JP2002217106A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JP2002217106A
JP2002217106A JP2001010890A JP2001010890A JP2002217106A JP 2002217106 A JP2002217106 A JP 2002217106A JP 2001010890 A JP2001010890 A JP 2001010890A JP 2001010890 A JP2001010890 A JP 2001010890A JP 2002217106 A JP2002217106 A JP 2002217106A
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film
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mask
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理 中村
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Koji Oriki
浩二 大力
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温(600℃以上)の加熱処理回数を低減
し、さらなる低温プロセス(600℃以下)を実現する
とともに、工程簡略化及びスループットの向上を実現す
ることを課題とする。 【解決手段】本発明は結晶構造を有する半導体膜へマス
ク106bを用いて希ガス元素(希ガスとも呼ばれる)
を添加した不純物領域108を形成し、加熱処理により
前記不純物領域108に半導体膜に含まれる金属元素を
偏析させるゲッタリングを行った後、前記マスクを用い
てパターニングを行い、結晶構造を有する半導体膜から
なる半導体層109を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲッタリング技術を
用いた半導体装置の作製方法及び、当該作製方法により
得られる半導体装置に関する。特に本発明は、半導体膜
の結晶化において触媒作用のある金属元素を添加して作
製される結晶質半導体膜を用いた半導体装置の作製方法
並びに半導体装置に関する。
【0002】なお、本明細書中において半導体装置と
は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を
指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て
半導体装置である。
【0003】
【従来の技術】結晶構造を有する半導体膜(以下、結晶
質半導体膜という)を用いた代表的な半導体素子として
薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)が知られてい
る。TFTはガラスなどの絶縁基板上に集積回路を形成
する技術として注目され、駆動回路一体型液晶表示装置
などが実用化されつつある。従来からの技術において、
結晶質半導体膜は、プラズマCVD法や減圧CVD法で
堆積した非晶質半導体膜を、加熱処理やレーザーアニー
ル法(レーザー光の照射により半導体膜を結晶化させる
技術)により作製されている。
【0004】こうして作製される結晶質半導体膜は多数
の結晶粒の集合体であり、その結晶方位は任意な方向に
配向して制御不能であるため、TFTの特性を制限する
要因となっている。このような問題点に対し、特開平7
−183540号公報で開示される技術は、ニッケルな
ど半導体膜の結晶化に対し触媒作用のある金属元素を添
加して結晶質半導体膜を作製するものであり、結晶化に
必要とする加熱温度を低下させる効果ばかりでなく、結
晶方位の配向性を単一方向に高めることが可能である。
このような結晶質半導体膜でTFTを形成すると、電界
効果移動度の向上のみでなく、サブスレッショルド係数
(S値)が小さくなり、飛躍的に電気的特性を向上させ
ることが可能となっている。
【0005】しかし、触媒作用のある金属元素を添加す
る故に、結晶質半導体膜の膜中或いは膜表面には、当該
金属元素が残存し、得られる素子の特性をばらつかせる
などの問題がある。その一例は、TFTにおいてオフ電
流が増加し、個々の素子間でばらつくなどの問題があ
る。即ち、結晶化に対し触媒作用のある金属元素は、一
旦、結晶質半導体膜が形成されてしまえば、かえって不
要な存在となってしまう。
【0006】リンを用いたゲッタリングは、このような
金属元素を結晶質半導体膜の特定の領域から除去するた
めの手法として有効に活用されている。例えば、TFT
のソース・ドレイン領域にリンを添加して450〜70
0℃の熱処理を行うことで、チャネル形成領域から当該
金属元素を容易に除去することが可能である。
【0007】リンはイオンドープ法(PH3などをプラ
ズマで解離して、イオンを電界で加速して半導体中に注
入する方法であり、基本的にイオンの質量分離を行わな
い方法を指す)で結晶質半導体膜に注入するが、ゲッタ
リングのために必要なリン濃度は1×1020/cm3以上で
ある。イオンドープ法によるリンの添加は、結晶質半導
体膜の非晶質化をもたらすが、リン濃度の増加はその後
のアニールによる再結晶化の妨げとなり問題となってい
る。また、高濃度のリンの添加は、ドーピングに必要な
処理時間の増大をもたらし、ドーピング工程におけるス
ループットを低下させるので問題となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温(60
0℃以上)の加熱処理回数を低減し、さらなる低温プロ
セス(600℃以下)を実現するとともに、工程簡略化
及びスループットの向上を実現することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】ゲッタリング技術は単結
晶シリコンウエハーを用いる集積回路の製造技術におい
て主要な技術として位置付けられている。ゲッタリング
は半導体中に取り込まれた金属不純物が、何らかのエネ
ルギーでゲッタリングサイトに偏析して、素子の能動領
域の不純物濃度を低減させる技術として知られている。
それは、エクストリンシックゲッタリング(Extrinsic G
ettering)とイントリンシックゲッタリング(Intrinsic
Gettering)の二つに大別されている。エクストリンシッ
クゲッタリングは外部から歪場や化学作用を与えてゲッ
タリング効果をもたらすものである。高濃度のリンを単
結晶シリコンウエハーの裏面から拡散させるリンゲッタ
はこれに当たり、前述の結晶質半導体膜に対するリンを
用いたゲッタリングもエクストリンシックゲッタリング
の一種と見なすことができる。
【0010】一方、イントリンシックゲッタリングは単
結晶シリコンウエハーの内部に生成された酸素が関与す
る格子欠陥の歪場を利用したものとして知られている。
本発明は、このような格子欠陥、或いは格子歪みを利用
したイントリンシックゲッタリングに着目したものであ
り、厚さ10〜100nm程度の結晶質半導体膜に適用す
るために以下の手段を採用するものである。
【0011】本発明において、結晶構造を有する半導体
膜は、非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を添加し
た後、加熱処理または強光の照射によって結晶化を行え
ばよい。結晶化の後、フッ酸を含むエッチャント、例え
ば希フッ酸やFPM(フッ酸、過酸化水素水、純水との
混合液)で偏析した金属元素を除去または低減してもよ
い。また、フッ酸を含むエッチャントで表面をエッチン
グ処理した場合には、強光を照射して表面を平坦化する
ことが望ましい。
【0012】また、上記結晶化の後、さらに結晶化を改
善するためのレーザー光または強光の照射を行ってもよ
い。この結晶化を改善するためのレーザー光または強光
の照射の後にフッ酸を含むエッチャントで偏析した金属
元素を除去または低減してもよく、さらに強光を照射し
て表面を平坦化してもよい。
【0013】次いで、結晶構造を有する半導体膜上に珪
素を主成分とする絶縁膜を形成する。この絶縁膜は、T
FTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボ
ロンまたはリン)のドーピング量を制御するためのもの
である。この絶縁膜を形成して、チャネルドープを行っ
た後で活性化させるため強光を照射してもよい。
【0014】また、本発明の特徴の一つは、結晶質半導
体薄膜に希ガス元素またはを添加してゲッタリングサイ
トを形成するプロセスと、加熱処理するプロセスとを有
しており、該加熱処理により結晶質半導体薄膜に含まれ
る金属が移動してゲッタリングサイト(希ガス元素のイ
オンが添加された領域)に捕獲され、ゲッタリングサイ
ト以外の結晶質半導体薄膜から金属を除去または低減す
ることである。なお、加熱処理に代えて強光を照射して
もよいし、加熱処理と同時に強光を照射してもよい。ま
た、このゲッタリングの際、チャネルドープにより添加
された不純物元素を活性化させてもよい。
【0015】また、本発明は結晶構造を有する半導体膜
へマスクを用いて希ガス元素(希ガスとも呼ばれる)を
添加した不純物領域を形成し、加熱処理により前記不純
物領域に半導体膜に含まれる金属元素を偏析させるゲッ
タリングを行った後、前記マスクを用いて半導体膜のパ
ターニングを行うことも特徴としている。
【0016】また、希ガス元素の添加方法としては、イ
オンドーピング法やイオン注入法を用いることができ、
希ガス元素としては、He、Ne、Ar、Kr、Xeか
ら選ばれた一種または複数種を用いることができる。中
でも安価なガスであるArを用いることが望ましい。イ
オンドーピング法を用いる場合、ドーピングガスに含ま
れる希ガス元素の1種類が占める濃度が30%以上、好
ましくは100%とする。例えば、Krガス30%、A
rガス70%の濃度としたドーピングガスを用いてもよ
い。
【0017】また、本発明は、半導体膜のパターニング
を行う際、希ガスを添加した領域、即ち、金属元素が高
濃度に偏析した領域は除去され、マスクで覆われ、且つ
金属元素が低減された領域が所望の形状を有する半導体
層として形成される。なお、半導体層を形成する際にオ
ーバーエッチすれば、半導体層の端部に存在する金属が
偏析している部分を除去することができる。また、パタ
ーニングを行った後、上記マスクは除去する。
【0018】次いで、半導体層の表面をフッ酸を含むエ
ッチャントで洗浄した後、ゲート絶縁膜となる珪素を主
成分とする絶縁膜を形成する。この表面洗浄とゲート絶
縁膜の形成は、大気にふれさせずに連続的に行うことが
望ましい。また、この表面洗浄の前または後に活性化工
程を加え、チャネルドープにより添加された不純物元素
を活性化させてもよい。
【0019】次いで、ゲート絶縁膜表面を洗浄した後、
ゲート電極を形成し、p型またはn型を付与する不純物
元素を適宜添加して、ソース領域及びドレイン領域を形
成する。また、必要であればLDD領域も形成してもよ
い。添加した後、不純物元素を活性化するために加熱処
理、強光の照射、またはレーザー光の照射を行えばよ
い。また、活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダ
メージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマ
ダメージを回復することができる。特に、室温〜300
℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレー
ザーの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させる
ことは非常に有効である。YAGレーザーはメンテナン
スが少ないため好ましい。
【0020】以降の工程は、層間絶縁膜を形成し、水素
化を行って、ソース領域、ドレイン領域に達するコンタ
クトホールを形成し、ソース電極、ドレイン電極を形成
してTFTを完成させる。
【0021】本発明により、熱処理を用いて結晶化を行
い、活性化を熱処理以外の方法で行う場合は、高温熱処
理2回(結晶化、ゲッタリング)に抑えることができ、
強光により結晶化を行い、活性化を熱処理以外の方法で
行う場合には、高温熱処理1回(ゲッタリング)に抑え
ることができる。
【0022】また、希ガスを添加する処理時間は、1分
または2分程度の短時間で高濃度の希ガス元素を半導体
膜に添加することができるため、リンを用いたゲッタリ
ングと比較してスループットが格段に向上する。
【0023】また、リンを用いたゲッタリングと比較し
て、希ガス元素の添加による本発明のゲッタリング能力
は高く、さらに高濃度、例えば1×1020〜5×1021
/cm 3で添加できるため、結晶化に用いる金属元素の添
加量を多くすることができる。即ち、結晶化に用いる金
属元素の添加量を多くすることによって結晶化の処理時
間をさらに短時間で行うことが可能となる。また、結晶
化の処理時間を変えない場合には、結晶化に用いる金属
元素の添加量を多くすることによって、さらなる低温で
結晶化することができる。また、結晶化に用いる金属元
素の添加量を多くすることによって、自然核の発生を低
減することができ、良好な結晶質半導体膜を形成するこ
とができる。
【0024】また、アイランドを形成するまでに高温熱
処理が施されているため、基板の収縮がアイランド形成
後の工程で生じず、パターニングのずれを最小限に抑え
ることができ、デバイス製造の上で歩留まりが向上す
る。また、熱処理回数が少ない本発明は、基板の厚さが
薄く(例えば0.7mmや0.5mm)とも基板に与え
る影響が小さいため、問題なく使用可能である。
【0025】本明細書で開示する作製工程に関する発明
の構成は、非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を添
加する第1工程と、前記半導体膜を結晶化させて結晶構
造を有する半導体膜を形成する第2工程と、前記結晶構
造を有する半導体膜に、希ガス元素を選択的に添加して
不純物領域を形成する第3工程と、前記不純物領域に前
記金属元素をゲッタリングして結晶構造を有する半導体
膜中の前記金属元素を選択的に除去または低減する第4
工程と、前記不純物領域を除去する第5工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0026】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜に金属元素を添加する第1工程と、前記半
導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形成する
第2工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に強光を照
射する第3工程と、前記結晶構造を有する半導体膜にレ
ーザー光を照射する第4工程と、前記結晶構造を有する
半導体膜に、希ガス元素を添加して不純物領域を形成す
る第5工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に含まれ
る金属元素を前記不純物領域にゲッタリングする第6工
