JP7295308B1 - シリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】リサイクル性能の面で改善することができ、かつ更なる軽量化を達成することができ、もって環境性能を向上させることができるシリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機構を提供する。【解決手段】往復動機関に設けられるシリンダライナであって、当該シリンダライナ30は、往復動機関におけるシリンダ21の内面21iのうち、該シリンダ21内を往復動するピストン40に装着されたピストンリング50が摺動する領域の一部にのみ設けられ、シリンダ21の軸方向に沿ったライナ全長Lがシリンダの内径Bよりも小さく、軸方向においてピストンリング50の下死点側寄りの端部である一方の下端部30dに凹凸32が形成された構造である。【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機関に関する。
往復動機関、例えば自動車用エンジンなどの内燃機関に用いられるシリンダブロックにおいて、シリンダの内周側には、エンジンの内部を構成する重要機能部品の一つであるシリンダライナが配置される(例えば特許文献1参照)。シリンダライナが配置されたシリンダブロックを製造するための手法のひとつには、シリンダブロック用の鋳型内にあらかじめシリンダライナを配置し、鋳型内に鋳造材料を流し込んで、シリンダライナの外周を鋳造材料で鋳包むというものがある。このような、シリンダブロックを製造するための手法において、鋳型内にあらかじめ配置されるシリンダライナとしては、シリンダブロックとの間の接合強度を向上させるため、シリンダライナの外周面に複数の突起を有するスパイニライナが知られている。一方、シリンダブロックにシリンダライナを挿入するというものもあり、冷却水がシリンダライナに直接触れない乾式と、冷却水がシリンダライナに直接触れる湿式とがある。
特許第6528736号
しかし、上記のごとくシリンダライナの外周を鋳造材料で鋳包む場合、特にシリンダライナが表面に複数の突起を有するスパイニライナである場合、シリンダブロックから当該シリンダライナを取り出し分離することが困難となる。このことは、特に昨今におけるように廃棄物のリサイクルに対する意識が高い状況下、環境にとって優しいものとは言い難い。また、鋳包み、乾式、湿式を問わず、従来のシリンダライナを軽量化することには限界があったという面もある。また、内燃機関においては、かつての高回転・高出力域を重視した設計だけではなく、燃費のよい低回転・中負荷域を重視した設計がなされるものも見受けられる。
そこで、本発明は、リサイクル性能を改善することができ、かつ更なる軽量化を達成することができ、もって環境性能を向上させることができる新規な構造のシリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機関を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、往復動機関に設けられるシリンダライナであって、
当該シリンダライナは、
往復動機関におけるシリンダの内面のうち、該シリンダ内を往復動するピストンに装着されたピストンリングが摺動する領域の一部にのみ設けられ、
シリンダの軸方向に沿ったシリンダライナ全長が当該シリンダの内径よりも小さいシリンダライナである。
上記のごとき態様のシリンダライナは、その外周を鋳造材料で鋳包むものとは異なる構造である、ブロックとの接合強度を高めるための複数の突起を有していない、あるいは、必ずしも鋳包みで製造する必要がないといったことから、廃棄処分するといった際、シリンダブロックから取り出して分離することが可能となっている。したがって、昨今におけるように廃棄物のリサイクルに対する意識が高い状況下、リサイクル性能の面を改善し、もって環境にとって優しい構造を提供することが可能となる。
上記のごときシリンダライナは、中心軸から径方向外側に向かって見た場合に軸方向においてピストンリングの下死点側寄りの端部である一方の端部に軸方向長さが変化する凹凸が形成された構造であってもよい。
また、上記のごとき態様のシリンダライナは、ピストンリングが摺動する領域の一部にのみ設けられていて、かつ、軸方向においてピストンリングの下死点側寄りの端部である一方の端部に軸方向長さが変化する凹凸が形成されているものであり、これにより、ピストンリングの摺動領域におけるシリンダライナとシリンダブロック境界部分の段差を緩和してピストン・ピストンリングの動作に影響を与えないようにしつつ、シリンダライナの全長(軸方向長さ)を短くして小型化・軽量化を図ることを可能としている。
