JP4827324B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多結晶シリコン膜に代表されるように、いろいろな方位をもって集合した結晶から成る半導体膜(以下、結晶質半導体膜という)を用いた薄膜トランジスタ及び当該薄膜トランジスタで回路を形成した半導体装置に関する。特に本発明は、薄膜トランジスタのチャネル形成領域やソース又はドレイン領域などを形成する半導体膜、及び当該薄膜トランジスタを搭載した半導体装置に関する。尚、本明細書において半導体装置とは半導体特性を利用して機能する装置全般を指し、液晶表示装置に代表される表示装置、半導体集積回路(マイクロプロセッサ、信号処理回路または高周波回路等)を範疇に含んでいる。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板や石英基板に結晶質半導体膜を形成し、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)を作製する技術が開発されている。この技術はアクティブマトリクス型液晶表示装置に代表されるフラットパネルディスプレイの分野で応用が進んでいる。TFTが各画素に設けられるスイッチング素子として、或いは、画素の周辺部分に形成されるドライバー回路を形成するための素子として用いられている。
【0003】
TFTのチャネル形成領域やソース又はドレイン領域又は低濃度ドレイン(Lightly Doped Drain:LDD)領域などの活性領域を形成する結晶質半導体膜の材料は、主としてシリコンが用いられている。結晶構造を有するシリコン膜(以下、結晶質シリコン膜という)は、プラズマCVD法や減圧CVD法で基板上に堆積した非晶質シリコン膜に、加熱処理またはレーザー光の照射(以下、本明細書においてレーザー処理という)により作製されたものが適用されてきた。
【0004】
しかし、加熱処理による場合には、非晶質シリコン膜を結晶化させるために600℃以上の温度で10時間以上の加熱処理が必要とされている。この処理温度と処理時間は、TFTの生産性を考慮すると必ずしも適切な方法とは考えられていない。TFTを用いた応用製品として液晶表示装置を考慮すると、基板の大面積化に対応するために大型の熱処理炉が必要となり、生産工程における消費エネルギーが増大するばかりか、広い面積に渡って一様な結晶を得ることが困難となる。また、レーザー処理による場合には、レーザー発振器の出力の不安定さのために、やはり均質な結晶を得ることが困難である。このような結晶の品質のばらつきはTFTの特性ばらつきの原因となり、液晶表示装置やEL表示装置の表示品質を低下させる要因として憂慮されていた。
【0005】
一方、非晶質シリコン膜にシリコンの結晶化を助長する金属元素を導入し、従来よりも低い温度の加熱処理で結晶質シリコン膜を作製する技術が開示されている。例えば、特開平7−130652号公報、特開平8−78329号公報では、非晶質シリコン膜にニッケルなどの金属元素を導入し550℃、4時間の熱処理により結晶質シリコン膜を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法で作製される結晶質シリコン膜は、その結晶方位面がランダムに存在し、特定の結晶方位に対する配向率が低かった。加熱処理またはレーザー処理により得られる結晶質シリコン膜は、複数の結晶粒が析出し、{111}に配向する傾向があるが、その面方位に限定してみても配向する割合が全体の20%を越えることはなかった。
【0007】
配向率が低い場合、異なる方位の結晶がぶつかる結晶粒界で、格子の連続性を保持することが殆ど不可能となり、不対結合手が多く形成されることを推定できる。粒界にできる不対結合手はキャリア(電子・ホール)の捕獲中心となり、キャリアの輸送特性を低下させる原因となっている。即ち、キャリアが散乱されたりトラップされたりするため、このような結晶質半導体膜でTFTを作製しても高い電界効果移動度を有するTFTを期待することができない。また、結晶粒界はランダムに存在するため、チャネル形成領域を特定の結晶方位をもつ結晶粒で形成することが不可能であり、TFTの電気的特性のバラツキの要因となる。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決する手段を提供することを目的とし、非晶質半導体膜を結晶化して得られる結晶質半導体膜の配向性を高め、そのような結晶質半導体膜を用いたTFT及びそれを搭載した半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリコンを主成分とし、ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)である非晶質半導体膜に金属元素を添加して加熱処理をして結晶化することにより、反射電子線回折パターン法で検出される{101}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が20%以上であり、かつ、{001}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が3%以下であり、かつ、{111}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が5%以下である結晶質半導体膜でチャネル形成領域を形成したTFTを提供する。
【0010】
また、本発明は、シリコンを主成分とし、ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)である非晶質半導体膜に金属元素を添加して加熱処理をして結晶化することにより、反射電子線回折パターン法で検出される{101}格子面の半導体膜の表面となす角が5度以内である割合が5%以上であり、かつ、{001}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が3%以下であり、かつ、{111}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が5%以下である結晶質半導体膜をチャネル形成領域を形成したTFTを提供する。
【0011】
また、本発明の配向性を高めた結晶質半導体膜は20nm乃至100nmの厚さを有し、膜中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満であり、酸素の濃度は1×1019/cm3未満であり、当該金属元素の濃度が1×1017/cm3未満である半導体膜でチャネル形成領域を形成したTFTを提供する。
【0012】
また、本発明は、シリコンを主成分とし、ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)である非晶質半導体膜に金属元素を添加して加熱処理をして結晶化することにより、反射電子線回折パターン法で検出される{101}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が20%以上であり、かつ、{001}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が3%以下であり、かつ、{111}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が5%以下である半導体膜でチャネル形成領域を形成した半導体装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、シリコンを主成分とし、ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)である非晶質半導体膜に金属元素を添加して加熱処理をして結晶化することにより、反射電子線回折パターン法で検出される{101}格子面の半導体膜の表面となす角が5度以内である割合が5%以上であり、かつ、{001}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が3%以下であり、かつ、{111}格子面の半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が5%以下である半導体膜でチャネル形成領域を形成した半導体装置を提供する。
【0014】
また、本発明の配向性を高めた結晶質半導体膜は20nm乃至100nmの厚さを有し、膜中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満であり、酸素の濃度は1×1019/cm3未満であり、当該金属元素の濃度が1×1017/cm3未満である半導体膜でチャネル形成領域を形成した半導体装置を提供する。
【0015】
添加する金属元素はFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種を用いる。非晶質シリコン膜にこの金属元素を添加して加熱処理をすることにより、シリコンと当該金属元素との化合物(シリサイド化物)を形成し、それが拡散することにより結晶化が進行する。非晶質シリコンに添加したゲルマニウムはこの化合物と反応せず、その周囲に存在することにより局所的な歪みを生じさせる。この歪みは核生成の臨界半径を大きくする方向に作用して核生成密度を低減させる。また、結晶の配向を制限する。
【0016】