程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法で
ある。
【0027】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜に金属元素を添加する第1工程と、前記半
導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形成する
第2工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に強光を照
射する第3工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に、
希ガス元素を添加して不純物領域を形成する第4工程
と、前記結晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素
を前記不純物領域にゲッタリングする第5工程と、前記
結晶構造を有する半導体膜にレーザー光を照射する第6
工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法
である。
【0028】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜に金属元素を添加する第1工程と、前記半
導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形成する
第2工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に強光また
はレーザー光を照射する第3工程と、前記結晶構造を有
する半導体膜上に珪素を主成分とする絶縁膜を形成する
第4工程と、前記絶縁膜を通過させて前記結晶構造を有
する半導体膜に一導電型を付与する不純物元素を添加す
る第5工程と、前記絶縁膜をパターニングしてマスクを
形成する第6工程と、前記マスクで覆われていない前記
結晶構造を有する半導体膜に、希ガス元素を添加して不
純物領域を選択的に形成する第7工程と、前記結晶構造
を有する半導体膜に含まれる金属元素を前記不純物領域
にゲッタリングする第8工程と、前記マスクで前記半導
体膜をパターニングする第9工程とを有することを特徴
とする半導体装置の作製方法である。
【0029】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜に金属元素を添加する第1工程と、前記半
導体膜に強光を照射して結晶構造を有する半導体膜を形
成する第2工程と、前記結晶構造を有する半導体膜に強
光またはレーザー光を照射する第3工程と、前記結晶構
造を有する半導体膜上に珪素を主成分とする絶縁膜を形
成する第4工程と、前記絶縁膜を通過させて前記結晶構
造を有する半導体膜に一導電型を付与する不純物元素を
添加する第5工程と、前記絶縁膜をパターニングしてマ
スクを形成する第6工程と、前記マスクで覆われていな
い前記結晶構造を有する半導体膜に、希ガス元素を添加
して不純物領域を選択的に形成する第7工程と、前記結
晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素を前記不純
物領域にゲッタリングする第8工程と、前記マスクで前
記半導体膜をパターニングする第9工程とを有すること
を特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0030】上記各構成において、前記希ガス元素はH
e、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複
数種であることを特徴としている。
【0031】上記各構成において、前記強光は、ハロゲ
ンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークラン
プ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、ま
たは高圧水銀ランプから射出された光であることを特徴
としている。
【0032】上記各構成において、前記第2の工程の後
にフッ酸を含むエッチャントで前記結晶構造を有する半
導体膜の表面を処理する工程を有することを特徴として
いる。
【0033】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜に金属元素を添加する第1工程と、前記非
晶質構造を有する半導体膜上にマスクを形成する第2工
程と、前記非晶質構造を有する半導体膜に、希ガス元素
を選択的に添加して不純物領域を形成する第3工程と、
前記半導体膜のうち、前記マスクと重なる領域を結晶化
させて結晶構造を有する領域を形成し、かつ、前記マス
クと重なる領域に含まれる金属元素を前記不純物領域に
ゲッタリングする第4工程とを有することを特徴とする
半導体装置の作製方法である。
【0034】また、他の発明の構成は、非晶質構造を有
する半導体膜上にマスクを形成する第1工程と、前記非
晶質構造を有する半導体膜に金属元素を添加する第2工
程と、前記半導体膜を結晶化させて結晶構造を有する半
導体膜を形成する第3工程と、前記非晶質構造を有する
半導体膜に、希ガス元素を選択的に添加して不純物領域
を形成する第4工程と、前記不純物領域に前記金属元素
をゲッタリングして結晶構造を有する半導体膜中の前記
金属元素を選択的に除去または低減する第5工程と、前
記不純物領域を除去する第6工程とを有することを特徴
とする半導体装置の作製方法である。
【0035】また、上記作製工程に従って得られた半導
体装置も本発明の一つである。
【0036】本発明の構成は、半導体層と、該半導体層
に接する絶縁膜と、該絶縁膜に接するゲート電極とを含
むTFTを基板上に備えた半導体装置であって、前記基
板は、少なくとも一部に希ガス元素を含む領域を有して
いることを特徴とする半導体装置である。なお、この基
板は絶縁性基板または半導体基板である。また、この構
成は、希ガス元素を添加した工程の際、基板にも希ガス
元素が添加されて得られるものである。この時、図13
(C)に希ガス元素を添加した直後の状態の簡略図を示
した。
【0037】また、上記構成において、前記希ガス元素
を含む領域を形成するマスクと前記半導体層を形成する
マスクは同一であることを特徴としている。こうするこ
とでマスク数を増加させることなく半導体装置が得られ
る。
【0038】また、本発明の他の構成は、基板上に接す
る絶縁膜と、半導体層とを含むTFTを備えた半導体装
置であって、前記絶縁膜は、少なくとも一部に希ガス元
素を含む領域を有していることを特徴とする半導体装置
である。
【0039】なお、上記絶縁膜はブロッキング層として
設けられた下地絶縁膜である。この下地絶縁膜に希ガス
が添加される時の状態を、図13(B)に示した。
【0040】また、上記構成において、前記基板は、少
なくとも一部に希ガス元素を含む領域を有している。即
ち、マスクを形成しなかった領域には、基板にも下地絶
縁膜にも希ガス元素が添加されている。
【0041】また、前記希ガス元素を含む領域を形成す
るマスクと前記半導体層を形成するマスクは同一である
ことを特徴としている。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に説明する。
【0043】図1及び図2は本発明の一実施形態を説明
する図であり、非晶質半導体膜の全面に触媒作用のある
金属元素を全面に添加して結晶化した後、ゲッタリング
を行う方法である。
【0044】図1(A)において、基板101はバリウ
ムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラス、或い
は石英などを用いることができる。基板101の表面に
は、ブロッキング層102として無機絶縁膜を10〜2
00nmの厚さで形成する。好適なブロッキング層の一例
は、プラズマCVD法で作製される酸化窒化シリコン膜
であり、SiH4、NH3、N2Oから作製される第1酸
化窒化シリコン膜を50nmの厚さに形成し、SiH4
2Oから作製される第2酸化窒化珪素膜を100nmの
厚さに形成したものが適用される。ブロッキング層10
2はガラス基板に含まれるアルカリ金属がこの上層に形
成する半導体膜中に拡散しないために設けるものであ
り、石英を基板とする場合には省略することも可能であ
る。
【0045】ブロッキング層102の上に形成する非晶
質構造を有する半導体膜103は、シリコンを主成分と
する半導体材料を用いる。代表的には、非晶質シリコン
膜又は非晶質シリコンゲルマニウム膜などが適用され、
プラズマCVD法や減圧CVD法、或いはスパッタ法で
10〜100nmの厚さに形成する。良質な結晶を得るた
めには、非晶質構造を有する半導体膜103に含まれる
酸素、窒素、炭素などの不純物濃度を極力低減する必要
があり、高純度の材料ガスを用いることはもとより、超
高真空対応のCVD装置を用いることが望ましい。
【0046】次いで、非晶質構造を有する半導体膜10
3の表面に、結晶化を促進する触媒作用のある金属元素
を添加する。半導体膜の結晶化を促進する触媒作用のあ
る金属元素としては鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コ
バルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(R
h)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリ
ジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(A
u)などであり、これらから選ばれた一種または複数種
を用いることができる。代表的にはニッケルを用い、重
量換算で3〜50ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩
溶液をスピナーで塗布して触媒含有層104を形成す
る。(図1(A))後の工程で行うゲッタリング能力が
非常に高いため、高濃度のニッケルを含む溶液を使用す
ることが可能である。また、高濃度の溶液を塗布するた
めにスピナーの回転数を低減してもよい。この場合、当
該溶液の馴染みをよくするために、非晶質構造を有する
半導体膜103の表面処理として、オゾン含有水溶液で
極薄い酸化膜を形成し、その酸化膜をフッ酸と過酸化水
素水の混合液でエッチングして清浄な表面を形成した
後、再度オゾン含有水溶液で処理して極薄い酸化膜を形
成しておく。シリコンなど半導体膜の表面は本来疎水性
なので、このように酸化膜を形成しておくことにより酢
酸ニッケル塩溶液を均一に塗布することができる。
【0047】勿論、触媒含有層104は上記塗布方法に
限定されず、スパッタ法、蒸着法、プラズマ処理などに
より形成しても良い。
【0048】次いで、加熱処理または強光の照射を行
い、結晶化を行う。この場合、結晶化は触媒となる金属
元素が接した半導体膜の部分でシリサイドが形成され、
それを核として結晶化が進行する。こうして、図1
(B)に示す結晶質半導体膜105が形成される。熱処
理により結晶化を行う場合は、この非晶質シリコン膜に
脱水素化(500℃、1時間)を行った後、熱結晶化
(550℃〜650℃で4〜24時間)を行うとよい。
また、強光の照射により結晶化を行う場合は、赤外光、
可視光、または紫外光のいずれか一またはそれらの組み
合わせを用いることが可能であるが、代表的には、ハロ
ゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークラ
ンプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、
または高圧水銀ランプから射出された光を用いる。(図
1(B))なお、必要であれば、第1の強光を照射する
前に非晶質構造を有する半導体膜103に含有する水素
を放出させる熱処理を行ってもよい。また、加熱処理と
強光の照射とを同時に行って結晶化を行ってもよい。
【0049】結晶化の直後、半導体膜に含まれる金属元
素を低減するため、フッ素を含むエッチャントを用いて
触媒となる金属元素をエッチングで低減または除去して
もよい。
【0050】次いで、結晶化率(膜の全体積における結
晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修
するために、結晶質半導体膜105に対して光を照射す
る。(図1(C))光には波長400nm以下のエキシマ
レーザー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調
波を用いる。いずれにしても、繰り返し周波数10〜1
000Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー
光を光学系にて100〜400mJ/cm2に集光し、90〜
95%のオーバーラップ率をもって結晶質半導体膜10
5に対するレーザー処理を行っても良い。また、レーザ
ー光に代えて強光を照射してもよいし、同時にレーザー
光と強光とを照射してもよい。
【0051】次いで、欠陥を補修する処理の直後に、結
晶質半導体膜に含まれる金属元素を低減するため、フッ
素を含むエッチャントを用いて触媒となる金属元素をエ
ッチングで低減または除去してもよい。また、このエッ
チングで表面に凹凸が生じてしまった場合には、強光を
照射して表面を平坦化してもよい。
【0052】次いで、結晶質半導体膜上に100〜20
0nmの厚さの酸化珪素膜106aを形成する。(図1
(D))酸化珪素膜の作製方法は限定されないが、例え
ば、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Ortho Sil
icate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、
基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MH
z)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させ形成する。
【0053】次いで、TFTのしきい値を制御するた
め、酸化珪素膜を通過させて微量な不純物元素(ボロン
またはリン)を半導体膜に添加するチャネルドープを行
う。また、チャネルドープを行った後で不純物元素を活
性化させるため強光を照射してもよい。
【0054】次いで、酸化珪素膜上にレジストからなる
マスク107を形成する。このマスクによってパターニ
ングし、TFTの半導体層となる部分を覆う酸化珪素か
らなる絶縁層106bを形成した後、半導体膜に希ガス
元素を添加してゲッタリングサイト108を形成する。
(図2(A))ここでは、イオンドーピング法またはイ
オン注入法を用い、半導体膜に添加される希ガス元素の
濃度を1×1020〜5×1021/cm3とすることが望
ましい。この時、レジストからなるマスクをそのまま残
した状態で希ガス元素のドーピングを行ってもよいし、
レジストマスクからなるマスクを除去した後、希ガス元
素のドーピングを行ってもよい。希ガス元素のドーピン
グ後は、レジストからなるマスクを除去する。また、希
ガス元素に加え、周期表15族元素または周期表13族
元素を添加してもよい。なお、図2(A)では、半導体
膜のみに希ガス元素が添加されたように図示したが、実
際は、希ガスを添加する工程の条件によって、図13