上記のごときシリンダライナにおいて、凹凸のうち下死点側に突出する凸部は、ピストンリングの下死点側に向かうにつれて軸方向長さが徐々にまたは段階的に長くなる形状に形成されていてもよい。
上記のごときシリンダライナにおいて、凹凸を形成する複数の凸部が周方向に連続して配置されていてもよい。
上記のごときシリンダライナにおいて、径方向厚みが徐々にまたは段階的に変化してもよい。
上記のごときシリンダライナにおいて、ピストンリングの下死点側に向かうにつれて当該シリンダライナの内径が徐々に増大して拡径するテーパ状に形成されていてもよい。
上記のごときシリンダライナの外周に接着層が設けられていてもよい。
上記のごときシリンダライナの外周の少なくとも一部に螺合部が形成されていてもよい。
上記のごときシリンダライナにおいて、凹凸のうち下死点側に突出する凸部の軸方向長さが、螺合部の螺子のピッチよりも短くてもよい。
本発明の別の態様に係る往復動機関は、上記のごときシリンダライナの内径が、上記のシリンダの内径以下であってもよい。
上記のごとき往復動機関において、上記のシリンダライナが、上記のシリンダの内面のうち、少なくともピストンリングに対する耐摩耗性が必要とされる部分に設けられているというものである。
上記のごとき往復動機関において、上記のシリンダライナが、上記のシリンダの内面のうち、上記のピストンリングの上死点付近の領域に設けられていてもよい。
本発明によれば、リサイクル性能の面で改善することができ、かつ更なる軽量化を達成することができ、もって環境性能を向上させることができる新規な構造のシリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機関を提供することができる。
本発明の一実施形態における往復動機関の内部構造を示す図である。 往復動機関の内部における、ピストンの上死点付近と下死点付近における内部構造を拡大して示す軸方向断面図である。 中心軸から径方向外側に向かって見た場合における、シリンダライナの下端部の凹凸の種々の態様を示す図である。 シリンダライナの下方(下死点側寄り)の端部付近における、当該シリンダライナとシリンダブロックの境界部分の態様の例を示す部分軸方向断面図である。 シリンダライナの下方(下死点側寄り)の端部付近における断面形状の例を示す部分軸方向断面図である。 シリンダライナとシリンダブロックとの螺合部分の態様の一例を示す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する(図1等参照)。
本発明に係るシリンダライナ30は、往復動機関10のシリンダブロック20において、当該シリンダブロック20等で構成されるシリンダ21の内面21i側に、当該往復動機関10の内部を構成する重要機能部品の一つとして設けられるものである。以下では、往復動機関10内部のシリンダ21まわりの構造の概略を説明し、その後、シリンダライナ30の種々の形態を説明することとする。
≪往復動機関の内部構造≫
本実施形態における往復動機関10には、シリンダ21、ピストン40等が設けられている(図1参照)。シリンダブロック20は、シリンダ21とシリンダライナ30とで構成されている。中心軸Zに沿って往復動するピストン40には、トップリング51、セカンドリング52からなるピストンリング50が装着されている(図1、図2参照)。このピストン40とシリンダーヘッド(図示しない)との間のスペースにガスを圧縮させる圧縮室16が形成される。
なお、以下では、中心軸Zに沿った方向のうち、ピストン40が圧縮室16に向かって移動する方向(シリンダ容積が最小となる方向)を便宜的に「上方」といい、これとは逆にピストン40が圧縮室16から離れる方向(シリンダ容積が最大となる方向)を便宜的に「下方」と称する。なお、水平対向型のような往復動機関10などにおいてはこのような「上方」「下方」という表現がすべてのシリンダ21に同時に当てはまらないことが起こりうるが、本明細書ではある一つのシリンダ21に着目し、説明の便宜のためにピストン40の動作方向に基づきこのように表現していることに留意されたい。ピストン40のストロークZ1は、当該ピストン40の上死点(シリンダ容積が最小となる方向側の端点を上死点といい、上死点にあるピストンを図2において符号40tで示す)から下死点(シリンダ容積が最大となる方向側の端点を下死点といい、下死点にあるピストンを図2において符号40bで示す)までの長さに相当する(図2参照)。これに対し、ピストン40に装着されたピストンリング50が摺動する領域(長さ)は、厳密にいえば、上記のストロークZ1に、トップリング51の溝上面からセカンドリング52の溝下面までの距離Z2を加えた長さZ3ということになる(図2参照)。ただし、これはピストンリング50がトップリング51、セカンドリング52の2つで構成されている場合の説明であって、ピストンリングにはこれ以外の構成もあることはいうまでもない。
