ソース側駆動回
路801、画素部806及びゲート側駆動回路807を
有している。なお、本明細書中において、駆動回路とは
ソース側処理回路およびゲート側駆動回路を含めた総称
である。
【0210】ソース側駆動回路801は、シフトレジス
タ802、ラッチ(A)803、ラッチ(B)804、
バッファ805を設けている。なお、アナログ駆動の場
合はラッチ(A)、(B)の代わりにサンプリング回路
(トランスファゲート)を設ければ良い。また、ゲート
側駆動回路807は、シフトレジスタ808、バッファ
809を設けている。
【0211】また、本実施例において、画素部806は
複数の画素を含み、その複数の画素にEL素子が設けら
れている。このとき、EL素子の陰極は電流制御TFT
のドレインに電気的に接続されていることが好ましい。
【0212】これらソース側駆動回路801およびゲー
ト側駆動回路807は実施例1で得られるNチャネル型
TFTまたはPチャネル型TFTで形成されている。な
お、本実施例ではNチャネル型TFTまたはPチャネル
型TFTでソース側駆動回路801およびゲート側駆動
回路807を構成した例を示したが、特に限定されな
い。例えば、同一基板上のTFTを全てNチャネル型T
FTを用いて作製することができる。この場合、マスク
数が低減されるため有用である。また、同一基板上のT
FTを全てPチャネル型TFTを用いて作製することも
できる。
【0213】なお、図示していないが、画素部806を
挟んでゲート側駆動回路807の反対側にさらにゲート
側駆動回路を設けても良い。この場合、双方は同じ構造
でゲート配線を共有しており、片方が壊れても残った方
からゲート信号を送って画素部を正常に動作させるよう
な構成とする。
【0214】次ぎに、本実施例のTFTに代えて、実施
例2に示した逆スタガ型TFTを用いてEL表示装置を
作製した例を図16に示す。TFTの構造が異なる点以
外は図12と同一である。
【0215】図16において、900は絶縁体であり、
その上にはNチャネル型TFT901、Pチャネル型T
FT902、Pチャネル型TFTからなるスイッチング
TFT903およびNチャネル型TFTからなる電流制
御TFT904が形成されている。
【0216】Nチャネル型TFT901およびPチャネ
ル型TFT902の説明は実施例2を参照すれば良いの
で省略する。また、スイッチングTFT903はソース
領域およびドレイン領域の間に二つのチャネル形成領域
を有した構造(ダブルゲート構造)となっているが、実
施例2でのPチャネル型TFTの構造の説明を参照すれ
ば容易に理解できるので説明は省略する。なお、本実施
例はダブルゲート構造に限定されることなく、チャネル
形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは
三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
【0217】また、電流制御TFT904のドレイン領
域905の上には層間絶縁膜507a、507bが設け
られる前に、第1層間絶縁膜906にコンタクトホール
が設けられている。これは第2層間絶縁膜907にコン
タクトホールを形成する際に、エッチング工程を簡単に
するためである。第1層間絶縁膜906、第2層間絶縁
膜にはドレイン領域905に到達するようにコンタクト
ホールが形成され、ドレイン領域905に接続された画
素電極908が設けられている。画素電極908はEL
素子の陰極として機能する電極であり、周期表の1族も
しくは2族に属する元素を含む導電膜を用いて形成され
ている。本実施例では、リチウムとアルミニウムとの化
合物からなる導電膜を用いる。
【0218】次に、画素電極908の端部を覆うように
設けられたバンク913は珪素を含む絶縁膜もしくは樹
脂膜で形成すれば良い。樹脂膜を用いる場合、樹脂膜の
比抵抗が1×106〜1×1012Ωm(好ましくは1×
108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン粒子も
しくは金属粒子を添加すると、成膜時の絶縁破壊を抑え
ることができる。
【0219】また、EL素子909は画素電極(陰極)
908、EL層911および陽極912からなる。陽極
912は、仕事関数の大きい導電膜、代表的には酸化物
導電膜が用いられる。酸化物導電膜としては、酸化イン
ジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれらの化合物を
用いれば良い。
【0220】また、本実施例は実施例4と組み合わせる
ことができる。
【0221】[実施例6]本実施例は、実施の形態に示
した工程とは異なる工程で結晶化を行った例を示す。
【0222】本実施例では、半導体層のパターニング後
にレーザー処理を行う例である。
【0223】まず、実施例1と同様に基板1200上
に、ゲルマニウムを含むシリコン膜(第1の非晶質半導
体膜)1201とシリコン膜(第2の非晶質半導体膜)
1202からなる積層構造を有する非晶質半導体膜を形
成する。(図19(A))なお、図19(A)は図1
(A)と同一であるのでここでは詳細な説明は省略す
る。
【0224】次いで、公知のフォトリソグラフィ法によ
りパターニングを行い、ゲルマニウムを含むシリコン層
1203とシリコン層1204からなる積層構造を有す
る非晶質半導体層を形成する。(図19(B))
【0225】次いで、レーザー処理を行い結晶化させて
ゲルマニウムを含むシリコン層(第1の結晶質半導体
層)1205とシリコン層(第2の結晶質半導体層)1
206からなる積層構造を有する結晶質半導体層を形成
する。なお、レーザー処理は実施の形態で示した方法を
用いればよい。
【0226】この時、パターニングされた結晶質半導体
層の端部から結晶核が発生して横方向(ラテラル方向)
に結晶成長する。
【0227】こうして得られた積層構造を有する結晶質
半導体層を用いたTFT等の素子は優れた電気特性を有
する。
【0228】なお、本実施例は実施例1乃至5のいずれ
か一と自由に組み合わせることができる。
【0229】[実施例7]本実施例は、実施の形態に示
した工程とは異なる工程で結晶化を行った例を示す。
【0230】本実施例では、パターニングした絶縁層を
利用してレーザー光強度を空間的に変調させて適度な温
度勾配を形成し、横方向(ラテラル方向)に結晶成長さ
せる例である。
【0231】まず、基板1300上に絶縁膜を形成し、
その絶縁膜をパターニングして絶縁層1301を形成す
る。(図20(A))なお、本実施例では1つの絶縁層
を用いた例を示すが特に限定されず、複数の絶縁層を用
いて適宜配置してもよい。
【0232】この絶縁層1301としては、酸化シリコ
ン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜(SiOx
Ny )、有機樹脂膜(BCB(ベンゾシクロブテン)
膜、アクリル膜、ポリイミド膜)、またはこれらの積層
膜等を用いることができる。
【0233】次いで、絶縁層1301を覆って、ゲルマ
ニウムを含むシリコン膜(第1の非晶質半導体膜)13
02とシリコン膜(第2の非晶質半導体膜)1303か
らなる積層構造を有する非晶質半導体膜を形成する。ま
た、絶縁層1301を覆う絶縁膜を形成した後、非晶質
半導体膜を形成してもよい。
【0234】次いで、レーザー処理を行い結晶化させて
ゲルマニウムを含むシリコン層(第1の結晶質半導体
膜)1304とシリコン層(第2の結晶質半導体膜)1
305からなる積層構造を有する結晶質半導体膜を形成
する。なお、レーザー処理は実施の形態で示した方法を
用いればよい。
【0235】この時、パターニングされた絶縁層により
レーザー光強度を空間的に変調させて、レーザー光が照
射されている半導体膜中に適度な温度勾配を形成し、ラ
テラル方向に結晶成長する。
【0236】こうして得られた積層構造を有する結晶質
半導体膜をパターニングして形成された半導体層を用い
たTFT等の素子は優れた電気特性を有する。
【0237】また、本実施例では絶縁層を用いたが、絶
縁層に代えて金属層を用い、その上に絶縁膜を形成して
から非晶質半導体膜を形成し、レーザー処理を行って結
晶化させてもよい。
【0238】なお、本実施例は実施例1乃至6のいずれ
か一と自由に組み合わせることができる。
【0239】[実施例8]本実施例は、実施の形態に示
した積層構造とは異なる積層構造で結晶化を行った例を
示す。本実施例では3層構造とする。
【0240】まず、基板1400上に第1の非晶質半導
体膜1401、第2の非晶質半導体膜1402、第3の
非晶質半導体膜1403を順次、積層形成する。(図2
1(A))
【0241】第1の非晶質半導体膜1401は、プラズ
マCVD法や減圧CVD法やスパッタ法を用いて形成さ
れるシリコンを主成分とする非晶質半導体膜(非晶質シ
リコン膜)を用いる。また、非晶質半導体中に含まれる
窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の
濃度は1×1019/cm3未満とすることが好ましく、
後に行われる非晶質半導体膜の結晶化の過程において、
作製される結晶質半導体膜の電気的特性に悪影響が出な
いようにする。
【0242】第2の非晶質半導体膜1402は、SiX
Ge1-X(0<X<1)、好ましくは、シリコンを主成
分としゲルマニウムを0.1原子%〜10原子%未満、
好ましくは1〜5原子%の範囲で含有している非晶質半
導体膜(ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜)を用い
る。また、非晶質半導体中に含まれる窒素及び炭素の濃
度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は1×1019
/cm3未満とすることが好ましく、後に行われる非晶
質半導体膜の結晶化の過程において、作製される結晶質
半導体膜の電気的特性に悪影響が出ないようにする。
【0243】第2の非晶質半導体膜1402の成膜方法
は、特に限定されず、プラズマCVD法や減圧CVD法
で形成してもよいし、ゲルマニウムを含むシリコンから
なるターゲットを用いたスパッタ法で形成してもよい
し、プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法で得
られたシリコン膜にゲルマニウムをイオン注入して形成
してもよい。
【0244】第3の非晶質半導体膜1403は、シリコ
ンを主成分とする非晶質半導体膜(非晶質シリコン膜)
を用いる。また、第1の非晶質半導体膜と同様に、非晶
質半導体中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018
/cm3未満、酸素の濃度は1×1019/cm3未満とす
ることが好ましい。
【0245】第3の非晶質半導体膜1403の成膜方法
は、プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法、あ
るいはその他適宣の方法を用いればよい。
【0246】また、汚染を防ぐために大気に触れること
なく、第1の非晶質半導体膜1401と第2の非晶質半
導体膜1402と第3の非晶質半導体膜1403とを連
続的に成膜することが好ましい。
【0247】次いで、レーザー光の照射を行い結晶化さ
せて第1の結晶質半導体膜1404と第2の結晶質半導
体膜1405と第3の結晶質半導体膜1406とを形成
する。(図21(B))なお、レーザー処理は実施の形
態で示した方法を用いればよい。
【0248】次いで、公知のフォトリソグラフィ法によ
りパターニングを行い、シリコン層1407と、ゲルマ
ニウムを含むシリコン層1408と、シリコン層140
9とからなる積層構造を有する結晶質半導体層を形成す
る。(図21(C))
【0249】こうして得られた積層構造を有する結晶質
半導体層を用いたTFT等の素子は優れた電気特性を有
する。
【0250】なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれ
か一と自由に組み合わせることができる。
【0251】[実施例9]本実施例は、実施の形態に示
した積層構造とは異なる積層構造で結晶化を行った例を
示す。本実施例では上層にゲルマニウムを含むシリコン
膜を用いる。
【0252】まず、基板1500上に第1の非晶質半導
体膜1501と、第2の非晶質半導体膜1502とを積
層形成する。(図22(A))
【0253】第1の非晶質半導体膜1501は、プラズ
マCVD法や減圧CVD法やスパッタ法を用いて形成さ
れるシリコンを主成分とする非晶質半導体膜(非晶質シ
リコン膜)を用いる。また、非晶質半導体中に含まれる
窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の
濃度は1×1019/cm3未満とすることが好ましく、
後に行われる非晶質半導体膜の結晶化の過程において、
作製される結晶質半導体膜の電気的特性に悪影響が出な
いようにする。
【0254】第2の非晶質半導体膜1502は、SiX
Ge1-X(0<X<1)、好ましくは、シリコンを主成
分としゲルマニウムを0.1原子%〜10原子%未満、
好ましくは1〜5原子%の範囲で含有している非晶質半
導体膜(ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜)を用い
る。また、非晶質半導体中に含まれる窒素及び炭素の濃
度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は1×1019
/cm3未満とすることが好ましく、後に行われる非晶
質半導体膜の結晶化の過程において、作製される結晶質
半導体膜の電気的特性に悪影響が出ないようにする。
【0255】第2の非晶質半導体膜1502の成膜方法
は、特に限定されず、プラズマCVD法や減圧CVD法
で形成してもよいし、ゲルマニウムを含むシリコンから
なるターゲットを用いたスパッタ法で形成してもよい
し、プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法で得
られたシリコン膜にゲルマニウムをイオン注入して形成
してもよい。
【0256】また、汚染を防ぐために大気に触れること
なく、第1の非晶質半導体膜1501と第2の非晶質半
導体膜1502とを連続的に成膜することが好ましい。
【0257】次いで、レーザー光の照射を行い結晶化さ
せて第1の結晶質半導体膜1503と第2の結晶質半導
体膜1504とを形成する。(図22(B))なお、レ
ーザー処理は実施の形態で示した方法を用いればよい。
【0258】次いで、公知のフォトリソグラフィ法によ
りパターニングを行い、シリコン層1505と、ゲルマ
ニウムを含むシリコン層1506とからなる積層構造を
有する結晶質半導体層を形成する。(図22(C))
【0259】こうして得られた積層構造を有する結晶質
半導体層を用いたTFT等の素子は優れた電気特性を有
する。
【0260】なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれ
か一と自由に組み合わせることができる。
【0261】[実施例10]本実施例は、実施の形態に
示した積層構造とは異なる積層構造で結晶化を行った例
を示す。本実施例では3層構造とする。
【0262】まず、基板1600上に第1の非晶質半導
体膜1601、第2の非晶質半導体膜1402、第3の
