JP2017110804A - 内燃エンジン用シリンダライナ - Google Patents
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Abstract
【課題】スカッフィングおよび摩擦のために生じる摩耗を低減する。
【解決手段】本発明は、ピストンリングと接触する内面(4)を有する中空の筒状体(2)を備えた、内燃エンジン用のシリンダライナ(1)であって、実質的に3つの主要部分、すなわち第1部分(Z1)、第2部分(Z2)および第3部分(Z3)を規定し、内面(4)はその部分(Z1,Z2,Z3)の各々に対して特定の粗さ値を有するシリンダライナ(1)に関する。各部分(Z1,Z2,Z3)によって占められる長さは、第1部分(Z1)および第3部分(Z3)におけるスカッフィングによる摩耗の低減ならびに第2部分(Z2)における摩擦による摩耗の低減のために、内面(4)の部分(Z1,Z2,Z3)間の比率を最適化する目的で決められる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、ピストンリングと接触する内面(4)を有する中空の筒状体(2)を備えた、内燃エンジン用のシリンダライナ(1)であって、実質的に3つの主要部分、すなわち第1部分(Z1)、第2部分(Z2)および第3部分(Z3)を規定し、内面(4)はその部分(Z1,Z2,Z3)の各々に対して特定の粗さ値を有するシリンダライナ(1)に関する。各部分(Z1,Z2,Z3)によって占められる長さは、第1部分(Z1)および第3部分(Z3)におけるスカッフィングによる摩耗の低減ならびに第2部分(Z2)における摩擦による摩耗の低減のために、内面(4)の部分(Z1,Z2,Z3)間の比率を最適化する目的で決められる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ライナ軸方向に沿って少なくとも2つの部分に分割された内面を有する筒状体を備え、当該部分の各々が特定の粗さ値および所定の長さを有する、内燃エンジン用のシリンダライナに関する。
内燃エンジン用のシリンダライナは、エンジンブロックの構造を有する静的な構成要素であって、膨張ガスのための閉鎖システムのアセンブリを提供しかつ燃焼で生じた熱の循環水との(湿式シリンダライナ)または循環空気との(乾式シリンダライナ)熱交換を促進する。
様々なタイプのライナの目的の中でも、燃焼室の密封の維持、燃焼室で生じた熱の冷却媒体(水または空気)との熱交換の実現、およびエンジンブロックの再利用の可能性が重要視されている。
その機能において、内燃エンジンは、シリンダへの空気と燃料との混合物の流入を許容し、圧縮に続く(ディーゼルエンジンの場合)または混合物の圧縮の間に燃焼室で発生される点火火花による(アルコールおよび/またはガソリンエンジンの場合)自然燃焼に入る。
燃焼ガスの膨張が閉鎖システム内で生じると、生成されるエネルギーの一部がエンジンのピストンを下方に押し下げ、連続的にクランクシャフトを動かし、したがってエネルギーが運動に変換される。よって、シリンダライナは、エネルギー変換プロセスに必要な閉鎖状態を伴うシステムを提供するエンジンの機能において作用する。
内燃エンジンに関して増大する需要は、その様々な構成要素およびその作動面に関する絶え間ない向上を必要とする。シリンダライナ、ピストンおよびピストンリングの間における高精度の結びつきは、エンジンの性能向上につながる。
通常、内燃エンジン用のシリンダライナは、その機械的および熱的特性を向上させるために合金元素を加えた鋳鉄で作られる。合金元素の添加に加えて、鋳鉄製のライナはまた、オイル消費およびガス再循環の低減に寄与し、摩耗による粒子の発生を抑制しかつ時短走行を可能とし、よってより長い寿命を実現する最適化された作動面を必要とする。
したがって、シリンダの作動面の最適化を実現するために、通常はホーニングプロセスが実行され、当該プロセスの機械加工方法においては工具が往復運動および回転運動を行い、ライナの円筒度およびライナ表面の均一度が確保される。適切に行われるホーニングプロセスは、ピストンリングの摩耗、粒子の発生、オイルの消費、および摩擦に関して良い影響を及ぼす。
様々なホーニングプロセスを通じて、シリンダライナのより良い作動状態を得るという目的を有する様々な技術が発展してきた。
第1の展開が、本出願人による特許文献1に開示されていて、シリンダライナであって、その内部におけるピストンの移動方向に沿って粗さが変化するシリンダライナに関する。より具体的には、ヘッドの方向におけるピストンの最大移動の端部の近傍部分は第1粗さを有する領域となっており、ピストンの移動に関するライナの中央領域は第2粗さを有し、ここでライナの作動面の中間部分の粗さ値は端部の粗さ値よりも大きい。特許文献1の主眼はライナの粗さ値の仕様のみにあり、ライナの内部における長さ方向に沿った当該粗さ値の分布は特定されていない。