(A)〜図13(C)に示したような金属元素の濃度分
布を制御できる。図13(A)は、半導体膜の浅い位置
にピークを有する濃度分布120となるような条件で行
ったものであり、図13(B)は半導体膜の中間位置に
ピークを有する濃度分布121となるような条件で行っ
たため、ブロッキング層102にも希ガス元素が添加さ
れた例である。また、図13(C)は半導体膜の深い位
置にピークを有する濃度分布122となるような条件で
行ったため、ブロッキング層102及び基板101にも
希ガス元素が添加された例である。図13(B)や図1
3(C)に示したようにブロッキング層や基板に希ガス
元素を添加することによって応力の緩和を図ることがで
きる。
【0055】次いで、ゲッタリングを行う。(図2
(B))ゲッタリングは窒素雰囲気中で450〜800
℃、1〜24時間、例えば550℃にて14時間の熱処
理を行うと、ゲッタリングサイト108に金属元素を偏
析させることができる。このゲッタリングにより、絶縁
層106bで覆われた半導体膜に含まれる金属元素を除
去、または金属元素の濃度を低減する。また、熱処理に
代えて強光を照射してもよい。また、熱処理に加えて強
光を照射してもよい。ただし、ゲッタリングの加熱手段
に、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノン
アークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウム
ランプ、または高圧水銀ランプから射出された光を用い
るRTA法を用いる場合、半導体膜の加熱温度が400
℃〜550℃となるように強光を照射することが望まし
い。あまり高い加熱温度としてしまうと半導体膜中の歪
みが無くなってしまい、ゲッタリングサイト(ニッケル
シリサイド)からニッケルを飛び出させる作用やニッケ
ルを捕獲する作用が消えてしまうため、ゲッタリング効
率が低下してしまう。
【0056】ゲッタリングが終わったら、上記マスクを
そのまま用いてゲッタリングサイトを除去して、金属元
素が低減された領域からなる所望の形状を有する半導体
層109を形成し、最後に酸化珪素からなる絶縁層を除
去する。(図2(C))絶縁層を除去する際、半導体層
の表面もわずかにエッチングすることが望ましい。図2
6にゲッタリング後にFPM(フッ酸、過酸化水素水、
純水の混合液)によりニッケルシリサイドをエッチング
した際の光学顕微鏡写真を示した。図26から半導体層
の周縁部にエッチピットが多数観察されていることか
ら、ゲッタリングによって半導体層の周縁部にニッケル
が偏析しやすいと予想される。
【0057】また、レジストからなるマスクを形成した
段階で、酸化珪素膜を通過させて希ガス元素のドーピン
グを行ってゲッタリングサイトを形成してもよい。この
場合には、ドーピング後マスクを除去してゲッタリング
した後、酸化珪素膜を除去し、その後、半導体膜のう
ち、希ガス元素が添加された領域(ゲッタリングサイ
ト)のみを選択的に除去して半導体層を形成する。エッ
チャントとしてダッシュ液、サト液、セコ液等を用いれ
ば、希ガス元素が添加された領域は非晶質化されている
ため、結晶質半導体膜である領域(希ガスが添加されて
いない)と選択的にエッチングすることができる。
【0058】次いで、半導体層109の表面をフッ酸を
含むエッチャントで洗浄した後、ゲート絶縁膜となる珪
素を主成分とする絶縁膜110を形成する。(図2
(D))半導体層109の表面洗浄とゲート絶縁膜の形
成は、大気にふれさせずに連続的に行うことが望まし
い。また、この表面洗浄の前または後に活性化工程を加
え、チャネルドープにより添加された不純物元素を活性
化させてもよい。
【0059】次いで、絶縁膜110表面を洗浄し、ゲー
ト電極を形成した後、半導体層109にn型またはp型
を付与する不純物元素を適宜添加して、ソース領域及び
ドレイン領域を形成する。また、必要であればLDD領
域も形成してもよい。n型またはp型を付与する不純物
元素を添加した後、不純物元素を活性化するために加熱
処理、強光の照射、またはレーザー光の照射を行えばよ
い。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面ま
たは裏面からYAGレーザーの第2高調波または第3高
調波を照射して不純物元素を活性化させることは非常に
有効である。
【0060】以降の工程は、層間絶縁膜の形成、水素
化、ソース領域、ドレイン領域に達するコンタクトホー
ルの形成、ソース電極、ドレイン電極の形成等を行って
TFTを完成させる。
【0061】こうして形成したTFTを画素部のスイッ
チング素子、または駆動回路を構成するTFTとして用
い、様々な電子機器に搭載する。
【0062】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0063】
【実施例】[実施例1]ここでは、同一基板上に画素部
と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネ
ル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する
方法について図3〜図6を用いて説明する。
【0064】まず、本実施例ではコーニング社の#70
59ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウ
ムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス
などのガラスからなる基板200を用いる。なお、基板
200としては、透光性を有する基板であれば限定され
ず、石英基板を用いても良い。また、本実施例の処理温
度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いて
もよい。
【0065】次いで、基板200上に酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜
から成る下地膜201を形成する。本実施例では下地膜
201として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜
または2層以上積層させた構造を用いても良い。下地膜
201の一層目としては、プラズマCVD法を用い、S
iH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される
酸化窒化シリコン膜201aを10〜200nm(好まし
くは50〜100nm)形成する。本実施例では、膜厚5
0nmの酸化窒化シリコン膜201a(組成比Si=3
2%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成し
た。次いで、下地膜201のニ層目としては、プラズマ
CVD法を用い、SiH4及びN2Oを反応ガスとして成
膜される酸化窒化シリコン膜201bを50〜200n
m(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成す
る。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化シリコン
膜201b(組成比Si=32%、O=59%、N=7
%、H=2%)を形成した。
【0066】次いで、下地膜上に半導体層202〜20
6を形成する。半導体層202〜206は、非晶質構造
を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCV
D法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、
公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、ま
たはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行っ
て得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニング
して形成する。この半導体層202〜206の厚さは2
5〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形
成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好まし
くはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiXGe
1-X(X=0.0001〜0.02))合金などで形成
すると良い。本実施例では、プラズマCVD法を用い、
55nmの非晶質シリコン膜を成膜した後、ニッケルを
含む溶液を非晶質シリコン膜上に保持させた。この非晶
質シリコン膜に脱水素化(500℃、1時間)を行った
後、熱結晶化(550℃、4時間)を行い、さらに結晶
化を改善するためのレーザーアニ―ル処理を行って結晶
質シリコン膜を形成した。そして、実施の形態に示した
ように、酸化シリコン膜からなるマスクを形成した後、
結晶質シリコン膜に希ガス元素をマスクを用いて添加し
て、ゲッタリングを行った後、結晶質シリコン膜のパタ
ーニングを行い、その後、マスクを除去した。こうし
て、結晶質シリコン膜からなる半導体層202〜206
を形成した。この半導体層202〜206のパターニン
グが終了した状態は、実施の形態における図1(C)に
相当する。なお、酸化シリコン膜を形成した後、TFT
のしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロン
またはリン)のドーピングを適宜行ってもよい。
【0067】次いで、半導体層202〜206の表面を
バッファーフッ酸等のフッ酸系のエッチャントで洗浄し
た後、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さ
を40〜150nmとして珪素を主成分とする絶縁膜2
07を形成する。本実施例では、プラズマCVD法によ
り115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si
=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成し
た。勿論、このゲート絶縁膜となる絶縁膜は酸化窒化シ
リコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む
絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0068】次いで、図3(A)に示すように、ゲート
絶縁膜207上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜
208と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜20
9とを積層形成する。本実施例では、膜厚30nmのT
aN膜からなる第1の導電膜208と、膜厚370nm
のW膜からなる第2の導電膜209を積層形成した。T
aN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用
い、窒素を含む雰囲気内でスパッタした。また、W膜
は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成した。そ
の他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CV
D法で形成することもできる。
【0069】なお、本実施例では、第1の導電膜208
をTaN、第2の導電膜209をWとしたが、特に限定
されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、
Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分
とする合金材料若しくは化合物材料で単層または積層を
用いればよい。また、リン等の不純物元素をドーピング
した多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いても
よい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。また、
第1の導電膜をタンタル(Ta)膜で形成し、第2の導
電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタ
ン(TiN)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組
み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で
形成し、第2の導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1
の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の
導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
【0070】次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジ
ストからなるマスク210〜215を形成し、電極及び
配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第
1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件
で行う。本実施例では第1のエッチング条件として、I
CP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズ
マ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4
Cl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/2
5/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電
極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズ
マを生成してエッチングを行った。なお、エッチング用
ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl 4、CCl4
どを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、NF3
などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用い
ることができる。ここでは、松下電器産業(株)製のI
CPを用いたドライエッチング装置(Model E645
−□ICP)を用いた。基板側(試料ステージ)にも1
50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の
自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条
件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテ
ーパー形状とする。第1のエッチング条件でのWに対す
るエッチング速度は200.39nm/min、TaN
に対するエッチング速度は80.32nm/minであ
り、TaNに対するWの選択比は約2.5である。ま
た、この第1のエッチング条件によって、Wのテーパー
角は、約26°となる。
【0071】この後、レジストからなるマスク210〜
215を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス
流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコ
イル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行
った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56
MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を
印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条
件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされ
る。第2のエッチング条件でのWに対するエッチング速
度は58.97nm/min、TaNに対するエッチン
グ速度は66.43nm/minである。なお、ゲート
絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするために
は、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加さ
せると良い。
【0072】上記第1のエッチング処理では、レジスト
からなるマスクの形状を適したものとすることにより、
基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電
層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。この
テーパー部の角度は15〜45°とすればよい。
【0073】こうして、第1のエッチング処理により第
1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層
216〜221(第1の導電層216a〜221aと第
2の導電層216b〜221b)を形成する。ここでの
チャネル長方向の第1の導電層の幅は、上記実施の形態
に示したW1に相当する。図示しないが、ゲート絶縁膜
となる絶縁膜207のうち、第1の形状の導電層216
〜221で覆われない領域は10〜20nm程度エッチン
グされ薄くなった領域が形成される。
【0074】そして、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付
与する不純物元素を添加する。(図3(B))ドーピン
グ処理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行え
ば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013
〜1×1015/cm2とし、加速電圧を60〜100keV
として行う。本実施例ではドーズ量を5×1014/cm2
し、加速電圧を80keVとして行った。n型を付与す
る不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリ
ン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン
(P)を用いた。この場合、導電層216〜221がn
型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整
合的に高濃度不純物領域222〜233が形成される。
高濃度不純物領域222〜233には3×1019〜3×
1020/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添
加する。
【0075】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、エッチン
グ用ガスにSF6とCl2とO2とを用い、それぞれのガ
ス流量比を24/12/24(sccm)とし、1.3
Paの圧力でコイル型の電極に700WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを2
5秒行った。基板側(試料ステージ)にも10WのRF
(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス
電圧を印加する。第2のエッチング処理でのWに対する
エッチング速度は227.3nm/min、TaNに対
するエッチング速度は32.1nm/minであり、T
aNに対するWの選択比は7.1であり、絶縁膜207
であるSiONに対するエッチング速度は33.7nm
/minであり、TaNに対するWの選択比は6.83
である。このようにエッチングガス用ガスにSF6を用
いた場合、絶縁膜207との選択比が高いので膜減りを
抑えることができる。また、駆動回路のTFTにおいて
は、テーパ−部のチャネル長方向の幅が長ければ長いほ
ど信頼性が高いため、テーパ−部を形成する際、SF6
を含むエッチングガスでドライエッチングを行うことが
有効である。
【0076】この第2のエッチング処理によりWのテー
パー角は70°となった。この第2のエッチング処理に
より第2の導電層234b〜239bを形成する。一
方、第1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第1
の導電層234a〜239aを形成する。図示しない
が、実際には、第1の導電層の幅は、第2のエッチング
処理前に比べて約0.15μm程度、即ち線幅全体で
0.3μm程度後退する。
【0077】また、上記第2のエッチング処理におい
て、CF4とCl2とO2とをエッチングガスに用いるこ
とも可能である。その場合は、それぞれのガス流量比を
25/25/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイ
ル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入し
てプラズマを生成してエッチングを行えばよい。基板側
(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を
投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。C
4とCl2とO2とを用いる場合のWに対するエッチン
グ速度は124.62nm/min、TaNに対するエ
ッチング速度は20.67nm/minであり、TaN
に対するWの選択比は6.05である。従って、W膜が
選択的にエッチングされる。
【0078】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、第2のドーピング処理を行って図3(C)の状態
を得る。ドーピングは第2の導電層234b〜239b
を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層
のテーパー部下方の半導体層に不純物元素が添加される
ようにドーピングする。本実施例では、不純物元素とし
てP(リン)を用い、ドーピング条件をドーズ量1.5
×1014/cm2、加速電圧90keV、イオン電流密度
0.5μA/cm2、フォスフィン(PH3)5%水素希
釈ガス、ガス流量30sccmにてプラズマドーピング
を行った。こうして、第1の導電層と重なる低濃度不純
物領域241〜254を自己整合的に形成する。この低
濃度不純物領域241〜254へ添加されたリン(P)
の濃度は、1×1017〜1×1019/cm3であり、且つ、
第1の導電層のテーパー部の膜厚に従って濃度勾配を有
している。なお、第1の導電層のテーパー部と重なる半
導体層において、第1の導電層のテーパー部の端部から
内側に向かって不純物濃度(P濃度)が次第に低くなっ
ている。また、高濃度不純物領域222〜233にも不
純物元素が添加され、高濃度不純物領域255〜266
を形成する。
【0079】次いで、後にnチャネル型TFTの活性層
となる半導体層をレジストからなるマスク267〜26
9で覆い、第3のドーピング処理を行う。この第3のド
ーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層とな
る半導体層に前記一導電型(n型)とは逆の導電型(p
型)を付与する不純物元素が添加されたp型不純物領域
270〜273(高濃度不純物領域270a〜273a
及び低濃度不純物領域270b〜273b)を形成す
る。なお、テーパ−部を通過させてドープするため、p
型の低濃度不純物領域270b〜273bは、n型の低
濃度不純物領域241〜254と同様の濃度勾配を有し
ている。(図4(A))第1の導電層234a、236
bを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与
する不純物元素を添加してp型不純物領域を形成する。
本実施例では、p型不純物領域270〜273はジボラ
ン(B26)を用い、ドーピング条件をドーズ量1×1
15/cm2、加速電圧30keVとしたイオンドープ法で
形成する。なお、第1のドーピング処理及び第2のドー
ピング処理によって、不純物領域270a〜273aに
はそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、その
いずれの領域においてもボロンの濃度が6×1019〜6
×1020/cm3となるようにドーピング処理することによ
り、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領
域として機能するために何ら問題は生じない。
【0080】また、第2のエッチング処理で膜減りしな
い条件、例えばSF6をエッチングガスに用いた場合、
ボロンのドーピングを容易とするため、第3のドーピン
グ処理の前に絶縁膜207を薄膜化するエッチング(C
HF3ガスを用いた反応性イオンエッチング法(RIE
法))を行ってもよい。
【0081】次いで、レジストからなるマスク274を
形成して第3のエッチング処理を行う。この第3のエッ
チング処理では第1の導電層のテーパー部を選択的にエ
ッチングして、半導体層と重なる領域をなくす。第3の
エッチング処理は、エッチングガスにWとの選択比が高
いCl3を用い、ICPエッチング装置を用いて行う。
本実施例では、Cl3のガス流量比を80(sccm)
とし、1.2Paの圧力でコイル型の電極に350Wの
RF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエ
ッチングを30秒行った。基板側(試料ステージ)にも
50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の
自己バイアス電圧を印加する。第3のエッチングによ
り、第1の導電層237c〜239cが形成される。
(図4(B))
【0082】上記第3のエッチング処理によって、第1
の導電層237c〜239cと重ならず、濃度勾配を有
する低濃度不純物領域(LDD領域)247〜254が
形成される。なお、低濃度不純物領域(GOLD領域)
241〜246は、第1の導電層234a〜236aと
重なったままである。このように、各回路に応じてTF
Tの構造を作り分けている。
【0083】また、第1の導電層237cと第2の導電
層237bとで形成された電極は、後の工程で形成され
るサンプリング回路のnチャネル型TFTのゲート電極
となる。同様に、第1の導電層238cと第2の導電層
238bとで形成された電極は、後の工程で形成される
画素部のnチャネル型TFTのゲート電極となり、第1
の導電層239cと第2の導電層239bとで形成され
た電極は、後の工程で形成される画素部の保持容量の一
方の電極となる。
【0084】また、本実施例では第3のドーピング処理
の後に、第3のエッチング処理を行った例を示したが、
第3のエッチング処理を行った後に第3のドーピング処
理を行ってもよい。
【0085】次いで、レジストからなるマスク274を
除去して第1の層間絶縁膜275を形成する。この第1
の層間絶縁膜275としては、プラズマCVD法または
スパッタ法を用い、厚さを10〜200nmとしてシリ
コンを含む絶縁膜で形成する。この第1の層間絶縁膜
は、膜減りした絶縁膜に後でコンタクトホールを形成す
る際、半導体層をオーバーエッチングしないようにエッ
チングストッパーとしての機能を果たすものである。本
実施例では、プラズマCVD法により膜厚50nmの酸
化シリコン膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜27
5は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリ
コンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても
良い。
【0086】次いで、図4(C)に示すように、それぞ
れの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する
工程を行う。この活性化工程はYAGレーザーまたはエ
キシマレーザーを裏面から照射することによって行う。
裏面から照射することによって、ゲート電極と絶縁膜を
介して重なる不純物領域の活性化を行う。
【0087】また、反射板を用いてレーザー光を照射し
てもよい。その場合、固体レーザー、代表的にはYAG
レーザー)で行うことが望ましい。反射板を用いる場合
は、図8にその簡略図を示したように、鏡面を有する反
射板504を用いて、基板501の表面側からと、裏面
側からとで線状のYAGレーザーの第2高調波または第
3高調波を同時に照射する方法を用いた。YAGレーザ
ーは可視光であるので、基板が透光性を有していれば吸
収されず、アモルファスシリコンに吸収される。特に、
本実施例のようにゲート電極の下に低濃度不純物領域を
設けている場合、ゲート電極と絶縁膜を介して重なる不
純物領域の活性化を行うことが非常に困難であった。図
8に示す反射板を用いた活性化方法によって不純物領域
506またはチャネル形成領域505に含まれる不純物
元素の活性化を行うことができる。図8中、502は下
地膜、503は高濃度不純物領域、507はシリンドリ
カルレンズである。なお、YAGレーザーアニール法の
他にラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用す
ることもできる。
【0088】次いで、窒化シリコン膜からなる第2の層
間絶縁膜276を形成して熱処理(300〜550℃で
1〜12時間の熱処理)を行い、半導体層を水素化する
工程を行う。本実施例では、窒素雰囲気中で410℃、
1時間の熱処理を行った。この工程は第2の層間絶縁膜
276に含まれる水素により半導体層のダングリングボ
ンドを終端する工程である。第1の層間絶縁膜の存在に
関係なく半導体層を水素化することができる。水素化の
