JP5155924B2 - シリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンがその内壁面を摺動するシリンダに関し、特には、ピストンとの往復動摩擦を低減することが可能なシリンダに関する。
温暖化をはじめとする環境問題が地球規模で大きくクローズアップされ、大気中のCO削減に向けた内燃機関の燃費改善技術の開発が大きな課題となっており、その一環として、エンジン等に用いられる摺動部材の摩擦損失の低減が求められている。これに鑑み、近年において、耐摩耗性および耐焼付性に優れ、かつ、摩擦力の低減効果を最大限に発現することが可能な摺動部材の材料・表面処理・改質の技術の開発が進められている。
内燃機関の燃費改善など、シリンダが用いられる装置のエネルギー効率を向上させるためには、摩擦損失の低減が有効である。特に、往復運動を行なうピストンリングと、シリンダの内壁面との間では、摩擦低減が有効である。上記往復動摩擦の低減のためにはシリンダの内壁面の表面粗さを小さくすることが有効な手段であるとされているが、表面粗さが小さすぎると当該内壁面に保持される潤滑油がほとんどなくなるため、耐焼付性が低下するという不具合があった。耐焼付性を向上させるために特許文献1ではシリンダライナを、その内壁面の表面粗さが、ピストンの上死点側から下死点側に向って粗くなるように形成している。しかしながら、特許文献1においては下死点付近および行程中央部における上記表面粗さが大きいため、往復動摩擦が増大してしまうという不都合がある。
また、特許文献2ではシリンダライナの内壁面にくぼみを形成することにより、ピストンリングと、シリンダライナとの往復動摩擦を低減する技術が開示されている。特許文献2においては、摺動速度の違いによってシリンダライナをシリンダの軸方向に複数の領域に分割し、領域ごとにくぼみの形状を異なるものとすることにより、往復動摩擦の低減効果を高めている。しかしながら特許文献2においては、摺動面の少なくとも摺動部材が折り返す摺動端近傍部分に、円形状のくぼみが多数形成されている。ピストンが上死点、下死点に達した際には摺動速度が遅くなるため、上記摺動端近傍部分にくぼみが形成されている場合は油膜が薄くなり、金属接触を起こしやすくなって摩擦が大きくなるという不具合がある。
特開平8−200145号公報 特開2007−46660号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ピストンリングが摺動する領域において、ピストンリングとシリンダの内壁面との往復動摩擦を低減することができるシリンダを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、ピストンリングを備えるピストンが内壁面を摺動するシリンダであって、前記シリンダの内壁面のうち、前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から、前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域に複数の凹部がシリンダの軸方向に所定の間隔をもって形成されており、前記間隔は、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さく、前記行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計が15〜70%の範囲内であり、前記シリンダの内壁面の、前記行程中央部領域以外の領域には前記凹部が形成されていないことを特徴とする。
前記シリンダは、シリンダ本体とその内側に固着されたシリンダライナとから構成されており、前記シリンダライナの内壁面に前記複数の凹部が形成されていてもよい。
また、上記シリンダにあっては、前記行程中央部領域の、前記凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzが4μm以下であってもよい。
また、前記シリンダにあっては、前記凹部のシリンダ軸方向の平均長さが、ピストンが備えるピストンリングのうちの、最上位のピストンリングのシリンダ軸方向の長さ以下であってもよい。
さらに、前記シリンダにあっては、前記凹部のシリンダ径方向の平均長さが0.1〜1000μmの範囲内であってもよい。
さらにまた、前記シリンダが、内燃機関に用いられるものであってもよい。
本発明によれば、シリンダ内壁面の表面加工をシリンダ軸方向の位置によって異なるものとしているため、より具体的には、行程中央部領域のみに凹部を形成しているため、ピストンリングが摺動する領域において、ピストンリングとシリンダの内壁面との往復動摩擦を低減することができる。また、行程中央部領域における凹部同士のシリンダ軸方向の間隔を、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さく設定し、かつ当該領域における凹部全体の面積率を所定の範囲内に設定することにより、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングは、行程中央部領域において必ず一以上の凹部の上に位置するようにしつつ、当該領域全体をわたって、ピストンリングとの接触面積を小さくすることができ、潤滑油のせん断抵抗に起因する摩擦力を小さく維持することができる。