特許文献2には、中央領域よりも端部の方が高い粗さ値を有するシリンダライナが開示されている。しかしながら、そのような構造を得るために利用されるプロセスは、より深いまたはより浅いくぼみ(深さはそれらの間で著しく変わる)の発生につながり、潤滑油の蓄積ポケットとしてのこのソリューションの潜在的有効性を低減させる。また、特許文献2の主眼はライナの粗さ値の仕様のみにある。
特許文献3は、シリンダライナであって、その内面が第2部分よりも端部においてより大きな粗さ値を有するシリンダライナに関する。しかし、このような特徴を実現するために、ホーニングプロセスにおいて端部領域の表面を処理するために特定の技術パラメータが使用され、中央領域に対しては異なったパラメータが使用された。同様に、特許文献3の主眼はライナの粗さ値の仕様のみにある。
最後に、特許文献4は、シリンダライナであって、その摺動面が3つの粗さ値を有するシリンダライナに関する。3つの粗さ値とは、(i)ヘッドに面する端部分、第2部分および反対の端部分における最も低い(最も粗くない)第1粗さ値S1と、(ii)ヘッドに面する部分と第2部分との間に適用される中間粗さである第2粗さ値S2と、(iii)第2部分とヘッドに面するのとは反対側の端部分との間に適用される最も高い第3粗さ値S3とである。この場合にはまた、主眼はライナの粗さ値の仕様のみにある。
このように、最新技術においては、シリンダライナのためのホーニングプロセスに適用される様々な技術であって、シリンダライナ内でのピストンの移動方向に沿った特定の粗さ値の仕様の目的を有する技術が存在することが確認されるかも知れない。
しかしながら、粗さ値の大小に加えて、ライナの作動面の異なる部分で得られる粗さの変化に関する長さの比率について説明した文献は発見されていない。
エンジンの動作中における摩耗及びスカッフィングによる摩耗の低減を意図して、内燃エンジン用のシリンダライナであって、軸方向長さを有してその長さ方向に沿って少なくとも2つの部分に分割された内部作動面を有する中空筒状体を備え、当該部分の各々が特定の粗さ値および所定の間隔で所定の長さを有する、シリンダライナが提示される。
本発明の第1の目的は、内燃エンジン用のシリンダライナであって、内面の分割部分にしたがって特定の粗さおよび所定の長さを有する内面を有する筒状体を備え、当該粗さ値が、ピストンリングと接触するライナの摩耗、粒子の発生、オイルの消費、摩擦およびしたがってエンジンの寿命に有利な影響を及ぼす、シリンダライナを提供することである。
特に、本発明は、内面が特定の粗さ値を有する3つの部分、すなわち第1部分、第2部分および第3部分に分割され、当該部分の各々によって占められる長さが所定の間隔に定められているシリンダライナを提供することを目的としていて、特に第1および第3部分におけるスカッフィングによる摩耗を低減すること、ならびに第2部分における摩擦による摩耗を低減することを意図している。
本発明の目的は、軸方向長さを有する内面を有する中空の筒状体を備えた、内燃エンジン用のシリンダライナであって、上記内面は、上記軸方向長さに沿って少なくとも2つの部分に分割されており、上記部分の各々は、特定の粗さ値および所定の長さを有していることを特徴とするシリンダライナによって達成される。
本発明の目的は、また、上記内面は、上記軸方向長さに沿って3つの部分、すなわち(i)ピストンの上死点近傍の第1部分と、(ii)中央の第2部分と、(iii)ピストンの下死点近傍の第3部分と、に分割されており、上記3つの部分の各々は、特定の粗さ値および所定の長さを有しているシリンダライナであって、上記3つの部分(Z1,Z2,Z3)の上記所定の長さは、(1)上記第1部分(Z1)および上記第3部分(Z3)の長さの和と、上記シリンダライナ(1)の上記軸方向長さ(L)との比率が、0.31よりも大きく0.58よりも小さくなるように(すなわち、0.31<(Z1+Z3)/L<0.58、となるように)、かつ(2)上記第1部分(Z1)と上記第2部分(Z2)との長さの比率が、0.15よりも大きく0.46よりも小さくなるように(すなわち、0.15<Z1/Z2<0.46、となるように)、規定されていることを特徴とするシリンダライナによって達成される。
加えて、本発明の目的は、上記シリンダライナの上記軸方向長さの全長に沿って一定のホーニング角度を有していることを特徴とするシリンダライナによって、または、上記部分の各々に対して特定のホーニング角度を有していることを特徴とするシリンダライナによって達成される。