このような作用を発現させるのに必要なゲルマニウムの量は、実験の結果0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)とすれば良いことが明らかとなっている。この範囲以上に多くなるとシリコンとゲルマニウムとの合金材料として発生する自然核(添加する金属元素との化合物によらない結晶核)の発生が顕著となり、得られる結晶質半導体膜の配向比率を高めることはできない。また、少ないと十分な歪みを発生させることができず、やはり配向比率を高めることができない。
【0017】
非晶質半導体膜を結晶化すると原子の再配列により、巨視的に見れば膜の体積は収縮する。その結果、基板上に形成される結晶質半導体膜は、引っ張り応力が発生する。しかし、シリコンよりも原子半径の大きいゲルマニウムを0.1〜10原子%、好ましくは1〜3原子%の濃度で含有させることにより、結晶化に伴う体積の収縮は抑制され、発生する内部応力も小さくなる。つまり、ゲルマニウムを本発明で明らかにする濃度で含ませることにより結晶質半導体膜の歪みを緩和させることができる。
【0018】
結晶方位の分布は反射電子回折パターン(EBSP:Electron Backscatter diffraction Pattern)により求めることができる。EBSPは走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)に専用の検出器を設け、一次電子の後方散乱から結晶方位を分析する手法である(以下、この手法を便宜上EBSP法と呼ぶ)。図2はその原理を説明する図である。電子銃(ショットキー型電界放出電子銃)201、鏡体202、試料室203は通常の走査型電子顕微鏡と同じ構成である。EBSPを測定するにはステージ204を60度程度の傾きを設け試料209を設置する。この状態で試料に向かい合うように検出器206のスクリーン205を挿入する。尚、207は電子線であり、208は後方散乱した電子線である。
【0019】
ここで、結晶構造を持った試料に電子線が入射すると、後方にも非弾性散乱が起こり、その中には試料中でブラッグ回折による結晶方位に特有の線状パターン(一般に菊地像と呼ばれる)も合わせて観察される。EBSP法は検出器スクリーンに映った菊地像を解析することにより試料の結晶方位を求めている。
【0020】
図3は基板301上に形成された多結晶構造の結晶質半導体膜302を示している。結晶質半導体膜302は各結晶粒が異なった結晶方位を持っていることを前提としている。試料の電子線の当たる位置を移動させつつ方位解析を繰り返す(マッピング測定)ことで、面状の試料について結晶方位または配向の情報を得ることができる。入射電子線303の太さは、走査型電子顕微鏡の電子銃のタイプにより異なるが、ショットキー電界放射型の場合、10〜20nmの非常に細い電子線303が照射される。マッピング測定では、測定点数が多いほど、また測定領域が広いほど、結晶配向のより平均化した情報を得ることができる。実際には、100×100μm2の領域で、10000点(1μm間隔)〜40000点(0.5μm間隔)の程度の測定を行っている。尚、304は後方散乱電子線である。
【0021】
マッピング測定により各結晶粒の結晶方位がすべて求まると、膜に対する結晶配向の状態を統計的に表示できる。図4(A)にEBSP法により求められる逆極点図の例を示す。逆極点図は多結晶体の優先配向を表示する際によく用いられるもので、試料のある特定の面(ここでは膜表面)が、どの格子面に一致しているかを集合的に表示したものである。
【0022】
図4(A)の扇形状の枠は一般に標準三角形と呼ばれるもので、この中に立方晶系における全ての指数が含まれている。またこの図中における長さは、結晶方位における角度に対応している。たとえば{001}と{101}の間は45度、{101}と{111}の間は35.26度、{111}と{001}の間は54.74度である。また、白抜きの点線は{101}からのずれ角5度及び10度の範囲を示している。
【0023】
図4(A)は、マッピングにおける全測定点(この例では11655点)を標準三角形内にプロットしたものである。{101}付近で点の密度が濃くなっていることがわかる。図4(B)は、このような点の集中度を等高線表示したものである。これは方位分布関数の値であり、ランダム配向を仮定した場合に対する集中度(図4(A)の点の密度)を等高線で示したものである。ここで数値は各結晶粒が完全に無秩序な配向だと仮定した場合、すなわち標準三角形内に点を偏りなく分布させた場合に対する倍率を示しており無次元数である。
【0024】
このように特定の指数(ここでは{101})に優先配向している事がわかった場合、その指数近傍にどの程度の結晶粒が集まっているか、その割合を数値化することで、優先配向の度合いをよりイメージしやすくなる。例えば図4(A)に例示した逆極点図において{101}からのずれ角5度及び10度の範囲(図中に白点線で示す)に存在する点数の全体に対する割合を配向率として次式により求めて示すことができる。
【0025】
【数1】
Figure 0004827324
【0026】
この割合は、次のように説明することもできる。図4(A)のように{101}付近に分布が集中している場合、実際の膜においては図6のように、各粒の<101>方位は基板に概略垂直であるが、その周りにやや揺らぎを持って並んでいることが予想される。この揺らぎの角に許容値を5度、10度と設け、それより小さいものの割合を数値で示してゆくのである。たとえば図5では、基板601上に結晶質半導体膜602において、ある結晶粒の<101>方位505は、許容5度の範囲503には含まれないが、許容10度の範囲504には含まれていることになる。ここで、許容角度は、膜表面501に対する垂線502に対するずれ角である。後述のデータにおいては、以上に説明したように許容ずれ角を5度及び10度と定め、それを満たす結晶粒の割合を表示してゆく。
【0027】
図4(A)に例示した逆極点図では、各頂点が{101}、{111}、{001}であり、{101}に対してずれ角の値が大きくなると他の面方位が発現することを意味する。{101}からのずれ角が30度となると{112}が発現することになる。従って、EBSPで結晶方位の存在比率を確定する場合、揺らぎを持って分布している結晶粒に対し、他の指数が含まれないように許容ずれ角を規定する必要がある。本発明者によれば、許容ずれ角を10度以下、或いは5度以下と規定してデータを収集することにより、特定方位に配向する結晶粒の存在比率を定量化することができることが判明している。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明において、TFTのチャネル形成領域に用いる結晶質半導体膜は、{101}格子面の配向率が高いシリコンを主成分とする半導体膜であることに特徴を有している。このような結晶質半導体膜を得る典型的な一実施形態は、シリコン原子及びゲルマニウム原子の水素化物またはフッ化物または塩化物によるガスを用い、プラズマCVD法または減圧CVD法により作製される非晶質半導体膜の表面に該非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入し、当該金属元素を利用して加熱処理により結晶質半導体膜を形成する。
【0029】
このような結晶質半導体膜を形成するための基板は、アルミナホウケイ酸ガラスやバリウムホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラス基板が適している。代表的にはコーニング社の#7059ガラス基板や#1737ガラス基板を用いる。その他に石英基板やサファイア基板を用いても良い。或いは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム・砒素などの半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、これを基板としても良い。
【0030】
また、基板として上記ガラス基板を用いる場合には、非晶質半導体膜とガラス基板との間に窒化シリコン、酸化シリコン、または酸化窒化シリコンなどでブロッキング層を形成する。こうして、ガラス基板中に含まれるアルカリ金属元素などの不純物元素が半導体膜中に拡散することを防ぐ。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2を反応ガスとして用い、窒化シリコン膜を形成する。または、SiH4、N2O、NH3を反応ガスとして用い、酸化窒化シリコン膜を形成する。ブロッキング層の厚さは20〜200nmで形成する。
【0031】
このような基板上に上記非晶質半導体膜を形成する。プラズマCVD法または減圧CVD法、その他適宣の方法により行う。プラズマCVD法を適用する場合には、SiH4とGeH4とから成る反応ガス、或いは、SiH4とH2で希釈したGeH4成る反応ガスを加えて反応室に導入し、1〜200MHzの高周波放電により分解し基板上に非晶質半導体膜を堆積させる。反応ガスは、SiH4の代わりにSi26またはSiF4を、GeH4の代わりにGeF4を採用しても良い。減圧CVD法を用いる場合にも同様な反応ガスを適用することが可能であり、好ましくはHeで反応ガスを希釈して、400〜500℃の温度で基板上に非晶質半導体膜を堆積する。いずれにしても、本発明で用いる上記ガスは、堆積される非晶質半導体膜に取り込まれる酸素、窒素、炭素などの不純物元素の濃度を低減するために高純度に精製されたものを用いる。堆積される非晶質半導体膜の厚さは20〜100nmの範囲とする。
【0032】