また、本発明のシリンダは、シリンダの内壁面とピストンが摺動するタイプであっても、シリンダの内側に固着されたシリンダライナとピストンが摺動するタイプであっても同様の効果を得ることができる。
また、本発明のシリンダにおいて、行程中央部領域における凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzの値を所定の値以下とすることにより、往復動摩擦の低減に効果を発揮することができる。なお、十点平均粗さRzとは、JIS B0601−1994にて規定されているものである。
また、本発明のシリンダにおいて、凹部のシリンダ軸方向の平均長さを最上位のピストンリングのシリンダ軸方向の長さ以下とすることにより、シリンダ内の気密性を高く維持することができる。
また、本発明のシリンダにおいて、凹部のシリンダ径方向の平均長さを所定の範囲内とすることにより、往復動摩擦における潤滑油のせん断抵抗の影響を効率的に低減することができる。
さらに、本発明のシリンダライナを、エネルギー効率の向上が特に求められている分野である内燃機関に用いることにより、高い効果を得ることができる。
本発明のシリンダを構成するシリンダライナの内壁面の凹部の形成位置の一例を示す説明図である。 本発明のシリンダにおける、行程中央部領域の範囲の一例を示す説明図である。 本発明のシリンダに形成される凹部の形状の例を示す概略展開図である。 本発明のシリンダにおける、凹部の配置の一例を示す概略展開図である。 本発明のシリンダに形成される凹部の寸法位置を説明する概略展開図および概略断面図である。 本発明のシリンダにおける、面積率を説明する概略断面図および概略展開図である。 本発明の実施例で用いられたシリンダライナの寸法を示す概略図である。 本発明の実施例において、凹部の形成時の状態を示す概略断面図である。 本発明の実施例において、往復動摩擦を測定するために用いられた装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施例における測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例における測定結果を示すグラフである。
本発明のシリンダは、ピストンリングを備えるピストンが内壁面を摺動するシリンダであって、前記シリンダの内壁面のうち、前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から、前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域に複数の凹部がシリンダの軸方向に所定の間隔をもって形成されており、前記間隔は、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さく、前記行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計が15〜70%の範囲内であり、前記シリンダの内壁面の、前記行程中央部領域以外の領域には前記凹部が形成されていないことを特徴とするものである。
本発明のシリンダは、上記のような凹部が形成されているものであれば特に限定されるものではない。本発明のシリンダは、上記の凹部が形成されている内壁面の形状によってピストンとの往復動摩擦を低減する効果を奏するものであるため、ピストンと組み合わせて用いられ、当該ピストンがシリンダの内壁面上を摺動するものであれば、シリンダの用途、種類、材質等にかかわらず同様の効果を得ることができる。そのため、本発明のシリンダは、自動車や飛行機のエンジンなどの内燃機関、スターリングエンジンなどの外燃機関に加え、圧縮機などの、熱機関以外のシリンダとしても用いることができる。
また、シリンダには、シリンダ本体とその内側に固着されたシリンダライナとから構成されており、前記シリンダライナの内壁面上をピストンが摺動する、「シリンダライナタイプ」と、ピストンがシリンダの内壁面上を直に摺動する、「ライナレスタイプ」とがあるが、本発明はシリンダライナの有無にかかわらず、適用することができる。
以下、このような本発明の各態様(シリンダライナタイプとライナレスタイプ)についてそれぞれ説明する。
A.第一態様(シリンダライナタイプ)