≪シリンダライナの態様≫
シリンダライナ30は、シリンダ21の内面21iのうち、ピストンリング50が摺動する領域(中心軸Z方向の長さZ3)の一部にのみ設けられている。その具体例は、例えば、シリンダライナ30の下死点側寄りとなる一方の下端部30dが下死点におけるピストンリング50よりも上方にある態様(図2参照)のように部分的に設けられたシリンダライナ(本明細書では便宜的に「部分ライナ」と称する場合がある)や、下端部30dに凹凸32が付されていて中心軸Z方向の長さ(高さ)が不揃いでありそのうちの一部のみが下死点におけるピストンリング50よりも上方にある態様の部分ライナなどである。これらについては後述するが、要は、本実施形態では、シリンダ21やピストン40に作用する負荷が比較的に高くはない往復動機関10を主な適用対象としたうえで、シリンダ21の内面21iのうち少なくともピストンリング50に対する耐摩耗性が必要とされる部分にシリンダライナ30を設け、これによって必要な部分のみ強化しつつ更なる軽量化を達成することを可能とする。
具体的な一例として、本実施形態では、シリンダライナ30の中心軸Zに沿った長さ(ライナ全長)Lを、シリンダの内径Bよりも小さくしている(図2参照)。一般的な内燃機関においては、シリンダの内径BとストロークZ1の比が1.0前後(0.7~1.3程度)の構造であったり、ライナ全長がストローク+α(すなわち、ストロークの長さよりも上端や下端が少し長い)構造であったりするのに対し、このようにL<Bとした本実施形態の構成によれば、必然的にシリンダライナ30の全長Lがそのぶん短くなっている。
[シリンダライナの凹凸]
シリンダライナ30の下端部30dに形成される凹凸32の態様には種々のものが考えられる。以下、具体例を説明する(図3参照)。なお、図3に例示する態様は、すべて、中心軸Zから径方向外側に向かって見た場合の凹凸32の一部の形状であることに留意されたい。
<凹凸の態様その1>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が、下方に向かうにつれて軸方向長さが徐々にまたは段階的に長くなる(下死点に向かって周方向の幅が狭くなる)形状であってもよい。また、凸部33は、例えば頂点が下方を向く三角形のような、先端が尖った形状であってもよい(図3(A)参照)。この場合の三角形は例えば二等辺三角形である。
<凹凸の態様その2>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が、二等辺三角形以外の形状の三角形状であってもよい(図3(B)参照)。
<凹凸の態様その3>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が矩形状になっていてもよい(図3(C)参照)。
<凹凸の態様その4>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が、軸方向長さが段階的に長くなる(下死点に向かって周方向の幅が狭くなる)ような段部を備えた形状であってもよく、具体的には、段差が設けられた段付きの矩形状になっていてもよい(図3(D)参照)。
<凹凸の態様その5>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が台形状になっていてもよい(図3(E)参照)。特に図示してはいないが、段差が設けられた段付きの形状になっていてもよい。
<凹凸の態様その6>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が円弧状あるいは楕円状になっていてもよい(図3(F)参照)。
<凹凸の態様その7>
凹凸32のうち下方に向けて突出する凸部33が波形あるいは雲形のように湾曲した縁を有する形状になっていてもよい(図3(G)参照)。
<凹凸の態様その8>
特に図示してはいないが、上記のような複数の凸部33が周方向に連なって配置されていてもよい。あるいは、複数の凸部33が連なるのではなく所定の間隔を空けて断続的に配置されていてもよい。
<凹凸の態様その9>
特に図示してはいないが、凹凸32のうち下方に向けて突出する複数の凸部33が、上記したような各態様の組み合わせとなっていてもよい。別言すれば、周方向に沿って見た場合に、各凸部33が同じ形状の繰り返しではなく、異なった形状の組み合わせになっていてもよい。