他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起
された水素を用いる)を行っても良い。
【0089】次いで、第2の層間絶縁膜276上に有機
絶縁物材料から成る第3の層間絶縁膜277を形成す
る。本実施例では膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形
成した。次いで、各不純物領域(257、258、26
1〜263、265、270a、271a、272a、
273a)に達するコンタクトホールを形成するための
パターニングを行う。本実施例では複数のエッチング処
理を行った。本実施例では第2の層間絶縁膜をエッチン
グストッパーとして第3の層間絶縁膜をエッチングした
後、第1の層間絶縁膜をエッチングストッパーとして第
2の層間絶縁膜をエッチングしてから第1の層間絶縁膜
をエッチングした。
【0090】次いで、不純物領域(257、258、2
61〜263、270a、271a、272a、273
a)とそれぞれ電気的に接続する電極278〜286
と、不純物領域265と電気的に接続する画素電極28
7を形成する。これらの電極及び画素電極の材料は、A
lまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜
等の反射性の優れた材料を用いる。
【0091】以上の様にして、nチャネル型TFT30
6及びpチャネル型TFT305からなるロジック回路
部303と、nチャネル型TFT308及びpチャネル
型TFT307からなるサンプリング回路部304とを
有する駆動回路301と、nチャネルTFT309から
なる画素TFT及び保持容量310とを有する画素部3
02とを同一基板上に形成することができる。本明細書
中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基
板と呼ぶ。
【0092】本実施例では、各回路に応じてTFTの構
造が異なっている。
【0093】画素部のnチャネル型TFT309には、
消費電力を低く抑えることが要求され、オフ電流値が十
分低いTFT構造とすることが望ましい。また、本実施
例では、低濃度不純物領域249〜252に濃度勾配を
持たせ、さらにゲート電極(238b、238c)と重
ならない構造とした。また、nチャネル型TFT309
におけるゲート電極の端部は、ゲート絶縁膜を挟んで、
チャネル形成領域と低濃度不純物領域との界面と概略一
致する。また、各低濃度不純物領域249〜252の濃
度分布は、チャネル形成領域292、293からの距離
が増大するとともに不純物濃度が増加している。
【0094】なお、本実施例ではnチャネル型TFT3
09は、ソース領域およびドレイン領域の間に二つのチ
ャネル形成領域を有した構造(ダブルゲート構造)とな
っているが、本実施例はダブルゲート構造に限定される
ことなく、チャネル形成領域が一つ形成されるシングル
ゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造
であっても良い。
【0095】また、保持容量310の一方の電極として
機能する不純物領域253、254、265、266に
は、それぞれn型を付与する不純物元素が添加されてい
る。保持容量204は、絶縁膜207を誘電体として、
電極239b、239cと、半導体層とで形成してい
る。なお、本実施例では不純物領域と電極239b、2
39cとが重ならない構造としたが、重なる構造とすれ
ば、さらに容量を増大することができる。
【0096】また、サンプリング回路部304、代表的
にはアナログスイッチ回路のnチャネル型TFT308
には、同様にオフ電流値が低いことが好ましい。本実施
例では、低濃度不純物領域247、248に濃度勾配を
持たせ、さらにゲート電極(237b、237c)と重
ならない構造とした。また、各低濃度不純物領域24
7、248の濃度分布は、チャネル形成領域291から
の距離が増大するとともに不純物濃度が増加している。
ただし、オン電流値または信頼性を重視するのであれ
ば、低濃度不純物領域がゲート電極と重なる構造として
もよい。
【0097】また、pチャネル型TFT307は、オン
電流値または信頼性を重視するため、低濃度不純物領域
272b、273bがゲート電極236a、236bと
重なる構造とした。また、各低濃度不純物領域272
b、273bの濃度分布は、チャネル形成領域290か
らの距離が増大するとともに不純物濃度が増加してい
る。また、pチャネル型TFT307におけるゲート電
極の端部は、ゲート絶縁膜を挟んで、低濃度不純物領域
272b、273bと高濃度不純物領域272a、27
3aとの界面と概略一致する。
【0098】また、ロジック回路部のpチャネル型TF
T305は、オン電流値または信頼性を重視するため、
低濃度不純物領域270b、271bがゲート電極23
4a、234bと重なる構造とした。また、各低濃度不
純物領域270b、271bの濃度分布は、チャネル形
成領域288からの距離が増大するとともに不純物濃度
が増加している。
【0099】また、同様にnチャネル型TFT306
は、低濃度不純物領域272b、273bがゲート電極
235a、235bと重なる構造とした。また、各低濃
度不純物領域272b、273bの濃度分布は、チャネ
ル形成領域289からの距離が増大するとともに不純物
濃度が増加している。
【0100】こうして、本実施例では、同一基板上に信
頼性の高いTFT306を備えた駆動回路と、オフ電流
値が低減された画素TFT309とを備えた画素部とを
同時に形成することができた。
【0101】また、本実施例では、希ガス元素を多量に
添加したため、下地膜及び基板にも添加される。希ガス
元素は、マスク106bで覆われた領域以外の領域、即
ち半導体層202〜206が配置された領域以外の領域
に添加される。
【0102】[実施例2]本実施例では、実施例1で作
製したアクティブマトリクス基板から、アクティブマト
リクス型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明す
る。説明には図6を用いる。
【0103】まず、実施例1に従い、図5の状態のアク
ティブマトリクス基板を得た後、図5のアクティブマト
リクス基板上に配向膜401を形成しラビング処理を行
う。なお、本実施例では配向膜401を形成する前に、
アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすること
によって基板間隔を保持するための柱状のスペーサを所
望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、
球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0104】次いで、対向基板400を用意する。この
対向基板には、着色層402、遮光層403が各画素に
対応して配置されたカラーフィルタが設けられている。
また、駆動回路の部分にも遮光層403を設けた。この
カラーフィルタと遮光層とを覆う平坦化膜404を設け
た。次いで、平坦化膜404上に透明導電膜からなる対
向電極405を画素部に形成し、対向基板の全面に配向
膜406を形成し、ラビング処理を施した。
【0105】そして、画素部と駆動回路が形成されたア
クティブマトリクス基板と対向基板とをシール材407
で貼り合わせる。シール材407にはフィラーが混入さ
れていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な
間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料408を注入し、封止剤(図示せ
ず)によって完全に封止する。液晶材料408には公知
の液晶材料を用いれば良い。このようにして図6に示す
アクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。そし
て、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対
向基板を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を
用いて偏光板等を適宜設けた。そして、公知の技術を用
いてFPCを貼りつけた。
【0106】こうして得られた液晶モジュールの構成を
図7の上面図を用いて説明する。なお、図6と対応する
部分には同じ符号を用いた。
【0107】図7(A)で示す上面図は、画素部、駆動
回路、FPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible
Printed Circuit)411を貼り付ける外部入力端子4
09、外部入力端子と各回路の入力部までを接続する配
線410などが形成されたアクティブマトリクス基板
と、カラーフィルタなどが設けられた対向基板400と
がシール材407を介して貼り合わされている。
【0108】ゲート配線側駆動回路301aと重なるよ
うに対向基板側に遮光層403aが設けられ、ソース配
線側駆動回路301bと重なるように対向基板側に遮光
層403bが形成されている。また、画素部302上の
対向基板側に設けられたカラーフィルタ402は遮光層
と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の着色
層とが各画素に対応して設けられている。実際に表示す
る際には、赤色(R)の着色層、緑色(G)の着色層、
青色(B)の着色層の3色でカラー表示を形成するが、
これら各色の着色層の配列は任意なものとする。
【0109】ここでは、カラー化を図るためにカラーフ
ィルタ402を対向基板に設けているが特に限定され
ず、アクティブマトリクス基板を作製する際、アクティ
ブマトリクス基板にカラーフィルタを形成してもよい。
【0110】また、カラーフィルタにおいて隣り合う画
素の間には遮光層が設けられており、表示領域以外の箇
所を遮光している。また、ここでは、駆動回路を覆う領
域にも遮光層403a、403bを設けているが、駆動
回路を覆う領域は、後に液晶表示装置を電子機器の表示
部として組み込む際、カバーで覆うため、特に遮光層を
設けない構成としてもよい。また、アクティブマトリク
ス基板を作製する際、アクティブマトリクス基板に遮光
層を形成してもよい。
【0111】また、上記遮光層を設けずに、対向基板と
対向電極の間に、カラーフィルタを構成する着色層を複
数層重ねた積層で遮光するように適宜配置し、表示領域
以外の箇所(各画素電極の間隙)や、駆動回路を遮光し
てもよい。
【0112】また、外部入力端子にはベースフィルムと
配線から成るFPC411が異方性導電性樹脂で貼り合
わされている。さらに補強板で機械的強度を高めてい
る。
【0113】以上のようにして作製される液晶モジュー
ルは各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0114】[実施例3]本実施例は、実施例1とは、
マスクとなる絶縁膜106aの形成後の工程が異なる例
を示す。本実施例は、レジストからなるマスクを除去し
た後、希ガス元素を添加する例である。それ以外の工程
は同一であるので、図9では、図2と同じ符号を用い
る。
【0115】まず、実施の形態に従って図1(D)と同
じ状態を得る。次いで、実施の形態に従ってレジストか
らなるマスクを形成し、酸化シリコン膜をパターニング
して酸化シリコン膜からなるマスクを形成する。次い
で、レジストからなるマスクを除去した後、希ガス元素
を添加する。(図9(A))
【0116】以降の工程は、実施の形態に従えば、図9
(B)〜図9(D)の状態が得られ、実施例1に従え
ば、図6に示すアクティブマトリクス基板が得られる。
【0117】なお、本実施例は実施例2と組み合わせる
ことが可能である。
【0118】[実施例4]本実施例では、実施例1とレ
ジストからなるマスクを形成した後の工程が異なってい
る。
【0119】本実施例は、レジストからなるマスクを形
成した後、実施例1のように酸化シリコン膜からなる絶
縁膜をエッチングすることなく、酸化シリコン膜からな
る絶縁膜106aを通過させて希ガス元素を添加する。
(図10(A))この際、SIMS分析を行ったニッケ
ルの濃度プロファイルを図19に示す。図19は希ガス
元素(ここではAr)を絶縁膜(膜厚0.9μm)を通
過させて添加した直後のニッケルの濃度を示している。
ニッケルは、半導体膜中に1×1018〜1×1019/c
3存在している。添加した条件は、ドーピングガスと
してアルゴンガス100%、ドーズ量4×1015/cm
2、加速電圧90kVである。
【0120】次いで、ゲッタリングを行うが、酸化シリ
コンからなる絶縁膜106aで覆ったままの状態で行
う。(図10(B))ここでのゲッタリングは、550
℃、4時間で行い、その後、SIMS分析を行った結果
が図20である。図20からは、ゲッタリングにより半
導体膜中のニッケルが検出下限まで除去されたことが示
されている。
【0121】次いで、絶縁膜106aを除去する。(図
10(C))
【0122】次いで、前の工程により希ガス元素が添加
されて非晶質化した部分(ゲッタリングサイト)108
を選択的にエッチングする。(図10(D))
【0123】エッチャントとしてダッシュ液、サト液、
セコ液等を用いることができる。ただし、セコ液はクロ
ムが含まれているので工業的には不向きである。
【0124】以上の工程により結晶質シリコンからなる
半導体層109のみを残存させることができる。
【0125】なお、本実施例は実施例2と組み合わせる
ことが可能である。
【0126】[実施例5]本実施例では、結晶化処理と
ゲッタリング処理とを同一処理で行う例を図11に示
す。
【0127】まず、実施の形態に従って、基板601上
にブロッキング層602、非晶質半導体膜603を形成
する。次いで、ニッケル含有層604を形成する。ここ
ではスパッタ法によりニッケルの薄膜を形成した。
【0128】次いで、珪素を主成分とする絶縁膜を形成
し、該絶縁膜上にレジストからなるマスク606を形成
する。次いで、レジストからなるマスクを用いてエッチ
ングを行い絶縁膜を選択的に除去して絶縁膜からなるマ
スク606を形成する。
【0129】次いで、レジストからなるマスク606及
び絶縁膜からなるマスク605を用いて、希ガス元素を
非晶質半導体膜に添加する。図11(C)中、希ガス元
素が選択的に添加された領域を不純物領域607として
示した。
【0130】次いで、結晶化とゲッタリングとを両方行
うための熱処理または強光の照射を行う。熱処理で行う
場合は、500℃〜650℃で4〜24時間、例えば5
50℃、4時間で行えばよい。この加熱処理により絶縁
膜からなるマスク606と接している非晶質半導体膜が
ニッケルの作用により結晶化される。この加熱処理で
は、結晶化と同時に、非晶質半導体膜中のニッケルが移
動して希ガス元素が添加された不純物領域にゲッタリン
グされる。図11(D)の矢印の方向にニッケルが移動
する。なお、希ガス元素を添加した領域は、ほとんど結
晶化されない。本発明者の実験では、希ガスを添加した
場合、リンを添加した場合と比較して熱処理を施しても
結晶性が回復しにくい。この比較結果は、図21、図2
2で示した。図21はそれぞれの条件(条件1=加速電
圧80kV、1.5×1015/cm 2のドーズ量でリン