本発明の第一態様のシリンダは、シリンダ本体とその内側に固着されたシリンダライナとから構成され、前記シリンダライナの内壁面に上記複数の凹部が形成されているものである。本態様においては、シリンダ本体の内壁面とシリンダライナの外壁面とが固着されており、ピストンは上記シリンダライナの内壁面上を摺動するものであるため、上記シリンダライナが固着されているシリンダ本体の内壁面には、凹部は設けられている必要はない。
以下、本態様のシリンダについて、図面を用いて説明する。
図1は、本態様のシリンダ本体(図示せず)の内壁面に固着されているシリンダライナにおける、シリンダライナ内壁面の凹部の形成位置の一例を示す説明図である。
図1に例示するように本態様におけるシリンダライナ1の内壁面2には、複数個の凹部3が形成されている。この凹部3は、シリンダライナ1の内壁面2のうち、行程中央部領域4のみに形成されており、当該領域4以外の領域には形成されていない。行程中央部領域4は、ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から、上記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である。
図2は、本態様のシリンダ本体の内側に固着されるシリンダにおける、上記行程中央部領域4の範囲の一例を示す概略断面図である。
図2は、ピストンが往復動する際の、上死点停止位置におけるピストン21aと、下死点停止位置におけるピストン21bとを同一の断面図に示すものである。上記行程中央部領域4は、シリンダライナ1の内壁面2のうち、上死点停止位置におけるピストン21aの最下位のピストンリング22のリング溝23の下面24位置から、下死点停止位置におけるピストン21bにおける最上位のピストンリング26のリング溝25の上面27位置までの間の領域である。図2は、3本のピストンリング(第1圧力リング、第2圧力リング、オイルコントロールリング)が用いられる構成のピストンを示しており、最下位のピストンリング22はオイルコントロールリングであり、最上位のピストンリング26は第1圧力リングである。
シリンダが用いられる装置のエネルギー効率を向上させる、例えば、エンジンの燃費を向上させるためには、ピストンリングと、シリンダの内壁面(本態様においてはシリンダライナの内壁面)との摩擦損失低減が有効である。摩擦損失の低減方法は摺動条件によって異なるが、特にピストンは上死点で速度が0になる等の特徴を持つため、摺動する位置により異なる。そこで本態様のシリンダを構成するシリンダライナにおいては、その内壁面の行程中央部領域4のみに凹部を形成するとともに、当該凹部をシリンダライナの軸方向(図2における上下方向)に所定の間隔、より具体的には、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さい間隔で形成することによって、行程中央部領域4の全ての領域において摩擦力を低減することを可能とした。
すなわち、ピストンの移動速度が比較的小さい上死点付近および下死点付近では、シリンダライナの内壁面の表面粗さを小さくすることにより、往復動摩擦の低減を図ることができる。しかしながら、シリンダライナの内壁面と、ピストンリングとの摺動速度が大きい領域である行程中央部領域4では、潤滑油のせん断抵抗の影響が大きくなる。そのため本態様においては、シリンダライナの内壁面のうち、上記行程中央部領域4にのみ凹部を形成することで、ピストンリングとシリンダライナの内壁面との接触面積を小さくし、潤滑油のせん断抵抗の影響を低減することを可能とした。
またここで、行程中央部領域4に複数の凹部を無造作に形成した場合、行程中央部領域4全体では、ピストンリングとシリンダライナの内壁面との接触面積が小さくなるが、微視的には、摺動するピストンリングの幅(シリンダの軸方向の長さ)は行程中央部領域4にくらべて非常に短いため、場所によっては、凹部がピストンリングと重ならない部分も存在する可能性があり、当該部分においては、ピストンリング摺動面とシリンダライナの内壁面とは100%接触をしていることとなってしまい、上記効果を十分に発揮できない可能性があるところ、本発明においては、上述の通り、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さく設定しているため、ピストンリング摺動面とシリンダライナの内壁面とが100%接触することを防止でき、上記効果を常に発揮することができる。
なお、ピストンリングが摺動する領域全てに凹部を形成した場合、つまり行程中央部領域以外の領域にも凹部を形成した場合、上記接触面積が小さくなることにより接触面圧が増加し、上死点および下死点の近傍では境界潤滑となるため、摩擦力が増加してしまう。また、このような部分に凹部があると、不要な油だまりとなってしまい、これが燃焼し潤滑油の消費量が多くなってしまうこともある。
以下、本態様のシリンダについて、項目を分けて詳細に説明する。
1.行程中央部領域
まず、本態様において、凹部が形成される領域である行程中央部領域について説明する。