本発明に用いる非晶質半導体膜は、シリコンを主成分としゲルマニウムを0.1原子%以上、10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)の範囲で含有させておく。ゲルマニウムの含有量は、代表的な反応ガスとして用いられるSiH4とGeH4の混合比により調節することができる。また、非晶質半導体中に含まれる窒素及び炭素の濃度は5×1018/cm3未満、酸素の濃度は1×1019/cm3未満とし、非晶質半導体膜の結晶化の過程において、及び作製される結晶質半導体膜の電気的特性に悪影響が出ないようにする。
【0033】
上記のように形成した非晶質半導体膜の表面に、該非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入する。金属元素としては鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)から選ばれた一種または複数種の金属元素を用いる。これら金属元素は、本明細書に記載する何れの発明においても非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素として使用することができる。上記いずれの金属元素を用いても同質、同様の効果を得ることができるが、代表的にはニッケルを用いる。
【0034】
これら金属元素を導入する箇所は、非晶質半導体膜の全面、或いは非晶質半導体膜の膜面における適宣箇所のスリット状の面または点状の面などとする。前者の場合には、当該非晶質半導体膜の基板側に位置する面または基板側とは反対の面のいずれであっても良い。後者の場合には、好ましくは非晶質半導体膜上に絶縁膜が形成され、その絶縁膜に設けられた開孔を利用して金属元素を導入することができる。開孔の大きさに特に限定はないが、その幅は10〜40μmとすることができる。また、その長手方向の長さは任意に決めれば良く、数十μm〜数十cmの範囲とすることができる。
【0035】
これらの金属元素を導入する方法は、当該金属膜を非晶質半導体膜の表面又は内部に存在させる手法であれば特に限定はなく、例えば、スパッタ法、蒸着法、プラズマ処理法(含むプラズマCVD法)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法などを使用することができる。プラズマ処理法は、不活性ガスによるグロー放電雰囲気において、陰極からスパッタされる当該金属元素を利用する。また、金属塩の溶液を塗布する方法は簡易であり、金属元素の濃度調整が容易である点で有用である。
【0036】
金属塩としては各種塩を用いることが可能であり、溶媒としては水、アルコール類、アルヒデト類、エーテル類その他の有機溶媒、または水とこれらの有機溶媒の混合物を用いることができる。また、それらの金属塩が完全に溶解した溶液とは限らず、金属塩の一部または全部が懸濁状態で存在する溶液であっても良い。いずれの方法を採用するにしても、当該金属元素は非晶質半導体膜の表面又は内部に分散させて導入する。
【0037】
上記何れかの方法で金属元素を導入した後、当該金属元素を利用して非晶質半導体膜の結晶化を行う。結晶化は加熱処理、レーザー光または紫外線、赤外線などの強光の照射によって行う。加熱処理のみでも{101}に優先的に配向する結晶質シリコン膜を得ることができるが、好ましくは、加熱処理を行いその後レーザー光などの強光の照射を行う方法を適用する。加熱処理後のレーザー処理は、結晶粒内に残される結晶欠陥を修復し消滅させることができ、作製される結晶の品質を向上させる目的に対して有効な処置となる。
【0038】
加熱処理は450〜1000℃の範囲で行うことが可能であるが、温度の上限は使用する基板の耐熱温度が一つの上限として考慮される。例えば、石英基板を用いる場合には1000℃の熱処理にも耐え得るが、ガラス基板の場合にはその歪み点以下が上限温度の一つの根拠となる。例えば、歪み点667℃のガラス基板に対しては、660℃程度が限度と見るべきである。必要とされる時間は加熱温度や、その後の処理条件(例えばレーザー光を照射する処理の有無など)により適宣設定するが、好適には550〜600℃にて4〜24時間の加熱処理を行う。また、その後レーザー処理を行う場合には、500〜550℃にて4〜8時間の熱処理を行う。以上の加熱処理は空気中や水素雰囲気中でも良いが、好適には窒素或いは不活性ガス雰囲気中にて行う。
【0039】
また、レーザー処理は、波長400nm以下のエキシマレーザーや、YAGまたはYVO4レーザーの第2高調波(波長532nm)〜第4高調波(波長266nm)を光源として用いて行う。これらのレーザー光は光学系にて線状またはスポッ状に集光し、そのエネルギー密度を100〜700mJ/cm2として照射し、上記のように集光したレーザービームを基板の所定の領域に渡って走査させ処理を行う。その他、レーザーの代わりに、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプなどを光源としても良い。
【0040】
以上のような工程により、本発明の如き{101}面の配向率が高い結晶質半導体膜が得られるメカニズムは、現段階で必ずしも明らかではないが、概略以下のように推定することができる。
【0041】
まず、結晶化は400〜500℃の加熱処理により金属元素とシリコンが反応してシリサイドが形成され、これが結晶核となりその後の結晶成長に寄与する。例えば、代表的な金属元素としてニッケルを用いた場合、ニッケルシリサイド(以下、NiSi2と記する)が形成される。NiSi2の構造はホタル石型構造であり、ダイアモンド型構造のシリコン格子間にニッケル原子を配置した構造となっている。NiSi2からニッケル原子が無くなるとシリコンの結晶構造が残ることになる。数々の実験の結果から、ニッケル原子は非晶質シリコン側に移動していくことが判明しており、この理由は非晶質シリコン中の固溶度の方が結晶シリコン中のそれよりも高いためであると考えられる。従って、恰もニッケルが非晶質シリコン中を移動しながら結晶シリコンを形成するというモデルを立案することができる。
【0042】
NiSi2は特定の配向性を持たないが、非晶質半導体膜の厚さを20〜100nmとすると基板表面に対し平行な方向しか殆ど成長することが許されなくなる。この場合、NiSi2と結晶シリコンの(111)面とが接する界面エネルギーが最も小さいので、結晶質シリコン膜の表面と平行な面は(110)面となり、この格子面が優先的に配向する。結晶成長方向が基板表面に対し平行な方向に、しかも柱状に成長する場合には、その柱状結晶を軸とした回転方向には自由度が存在するため、必ずしも(110)面が配向するとは限らないため、その他の格子面も析出すると考えられる。
【0043】
本発明は、結晶質半導体膜の{101}格子面の配向を高めるために、柱状結晶の回転方向に制約を与え、自由度を低減させる手段として非晶質シリコンに0.1〜10原子%のゲルマニウムを含有させる手段を見いだしたものである。
【0044】
まず、非晶質シリコンに0.1〜10原子%のゲルマニウムを含有させると結晶核の発生密度が低下することが観測されている。図15はその結果を示し、非晶質シリコン膜の成膜時に添加するGeH4の量が増加するに従い、即ち、非晶質シリコン膜に取り込まれるゲルマニウムの濃度が増加するに従い、結晶核密度が低下している傾向が示されている。結晶核であるNiSi2が形成されるとき、原子間距離の違いによりゲルマニウムは排除されつつ上述の結晶成長が起こっていることが予想される。従って、ゲルマニウムは柱状結晶の外側に偏析するような形となり、その存在が柱状結晶を軸とした回転方向の自由度を低下させていると推定する。その結果、(110)面の配向率の高い結晶質半導体膜を得ることが可能となる。
【0045】
次に上述の本発明に基づいて作製される結晶質半導体膜について、その作製条件とEBSP法で観測される結晶の配向性との関連について示す。表1はプラズマCVD法で作製する非晶質半導体膜の作製条件を示す。高周波電力は0.35W/cm2(27MHz)であるが、繰り返し周波数10kHz(デューティ比30%)のパルス放電に変調して平行平板型のプラズマCVD装置の陰極に給電した。その他、共通条件として反応圧力33.25Pa、基板温度300℃、電極間隔35mmとした。
【0046】
【表1】
Figure 0004827324
【0047】
そして、シリコンに対するゲルマニウムの含有量を変化させるために、合計流量が一定になるようにして、SiH4とH2で10%に希釈したGeH4のガス流量の混合比を変化させている。表1に記載の条件において、成膜条件#SGN30、#SGN10、#SGN5ではH2で10%に希釈したGeH4の流量を30、10、5SCCMと変化させている。SiH4の純度は99.9999%以上のものを、またGeH4は窒素、炭化水素化合物が1ppm以下、CO2が2ppm以下の高純度品を用いた。また、#SNはGeH4を添加しない条件である。堆積する非晶質半導体膜の厚さは全ての試料において50nmとした。
【0048】
このような条件で作製される非晶質半導体膜に含まれる窒素、炭素、酸素のそれぞれの含有量は二次イオン質量分析法(SIMS)によって測定されている。図13はその結果を示す。測定に用いた試料は、シリコン基板上に#SN、#SGN5、#SGN10の順に積層したものであるが、いずれの成膜条件においても窒素、炭素の含有量は5×1018/cm3未満、酸素の含有量は1×1019/cm3未満である。
【0049】
こうして作製された非晶質半導体膜の結晶化は、金属元素としてニッケルを用い、窒素雰囲気中550℃にて4時間の加熱処理及びレーザー処理で行った。ニッケルは酢酸ニッケルを10ppmの濃度で含有する水溶液を用い、スピナーで塗布した。また、レーザー処理はXeClエキシマレーザー(波長308nm)を用い、照射エネルギー密度300〜600mJ/cm2、重ね合わせ率90〜95%で照射した。レーザー処理は加熱処理により結晶化した膜の未結晶化部分の結晶化や、結晶粒内に欠陥を補修するために行う。