をドーピング、条件2=加速電圧80kV、1.5×1
15/cm2のドーズ量でリンをドーピングし、加速電
圧90kV、2×1015/cm2のドーズ量でアルゴン
をドーピング、条件3=加速電圧80kV、1.5×1
15/cm2のドーズ量でリンをドーピングし、加速電
圧90kV、4×101 5/cm2のドーズ量でアルゴン
をドーピング、条件4=加速電圧90kV、4×1015
/cm2のドーズ量でアルゴンをドーピング)で添加し
た直後のラマンスペクトルを示し、図22は、窒素雰囲
気で550℃、4時間の熱処理を行った直後のラマンス
ペクトルを示している。
【0131】次いで、マスク606を用いて不純物領域
609を除去して、結晶質半導体膜からなる半導体層6
10を得ることができる。
【0132】本実施例では、結晶化とゲッタリングを同
時に行うため、スループットが格段に向上する。
【0133】また、ブロッキング層602、非晶質半導
体膜603、ニッケル含有層604、及びシリコンを主
成分とする絶縁膜を大気にふれることなく連続してCV
D法により形成してもよい。
【0134】なお、本実施例は実施例1または実施例2
と自由に組み合わせることが可能である。
【0135】[実施例6]本実施例では、マスクを用い
て金属元素を選択的に添加する例を図12に示す。
【0136】まず、実施の形態または実施例1に従っ
て、基板901上に下地膜(ブロッキング層)902、
非晶質構造を有する半導体膜903を形成する。次い
で、珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。なお、この
下地膜902と半導体膜903と絶縁膜を大気解放せず
に連続で成膜すると不純物が混入しないため、好まし
い。
【0137】次いで、レジストからなるマスク906を
形成し、エッチングを行って絶縁膜を選択的に除去して
絶縁膜からなるマスク905を形成する。(図12
(A))
【0138】次いで、実施の形態または実施例1に従っ
て、金属含有層907を形成する。(図12(B))次
いで、実施の形態または実施例1に従って結晶化を行
い、結晶構造を有する半導体膜908が得られる。(図
12(C))この結晶化では図12(C)中の矢印で示
した方向に結晶成長する。なお、マスク905で覆われ
ていない領域には高濃度のニッケルが存在している。
【0139】次いで、実施の形態に従って、マスク90
5を用いて希ガス元素を添加し、不純物領域909を形
成する。(図12(D))
【0140】次いで、実施の形態に従って、ゲッタリン
グを行う。(図12(E))この際、結晶構造を有する
半導体膜のうち、領域910、即ち不純物領域909以
外の領域は、ゲッタリングにより金属元素が低減され
た。
【0141】次いで、マスク905を用いて、不純物領
域909を除去した後、マスク905を除去して半導体
層911を形成する。(図12(F))
【0142】なお、本実施例は実施例1または実施例2
と自由に組み合わせることが可能である。
【0143】[実施例7]実施例1では画素電極が反射
性を有する金属材料で形成された反射型の表示装置の例
を示したが、本実施例では画素電極を透光性を有する導
電膜で形成した透過型の表示装置の例を図14に示す。
【0144】層間絶縁膜800を形成する工程までは実
施例1と同じであるので、ここでは省略する。実施例1
に従って層間絶縁膜277を形成した後、透光性を有す
る導電膜からなる画素電極801を形成する。透光性を
有する導電膜としては、ITO(酸化インジウム酸化ス
ズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―Z
nO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いればよい。
【0145】その後、層間絶縁膜800にコンタクトホ
ールを形成する。次いで、画素電極801と重なる接続
電極802を形成する。この接続電極802は、コンタ
クトホールを通じてドレイン領域と接続されている。ま
た、この接続電極802と同時に他のTFTのソース電
極またはドレイン電極も形成する。
【0146】また、ここでは全ての駆動回路を基板上に
形成した例を示したが、駆動回路の一部に数個のICを
用いてもよい。
【0147】以上のようにしてアクティブマトリクス基
板が形成される。このアクティブマトリクス基板を用
い、実施例2に従って液晶モジュールを作製し、バック
ライト804、導光板805を設け、カバー806で覆
えば、図14に示すアクティブマトリクス型液晶表示装
置が完成する。なお、カバー806と液晶モジュールは
接着剤や有機樹脂を用いて貼り合わせる。また、基板と
対向基板を貼り合わせる際、枠で囲んで有機樹脂を枠と
基板との間に充填して接着してもよい。また、透過型で
あるので偏光板803は、アクティブマトリクス基板と
対向基板の両方に貼り付ける。
【0148】なお、本実施例は実施例1乃至6のいずれ
か一と組み合わせることが可能である。
【0149】[実施例8]本実施例では、EL(Electr
o Luminescence)素子を備えた発光表示装置を作製する
例を図15に示す。
【0150】図15(A)は、ELモジュールをを示す
上面図、図15(B)は図15(A)をA−A’で切断
した断面図である。絶縁表面を有する基板700(例え
ば、ガラス基板、結晶化ガラス基板、もしくはプラスチ
ック基板等)に、画素部702、ソース側駆動回路70
1、及びゲート側駆動回路703を形成する。これらの
画素部や駆動回路は、実施の形態に従えば得ることがで
きる。また、718はシール材、719はDLC膜であ
り、画素部および駆動回路部はシール材718で覆わ
れ、そのシール材は保護膜719で覆われている。さら
に、接着材を用いてカバー材で封止されている。
【0151】なお、708はソース側駆動回路701及
びゲート側駆動回路703に入力される信号を伝送する
ための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)709からビデオ信号やク
ロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示
されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。本明細書における
発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC
もしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとす
る。
【0152】次に、断面構造について図15(B)を用
いて説明する。基板500上に絶縁膜710が設けら
れ、絶縁膜710の上方には画素部702、ゲート側駆
動回路503が形成されており、画素部702は電流制
御用TFT711とそのドレインに電気的に接続された
画素電極712を含む複数の画素により形成される。ま
た、ゲート側駆動回路703はnチャネル型TFT71
3とpチャネル型TFT714とを組み合わせたCMO
S回路を用いて形成される。
【0153】これらのTFT(711、713、714
を含む)は、実施の形態または実施例1に従って作製す
ればよい。
【0154】画素電極712はEL素子の陽極として機
能する。また、画素電極712の両端にはバンク715
が形成され、画素電極712上にはEL層716および
EL素子の陰極717が形成される。
【0155】EL層716としては、発光層、電荷輸送
層または電荷注入層を自由に組み合わせてEL層(発光
及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を
形成すれば良い。例えば、低分子系有機EL材料や高分
子系有機EL材料を用いればよい。また、EL層として
一重項励起により発光(蛍光)する発光材料(シングレ
ット化合物)からなる薄膜、または三重項励起により発
光(リン光)する発光材料(トリプレット化合物)から
なる薄膜を用いることができる。また、電荷輸送層や電
荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可
能である。これらの有機EL材料や無機材料は公知の材
料を用いることができる。
【0156】陰極717は全画素に共通の配線としても
機能し、接続配線708を経由してFPC709に電気
的に接続されている。さらに、画素部702及びゲート
側駆動回路703に含まれる素子は全て陰極717、シ
ール材718、及び保護膜719で覆われている。
【0157】なお、シール材718としては、できるだ
け可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるの
が好ましい。また、シール材718はできるだけ水分や
酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0158】また、シール材718を用いて発光素子を
完全に覆った後、すくなくとも図15に示すようにDL
C膜等からなる保護膜719をシール材718の表面
(露呈面)に設けることが好ましい。また、基板の裏面
を含む全面に保護膜を設けてもよい。ここで、外部入力
端子(FPC)が設けられる部分に保護膜が成膜されな
いように注意することが必要である。マスクを用いて保
護膜が成膜されないようにしてもよいし、CVD装置で
マスキングテープとして用いるテフロン(登録商標)等
のテープで外部入力端子部分を覆うことで保護膜が成膜
されないようにしてもよい。
【0159】以上のような構造でEL素子をシール材7
18及び保護膜で封入することにより、EL素子を外部
から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素等
のEL層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを
防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得
ることができる。
【0160】また、画素電極を陰極とし、EL層と陽極
を積層して図15とは逆方向に発光する構成としてもよ
い。図16にその一例を示す。なお、上面図は同一であ
るので省略する。
【0161】図16に示した断面構造について以下に説
明する。基板1000上に絶縁膜1010が設けられ、
絶縁膜1010の上方には画素部1002、ゲート側駆
動回路1003が形成されており、画素部1002は電
流制御用TFT1011とそのドレインに電気的に接続
された画素電極1012を含む複数の画素により形成さ
れる。また、ゲート側駆動回路1003はnチャネル型
TFT1013とpチャネル型TFT1014とを組み
合わせたCMOS回路を用いて形成される。
【0162】画素電極1012はEL素子の陰極として
機能する。また、画素電極1012の両端にはバンク1
015が形成され、画素電極1012上にはEL層10
16およびEL素子の陽極1017が形成される。
【0163】陽極1017は全画素に共通の配線として
も機能し、接続配線1008を経由してFPC1009
に電気的に接続されている。さらに、画素部1002及
びゲート側駆動回路1003に含まれる素子は全て陽極
1017、シール材1018、及びDLC等からなる保
護膜1019で覆われている。
【0164】なお、シール材1018としては、できる
だけ可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いる
のが好ましい。また、シール材1018はできるだけ水
分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0165】また、図16では、画素電極を陰極とし、
EL層と陽極を積層したため、発光方向は図16に示す
矢印の方向となっている。
【0166】なお、本実施例は実施例1乃至7のいずれ
か一と組み合わせることが可能である。
【0167】[実施例9]本実施例では、実施例1とは
異なる例を図17に示す。
【0168】まず、絶縁表面を有する基板11上に導電
膜を形成し、パターニングを施すことにより走査線12
を形成する。この走査線12は後に形成される活性層を
光から保護する遮光層としても機能する。ここでは基板
11として石英基板を用い、走査線12としてポリシリ
コン膜(膜厚50nm)とタングステンシリサイド(W
−Si)膜(膜厚100nm)の積層構造を用いた。ま
た、ポリシリコン膜はタングステンシリサイドから基板
への汚染を保護するものである。
【0169】次いで、走査線12を覆う絶縁膜13a、
13bを膜厚100〜1000nm(代表的には300
〜500nm)で形成する。ここではCVD法を用いた
膜厚100nmの酸化シリコン膜とLPCVD法を用い
た膜厚280nmの酸化シリコン膜を積層させた。
【0170】次いで、非晶質半導体膜を膜厚10〜10
0nmで形成する。ここでは膜厚69nmの非晶質シリ
コン膜(アモルファスシリコン膜)をLPCVD法を用
いて形成した。次いで、この非晶質半導体膜を結晶化さ
せる技術として実施の形態または実施例1に示した技術
を用いて結晶化、ゲッタリング、パターニングを行い結
晶質シリコン膜の不要な部分を除去して、半導体層14
を形成する。
【0171】次いで、保持容量を形成するため、マスク
を形成して半導体層の一部(保持容量とする領域)にリ
ンをドーピングする。
【0172】次いで、マスクを除去し、半導体層を覆う
絶縁膜を形成した後、マスクを形成して保持容量とする
領域上の絶縁膜を選択的に除去する。
【0173】次いで、マスクを除去し、熱酸化を行って
絶縁膜(ゲート絶縁膜)15を形成する。この熱酸化に
よって最終的なゲート絶縁膜の膜厚は80nmとなっ
た。なお、保持容量とする領域上に他の領域より薄い絶
縁膜を形成した。
【0174】次いで、TFTのチャネル領域となる領域
にp型またはn型の不純物元素を低濃度に添加するチャ
ネルドープ工程を全面または選択的に行った。このチャ
ネルドープ工程は、TFTしきい値電圧を制御するため
の工程である。なお、ここではジボラン(B26)を質
量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法でボロ
ンを添加した。もちろん、質量分離を行うイオンインプ
ランテーション法を用いてもよい。
【0175】次いで、絶縁膜15、及び絶縁膜13a、
13b上にマスクを形成し、走査線12に達するコンタ
クトホールを形成する。そして、コンタクトホールの形
成後、マスクを除去する。
【0176】次いで、導電膜を形成し、パターニングを
行ってゲート電極16および容量配線17を形成する。
ここでは、リンがドープされたシリコン膜(膜厚150
nm)とタングステンシリサイド(膜厚150nm)と
の積層構造を用いた。なお、保持容量は、絶縁膜15を
誘電体とし、容量配線17と半導体層の一部とで構成さ
れている。
【0177】次いで、ゲート電極16および容量配線1
7をマスクとして自己整合的にリンを低濃度に添加す
る。この低濃度に添加された領域のリンの濃度が、1×
1016〜5×1018atoms/cm3、代表的には3
×1017〜3×1018atoms/cm3となるように
調整する。
【0178】次いで、マスクを形成してリンを高濃度に
添加し、ソース領域またはドレイン領域となる高濃度不
純物領域を形成する。この高濃度不純物領域のリンの濃