非晶質半導体膜1603を順次、積層形成する。(図2
3(A))
【0263】第1の非晶質半導体膜1601は、SiX
Ge1-X(0<X<1)、好ましくは、シリコンを主成
分としゲルマニウムを0.1原子%〜10原子%未満、
好ましくは1〜5原子%の範囲で含有している非晶質半
導体膜(ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜)を用い
る。また、非晶質半導体中に含まれる窒素及び炭素の濃
度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は1×1019
/cm3未満とすることが好ましく、後に行われる非晶
質半導体膜の結晶化の過程において、作製される結晶質
半導体膜の電気的特性に悪影響が出ないようにする。
【0264】第1の非晶質半導体膜1601の成膜方法
は、特に限定されず、プラズマCVD法や減圧CVD法
で形成してもよいし、ゲルマニウムを含むシリコンから
なるターゲットを用いたスパッタ法で形成してもよい
し、プラズマCVD法や減圧CVD法やスパッタ法で得
られたシリコン膜にゲルマニウムをイオン注入して形成
してもよい。
【0265】第2の非晶質半導体膜1602は、プラズ
マCVD法や減圧CVD法やスパッタ法を用いて形成さ
れるシリコンを主成分とする非晶質半導体膜(非晶質シ
リコン膜)を用いる。また、非晶質半導体中に含まれる
窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の
濃度は1×1019/cm3未満とすることが好ましく、
後に行われる非晶質半導体膜の結晶化の過程において、
作製される結晶質半導体膜の電気的特性に悪影響が出な
いようにする。
【0266】第3の非晶質半導体膜1603は、第1の
非晶質半導体膜と同様の非晶質半導体膜(ゲルマニウム
を含む非晶質シリコン膜)を用いる。また、第1の非晶
質半導体膜と同様に、非晶質半導体中に含まれる窒素及
び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は
1×1019/cm3未満とすることが好ましい。
【0267】第3の非晶質半導体膜1403の成膜方法
は、第1の非晶質半導体膜と同じ形成方法を用いればよ
い。
【0268】また、汚染を防ぐために大気に触れること
なく、第1の非晶質半導体膜1601と第2の非晶質半
導体膜1602と第3の非晶質半導体膜1603とを連
続的に成膜することが好ましい。
【0269】次いで、レーザー光の照射を行い結晶化さ
せて第1の結晶質半導体膜1604と第2の結晶質半導
体膜1605と第3の結晶質半導体膜1606とを形成
する。(図23(B))なお、レーザー処理は実施の形
態で示した方法を用いればよい。
【0270】次いで、公知のフォトリソグラフィ法によ
りパターニングを行い、ゲルマニウムを含むシリコン層
1607と、シリコン層1608と、ゲルマニウムを含
むシリコン層1609とからなる積層構造を有する結晶
質半導体層を形成する。(図23(C))
【0271】こうして得られた積層構造を有する結晶質
半導体層を用いたTFT等の素子は優れた電気特性を有
する。
【0272】なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれ
か一と自由に組み合わせることができる。
【0273】[実施例11]本実施例は、図24を用い
て、実施例1とは異なる方法でアクティブマトリクス基
板を形成した例を示す。
【0274】まず、実施の形態及び実施例1に従って、
基板300上に下地絶縁膜308a、308bを形成
し、さらにその上に各TFT301〜304の活性層及
び保持容量305の半導体層を形成する。
【0275】次いで、ゲート絶縁膜、第1の導電膜(T
aN)、及び第2の導電膜(W)を積層形成する。ここ
では、第1の導電膜としてTaN、第2の導電膜として
Wを用いる例を示すが、特に限定されないことはいうま
でもない。
【0276】次いで、フォトリソグラフィ法を用いてレ
ジストからなるマスクを形成し、電極及び配線を形成す
るための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではI
CPエッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4
Cl2とを用い、1Paの圧力でコイル型の電極に500W
のRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して
エッチングを行った。
【0277】上記第1のエッチング処理により、基板側
に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び
第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパ
ー部の角度は15〜45°となる。こうして第1の導電
膜及び第2の導電膜をエッチングして、第1の形状の導
電層(第1の導電層と第2の導電層)を形成する。この
第1のエッチングの際、第1の形状の導電層で覆われな
い領域のゲート絶縁膜は20〜50nm程度エッチングさ
れる。
【0278】次いで、上記レジストからなるマスクを除
去せずに第2のエッチング処理を行う。エッチング用ガ
スにCF4とCl2とO2とを用い、1Paの圧力でコイル
型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入して
プラズマを生成してエッチングを行った。
【0279】上記第2のエッチング処理によりW膜を異
方性エッチングし、かつ、第1の導電層であるTaN膜
がW膜より遅いエッチング速度でわずかにエッチングさ
れ、第2の形状の導電層(第1の導電層と第2の導電
層)を形成する。なお、この第2のエッチングの際にお
いても、第2の形状の導電層で覆われない領域のゲート
絶縁膜は、さらにエッチングされて薄くなる。
【0280】次いで、第1のドーピング処理を行う。こ
こでは、高い加速電圧の条件にしてn型を付与する不純
物元素(リンまたは砒素)をドーピングし、自己整合的
に不純物領域(A)を形成する。ドーピングは、第2の
導電層を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の
導電層のテーパ―部下方における半導体層にも不純物元
素が添加されるようにドーピングする。
【0281】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、第2の形状の導電層をマスクとして用い、ゲート
絶縁膜を選択的に除去して絶縁層を形成する。
【0282】次いで、フォトリソグラフィ法を用いてレ
ジストからなるマスクを形成した後、第2のドーピング
処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもド
ーズ量を上げ、低い加速電圧の条件としてn型を付与す
る不純物元素を半導体層にドーピングして不純物領域
(B)を形成する。こうして、nチャネル型TFTのソ
ース領域またはドレイン領域となる不純物領域(B)3
09、310、311を形成することができた。また、
画素部において、第2の形状の導電層(ゲート電極)3
13と重なる不純物領域(A)312aと、不純物領域
(B)311との間には、第2の形状の導電層(ゲート
電極)と重ならない領域312bが形成される。この領
域312bはLDD領域として機能する。
【0283】そして、レジストからなるマスクを除去し
た後、nチャネル型TFTを覆って新たにレジストから
なるマスクを形成して、第3のドーピング処理を行う。
この第3のドーピング処理により、pチャネル型TFT
の活性層となる半導体層に前記一導電型とは逆の導電型
を付与する不純物元素が添加された不純物領域(C)3
19〜323を自己整合的に形成する。本実施例では、
不純物領域(C)はジボラン(B26)を用いたイオン
ドープ法で形成する。なお、不純物領域(C)319〜
323にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されている
が、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純物
元素の濃度を2×1020〜2×1021atoms/cm3となる
ようにドーピング処理することにより、pチャネル型T
FTのソース領域およびドレイン領域として機能するた
めに何ら問題は生じない。
【0284】次いで、レジストからなるマスクを除去
し、全面を覆う第1の層間絶縁膜324を形成する。
【0285】次いで、それぞれの半導体層に添加された
不純物元素を活性化処理する工程を行う。
【0286】以上までの工程でそれぞれの半導体層に不
純物領域が形成される。半導体層と重なる第2の形状の
導電層313〜316がゲート電極として機能する。ま
た、317はソース配線、318は保持容量を形成する
電極として機能する。
【0287】さらに、3%の水素を含む窒素雰囲気中
で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、
半導体層を水素化する工程を行う。
【0288】次いで、第1の層間絶縁膜324上に有機
樹脂材料から成る第2の層間絶縁膜325を形成する。
次いで、ソース配線317に達するコンタクトホールと
不純物領域(B)309〜311、及び各不純物領域
(C)319、322に達するコンタクトホールを形成
するためのパターニングを行う。
【0289】そして、駆動回路において、不純物領域
(B)309〜311または不純物領域(C)319、
322とそれぞれ電気的に接続する配線326〜331
を形成する。
【0290】また、画素部においては、画素電極33
2、ゲート配線333、接続電極334を形成する。こ
の接続電極334によりソース配線317は、画素TF
Tと電気的な接続が形成される。また、ゲート配線33
3は、ゲート電極(第2の形状の導電層313)と電気
的な接続が形成される。また、画素電極332は、画素
TFTのドレイン領域と電気的な接続が形成され、さら
に保持容量を形成する一方の電極として機能する半導体
層と電気的な接続が形成される。
【0291】以上の様にして、nチャネル型TFT30
1、pチャネル型TFT302、nチャネル型TFT3
03を有する駆動回路306と、画素TFT304、保
持容量305とを有する画素部307を同一基板上に形
成することができる。
【0292】駆動回路のnチャネル型TFT301の半
導体層はチャネル形成領域337、ゲート電極を形成す
る第2の形状の導電層314と重なる不純物領域(A)
335(GOLD領域)とソース領域またはドレイン領
域として機能する不純物領域(B)309を有してい
る。また、pチャネル型TFT302の半導体層はチャ
ネル形成領域338、ゲート電極を形成する第2の形状
の導電層315と重なる不純物領域(C)321、ソー
ス領域またはドレイン領域として機能する不純物領域
(C)319、320を有している。また、nチャネル
型TFTの半導体層はチャネル形成領域339、ゲート
電極を形成する第2の形状の導電層316と重なる不純
物領域(A)336(GOLD領域)、ソース領域また
はドレイン領域として機能する不純物領域(B)310
を有している。
【0293】画素部の画素TFTの半導体層はチャネル
形成領域340、ゲート電極を形成する第2の形状の導
電層313と重なる不純物領域(A)312a(GOL
D領域)、ゲート電極の外側に形成される不純物領域3
12b(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域
として機能する不純物領域(B)311を有している。
また、保持容量の一方の電極として機能する半導体層3
22、323には不純物領域(C)と同じ濃度で、それ
ぞれp型を付与する不純物元素が添加されている。保持
容量は、絶縁層341(ゲート絶縁膜と同一膜)を誘電
体として、電極318と、半導体層322、323とで
形成している。
【0294】以降の工程は実施例1に従えばよいのでこ
こでは省略する。
【0295】[実施例12]本実施例は、実施の形態に
示したレーザー処理とは異なる方法で結晶化を行った例
を示す。
【0296】本実施例では、薄い金属板をレーザーの光
路上に設け、レーザー光強度を空間的に変調させて、レ
ーザー光が照射されている半導体膜中に適度な温度勾配
を形成し、ラテラル方向に結晶成長させる。
【0297】図25は、本実施例のレーザー処理を模式
的に示した図である。
【0298】図25中、1700は基板、1701は第
1の非晶質半導体膜(ゲルマニウム含む非晶質シリコン
膜)、1702は第2の非晶質半導体膜(非晶質シリコ
ン膜)である。
【0299】レーザー光1703は第1の非晶質半導体
膜及び第2の非晶質半導体膜に照射されるが、レーザー
光の光路の一部に配置された薄い金属板1704によっ
て回折を生じさせてエネルギー強度に変化を与える。即
ち、レーザー光強度を空間的に変調させて、レーザー光
が照射されている半導体膜中に適度な温度勾配を形成す
る。こすることによって、ラテラル方向に結晶成長して
良好な結晶質半導体膜を形成することができる。
【0300】本実施例ではレーザー光強度を空間的に変
調させる手段として、薄い金属板を用いたが、特に限定
されず、レンズや光学フィルター等を用いてレーザー光
強度を空間的に変調させてもよい。
【0301】なお、本実施例は実施例1乃至11のいず
れか一と自由に組み合わせることができる。
【0302】[実施例13]図26で説明する結晶質半
導体膜の作製方法は、絶縁表面上にシリコンを主成分と
し、ゲルマニウムを含有する第1の非晶質半導体膜と、
シリコンを主成分とする第2の非晶質半導体膜を形成
し、第2の非晶質半導体膜の全面にシリコンの結晶化を
助長する元素を添加して結晶化を行う方法である。ま
ず、図26(A)において、ガラス基板3201はコー
ニング社の#1737ガラス基板に代表されるガラス基
板を用いる。基板3201の表面には、ブロッキング層
3202としてプラズマCVD法でSiH4とN2Oを用
い酸化窒化シリコン膜を50〜200nmの厚さに形成
する。その一例は、プラズマCVD法でSiH4とNH3
とN2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を50n
m、及びSiH4とN2Oから作製される酸化窒化シリコ
ン膜を100nm積層させた2層構造や、或いは、窒化
シリコン膜とTEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)
を用いて作製される酸化シリコン膜を積層させた2層構
造としても良い。ブロッキング層3202はガラス基板
に含まれるアルカリ金属がこの上層に形成する半導体膜
中に拡散しないために設ける。
【0303】シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含
む第1の非晶質半導体膜3203はプラズマCVD法に
より作製し、SiH4とH2で10%に希釈されたGeH
4ガスを反応室に導入し、グロー放電分解して基板32
01上に堆積させる。作製条件は表1に従うものとす
る。SiH4ガスと、H2で10%に希釈されたGeH4
ガスの合計流量は100SCCMとし、H2で10%に