さらに、本発明の目的は、上記第1部分の粗さは、Rpk(突出山部高さ)が0.30μm以下であり、Rk(コア部のレベル差)が0.40〜1.50μmであり、Rvk(突出谷部深さ)が1.10〜2.80μmであり、上記第2部分の粗さは、Rpkが0.30μm以下であり、Rkが0.40μm以下であり、Rvkが0.30〜1.00μmであり、上記第3部分の粗さは、Rpkが0.30μm以下であり、Rkが1.50μm以下であり、Rvkが0.30〜2.80μmであることを特徴とするシリンダライナによって達成される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
本発明は、内燃エンジン用のシリンダライナ1に関する。このシリンダライナ1は、ピストンリングと接触する3つの主要部分、すなわち第1部分Z1、第2部分Z2および第3部分Z3を規定する内面4を有する中空の筒状体2を備えている。内面4は、その部分Z1,Z2,Z3の各々に対して特定の粗さ値を有しており、当該部分Z1,Z2,Z3の各々によって占められる長さは所定の間隔に定められている。本発明は、内面4の各部分Z1,Z2,Z3の長さの比率を、スカッフィングおよび摩擦による摩耗を低減するために最適化するという目的を有している。
上述したように、内燃エンジン用のシリンダライナは、エンジンブロックの構造を有する静的な構成要素であって、膨張ガスのための閉鎖システムのアセンブリを提供しかつ燃焼で生じた熱の循環水との(湿式シリンダライナ)または循環空気との(乾式シリンダライナ)熱交換を促進する。
シリンダライナ1は、基本的に、水または空気である冷却流体と接触する外面3と、ピストンの軸方向移動時に少なくとも1つのピストンリングと接触する内面4とを有する管体または中空の筒状体2を備えている。この構造的構成は例えば図1に示されている。
通常、シリンダライナ1は、鉄を含む合金、例えば鋳鉄や鋼で作られていて、その製造過程において他の必要なまたは所望の物質(例えばアルミ合金)を含んでもよい。同様に、ライナ1は、その機能を発揮できるという条件下で、任意の必要なまたは所望の形状を有していてもよい。
内燃エンジンの正常な機能性のために必要とされる条件の一つは、シリンダライナ1、ピストンおよびピストンリングの間における精確な結びつきを得ることであり、当該機能性はエンジンの性能向上につながる。このため、シリンダライナ1は最適化された作動面を必要とし、それによる主な貢献はエンジン寿命の延長である。
したがって、シリンダライナ1の内側作動面4の最適化を実現するために、加工ムラを除去するためのホーニングプロセスが通常行われ、ライナ1に制御された加工角度および粗さ値を有する均一な最終仕上げを提供する。適切に行われたホーニングプロセスは、ピストンリングの摩耗、粒子の発生、オイル消費量および摩擦に関して良い影響を及ぼす。
従来技術のいくつかの解決方法は、ライナ1に沿って異なる粗さ規格を実現するために別個の表面仕上げプロセスに頼っている。しかしながら、本発明は、内面4において実質的に異なる粗さ値が得られるように、ホーニングを用いてプロセス変動を制御し、さらにこのタイプの処理に特有の溝の角度の制御を確保する。
第1の構造的構成では、シリンダライナ1の内面4は、軸方向長さLを有している。この内面4は、その軸方向長さLの長さ方向に沿って少なくとも2つの部分Z1,Z2に分割されている。当該部分Z1,Z2の各々は、特定の粗さ値および所定の長さを有している。
好ましい構造的構成では、シリンダライナ1の内面4は、図2に示すように、軸方向長さLを有していて、その軸方向長さLの長さ方向に沿って3つの部分に分割されている。3つの部分とは、(i)エンジンのヘッドに面するピストンの移動ストロークの限界(上死点、TDC)の近傍領域に対応する第1部分Z1と、(ii)第2中央部分Z2と、(iii)上死点とは逆の(エンジンのクランクシャフトに面する)ピストンの移動ストロークの限界(下死点、BDC)の近傍領域に対応する第3部分Z3と、である。
最新技術には、特定の粗さ値およびホーニング角度を有するライナ1の内面4の上記部分Z1,Z2,Z3の各々を形成する様々な技術が存在する。この内面4の個別の粗さおよびプロセスを有する部分Z1,Z2,Z3への分割は、ライナ1のピストンリングとの接触において生じる摩耗を制御しかつ低減することを可能とする点において非常に有利である。