本態様において、「行程中央部領域」とは、上述したように、ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から、前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である。例えば、図2に例示するように、ピストンの上方から第1圧力リング、第2圧力リング、オイルコントロールリングの順番で3つのピストンリングが配置されている場合、上記行程中央部領域の上端はオイルコントロールリング22のリング溝23の下面24位置であり、下端は最上位のピストンリングである第1圧力リング26のリング溝25の上面27位置である。本態様において凹部は、当該行程中央部領域のみに形成され、それ以外の領域には凹部は形成されない。なお、本態様は、上述したように、3本のピストンリングが用いられる構成に限定されるものではなく、ピストンリングが2本の構成(圧力リング、オイルコントロールリングが1本ずつ)や、ピストンリングが1本の構成(ガスシールと、オイルコントロールとを兼ね備えたピストンリング)においても同様に適用することができる。
2.凹部
次に、本態様のシリンダを構成するシリンダライナの内壁面の前記行程中央部領域に形成される凹部について説明する。
本態様において、前記行程中央部領域に形成される凹部の形状は特に限定されるものではなく、当該凹部の配置等に応じて適宜調整することができる。例えば、図3(a)〜(j)に例示するように、直線および/または曲線から構成される形状の凹部を形成することができる。凹部は、図3(a)〜(c)のような横長の形状でも、図3(d)〜(g)のような縦長の形状でも、図3(h)〜(j)のような縦対横の比率がほぼ等しい形状でもよい。
ここで、前述したように、本態様のシリンダにおいては、行程中央部領域に形成される複数の凹部は、シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔が、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さくなるように配置されていることに特徴を有している。これにより、接触面積を効率的、かつ平均的に低減することができる。つまり、シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔が、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも大きい部分が存在した場合、その部分においては、ピストンリングの摺動面とシリンダライナとは100%接触していることになり、当該部分においては、微視的には凹部が摩擦力低減に対して機能していないと考えることができるのに対し、本態様のシリンダによれば、複数の凹部のうちのいずれかとピストンリングとが常に重なりあう状態を維持することができ、摩擦力低減という効果を安定的に発揮せしめることが可能となる。
本態様の特徴である「複数の凹部は、シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔が、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さくなるように配置されている」状態の例としては、図4(a)や(b)の場合を挙げることができる。
図4(a)は、上述した図1の行程中央部領域4における、凹部3の配置の一例を示す概略展開図である。図4(a)においては、図面の上下方向がシリンダの軸方向であり、図面の左右方向がシリンダの周方向である。
図4(a)に例示するように、凹部3aの最下点5aと、凹部3bの最上点5bの間隔Xが、本態様における「シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔」を意味し、当該Xがピストンリングの幅(シリンダ軸方向の長さ)Yよりも小さいことが本態様の特徴となる。当該特徴により、ピストンが往復した際に、行程中央部領域において、摺動するピストンリングが、シリンダ軸方向のどの位置においてもシリンダ内壁面と100%接触することを防止することができ、往復動摩擦の低減に効果を奏する。
ここで、図4(b)も図4(a)と同様、上述した図1の行程中央部領域4における、凹部3の配置の一例を示す概略展開図である。
図4(b)においても図面の上下方向がシリンダの軸方向であり、図面の左右方向がシリンダの周方向である。図4(a)にあっては、凹部3がシリンダ軸方向にわたって均一の面積で形成されているが、この態様に限定されることはなく、図4(b)に示すように、シリンダ軸方向の行程中央部領域4の端部近傍においては凹部3の面積を小さくし、行程中央部領域4の中央部近傍においては凹部の面積を大きくしてもよい。また、図4(a)においては、凹部3aの真下に凹部3bが形成されており、これらの距離Xは、凹部3aの最下点5aから凹部3bの最上点5bまで、シリンダ軸方向に平行にひいた垂線の長さとなるが、距離Xは必ずしも真下に位置する凹部までの距離を意味するのではなく、図4(b)に示すように、当該距離Xは、凹部3aの最下点5aの真下に位置する凹部3cではなく、凹部3aの下方であってシリンダ軸方向において最も近い位置にある凹部3bの最上点5bがある位置までの、シリンダ軸方向に平行にひいた垂線の長さを意味する場合もある。