希釈されたGeH4ガスの流量を5〜50SCCMの範
囲で変化させて第1の非晶質半導体膜3203を形成す
る。
【0304】次いで、SiH4ガスを用いてシリコンを
主成分とする第2の非晶質半導体膜3204の形成を行
う。第1の非晶質半導体膜は5〜30nmの厚さに、第
2の非晶質半導体膜に厚さは15〜70nmの厚さに形
成する。
【0305】そして図26(B)で示すように、重量換
算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液を
スピナーで塗布してニッケル含有層3205を形成す
る。この場合、当該溶液の馴染みをよくするために、第
2の非晶質半導体膜3204の表面処理として、オゾン
含有水溶液で極薄い酸化膜を形成し、その酸化膜をフッ
酸と過酸化水素水の混合液でエッチングして清浄な表面
を形成した後、再度オゾン含有水溶液で処理して極薄い
酸化膜を形成しておく。シリコンの表面は本来疎水性な
ので、このように酸化膜を形成しておくことにより酢酸
ニッケル塩溶液を均一に塗布することができる。
【0306】次に、500℃にて1時間の加熱処理を行
い、第1の非晶質半導体膜及び第2の非晶質半導体膜に
含まれる水素を放出させる。そして、550℃にて4時
間に加熱処理を行う。こうして、図26(C)に示す第
1の結晶質半導体膜3206、第2の結晶質半導体膜3
207を得ることができる。結晶化は前述のように第1
の非晶質半導体膜から始まり、その結晶方位を反映して
第2の非晶質半導体膜が結晶化する。
【0307】さらに結晶化率(膜の全体積における結晶
成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修す
るために、第1の結晶質半導体膜3206、第2の結晶
質半導体膜3207に対してレーザー光3208を照射
するレーザー処理を行う。レーザーは波長308nmに
て30Hzで発振するエキシマレーザー光を用いる。当
該レーザー光は光学系にて400〜600mJ/cm2
に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもってレ
ーザー処理を行う。こうして図26(D)に示す結晶質
半導体膜3209を得ることができる。
【0308】[実施例14]非晶質半導体膜の結晶化を助
長する元素を選択的に形成する方法を図27を用いて説
明する。図27(A)において、基板3201はガラス
基板または石英基板を採用する。ガラス基板を用いる場
合には、実施例13と同様にブロッキング層3202を
設ける。
【0309】シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含
む第1の非晶質半導体膜3203、シリコンを主成分と
する第2の非晶質半導体膜3204は共に実施例13と
同様に形成する。また、プラズマCVD法の他に、減圧
CVD法を用い、Si26とGeH4を400〜500
℃の温度で分解して形成する方法も採用可能である。
【0310】そして、第2の非晶質半導体膜3204上
に150nmの厚さの酸化シリコン膜3210を形成す
る。酸化シリコン膜の作製方法は限定されないが、例え
ば、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Ortho Sil
icate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40P
a、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.5
6MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電さ
せ形成する。
【0311】次に、酸化シリコン膜3210に開孔部3
211を形成し、重量換算で10ppmのニッケルを含
む酢酸ニッケル塩溶液を塗布する。これにより、ニッケ
ル含有層3212が形成され、ニッケル含有層3212
は開孔部3211の底部のみで第2の非晶質半導体膜3
204と接触する。
【0312】結晶化は、加熱処理の温度500〜650
℃で4〜24時間、例えば570℃にて14時間の熱処
理を行う。ニッケルは第2の非晶質半導体膜3204と
の接触部から第2及び第1の非晶質半導体膜中に拡散
し、NiSi2による核が形成される。そして、その核
から基板表面と平行な方向に結晶化が進行する。こうし
て形成された第1の結晶質半導体膜3214、第2の結
晶質半導体膜3213は棒状または針状の結晶が集合し
て成り、その各々の結晶は巨視的に見ればある特定の方
向性をもって成長している。3215は相互に成長して
きた結晶の成長端であり、この部分にはニッケルが他の
領域と比較して高い濃度で存在している。その後、酸化
シリコン膜3210を除去すれば図27(C)に示す結
晶質半導体膜を得ることができる。
【0313】[実施例15]実施例13又は実施例14の
方法に従い作製される結晶質半導体膜には結晶化におい
て利用したシリコンの結晶化を助長する元素が残存して
いる。それは膜中において一様に分布していないにし
ろ、平均的な濃度とすれば、1×1019/cm3を越え
る濃度で残存している。勿論、このような状態でもTF
Tをはじめ各種半導体装置のチャネル形成領域に用いる
ことが可能であるが、より好ましくは、ゲッタリングに
より当該金属元素を除去することが望ましい。
【0314】本実施例はゲッタリング方法の一例を図2
8により説明する。図28(A)において、基板320
1は実施例13または実施例14のガラス基板、或いは
石英基板が採用される。ガラス基板を用いる場合には、
実施例13と同様にブロッキング層3202を設ける。
また、第1の結晶質半導体膜3214、第2の結晶質半
導体膜3213は実施例13又は実施例14のいずれの
方法で作製されたものであっても良い。第2の結晶質半
導体膜3213の表面には、マスク用の酸化シリコン膜
3220が150nmの厚さに形成され、開孔部322
1が設けられ結晶質シリコン膜が露出した領域が設けら
れている。実施例14に従う場合には、図27(A)で
示す酸化シリコン膜3210をそのまま利用可能であ
り、図27(B)の工程の後からそのまま本実施例の工
程に移行することもできる。そして、イオンドープ法に
よりリンを添加して、1×1019〜1×1022/cm3
の濃度のリン添加領域3222を形成する。
【0315】そして、図28(B)に示すように、窒素
雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば6
00℃にて12時間の熱処理を行うと、リン添加領域3
222がゲッタリングサイトとして働き、第1の結晶質
半導体膜3214及び第2の結晶質半導体膜3213に
残存していた触媒元素はリン添加領域3222に偏析さ
せることができる。
【0316】その後、図28(C)で示すようにマスク
用の酸化シリコン膜3220と、リンが添加領域322
2とをエッチングして除去することにより、結晶化の工
程で使用した金属元素の濃度が1×1017/cm3未満
にまで低減された第1の結晶質半導体膜3225、第2
の結晶質半導体膜3224を得ることができる。
【0317】[実施例16]本実施例は、結晶粒内欠陥、
或いは、絶縁膜との界面準位を低減し、TFTなどで好
適に利用できる方法を示す。図29(A)で示す第1の
結晶質半導体膜3352、第2の結晶質半導体膜335
3は実施例13又は実施例14にて作製されるものが適
用される。或いは、実施例15で説明するゲッタリング
処理が施されたものであっても良い。しかしながら、本
実施例においては、少なくとも700〜1000℃程度
の耐熱性を有する基板が必要であり、石英基板3351
を用いる必要がある。
【0318】第2の結晶質半導体膜3353の絶縁膜3
354は、酸化シリコンを主成分とする材料で形成す
る。例えば、プラズマCVD法で作製される酸化シリコ
ン膜または酸化窒化シリコン膜を50nmの厚さで形成
する。
【0319】絶縁膜3354が形成された状態で、図2
9(B)で示すように、ハロゲン(代表的には塩素)と
酸素を含む雰囲気中で加熱処理を行う。本実施例では、
950℃にて30分とする。尚、処理温度は700〜1
100℃の範囲で選択すれば良く、処理時間も10分か
ら8時間の間で選択することが可能である。
【0320】この加熱処理により第2の結晶質半導体膜
3353と絶縁膜3354との界面で約20nmの酸化
膜3355が形成され、膜厚の薄くなった第2の結晶質
半導体膜3356が形成される。また、ハロゲン雰囲気
での酸化の過程で、絶縁膜3354と第1及び第2の結
晶質半導体膜に含まれる不純物元素の内、特に金属不純
物元素はハロゲンと化合物を形成し気相中に除去するこ
とができる。さらに、このような処理により得られる酸
化膜3355と第2の結晶質半導体膜3356の界面
は、界面準位密度が低くなり非常に良好なものとなる。
【0321】[実施例17]次に、このようなゲルマニウ
ムを含む結晶質シリコン膜を利用して、TFTを作製す
る例を示す。図30は本実施例の作製工程を説明する図
であり、nチャネル型TFTを作製する工程を示す。勿
論、同様の工程によりpチャネル型TFTを作製するこ
ともできる。
【0322】図30(A)において、基板3301上に
はシリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含有する第1
の結晶質半導体膜3320とシリコンを主成分とする第
2の結晶質半導体膜3321を形成するが、これらの結
晶質半導体膜は、実施例13〜実施例16で示す方法に
より作製されるものであれば何れも適用可能である。T
FTを作製するに当たっては、素子分離のため所定の大
きさにエッチングし、島状に分割しておく。基板330
1がガラス基板である場合には、ブロッキング層330
2を設ける。
【0323】絶縁膜3307はTFTにおいてゲート絶
縁膜として利用されるものであり30〜200nmの厚
さで形成する。この絶縁膜3307はプラズマCVD法
によりSiH4とN2Oとから作製される酸化窒化シリコ
ン膜、或いはTEOSとN2Oとから作製される酸化窒
化シリコン膜などで形成する。本実施例では前者を選択
し、70nmの厚さに形成する。また、実施例16で示
す方法で絶縁膜3307を形成しても良い。
【0324】低濃度ドレイン(LDD:Lightly Doped
Drain)領域を形成する場合には、この段階でマスク3
322を形成し、イオンドープ法またはイオン注入法な
どで一導電型の不純物を第1及び第2の結晶質半導体膜
に添加して第1の不純物領域3323を形成する。nチ
ャネル型TFTの場合にはリンを添加し、第1の不純物
領域3323におけるリンの平均濃度は1×1016〜1
×1019/cm3の範囲とする。
【0325】そして、図30(B)で示すように絶縁膜
3307上には、タンタル、タングステン、チタン、ア
ルミニウム、モリブデンから選ばれた一種または複数種
の元素を成分とする導電性材料でゲート電極3324を
形成する。
【0326】次に、図30(C)で示すように、TFT
のソース及びドレイン領域を形成する第2の不純物領域
3325を形成する。第2の不純物領域3325はイオ
ンドープ法により形成し、nチャネル型TFTであれば
リン、砒素に代表される周期律表第15族の元素、pチ
ャネル型TFTであればボロンに代表される周期律表第
13族の元素を添加する。
【0327】その後、図30(D)に示すように、プラ
ズマCVD法により作製される窒化シリコン膜、窒化酸
化シリコン膜により層間絶縁膜3327を形成する。ま
た、添加された不純物元素は活性化のために350〜5
00℃の加熱処理が必要とされるが、この加熱処理は層
間絶縁膜3327を形成した後に行い、窒化シリコン
膜、窒化酸化シリコン膜中に含まれる水素を放出させ、
第1及び第2の結晶質半導体膜に拡散させることによ
り、当該結晶質半導体膜中の欠陥を水素で補償すること
ができる。さらに、ソース及びドレイン電極3328を
形成しTFTを得ることができる。
【0328】こうして作製されるnチャネル型TFT
は、第1及び第2の結晶質半導体膜によって形成される
チャネル形成領域3329、LDD領域(第1の不純物
領域)3326、ソースまたはドレイン領域(第3の不
純物領域)3325を有している。図30(C)で示す
ようにLDD領域3326はゲート電極3324とオー
バーラップさせて形成することも可能である。勿論、シ
ングルドレイン構造やLDD構造を形成することも可能
である。こうして作製されるTFTは、アクティブマト
リクス型の液晶表示装置やEL表示装置を作製するため
のTFTとて、また従来の半導体基板にて作製されるL
SIに代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用い
ることができる。
【0329】[実施例18]本実施例は、nチャネル型T
FTとpチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたC
MOS型のTFTを作製する一例について図31を用い
て説明する。
【0330】図31(A)において、基板3301上に
はシリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含有する第1
の結晶質半導体膜3303と、シリコンを主成分とする
第2の結晶質半導体膜3304を形成する。これらの結
晶質半導体膜は実施例13〜実施例16で示す工程によ
り作製されるいずれのものも適用可能である。また、基
板3301がガラス基板である場合には、ブロッキング
層3302を設ける。結晶質半導体膜は素子分離のため
所定の大きさにエッチングされ、島状の半導体層330
5、3306が形成されている。
【0331】第1絶縁膜3307はTFTにおいてゲー
ト絶縁膜として利用されるものであり30〜200nm
の厚さで形成する。この第1絶縁膜3307はプラズマ
CVD法によりSiH4とN2Oとから作製される酸化窒
化シリコン膜、或いはTEOSとN2Oとから作製され
る酸化窒化シリコン膜などで形成する。本実施例では前
者を選択し、75nmの厚さに形成する。また、実施例
16で示す方法で第1絶縁膜3307を形成しても良
い。
【0332】第1絶縁膜3307上には、タンタル、タ
ングステン、チタン、アルミニウム、モリブデンから選
ばれた一種または複数種の元素を成分とする導電性材料
でゲート電極3308、3309を形成する。
【0333】次に、図31(B)ではnチャネル型TF
TのLDD領域を形成するためにイオンドープ法でリン
をドーピングする。ドーピングガスにはH2で0.1〜
5%に希釈したフォスフィン(PH3)を用いる。ドー
ピングの条件は適宣決定するものとするが、半導体層3
305、3306に形成される第1不純物領域331
0、3311は平均的な濃度として1×1017〜1×1
19/cm3となるようにする。この際、ゲート電極3
308、3309はドーピングされるリンに対するマス
クとなり、不純物領域3310、3311は自己整合的
に形成される。
【0334】そして、図31(C)で示すように、フォ
トレジストを用いたマスク3312を形成し、再びイオ
ンドープ法でリンをドーピングする。このドーピングに
より作製される第2不純物領域3313、3314のリ
ンの平均濃度は1×1020〜1×1021/cm3となる
ようにする。こうして、半導体層3305に形成される
第1不純物領域3315はLDD領域となり、第2不純
