JP2002089353A - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
内燃機関のシリンダブロックInfo
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- F02F1/004—Cylinder liners
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
変形の低減を図ってエンジンオイル消費及び燃費を低減
し、エンジン性能の向上を図った内燃機関のシリンダブ
ロックを提供すること。 【解決手段】 シリンダライナ14が鋳ぐるまれた内燃
機関のシリンダブロック12において、ライナ14の上
端面を、ライナ14の外周面14a側から内周面14b
側へ下り傾斜となる傾斜面にした。これにより、ライナ
14の上端部19とシリンダブロック12との界面での
接触面積が増大し、その界面の摩擦力が増大するので、
ライナ14とシリンダブロック12の接合力が増大す
る。こうした接合力の増大に加えて、上端部19に押し
下げ力が作用すると、傾斜面20の角度に応じて上端部
19をシリンダブロック14側へ押す分力が発生するの
で、機関運転時のライナ倒れ込み及びボアの変形が抑制
される。
Description
ぞれ形成する複数のシリンダライナが鋳ぐるまれた内燃
機関のシリンダブロックに関する。
ライナを金属材料にて鋳ぐるむことにより形成される内
燃機関のシリンダブロックとして、例えば、シリンダラ
イナの外周面に螺旋状或いは円周状の溝を形成したもの
や、その外周面をショットピーニング加工等により荒ら
して同外周面に凹凸を形成したもの等がある。
リンダブロックでは、機関運転時に高温にさらされるシ
リンダライナの上端部とシリンダブロックの界面の接合
力が充分でないため、シリンダライナ上端部側でボアが
大きく変形してしまうとともに、シリンダライナが燃焼
室側へ倒れ込むライナ倒れ込みが発生するおそれがあっ
た。
の摺動面であるシリンダライナ内面(ボア壁)とピスト
ンリングのフリクションが増えて燃費が低下し、エンジ
ンの性能が低下してしまう。
ンダライナとシリンダブロック間に空気層ができ、シリ
ンダライナとシリンダブロック間での熱伝導率が低下し
てしまう。これにより、ピストンリングの摺動面である
シリンダライナ内面(ボア壁)の温度を充分低下させる
ことができず、エンジンオイルの消費が増えてしまう。
もので、機関運転時のライナ倒れ込みの防止及びボア変
形の低減を図ってエンジンオイル消費及び燃費を低減
し、エンジン性能の向上を図った内燃機関のシリンダブ
ロックの提供を目的とするものである。
るための手段およびその作用効果について記載する。請
求項1に係る発明は、複数のボアをそれぞれ形成する複
数のシリンダライナが鋳ぐるまれた内燃機関のシリンダ
ブロックにおいて、前記シリンダライナの上端部を、同
上端部と前記シリンダブロックとの界面での接触面積を
増大させる形状、或いは前記界面の摩擦力を増大させる
形状としたことを特徴としている。
部を、同上端部とシリンダブロックとの界面での接触面
積を増大させる形状としたことにより、その上端部に作
用する応力が緩和されるとともに、その界面での摩擦力
が増大し、シリンダライナとシリンダブロックの接合力
が増大する。或いは、シリンダライナの上端部を前記界
面の摩擦力を増大させる形状としたことにより、前記界
面でシリンダライナがシリンダブロックシリンダライナ
に対してずれにくくなり、シリンダライナとシリンダブ
ロックの接合力が増大する。
クの接合力が増大することにより、機関運転時に、シリ
ンダライナが燃焼室側へ倒れ込むのが抑制されるととも
に、シリンダライナ上端部でのボアの変形が抑制され
る。したがって、機関運転時のライナ倒れ込みを防止す
ることができるとともに、ボアの変形を低減することが
でき、これによって、エンジンオイル消費及び燃費を低
減し、エンジン性能を向上させることができる。
燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライ
ナの上端面を、同シリンダライナの外周面側から内周面
側へ下り傾斜となる傾斜面に形成したことを特徴として
いる。
面を傾斜面にしたことにより、シリンダライナ上端部と
シリンダブロックとの界面での接触面積が増大し、その
界面での摩擦力が増大するので、シリンダライナとシリ
ンダブロックの接合力が増大する。
面を、シリンダライナの外周面側から内周面側へ下り傾
斜となる傾斜面にしたことにより、シリンダライナ上端
部に押し下げ力が作用すると、その傾斜面の角度に応じ
てその上端部をシリンダブロック側へ押す分力が発生す
る。したがって、その分力と、前記面積の増大によるシ
リンダライナとシリンダブロックの接合力とにより、機
