JP2018003673A - シリンダブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼行程時の熱変形を抑えつつ軽量なシリンダブロックを提供する。【解決手段】シリンダブロックは、鋳込みシリンダライナ21と溶射シリンダライナ26とを有する。鋳込みシリンダライナ21は、鋳鉄からなる中空円筒体をアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体10に鋳込んで形成されている。溶射シリンダライナ26は、溶接のろう材として用いられる炭素鋼がシリンダ12の内壁に溶射されて形成されており、溶射シリンダライナ26の厚さは、鋳込みシリンダライナ21の厚さよりも薄い。そして、鋳込みシリンダライナ21におけるクランクケース11側の端部は、シリンダ12の内壁のうちのピストン30が摺接可能な部位における最もクランクケース11寄りの位置である下死点よりもデッキ面13側に位置し、溶射シリンダライナ26は、鋳込みシリンダライナ21におけるクランクケース11側の端部からクランクケース11側に延びている。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに関する。
シリンダブロックの軽量化を図るため、鋳鉄製に代えてアルミニウム合金製のシリンダブロックが知られている。特許文献1には、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体に鋳鉄製のシリンダライナを鋳込むことで剛性や耐摩耗性を向上させたシリンダブロックが開示されている。
特開2015‐048828号公報
特許文献1に開示されているシリンダブロックでは、シリンダブロック本体をアルミニウム合金製とすることで軽量化を図っているものの、鋳鉄製のシリンダライナの分だけ重量が増加してしまうという問題があった。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するためのシリンダブロックは、シリンダとクランクケースとを構成するシリンダブロックであって、鉄系金属材料からなる中空円筒体をアルミニウム系金属材料からなるシリンダブロック本体に鋳込んで形成されている鋳込みシリンダライナと、鉄系金属材料が前記シリンダの内壁に溶射されて形成されている溶射シリンダライナと、を有し、前記溶射シリンダライナの厚さは、前記鋳込みシリンダライナの厚さよりも薄く、前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部は、前記シリンダの内壁のうちのピストンが摺接可能な部位における最もクランクケース寄りの位置である下死点よりもデッキ面側に位置し、前記溶射シリンダライナは、前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部から前記クランクケース側に延びていることをその要旨とする。
上記構成によれば、シリンダライナ全体を鋳込みシリンダライナにより構成した場合と比較して、シリンダブロックにおける鋳込みシリンダライナの占める割合が小さくなる。また、鋳込みシリンダライナが設けられていない部分には、溶射シリンダライナが設けられているものの、その厚さは鋳込みシリンダライナの厚さよりも薄い。したがって、シリンダブロックを軽量化することができる。
また、溶射シリンダライナを構成する鉄系金属材料は、シリンダブロック本体を構成するアルミニウム系金属材料よりも硬度が高いため、耐摩耗性が高い。シリンダの内壁のピストンが摺動可能な部分の一部は、この溶射シリンダライナにより構成されている。このため、上記摺動可能な部分の一部における耐摩耗性を確保することができる。
さらに、シリンダにおけるデッキ面寄りの部分は、燃焼行程時の熱変形、燃焼圧が作用することによる変形など、混合気の燃焼に伴う変形が生じやすい。しかし、このデッキ面寄りの部分には、鋳込みシリンダライナが配置されている。鋳込みシリンダライナを構成する鉄系金属材料は、シリンダブロック本体を構成するアルミニウム系金属材料よりも線膨張係数が低く、剛性も高い。したがって、シリンダにおけるデッキ面寄りの部分の変形が生じにくくなる。すなわち、上記構成によれば、シリンダブロックを軽量化しつつも、シリンダの変形を抑制することができる。