物領域3313はソース及びドレイン領域となる。
【0335】pチャネル型TFTは図31(D)で示す
ように、フォトレジストを用いたマスク3316を形成
し、半導体層3306にホウ素をドーピングする。ドー
ピングガスにはH2で0.1〜5%に希釈したジボラン
(B26)を用いる。半導体層3306に形成される第
3不純物領域3317は、n型からp型に反転させるた
めにリン濃度と比較して1.5〜3倍のホウ素を添加
し、平均濃度は1.5×1020〜3×1021/cm3
なるようにする。こうして、半導体層3306に形成さ
れる第3不純物領域3317はpチャネル型TFTのソ
ース及びドレイン領域となる。
【0336】その後、プラズマCVD法により作製され
る窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜により層間絶縁
膜318を形成する。また、添加された不純物元素は活
性化のために350〜500℃の加熱処理が必要とされ
るが、この加熱処理は層間絶縁膜3318を形成した後
に行い、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜中に含ま
れる水素を放出させ、半導体層3305、3306に拡
散させることにより、水素化を行い半導体中及びその界
面の欠陥を補償することができる。さらに、ソース及び
ドレイン電極3319、3320を形成しTFTを得る
ことができる。
【0337】以上の工程で、nチャネル型TFTとpチ
ャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS型の
TFTを得ることができる。nチャネル型TFTはチャ
ネル形成領域3321とソース及びドレイン領域331
3との間にLDD領域3315が形成され、ドレイン端
における電界の集中を防いでいる。このようなCMOS
型のTFTは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置
やEL表示装置の駆動回路を形成することを可能とす
る。pチャネル型TFTには、チャネル形成領域322
とソースまたはドレイン領域3317が形成されてい
る。このようなnチャネル型TFTまたはpチャネル型
TFTは、画素部を形成するトランジスタに応用するこ
とができる。さらに、従来の半導体基板にて作製される
LSIに代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用
いることができる。
【0338】[実施例19]実施例17及び実施例18で
示すTFTの作製方法を用いることにより、駆動回路と
画素部を同一基板上に形成したアクティブマトリクス型
の表示装置を作製することができる。図32と図33に
その一例を示す。
【0339】図32は基板3401に形成された駆動回
路3444と画素部3445のTFTの断面図を示して
いる。画素部3445における画素TFT(スイッチン
グ用のTFT)3442と駆動回路3444のnチャネ
ル型TFT3441及びpチャネル型TFT3440
は、いずれも実施例13〜実施例16で示すいずれかの
方法により作製されるものを適用している。
【0340】図32において、基板3401は、好適に
はバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラ
スなどのガラス基板などを用いる。その他に石英基板を
用いても良い。ガラス基板を用いる場合にはブロッキン
グ層3402が形成される。
【0341】画素部3445におけるスイッチング用の
画素TFT3442と駆動回路3444のnチャネル型
TFT3441及びpチャネル型TFT3440の構造
に限定はないが、本実施例では実施例17または実施例
18により作製されるTFTを用いて説明する。
【0342】駆動回路3444にはソースまたはドレイ
ン配線3415〜3418が形成されている。また、画
素部3445においては、画素電極3419、ゲート配
線3420、接続電極3421、ソース配線3411が
形成されている。ゲート電極3408〜3410の上層
に形成されるパッシベーション膜3413は窒化シリコ
ン膜や酸化窒化シリコン膜で50〜200nmの厚さに
形成され、層間絶縁膜3414は酸化シリコンなどの無
機絶縁材料またはポリイミド、アクリルなどの有機絶縁
材料を用いて500〜2000nmの厚さで形成されて
いる。
【0343】駆動回路3444のpチャネル型TFT3
440には、半導体層3403にチャネル形成領域34
22、ソース領域またはドレイン領域として機能するp
型の不純物領域3423を有している。
【0344】nチャネル型TFT3441には、半導体
層3404にチャネル形成領域3424、ゲート電極3
409と重なるn型の不純物領域3425(GOLD領
域:Gate Overlapped Drain)とソース領域またはドレ
イン領域として機能するn型の不純物領域3426を有
している。
【0345】画素TFT3442には、半導体層340
5にチャネル形成領域3427、ゲート電極3410の
外側に形成されるn型の不純物領域3428(LDD領
域)とソース領域またはドレイン領域として機能するn
型の不純物領域3429、3430、3431を有して
いる。また、保持容量3443の一方の電極として機能
する半導体層3406はn型の不純物領域3432、3
433が形成されている。
【0346】画素部3445においては、接続電極34
21によりソース配線3411は、画素TFT3442
のソースまたはドレイン領域3429と電気的な接続が
形成される。また、ゲート配線3420は、ゲート電極
3410と電気的な接続が形成される。また、画素電極
3419は、画素TFT3442のソースまたはドレイ
ン領域3431及び保持容量3443の一方の電極であ
る半導体層3406の不純物領域3433と接続してい
る。
【0347】図32における画素部3445の断面図
は、図33で示すA−A'線に対応したものである。ゲ
ート電極3410は隣接する画素の保持容量の一方の電
極を兼ね、画素電極3452と接続する半導体層345
3と重なる部分で容量を形成している。また、ソース配
線3411と画素電極3419及び隣接する画素電極3
451との配置関係は、画素電極3419、3451の
端部をソース配線3411上に設け、重なり部を形成す
ることにより、迷光を遮り遮光性を高めている。
【0348】[実施例20]本実施例は、画素部と駆動回
路が同一基板上に形成されたモノシリック型の液晶表示
装置の構成の他の一例を図43を用いて説明する。画素
部3852における画素TFT(スイッチング用のTF
T)3855と駆動回路3851のnチャネル型TFT
3854及びpチャネル型TFT3853に用いる結晶
質半導体膜は、実施例13〜実施例15で示すいずれか
の方法により作製されるものを適用している。
【0349】図43において、基板3801は、好適に
はバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラ
スなどのガラス基板などを用いる。その他に石英基板を
用いても良い。ガラス基板を用いる場合にはブロッキン
グ層3802が形成される。3814、3815はパッ
シベーション膜であり、窒化シリコン膜や酸化窒化シリ
コン膜などから形成される。3816は層間絶縁膜であ
り、酸化シリコンなどの無機絶縁材料またはポリイミ
ド、アクリルなどの有機絶縁材料を用いて形成されてい
る。
【0350】画素部3852におけるスイッチング用の
画素TFT3855と駆動回路3851のnチャネル型
TFT3854及びpチャネル型TFT3853はゲー
ト電極を利用して自己整合的に形成された不純物領域を
有している。
【0351】駆動回路3851には配線3812、38
17及びソースまたはドレイン配線3818〜3821
が形成されている。また、画素部3852においては、
画素電極3824、ゲート配線3823、接続電極38
22、ソース配線3813が形成されている。
【0352】駆動回路3851のpチャネル型TFT3
853には、半導体層3803にチャネル形成領域38
26、ソース領域またはドレイン領域として機能するp
型の不純物領域3827を有している。p型の不純物領
域3827はゲート電極3808を利用して自己整合的
に形成されたものである。
【0353】nチャネル型TFT3854には、半導体
層3804にチャネル形成領域3828、ゲート電極3
809と重なるn型の不純物領域3829とソース領域
またはドレイン領域として機能するn型の不純物領域3
830を有している。n型の不純物領域3829はゲー
ト電極3809を利用して自己整合的に形成されてい
る。
【0354】画素TFT3855には、半導体層380
5にチャネル形成領域3831、ゲート電極3810と
重なるn型の不純物領域3832a、ゲート電極381
0の外側に形成されるn型の不純物領域3832b(L
DD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能
するn型の不純物領域3833、3834、3835を
有している。n型の不純物領域3832aはゲート電極
3810を利用して自己整合的に形成されるものである
が、n型の不純物領域3832bはマスクを用いて非自
己整合的に形成されるものである。また、保持容量38
56の一方の電極として機能する半導体層3806はn
型の不純物領域3837、3838と不純物が添加され
ない領域3836が形成されている。
【0355】画素部3852においては、接続電極38
22によりソース配線3813は、画素TFT3855
のソースまたはドレイン領域3833と電気的に接続し
ている。また、ゲート配線3823は、ゲート電極38
10と電気的な接続が形成される。また、画素電極38
24は、画素TFT3855のソースまたはドレイン領
域3835及び保持容量3856の一方の電極である半
導体層3806の不純物領域3838と接続している。
【0356】また、図43における画素部3855のA
−A'線は、図33で示す画素の上面図と対応付けて見
ることができる。このような構造のTFTを用いてアク
ティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示装置の駆
動回路を形成することができる。それ以外にも、このよ
うなnチャネル型TFTまたはpチャネル型TFTは、
画素部を形成するトランジスタに応用することができ
る。さらに、従来の半導体基板にて作製されるLSIに
代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用いること
ができる。
【0357】[実施例21]ここでは、上記実施例17又
は実施例18で得られるTFTを用いてEL(エレクト
ロルミネセンス)表示装置を作製した例について図34
を用い以下に説明する。
【0358】同一の絶縁体上に画素部とそれを駆動する
駆動回路を有した発光装置の例(但し封止前の状態)を
図34に示す。なお、駆動回路には基本単位となるCM
OS回路を示し、画素部には一つの画素を示す。このC
MOS回路は実施例18に従えば得ることができる。
【0359】図34において、基板3600は絶縁体で
あり、その上にはnチャネル型TFT3601、pチャ
ネル型TFT3602、pチャネル型TFTからなるス
イッチングTFT3603およびnチャネル型TFTか
らなる電流制御TFT3604が形成されている。これ
らのTFTのチャネル形成領域は、本発明に基づき作製
される結晶質半導体膜で形成され、その具体的な作製方
法は実施例13〜実施例16に示されている。
【0360】nチャネル型TFT3601およびpチャ
ネル型TFT3602は実施例18を参照すれば良いの
で省略する。また、スイッチングTFT3603はソー
ス領域およびドレイン領域の間に二つのチャネル形成領
域を有した構造(ダブルゲート構造)となっているが、
実施例14でのpチャネル型TFTの構造の説明を参照
すれば容易に理解できるので説明は省略する。なお、本
実施例はダブルゲート構造に限定されることなく、チャ
ネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もし
くは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良
い。
【0361】また、電流制御TFT3604のドレイン
領域3605の上には第2層間絶縁膜3607が設けら
れる前に、第1層間絶縁膜3606にコンタクトホール
が設けられている。これは第2層間絶縁膜3607にコ
ンタクトホールを形成する際に、エッチング工程を簡単
にするためである。第2層間絶縁膜3607にはドレイ
ン領域3605に到達するようにコンタクトホールが形
成され、ドレイン領域3605に接続された画素電極3
608が設けられている。画素電極3608はEL素子
の陰極として機能する電極であり、周期表の1族もしく
は2族に属する元素を含む導電膜を用いて形成されてい
る。本実施例では、リチウムとアルミニウムとの化合物
からなる導電膜を用いる。
【0362】次に、3613は画素電極3608の端部
を覆うように設けられた絶縁膜であり、本明細書中では
バンクと呼ぶ。バンク3613は珪素を含む絶縁膜もし
くは樹脂膜で形成すれば良い。樹脂膜を用いる場合、樹
脂膜の比抵抗が1×106〜1×1012Ωm(好ましく
は1×108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン
粒子もしくは金属粒子を添加すると、成膜時の絶縁破壊
を抑えることができる。
【0363】また、EL素子3609は画素電極(陰
極)3608、EL層3611および陽極3612から
なる。陽極3612は、仕事関数の大きい導電膜、代表
的には酸化物導電膜が用いられる。酸化物導電膜として
は、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれ
らの化合物を用いれば良い。なお、本明細書中では発光
層に対して正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子
輸送層、電子注入層もしくは電子阻止層を組み合わせた
積層体をEL層と定義する。
【0364】尚、ここでは図示しないが陽極3612を
形成した後、EL素子3609を完全に覆うようにして
パッシベーション膜を設けることは有効である。パッシ
ベーション膜としては、炭素膜、窒化珪素膜もしくは窒
化酸化珪素膜を含む絶縁膜からなり、該絶縁膜を単層も
しくは組み合わせた積層で用いる。
【0365】[実施例22]図39は本発明の結晶質半導
体膜を用いて作製される逆スタガ型のTFTの断面図で
ある。シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含有する
第1の結晶質半導体膜及びシリコンを主成分とする第2
の結晶質半導体膜は、ガラスまたは石英などの基板33
01上にゲート電極3360、3361、ゲート絶縁膜
3362が形成された絶縁表面上にも形成可能である。
上記結晶質半導体膜を得る方法は、実施例13〜実施例
16の方法により作製することができる。
【0366】ゲルマニウムを含有する第1の結晶質半導
体膜及びシリコンを主成分とする第2の結晶質半導体膜
とを積層して島状の半導体層3363、3364が形成
されている。nチャネル型TFT3380は半導体層3