これにより、ライナ1の仕様がどのようなものであれ、内面4上に規定された3つの部分Z1,Z2,Z3を考慮することで、ライナ1の構成は、(a)第1部分Z1が、凹凸(谷と山)構造によって規定される第1粗さ値を有する表面仕上げを有し、(b)第2部分Z2が、凹凸(谷と山)構造によって規定される第2粗さ値を有する表面仕上げを有し、(c)第3部分が、凹凸(谷と山)構造によって規定される第3粗さ値を有する表面仕上げを有する、というものになるだろう。
本発明の主題であるライナ1の別の特徴は、各部分Z1,Z2,Z3のホーニングプロセスの制御にあり、各部分Z1,Z2,Z3の凹凸(谷と山)構造がそれぞれの部分Z1,Z2,Z3の全領域内において実質的に均一となることが確保される。これにより、凹部に関しては、その深さおよび容積が潤滑油の貯留にとって理想的であること、および凸部に関しては、エンジンの慣らし運転期間を長くさせる上に望ましくない燃料消費量の増大および温度上昇をもたらす非常に高い凸部が形成されるのを防止することが確保される。
この態様では、本発明の好ましい実施形態はμm単位で次の値を示す。すなわち、(1)第1部分Z1の粗さは、Rpkが0.30以下であり、Rkが0.40〜1.50であり、Rvkが1.10〜2.80であり、(2)第2部分Z2の粗さは、Rpkが0.30以下であり、Rkが0.40以下であり、Rvkが0.30〜1.00であり、(3)第3部分Z3の粗さは、Rpkが0.30以下であり、Rkが1.50以下であり、Rvkが0.30〜2.80である。
さらに、好ましい実施形態のライナ1は、粗さの変化にしたがって変更されるホーニング角度の関係を有している。第1の可能な構成では、ホーニング角度はライナ1の軸方向長さLの全長に沿って一定である。すなわち、第1部分Z1、第2部分Z2および第3部分Z3が同じホーニング角度を有する(α(Z1)=α(Z2)=α(Z3)、ここで、α(Zx)は第x部分のホーニング角度を表す、以下同様)。
第2の可能な構成では、ホーニング角度は第1部分Z1と第2部分Z2と第3部分Z3との間で変わり、第1部分Z1のホーニング角度は第3部分Z3のホーニング角度と等しく、第2部分Z2のホーニング角度とは異なる(α(Z1)=α(Z3)≠α(Z2))。部分Z1,Z2,Z3のホーニング角度における典型的な角度は、適用されるエンジンおよび使用されるオイルの粘性に応じて、30〜60°および120〜160°である。
上述の特徴に加えて、本発明のシリンダライナ1は、粗さ値の制御およびホーニング角度の関係の規定に加えて、革新的な構造的構成を備えている。それは、部分Z1,Z2,Z3によって占められる長さが所定の間隔をもって規定されることを提起するものであり、特に第1部分Z1および第3部分Z3において生じるスカッフィングによる摩耗の低減、ならびに特に第2部分Z2において生じる摩擦による摩耗の低減を目的とする。
最新技術では、部分Z1,Z2,Z3の各々によって占められる長さおよび面積は、ピストンのストローク、ライナ1の直径や軸方向長さL等にしたがって自由に変更され得る。
この意味で、本願は、シリンダライナ1であって、その内面4に、(I)第1部分Z1と第3部分Z3との長さの和と、シリンダライナ1の軸方向長さLとの比率が0.31よりも大きく0.58よりも小さくなるように(すなわち、0.31<(Z1+Z3)/L<0.58、となるように)、かつ(II)第1部分Z1と第2部分Z2との長さの比率が0.15よりも大きく0.46よりも小さくなるように(すなわち、0.15<Z1/Z2<0.46、となるように)、所定の長さを占める第1〜第3部分Z1〜Z3を備えたシリンダライナ1を提示する。
これにより、耐スカッフィング性を向上させるための第1部分Z1と第3部分Z3との間の最適な長さ比率、および耐摩擦性を向上させるための第1部分Z1と第2部分Z2との間の最適な長さ比率が得られる。
代替的な構成では、シリンダライナ1の内面4は、その軸方向長さLに沿って2〜6あるいはそれ以上の部分に分割されていてもよく、当該各部分は好ましい構成において規定されたものと同様の態様で特定の粗さ値および所定の長さを有する。
部分Z1,Z2,Z3の長さを規定する値の範囲は、種々のエンジンにおける試験の実行によって得られる。実行した試験の一つでは、規定された値の範囲を外れた(Z1+Z3)/L=0.27および/またはZ1/Z2=0.18で規定される部分Z1,Z2,Z3の長さを有するライナ1の内面4が、強い傷付きおよびスカッフィングによる摩耗の開始を呈することが確認された。図3は、摩耗跡を有するシリンダライナ1を示している。
シリンダライナ1の耐摩耗性の向上という利点に加えて、本発明のライナ1の内面4の改良は、また、ピストンリングアセンブリによって作用する接線力のようなパラメータが0.6N/mm以下に調節され、エンジンの動作中におけるライナ/リングアセンブリの摩擦が低減されることを可能とする。