ここまで例示したような凹凸32がシリンダライナ30の下端部30dに形成されている場合の利点には以下のようなものがある。すなわち、例えば圧入タイプである薄肉乾式ライナのようなシリンダライナ30をシリンダ21に装着し、その後でシリンダライナ30とシリンダ21の内面21iの内周段差除去加工(例えばホーニング)を行う際、凹凸32を設け、段差同士が噛み合いをすることによってシリンダライナ30の周方向回転を防止し(凹凸32がブロック側と噛み合う)、シリンダライナ30が供回りしてしまうのを抑制することができる。また、上述したごとく、シリンダライナ30の下端部30dがピストンリング50よりも上方にある態様の部分ライナにおいては(図2参照)、ピストン40が往復動した際、ピストンリング50の摺動領域がシリンダライナ30からシリンダ21へと(あるいはその逆へと)一気に切り替わるとすれば往復動の抵抗になってしまうかもしれないが、本実施形態のごとく下端部30dに凹凸32を設けていれば、段差を乗り越える際、ピストンリング50が受ける衝撃が緩和され、切り替わりが緩やかになる結果、往復動の抵抗が少なくて済む。つまり、凹凸32が存在することで、シリンダライナ30とシリンダ21の境界部分でピストンリング50の摺動がスムーズになる(凹凸32がないと、シリンダライナ30とシリンダ21の境界部分でピストンリング50が引っ掛かりピストンリング50が変形したり、シリンダライナ30にキズを発生させたりなど不具合がでる)。
凸部の長さ(高さ)は例えば1mm以上でもよく、2mm以上でもよい。また加工効率を考慮し5mm以下でもよく、4mm以下でもよい。
[シリンダライナとシリンダの境界部分]
シリンダライナ30とシリンダ21の軸方向における境界部分の態様には種々のものがある。当該部分は、特に、境界における段差を少なくするといった観点で構成されていることが好ましい。
<境界部分の態様その1>
シリンダライナ30は、径方向の厚み(肉厚)tが一定であること、別言すれば周方向360°のいずれの箇所においても同等ないしは均一であり、また、中心軸Z方向においても同等ないしは均一であってもよい(図4(A)参照)。なお、図4(A)中の符号30Dはシリンダライナ30の内径を表し、符号21Dはシリンダ21の内径を表している。
<境界部分の態様その2>
シリンダライナ30は、下端部30dに近づくにつれ、当該シリンダライナ30の内径30Dが徐々に増大して拡径するようなテーパ状に形成されていてもよい(図4(B)参照)。なお、図4(B)においてはシリンダライナ30のテーパ状部分を符号30tで示している。この場合は、特に、シリンダライナ30のうちシリンダ21との境界近傍(別言すれば、当該シリンダライナ30のうち下端部30dの付近)において緩やかに拡径し、当該シリンダ21の内径21Dに近づくような形状であると、内径の変化が緩やかでかつシリンダライナ30とシリンダ21の内面21iの内周段差が極めて少なくなる点で好ましい。このような構造とするにあたっては、シリンダ21内にシリンダライナ30を設けた後(図4(A)参照)、内周段差除去加工(例えばホーニング)を行うことによって当該部分をテーパ状に研磨してもよいし、下端部30d付近があらかじめテーパ状とされたシリンダライナ30をシリンダ21に設けることとしてもよい(図4(B)参照)。
<境界部分の態様その3>
シリンダ21の内周のうちシリンダライナ30の非装着部分に、初期馴染み層24を設けておき(この場合、基本的には、当該シリンダライナ30の内径30Dがシリンダ21の内径21D以下となる)、ピストン40を組付けた後の試運転で面出し(内周面を馴染ませて面を整える)をすることとしてもよい(図4(C)参照)。こうした場合、上記の段差除去加工を省略できる場合がある。初期馴染み層24を構成する部材や材質には、例えば軟質金属、樹脂コート等がある。また、シリンダライナ30側の内周もシリンダ21側の内周もホーニングなどで加工し潤滑油保持用溝をつけても良い。
[シリンダライナの下端部の形状]
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状は種々のものとすることができる。以下、図に示しながら具体例を説明する(図5参照)。
<シリンダライナの下端部の態様その1>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状は、中心軸Zに垂直なストレート形状であってもよい(図5(A)参照)。
<シリンダライナの下端部の態様その2>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状は、中心軸Zに対して傾斜したテーパ形状となっていてもよい。この場合の一例は、当該シリンダライナ30の外周側から内周側に向かうにつれ下方(下死点側寄り)に向かうように傾斜するテーパ形状である(図5(B)参照)。こうした場合は、特に、当該テーパ形状に対向する部分の形状という観点で、シリンダ21を比較的加工しやすいということができる。