363を用いて作製され、チャネル形成領域3373と
n型不純物(ドナー)をドーピングして作製されるLD
D領域3374及びソースまたはドレイン領域3375
が形成されている。pチャネル型TFT3381は半導
体層3364を用いて作製され、チャネル形成領域33
76とp型不純物(アクセプタ)をドーピングして作製
されるソースまたはドレイン領域3377が形成されて
いる。
【0367】チャネル形成領域3373、3376上に
はチャネル保護膜3365、3366が形成され、パッ
シベーション膜3367、層間絶縁膜3368を介して
ソースまたはドレイン電極3369〜3372が形成さ
れている。このような逆スタガ型のTFTを用いても、
アクティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示装置
の駆動回路を形成することができる。それ以外にも、こ
のようなnチャネル型TFTまたはpチャネル型TFT
は、画素部を形成するトランジスタに応用することがで
きる。さらに、従来の半導体基板にて作製されるLSI
に代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用いるこ
とができる。
【0368】[実施例23]本発明の結晶質半導体膜を用
いたアクティブマトリクス型表示装置の他の作製例を図
40と図41を用いて説明する。但し、説明を簡単にす
るために、CMOS回路と、nチャネル型TFTとを図
示することにする。
【0369】図40(A)において、3701は耐熱性
を有する基板であり、石英基板、シリコン基板、セラミ
ックス基板、金属基板(代表的にはステンレス基板)を
用いれば良い。どの基板を用いる場合においても、必要
に応じて下地膜(好ましくは珪素を主成分とする絶縁
膜)を設けても構わない。
【0370】次に、20〜150nm(好ましくは30
〜80nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体膜を、
プラズマCVD法やスパッタ法、または減圧CVD法な
どで形成する。本実施例では、シリコンを主成分とし、
ゲルマニウムを含有する第1の非晶質半導体膜を10n
mの厚さに形成し、シリコンを主成分とする第2の結晶
質半導体膜を40nmの厚さに形成する。また、ブロッ
キング層を形成する場合、非晶質半導体膜と同じ成膜法
で形成することが可能であるので、両者を連続形成して
も良い。ブロッキング層を形成した後、一旦大気雰囲気
に晒さないことでその表面の汚染を防ぐことが可能とな
り、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変
動を低減させることができる。
【0371】結晶化は実施例13または実施例14の方
法を適用して行い、シリコンを主成分とし、ゲルマニウ
ムを含有する第1の結晶質半導体膜3702と、シリコ
ンを主成分とする第2の結晶質半導体膜3703を形成
する。
【0372】そして、図40(B)で示すように、第2
の結晶質半導体膜3703上に酸化シリコン膜からなる
130nmの厚さの保護絶縁膜3704を形成する。そ
して第1及び第の結晶質半導体膜にゲッタリング領域を
形成するために、保護絶縁膜3704に開口部を形成す
る。
【0373】結晶化の過程で添加されたシリコンの結晶
化を助長する元素はリンによるゲッタリング作用を利用
して除去する。図40(C)では、第1及び第2の結晶
質半導体膜にイオンドープ法によりリンを注入し、リン
添加領域3705を形成している。このとき、ドーピン
グの加速電圧と、酸化膜で成る保護絶縁膜3704の厚
さを最適化し、リンが保護絶縁膜3704を実質的に突
き抜けないようにする。ドーピングはリン(P)の濃度
が1×1020〜1×1021atoms/cm3程度にな
るように調節する。
【0374】その後、600℃の窒素雰囲気にて1〜1
2時間(本実施例では12時間)の加熱処理を行い、当
該元素のゲッタリングを行う。この加熱処理によりニッ
ケルに代表されるシリコンの結晶化を助長する元素はリ
ン添加領域3705に偏析させることができる。
【0375】次に図40(D)に示すように、保護絶縁
膜3704をマスクとしてリン添加領域3705をエッ
チングする。そして保護絶縁膜3704を除去した後
に、第1及び第2の結晶質半導体膜を覆うように酸化シ
リコン膜3706を形成する。本実施例では20nmの
厚さで形成する。そして、950℃で酸素雰囲気下で熱
酸化し、図40(E)に示すように酸化シリコン膜37
07を成長させる。その結果、第2の結晶質半導体膜3
709の膜厚は15nm程度減少することになる。この
酸化シリコン膜の成長に伴って、過剰なシリコンが第2
の結晶質半導体膜3709中に押し出され、結晶質半導
体膜を緻密化させることができる。
【0376】そして、図40(F)に示すように、酸化
シリコン膜3707を除去し、pチャネル型TFTが形
成される部分を覆ってマスク3710を形成する。第1
及び第2の結晶質半導体膜のnチャネル型TFTが形成
される領域にはしきい値電圧を制御する目的で、p型の
不純物としてボロン(B)をドーピングする。ドーピン
グは加速電圧30keV程度で行い、ボロン(B)の濃
度が5×1016〜5×1017/cm3程度となるチャネ
ルドープ領域711を形成する。ここでのボロン(B)
添加は必ずしも必要でないが、チャネル形成領域371
1はnチャネル型TFTのしきい値電圧を所定の範囲内
に収める手段として好適に用いることができる。
【0377】その後、マスク3710を除去して第1及
び第2の結晶質半導体膜をエッチングして、図40
(G)に示す如く、島状の半導体層3712〜3714
を形成する。また、ここでは詳細に説明しないが、この
段階で画素部において保持容量を形成する半導体層37
14にリンを選択的に添加して不純物領域3715を形
成しておく。ドーピングは加速電圧10keV程度で行
い、リン(P)の濃度が1×1019〜1×1020ato
ms/cm3程度になるように調節した。本実施例で
は、リン(P)の濃度が5×1019atoms/cm3
となるように、イオンドーピング装置を用いて行った。
【0378】そして、図40(H)に示すように半導体
層3712〜3714を覆って第1ゲート絶縁膜371
6を形成する。代表的には、酸化シリコン膜又は窒化シ
リコン膜からなる第1ゲート絶縁膜3716を、その膜
厚が5〜200nm(好ましくは100〜150nm)
となるように形成すれば良い。本実施例では酸化シリコ
ン膜または酸化シリコンを主成分とする膜からなる第1
ゲート絶縁膜3716の膜厚を40nmとする。
【0379】そして、第1ゲート絶縁膜3716の一部
(保持容量形成部)をエッチングすることにより、半導
体膜3714の一部を露出させる。その後、第2ゲート
絶縁膜3717を形成する。代表的には、第2ゲート絶
縁膜3717の膜厚は5〜200nm(好ましくは10
0〜150nm)とすれば良い。本実施例では窒化シリ
コン膜からなる第2ゲート絶縁膜3717を、その膜厚
が20nmとなるように形成する。
【0380】そして、図40(I)に示すように、n型
の多結晶シリコンから成る第1の導電層と高融点金属か
ら成る第2の導電層を形成する。そして、これらの導電
層からゲート電極3718〜3720(第1の導電層3
718a〜3720aと第2の導電層3718b〜37
20bから成る積層体)と保持容量電極3721(第1
の導電層3721aと第2の導電層3721bから成る
積層体)を形成する。
【0381】第1導電膜はn型の不純物を有する結晶質
シリコン膜であり、CVD法を用いて150nmの膜厚
で形成されている。また第2導電膜はタングステンシリ
サイドであり、スパッタ法により150nmの膜厚で形
成する。この場合、金属膜を用いるよりも若干抵抗が上
がるが、シリサイド膜と多結晶シリコン膜との積層構造
は耐熱性が高く、酸化にも強いので有効な構造である。
尚、第1導電膜は窒化タンタル(TaN)、窒化タング
ステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜、窒化モリブ
デン(MoN)、タングステンシリサイド、チタンシリ
サイドまたはモリブデンシリサイドで形成しても良く、
第2導電膜はタンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、タングステン(W)から選ばれた元
素、または前記元素を主成分とする合金か、前記元素を
組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo
−Ta合金膜)で形成しても良い。
【0382】そして、図41(A)に示すように、ゲー
ト電極3718〜3720、保持容量電極3721をマ
スクとして利用し、半導体層3712、3713及び半
導体層3714の一部にn型の不純物(ドナー)をドー
ピングし、不純物領域3722〜3724を形成する。
n型の不純物(ドナー)としては、リン(P)や砒素
(As)を用いれば良く、ここではリン(P)を添加す
べく、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法
を適用した。ドーピングは加速電圧40keV程度で行
い、リン(P)の濃度が5×1017〜5×1018/cm
3程度になるように調節した。本実施例では、不純物領
域3722〜3724のリン(P)の濃度が1×1018
/cm3となるように、イオンドーピング装置を用いて
行った。
【0383】次に、図41(B)に示すように、pチャ
ネル型TFTとなる半導体層3712と、nチャネル型
TFTとなる半導体層3713、3714の一部を覆う
ようにレジストマスク3725〜3727を形成する。
そしてレジストマスク3725〜3727を利用して半
導体膜3713、3714の一部にn型の不純物をドー
ピングし、不純物領域3728、3729を形成する。
不純物領域3728、3729の形成は、フォスフィン
(PH3)を用いたイオンドープ法で行い、ドーピング
は加速電圧40keV程度で行い、リン(P)の濃度が
5×1019〜5×1020/cm3程度になるように調節
する。本実施例では、不純物領域3728、3729の
リン(P)の濃度が1×1020/cm3で形成する。
【0384】図41(C)では、レジストマスク372
5〜3727を除去し、nチャネル型TFTとなる部分
及び保持容量となる部分をレジストマスク3730で覆
う。そして半導体膜3712にp型の不純物(アクセプ
タ)をドーピングする。本実施例では、ジボラン(B2
6)を用いたイオンドープ法で不純物領域3731を
形成する。ドーピングは加速電圧40keV程度で行
い、ボロン(B)の濃度が5×1019〜5×1020/c
3程度になるように調節する。本実施例では、不純物
領域3731のボロン(B)の濃度が1×1020/cm
3となるようにする。不純物領域3731には、既に前
工程で添加されたリン(P)またはボロン(B)が含ま
れているが、それに比して十分に高い濃度でボロン
(B)が添加されるので、導電型が反転し、p型の導電
性が確保される。
【0385】そして、レジストマスク3730を除去し
た後、図41(D)に示すように絶縁膜3732を形成
する。絶縁膜3732は窒化珪素膜からなり、CVD法
によって膜厚70nmに形成する。
【0386】次に窒素雰囲気下、850℃で30分の条
件で加熱することにより、不純物領域3723、372
4、3731に含まれる不純物が拡散してゲート電極3
718〜3720の下部にまで広がる。こうして、ゲー
ト電極3718〜3720の下部に位置する不純物領域
3747〜3749が形成される。この不純物領域はい
わばLDD領域であり、ゲート電極とオーバーラップさ
せて形成することによりドレイン端の高電界領域を緩和
して、ホットキャリアによる劣化防止に有効である。ま
た、上記熱処理によって不純物領域は活性化される。
【0387】次に、図41(E)に示すように、酸化シ
リコン又は酸化窒化シリコンからなる第1の層間絶縁膜
3733を500〜1500nmの厚さで形成する。本
実施例では、酸化窒化シリコンを用い1000nmの厚
さで形成した。その後、それぞれの半導体層に形成され
たソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホ
ールを形成し、ソースまたはドレイン配線3734〜3
739を形成する。なお、図示していないが、本実施例
ではこのソース配線、ドレイン配線を、Ti膜60n
m、窒素を含むTi膜40nm、Siを含むアルミニウ
ム膜300nm、Ti膜100nmをスパッタ法で連続
して形成した4層構造の積層膜とする。
【0388】さらに、図41(F)で示すように、ソー
スまたはドレイン配線3734〜3739を覆うように
第1層間絶縁膜3733上に窒化シリコン膜からなるパ
ッシベーション膜3740を100nmの厚さで形成す
る。そしてパッシベーション膜3740を覆うようにし
て第2層間絶縁膜3741を形成する。この第2層間絶
縁膜3741はアクリル樹脂で形成し、厚さを800n
mとする。
【0389】アクリル樹脂からなる第2層間絶縁膜37
41を150℃、0.3hrの条件で加熱した後、第2
層間絶縁膜3741の上にTi膜またはTiを主成分と
する厚さが100nmの遮光膜3742を形成する。そ
して、遮光膜3742を覆うように第2層間絶縁膜37
41上に第3層間絶縁膜3743を形成する。第3層間
絶縁膜3743はアクリル樹脂からなり、その厚さは5
00nm〜1000nmで形成する。本実施例では第3
層間絶縁膜3743の厚さを800nmとする。
【0390】その後、第3層間絶縁膜3743上に画素
電極3744が形成され、コンタクトホールを介してソ
ースまたはドレイン電極3739と接続される。本実施
例では画素電極3744の厚さを2.8μmとして形成
する。画素電極3744は透明導電膜を用いる。以上の
ようにして作製される、アクティブマトリクス型の表示
装置は駆動回路および画素部に様々な特徴を有してお
り、これらの相乗効果によって明るく高精細な画像が得
られ、動作性能および信頼性の高い電気光学装置を得
る。そして、そのような電気光学装置を部品として搭載
した高性能な電子機器を得る。
【0391】[実施例24]実施例15でリン元素を添加
した半導体膜をゲッタリングサイトとするゲッタリング
方法の一例を示したが、本実施例は、希ガス元素を含む
半導体膜、或いは希ガス元素を添加した半導体膜をゲッ
タリングサイトとするゲッタリング方法の一例を以下に
示す。なお、一般にゲッタリングは半導体中に取り込ま
れた金属不純物が、何らかのエネルギーでゲッタリング
サイトに偏析して、素子の能動領域の不純物濃度を低減
させる技術として知られている。
【0392】以下、図44を用いて説明する。
【0393】まず、実施例13に従って、[101]面の
配向率の高い結晶質シリコン膜を得る。
【0394】実施例13に従って、4000は絶縁表面
を有する基板上に4001は酸化シリコン膜、窒化シリ
コン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxy)等の絶
縁膜から成る下地絶縁膜を形成する。ここでは、ガラス
基板を用い、下地絶縁膜4001として2層構造から成
り、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜
される第1酸化窒化シリコン膜を50〜100nm、S