上記シリンダブロックでは、前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部が、前記デッキ面と前記下死点との間の中央に位置する構成を採用することが好ましい。
発明者は、シリンダにおいてデッキ面と下死点との間の中央よりもデッキ面側に位置する部分では、上述した燃焼に伴うシリンダの変形が特に生じやすいという知見を実験を通じて得ている。この知見に基づき、上記構成では、鋳込みシリンダライナにおけるクランクケース側の端部、換言すれば鋳込みシリンダライナと溶射シリンダライナとの境界を前記デッキ面と前記下死点との間の中央に位置させることとした。このため、シリンダブロックの軽量化を図りつつも、シリンダの変形をより効果的に抑制することができる。
上記シリンダブロックの一例では、前記溶射シリンダライナは内壁に複数のピンホールを有するものであり、前記溶射シリンダライナの内周面において前記ピンホールが存在する部分を除いた他の部分の表面粗さは、前記鋳込みシリンダライナの内周面における表面粗さよりも小さい。
シリンダの内壁をなすシリンダライナの内周面は、潤滑油によって潤滑されている。こうした潤滑のため、シリンダの内壁に、例えばホーニング加工によって網目状の溝、いわゆるクロスハッチを形成するなど、深さが極めて浅い溝を複数形成して表面粗さを大きくし、それら溝に沿って潤滑油を移動させることで油膜形成を促進することが一般的に行われている。また、潤滑油はクランクケース側から供給されるため、デッキ面側では潤滑油が不足しやすく、ピストンが往復動する際の摩擦損失が大きくなりやすい。上記構成によれば、デッキ面側のシリンダの内壁である鋳込みシリンダライナの内周面の表面粗さを大きくしている。これによって、シリンダの内壁におけるデッキ面側に油膜を形成させやすくすることができる。
一方、溶射シリンダライナの内周面には、溶射工程において複数のピンホールが形成されてしまうことが避けられない。こうしたピンホールが存在することにより、溶射シリンダライナの内周面は、同内周面が平坦面であると仮定した場合と比較して油溜りの容積が大きくなる。このように油溜りの容積が大きくなると、潤滑油の蒸発が促進されやすくなり、こうした蒸発に起因する潤滑油の消費量が多くなる。このため、溶射シリンダライナの内周面を鋳込みシリンダライナの内周面と同様に表面粗さを大きくしてしまうと、潤滑油の消費量が更に多くなる。上記構成によれば、溶射シリンダライナの内周面における潤滑油の蒸発を極力少なくすることができる。
シリンダブロックの一実施形態についてその断面構造を示す図。 同実施形態にかかるシリンダライナを構成する鋳込みシリンダライナの内周面の表面性状を模式的に示す模式図。 同実施形態のシリンダライナを構成する鋳込みシリンダライナの断面であり、内周面に設けられているクロスハッチの深さを模式的に示す模式図。 同実施形態のシリンダライナを構成する溶射シリンダライナの内周面の表面性状を示す模式図。 同実施形態のシリンダライナを構成する溶射シリンダライナの断面であり、内周面に設けられているピンホールの深さを模式的に示す模式図。 従来のシリンダブロックについて、シリンダボアの軸方向におけるシリンダの内壁の位置とシリンダボアの口径の変形量との関係を示すグラフ。 従来のシリンダブロックが適用された内燃機関について、燃焼の燃焼行程における、ピストンがシリンダ内壁を摺動することに伴って生じる摩擦力の大きさを示すグラフ。
以下、シリンダブロックの一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
シリンダブロックを構成するシリンダブロック本体10は、アルミニウムを主成分としたアルミニウムとケイ素と銅との合金であるアルミニウム合金を用いて成型されている。シリンダブロック本体10は、シリンダブロックが内燃機関に組み付けられた際に、その内部にクランクシャフトが配設されるクランクケース11を構成するシリンダブロックスカート11Aを備えている。また、シリンダブロック本体10は、クランクシャフトの回転に連動して往復動するピストン30が収容される複数のシリンダ12を備えている。(図1では複数のシリンダ12のうちの一つを図示している)。なお、本実施形態において、このピストン30は、シリンダブロック本体10と同様に、アルミニウム合金製である。