【0050】
結晶質半導体膜に残存する欠陥は水素化処理により、0.01〜1原子%程度の水素を含有させることにより効果的に低減させることができる。水素化は水素を含む雰囲気中で350〜500℃の加熱処理により行うことができる。また、プラズマにより生成された水素を用いて水素化を行うことも可能である。また、SiF4、GeF4などのフッ化物により堆積された膜は0.001〜1原子%程度のフッ素が膜中に残存し、欠陥を補償する元素となる。
【0051】
図14はこうして結晶化した#SGN10と#SGN30のゲルマニウム濃度をSIMSにより評価した結果を示す。シリコンに対してゲルマニウムの含有量は#SGN10では3.5原子%、#SGN30では11.0原子%の濃度で含まれている。SiH4に対するGeH4の流量比から換算すると、シリコンに対してゲルマニウムは3〜4倍の割合で膜中に取り込まれている。これは、SiH4に対しGeH4の方がグロー放電にて分解するエネルギーが小さいためである。従って、#SGN5では約1.0原子%の濃度でゲルマニウムが含まれることが予想される。
【0052】
図16は同様の試料を(220)の回折ピークに対して、θ−2θ法により測定した結果を示す。ピーク位置は#SNのサンプルで47.466、#SGNのサンプルで47.417となりゲルマニウムが添加されたことでピーク位置がずれている。
【0053】
結晶方位の詳細はEBSP法により求めている。図17は#SNの試料の逆極点図であり、図1は#SGN10の逆極点図を示している。逆極点図からは、図1で示す#SGN10の試料において{101}面の配向が強く現れていることが観測されるが、図17で示す#SNの試料では{101}面と、{001}と{111}の中間にある{113}面に配向している傾向が見られる。また、参考データとして、図18では石英基板に600℃にて20時間の加熱処理により作製した結晶質シリコン膜の逆極点図であり、この場合{111}面に強く配向していることが観測される。
【0054】
表2は逆極点図を基にして、各種試料について{101}、{001}、{111}、{113}の配向率を、各格子面が膜表面となす角度が5度以内、及び10度以内の範囲にある割合を求めた結果を示している。表2において#HSは図18に対応するデータであり、この試料では{113}と{111}の配向率が高く、それぞれ18%(10度以内)、12%(10度以内)となっている。また、#SNでは{101}と{113}の配向率が高くなっている。{113}は対称性の立場から等価な格子面の数が他と比較して最も多く、ランダムに配向する多結晶体では発生する確率がその分高くなる。
【0055】
【表2】
Figure 0004827324
【0056】
一方、ゲルマニウムを添加した#SGN30、#SGN10、#SGN5においても試料内の比較において傾向が見られ、膜中に含有するゲルマニウム濃度により結晶の配向が変化することを示している。#SGN10、#SGN5で特に注目される傾向は、他の格子面に対して{101}格子面の配向が強く、#SGN10ではずれ角10度以内が31%、5度以内でも14%となっている。また、#SGN5ではずれ角10度以内が20%、5度以内で6%となっている。このような{101}格子面に対するきわめて高い配向率はゲルマニウムを添加しない他の試料では達成されない効果が得られている。
【0057】
しかし、#SGN30において、膜中に含有するゲルマニウムの含有量が11原子%に増加すると{101}格子面の配向率は低下してしまうことが示されている。従って、この結果が意味するところは、{101}の配向率を高めるためには非晶質シリコン膜中に含有させるゲルマニウムの濃度には適した範囲があり、その濃度範囲は0.1原子%から10原子%であることがわかる。
【0058】
勿論、このような{101}格子面に対して高い配向性を示す結晶質半導体膜は、添加するゲルマニウムの濃度を0.1〜10原子%の範囲で添加するだけでなく、膜中に含まれる酸素、窒素、炭素の元素の濃度を1×1019/cm3未満、好ましくは酸素濃度を1×1018/cm3未満、窒素及び炭素濃度は5×1018/cm3未満、にすること、及び膜厚を20〜100nmの範囲として、基板表面と平行な方向の成長が支配的となるようにすることの相乗効果により達成される。
【0059】
このような{101}格子面の配向率の高い結晶質半導体膜はTFTのチャネル形成領域、光起電力素子の光電変換層など素子の特性を決定付けるチャネル形成領域に好適に用いることができる。
【0060】
次に、このようなゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜を利用して、TFTを作製する例を示す。図12は本発明の作製工程を説明する図である。
【0061】
図12(A)において、基板810上にゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜812を形成するが、この結晶質シリコン膜812は、以下に示す実施例1〜3および実施例4で示す工程により作製される何れかのものが採用される。TFTを作製するに当たっては、素子分離のため所定の大きさにエッチングし、島状に分割しておく。基板810がガラス基板である場合には、ブロッキング層811を設ける。
【0062】
絶縁膜813はTFTにおいてゲート絶縁膜として利用されるものであり30〜200nmの厚さで形成する。この絶縁膜813はプラズマCVD法によりSiH4とN2Oとから作製される酸化窒化シリコン膜、或いはTEOSとN2Oとから作製される酸化窒化シリコン膜などで形成する。本実施例では前者を選択し、70nmの厚さに形成する。また、実施例5で示す方法で絶縁膜813を形成しても良い。
【0063】
絶縁膜813上にはタンタル、タングステン、チタン、アルミニウム、モリブデンから選ばれた一種または複数種の元素を成分とする導電性材料でゲート電極814を形成する。
【0064】
次に、図12(B)で示すように、TFTのソース及びドレイン領域を形成する不純物領域816を形成する。この不純物領域816はイオンドープ法により形成し、nチャネル型TFTであればリン、砒素に代表される周期律表第15族の元素、pチャネル型TFTであればボロンに代表される周期律表第13族の元素を添加する。
【0065】
その後、プラズマCVD法により作製される窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜により層間絶縁膜817を形成する。また、添加された不純物元素は活性化のために350〜500℃の加熱処理が必要とされるが、この加熱処理は層間絶縁膜817を形成した後に行い、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜中に含まれる水素を放出させ、ゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜812に拡散させることにより、当該結晶質シリコン膜中の欠陥を水素で補償することができる。さらに、ソース及びドレイン電極818を形成しTFTを得ることができる。
【0066】
本発明で得られる{101}格子面の配向性の高いゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜で形成されるチャネル形成領域は、ゲート絶縁膜との界面特性が良好であり、結晶粒界及び結晶粒内の欠陥密度が低減し、高い電界効果移動度を得ることができる。ここでは、TFTをシングルドレインの構造で説明したが、低濃度ドレイン(LDD)構造や、LDDがゲート電極とオーバーラップした構造のTFTを形成することもできる。本発明で作製されるTFTは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示装置を作製するためのTFTとて、また従来の半導体基板にて作製されるLSIに代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用いることができる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは勿論である。
【0068】
[実施例1]
図7で説明する結晶質半導体膜の作製方法は、ゲルマニウムを含む非晶シリコン膜の全面にシリコンの結晶化を助長する金属元素を添加して結晶化を行う方法である。まず、図7(A)において、ガラス基板701はコーニング社の#1773ガラス基板に代表されるガラス基板を用いる。基板701の表面には、ブロッキング層702としてプラズマCVD法でSiH4とN2Oを用い酸化窒化シリコン膜を100nmの厚さに形成する。ブロッキング層702はガラス基板に含まれるアルカリ金属がこの上層に形成する半導体膜中に拡散しないために設ける。
【0069】
ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜703はプラズマCVD法により作製し、SiH4とH2で10%に希釈されたGeH4ガスを反応室に導入し、グロー放電分解して基板701上に堆積させる。その詳細な条件は表1に従うが、ここで採用される条件は#SGN5または#SGN10の条件、或いはその中間的な条件である。このゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜703の厚さは50nmの厚さで形成する。ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜703の酸素、窒素、炭素などの不純物を極力低減するために、SiH4は純度99.9999%以上のものを、GeH4は純度99.99%以上のガスを用いる。また、プラズマCVD装置の仕様としては、反応室の容積13Lの反応室に対し、一段目に排気速度300l/秒の複合分子ポンプ、二段目に排気速度40m3/hrのドライポンプを設け、排気系側から有機物の蒸気が逆拡散してくるのを防ぐと共に、反応室の到達真空度を高め、非晶質半導体膜の形成時に不純物元素が膜中に取り込まれることを極力防いでいる。