iH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第2酸化
窒化シリコン膜を100〜150nmの厚さに積層形成
する。また、下地絶縁膜4001として窒化シリコン膜
の単層を用いることが好ましい。窒化シリコン膜を用い
た場合、ガラス基板に含まれるアルカリ金属が後に形成
される半導体膜中に拡散するのを防止するブロッキング
層としての効果に加え、後に行われるゲッタリング工程
でゲッタリング効率を向上させる効果も有する。ゲッタ
リングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しや
すい傾向があるため、半導体膜と接する下地絶縁膜を窒
化シリコン膜とすることは極めて有効である。また、酸
化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜とを順次積層した積
層構造を用いてもよい。また、第1酸化窒化シリコン
膜、第2酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜とを順次
積層した3層構造を用いてもよい。
【0395】次いで、実施例13に従って、下地絶縁膜
上にプラズマCVD法、減圧熱CVD法、またはスパッ
タ法で得られる非晶質半導体膜の積層膜を形成し、結晶
化を行い、ゲルマニウムを含む第1の結晶質シリコン膜
4002a(膜厚5〜30nm)と第2の結晶質シリコ
ン膜(膜厚15〜70nm)の積層膜を形成する。(図
44(A))
【0396】なお、後のゲッタリング処理の際、ニッケ
ルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるた
め、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜4002a、
4002b中の酸素濃度(SIMS分析)は、5×10
18/cm3以下となるように形成することが望ましい。
【0397】また、上記結晶化の後、フッ酸を含むエッ
チャント、例えば希フッ酸やFPM(フッ酸、過酸化水
素水、純水との混合液)で偏析した金属元素を除去また
は低減してもよい。また、フッ酸を含むエッチャントで
表面をエッチング処理した場合には、ランプ光源からの
強光を照射して表面を平坦化することが望ましい。
【0398】また、上記結晶化の後、さらに結晶化を改
善するためのレーザー光またはランプ光源からの強光の
照射を行ってもよい。レーザには波長400nm以下のエ
キシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高
調波を用いればよい。この結晶化を改善するためのレー
ザー光またはランプ光源からの強光の照射の後にフッ酸
を含むエッチャントで偏析した金属元素を除去または低
減してもよく、さらにランプ光源からの強光を照射して
表面を平坦化してもよい。
【0399】次いで、ゲルマニウムを含む結晶質シリコ
ン膜4002a、4002b中に含まれる金属元素を除
去するためにゲッタリング処理を行う。まず、第2の結
晶質シリコン膜上にバリア層4003を形成する。バリ
ア層4003としては、金属元素(ここでは主にニッケ
ル)をゲッタリングサイトに貫通させることができ、さ
らにゲッタリングサイトの除去工程において用いるエッ
チング液がしみこまない多孔質膜を形成する。ここで
は、オゾン水で処理することにより形成されるケミカル
オキサイド膜、酸化シリコン膜(SiOx)を用いれば
よい。本明細書中では、このような性質を有する膜を特
に多孔質膜という。また、このバリア層4003は極薄
いものでよく、自然酸化膜であってもよいし、酸素を含
む雰囲気下において紫外線の照射によりオゾンを発生さ
せて酸化させる酸化膜であってもよい。また、結晶化の
後に結晶化を改善するためのレーザー光の照射を行った
場合に形成される酸化膜をバリア層の一部として用いて
もよい。
【0400】次いで、後のゲッタリング処理の際にゲッ
タリングサイトとして機能する半導体膜4004をバリ
ア層4003上に形成する。(図44(B))この半導
体膜4004はプラズマCVD法、減圧熱CVD法、ま
たはスパッタ法を用いて形成される非晶質構造を有する
半導体膜であってもよいし、結晶構造を有する半導体膜
であってもよい。この半導体膜4004の膜厚は、5〜
50nm、好ましくは10〜20nmとする。後のゲッ
タリング処理の際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移
動しやすい傾向があるため、半導体膜4004には、酸
素(SIMS分析での濃度が5×1018/cm3以上、
好ましくは1×1019/cm3以上)を含有させてゲッ
タリング効率を向上させることが望ましい。また、希ガ
ス元素を含む条件で成膜した半導体膜を用いてもよい。
【0401】ここでは、スパッタ法で希ガス元素を含む
非晶質シリコン膜(ゲッタリングサイト)4005を形
成する。(図44(C))ここでは、1×1020〜5×
10 21/cm3、好ましくは1×1020〜1×1021/cm3
の濃度で希ガス元素を含む半導体膜を形成すればよい。
また、プラズマCVD法やスパッタ法などで成膜した
後、希ガス元素をイオンドーピング法またはイオン注入
法によって添加して希ガス元素を含む半導体膜を形成し
てもよい。なお、希ガス元素を添加する処理時間は、1
分または2分程度の短時間で高濃度の希ガス元素を半導
体膜に添加することができるため、リンを用いたゲッタ
リングと比較してスループットが格段に向上する。
【0402】希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、X
eから選ばれた一種または複数種であり、これらのイオ
ンを電界で加速して半導体膜に注入することにより、ダ
ングリングボンドや格子歪みを形成してゲッタリングサ
イトを形成することができる。中でも安価なガスである
Arを用いることが望ましい。
【0403】また、希ガス元素に加え、H、H2、O、
2、Pから選ばれた一種または複数種を添加してもよ
く、複数の元素を添加することにより相乗的にゲッタリ
ング効果が得られる。
【0404】次いで、熱処理またはランプ光源からの強
光の照射を行ってゲッタリングを行う。熱処理によりゲ
ッタリングを行う場合は、窒素雰囲気中で450〜80
0℃、1〜24時間、例えば550℃にて14時間の熱
処理を行えばよい。また、ランプ光源からの強光の照射
によりゲッタリングを行う場合には、加熱用のランプ光
源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、そ
れを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ
光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間
的には600〜1000℃、好ましくは700〜750
℃程度にまで加熱されるようにする。また、熱処理と同
時にランプ光源からの強光を照射してもよい。
【0405】このゲッタリングにより、図44(D)中
の矢印の方向(縦方向)にニッケルが移動し、バリア層
4003で覆われたゲルマニウムを含む結晶質シリコン
膜4002に含まれる金属元素の除去、または金属元素
の濃度の低減が行われる。リンを用いたゲッタリングと
比較して、希ガス元素の添加によるゲッタリングは非常
に効果的であり、さらに高濃度、例えば1×1020〜5
×1021/cm3で添加できるため、結晶化に用いる金属
元素の添加量を多くすることができる。即ち、結晶化に
用いる金属元素の添加量を多くすることによって結晶化
の処理時間をさらに短時間で行うことが可能となる。ま
た、結晶化の処理時間を変えない場合には、結晶化に用
いる金属元素の添加量を多くすることによって、さらな
る低温で結晶化することができる。また、結晶化に用い
る金属元素の添加量を多くすることによって、自然核の
発生を低減することができ、良好な結晶質半導体膜を形
成することができる。
【0406】上記ゲッタリング処理後、半導体膜からな
るゲッタリングサイト4005を選択的にエッチングし
て除去する。エッチングの方法としては、ClF3によ
るプラズマを用いないドライエッチング、或いはヒドラ
ジンや、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド
(化学式 (CH34NOH)を含む水溶液などアルカ
リ溶液によるウエットエッチングで行うことができる。
この時、バリア層4003はエッチングストッパーとし
て機能する。また、バリア層4003はその後フッ酸に
より除去すれば良い。
【0407】その後、得られたゲルマニウムを含む結晶
質シリコン膜を所望の形状にエッチング処理して島状に
分離された半導体層4006を形成する。(図44
(E))
【0408】以降の工程は、実施例17に従って、TF
Tを完成させればよい。本実施例で得られたゲルマニウ
ムを含む結晶質シリコン膜は、[101]面の配向率が高
く、且つ、膜中の金属元素の濃度が十分低減されている
ため、TFTの活性層に用いた場合、優れたTFTの電
気特性を示す。
【0409】また、本実施例では実施例13の結晶化を
用いた例を示したが、特に限定されず、実施例14に示
した結晶化を用いてもよい。
【0410】また、本実施例のゲッタリング処理に加え
て実施例15に示したゲッタリング処理を行ってもよ
い。
【0411】また、本実施例は実施例13乃至23のい
ずれか一と自由に組み合わせることが可能である。
【0412】[実施例25]実施例15でリンを添加する
ゲッタリング方法の一例を示したが、リンに代えて希ガ
ス元素を用いてもよい。なお、添加する条件以外は同一
であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0413】本実施例では、実施例13または実施例1
4で得られた結晶質シリコン膜に対して、選択的に希ガ
ス元素を添加する。ここでは、アルゴンをイオンドープ
法(例えば、5×1015/cm2のドーズ量)で添加してア
ルゴンが添加された領域(ゲッタリングサイト)を形成
する。ゲッタリングサイトに添加された希ガス元素の濃
度を1×1020〜5×1021/cm3とすることが望ま
しい。
【0414】ゲッタリングサイトを形成した後、熱処理
またはランプ光源からの強光の照射を行えば、結晶質シ
リコン膜中に含まれる金属元素を低減または除去するこ
とができる。
【0415】また、本実施例は実施例13乃至24のい
ずれか一と自由に組み合わせることが可能である。
【0416】[実施例26]本発明を実施して形成され
た駆動回路や画素部は様々な電気光学装置(アクティブ
マトリクス型液晶ディスプレイ、アクティブマトリクス
型ELディスプレイ、アクティブマトリクス型ECディ
スプレイ)に用いることができる。即ち、それら電気光
学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本発明を実
施できる。
【0417】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフ
ロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型
ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、
パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコン
ピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられ
る。それらの一例を図45、図46及び図47に示す。
【0418】図45(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。本発明を画像入力
部2002、表示部2003やその他の駆動回路に適用
することができる。
【0419】図45(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。本発明を表示部2102やその他の駆動回
路に適用することができる。
【0420】図45(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。本発明は表示部2205やその
他の駆動回路に適用できる。
【0421】図45(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。本発明は表示部2302やその他の駆動回
路に適用することができる。
【0422】図45(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部2402やその
他の駆動回路に適用することができる。
【0423】図45(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本発
明を表示部2502やその他の駆動回路に適用すること
ができる。
【0424】図46(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602等を含
む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶表
示装置2808やその他の駆動回路に適用することがで
きる。
【0425】図46(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、投射装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2
702の一部を構成する液晶表示装置2808やその他
の駆動回路に適用することができる。
【0426】なお、図46(C)は、図46(A)及び
図46(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図46(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0427】また、図46(D)は、図46(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、レンズアレイ2813、2
814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で
構成される。なお、図46(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0428】ただし、図46に示したプロジェクターに
おいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示して
おり、反射型の電気光学装置及びEL表示装置での適用
例は図示していない。
【0429】図47(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906
等を含む。本発明を音声出力部2902、音声入力部2
903、表示部2904やその他の駆動回路に適用する
ことができる。
【0430】図47(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。本発明は表示部3002、3003やその他
の駆動回路に適用することができる。