さらに、ライナ1の内面4の最適化は、また、スカッフィングによる摩耗の解消のために重要である、折り畳まれた材料の面積(折り畳まれた金属の面積、FMA)や折り畳まれた材料の体積(折り畳まれた金属の体積、FMV)といったパラメータの調節を可能とする。
パラメータFMA,FMVが小さくなるほど、材料の粒状組織間におけるオイルの流れはよくなり、これによりアセンブリの良好な潤滑が促進され、したがって摩耗が低減される。この例では、10%以下のFMA値と50,000μm3/mm2以下のFMV値が得られた。図4のグラフは、100時間のエンジン試験を行った上での、異なる速度で折り畳まれた材料における摩耗の変化を示している。高い速度で折り畳まれた材料のシリンダライナ1はおよそ0.14μmの摩耗D1を示している一方、低い速度で折り畳まれた材料のシリンダライナ1では摩耗D2は大幅に低減され、その値はおよそ0.04μmである。この意味で、ライナ1の摩耗の程度D1,D2が大きいほど、シリンダライナ1の内面4のホーニング溝におけるオイルの流動性が低くなることにより、耐スカッフィング性が低くなる。
好ましい実施形態の例について記載したが、本発明の範囲は、他の可能な変形例を含むものであって、特許請求の範囲の内容によってのみ限定されるものであり、等価物をも含むものであることを理解されたい。
1 シリンダライナ
2 筒状体
4 内面
L 軸方向長さ
Z1 第1部分
Z2 第2部分
Z3 第3部分
2 筒状体
4 内面
L 軸方向長さ
Z1 第1部分
Z2 第2部分
Z3 第3部分
Claims (8)
- 軸方向長さ(L)を有する内面(4)を有する中空の筒状体(2)を備えた、内燃エンジン用のシリンダライナであって、
上記内面(4)は、上記軸方向長さ(L)に沿って少なくとも2つの部分(Z1,Z2)に分割されており、
上記部分(Z1,Z2)の各々は、特定の粗さ値および所定の長さを有している
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項1において、
上記内面(4)は、上記軸方向長さ(L)に沿って3つの部分(Z1,Z2,Z3)、すなわち(i)ピストンの上死点近傍の第1部分(Z1)と、(ii)中央の第2部分(Z2)と、(iii)ピストンの下死点近傍の第3部分(Z3)と、に分割されており、
上記3つの部分(Z1,Z2,Z3)の各々は、特定の粗さ値および所定の長さを有している
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項2において、
上記3つの部分(Z1,Z2,Z3)の上記所定の長さは、(1)上記第1部分(Z1)および上記第3部分(Z3)の長さの和と、上記シリンダライナ(1)の上記軸方向長さ(L)との比率が、0.31よりも大きく0.58よりも小さくなるように(すなわち、0.31<(Z1+Z3)/L<0.58、となるように)、かつ(2)上記第1部分(Z1)と上記第2部分(Z2)との長さの比率が、0.15よりも大きく0.46よりも小さくなるように(すなわち、0.15<Z1/Z2<0.46、となるように)、規定されている
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項1において、
上記シリンダライナ(1)の上記軸方向長さ(L)の全長に沿って一定のホーニング角度を有している
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項1において、
上記部分(Z1,Z2)の各々に対して特定のホーニング角度を有している
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項2において、
上記第1部分(Z1)の粗さは、Rpkが0.30μm以下であり、Rkが0.40〜1.50μmであり、Rvkが1.10〜2.80μmである
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項2において、
上記第2部分(Z2)の粗さは、Rpkが0.30μm以下であり、Rkが0.40μm以下であり、Rvkが0.30〜1.00μmである
ことを特徴とするシリンダライナ。 - 請求項2において、
上記第3部分(Z3)の粗さは、Rpkが0.30μm以下であり、Rkが1.50μm以下であり、Rvkが0.30〜2.80μmである
ことを特徴とするシリンダライナ。
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