関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することがで
きるとともに、ボアの変形をより一層低減することがで
きる。
記載の内燃機関のシリンダブロックにおいて、前記傾斜
面に、所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸が形成さ
れていることを特徴としている。
面に所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸を形成する
ことにより、前記界面での接触面積がより増大するの
で、その界面での摩擦力がより増大する。これととも
に、溝或いは凹凸の各々がシリンダブロックに対するシ
リンダライナのずれをロックする(阻止する)ので、シ
リンダライナがシリンダブロックに対してよりずれにく
くなって前記接合力がより増大する。したがって、機関
運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができ
るとともに、ボアの変形をより一層低減することができ
る。
燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライ
ナの上端面に、所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸
を形成したことを特徴としている。
面に所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸を形成した
ことにより、前記界面での接触面積がより増大するの
で、その界面での摩擦力がより増大する。これととも
に、溝或いは凹凸の各々がシリンダブロックに対するシ
リンダライナのずれをロックする(阻止する)ので、シ
リンダライナがシリンダブロックに対してよりずれにく
くなって前記接合力がより増大する。したがって、機関
運転時のライナ倒れ込みをより一層防止することができ
るとともに、ボアの変形をより一層低減することができ
る。
燃機関のシリンダブロックにおいて、前記シリンダライ
ナの上端部に、同シリンダライナの外周面から突出した
鍔を形成したことを特徴としている。
部にその外周面から突出した鍔を形成したことにより、
シリンダライナ上端部とシリンダブロックとの界面での
接触面積がより増大するので、その界面の摩擦力がより
増大し、シリンダライナとシリンダブロックの接合力が
より増大する。したがって、機関運転時のライナ倒れ込
みをより一層防止することができるとともに、ボアの変
形をより一層低減することができる。
燃機関のシリンダブロックにおいて、前記鍔が形成され
た前記シリンダライナの上端面に、所定の深さの溝或い
は所定の粗さの凹凸を形成したことを特徴としている。
リンダライナの上端面に、所定の深さの溝或いは所定の
粗さの凹凸を形成したことにより、シリンダライナ上端
部とシリンダブロックとの界面での接触面積がより増大
し、その界面の摩擦力がより増大するので、シリンダラ
イナとシリンダブロックの接合力がより増大する。
面に形成した溝或いは凹凸の各々がシリンダブロックに
対するシリンダライナのずれをロックする(阻止する)
ので、シリンダライナがシリンダブロックに対してより
ずれにくくなって前記接合力がより増大する。したがっ
て、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防止するこ
とができるとともに、ボアの変形をより一層低減するこ
とができる。
リンダブロックを、多気筒内燃機関、例えば4気筒内燃
機関に適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。
れた内燃機関11の部分断面図である。ここで、内燃機
関11はシリンダブロック12およびシリンダヘッド1
3を備えている。このシリンダブロック12のアッパ部
12a内部にはシリンダライナ14が鋳ぐるまれている
ことによりボア15が形成されている。このボア15内
にはピストン16が上下動可能に配置されている。シリ
ンダブロック12のロア部12bはクランクケースを形
成している。
すように、例えば遠心鋳造で製造された鋳鉄製の円筒体
であり、シリンダブロック12全体がAl合金によるダ
イカスト法にて鋳造される際に同シリンダブロック12
に鋳ぐるまれている。このシリンダライナ(鋳鉄ライ
ナ)14は、シリンダブロック(アルミブロック)12
内部にドライライナとしてウォータジャケット17とは
シリンダブロック12の隔壁18にて隔てられるように
鋳ぐるまれている。
上端部19を、同上端部19とシリンダブロック12と
の界面での接触面積を増大させる形状とするために、シ
リンダライナ14の上端面を、同ライナ14の外周面1
4a側からその内周面14b側へ下り傾斜となる傾斜面