【0431】図47(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
本発明は表示部3103に適用することができる。本発
明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利
であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)の
ディスプレイには有利である。
【0432】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能であ
る。また、本実施例の電子機器は実施例1〜25のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。
【0433】
【発明の効果】本発明により、シリコンを主成分とし、
ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下
である第1の非晶質半導体膜とシリコンを主成分とする
第2の非晶質半導体膜とを積層してレーザー処理により
結晶化すると、良好な結晶質半導体膜を得ることが可能
となり、そのような結晶質半導体膜を用いて薄膜トラン
ジスタのチャネル形成領域を形成することができる。
【0434】このような結晶質半導体膜を用いたTFT
は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示
装置を作製するためのTFTとして用いることができ
る。また、本発明のTFTは、従来の半導体基板にて作
製されるLSIに代わる薄膜集積回路を実現するTFT
として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図2】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図3】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図4】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図5】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断
面構造図を示す図。
【図6】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図7】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図8】 画素上面図及び断面図を示す図。
【図9】 AM−LCDの外観を示す上面図。
【図10】 液晶表示装置のブロック図を示す図。
【図11】 液晶表示装置のブロック図を示す図。
【図12】 EL表示装置の断面図を示す図。
【図13】 アクティブマトリクス型EL表示装置の構
成を示す上面図及び断面図。
【図14】 EL表示装置の画素上面図を示す図。
【図15】 EL表示装置のブロック図を示す図。
【図16】 EL表示装置の断面図を示す図。
【図17】 製造装置の一例を示す図。
【図18】 製造装置の一例を示す図。
【図19】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図20】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図21】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図22】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図23】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図24】 アクティブマトリクス基板の断面構造図を
示す図。
【図25】 本発明の結晶化方法を示す図。
【図26】 本発明の結晶質半導体膜の作製方法を説明
する図。
【図27】 本発明の結晶質半導体膜の作製方法を説明
する図。
【図28】 本発明の結晶質半導体膜の作製方法を説明
する図。
【図29】 本発明の結晶質半導体膜の作製方法を説明
する図。
【図30】 本発明の結晶質半導体膜を用いたTFTの
作製工程を説明する断面図。
【図31】 本発明の結晶質半導体膜を用いたCMOS
回路の作製工程を説明する断面図。
【図32】 本発明の結晶質半導体膜を用いた液晶表示
装置の構造を説明する断面図。
【図33】 画素部における画素構造の上面図。
【図34】 本発明の結晶質半導体膜を用いたEL表示
装置の構造を説明する断面図。
【図35】 本発明に用いるプラズマCVD装置の構成
を示す図。
【図36】 結晶核の隣接間距離を示す累積度数グラ
フ。
【図37】 GeH4の添加量と結晶核発生密度との関
係を示すグラフ。
【図38】 SiH4、GeH4、H2ガスより作製され
た非晶質半導体膜のC、N、O濃度を示すSIMSデー
タ。
【図39】 本発明の結晶質半導体膜を用いた逆スタガ
型のTFTの構造を説明する断面図。
【図40】 本発明の結晶質半導体膜を用いて駆動回路
と画素部のTFTを作製する工程を説明する断面図。
【図41】 本発明の結晶質半導体膜を用いて駆動回路
と画素部のTFTを作製する工程を説明する断面図。
【図42】 EBSP法で得られる逆極点図の例。
【図43】 本発明の結晶質半導体膜を用いた液晶表示
装置の構造を説明する断面図。
【図44】 ゲッタリング方法の一例を示す図。
【図45】 電子機器の一例を示す図。
【図46】 電子機器の一例を示す図。
【図47】 電子機器の一例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 618B 618E (72)発明者 浅見 勇臣 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 高野 圭恵 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 志知 武司 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 小久保 千穂 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 Fターム(参考) 2H092 JA25 JA26 JB56 KA04 KA05 MA05 MA07 MA08 MA15 MA18 MA27 MA30 NA22 NA24 NA27 PA08 4M104 AA09 BB02 BB04 BB14 BB25 BB26 BB28 BB30 BB31 BB32 BB33 CC01 CC05 DD34 DD37 DD42 DD43 EE05 EE12 EE17 EE18 FF17 FF18 GG20 5C094 AA21 AA53 BA03 BA27 BA43 CA19 DA14 DA15 DB04 EA04 EA07 EB02 5F052 AA02 AA11 AA24 BA04 BB02 BB07 DA02 DA03 DB02 DB03 DB07 DB10 EA15 EA16 FA06 FA19 HA06 JA01 5F110 AA17 AA30 BB02 BB04 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 DD04 DD05 DD07 DD13 DD14 DD15 DD17 DD21 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EE06 EE09 EE14 EE15 EE23 EE28 EE43 EE44 EE45 FF01 FF02 FF03 FF04 FF09 FF23 FF24 FF27 FF28 FF29 FF30 FF32 FF35 FF36 GG01 GG02 GG13 GG17 GG19 GG25 GG32 GG33 GG34 GG43 GG45 GG47 GG51 GG52 GG60 HJ01 HJ04 HJ12 HJ23 HL01 HL03 HL04 HL11 HL12 HL22 HL23 HM15 NN03 NN04 NN12 NN13 NN22 NN23 NN24 NN27 NN40 NN46 NN72 NN73 NN78 PP01 PP02 PP03 PP04 PP10 PP13 PP23 PP29 PP34 PP35 QQ09 QQ11 QQ12 QQ24 QQ25 QQ28

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面上に半導体層を有する半導体装置
    であって、 前記半導体層は、ゲルマニウムを含む第1の結晶質半導
    体層と、 前記第1の結晶質半導体層上に接する第2の結晶質半導
    体層とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第2の結晶質半導
    体層は、シリコンを主成分とすることを特徴とする半導
    体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記第
    1の結晶質半導体層および前記第2の結晶質半導体層
    は、レーザー光により結晶化されたことを特徴とする半
    導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記半導体装置は携帯電話、ビデオカメラ、携帯型情報
    端末、テレビ受像器、電子書籍、パーソナルコンピュー
    タ、DVDプレーヤー、デジタルスチルカメラから選ば
    れた一つであることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】絶縁表面上にゲルマニウムを含む第1の非
    晶質半導体膜を形成する第1の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜上に接する第2の非晶質半導
    体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜及び前記第2の非晶質半導体
    膜にレーザー光を照射して結晶化させる第3の工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】絶縁表面上の電極を覆う絶縁膜を形成する
    第1の工程と、 前記絶縁膜上にゲルマニウムを含む第1の非晶質半導体
    膜を形成する第2の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜上に接する第2の非晶質半導
    体膜を形成する第3の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜及び前記第2の非晶質半導体
    膜にレーザー光を照射して結晶化させる第4の工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6において、前記第
    2の非晶質半導体膜は、シリコンを主成分とすることを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】結晶構造を有する半導体層でチャネル形成
    領域が形成された半導体装置において、前記半導体層
    は、シリコンを主成分としゲルマニウムを含有する第1
    の結晶質半導体膜と、シリコンを主成分とする第2の結
    晶質半導体膜とから成り、前記第1の結晶質半導体膜及
    び前記第2の結晶質半導体膜に含まれる窒素及び炭素の
    濃度は5×1018/cm3未満であり、酸素の濃度は1
    ×1019/cm3未満であることを特徴とする半導体装
    置。
  9. 【請求項9】結晶構造を有する半導体層でチャネル形成
    領域が形成された半導体装置において、前記半導体層
    は、シリコンを主成分とし、該シリコンよりも原子半径
    の大きな元素を含有する第1の結晶質半導体膜と、シリ
    コンを主成分とする第2の結晶質半導体膜とから成り、
    前記第1の結晶質半導体膜及び前記第2の結晶質半導体
    膜に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3
    未満であり、酸素の濃度は1×1019/cm3未満であ
    ることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9において、前記
    第1の結晶質半導体膜は前記第2の結晶質半導体膜の厚
    さよりも薄いことを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項8または請求項9において、前記
    第1の結晶質半導体膜は絶縁表面上に形成されているこ
    ことを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項8または請求項9において、前記
    半導体層の前記チャネル形成領域に含まれる金属元素の
    濃度が1×1017/cm3未満であることを特徴とする
    半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記金属元素は、
    Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、P
    t、Cu、Auから選ばれた一種または複数種であるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】請求項8または請求項9において、前記
    半導体層の厚さは20nm〜100nmであることを特
    徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】絶縁表面上に、シリコンを主成分としゲ
    ルマニウムを含有する第1の非晶質半導体膜を形成する
    第1の工程と、 前記第1の半導体膜上に、シリコンを主成分とする第2
    の非晶質半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜または前記第2の非晶質半導
    体膜にシリコンの結晶化を助長する元素を添加する第3
    の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜及び前記第2の非晶質半導体
    膜とを加熱処理により結晶化させ、第1の結晶質半導体
    膜と第2の結晶質半導体膜を形成する第4の工程とを有
    することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】絶縁表面上に、シリコンを主成分とし、
    該シリコンよりも原子半径の大きな元素を含有する第1
    の非晶質半導体膜を形成する第1の工程と、 前記第1の半導体膜上に、シリコンを主成分とする第2
    の非晶質半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜または前記第2の非晶質半導
    体膜にシリコンの結晶化を助長する元素を添加する第3
    の工程と、 前記第1の非晶質半導体膜及び前記第2の非晶質半導体
    膜とを加熱処理により結晶化させ、第1の結晶質半導体