シリンダブロック本体10には、各々のシリンダ12と対応して、ピストン30が配設されるシリンダボア14が複数設けられている。シリンダボア14は、シリンダブロック本体10におけるクランクケース11とは反対側に位置するデッキ面13に開口してクランクケース11と連通している円筒形状の孔である。シリンダボア14は、シリンダライナ20によって区画されている。すなわち、シリンダライナ20の内周面は、シリンダ12の内壁である。シリンダ12に収容されるピストン30はシリンダライナ20の内周面を摺動する。ピストン30の摺動範囲は、上死点Tと下死点Bとの間の範囲、換言すればピストン30がシリンダライナ20の内周面と摺接可能な部位である。
以下では、ピストン30がクランクケース11から最も離れたときにおけるピストン30とシリンダ12の内壁との摺接位置を上死点Tとして説明する。図1では、クランクケース11から最も離れた状態のピストン30を実線で示している。ピストン30には、ピストン頂面側から順に、トップリング31、セカンドリング32、オイルリング33の三つのピストンリングが設けられている。したがって、ピストン30がクランクケース11から最も離れたときにおけるトップリング31とシリンダライナ20との摺接位置が上死点Tである。
また、ピストン30がクランクケース11に最も近づいたときにおけるピストン30とシリンダ12の内壁との摺接位置を下死点Bとして説明する。図1では、クランクケース11に最も近づいた状態のピストン30を二点鎖線で示している。ピストン30には、ピストン頂面とは反対側に向けてピストンスカート34が延設されている。そのため、ピストン30がクランクケース11に最も近づいた状態において、ピストンスカート34のクランクケース11側の端部とシリンダライナ20とが摺接し得る位置が下死点Bである。このように、シリンダライナ20の内周面のうちのピストン30が摺接可能な部位における最もクランクケース11寄りの位置が下死点Bである。
シリンダライナ20は、鋳込みシリンダライナ21と溶射シリンダライナ26とによって構成されている。
鋳込みシリンダライナ21は、中空円筒体に成型された鋳鉄からなり、シリンダブロック本体10に鋳込まれている。中空円筒体の軸方向の長さL1は、シリンダブロック本体10におけるデッキ面13から下死点Bまでの長さL2の半分の長さである。鋳込みシリンダライナ21の一端はデッキ面13と面一であり、他端はシリンダブロック本体10に埋設されている。すなわち、鋳込みシリンダライナ21のデッキ面13側の端部である上端22はデッキ面13に位置しており、鋳込みシリンダライナ21のクランクケース11側の端部である下端23は、デッキ面13と下死点Bとの中央である位置BDに位置している。
位置BDよりもクランクケース11側には溶射シリンダライナ26が設けられている。つまり、溶射シリンダライナ26は、鋳込みシリンダライナ21の下端23からクランクケース11側に延びている。すなわち、この位置BDは、鋳込みシリンダライナ21と溶射シリンダライナ26との境界である。
溶射シリンダライナ26は、溶融した鉄系金属材料を溶融させた状態で吹き付ける溶射によって設けられている。この鉄系金属材料の一例は、例えば溶接のろう材として用いられる炭素鋼である。シリンダボア14の径方向における溶射シリンダライナ26の長さである厚さ(後述するピンホールが存在する部分を除いた他の部分の厚さ、以下では単に「溶射シリンダライナ26の厚さ」という)は、鋳込みシリンダライナ21の同じく厚さよりも薄い。溶射シリンダライナ26の厚さは、例えば50〜300μmであり、鋳込みシリンダライナ21の厚さは、例えば2〜4mmである。
また、シリンダブロック本体10を構成するアルミニウム合金の密度、ヤング率、線膨張係数、硬度(ビッカース硬さ)はそれぞれ、2.7[g/cc]、70[MPa]、23[10−6/K]、50である。一方、鋳込みシリンダライナ21を構成する鋳鉄の密度、ヤング率、線膨張係数、硬度はそれぞれ、7.8[g/cc]、150[MPa]、12[10−6/K]、180である。すなわち、鋳鉄の密度、ヤング率は、アルミニウム合金の密度、ヤング率よりもそれぞれ高い。なお、ヤング率、線膨張係数、硬度はそれぞれ、剛性、熱膨張の生じやすさ、耐摩耗性を示す一つの指標である。