【0070】
そして図7(B)で示すように、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布してニッケル含有層704を形成する。この場合、当該溶液の馴染みをよくするために、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜703の表面処理として、オゾン含有水溶液で極薄い酸化膜を形成し、その酸化膜をフッ酸と過酸化水素水の混合液でエッチングして清浄な表面を形成した後、再度オゾン含有水溶液で処理して極薄い酸化膜を形成しておく。シリコンの表面は本来疎水性なので、このように酸化膜を形成しておくことにより酢酸ニッケル塩溶液を均一に塗布することができる。
【0071】
次に、500℃にて1時間の加熱処理を行い、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜中の水素を放出させる。そして、550℃にて4時間に加熱処理を行い結晶化を行う。こうして、図7(C)に示す結晶質半導体膜705が形成される。
【0072】
さらに結晶化率(膜の全体積における結晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するために、結晶質半導体膜705に対してレーザー光706を照射するレーザー処理を行う。レーザーは波長308nmにて30Hzで発振するエキシマレーザー光を用いる。当該レーザー光は光学系にて400〜600mJ/cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもってレーザー処理を行う。こうして図7(D)に示す結晶質半導体膜707を得ることができる。
【0073】
[実施例2]
非晶質シリコン膜にゲルマニウムを添加する方法は、プラズマCVD法において、SiH4とGeH4に代表されるそれぞれの元素を含むガスを用いて形成する方法の他に、非晶質シリコン膜を形成した後に、イオン注入法またはイオンドープ法(或いはプラズマドープ法ともいう)を用いてゲルマニウムを添加する方法を採用することができる。プラズマCVD法では、SiH4とGeH4の解離エネルギーの違いから、同一の高周波電力で分解するとGeH4の方が優先的に分解されてしまう。この場合、パルス放電にするなど成膜条件を精密に制御しないとゲルマニウムのクラスターが非晶質シリコン膜中に形成されてしまい、ゲルマニウムを均一に分散させることが困難となる。
【0074】
図8はイオン注入法またはイオンドープ法によりゲルマニウムを添加する工程を説明するものである。図8(A)において、実施例1と同様にガラス基板701にブロッキング層702を形成し、その上に非晶質シリコン膜708を50nmの厚さに形成する。ゲルマニウムイオンはGeH4を分解して得られ、加速電圧30〜100keVとして非晶質シリコン膜に注入する。ゲルマニウムを添加する量は0.1〜10原子%とする。イオン注入法またはイオンドープ法では加速電圧及びドーズ量を制御することにより、添加するゲルマニウムの量を正確に制御することができる。また、シリコンよりも質量の重いゲルマニウムを注入することで、非晶質シリコン膜に内在する微結晶核が破壊され、結晶質半導体膜を作製するに当たってより好ましい非晶質半導体膜を得ることができる。
【0075】
こうして図8(B)に示すようにゲルマニウムが添加された非晶質シリコン膜710が形成される。その後、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布してニッケル含有層704を形成し、以後は実施例1と同様な工程を行うことにより、図7(D)に示す結晶質半導体膜707を得ることができる。
【0076】
[実施例3]
非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を選択的に形成する方法を図9を用いて説明する。図9(A)において、基板720は前述のガラス基板または石英基板を採用する。ガラス基板を用いる場合には、実施例1と同様にブロッキング層を設ける。
【0077】
ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜721は実施例1と同様にプラズマCVD法で形成しても良いし、実施例2で示すようにイオン注入法またはイオンドープ法によりゲルマニウムを導入しても良い。また、減圧CVD法で、Si26とGeH4を450〜500℃の温度で分解して形成する方法も採用可能である。
【0078】
そして、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜721上に150nmの厚さの酸化シリコン膜722を形成する。酸化シリコン膜の作製方法は限定されないが、例えば、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Ortho Silicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させ形成する。
【0079】
次に、酸化シリコン膜722に開孔部723を形成し、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液を塗布する。これにより、ニッケル含有層724が形成され、ニッケル含有層724は開孔部723の底部のみでゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜721と接触する。
【0080】
結晶化は、加熱処理の温度500〜650℃で4〜24時間、例えば570℃にて14時間の熱処理を行う。この場合、結晶化はニッケルが接した非晶質シリコン膜の部分が最初に結晶化し、そこから基板の表面と平行な方向に結晶化が進行する。こうして形成された結晶質シリコン膜725は棒状または針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的に見ればある特定の方向性をもって成長している。その後、酸化シリコン膜722を除去すれば結晶質シリコン膜725を得ることができる。
【0081】
[実施例4]
実施例1〜3で説明する方法に従い作製される結晶質シリコン膜には結晶化において利用した金属元素が残存している。それは膜中において一様に分布していないにしろ、平均的な濃度とすれば、1×1019/cm3を越える濃度で残存している。勿論、このような状態でもTFTをはじめ各種半導体装置のチャネル形成領域に用いることが可能であるが、より好ましくは、ゲッタリングにより当該金属元素を除去することが望ましい。
【0082】
本実施例はゲッタリング方法の一例を図10を用いて説明する。図10(A)において、基板730は実施例1または2のガラス基板、或いは実施例3の石英基板が採用される。ガラス基板を用いる場合には、実施例1と同様にブロッキング層を設ける。また、結晶質シリコン膜731は実施例1〜3のいずれの方法で作製されたものであっても同様である。結晶質シリコン膜731の表面には、マスク用の酸化シリコン膜732が150nmの厚さに形成され、開孔部733が設けられ結晶質シリコン膜が露出した領域が設けられている。実施例3に従う場合には、図9(A)で示す酸化シリコン膜722をそのまま利用可能であり、図9(B)の工程の後からそのまま本実施例の工程に移行することもできる。そして、イオンドープ法によりリンを添加して、1×1019〜1×1022/cm3の濃度のリン添加領域735を形成する。
【0083】
そして、図10(B)に示すように、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃にて12時間の熱処理を行うと、リン添加領域735がゲッタリングサイトとして働き、結晶質シリコン膜731に残存していた触媒元素はリン添加領域735に偏析させることができる。
【0084】
その後、図10(C)で示すようにマスク用の酸化シリコン膜732と、リンが添加領域735とをエッチングして除去することにより、結晶化の工程で使用した金属元素の濃度が1×1017/cm3未満にまで低減された結晶質シリコン膜736を得ることができる。
【0085】
[実施例5]
本実施例は、結晶粒内欠陥、或いは、絶縁膜との界面準位を低減し、TFTなどで好適に利用できる方法を示す。図11(A)で示すゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜801は実施例3にて作製されるものが適用される。さらに、このゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜801は実施例4で説明するゲッタリング処理が施されたものであっても良い。しかしながら、本実施例においては、少なくとも700〜1000℃程度の耐熱性を有する基板が必要であり、石英基板801が採用される。
【0086】
ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜802上の絶縁膜803は、酸化シリコンを主成分とする材料で形成する。例えば、プラズマCVD法で作製される酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を50nmの厚さで形成する。