度が1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表
的には3×1019〜3×102 0/cm3)となるように調整
する。なお、半導体層14のうち、ゲート電極16と重
なる領域はチャネル形成領域となり、マスクで覆われた
領域は低濃度不純物領域となりLDD領域として機能す
る。そして、不純物元素の添加後、マスクを除去する。
【0179】次いで、画素と同一基板上に形成される駆
動回路に用いるpチャネル型TFTを形成するために、
マスクでnチャネル型TFTとなる領域を覆い、ボロン
を添加してソース領域またはドレイン領域を形成する。
【0180】次いで、マスク412を除去した後、ゲー
ト電極16および容量配線17を覆うパッシベーション
膜18を形成する。ここでは、酸化シリコン膜を70n
mの膜厚で形成した。次いで、半導体層にそれぞれの濃
度で添加されたn型またはp型不純物元素を活性化する
ための熱処理または強光の照射処理工程を行う。ここで
は裏面からYAGレーザーを照射して活性化を行った。
YAGレーザーに代えてエキシマレーザーを照射しても
よい。
【0181】次いで、有機樹脂材料からなる層間絶縁膜
19を形成する。ここでは膜厚400nmのアクリル樹
脂膜を用いた。次いで、半導体層に達するコンタクトホ
ールを形成した後、電極20及びソース配線21を形成
する。本実施例では電極20及びソース配線21を、T
i膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300
nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成し
た3層構造の積層膜とした。
【0182】次いで、水素化処理をおこなった後、アク
リルからなる層間絶縁膜22を形成する。次いで、層間
絶縁膜22上に遮光性を有する導電膜100nmを成膜
し、遮光層23を形成する。次いで、層間絶縁膜24を
形成する。次いで、電極20に達するコンタクトホール
形成する。次いで、100nmの透明導電膜(ここでは
酸化インジウム・スズ(ITO)膜)を形成した後、パ
ターニングして画素電極25を形成する。
【0183】なお、本実施例は一例であって本実施例の
工程に限定されないことはいうまでもない。例えば、各
導電膜としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、
モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(C
r)、シリコン(Si)から選ばれた元素、または前記
元素を組み合わせた合金膜(代表的には、Mo―W合
金、Mo―Ta合金)を用いることができる。また、各
絶縁膜としては、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜や酸
化窒化シリコン膜や有機樹脂材料(ポリイミド、アクリ
ル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシ
クロブテン)等)膜を用いることができる。
【0184】また、本実施例においては、絶縁膜13
a、13bにも希ガス元素が添加された。ただし、希ガ
ス元素が添加された領域は、半導体層14が設けられて
いる領域以外である。
【0185】なお、本実施例は実施例1乃至8のいずれ
か一と組み合わせることが可能である。
【0186】[実施例10]実施例1では、トップゲー
ト型TFTを例に説明したが、本発明は図18に示すボ
トムゲート型TFTにも適用することができる。
【0187】図18(A)は、画素部の画素の一つを拡
大した上面図であり、図18(A)において、点線A−
A'で切断した部分が、図18(B)の画素部の断面構
造に相当する。
【0188】図18に示す画素部において、画素TFT
部はNチャネル型TFTで形成されている。基板上51
にゲート電極52が形成され、その上に窒化珪素からな
る第1絶縁膜53a、酸化珪素からなる第2絶縁膜53
bが設けられている。また、第2絶縁膜上には、活性層
としてソース領域またはドレイン領域54〜56と、チ
ャネル形成領域57、58と、前記ソース領域またはド
レイン領域とチャネル形成領域の間にLDD領域59、
60が形成される。また、チャネル形成領域57、58
は絶縁層61、62で保護される。絶縁層61、62及
び活性層を覆う第1の層間絶縁膜63にコンタクトホー
ルを形成した後、ソース領域54に接続する配線64が
形成され、ドレイン領域56に配線65が接続され、さ
らにその上にパッシベーション膜66が形成される。そ
して、その上に第2の層間絶縁膜67が形成される。さ
らに、その上に第3の層間絶縁膜68が形成され、IT
O、SnO2等の透明導電膜からなる画素電極69が配
線65と接続される。また、70は画素電極69と隣接
する画素電極である。
【0189】本実施例では、活性層を上記実施の形態に
従って形成する。
【0190】本実施例では一例としてチャネルストップ
型のボトムゲート型のTFTの例を示したが特に限定さ
れない。
【0191】なお、本実施例では、画素部の画素TFT
のゲート配線をダブルゲート構造としているが、オフ電
流のバラツキを低減するために、トリプルゲート構造等
のマルチゲート構造としても構わない。また、開口率を
向上させるためにシングルゲート構造としてもよい。
【0192】また、画素部の容量部は、第1絶縁膜及び
第2絶縁膜を誘電体として、容量配線71と、ドレイン
領域56とで形成されている。
【0193】なお、図18で示した画素部はあくまで一
例に過ぎず、特に上記構成に限定されないことはいうま
でもない。
【0194】なお、本実施例は実施例1乃至9のいずれ
か一と組み合わせることが可能である。
【0195】[実施例11]本発明を実施して形成され
た駆動回路や画素部は様々なモジュール(アクティブマ
トリクス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型E
Lモジュール、アクティブマトリクス型ECモジュー
ル)に用いることができる。即ち、それらを表示部に組
み込んだ電子機器全てに本願発明を実施できる。
【0196】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジ
ェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子
書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図23〜図
25に示す。
【0197】図23(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2
003に適用することができる。
【0198】図23(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。本発明を表示部2102に適用することが
できる。
【0199】図23(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。本発明は表示部2205に適用
できる。
【0200】図23(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。本発明は表示部2302に適用することが
できる。
【0201】図23(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部2402に適用
することができる。
【0202】図23(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本願
発明を表示部2502に適用することができる。
【0203】図24(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602等を含
む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶モ
ジュール2808に適用することができる。
【0204】図24(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、投射装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2
702の一部を構成する液晶モジュール2808に適用
することができる。
【0205】なお、図24(C)は、図24(A)及び
図24(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶モジュール2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図24(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0206】また、図24(D)は、図24(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、レンズアレイ2813、2
814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で
構成される。なお、図24(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0207】ただし、図24に示したプロジェクターに
おいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示して
おり、反射型の電気光学装置及びELモジュールでの適
用例は図示していない。
【0208】図25(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ290
6、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907
等を含む。本願発明を表示部2904に適用することが
できる。
【0209】図25(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。本発明は表示部3002、3003に適用す
ることができる。
【0210】図25(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
本発明は表示部3103に適用することができる。
【0211】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用するこ
とが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1
〜10のどのような組み合わせからなる構成を用いても
実現することができる。
【0212】
【発明の効果】本発明により、熱処理を用いて結晶化を
行い、活性化を熱処理以外の方法で行う場合は、高温熱
処理2回(結晶化、ゲッタリング)に抑えることがで
き、強光により結晶化を行い、活性化を熱処理以外の方
法で行う場合には、高温熱処理1回(ゲッタリング)に
抑えることができる。
【0213】また、希ガスを添加する処理時間は、1分
または2分程度の短時間で高濃度の希ガス元素を半導体
膜に添加することができるため、リンを用いたゲッタリ
ングと比較してスループットが格段に向上する。
【0214】また、リンを用いたゲッタリングと比較し
て、希ガス元素の添加による本発明のゲッタリング能力
は高く、さらに高濃度、例えば1×1020〜5×1021
/cm 3で添加できるため、結晶化に用いる金属元素の添
加量を多くすることができる。即ち、結晶化に用いる金
属元素の添加量を多くすることによって結晶化の処理時
間をさらに短時間で行うことが可能となる。また、結晶
化の処理時間を変えない場合には、結晶化に用いる金属
元素の添加量を多くすることによって、さらなる低温で
結晶化することができる。また、結晶化に用いる金属元
素の添加量を多くすることによって、自然核の発生を低
減することができ、良好な結晶質半導体膜を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半導体層の作製工程を示す図。
【図2】 半導体層の作製工程を示す図。
【図3】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図4】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図5】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図6】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断
面構造図
【図7】 液晶モジュールの外観を示す図。
【図8】 活性化工程を示す図。
【図9】 半導体層の作製工程を示す図。
【図10】 半導体層の作製工程を示す図。
【図11】 半導体層の作製工程を示す図。
【図12】 半導体層の作製工程を示す図。
【図13】 希ガス元素の濃度分布を示す図。
【図14】 透過型の例を示す図。
【図15】 ELモジュールを示す上面図及び断面図。
【図16】 ELモジュールを示す断面図。
【図17】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断
面構造図。
【図18】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断
面構造図。
【図19】 アニール前のニッケル濃度を示すグラフ。
【図20】 アニール後のニッケル濃度を示すグラフ。
【図21】 アニール前のラマンスペクトルを示すグラ
フ。
【図22】 アニール後のラマンスペクトルを示すグラ
フ。
【図23】 電子機器の一例を示す図。
【図24】 電子機器の一例を示す図。
【図25】 電子機器の一例を示す図。
【図26】 ゲッタリング後にFPM処理を行った後の
観察写真図。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F052 AA02 BB02 BB07 CA02 DA02 DB02 DB03 DB07 EA16 FA06 JA01 5F110 AA16 AA17 BB02 BB04 CC02 CC08 DD02 DD03 DD13 DD14 DD15 DD17 DD30 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EE06 EE09 EE14 EE23 EE28 EE44 EE45 FF02 FF03 FF04 FF09 FF28 FF30 FF35 GG01 GG02 GG13 GG25 GG32 GG43 GG45 GG47 GG51 GG52 HJ01 HJ12 HJ13 HJ18 HJ23 HJ30 HL02 HL03 HL04 HL06 HL07 HM15 NN03 NN04 NN12 NN22 NN23 NN24 NN27 NN34 NN35 NN44 NN46 NN48 NN72 NN73 PP01 PP02 PP03 PP04 PP05 PP10 PP26 PP27 PP29 PP34 PP35 PP38 QQ09 QQ11 QQ23 QQ25 QQ28

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を