また、鋳鉄の線膨張係数は、アルミニウム合金の線膨張係数よりも低い。さらに、溶射シリンダライナ26を構成する炭素鋼の密度、ヤング率、線膨張係数、硬度は、鋳鉄とほぼ等しい。さらに、溶射シリンダライナ26の厚さは、上述したように鋳込みシリンダライナ21の厚さよりも極めて薄い。このため、溶射シリンダライナ26の重量と鋳込みシリンダライナ21の重量とを比較する場合において、両シリンダライナ21,26の密度の差による影響はほとんど無視することができる。
また、シリンダブロックは、冷却水が循環するウォータジャケット15をシリンダライナ20の周囲に備えている。本実施形態にかかるシリンダブロックは、クローズドデッキ構造をなしており、ウォータジャケット15はデッキ面13に開口していない。
次に、シリンダライナ20における内周面の表面性状について説明する。
図2及び図3に示すように、鋳込みシリンダライナ21の内周面24には、深さDP1の溝が複数形成されている。溝同士は別の溝によって連通されていることによって、網目状の溝である、いわゆるクロスハッチ25を形成している。クロスハッチ25は、鋳込みシリンダライナ21の上端22から下端23に亘って形成されている。
図4及び図5に示すように、溶射シリンダライナ26の内周面27には、深さDP2のピンホール28が複数点在している。ピンホール28とは、溶融金属を吹き付けた際に溶射皮膜の表面に不可避的に生成されるものであり、一つ一つが連通していない独立した穴である。溶射シリンダライナ26の内周面27において、ピンホール28が存在する部分を除いた他の部分の表面粗さ(以下、単に「溶射シリンダライナ26の内周面27の表面粗さ」という)は、鋳込みシリンダライナ21の内周面24の表面粗さよりも小さい。
なお、鋳込みシリンダライナ21に形成されているクロスハッチ25の深さDP1は、溶射シリンダライナ26に形成されているピンホール28の深さDP2の例えば約1/10である。
続いて、本実施形態にかかるシリンダブロックの製造方法について、その一例を説明する。この製造方法は、大きくは以下に説明する鋳造工程と溶射工程とホーニング工程とを含み、各工程をこの順に行う。
まず、鋳造工程では、鋳鉄製の中空円筒体をアルミニウム合金に鋳込む。この鋳造工程によって、鋳込みシリンダライナ21が鋳込まれたシリンダブロック本体10が所定の形状に成型される。
次に行う溶射工程では、シリンダブロック本体10に溶射シリンダライナ26を形成する。溶射工程では、シリンダボア14に溶射ガンを挿入し、溶融した金属材料を、鋳込みシリンダライナ21のクランクケース11側端部よりもクランクケース11側のシリンダ12の内壁に吹き付けて溶射皮膜を形成する。溶射工程は、複数のシリンダボア14のそれぞれについて行う。この溶射工程によって、シリンダブロック本体10における鋳込みシリンダライナ21を鋳込んだ箇所よりもクランクケース11側に溶射シリンダライナ26が形成される。なお、次のホーニング工程の前には、鋳込みシリンダライナ21及び溶射シリンダライナ26の径を等しくするために、シリンダ12の内壁に切削加工等の除去加工が行われる。
次に行うホーニング工程では、シリンダ12の内壁を研磨する。なお、このホーニング工程では、回転軸と、その回転軸を中心として周方向に等間隔で配置されるとともに、回転軸から径方向に突出し弾性支持された複数(例えば4つ)の砥石とを有するホーニングツールを用いる。そしてまず、第1ホーニング工程として、シリンダボア14にホーニングツールを挿入し、鋳込みシリンダライナ21の内周面24に対して砥石を当接させる。この状態で、回転軸を中心としてホーニングツールを回転させながら、回転軸の軸方向に沿ってホーニングツールを往復動させることで、シリンダライナ20の内周面のうち鋳込みシリンダライナ21の内周面24のみを研磨する。この第1ホーニング工程によって鋳込みシリンダライナ21の内周面24にクロスハッチ25が形成されることとなる。
続いて、第2ホーニング工程を行う。第2ホーニング工程では第1ホーニング工程とは異なるホーニングツールを用いる。具体的には、回転軸の他、加工対象の表面をより細かく研磨するための砥粒径の小さい砥石を備えるホーニングツールを選択する。第2ホーニング工程では、溶射シリンダライナ26と鋳込みシリンダライナ21の両者を研磨する。このとき、鋳込みシリンダライナ21の内周面24に形成されているクロスハッチ25を残しつつ研磨を行う。