【0087】
絶縁膜803が形成された状態で、図11(B)で示すように、ハロゲン(代表的には塩素)と酸素を含む雰囲気中で加熱処理を行う。本実施例では、950℃にて30分とする。尚、処理温度は700〜1100℃の範囲で選択すれば良く、処理時間も10分から8時間の間で選択することが可能である。
【0088】
この加熱処理によりゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜802と絶縁膜803との界面で約20nmの酸化膜804が形成され、膜厚の薄くなったゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜805が形成される。また、ハロゲン雰囲気での酸化の過程で、絶縁膜803とゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜802に含まれる不純物元素の内、特に金属不純物元素はハロゲンと化合物を形成し気相中に除去することができる。さらに、このような処理により得られる酸化膜804とゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜805の界面は、界面準位密度が低くなり非常に良好なものとなる。
【0089】
[実施例6]
本実施例は、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを相補的に組み合わせたCMOS型のTFTを作製する例を図19を用いて説明する。
【0090】
図19(A)において、基板901上にゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜を形成する。ゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜は実施例1〜3および実施例4で示す工程により作製されるいずれのものも適用可能である。また、基板901がガラス基板である場合には、ブロッキング層902を設ける。ゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜は素子分離のため所定の大きさにエッチングし、島状の半導体層903、904を形成する。
【0091】
第1絶縁膜905はTFTにおいてゲート絶縁膜として利用されるものであり30〜200nmの厚さで形成する。この第1絶縁膜905はプラズマCVD法によりSiH4とN2Oとから作製される酸化窒化シリコン膜、或いはTEOSとN2Oとから作製される酸化窒化シリコン膜などで形成する。本実施例では前者を選択し、75nmの厚さに形成する。また、実施例5で示す方法で第1絶縁膜905を形成しても良い。
【0092】
第1絶縁膜905上には、タンタル、タングステン、チタン、アルミニウム、モリブデンから選ばれた一種または複数種の元素を成分とする導電性材料でゲート電極906、907を形成する。
【0093】
次に、図19(B)ではnチャネル型TFTにLDD領域を形成するためにイオンドープ法でリンをドーピングする。ドーピングガスにはH2で0.1〜5%に希釈したフォスフィン(PH3)を用いる。ドーピングの条件は適宣決定するものとするが、半導体層903、904に形成される第1不純物領域908は平均的な濃度として1×1017〜1×1019/cm3となるようにする。この際、ゲート電極906、907はドーピングされるリンに対するマスクとなり、不純物領域908は自己整合的に形成される。
【0094】
そして、図19(C)で示すように、フォトレジストを用いたマスク909を形成し、再びイオンドープ法でリンをドーピングする。このドーピングにより作製される第2不純物領域910、912のリンの平均濃度は1×1020〜1×1021/cm3となるようにする。こうして、半導体層903に形成される第1不純物領域911はLDD領域となり、第2不純物領域910はソース及びドレイン領域となる。
【0095】
pチャネル型TFTは図19(D)で示すように、フォトレジストを用いたマスク913を形成し、半導体層904にホウ素をドーピングする。ドーピングガスにはH2で0.1〜5%に希釈したジボラン(B26)を用いる。半導体層904に形成される第3不純物領域914は、n型からp型に反転させるためにリン濃度と比較して1.5〜3倍のホウ素を添加し、平均濃度は1.5×1020〜3×1021/cm3となるようにする。こうして、半導体層904に形成される第3不純物領域914はpチャネル型TFT921のソース及びドレイン領域となる。
【0096】
その後、プラズマCVD法により作製される窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜により層間絶縁膜915を形成する。また、添加された不純物元素は活性化のために350〜500℃の加熱処理が必要とされるが、この加熱処理は層間絶縁膜915を形成した後に行い、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜中に含まれる水素を放出させ、半導体層903、904に拡散させることにより、水素化を行い半導体中及びその界面の欠陥を補償することができる。さらに、ソース及びドレイン電極916、917を形成しTFTを得ることができる。
【0097】
チャネル形成領域918、919は{101}格子面の配向性の高いゲルマニウムを含有する結晶質シリコン膜で形成される。このようなチャネル形成領域は、ゲート絶縁膜との界面特性が良好であり、結晶粒界及び結晶粒内の欠陥密度が低減し、高い電界効果移動度を得ることができる。
【0098】
以上の工程で、nチャネル型TFT920とpチャネル型TFT921とを相補的に組み合わせたCMOS型のTFTを得ることができる。nチャネル型TFT920はチャネル形成領域とドレイン領域との間にLDD領域が形成され、ドレイン端における電界の集中を防いでいる。このようなCMOS型のTFTは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示装置の駆動回路を形成することを可能とする。それ以外にも、このようなnチャネル型TFTまたはpチャネル型TFTは、画素部を形成するトランジスタに応用することができる。さらに、従来の半導体基板にて作製されるLSIに代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用いることができる。
【0099】
[実施例7]
実施例1〜3で説明する方法に従い作製される結晶質シリコン膜には結晶化において利用した金属元素が残存している。本実施例は実施例4と異なる方法で当該金属元素を除去する方法について説明する。その方法は、希ガス元素を含む半導体膜、或いは希ガス元素を添加した半導体膜をゲッタリングサイトとして、金属元素を添加して作製された結晶質シリコン膜から当該金属元素を加熱処理により除去するものである。以下、図23を用いて説明する。
【0100】
まず、実施例1〜3のいずれかの方法に従って、[101]面の配向率の高い結晶質シリコン膜を得る。2000は絶縁表面を有する基板上に2001は酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxy)等の絶縁膜から成る下地絶縁膜を形成する。ここでは、ガラス基板を用い、下地絶縁膜2001として2層構造から成り、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第1酸化窒化シリコン膜を50〜100nm、SiH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第2酸化窒化シリコン膜を100〜150nmの厚さに積層形成する。また、下地絶縁膜2001として窒化シリコン膜の単層を用いることが好ましい。窒化シリコン膜を用いた場合、ガラス基板に含まれるアルカリ金属が後に形成される半導体膜中に拡散するのを防止するブロッキング層としての効果に加え、後に行われるゲッタリング工程でゲッタリング効率を向上させる効果も有する。ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、半導体膜と接する下地絶縁膜を窒化シリコン膜とすることは極めて有効である。また、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜とを順次積層した積層構造を用いてもよい。また、第1酸化窒化シリコン膜、第2酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜とを順次積層した3層構造を用いてもよい。
【0101】
次いで、下地絶縁膜上にプラズマCVD法、減圧熱CVD法、またはスパッタ法で得られる非晶質半導体膜を形成し、実施形態1に示した結晶化を行い、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜2002を形成する。(図23(A))
【0102】