ここで、シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔Xは、ピストンリングの幅(シリンダ軸方向の長さ)Yよりも小さければよいが、特に、前記Yに対して前記Xが5〜80%の長さであることが好ましく、より具体的には、0.005mm〜4.0mmが好ましく、0.0075mm〜0.32mmの範囲がより好ましい。
また、本態様において上記凹部の寸法は特に限定されるものではなく、シリンダや共に用いられるピストンリングの寸法等に応じて適宜調整することができる。凹部は、行程中央部領域をシリンダ軸方向に貫くように長く形成されていてもよいが、シリンダの気密性保持の観点から、上記凹部のシリンダ軸方向の平均長さが、用いられるピストンリングのうちの、最上位のピストンリングのシリンダ軸方向の長さ以下であることが好ましい。より具体的には、用いられるピストンリングのうちの、最上位のピストンリングのシリンダ軸方向の長さの5〜100%程度とすることが好ましい。
凹部のシリンダ周方向平均長さは、0.1mm〜15mmの範囲内が好ましく、0.3mm〜5mmの範囲内が特に好ましい。シリンダ周方向平均長さがこの範囲に満たない場合は、凹部を形成した効果が十分に得られない場合がある。一方で、周方向平均長さがこの範囲を超える場合は、ピストンリングの一部が凹部内へ入り込み、ピストンリングが変形する等の不具合が発生する場合がある。
凹部のシリンダ径方向平均長さ(深さ)は、0.1μm〜1000μmの範囲内が好ましく、0.1μm〜500μmの範囲内がさらに好ましく、0.1μm〜50μmの範囲内が特に好ましい。凹部のシリンダ径方向平均長さがこの範囲に満たない場合は、凹部を形成した効果が十分に得られない場合がある。一方で、径方向平均長さがこの範囲を超える場合は、加工が困難であり、また、シリンダライナの径方向長さを長くする(肉厚を厚くする)必要がある等の不具合が生じる場合がある。
本態様においては、隣り合う凹部間のシリンダ周方向平均長さ(周方向の間隔)は、0.1〜15mmの範囲内が好ましく、0.3mm〜5mmの範囲内が特に好ましい。隣り合う凹部間のシリンダ周方向平均長さ(周方向の間隔)がこの範囲に満たない場合には、ピストンリングが摺動するシリンダライナの内壁面の幅が小さすぎて、ピストンリングとシリンダライナの内壁面とが安定して摺動できない可能性がある。一方で、この範囲を超える場合には、凹部を形成した効果が十分に得られない可能性がある。
なお、本態様において上述した凹部の各平均長さは、図5に例示する各箇所の平均長さを意味するものとする。図5(a)は、シリンダライナの内壁面の、シリンダ軸方向を図面の上下方向に示した概略展開図である。また、図5(b)は、シリンダライナの、周方向における概略断面図である。前記凹部の軸方向平均長さとは、図5(a)に例示するように、シリンダ軸方向における、凹部3の長さの平均である。
また、上記凹部3の周方向平均長さとは、図5(a)に例示するように、シリンダ周方向における、凹部3の長さの平均である。図5(b)に例示するように、前記凹部3の周方向平均長さとは、内壁面2を含む面における長さの平均を意味するものとし、前記凹部の面積についても同様とする。
また、上記凹部3の径方向長さとは、図5(b)に例示するように、凹部3の底面からシリンダライナ1の内壁面2までの長さの平均である。また、上記凹部間のシリンダ周方向平均長さ(間隔)とは、図5(a)および(b)に例示するように、隣り合う凹部3の間隔の平均である。
本態様においては、上記行程中央部領域のみに複数の凹部が形成されており、行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計が15〜70%の範囲内であることも特徴である。
本態様における凹部は、ピストンリング摺動面とシリンダとの接触面積を低減することによって往復動摩擦力低減させることを目的として形成されるものであり、当該観点からは、行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計を15〜70%とすることが好ましく、20〜50%が特に好ましい。上記面積率がこの範囲に満たないと、凹部を形成した効果が十分に得られない場合があり、一方で、上記面積率がこの範囲を超えると、接触面積が小さすぎ、ピストンリングがシリンダライナの内壁面を安定して摺動できなくなる等の不都合が生じる可能性がある。
