JP6894879B2 - 内燃機関のシリンダ及び製造方法 - Google Patents

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本発明は、内燃機関のシリンダおよび、内燃機関のシリンダの製造方法に関する。
従来、潤滑油の消費量の低減および、ピストンリング及びシリンダの間の焼き付きを防止する手段として種々の手段が知られている。
特許文献1に記載されているように、内燃機関のシリンダの内壁面の表面粗さが、ピストンの上死点から下死点に向かって粗くなるように形成された内燃機関のシリンダが知られている。
このように構成された内燃機関のシリンダは、内燃機関のシリンダのボアの内壁面の表面粗さをピストンの上死点側から下死点側に向かって粗くなるように形成したので、シリンダのボアの内壁面のうち表面粗さが比較的粗く潤滑油を比較的多く保持するピストンの下死点側ではピストンリングにその潤滑油が供給され、シリンダのボアの内壁面のうち表面粗さが比較的滑らかで潤滑油を殆ど保持しないピストンリングの上死点側ではピストンリングに供給された潤滑油により潤滑され、ピストンリングはボアの内壁面全体にわたってスムーズに摺動する。この結果、ピストンリングが摺動するボアの内壁面に供給される潤滑油の消費量を低減でき、かつピストンリング及びボアの内壁面間に焼き付きが発生することがない。
特開平8−200145号公報
しかし、近年の内燃機関においては、燃費性能の向上やオイル消費量の低減を目的として、シリンダとピストンリングとの接触面積を低減して両者の摩擦を極小化することが行われており、この接触面積の低減方法としては、ピストンリングのリング幅の縮小を図ったり、シリンダライナの内壁面の所定の位置に凹部を設けて接触面積の低減を図っている。
しかし、このような接触面積を低減させたピストンリングとシリンダを用いた内燃機関は、ピストンリングとシリンダの間の摩擦平均有効圧を低減させるために、シリンダの内壁面に複数の凹部形状を形成する必要があり、かつ、このような凹部形状は幾何学的な模様を規則的に配置されるように形成する必要があり、その加工は複雑で容易に加工できるものではないという問題を有していた。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、複雑な加工を行うことなく摩擦平均有効圧を低減させることが可能な内燃機関のシリンダ及びそのような内燃機関のシリンダの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関のシリンダは、内壁面を摺動するようにピストンが上下動する内燃機関のシリンダであって、前記内壁面は、前記内壁面の上端から前記ピストンが上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置までの間の領域である上方領域と、前記内壁面の前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域と、前記内壁面の前記ピストンが下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置から前記内壁面の下端までの間の領域である下方領域に画成され、前記行程中央部領域の表面粗さは、前記上方領域及び前記下方領域の表面粗さよりも大きく、前記内壁面のうち前記行程中央部領域のみが、所定の粗さの谷部が複数形成され、前記谷部の間の凸部が台形形状のプラトー領域を備え、前記凸部の長さ率Pmrは、20〜95%であり、前記谷部と前記凸部の長さRSmは、50〜500μmであることを特徴とする。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダにおいて、前記上方領域の表面粗さと前記下方領域の表面粗さは略等しいと好適である。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダにおいて、前記下方領域の表面粗さは、前記上方領域の表面粗さよりも大きいと好適である。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダにおいて、前記プラトー領域の突出山部高さRpkは、2μm以下であると好適である。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダの製造方法は、内壁面を摺動するようにピストンが上下動する内燃機関のシリンダの製造方法であって、前記内壁面、前記内壁面の上端から前記ピストンが上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置までの間の領域である上方領域と、前記内壁面の前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域と、前記内壁面の前記ピストンが下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置から前記内壁面の下端までの間の領域である下方領域に画成し、前記行程中央部領域の表面粗さを前記上方領域及び前記下方領域の表面粗さよりも大きく加工する加工工程を備え、前記加工工程は、前記内壁面のうち、前記行程中央部領域のみに所定の粗さの谷部を複数形成し、前記谷部の間の凸部が台形形状のプラトー領域を加工するプラトー加工工程を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダの製造方法において、前記加工工程は、ホーニング加工によって加工されると好適である。