20に面取り加工により形成してある。
と、比較例1,2とを、図8の表及び図9のグラフにそ
れぞれ示してある。図8の表では、各実施例及び各比較
例における、鋳鉄ライナ14が燃焼室側へ倒れ込むライ
ナ倒れ込みの有無と、ボア変形量とを示してある。
例或いは各比較例の鋳鉄ライナ14をボア径がφ82の
アルミブロック12に鋳ぐるんだ後、同ブロック12を
シリンダヘッド13に組み付けた状態で、恒温槽にて加
熱(200℃で8時間加熱)し、この後アルミブロック
12を冷却したときの測定結果を示してある。また、ボ
ア変形量については、前記加熱後にアルミブロック12
を冷却した状態で、ボア15の内径を内径測定装置で測
定した結果を示してある。また、ボア変形量について
は、図9のグラフにおいても棒グラフで示してある。
8に示すように、シリンダライナ14を、その傾斜面2
0の角度(内面取り角度)を10°に形成したものであ
る。
うに、シリンダライナ14を、その傾斜面20の角度を
45°に形成したものである。実施例3は、図4(b)
及び図8に示すように、シリンダライナ14を、その傾
斜面20の角度を20°に形成するとともに、その傾斜
面に深さが0.2mmの溝30を形成したものである。
ライナ14は、遠心鋳造で製造した鋳鉄ライナで、図7
及び図8に示すように、その上端面は平坦面であり、そ
の上端面の角部を大きなアールに形成したものである。
ように、その上端面を上記実施例1と同様の傾斜面に形
成し、その傾斜面の角度を5°にしたものである。比較
例5のシリンダライナは、図8に示すように、その上端
面を上記実施例1と同様の傾斜面に形成し、その傾斜面
の角度を5°に形成するとともに、その傾斜面に深さが
0.05mmの溝(ピッチが0.5mm程度のレコード
溝の如き溝)を形成したものである。
の効果が得られる。 (1)比較例1のように、シリンダライナ14の上端面
に実施例1〜3のような傾斜面20を形成していないも
のでは、上記恒温槽での加熱によりライナ倒れ込みが発
生し、また、ボア変形量(ボア15の直径変化量)も8
0μと大きい(図8,9参照)。
14の上端面に実施例1〜3のような傾斜面20を形成
してあるが、その角度が5°程度の小さいものでは、ラ
イナ倒れ込みの発生は有るが、ボア変形量は60μであ
り、比較例1より低減する(図8,9参照)。
に角度の小さい傾斜面に、溝を形成してあるが、同溝の
深さが0.05mm程度の小さいものでは、シリンダブ
ロック12とシリンダライナ14との間での滑りを抑え
ることができない。このため、ボア変形量は比較例2と
同じ60μとなり、その溝を設けたことによる効果がな
い(図8,9参照)。
に、シリンダライナ14の上端面に傾斜面20を形成
し、同傾斜面20の角度を10°,45°,20°にし
たものでは、ライナ倒れ込みの発生は無く、ボア変形量
も15μ〜30μであり比較例1、2及び3に比べて大
幅に少なくなる。
を、適度の角度の傾斜面20に形成することにより、シ
リンダライナの上端部19とシリンダブロック12との
界面の面積が増大する。このため、上端部19に作用す
る応力が緩和されるとともに、その界面の摩擦力が増大
するので、シリンダライナとシリンダブロックの接合力
が増大する。
ナ14が燃焼室側(ボア15側)へ倒れ込むのが抑制さ
れるとともに、シリンダライナ14の上端部19でのボ
ア15の変形が抑制される。したがって、機関運転時の
ライナ倒れ込みを防止することができるとともに、ボア
の変形を低減することができる。これにより、エンジン
性能及びオイル消費が向上する。
イナ14の傾斜面20を、同ライナ14の外周面14a
側からその内周面14b側へ下り傾斜となる面にしたこ
とにより、シリンダライナ14の上端部19に押し下げ
力(シリンダヘッド13の締結力)が作用すると、その
傾斜面20の角度に応じてその上端部19をシリンダブ
ロック12側へ押す分力が発生する。この分力と、前記
面積の増大によるシリンダライナ14とシリンダブロッ
ク12の接合力とにより、機関運転時のライナ倒れ込み
をより一層防止することができるとともに、ボアの変形
をより一層低減することができる。
14の傾斜面20に深さが0.2mmの溝30を形成し
たものでは、ボア変形量が15μになり、他の実施例
2,3に比べて小さくなる傾向が見られる。
20に所定の深さの溝30を形成することにより、その
傾斜面の表面積がより大きくなるとともに、溝30の各
々がシリンダブロック12とシリンダライナ14をロッ
クする(係合する)。このため、前記界面の摩擦力がよ
り増大し、シリンダライナ14とシリンダブロック12
の接合力がより増大する。これにより、ライナ倒れ込み
をより一層抑制することができるとともに、シリンダラ
イナ14の上端部でのボアの変形をより一層抑制するこ
とができる。