本態様において、「行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計」とは、図6(a)および(b)に例示するように、凹部3の面積をA、A、A、・・・Aとしたときの、上記行程中央部領域の面積に対するA、A、A、・・・Aの合計の比率を意味するものである。面積率は、行程中央部領域における凹部3の面積A、A、A、・・・Aの合計Atotalと、行程中央部領域における凹部3以外の内壁面2の面積Bの合計Btotalとを用い、下記式で表される。なお、図6(a)に例示するように、ここで凹部3の面積とは、前記凹部3の底部の面積ではなく、内壁面2を含む断面における面積を意味する。
Figure 0005155924
本態様においては、上述した凹部の形状、寸法、配置、面積率等は、行程中央部領域の全てにおいて同じでもよいし、領域によって異なっていてもよい。例えば、行程中央部領域において、シリンダ軸方向の各領域で上記面積率が異なっていてもよく、行程中央部領域の上方部分および下方部分においては凹部面積が小さく、行程中央部領域の中央部分においては凹部面積が大きくなっていてもよい。上記面積率等は段階的に変化しても、連続的に変化してもよい。
3.シリンダライナ
本態様におけるシリンダライナは、シリンダ本体の内側に固着して用いられるものであり、ピストンに装着されたピストンリングが、その内壁面上を摺動するものである。本態様のシリンダライナの寸法や材質等は、シリンダ本体の寸法や材質、共に用いられるピストンリング等との相性、さらには運転温度などを考慮し、適宜設計可能である。
本態様においては、ピストンリングと、シリンダライナの内壁面との往復動摩擦力低減の観点から、上記行程中央部領域の、前記凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzが4μm以下とすることが好ましく、2μm以下とすることがさらに好ましく、1μm以下とすることが特に好ましい。また、本態様においては、シリンダライナの内壁面における、上死点付近の領域、下死点付近の領域、および行程中央部領域等、ピストンが摺動する全ての領域が上記表面粗さを有することが好ましい。なお、上記十点平均粗さRzとは、JIS B0601−1994にて規定されているものである。
4.シリンダ本体
本態様において用いられるシリンダ本体は、前記シリンダライナをその内側に固着することができればよく、その材質や寸法などは用途や運転温度等に応じて適宜設計可能である。
5.凹部の形成方法
本態様のシリンダの行程中央部領域における複数の凹部の形成方法については、特に限定されることはなく、上述した各条件を満たす凹部を形成することができれば、いかなる方法をも採用することができる。
例えば、マスキングした後、砥粒を吹き付けることにより凹部を形成するブラスト加工法(後述する実施例で採用)や、マスキングした後、腐食溶液につけ込むことにより凹部を形成する方法、さらには凸版印刷においてインクの代わりに腐食液を使用した腐食加工方法などを採用することができる。
また、本態様のシリンダにおいては、最終的に凹部が形成されていればよく、必ずしも、製造工程においてシリンダ表面を除去して凹部とする必要はなく、逆にシリンダ表面に凸部を形成することにより、結果として当該凸部が形成されなかった部分を凹部としてもよい。
この場合、具体的には、所定のマスキングした後、各種PVD法によってPVD皮膜を凸部として形成する方法、またPVD皮膜の他、クロム、銅、錫、亜鉛、ニッケル、ニッケル−リン等のめっき皮膜や、その他四三酸化鉄、リン酸マンガン、二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイト皮膜等用いることができる。
6.シリンダと組み合わせて用いられるピストン
本態様のシリンダと組み合わせて用いられるピストンについても、特に限定されることはなく、現在公知である種々のピストンを適宜選択することができる。
本態様のシリンダは、その行程中央部領域に複数の凹部を有しているため、当該凹部がオイル溜まりとして機能し、従来のシリンダ(凹部なし)と比べてオイル量が増大することにより、ピストンリングによるオイルのかき残しが生じ、凹部にかき残されたオイルが摺動面に流れ出し、上昇してきたピストンリングにかき上げられたり、残存するオイルが蒸発してしまうことによるLOCの悪化が懸念される。したがって本態様のシリンダと組み合わせ用いるピストンにあっては、オイルを素早く排出するために、オイルドレイン孔(オイルをクランクケースに排出するための孔)をスラスト方向、反スラスト方向にそれぞれ2〜6箇所形成したり、オイルドレイン孔の直径を大きくするなどの工夫をしてもよい。さらに、スラスト方向のオイルドレイン孔の数や大きさを、反スラスト方向に形成されるオイルドレイン孔よりも多く、大きくすることが好ましい。