<シリンダライナの下端部の態様その3>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状は、テーパ形状であって尚かつ、上記態様とは逆に、当該シリンダライナ30の外周側から内周側に向かうにつれ上方(上死点側寄り)に向かうように傾斜するテーパ形状であってもよい(図5(C)参照)。こうした場合には、シリンダ21が熱膨張をしても段差ができにくい。
<シリンダライナの下端部の態様その4>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状はステップ状であってもよい。この場合の一例は、当該シリンダライナ30の外周側から内周側に向かうにつれ上方(上死点側寄り)に向かうように段差が形成された形状である(図5(D)参照)。また、図5(D)に示したステップ形状はシリンダ21が熱膨張しても段差ができにくい。
<シリンダライナの下端部の態様その5>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状はステップ状であって尚かつ、上記の態様とは逆に、当該シリンダライナ30の外周側から内周側に向かうにつれ下方(下死点側寄り)に向かうように段差が形成された形状である(図5(E)参照)。
<シリンダライナの下端部の態様その6>
シリンダライナ30の下端部30dの端面形状は、上記した各態様を組み合わせた形状であってもよい。一例と示すと、下端部30dの端面形状は、当該シリンダライナ30の外周側から内周側に向かう途中まではストレート形状であり、途中から下方(下死点側寄り)に向かうように傾斜するテーパ形状になるという、上記の態様1と態様2とを組み合わせたような形状であってもよい(図5(F)参照)。
なお、これらは一例であって、特にこれらに限定されない。
[シリンダへのシリンダライナの組み付け方]
シリンダ21へのシリンダライナ30の組み付け方にもまた種々のものがある。以下、2つの具体例を示す。
<接合の態様その1>
筒状に形成されたシリンダライナ30を、シリンダ21の圧縮室16側の開口部(デッキ面側)から挿入する手法によって、当該シリンダライナ30をシリンダ21に組み付けることができる。
<接合の態様その2>
筒状に形成されたシリンダライナ30を、シリンダ21を鋳造する際に鋳包むことによって当該シリンダ21に組み付けることができる。なお、螺子の場合には、往復動機関10を廃棄する際に、強制的にシリンダライナ30を回転させることで、シリンダ21から取り外すことができる。例えば、図3(B)の場合、シリンダライナ30を凸部33の長辺側方向に回転させることで、シリンダ21から取り外しやすくなる。なお、図3(B)では直角三角形の凸部33を例示しているがそれ以外の形状でもよい。
[シリンダライナとシリンダとの接合部分]
シリンダライナ30とシリンダ21との接合の手法や当該部分の態様には種々のものがある。
<接合部分の態様その1>
特に図示してはいないものの、シリンダライナ30の外周に接着層が設けられていてもよい。これより、シリンダライナ30とシリンダ21との接合強度を向上させることができる。なお、内燃機関の場合は、例えば200℃以上の融点を有する金属や合金などを接着層に適用できる。
<接合部分の態様その2>
筒状に形成されたシリンダライナ30を、シリンダ21の圧縮室16側の面(デッキ面)側の開口部から挿入して組み付ける構成とする場合に、焼きばめ、若しくは冷やしばめとすることができる。
<接合部分の態様その3>
上記「接合の態様その2」のごとく鋳包むことによってシリンダライナ30をシリンダ21に組み付ける場合、シリンダライナ30には鋳造時に圧縮応力が作用する。この点をふまえ、シリンダライナ30の下端部30dに回り止めとして機能するような凹凸をあえて設けないでおくという選択をしてもよい。
<接合部分の態様その4>
シリンダライナ30の外周にあらかじめ螺合部36を形成しておいてもよい。例えば、上記「接合の態様その2」のごとく鋳包むことによってシリンダライナ30をシリンダ21に組み付ける場合、特にこの螺合部36の部分でシリンダ21と接合する構成としてもよい(図6参照)。このようにシリンダライナ30の外周の一部を螺子状とした場合には、廃棄処分等の際、シリンダライナ30を回転させることでシリンダ21から取り外して分別することもできる。更に、螺合部36のピッチより凸部33の高さが低い方がシリンダライナを抜きやすい。