こうした第1ホーニング工程と第2ホーニング工程とによってシリンダライナ20の内周面を研磨することで、シリンダボア14における中心軸と直交する断面を真円に近づけることができる。さらに、溶射シリンダライナ26の内周面の表面粗さが、鋳込みシリンダライナ21の内周面の表面粗さよりも小さくなる。
こうした製造方法によって、シリンダ12の上部に鋳込みシリンダライナ21を備え、下部に溶射シリンダライナ26を備えるシリンダブロックを製造することができる。
次に、本実施形態にかかるシリンダブロックの作用とともに、その効果について説明する。
まず、図6を参照して、比較例としてのシリンダブロック110及びシリンダブロック120の燃焼行程時における変形態様等について説明する。なお、これらシリンダブロック110,120は、いずれもクローズドデッキ構造のシリンダブロックである。
図6において、破線で示しているのは、シリンダブロック110のシリンダボアの口径の変形量である。このシリンダブロック110は、シリンダライナの全体を本実施形態と同じ上記炭素鋼からなる溶射シリンダライナによって構成したシリンダブロックである。
また、一点鎖線で示しているのは、シリンダブロック120のシリンダボアの口径の変形量である。このシリンダブロック120は、シリンダライナの全体を鋳鉄からなる鋳込みシリンダライナによって構成したシリンダブロックである。
この鋳込みシリンダライナの内周面には、ホーニング加工が施されることにより、本実施形態と同じ深さのクロスハッチが形成されている。また、シリンダブロック120における鋳込みシリンダライナの厚さは、シリンダブロック110における溶射シリンダライナよりも厚い。また、シリンダブロック110における溶射シリンダライナの内周面の表面粗さは、鋳込みシリンダライナの内周面の表面粗さよりも小さい。
図6に示すように、シリンダブロック110及びシリンダブロック120はいずれも、デッキ面からシリンダ中央までの範囲においてシリンダボアの変形量が大きくなっている。これは、当該範囲においては、それ以外の範囲と比較して、燃焼行程時の熱変形や燃焼圧が作用することによる変形など、混合気の燃焼に伴う変形が生じやすいからである。
また、シリンダブロック110では、シリンダブロック120と比較して全体的に変形量が大きく、特にシリンダ中央近傍におけるシリンダボアの口径の変形量の差が大きい。これは、鋳込みシリンダライナのほうが溶射シリンダライナよりも厚さが厚いため、シリンダブロック120の剛性がシリンダブロック110の剛性よりも高いからである。
なお、オープンデッキ構造のシリンダブロックの場合には、デッキ面からシリンダ中央までの範囲における変形量が大きくなる点はクローズドデッキ構造と同じであるが、デッキ面に近い部分での変形量はクローズドデッキ構造の場合よりも大きくなる。
次に、図7を参照して、燃焼行程の開始から終了までの期間において、ピストンとシリンダの内壁との摺動部分に生じる摩擦力について説明する。図7では、シリンダブロック110についての摩擦力を破線で示しており、シリンダブロック120についての摩擦力を一点鎖線で示している。
図7に示すように、燃焼行程の前半、すなわち、ピストン位置が上死点から摺動範囲の中央部分にまで変位する場合、シリンダブロック110、シリンダブロック120とも大きな摩擦力が生じる。さらに、この摩擦力は、上死点近傍において最も大きくなる。これは、燃焼行程においては、混合気の燃焼熱によりピストン30が膨張し、ピストンリングと鋳込みシリンダライナや溶射シリンダライナの内周面との間の面圧が上昇するためである。また、こうした燃焼行程時の面圧はピストンが上死点近傍にある場合に最も大きくなるからである。
さらに、この摩擦力は、鋳込みシリンダライナを採用しているシリンダブロック120よりも溶射シリンダライナを採用しているシリンダブロック110のほうが大きい。これは、主に以下の理由による。すなわち、鋳込みシリンダライナの内周面には、クロスハッチ加工が施されており、その表面粗さは溶射シリンダライナの内周面の表面粗さと比較して大きい。このため、鋳込みシリンダライナでは、クロスハッチの各溝に沿って潤滑油が移動し、その内周面に潤滑油が行き渡るようになる。その結果、鋳込みシリンダライナは、溶射シリンダライナよりも内周面における油膜の形成を促進することができ、ピストンと鋳込みシリンダライナの内周面との間の摩擦係数を低減することができるようになるからである。