また、本発明に係る内燃機関のシリンダの製造方法において、前記加工工程は、前記行程中央部領域を粗い砥石でホーニングする第一の加工工程と、前記第一の加工工程の後に細かい砥石で前記行程中央部領域を含む前記内壁面をホーニングする第二の加工工程を備えると好適である。
本発明に係る内燃機関のシリンダおよびこのような内燃機関のシリンダの製造方法は、シリンダの内壁面のうち、行程中央部領域の表面粗さが上方領域及び下方領域の表面粗さよりも大きいので、シリンダ内壁面に複雑な加工を施すことなく、ピストンの上下動に伴うピストンリングとシリンダ内壁面との摩擦平均有効圧を低減することができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダを説明するための断面図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダの製造方法における第一の加工工程を説明するための拡大図。 本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダの製造方法における第二の加工工程を説明するための拡大図。 本実施形態に係る内燃機関のシリンダの変形例における行程中央部領域の拡大図。 本発明の実施例において、摩擦平均有効圧を測定するために用いられた単体評価装置の構成を示す概略断面図。 本実施形態に係る内燃機関のシリンダの摩擦平均有効圧比を示す試験結果。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダを説明するための断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダの製造方法における第一の加工工程を説明するための拡大図であり、図3は、本発明の実施形態に係る内燃機関のシリンダの製造方法における第二の加工工程を説明するための拡大図であり、図4は、本実施形態に係る内燃機関のシリンダの変形例における行程中央部領域の拡大図であり、図5は、本発明の実施例において、摩擦平均有効圧を測定するために用いられた単体評価装置の構成を示す概略断面図であり、図6は、本実施形態に係る内燃機関のシリンダの摩擦平均有効圧比を示す試験結果である。
図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、内燃機関のシリンダブロックに形成された複数の孔に圧入されるシリンダライナ10として構成されている。シリンダライナ10が圧入される複数の孔の数は、内燃機関の気筒数に応じて適宜設定される。シリンダライナ10は、円筒状に形成されており、内壁面11は内燃機関のピストン(図示せず)に組み付けられたピストンリングが上下動して摺動する。
シリンダライナ10は、従来周知の材料を適宜用いることができるが、例えば鋳鉄が好適に用いられ、その他、アルミニウム合金や鋼などを用いて構成しても構わない。
ピストンには複数のピストンリングが組み付けられており、上死点側から、例えば、トップリング、セカンドリング、オイルリングなどが組み付けられている。ピストンリングは、ピストンの外周面に形成されたピストンリング溝に組み付けられている。
シリンダライナ10の内壁面11は、内壁面11の上端からピストンが上死点の位置にある場合における最下位(最も下死点側)のピストンリング溝の下面位置までの間の領域である上方領域21と、ピストンが上死点の位置にある場合における最下位のピストンリング溝の下面位置からピストンが下死点の位置にある場合における最上位(最も上死点側)のピストンリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域22と、ピストンが下死点の位置にある場合における最上位のピストンリング溝の上面位置から内壁面11の下端までの間の領域である下方領域23に画成されている。
ここで、図2または3に示すように、行程中央部領域22の表面粗さは、上方領域21及び下方領域23の表面粗さよりも大きく(粗く)形成されている。このように、行程中央部領域22の表面粗さを上方領域21及び下方領域23よりも大きく形成しているので、行程中央部領域22でのピストンリングとの摩擦平均有効圧を下げることができ、特に高回転域での摩擦平均有効圧を低減させることで、燃費の向上を実現している。
また、表面粗さは、種々の方法で計測することが可能であり、本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、例えば粗さ曲線要素の平均長さRSm(JIS B0601:2013)や突出山部高さRpk(JIS B0671−2:2002)を用いて表面粗さを仕上げることができる。また、複数のパラメータを適宜組み合わせて上方領域21、行程中央部領域22及び下方領域23の表面粗さの大きさを定義しても構わない。
なお、本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、上述したように、シリンダブロックに形成した複数の孔に圧入されるシリンダライナ10を用いた場合について説明を行ったが、シリンダブロックの内壁面に直接上方領域21、行程中央部領域22及び下方領域23を形成しても構わない。
次に、図2及び3を参照して本実施形態に係る内燃機関のシリンダの製造方法について説明を行う。第一に所定の内径を有する円筒状のシリンダライナ10を準備し、内壁面11を上方領域21及び下方領域23の表面粗さよりも大きい表面粗さとなるように行程中央部領域22の表面粗さを加工する加工工程を行う。加工工程は、ホーニング加工で内壁面11に粗さの異なる表面を形成する。