ここまで説明したとおり、本実施形態のシリンダライナ30は、その外周すべてを鋳造材料で鋳包む従来構造のものとは異なり、廃棄処分等の際、シリンダ21から取り出し分離・分別することが可能であるため、とくにリサイクル性能の面を改善し、環境にとって優しい構造である往復動機関10を実現する。また、本実施形態では、ピストンリング50が摺動する領域の一部にのみシリンダライナ30を設けるという構成としたことから、そのぶん、当該シリンダライナ30の全長(軸方向長さ)を短くして小型化・軽量化を図ることを可能としている。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述の実施形態では、ピストンリング50が摺動する領域のうち、下死点付近の一部を除く部分にのみシリンダライナ30を設ける構成、別の表現をすれば、少なくともピストンリング50の上死点付近の領域をカバーするようにシリンダライナ30を設ける構成の一例を示したが、これは好適例にすぎない。要は、上記実施形態は、シリンダ21の内面21iのうち少なくとも耐摩耗性が必要とされる部分にシリンダライナ30を設けるようになっていればよい。また、ピストンリング50といえばその代表的な例にはトップリング51、セカンドリング52を含むものがあるが(図1等参照)、このような構成に限定されることがないことはいうまでもない。また、上記した内容の適用範囲が内燃機関に限定されることはないし、クランク機構に限定されることもない。また、上記したシリンダライナ30は、乾式、湿式ライナのように内周面が仕上げられた後にブロックに挿入される必要はなく、アルミ合金や樹脂などの(鋳鉄以外の)ブロックにも適用可能である。
本発明は、シリンダライナおよびシリンダライナを備えた往復動機関に適用して好適なものである。
10…往復動機関
16…圧縮室
20…シリンダブロック
21…シリンダ
21i…シリンダの内面
24…初期馴染み層
30…シリンダライナ
30d…シリンダライナのうち下死点側寄りの下端部(一方の端部)
30D…シリンダライナの内径
30t…テーパ部分
32…端部に形成された凹凸
33…凹凸のうちの凸部
36…螺合部
40…ピストン
40b…下死点におけるピストン
40t…上死点におけるピストン
50…ピストンリング
51…トップリング
52…セカンドリング
B…シリンダの内径
L…シリンダライナの全長(ライナ全長)
t…シリンダライナの肉厚(径方向厚み)
Z…中心軸
Z1…ピストンのストローク
Z2…トップリングの溝上面からセカンドリングの溝下面までの距離
Z3…ピストンに装着されたピストンリングが摺動する領域(長さ)


Claims (12)

  1. 往復動機関に設けられるシリンダライナであって、
    当該シリンダライナは、
    前記往復動機関におけるシリンダの内面のうち、該シリンダ内を往復動するピストンに装着されたピストンリングが摺動する領域の一部であって、前記ピストンリングの下死点付近の一部を除く部分に設けられ、
    前記シリンダの軸方向に沿ったシリンダライナ全長が当該シリンダの内径よりも小さく、
    前記シリンダの圧縮室側の開口部からのみ挿入される構造のシリンダライナ。
  2. 軸方向において前記ピストンリングの下死点側寄りの端部である一方の端部に軸方向長さが変化する凹凸が形成された構造である、請求項1に記載のシリンダライナ。
  3. 前記凹凸のうち前記下死点側に突出する凸部は、前記ピストンリングの下死点側に向かうにつれて軸方向長さが徐々にまたは段階的に長くなる形状に形成されている、請求項2に記載のシリンダライナ。
  4. 前記凹凸を形成する複数の凸部が周方向に連続して配置されている、請求項2または3に記載のシリンダライナ。
  5. 径方向厚みが徐々にまたは段階的に変化する、請求項2から4のいずれか一項に記載のシリンダライナ。
  6. 記ピストンリングの下死点側に向かうにつれて当該シリンダライナの一部における内径が徐々に増大して拡径するテーパ状に形成されている、請求項2から5のいずれか一項に記載のシリンダライナ。
  7. 当該シリンダライナの外周に接着層が設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシリンダライナ。
  8. 当該シリンダライナの外周の少なくとも一部に螺合部が形成されている、請求項からのいずれか一項に記載のシリンダライナ。
  9. 前記凹凸のうち前記下死点側に突出する凸部の軸方向長さが、前記螺合部の螺子のピッチよりも短い、請求項8に記載のシリンダライナ。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のシリンダライナが当該シリンダライナの内径が、前記シリンダの内径以下である、往復動機関。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載のシリンダライナが、前記シリンダの内面のうち、少なくとも前記ピストンリングに対する耐摩耗性が必要とされる部分に設けられている、往復動機関。
  12. 前記シリンダライナが、前記シリンダの内面のうち、前記ピストンリングの上死点付近の領域に設けられている、請求項11に記載の往復動機関。
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