    添加する第1工程と、 前記半導体膜を結晶化させて結晶構造を有する半導体膜
    を形成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に、希ガス元素を選択的
    に添加して不純物領域を形成する第3工程と、 前記不純物領域に前記金属元素をゲッタリングして結晶
    構造を有する半導体膜中の前記金属元素を選択的に除去
    または低減する第4工程と、 前記不純物領域を除去する第5工程とを有することを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を
    添加する第1工程と、 前記半導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形
    成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に強光を照射する第3工
    程と、 前記結晶構造を有する半導体膜にレーザー光を照射する
    第4工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に、希ガス元素を添加し
    て不純物領域を形成する第5工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素を前
    記不純物領域にゲッタリングする第6工程とを有するこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を
    添加する第1工程と、 前記半導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形
    成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に強光を照射する第3工
    程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に、希ガス元素を添加し
    て不純物領域を形成する第4工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素を前
    記不純物領域にゲッタリングする第5工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜にレーザー光を照射する
    第6工程とを有することを特徴とする半導体装置の作製
    方法。
  4. 【請求項4】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を
    添加する第1工程と、 前記半導体膜を加熱して結晶構造を有する半導体膜を形
    成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に強光またはレーザー光
    を照射する第3工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜上に珪素を主成分とする
    絶縁膜を形成する第4工程と、 前記絶縁膜を通過させて前記結晶構造を有する半導体膜
    に一導電型を付与する不純物元素を添加する第5工程
    と、 前記絶縁膜をパターニングしてマスクを形成する第6工
    程と、 前記マスクで覆われていない前記結晶構造を有する半導
    体膜に、希ガス元素を添加して不純物領域を選択的に形
    成する第7工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素を前
    記不純物領域にゲッタリングする第8工程と、 前記マスクで前記半導体膜をパターニングする第9工程
    とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を
    添加する第1工程と、 前記半導体膜に強光を照射して結晶構造を有する半導体
    膜を形成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に強光またはレーザー光
    を照射する第3工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜上に珪素を主成分とする
    絶縁膜を形成する第4工程と、 前記絶縁膜を通過させて前記結晶構造を有する半導体膜
    に一導電型を付与する不純物元素を添加する第5工程
    と、 前記絶縁膜をパターニングしてマスクを形成する第6工
    程と、 前記マスクで覆われていない前記結晶構造を有する半導
    体膜に、希ガス元素を添加して不純物領域を選択的に形
    成する第7工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に含まれる金属元素を前
    記不純物領域にゲッタリングする第8工程と、 前記マスクで前記半導体膜をパターニングする第9工程
    とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5において、前記第
    5工程は、半導体膜に一導電型を付与する不純物元素を
    1×1015〜5×1017/cm3の濃度で添加するチャ
    ネルドープ工程であることを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  7. 【請求項7】請求項4乃至6のいずれか一において、前
    記第5の工程の後、前記半導体膜に強光またはレーザー
    光を照射して前記不純物元素を活性化する工程を有する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項4乃至7のいずれか一において、前
    記マスクは、レジスト膜を上層とし、珪素を主成分とす
    る絶縁膜を下層とする積層構造であることを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか一において、前
    記希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、Xeから選ば
    れた一種または複数種であることを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項2乃至9のいずれか一において、
    前記強光は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、
    キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナ
    トリウムランプ、または高圧水銀ランプから射出された
    光であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記第2の工程の後にフッ酸を含むエッチャントで
    前記結晶構造を有する半導体膜の表面を処理する工程を
    有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】請求項2乃至11のいずれか一におい
    て、前記第3の工程の後にフッ酸を含むエッチャントで
    前記結晶構造を有する半導体膜の表面を処理する工程を
    有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】請求項11または請求項12において、
    フッ酸を含むエッチャントで表面を処理する工程の後、
    表面が一部エッチングされた結晶構造を有する半導体膜
    に強光を照射する工程を有することを特徴とする半導体
    装置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記金属元素を前記不純物領域にゲッタリングする
    工程は、加熱処理であることを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  15. 【請求項15】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記金属元素を前記不純物領域にゲッタリングする
    工程は、前記結晶構造を有する半導体膜に強光を照射す
    る処理であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記金属元素を前記不純物領域にゲッタリングする
    工程は、加熱処理と同時に、前記結晶構造を有する半導
    体膜に強光を照射する処理であることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16のいずれか一におい
    て、前記金属元素を前記不純物領域にゲッタリングする
    工程の前に、前記不純物領域に一導電型の不純物元素を
    添加する工程を有することを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  18. 【請求項18】請求項1乃至16のいずれか一におい
    て、前記希ガス元素と同時に一導電型の不純物元素も添
    加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】非晶質構造を有する半導体膜に金属元素
    を添加する第1工程と、 前記非晶質構造を有する半導体膜上にマスクを形成する
    第2工程と、 前記非晶質構造を有する半導体膜に、希ガス元素を選択
    的に添加して不純物領域を形成する第3工程と、 前記半導体膜のうち、前記マスクと重なる領域を結晶化
    させて結晶構造を有する領域を形成し、かつ、前記マス
    クと重なる領域に含まれる金属元素を前記不純物領域に
    ゲッタリングする第4工程とを有することを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】請求項19において、前記第4工程は、
    加熱処理であることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  21. 【請求項21】請求項19において、前記第4工程は、
    前記非晶質構造を有する半導体膜に強光を照射する処理
    であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 【請求項22】請求項19において、前記第4工程は、
    加熱処理と同時に、前記非晶質構造を有する半導体膜に
    強光を照射する処理であることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  23. 【請求項23】請求項19乃至22のいずれか一におい
    て、前記ゲッタリングを行う工程の前に、前記不純物領
    域に一導電型の不純物元素を添加する工程を有すること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  24. 【請求項24】請求項19乃至22のいずれか一におい
    て、前記希ガス元素と同時に一導電型の不純物元素も添
    加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  25. 【請求項25】非晶質構造を有する半導体膜上にマスク
    を形成する第1工程と、 前記非晶質構造を有する半導体膜に金属元素を添加する
    第2工程と、 前記半導体膜を結晶化させて結晶構造を有する半導体膜
    を形成する第3工程と、 前記非晶質構造を有する半導体膜に、希ガス元素を選択
    的に添加して不純物領域を形成する第4工程と、 前記不純物領域に前記金属元素をゲッタリングして結晶
    構造を有する半導体膜中の前記金属元素を選択的に除去
    または低減する第5工程と、 前記不純物領域を除去する第6工程とを有することを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
  26. 【請求項26】請求項19乃至25のいずれか一におい
    て、前記希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、Xeか
    ら選ばれた一種または複数種であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  27. 【請求項27】請求項1乃至26のいずれか一におい
    て、前記金属元素はFe、Ni、Co、Ru、Rh、P
    d、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種ま
    たは複数種であることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  28. 【請求項28】半導体層と、該半導体層に接する絶縁膜
    と、該絶縁膜に接するゲート電極とを含むTFTを基板
    上に備えた半導体装置であって、 前記基板は、少なくとも一部に希ガス元素を含む領域を
    有していることを特徴とする半導体装置。
  29. 【請求項29】請求項28において、前記希ガス元素を
    含む領域を形成するマスクと前記半導体層を形成するマ
    スクは同一であることを特徴とする半導体装置。
  30. 【請求項30】基板上に接する絶縁膜と、半導体層とを
    含むTFTを備えた半導体装置であって、 前記絶縁膜は、少なくとも一部に希ガス元素を含む領域
    を有していることを特徴とする半導体装置。
  31. 【請求項31】請求項30において、前記基板は、少な
    くとも一部に希ガス元素を含む領域を有していることを
    特徴とする半導体装置。
  32. 【請求項32】請求項30または請求項31において前
    記希ガス元素を含む領域を形成するマスクと前記半導体
    層を形成するマスクは同一であることを特徴とする半導
    体装置。
  33. 【請求項33】請求項28乃至32のいずれか一におい
    て、前記希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、Xeか
    ら選ばれた一種または複数種であることを特徴とする半
    導体装置。
  34. 【請求項34】請求項28乃至33のいずれか一に記載
    された半導体装置とは、液晶モジュールであることを特
    徴とする半導体装置。
  35. 【請求項35】請求項28乃至33のいずれか一に記載
    された半導体装置とは、ELモジュールであることを特
    徴とする半導体装置。
  36. 【請求項36】請求項28乃至33のいずれか一に記載
    された半導体装置とは、ビデオカメラ、デジタルカメ
    ラ、プロジェクター、ゴーグル型ディスプレイ、カーナ
    ビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端
    末、デジタルビデオディスクプレーヤー、または電子遊
    技機器であることを特徴とする半導体装置。
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