具体的には、内壁面11全体を上方領域21及び下方領域23の粗さとなるようにホーニング加工を行う下処理工程を行う。次に、図2に示すように、下処理工程後に行程中央部領域を下処理工程で行った表面粗さよりも大きい表面粗さとなるように、粗い砥石を用いて加工を行う第一の加工工程を行う。その後、図3に示すように少なくとも行程中央部領域22を細かい砥石でホーニング加工する第二の加工工程を行うことで、後処理を行う。
このとき、下方領域23の表面粗さが上方領域21の表面粗さよりも大きくなるように第二の加工工程で用いる砥石の粗さを適宜選択することで、上方領域21、行程中央部領域22、下方領域23のそれぞれの表面粗さを加工するように構成しても構わない。また、下方領域23のみをホーニング加工する工程を別途設けても構わない。
このように構成された本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、従来のシリンダライナと比較して高回転領域での摩擦平均有効圧が低減していることが確認できた。これは、シリンダが用いられる装置のエネルギー効率を向上させる、例えば、エンジンの燃費を向上させるためには、ピストンリングと、シリンダの内壁面との摩擦平均有効圧低減が有効であるところ、摩擦損失の低減方法は摺動条件によって異なるが、本実施形態に係る内燃機関のシリンダにおいては、その内壁面11の行程中央部領域22の表面粗さを上方領域21及び下方領域23の表面粗さよりも大きくしているために、行程中央部領域22において流体潤滑領域における潤滑油のせん断抵抗を減らすことにより摩擦平均有効圧を低減することが可能となっている。
すなわち、ピストンの移動速度が比較的小さい上死点付近および下死点付近では、シリンダライナの内壁面の表面粗さを小さくすることにより、摩擦平均有効圧の低減を図ることができる。しかしながら、シリンダライナの内壁面と、ピストンリングとの摺動速度が大きい領域である行程中央部領域22では、潤滑油のせん断抵抗の影響が大きくなる。
さらに、本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、内壁面11のホーニング加工のみで内壁面11の表面の加工を行うことができるので複雑な加工を行うことなく、摩擦平均有効圧を低減できる内燃機関のシリンダを提供することが可能となる。
また、上述した内壁面11のホーニング加工による行程中央部領域22の表面粗さの他に、図4に示すように、行程中央部領域22にホーニング加工やレーザ加工などを用いて粗さの異なる表面を形成しても構わない。
図4に示すように、行程中央部領域22は、所定の粗さの谷部が複数形成され、谷部と谷部の間の凸部が台形形状に形成された所謂プラトー領域を備えている。プラトー領域は、行程中央部領域22内面の凸部をプラトー化(台形形状)して平滑化し、実働時のピストン、ピストンリングの挙動を安定化させるものである。ここで、行程中央部領域22は、複数の谷部とプラトー領域とから構成されており、プラトー領域の突出山部高さRpkは2μm以下、凸部の長さ率(断面曲線の相対負荷長さ率)Pmrは、20〜95%、谷部と凸部の長さ(粗さ曲線要素の平均長さ)RSmが50〜500μmに形成されると好適である。
次に、実施例と比較例を参照して、本発明についてさらに詳しく説明を行う。
以下の試験片ピストンリングと実施例及び比較例のシリンダライナを用いて摩擦平均有効圧(FMEP)の測定を行った。摩擦平均有効圧の測定は、図5に示す単体評価装置を用いて測定を行い、ピストンリングとして、トップリング、セカンドリング及びオイルリングの3種類を同時にピストンに組み付けて測定を行った。また、摩擦平均有効圧の測定時の回転数は100〜1000RPM、供試オイルは、SAE粘度10W−30ものを用い、ピストンリング周辺のオイル温度を60℃として測定を行った。
試験片ピストンリングは、以下の構成のピストンリングを用いた。
○トップリングは、軸方向高さh1:2.5mm、径方向長さa1:3.15mm、張力Ft:16.7N、外周面形状はバレルフェイス形状でPVD処理を施したものを用いた。
○セカンドリングは、軸方向高さh1:2.0mm、径方向長さa1:3.1mm、張力Ft:12.3N、外周面形状はテーパ形状でガス窒化処理を施したものを用いた。
○オイルリングは、2ピース型オイルリングであって、軸方向幅:3.0mm、径方向幅:3.0mm、張力Ft:22.6N、外周面形状はステップランド形状でPVD処理を施したものを用いた。
実施例1〜3及び参考例のシリンダライナは、材質はFC250、シリンダライナ内径Φ86であって、上方領域及び下方領域の表面粗さ:1.0μmR3Z、行程中央部領域の表面粗さは、RSmを50〜600μm、Pmrを20〜80%に調整したものを用いた。また、比較例のシリンダライナは、上方領域から下方領域までの表面粗さ:1.0μmR3Zのものを用いた。なお、実施例、比較例及び参考例の測定に用いたピストンリングは、全て上述した試験片ピストンリングをピストンに組み付けて測定を行った。
測定条件は、表面粗さ形状測定機を用い触針先端半径:2μm、評価長さ:10mm、測定速度:0.3mm/secで測定を行い、凸部の長さ率(断面曲線の相対負荷長さ率)Pmrの計算条件は、傾斜補正は両端補正とし、プラトー領域で行い、切断レベルにはμm法を用いた。また、切断レベルは上方領域及び下方領域の表面粗さR3Zと同等の値とし、例えば、上方領域及び下方領域が1.0μmR3Zの場合は、切断レベルを1.0μmとして算出した。さらに、谷部と凸部の長さ(粗さ曲線要素の平均長さ)RSmの計算条件は、JIS B−0601:2013に準じ、最小高さの閾値は、Rzの10%とし、最小長さは基準長さの1%とした。それよりも高さ又は長さが小さいものは独立した山谷としてみなさないものとした。