B.第二態様(ライナレスタイプ)
本態様の第二態様のシリンダは、上記「第一態様」のようなシリンダライナは用いられておらず、シリンダの内壁面に直に上記凹部が形成され、ピストンが当該シリンダの内壁面上を直に摺動するものである。
本態様において用いられるシリンダは、その内壁面に直に前記凹部が形成されたものであればよく、その寸法や材質については特に限定されることはない。
本態様のシリンダは、シリンダライナが用いられず、シリンダの内壁面上に直に凹部が形成されること以外については、上記「A.第一態様」のシリンダライナタイプのシリンダと同様であるため、ここでの説明は省略する。すなわち、「A.第一態様」の「1.行程中央部領域」および「2.凹部」については、本態様のライナレスタイプにもそのまま適用することができ、本態様のシリンダは、その内壁面の行程中央部領域に所定の凹部を設けることにより、上記「第一態様」と同様な効果を奏するものである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。たとえば、本発明のシリンダ内壁面の材質は、アルミ、アルミ系合金、鋳鉄、鋳鋼、鋼など、従来より使用されている各種材料を用いることができる。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(実験1)
以下の方法によりシリンダライナを加工し、当該シリンダライナの往復動摩擦力を測定した。
<シリンダライナの加工>
図7に示す寸法(mm)を有するシリンダライナ(材質:FC250)の行程中央部領域に、マスキング板を用い、以下の手順で凹部を形成した。凹部は、図5(a)に示す形状および配置で形成した。
なお、使用したマスキング板はSUS420製であり、厚さは0.5mmである。
(1)シリンダライナの内壁面に前記マスキング板を固定した。
(2)図8に示すように、シリンダライナ90をブラスト加工機のターンテーブル91に固定した。
(3)図8に示すように、シリンダライナ90の内側にブラスト加工機の砥粒噴出口92を挿入し、ターンテーブル91を回転させ、かつ砥粒噴出口92を上下に移動させながら、砥粒をシリンダライナ90の内壁面に吐出させた(砥粒噴出口92が上昇している時のみ砥粒を吐出させた。)。なお、砥粒材としてはアルミナを用い、砥粒径は53〜74μmのものを用いた。砥粒噴出圧は約2MPaであり、ターンテーブル91の回転数は4rpmとした。また、砥粒噴出口92の上下移動時間は5min×2回とした。
(4)ターンテーブル91からシリンダライナ90を取り外し、ついでマスキング板をシリンダライナから取り外した。
(5)シリンダライナ90の内壁面にホーニング加工を行った。なお、ホーニング加工は、形成された凹部の端部に罵詈が生じている場合があり、これを削除するためである。
(6)形成された凹部の形状は、図5(a)の通り菱形であり、軸方向長さ、周方向長さともに1.2mmであった。また、図5(b)に示す凹部のシリンダ径方向長さは5μm〜15μmであり、シリンダ径方向平均長さ10μmであった。ここで、シリンダ径方向平均長さは、行程中央部領域をシリンダ軸方向に表面粗さ・輪郭形状測定機で測定したときの平均値をいう。また、凹部の形状は樹脂を使用してシリンダ内壁面の形状を転写して測定した。
<往復動摩擦力の測定>
上記手順で加工したシリンダライナの往復動摩擦力(N)を図9に示す装置を用いて測定した。この際に用いた試験片ピストンリングは、オイルリング本体とコイルエキスパンダからなる2ピースオイルコントロールリングであり、その軸方向長さh1は1.5mm、オイルリング本体の径方向長さa1は1.7mm、レール軸方向幅は0.2mmであり、ピストンリングの接線方向張力Ftは9.8Nであった。また、往復動摩擦力の測定時の回転数は50〜750rpm、ピストンリング周辺温度は80℃であり、供給油はSAE粘度10W−30のものを用いた。
<評価>
シリンダライナの内壁面の凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzが2μm、凹部のシリンダ径方向平均長さが10μm、回転数が750rpmの際において、
1)オイルコントロールリングの軸方向長さh1(1.5mm)に対するシリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔の割合(%)と、
2)凹部の面積率(%)
を種々に変化させたシリンダライナを用意し(従来例、比較例1〜10、および実施例1〜12)、各シリンダライナの摩擦力の測定結果を表1に示す。表1においては、凹部が形成されていない、つまり上記面積率が0%の従来例の摩擦力を1.00としたときの摩擦力比を示す。
Figure 0005155924
表1からも明らかなように、シリンダライナの軸方向における凹部同士の間隔をオイルコントロールリングの幅よりも小さくし、かつ凹部の面積率を15〜70%とすることにより摩擦力を効果的に低減することができることが分かった。