するのが好ましい。その深さが0.2mmより小さい
と、ライナ倒れ込み及びボアの変形を抑制する充分な効
果が得られない。
°の範囲内の値に設定するのが好ましい。その角度が1
0°より小さいと、シリンダライナ14とシリンダブロ
ック12の接合力が小さすぎるからである。一方、その
角度が45°より大きいと、傾斜面20の加工が困難に
なるとともに、ピストン16が上昇した位置でピストン
リングと摺接するシリンダライナ14が存在しなくなる
からである。
内の値に設定することにより、図8及び図9の実施例
1,2,3の場合のように、ライナ倒れこみを無くすこ
とができ、ボア変形量を充分小さくすることができ、ま
た、傾斜面20の加工が比較的容易である。
°の範囲内の値に設定するのがより好ましい。その理由
は、傾斜面20の角度をその範囲内の値に設定すること
により、図8及び図9の実施例2,3の場合のように、
ボア変形量を実施例1の場合よりも小さくすることがで
きるとともに、傾斜面20の加工がより容易になるから
である。
形態を図5に基づいて説明する。本実施形態では、シリ
ンダライナ14の上端部19を、同上端部19とシリン
ダブロック12との界面での接触面積を増大させる形状
とするために、シリンダライナの14の水平な上端面
に、所定の深さの溝30を形成してある。
実施例4と、比較例3とを、図8の表及び図9のグラフ
にそれぞれ示してある。実施例4のシリンダライナ14
は、図5及び図8に示すように、水平な上端面に、深さ
が0.2mmの溝(ピッチが0.5mm程度のレコード
溝のような溝)30を形成したものである。
は、実施例4と同様に、水平な上端面に溝を形成したも
のであり、その溝の深さを0.05mmにしたものであ
る。
の効果が得られる。 (6)比較例3のように、シリンダライナの水平な上端
面に、溝を形成してあるが、同溝の深さが0.05mm
程度の小さいものでは、シリンダブロック12とシリン
ダライナ14との間での滑りを抑えることができない。
このため、比較例3のボア変形量は上記比較例5よりも
少ない70μとなり、その溝を設けたことによる効果が
ない(図8,9参照)。
ダライナ14の水平な上端面に、深さが0.2mmの溝
30を形成したものでは、シリンダライナ14の上端部
19とシリンダブロック12との界面での接触面積が増
大する。これとともに、溝30の各々がシリンダブロッ
ク12とシリンダライナ14をロックする(係合する)
ので、その界面の摩擦力がより増大し、シリンダライナ
14とシリンダブロック12の接合力がより増大する。
したがって、機関運転時のライナ倒れ込みをより一層防
止することができるとともに、ボア変形をより一層低減
することができる。
形態を図6に基づいて説明する。本実施形態では、シリ
ンダライナ14の上端部19を、同上端部19とシリン
ダブロック12との界面での接触面積を増大させる形状
とするために、シリンダライナ14の上端部19に、同
シリンダライナ14の外周面14aから突出した鍔40
を形成したものである。
ての実施例5,6と、比較例4とを、図8の表及び図9
のグラフにそれぞれ示してある。
(a)に示すように、シリンダライナ14の上端部19
に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した
鍔40を形成したものである。その鍔40の大きさ(シ
リンダライナ14の外周面14aからの突出長さ)L
は、ライナ14の肉厚に対して(肉厚比で)1.0以上
の大きさにするのが好ましい。
(b)に示すように、シリンダライナ14の上端部19
に、同シリンダライナ14の外周面14aから突出した
鍔40を形成するとともに、同鍔40の上面及びシリン
ダライナ14の上端面にわたって深さが0.2mmの溝
30を形成したものである。その鍔40の大きさ(シリ
ンダライナ14の外周面14aからの突出長さ)Lは、
実施例5と同じ大きさである。
は、シリンダライナ14の上端部19に、同シリンダラ
イナ14の外周面14aから突出した鍔を形成したもの
であり、その鍔の大きさは、実施例5の半分に(シリン
ダライナ14の肉厚に対して肉厚比で0.5に)したも
のである。
の効果が得られる。 (7)比較例4では、実施例5の鍔40と同様の鍔をシ
リンダライナ14の上端部19に形成してあるが、その
鍔の大きさが実施例5の半分しかないものでは、シリン
ダブロック12とシリンダライナ14との間での滑りを
抑えることができない。このため、ライナ倒れ込みが発
生し、また、ボア変形量も70μと大きい(図8,9参
照)。
うに、シリンダライナ14の上端部19に、同ライナ1
4の外周面14aからの突出長さLがシリンダライナ1
4の肉厚に対して肉厚比で1.0以上の鍔40を形成し
たものでは、ライナ倒れ込みが無く、ボア変形量も30
μと小さい。
19に、同ライナ14の肉厚に対して(肉厚比で)1.
0以上の大きさの鍔40を形成することにより、その上
端部19とシリンダブロック12との界面での接触面積
が増大する。このため、上端部19に作用する応力が緩
和されるとともに、その界面の摩擦力が増大するので、
シリンダライナ14とシリンダブロック19の接合力が
増大する。
ナ14が燃焼室側へ倒れ込むのが抑制されるとともに、
シリンダライナ14の上端部19でのボア15の変形が
抑制される。したがって、機関運転時のライナ倒れ込み
を防止することができるとともに、ボア変形を低減する
ことができる。これにより、エンジン性能及びオイル消
費が向上する。
14の上端部19に、前記肉厚比で1.0以上の大きさ
の鍔40を形成するとともに、同鍔40の上面及びシリ
ンダライナ14の上端面にわたって深さが0.2mmの
溝30を形成したものでは、ボア変形量は25μとな
り、実施例5よりもボア変形量を小さくすることができ
る。
面に深さが0.2mmの溝30を形成することにより、
鍔40の上端面の表面積がより大きくなるとともに、溝
30の各々がシリンダブロック12とシリンダライナ1
4をロックする(係合する)。このため、前記界面の摩
擦力がより増大し、シリンダライナ14とシリンダブロ
ック12の接合力がより増大する。これにより、ライナ
倒れ込みをより一層抑制することができるとともに、シ
リンダライナ14の上端部でのボアの変形をより一層抑
制することができる。
するのが好ましい。その深さが0.2mmより小さい
と、ライナ倒れ込み及びボアの変形を抑制する充分な効
果が得られない。
たが、各実施形態は以下に示すようにその構成を変更し
て実施することもできる。 ・上記第1実施形態の実施例3において、シリンダライ
ナ14の傾斜面20に深さが0.2mmの溝30を形成
してあるが、傾斜面20に粗さが0.2mmの凹凸を形
成してもよい。
シリンダライナ14の水平な上端面に深さが0.2mm
の溝30を形成してあるが、その上端面に粗さが0.2
mmの凹凸を形成してもよい。
シリンダライナ14の水平な上端面及び鍔40の上面に
わたって深さが0.2mmの溝30を形成してあるが、
その上端面及び上面にわたって粗さが0.2mmの凹凸
を形成してもよい。
ナ14を鋳鉄製ライナとしているが、シリンダライナ1
4をアルミ粉末合金製のライナにしてもよい。 ・上記各実施形態において、本発明に係る内燃機関のシ
リンダブロックを、4気筒内燃機関に適用したが、その
シリンダブロックを4気筒以外の多気筒内燃機関、例え
ば6気筒内燃機関にも適用可能である。
図。
ロックを示す断面図。
ライナを示す部分断面図。
分断面図、(b)は実施例3のシリンダライナを示す部
分断面図。
図。
断面図、(b)は実施例6のシリンダライナを示す部分
断面図。
図。
及びボア変形量を表で示した図。
フ。
ンダヘッド、14…シリンダライナ、14a…外周面、
14b…内周面、15…ボア、16…ピストン、17…
ウォータジャケット、18…隔壁、19…上端部、20
…傾斜面、30…溝、40…鍔。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数のボアをそれぞれ形成する複数のシ
リンダライナが鋳ぐるまれた内燃機関のシリンダブロッ
クにおいて、 前記シリンダライナの上端部を、同上端部と前記シリン
ダブロックとの界面での接触面積を増大させる形状、或
いは前記界面の摩擦力を増大させる形状としたことを特
徴とする内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項2】 前記シリンダライナの上端面を、同シリ
ンダライナの外周面側から内周面側へ下り傾斜となる傾
斜面に形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機
関のシリンダブロック。 - 【請求項3】 前記傾斜面に、所定の深さの溝或いは所
定の粗さの凹凸が形成されていることを特徴とする請求
項1又は2に記載の内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項4】 前記シリンダライナの上端面に、所定の
深さの溝或いは所定の粗さの凹凸を形成したことを特徴
とする請求項1記載の内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項5】 前記シリンダライナの上端部に、同シリ
ンダライナの外周面から突出した鍔を形成したことを特
徴とする請求項1記載の内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項6】前記鍔が形成された前記シリンダライナの
上端面に、所定の深さの溝或いは所定の粗さの凹凸を形
成したことを特徴とする請求項5記載の内燃機関のシリ
ンダブロック。
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