    膜と第2の結晶質半導体膜を形成する第4の工程とを有
    することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】請求項15または請求項16において、
    前記第4の工程の後に、レーザー光を照射して前記第1
    の結晶質半導体膜と前記第2の結晶質半導体膜の結晶性
    を高める第5の工程を有することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  18. 【請求項18】請求項15または請求項16において、
    前記第4の工程の後に、ハロゲンランプ、キセノンラン
    プ、メタルハライドランプ、水銀ランプから選ばれた一
    つを光源とする強光を照射して前記第1の結晶質半導体
    膜と前記第2の結晶質半導体膜の結晶性を高める第5の
    工程を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】請求項15または請求項16において、
    前記第1の非晶質半導体膜と前記第2の非晶質半導体膜
    とはプラズマCVD装置を用いて作製され、前記プラズ
    マCVD装置の反応室に接続する排気手段は、ターボ分
    子ポンプとドライポンプとが用いられることを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】請求項15または請求項16において、
    前記シリコンの結晶化を助長する元素がFe、Co、N
    i、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au
    から選ばれた一種または複数種であることを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  21. 【請求項21】請求項15または請求項16において、
    前記第1の非晶質半導体膜は前記第2の非晶質半導体膜
    の厚さよりも薄く形成することを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  22. 【請求項22】請求項15または請求項16において、
    前記第1の非晶質半導体膜と前記第2の非晶質半導体膜
    との合計の厚さは20nm〜100nmの厚さに形成す
    ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
JP2001194326A 2000-06-27 2001-06-27 半導体装置の作製方法 Expired - Fee Related JP4869504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001194326A JP4869504B2 (ja) 2000-06-27 2001-06-27 半導体装置の作製方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000193523 2000-06-27
JP2000193612 2000-06-27
JP2000-193612 2000-06-27
JP2000-193523 2000-06-27
JP2000193612 2000-06-27
JP2000193523 2000-06-27
JP2001194326A JP4869504B2 (ja) 2000-06-27 2001-06-27 半導体装置の作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002093705A true JP2002093705A (ja) 2002-03-29
JP2002093705A5 JP2002093705A5 (ja) 2008-07-31
JP4869504B2 JP4869504B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=27343867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001194326A Expired - Fee Related JP4869504B2 (ja) 2000-06-27 2001-06-27 半導体装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4869504B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004054168A (ja) * 2002-07-24 2004-02-19 Hitachi Ltd 画像表示装置
JP2005010606A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Hitachi Ltd 画像表示装置
JP2007293072A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Epson Imaging Devices Corp 電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2008133182A (ja) * 2006-11-17 2008-06-12 Samsung Electronics Co Ltd 単結晶シリコンロッドの製造方法及び単結晶シリコンロッド構造体
JP2011505685A (ja) * 2007-11-13 2011-02-24 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 粒子ビーム補助による薄膜材料の改良
JP2011054733A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 National Institute For Materials Science 酸化アルミニウム薄膜を用いたスイッチング素子とこれを有する電子回路
JP2011238602A (ja) * 2010-04-16 2011-11-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 蓄電装置用電極及びその作製方法
CN101256987B (zh) * 2007-03-02 2011-12-14 株式会社半导体能源研究所 半导体装置的制造方法
JP2015111278A (ja) * 2008-03-31 2015-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
JP2021051326A (ja) * 2009-08-07 2021-04-01 株式会社半導体エネルギー研究所 トランジスタ
JP2021106217A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 東京エレクトロン株式会社 膜形成方法及び膜形成装置
JP2021185423A (ja) * 2013-07-10 2021-12-09 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11502217B1 (en) * 2021-05-24 2022-11-15 Gautam Ganguly Methods and apparatus for reducing as-deposited and metastable defects in Amorphousilicon

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004054168A (ja) * 2002-07-24 2004-02-19 Hitachi Ltd 画像表示装置
JP2005010606A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Hitachi Ltd 画像表示装置
JP2007293072A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Epson Imaging Devices Corp 電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2008133182A (ja) * 2006-11-17 2008-06-12 Samsung Electronics Co Ltd 単結晶シリコンロッドの製造方法及び単結晶シリコンロッド構造体
US8445332B2 (en) 2006-11-17 2013-05-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Single crystal silicon rod fabrication methods and a single crystal silicon rod structure
CN101256987B (zh) * 2007-03-02 2011-12-14 株式会社半导体能源研究所 半导体装置的制造方法
JP2011505685A (ja) * 2007-11-13 2011-02-24 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 粒子ビーム補助による薄膜材料の改良
JP2015111278A (ja) * 2008-03-31 2015-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
JP2021051326A (ja) * 2009-08-07 2021-04-01 株式会社半導体エネルギー研究所 トランジスタ
JP2011054733A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 National Institute For Materials Science 酸化アルミニウム薄膜を用いたスイッチング素子とこれを有する電子回路
JP2011238602A (ja) * 2010-04-16 2011-11-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 蓄電装置用電極及びその作製方法
US8940610B2 (en) 2010-04-16 2015-01-27 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Electrode for energy storage device and method for manufacturing the same
JP2021185423A (ja) * 2013-07-10 2021-12-09 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
US11869453B2 (en) 2013-07-10 2024-01-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device comprising semiconductor layer having LDD regions
JP2021106217A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 東京エレクトロン株式会社 膜形成方法及び膜形成装置
JP7341052B2 (ja) 2019-12-26 2023-09-08 東京エレクトロン株式会社 膜形成方法及び膜形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4869504B2 (ja) 2012-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7503975B2 (en) Semiconductor device and fabrication method therefor
JP5072157B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US6828587B2 (en) Semiconductor device
JP5393726B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US7033871B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device
US6777713B2 (en) Irregular semiconductor film, having ridges of convex portion
JP4993810B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US7122450B2 (en) Process for manufacturing a semiconductor device
JP2002094077A (ja) 半導体装置
JP4869504B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4993822B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4216003B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4646460B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2000196101A (ja) 半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法
JP4212844B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4884735B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4865122B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4674937B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4837871B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4827324B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4712197B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2002313722A (ja) 半導体装置の作製方法
JP5256144B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2002217106A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP2002359196A (ja) 半導体装置の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080613

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees