JP2009243356A - シリンダライナの製造方法及びシリンダライナ製造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックとの密着力を部分的に向上させ、シリンダボア冷却能に分布を持たせることのできるシリンダライナを遠心鋳造のみにより製造すること。
【解決手段】シリンダライナ製造用金型11は、その内周の右側約半分の範囲13に、その内周に沿って円環状に形成された複数の溝部12を有する。遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法は、(1)第1の工程で、製造用金型11を回転させながら、その内周の溝部12に溶融ハンダ16を鋳込む。(2)第2の工程では、製造用金型11を回転させながら内周全体に溶融アルミニウムを鋳込むと共に、先に鋳込まれたハンダの上から溶融アルミニウムを鋳込む。(3)第3の工程では、製造用金型11を2分割することで、鋳造されたシリンダライナ1を型抜きする。
【選択図】 図7

Description

この発明は、エンジンのシリンダブロックに使用されるシリンダライナに係り、詳しくは、シリンダライナの製造方法及びシリンダライナ製造用金型に関する。
従来、シリンダライナのシリンダブロックに対する密着力は、シリンダライナの上側と下側の位置にかかわらず十分なものとは言えなかった。また、シリンダライナの温度は、燃焼室との関係から上側で高く、下側で低くなる傾向にあった。このため、シリンダライナとしては冷却能が低く、温度分布の不均一によって変形が生じるおそれがあった。
そこで、下記の特許文献1及び2には、シリンダライナによるシリンダボア冷却能をシリンダライナの上側と下側で分布を持たせるための、遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法が開示されている。ここで、特許文献1には、シリンダライナの外周に逆テーパをなす多数の突起を形成し、シリンダライナの外周の上側半分の部分に金属皮膜を形成することが記載されている。これにより、シリンダライナの上側の部分のシリンダブロックに対する密着力を向上させ、その部分の熱伝導性を良好にして温度を低下させている。
下記の特許文献2には、シリンダライナの部位による熱伝達の違いを生じさせるために、熱伝達を悪化させたい部位に数種類の表面皮膜を形成することが記載されている。これにより、シリンダライナによるシリンダボア冷却能に分布を持たせている。
特開2007−16733号公報 特開2007−16734号公報
ところが、特許文献1に記載の技術では、シリンダライナ製造後でないとシリンダライナの外周に金属皮膜を形成することができず、遠心鋳造とは別に金属被膜を形成する工程が必要となった。また、特許文献2に記載の技術では、熱伝達性を悪化させる方向でのみシリンダボア冷却能に分布を持たせているので、冷却能の調整範囲が狭くなる傾向があった。また、この技術は、熱伝達が良好な部位でのシリンダブロックとシリンダライナとの界面では、大部分が酸化膜の存在によって空隙を含む状態となっていた。これは既存の状態と同じであり、シリンダブロックとシリンダライナとの密着力が不十分となり、シリンダボア冷却能の向上が不十分になるおそれがあった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シリンダブロックとの密着力を部分的に向上させてシリンダボア冷却能に分布を持たせることのできるシリンダライナを遠心鋳造のみにより製造できるシリンダライナの製造方法を提供することにある。この発明の別の目的は、上記シリンダライナの製造方法に好適なシリンダライナ製造用金型を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法であって、内周の一部にてその内周に沿って形成された溝部を有する金型を回転させながら内周の溝部に溶融ハンダを鋳込む第1の工程と、金型を回転させながら内周の全体に溶融金属を鋳込むと共に鋳込まれた溶融ハンダの上から溶融金属を鋳込む第2の工程とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、第1の工程で、金型の内周の一部にて溝部に沿って溶融ハンダが鋳込まれる。第2の工程で、金型の内周の全体にて溶融金属が鋳込まれると共に先に鋳込まれた溶融ハンダの上から溶融金属が鋳込まれる。これにより、外周の一部にハンダよりなる凸条を有するシリンダライナが鋳造される。従って、このシリンダライナをシリンダブロックのシリンダボアに鋳包み鋳造することにより、凸条がある部分では、その凸条を介してシリンダライナとシリンダブロックとが凹凸の関係で接触し、凸条がない部分では、シリンダライナとシリンダブロックとが互いに直に接触する。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法であって、内周の一部にてその内周に沿って形成された溝部を有する金型を使用し、内周の溝部に固形ハンダを配置する第1の工程と、金型を回転させながら内周の全体に溶融金属を鋳込むと共に配置された固形ハンダの上から溶融金属を鋳込む第2の工程とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、第1の工程で、金型の内周の一部にて溝部に固形ハンダが配置される。第2の工程で、金型の内周の全体にて溶融金属が鋳込まれると共に先に配置された固形ハンダの上から溶融金属が鋳込まれる。これにより、外周の一部にハンダよりなる凸条を有するシリンダライナが鋳造される。従って、このシリンダライナをシリンダブロックのシリンダボアに鋳包み鋳造することにより、凸条がある部分では、その凸条を介してシリンダライナとシリンダブロックとが凹凸の関係で接触し、凸条がない部分では、シリンダライナとシリンダブロックとが互いに直に接触する。また、固形ハンダの表面における酸化膜の生成が抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、溝部は、内周に沿って円環状に形成され、内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、円環状をなす溝部が内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されるので、外周の少なくとも一部にハンダよりなる円環状の複数の凸条を有するシリンダライナが鋳造される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、溝部は、内周に沿って螺旋状に形成されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、溝部が内周に沿って螺旋状に形成されるので、外周の一部にハンダよりなる螺旋状の凸条を有するシリンダライナが鋳造される。鋳造後にシリンダライナを金型にて回転させることにより、シリンダライナが螺旋状の凸条により金型の軸線方向に沿って送り出されて型抜きされる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法に使用されるシリンダライナ製造用金型であって、内周の一部にてその内周に沿って円環状に形成された溝部を有し、溝部が内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載のシリンダライナの製造方法に好適に使用される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法に使用されるシリンダライナ製造用金型であって、内周の一部にてその内周に沿って螺旋状に形成された溝部を有することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項4に記載のシリンダライナの製造方法に好適に使用される。
請求項1に記載の発明によれば、シリンダブロックとの密着力を部分的に向上させ、シリンダボア冷却能に分布を持たせることのできるシリンダライナを遠心鋳造のみにより製造することができる。
請求項2に記載の発明によれば、シリンダブロックとの密着力を部分的に向上させ、シリンダボア冷却能に分布を持たせることのできるシリンダライナを遠心鋳造のみにより製造することができる。また、固形ハンダからなる凸条とシリンダブロックとの密着の確実性を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、シリンダライナの外周に円環状をなす複数の凸条を鋳造することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、シリンダライナの外周に螺旋状をなす凸条を鋳造することができる。また、シリンダライナの型抜きのために金型ばらす必要がなく金型の構成を簡略化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか一つに記載のシリンダライナの製造方法に好適に使用することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載のシリンダライナの製造方法に好適に使用することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明におけるシリンダライナの製造方法及びシリンダライナ製造用金型を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態のシリンダライナ1を概略的に斜視図により示す。図2に、図1の鎖線円S1の部分を拡大断面図により示す。シリンダライナ1は円筒形をなす本体2を備え、その本体2の上側約半分の外周に、円環状をなす複数の凸条3が互いに平行に設けられる。この実施形態で、本体2はアルミニウムより構成され、各凸条3はハンダより構成される。各凸条3は本体2と一体に鋳造される。
次に、この実施形態のシリンダライナの製造方法について説明する。この実施形態では、遠心鋳造による製造方法が採用される。図3に、この製造方法をフローチャートにより示す。図4に、この製造方法で使用されるシリンダライナ製造用金型11を断面図により示す。図5に、図4の鎖線楕円S2の部分を拡大断面図により示す。図6に、溝部12の構成の詳細を断面図により示す。図7〜図11に、この製造方法の各工程等を断面図により示す。
図4に示すように、製造用金型11は円筒形をなし、2分割可能に構成される。製造用金型11の軸線方向における片側約半分の部分には、その内周に複数の溝部12が設けられる。すなわち、図4の右側約半分の範囲13には、その内周に複数の溝部12が形成され、図4の左側約半分の範囲14には、溝部12は形成されておらず、その内周が平坦面をなしている。各溝部12は内周に沿って閉じた円環状に形成される。複数の溝部12は、内周の軸線方向に沿って平行に配列される。図5に示すように、各溝部12は断面台形状をなす。これら複数の溝部12により上記した各凸条3が成形される。図6に示すように、この実施形態で、溝部12の抜き勾配θ1は、「1°前後」に設定される。溝部12の深さD1は、「最大1mm程度」に設定される。この深さD1が凸条3の高さ(厚み)を決定する。ここで、溝部12の底幅を「W1」とし、隣り合う溝部12と堤部15の合計幅を「W2」とし、両者の比を「W1/W2」とすると、この実施形態では、「W1/W2」が「0.3〜0.7程度」の範囲に設定される。これは、底幅W1が小さいと凸条3のシリンダブロックに対する密着力が悪くなり、底幅W1が大きいと界面強度がハンダに依存することになり、「0.3〜0.7程度」が最も実用的な範囲となるからである。
次に、図3のフローチャートに付された各番号に従ってシリンダライナの製造方法を順次説明する。
(1)第1の工程では、遠心鋳造によりハンダを鋳込む。すなわち、図7に示すように、上記した製造用金型11をその軸線L1を中心に回転させながら、その金型11の内周の各溝部12に溶融ハンダ16を流し込む。このとき、製造用金型11の右側約半分の範囲13にてラドル17を往復動させながら各溝部12に溶融ハンダ16を流し込む。ここで、「遠心鋳造」とは、金型を軸線を中心に回転させることで発生する遠心力を利用して綿密な鋳物作製に用いられる鋳造方法である。製造用金型11を回転させながら溶融ハンダ16を溝部12に流し込むことで、遠心力によって溶融ハンダ16を各溝部12の隅々まで行き渡らせることができる。各溝部12に溶融ハンダ16を流し込んで2〜3秒程度経過すると、図8に示すように、溶融ハンダ16が各溝部12の中で凝固して凝固ハンダ16aとなる。
(2)第2の工程では、遠心鋳造によりアルミニウムを鋳込む。すなわち、図9に示すように、第1の工程で鋳込まれた凝固ハンダ16aと共に製造用金型11を回転させながら、その金型11の内周の全体に溶融金属としての溶融アルミニウム18を流し込むと共に先に鋳込まれた凝固ハンダ16aの上から溶融アルミニウム18を流し込む。このとき、製造用金型11の内周の軸線方向全域でラドル17を往復動させながら金型11の内周に溶融アルミニウム18を流し込む。この場合も、遠心力によって溶融アルミニウム18を金型11の内周の隅々まで行き渡らせることができる。溶融アルミニウム18を流し込んでから所定時間が経過すると、図10に示すように、凝固ハンダ16aと共に溶融アルミニウム18が凝固してシリンダライナ1が鋳造される。
(3)第3の工程では、鋳造されたシリンダライナ1を型抜きする。すなわち、図11に示すように、製造用金型11を2分割することにより、シリンダライナ1を金型11から取り出す。このようにして図1に示すシリンダライナ1が得られる。
以上説明したこの実施形態におけるシリンダライナの製造方法によれば、第1の工程で、製造用金型11の内周の右側約半分の範囲13にて複数の溝部12に沿って溶融ハンダ16が鋳込まれる。次に、第2の工程で、製造用金型11の内周の全体にて溶融アルミニウム18が鋳込まれると共に、先に鋳込まれた凝固ハンダ16aの上から溶融アルミニウム18が鋳込まれる。これにより、外周の片側約半分にハンダよりなる複数の凸条3を有するシリンダライナ1が鋳造される。従って、このシリンダライナ1をシリンダブロックのシリンダボアに鋳包み鋳造することにより、複数の凸条3が分布するシリンダライナ1の外周の片側約半分の部分では、複数の凸条3を介してシリンダライナ1とシリンダブロックとが凹凸の関係で接触する。また、凸条3がない部分では、シリンダライナ1とシリンダブロックとが互いに直に接触する。このため、このシリンダライナ1を凸条3のある部分を上にしてシリンダブロックのシリンダボアに立てて鋳包み鋳造することにより、シリンダライナ1の上側約約半分では、ハンダよりなる複数の凸条3によりシリンダブロックとの密着力を向上させることができる。このことから、複数の凸条3がある部分にてシリンダライナ1とシリンダブロックとの間の熱伝導性を良好にすることができ、その部分の温度を下側の部分よりも低下させることができる。これにより、シリンダライナ1の上側約半分と下側約半分との間で、シリンダライナ1によるシリンダボア冷却能に分布を持たせることができる。しかも、このようなシリンダライナ1を、被膜を形成するような後工程の必要なく、遠心鋳造のみにより製造することができる。つまり、この実施形態の製造方法によれば、シリンダブロックとの密着力を部分的に向上させ、シリンダボア冷却能に分布を持たせることのできるシリンダライナ1を遠心鋳造のみにより製造することができる。
図12に、鋳包み鋳造されたシリンダライナ1とシリンダブロック21との境界部分を拡大断面図により示す。図13に、図12の鎖線円S3の部分を横にして拡大断面図により示す。図14に、図13との比較例を拡大断面図により示す。図12に示すように、シリンダライナ1は、その外周の複数の凸条3が凹凸の関係でシリンダブロック21と接合していることが分かる。ここで、図13に示すように、凸条3の部分では、シリンダライナ1の本体2とシリンダブロック21とが凸条3(図13では扁平につぶれて示される。)を介して接合していることが分かる。ここで、シリンダブロック21と凸条3は、互いにほぼ隙間なく接合し、シリンダライナ1の本体2と凸条3も、同じようにほぼ隙間なく接合していることが分かる。これは、図14に示すように、シリンダブロック21とシリンダライナ1の本体2とが直に接触する従来例において、両者21,2の間に隙間22ができる状態と比較することで明らかである。
上記のシリンダライナ1によれば、シリンダブロックに鋳包み鋳造することで、シリンダライナ1の上側部分では、シリンダブロックとの密着力を高めて放熱を促進することができ、シリンダライナ1の下側部分では、シリンダブロックとの密着力はあまり上げずに蓄熱することができる。これにより、シリンダライナ1の上側部分と下側部分との間で温度差を少なくし、シリンダライナ1の内周の真円度を向上させることができる。この結果、シリンダライナ1のピストンとの摺動抵抗を低減させることができ、シリンダライナ1の上側部分での冷却能を向上させることができる。
この実施形態の製造用金型11は、円環状をなす溝部12が内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されるので、第1の工程で使用されることで、溶融ハンダ16が溝部12にて円環状に複数平行に鋳込まれる。また、第2の工程で使用されることで、溶融アルミニウム18が製造用金型11の内周の全体で円筒形に鋳込まれ、その外周の片側約半分の部分にて円環状に凝固したハンダ16aが一体に鋳造される。これにより、円筒形をなす本体2と、その本体2の片側約半分の外周にて平行に配列された円環状をなす複数の凸条3とを備えたシリンダライナ1を鋳造することができる。このため、この製造用金型11を、上記したシリンダライナの製造方法に好適に使用することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明におけるシリンダライナの製造方法及びシリンダライナ製造用金型を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
図15に、シリンダライナの製造方法で使用されるシリンダライナ製造用金型31を断面図により示す。図16に、第3の工程におけるシリンダライナの型抜きを断面図により示す。この実施形態の製造用金型31は、溝部32が内周に沿って螺旋状に形成される点で第1実施形態と構成が異なる。この螺旋状の溝部32を有する製造用金型31は一体物であり、2分割することはできない。この実施形態で、その他の構成及びこの製造用金型31を使用したシリンダライナの製造方法は、第1実施形態のそれと基本的に同じである。
従って、この実施形態では、溝部32が製造用金型31の内周に沿って螺旋状に形成されるので、図3に示す(1)第1の工程では、溶融ハンダが螺旋状の溝部32にて螺旋状に鋳込まれる。次に、図3に示す(2)第2の工程では、溶融アルミニウムが製造用金型32の内周の全体にて筒状に鋳込まれ、その鋳込まれた溶融アルミニウムと共にハンダよりなる螺旋状の凸条4が鋳造される。その後、図3に示す(3)第3の工程では、鋳造されたシリンダライナの型抜きに際して、図16に示すように、鋳造後のシリンダライナ1を製造用金型31にて回転させる。これにより、シリンダライナ1が螺旋状の凸条4によって製造用金型31の軸線方向に沿って送り出されて型抜きされる。このため、シリンダライナ1の型抜きのために、製造用金型31を分割してばらす必要がない。その意味で、製造用金型31の構成を簡略化することができる。
この実施形態の製造用金型31は、螺旋状の溝部32が内周に形成されるので、第1の工程で使用されることで、溶融ハンダが溝部32にて螺旋状に鋳込まれる。また、第2の工程で使用されることで、溶融アルミニウムが製造用金型11の内周の全体で円筒形に鋳込まれ、その外周の片側約半分の部分にて螺旋状に凝固したハンダが一体に鋳造される。これにより、円筒形をなす本体2と、その本体2の片側約半分の外周にて螺旋状をなす凸条4とを備えたシリンダライナ1を鋳造することができる。このため、この製造用金型31を、上記したシリンダライナの製造方法に好適に使用することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明におけるシリンダライナの製造方法及びシリンダライナ製造用金型を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図17に、この実施形態のシリンダライナの製造方法をフローチャートにより示す。図18に、第1の工程を断面図により示す。
この実施形態では、シリンダライナの製造方法における第1の工程の点で第1実施形態と構成が異なる。すなわち、図17に示すように、(1)第1の工程で、固形ハンダを溝部へ填め込む。つまり、図18に示すように、円環状をなす固形ハンダ33を予め複数準備しておき、それら固形ハンダ33を各溝部12にそれぞれ填め込むことにより、固形ハンダ33を各溝部12に配置する。ここで、固形ハンダ33の形態は、各溝部12に収まる形状であれば良い。その後の(2)第2の工程及び(3)第3の工程の内容は、基本的に第1実施形態のそれと同じである。
従って、この実施形態では、予め準備された固形ハンダ33を溝部3に填め込んでアルミニウムの本体2と一体に鋳造するので、固形ハンダ33の表面における酸化膜の生成が抑えられる。このため、固形ハンダ33の表面における酸化膜の生成を抑えた分だけ、その固形ハンダ33からなる凸条3とシリンダブロックとの密着の確実性を高めることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより以下のように実施することもできる。
前記各実施形態では、製造用金型11,31の片側約半分の内周に溝部12,32を設けたが、この溝部を設ける範囲を適宜に拡大又は縮小することもできる。
前記第3実施形態では、各溝部12に円環状をなすなす固形ハンダ33を填め込むようにしたが、固形ハンダは溝部に収まる形状であれば良く、粒状のものでも良い。
前記第3実施形態では、円環状をなす複数の溝部12に円環状をなすなす固形ハンダ33を填め込むようにしたが、螺旋状の溝部32を有する製造用金型31を使用する場合は、固形ハンダを螺旋状に形成すればよい。
第1実施形態に係り、シリンダライナを概略的に示す斜視図。 同じく、図1の鎖線円の部分を示す拡大断面図。 同じく、シリンダライナの製造方法を示すフローチャート。 同じく、シリンダライナ製造用金型を示す断面図。 同じく、図4の鎖線楕円の部分を示す拡大断面図。 同じく、溝部の構成の詳細を示す説明図。 同じく、第1の工程における溶融ハンダの鋳込みを示す断面図。 同じく、溶融ハンダ鋳込み後の状態を示す断面図。 同じく、第2の工程における溶融アルミニウムの鋳込みを示す断面図。 同じく、溶融アルミニウム鋳込み後の状態を示す断面図。 同じく、第3の工程におけるシリンダライナの型抜きを示す断面図。 同じく、鋳包み鋳造されたシリンダライナとシリンダブロックとの境界部分を示す拡大断面図。 同じく、図12の鎖線円の部分を示す拡大断面図。 図13との比較例を示す拡大断面図。 第2実施形態に係り、シリンダライナ製造用金型を示す断面図。 同じく、第3の工程におけるシリンダライナの型抜きを示す断面図。 第3実施形態に係り、シリンダライナの製造方法を示すフローチャート。 同じく、第1の工程における固形ハンダの溝部填め込みを示す断面図。
符号の説明
1 シリンダライナ
2 本体
3 凸条
4 凸条
11 シリンダライナ製造用金型
12 溝部
13 右側約半分の範囲
16 溶融ハンダ
16a 凝固ハンダ
18 溶融アルミニウム(溶融金属)
31 シリンダライナ製造用金型
32 溝部
33 固形ハンダ

Claims (6)

  1. 遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法であって、
    内周の一部にてその内周に沿って形成された溝部を有する金型を回転させながら前記内周の溝部に溶融ハンダを鋳込む第1の工程と、
    前記金型を回転させながら前記内周の全体に溶融金属を鋳込むと共に前記鋳込まれた溶融ハンダの上から前記溶融金属を鋳込む第2の工程と
    を備えたことを特徴とするシリンダライナの製造方法。
  2. 遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法であって、
    内周の一部にてその内周に沿って形成された溝部を有する金型を使用し、前記内周の溝部に固形ハンダを配置する第1の工程と、
    前記金型を回転させながら前記内周の全体に溶融金属を鋳込むと共に前記配置された固形ハンダの上から前記溶融金属を鋳込む第2の工程と
    を備えたことを特徴とするシリンダライナの製造方法。
  3. 前記溝部は、前記内周に沿って円環状に形成され、前記内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法。
  4. 前記溝部は、前記内周に沿って螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダライナの製造方法。
  5. 遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法に使用されるシリンダライナ製造用金型であって、
    内周の一部にてその内周に沿って円環状に形成された溝部を有し、前記溝部が前記内周の軸線方向に沿って複数平行に配列されたことを特徴とするシリンダライナ製造用金型。
  6. 遠心鋳造によるシリンダライナの製造方法に使用されるシリンダライナ製造用金型であって、
    内周の一部にてその内周に沿って螺旋状に形成された溝部を有することを特徴とするシリンダライナ製造用金型。
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