本実施例では、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜をプラズマCVD法により作製し、SiH4とH2で10%に希釈されたGeH4ガスを反応室に導入し、グロー放電分解して下地絶縁膜2001上に堆積させる。こうして得られたゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜の表面にオゾン含有水溶液で極薄い酸化膜を形成し、その酸化膜をフッ酸と過酸化水素水の混合液でエッチングして清浄な表面を形成した後、再度オゾン含有水溶液で処理して極薄い酸化膜を形成した後、全面に重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布してニッケル含有層を形成する。次に、500℃にて1時間の加熱処理を行い、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜中の水素を放出させる。そして、ファーネスアニール炉を用いて550℃にて4時間の加熱処理を行い結晶化を行う。
【0103】
ファーネスアニール炉による加熱処理に代えて、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、または高圧水銀ランプ等のランプ光源からの強光を照射して結晶化を行ってもよい。このようなランプ光源を用いる場合は、加熱用のランプ光源を60〜240秒、好ましくは110〜150秒間点灯させ、650〜750℃、好ましくは700℃に加熱する。
【0104】
こうして、ゲルマニウムを含む非晶質シリコン膜を結晶化させ、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜2002を得ることができる。ゲッタリング処理の際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜2002中の酸素濃度は、5×1018/cm3以下となるように形成することが望ましい。
【0105】
また、上記結晶化の後、フッ酸を含むエッチャント、例えば希フッ酸やFPM(フッ酸、過酸化水素水、純水との混合液)で偏析した金属元素を除去または低減してもよい。また、フッ酸を含むエッチャントで表面をエッチング処理した場合には、上記ランプ光源からの強光を照射して表面を平坦化することが望ましい。
【0106】
上記結晶化の後、さらに結晶化を改善するためのレーザー光またはランプ光源からの強光の照射を行ってもよい。レーザーには波長400nm以下のエキシマレーザー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調波を用いればよい。この結晶化を改善するためのレーザー光またはランプ光源からの強光の照射の後にフッ酸を含むエッチャントで偏析した金属元素を除去または低減してもよく、さらにランプ光源からの強光を照射して表面を平坦化してもよい。
【0107】
次いで、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜2002中に含まれる金属元素を除去するためにゲッタリング処理を行う。まず、ゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜上にバリア層2003を形成する。バリア層2003としては、金属元素(ここでは主にニッケル)をゲッタリングサイトに貫通させることができ、さらにゲッタリングサイトの除去工程において用いるエッチング液がしみこまない多孔質膜を形成する。ここでは、オゾン水で処理することにより形成されるケミカルオキサイド膜、酸化シリコン膜(SiOx)を用いればよい。本明細書では、このような性質を有する膜を特に多孔質膜という。また、このバリア層2003は極薄いものでよく、自然酸化膜であってもよいし、酸素を含む雰囲気下において紫外線の照射によりオゾンを発生させて酸化させる酸化膜であってもよい。
【0108】
次いで、後のゲッタリング処理の際にゲッタリングサイトとして機能する半導体膜2004をバリア層2003上に形成する。(図23(B))この半導体膜2004はプラズマCVD法、減圧熱CVD法、好ましくはスパッタ法を用いて形成される非晶質構造を有する半導体膜を用いる。この半導体膜2004の膜厚は、50〜200nm、好ましくは150nmとする。後のゲッタリング処理の際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、半導体膜2004には、酸素(SIMS分析での濃度が5×1018/cm3以上、好ましくは1×1019/cm3以上)を含有させてゲッタリング効率を向上させることが望ましい。また、希ガス元素を1×1020/cm3の濃度で含む半導体膜を適用する。
【0109】
最も好適な半導体膜の形成方法は、スパッタ法によりシリコンをターゲットとして、希ガスをスパッタガスとして用いる。スパッタ法では成膜時の圧力を低下させることにより半導体膜中に希ガスを取り込ませることが容易であり、1×1020〜5×1021/cm3、好ましくは1×1020〜1×1021/cm3の濃度で希ガス元素を含む半導体膜を形成することが可能である。
【0110】
希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複数種であり、これらのイオンを電界で加速して半導体膜に注入することにより、ダングリングボンドや格子歪みを形成してゲッタリングサイトを形成することができる。中でも安価なガスであるArを用いることが望ましい。なお、希ガス元素を添加する処理時間は、1分または2分程度の短時間で高濃度の希ガス元素を半導体膜に添加することができるため、リンを用いたゲッタリングと比較してスループットが格段に向上する。
【0111】
また、希ガス元素に加えH、H2、O、O2、P、Bから選ばれた一種または複数種を添加してもよく、複数の元素を添加することにより相乗的にゲッタリング効果が得られる。
【0112】
次いで、加熱処理またはランプ光源からの強光の照射を行ってゲッタリングを行う。加熱処理によりゲッタリングを行う場合は、窒素雰囲気中で450〜800℃、1〜24時間、例えば500℃にて4時間の熱処理を行えばよい。また、ランプ光源からの強光の照射によりゲッタリングを行う場合には、加熱用のランプ光源を120〜300秒、好ましくは180秒間点灯させ、650〜750℃に加熱する処理を行う。
【0113】
このゲッタリングにより、図23(D)中の矢印の方向(縦方向)にニッケルが移動し、バリア層2003で覆われたゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜2002に含まれる金属元素の除去、または金属元素の濃度の低減が行われる。リンを用いたゲッタリングと比較して、希ガス元素の添加によるゲッタリングは非常に効果的であり、さらに高濃度、例えば1×1020〜5×1021/cm3で添加できるため、結晶化に用いる金属元素の添加量を多くすることができる。即ち、結晶化に用いる金属元素の添加量を多くすることによって結晶化の処理時間をさらに短時間で行うことが可能となる。また、結晶化の処理時間を変えない場合には、結晶化に用いる金属元素の添加量を多くすることによって、さらなる低温で結晶化することができる。また、結晶化に用いる金属元素の添加量を多くすることによって、自然核の発生を低減することができ、良好な結晶質半導体膜を形成することができる。
【0114】
上記ゲッタリング処理後、半導体膜からなるゲッタリングサイト2005を選択的にエッチングして除去する。エッチングの方法としては、ClF3によるプラズマを用いないドライエッチング、或いはヒドラジンや、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(化学式 (CH34NOH)を含む水溶液などアルカリ溶液によるウエットエッチングで行うことができる。この時、バリア層2003はエッチングストッパーとして機能する。また、バリア層2003はその後フッ酸により除去すれば良い。
【0115】
その後、得られたゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜を所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層2006を形成する。(図23(E))
【0116】
図24はゲッタリング処理前後における金属元素(ここではニッケル)の濃度を全反射蛍光X線分光(Total Reflection X-ray Fluorescence Spectroscopy:TXRF)で測定した結果を示している。TXRFではX線ビームを膜表面に対し非常に浅い角度で入射させ、金属元素など不純物が発生する蛍光X線を検出する測定方法である。TXRFは主に表面から3〜5nmの深さの情報が与えられるが、結晶質シリコン膜に残留するニッケル濃度を見積もることが可能である。検出感度はおよそ1010/cm2である。
【0117】
図24において、縦軸はニッケル濃度を示している。ゲッタリング処理無しとした試料のデータでは5×1012(任意量)の値が得られているが、ゲッタリング処理有りとした試料ではそれよりも小さい値を示しており、ゲッタリング処理により結晶質半導体膜中のニッケル濃度はその100分の1程度にまで減少していることが示されている。ゲッタリング処理の熱処理温度が450℃と500℃の場合を比較すると、500℃の方がより低減されていることが解る。
【0118】
本実施例で得られたゲルマニウムを含む結晶質シリコン膜は、[101]面の配向率が高く、且つ、膜中の金属元素の濃度が十分低減されているため、TFTの特性においてオフ電流を低減することができる。
【0119】
[実施例8]
本発明の半導体装置は、各種多様の電子機器の表示装置や各種集積回路、或いは、従来の集積回路に代わる回路用途に応用することができる。このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ、プロジェクター等が挙げられる。それらの一例を図20〜図22に示す。
【0120】