(実験2)
次に、シリンダライナの内壁面の凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzが2μm、上記図7の行程中央部領域における凹部の面積率を50%とし、回転数が750rpmの際に、凹部のシリンダ径方向平均長さ(凹部の深さ)が0μm(従来例)、0.1μm、2μm、5μm、10μm、50μm、100μm、500μmの場合の測定結果を図10に示す。なお、凹部の形状は図5(a)に示す形状とした。図10においては、凹部が形成されていない、つまり上記凹部のシリンダ径方向平均長さが0μmの従来例の摩擦力を1.00としたときの摩擦力比を示す。
図10から、凹部のシリンダ径方向平均長さが5μm以上の場合に効果的に摩擦力が低減されていることが分かる。これは、通常の油膜厚さが5μm程度であると考えられるため、凹部のシリンダ径方向平均長さを5μm以上にすることでピストンリングが通過する際に潤滑油が凹部内に一時的に退避することが可能となり、潤滑油のせん断抵抗の影響を受けにくくなることに起因するものと考えられる。
上記図7の行程中央部領域における凹部の面積率を50%とし、凹部のシリンダ径方向平均長さが10μm、回転数が750rpmの際に、シリンダライナの内壁面の十点平均粗さRzが0.5μm、2μm、4μm、5μmの場合の測定結果を図11に示す。図11においては、凹部が形成されておらず、かつシリンダの内壁面の十点平均粗さRzが2μmの従来例の摩擦力を1.00としたときの摩擦力比を示す。
図11から、十点平均粗さRzが同じ場合でも、凹部が形成されているものは、凹部が形成されていないものに比べて摩擦力が大幅に低減されていることが分かる。また、凹部が形成されているもの同士を比較すると、十点平均粗さRzが2μmを超えると摩擦力が急激に大きくなっていることが分かる。これは、凹部を形成することにより接触面積が小さくなり、凹部が形成されていない場合と比べて摺動部分の面圧が高くなるため、摺動面の表面粗さの影響を受けやすくなることに起因するものと考えられる。
なお、本発明は上記実施例には限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施例においては、凹部の形成にあたりブラスト加工法を用いたが、これに限定されることはなく、腐食溶液を用いる方法で行ってもよい。また、上記実施例においてはマスキング板を用いたが、これに限定されることはなく、樹脂からなるマスキングシート等を用いてもよい。
1…シリンダライナ
2…内壁面
3…凹部
4…行程中央部領域

Claims (6)

  1. ピストンリングを備えるピストンが内壁面を摺動するシリンダであって、
    前記シリンダの内壁面のうち、前記ピストンの上死点における最下位のピストンリングのリング溝の下面位置から、前記ピストンの下死点における最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の領域である行程中央部領域に複数の凹部がシリンダの軸方向に所定の間隔をもって形成されており、
    前記間隔は、シリンダ内壁面を摺動するピストンリングの中で、その外周摺動面のシリンダ軸方向長さが最も小さいピストンリングの外周摺動面のシリンダ軸方向長さよりも小さく、
    前記行程中央部領域の面積を100%としたときの、全凹部の面積の合計が15〜70%の範囲内であり、
    前記シリンダの内壁面の、前記行程中央部領域以外の領域には前記凹部が形成されていないことを特徴とするシリンダ。
  2. 前記シリンダは、シリンダ本体とその内側に固着されたシリンダライナとから構成されており、前記シリンダライナの内壁面に前記複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ。
  3. 前記行程中央部領域の、前記凹部が形成されていない箇所の十点平均粗さRzが4μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ。
  4. 前記凹部のシリンダ軸方向の平均長さがピストンが備えるピストンリングの、最上位のピストンリングのシリンダ軸方向の長さ以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダ。
  5. 前記凹部のシリンダ径方向の平均長さが0.1〜1000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダ。
  6. 前記シリンダが、内燃機関に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンダ。
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