ところで、溶射シリンダライナの内周面についても、油膜の形成を促進するために、鋳込みシリンダライナと同様のクロスハッチ加工を施すことで鋳込みシリンダライナの内周面と同程度の表面粗さとすると以下のような課題が存在することを発明者は実験を通じて確認している。
すなわち、溶射シリンダライナの内周面には、ピンホールが存在するため、同内周面が平坦面であると仮定した場合と比較して油溜りの容積が大きい。このように油溜りの容積が大きいと、潤滑油の蒸発が促進されやすくなり、こうした蒸発に起因する潤滑油の消費量が多くなる。このため、溶射シリンダライナの内周面を鋳込みシリンダライナの内周面と同様に表面粗さを大きくしてしまうと、潤滑油の消費量が更に多くなる。
こうした知見に基づき、本実施形態にかかるシリンダブロックでは、図1に示すように、デッキ面13と下死点Bとの中央である位置BDまでの範囲に限定するかたちで鋳込みシリンダライナ21を設けている。そして、位置BDよりもクランクケース11側の部分には、溶射シリンダライナ26を設けている。したがって、シリンダブロックにおいて鋳込みシリンダライナ21が占める割合が小さくなる。また、鋳込みシリンダライナ21が設けられていない部分には、溶射シリンダライナ26が設けられているものの、その厚さは鋳込みシリンダライナ21の厚さよりも薄い。したがって、シリンダブロックを軽量化することができる。また、溶射シリンダライナ26によってシリンダ12の内壁の耐摩耗性を確保することができる。
また、鋳込みシリンダライナ21を、デッキ面13から位置BDまでの範囲に設けていることによって、デッキ面13側に生じやすい燃焼行程時の熱変形や、同じくデッキ面13側に生じやすい燃焼圧が作用することによる変形も抑制することができる。
また、本実施形態では、鋳込みシリンダライナ21では、内周面24にクロスハッチ25を付与して、内周面24の表面粗さを大きくしている。これによって、油膜形成が不十分になりやすいシリンダライナ20の上部まで円滑に潤滑油の供給を行うことができる。したがって、シリンダ12の上部において、シリンダ12の内壁とピストン30との間に生じる摩擦力を低減することができ、ひいてはピストン30が往復動する際における摩擦損失を低減することができる。
その一方で、溶射シリンダライナ26の内周面の表面粗さを鋳込みシリンダライナ21の内周面の表面粗さよりも小さくしているため、溶射シリンダライナ26の内周面での潤滑油の消費を抑えることができる。
以上詳述したように、本実施形態におけるシリンダブロックによれば、耐変形性や耐摩耗性といったシリンダライナ20に要求される性能を確保しつつ、シリンダブロックを軽量化することができる。
なお、本実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・溶射シリンダライナ26の内周面27に、ホーニング加工によってクロスハッチが形成されていてもよい。潤滑油の消費による影響が小さい範囲であれば、ピンホール28同士が連通していてもよい。この場合、上記実施形態のように、溶射シリンダライナ26の内周面27の表面粗さが、鋳込みシリンダライナ21の内周面24の表面粗さよりも小さくされていることが好ましい。もっとも、こうした表面粗さの大小関係についての構成は必須ではない。
・クロスハッチ25の深さDP1は、ピンホール28の深さDP2の約1/10の深さに限らない。ピンホール28は溶射に伴って形成されるものであり、ピンホール28の深さDP2は不定である。そのため、本実施形態における深さDP2と深さDP1との関係は、あくまでも一例である。溶射シリンダライナ26の内周面27の表面粗さが、鋳込みシリンダライナ21の内周面24の表面粗さよりも小さければよい。内周面24及び内周面27の表面粗さは、油膜の形成のし易さと、潤滑油の消費量とを考慮して設定することができる。ただし、上述したように深さDP2と深さDP1との大小関係については必須の構成ではない。