図20(A)は携帯電話であり、表示用パネル2701、操作用パネル2702、接続部2703から成り、表示用パネル2701には表示装置2704、音声出力部2705、アンテナ2709などが設けられている。操作パネル2702には操作キー2706、電源スイッチ2707、音声入力部2708などが設けられている。本発明は表示装置2704を形成することができる。
【0121】
図20(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本発明は表示装置9102に適用することができる。
【0122】
図20(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本発明は半導体装置は表示装置9205に適用することができる。
【0123】
図20(D)はテレビ受像器であり、本体9401、スピーカ9402、表示装置9403、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。本発明は表示装置9403に適用することができる。
【0124】
図20(E)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。本発明は表示装置9503や、記憶媒体9504に適用することができる。
【0125】
図21(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。本発明は表示装置9601や、内蔵する各種集積回路に適用することができる。
【0126】
図21(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示装置9702や、内蔵する各種集積回路に適用することができる。
【0127】
図21(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。本発明は表示装置9802や、内蔵する各種集積回路に適用することができる。
【0128】
図22(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置3601、スクリーン3602で構成される。本発明は投射装置3601やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0129】
図22(B)はリア型プロジェクターであり、本体3701、投射装置3702、ミラー3703、スクリーン3704で構成される。本発明は投射装置3702やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0130】
尚、図22(C)は、図22(A)及び図22(B)中における投射装置3601、3702の構造の一例を示した図である。投射装置3601、3702は、光源光学系3801、ミラー3802、3804〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズム3807、液晶表示装置3808、位相差板3809、投射光学系3810で構成される。投射光学系3810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図22(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0131】
また、図22(D)は、図22(C)中における光源光学系3801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクター3811、光源3812、レンズアレイ3813、3814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で構成される。なお、図22(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0132】
ここでは図示しなかったが、本発明はその他にもナビゲーションシステムをはじめ冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、固定電話機などに組み込む表示装置としても適用することも可能である。このように本発明の適用範囲はきわめて広く、さまざまな製品に適用することができる。
【0133】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、シリコンを主成分とし、ゲルマニウム含有量が0.1原子%以上10原子%以下(好ましくは1原子%以上5原子%以下)である非晶質半導体膜に金属元素を添加して加熱処理により結晶化すると、EBSP法で観測される{101}格子面の前記結晶質半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が20%以上であり、かつ、{001}格子面の前記結晶質半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が3%以下であり、かつ、{111}格子面の前記結晶質半導体膜の表面となす角が10度以内である割合が5%以下である結晶質半導体膜を得ることがで可能となり、そのような結晶質半導体膜を用いて薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成することができる。
【0134】
このような{101}格子面の配向率の高い結晶質半導体膜を用いたTFTは、アクティブマトリクス型の液晶表示装置やEL表示装置を作製するためのTFTとて、また従来の半導体基板にて作製されるLSIに代わる薄膜集積回路を実現するTFTとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EBSP法により求められる本発明の結晶質半導体膜の逆極点図。
【図2】 EBSP装置の構成を説明する図。
【図3】 EPSPによる試料測定の概念を説明する図。
【図4】 EBSPデータから得られる逆極点図の例。
【図5】 {101}配向からのずれ角を説明する図。
【図6】 {101}付近に優先配向している場合の各結晶粒の<101>方位のゆらぎを説明する図。
【図7】 結晶質半導体膜の作製方法を説明する図。
【図8】 結晶質半導体膜の作製方法を説明する図。
【図9】 結晶質半導体膜の作製方法を説明する図。
【図10】 結晶質半導体膜の作製方法を説明する図。
【図11】 半導体装置の作製工程の一例を説明する図。
【図12】 半導体装置の作製工程の一例を説明する図。
【図13】 SiH4、GeH4、H2ガスより作製された試料のC、N、O濃度を阿表すSIMSデータ。
【図14】 SIMSにより測定された試料(SGN5)と(SGN10)のGe濃度を示すグラフ。
【図15】 GeH4の添加量と結晶核発生密度との関係を示すグラフ。
【図16】 試料(SN)と(SGN10)のθ−2θ法によるX線回折パターン。
【図17】 EBSP法により求められる試料(SN)の逆極点図。
【図18】 EBSP法により求められる試料(SN)の逆極点図。
【図19】 CMOS構造のTFTの作製工程の一例を説明する図。
【図20】 電子機器の一例を説明する図。
【図21】 電子機器の一例を説明する図。
【図22】 プロジェクターの一例を示す図。
【図23】 結晶質半導体膜の作製方法を説明する図。
【図24】 ゲッタリング処理前後におけるTXRFで測定される金属元素の濃度を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 窒化シリコン膜上に、ゲルマニウムを0.1原子%以上10原子%以下の濃度で含有する非晶質シリコン膜を形成し、
    リコンの結晶化を助長する金属元素を用いて、前記非晶質シリコン膜を結晶化することにより結晶性シリコン膜を形成し、
    前記結晶性シリコン膜上に、希ガス元素を1×10 20 /cm 以上含有するシリコン膜を形成し、
    熱処理を行うことによって、前記結晶性シリコン膜から前記シリコン膜前記金属元素を移動させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記加熱処理を行った後に、前記シリコン膜を除去することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 窒化シリコン膜上に、ゲルマニウムを0.1原子%以上10原子%以下の濃度で含有する非晶質シリコン膜を形成し、
    シリコンの結晶化を助長する金属元素を用いて、前記非晶質シリコン膜を結晶化することにより結晶性シリコン膜を形成し、
    前記結晶質シリコン上に、バリア層を形成し、
    前記バリア層上に、希ガス元素を1×10 20 /cm 以上含有するシリコン膜を形成し、
    加熱処理を行うことによって、前記結晶性シリコン膜から前記シリコン膜に前記金属元素を移動させ、
    前記バリア層をエッチングストッパーとして用いて、前記シリコン膜を除去し、
    前記バリア層を除去することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記シリコン膜は、前記希ガス元素を1×10 21 /cm 以下含有していることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記シリコン膜は、酸素を5×1018/cm以上含有していることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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