また、実施例1は、RSmを50μm、実施例2は、RSmを150μm、実施例3は、RSmを500μmに設定し、参考例はRSmを600μmに設定した。
図6に示すように、実施例1〜3のシリンダライナは、Pmrを80%、50%及び20%に設定した場合であっても比較例のシリンダライナ(STD)をゼロとすると摩擦平均有効圧比が大幅に向上していることが確認できた。これは、エンジンの燃費を向上させるためには、ピストンリングと、シリンダの内壁面との摩擦平均有効圧低減が有効であるところ、摩擦損失の低減方法は摺動条件によって異なるが、実施例のシリンダにおいては、その内壁面11の行程中央部領域22の表面粗さを上方領域21及び下方領域23の表面粗さよりも大きくしているために、行程中央部領域22において流体潤滑領域における潤滑油のせん断抵抗を減らすことにより摩擦平均有効圧を低減できることが確認できた。
すなわち、ピストンの移動速度が比較的小さい上死点付近および下死点付近では、シリンダライナの内壁面の表面粗さを小さくすることにより、摩擦平均有効圧の低減を図ることができるが、シリンダライナの内壁面と、ピストンリングとの摺動速度が大きい領域である行程中央部領域22では、潤滑油のせん断抵抗の影響が大きくなることがわかる。
しかし、参考例に示すように、RSmが600μm、Pmrが20%のシリンダライナを用いた場合は、従来よりも摩擦平均有効圧比が悪くなることが確認された。
なお、上述した本実施形態に係る内燃機関のシリンダは、トップリング、セカンドリング及びオイルリングを組み込んだピストンに適用した場合について説明を行ったが、ピストンリングの構成はこれらに限らず、従来周知の種々のピストンリングに適用しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 シリンダライナ, 11 内壁面, 21 上方領域, 22 行程中央部領域, 23 下方領域。

Claims (7)

  1. 内壁面を摺動するようにピストンが上下動する内燃機関のシリンダであって、
    前記内壁面は、前記内壁面の上端から前記ピストンが上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置までの間の領域である上方領域と、前記内壁面の前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域と、前記内壁面の前記ピストンが下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置から前記内壁面の下端までの間の領域である下方領域に画成され、
    前記行程中央部領域の表面粗さは、前記上方領域及び前記下方領域の表面粗さよりも大きく、
    前記内壁面のうち前記行程中央部領域のみが、所定の粗さの谷部が複数形成され、前記谷部の間の凸部が台形形状のプラトー領域を備え、
    前記凸部の長さ率Pmrは、20〜95%であり、
    前記谷部と前記凸部の長さRSmは、50〜500μmであることを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のシリンダにおいて、
    前記上方領域の表面粗さと前記下方領域の表面粗さは略等しいことを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  3. 請求項1に記載の内燃機関のシリンダにおいて、
    前記下方領域の表面粗さは、前記上方領域の表面粗さよりも大きいことを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  4. 請求項からのいずれか1項に記載の内燃機関のシリンダにおいて、
    前記プラトー領域の突出山部高さRpkは、2μm以下であることを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  5. 内壁面を摺動するようにピストンが上下動する内燃機関のシリンダの製造方法であって、
    前記内壁面、前記内壁面の上端から前記ピストンが上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置までの間の領域である上方領域と、前記内壁面の前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域と、前記内壁面の前記ピストンが下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置から前記内壁面の下端までの間の領域である下方領域に画成し、
    前記行程中央部領域の表面粗さを前記上方領域及び前記下方領域の表面粗さよりも大きく加工する加工工程を備え
    前記加工工程は、前記内壁面のうち、前記行程中央部領域のみに所定の粗さの谷部を複数形成し、前記谷部の間の凸部が台形形状のプラトー領域を加工するプラトー加工工程を備えることを特徴とする内燃機関のシリンダの製造方法。
  6. 請求項に記載の内燃機関のシリンダの製造方法において、
    前記加工工程は、ホーニング加工によって加工されることを特徴とする内燃機関のシリンダの製造方法。
  7. 請求項又はに記載の内燃機関のシリンダの製造方法において、
    前記加工工程は、前記行程中央部領域を粗い砥石でホーニングする第一の加工工程と、前記第一の加工工程の後に細かい砥石で前記行程中央部領域を含む前記内壁面をホーニングする第二の加工工程を備えることを特徴とする内燃機関のシリンダの製造方法。
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