・鋳込みシリンダライナ21の下端23を設ける位置を位置BDとした。ここで下端23は、位置BDよりもクランクケース11側に位置していてもよい。すなわち、図1における長さL1は、長さL2の半分の長さよりもわずかに長くてもよい。このように、鋳込みシリンダライナ21の下端23を設ける位置を位置BDとする構成は必須ではない。例えば、下端23は、シリンダ全長に対して10%程度の長さだけ、位置BDよりもクランクケース11側に位置していてもよい。また、上死点Tと下死点Bとの間の中央に下端23を設けてもよい。要は、下端23が下死点Bよりもデッキ面13側に位置していれば、シリンダブロックを軽量化することができる。
・鋳込みシリンダライナ21の下端23は、位置BDよりもデッキ面13側に位置していてもよい。すなわち、図1における長さL1は、長さL2の半分の長さよりも短くてもよい。例えば、下端23は、シリンダ全長に対して20%程度の長さだけ、位置BDよりもデッキ面13側に位置していてもよい。燃焼に伴う変形を抑制することができるのであれば、シリンダブロックにおいて鋳込みシリンダライナ21が占める割合を小さくすることもできる。
・上記実施形態では、鋳込みシリンダライナ21の上端22をデッキ面13と面一としたが、上端22がシリンダブロック本体10に埋設されていてもよい。
・溶射シリンダライナ26の母材は、溶接のろう材として用いられる炭素鋼とは異なる鉄系金属材料であってもよい。また、鋳込みシリンダライナ21の母材は、鋳鉄以外の鉄系金属材料であってもよい。さらに、鋳込みシリンダライナ21を構成する鉄系金属材料と溶射シリンダライナ26を構成する鉄系金属材料とは、いずれも主成分が鉄であれば、同じ組成のものであってもよいし、互いに異なる組成のものであってもよい。シリンダブロック本体10の母材は、上述したような組成を有するアルミニウム合金に限らず、別の組成を有するアルミニウム系金属材料であってもよい。
・オープンデッキ構造のシリンダブロックであっても、上記実施形態における鋳込みシリンダライナ21と溶射シリンダライナ26とを適用してシリンダライナ20を構成すれば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、クローズドデッキ構造のシリンダブロックと比較してデッキ面に近い部分での変形が生じやすいオープンデッキ構造のシリンダブロックについても、耐変形性や耐摩耗性を確保しつつ、シリンダブロックを軽量化することができる。
10…シリンダブロック本体、11…クランクケース、11A…シリンダブロックスカート、12…シリンダ、13…デッキ面、14…シリンダボア、15…ウォータジャケット、20…シリンダライナ、21…鋳込みシリンダライナ、22…上端、23…下端、24…内周面、25…クロスハッチ、26…溶射シリンダライナ、27…内周面、28…ピンホール、30…ピストン、31…トップリング、32…セカンドリング、33…オイルリング、34…ピストンスカート。

Claims (3)

  1. シリンダとクランクケースとを構成するシリンダブロックであって、
    鉄系金属材料からなる中空円筒体をアルミニウム系金属材料からなるシリンダブロック本体に鋳込んで形成されている鋳込みシリンダライナと、鉄系金属材料が前記シリンダの内壁に溶射されて形成されている溶射シリンダライナと、を有し、
    前記溶射シリンダライナの厚さは、前記鋳込みシリンダライナの厚さよりも薄く、
    前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部は、前記シリンダの内壁のうちのピストンが摺接可能な部位における最もクランクケース寄りの位置である下死点よりもデッキ面側に位置し、
    前記溶射シリンダライナは、前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部から前記クランクケース側に延びている
    シリンダブロック。
  2. 前記鋳込みシリンダライナにおける前記クランクケース側の端部は、前記デッキ面と前記下死点との間の中央に位置する
    請求項1に記載のシリンダブロック。
  3. 前記溶射シリンダライナは内壁に複数のピンホールを有するものであり、
    前記溶射シリンダライナの内周面において前記ピンホールが存在する部分を除いた他の部分の表面粗さは、前記鋳込みシリンダライナの内周面における表面粗さよりも小さい
    請求項1又は2に記載のシリンダブロック。
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