JP5267936B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに関する。
一般に、内燃機関のピストンは、該ピストンの周囲に刻設されるピストンリング溝に保持されるピストンリングを介してシリンダボア内に嵌挿され、該ピストンがピストンピン、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結されることによって、ピストンの往復運動とクランクシャフトの回転運動との間で運動変換が行なわれる。
なお、ピストンリングとシリンダボア間、及びピストンピン廻りに揺動されるピストンのスカート部とシリンダボア間には潤滑油を存在させ、該潤滑油によって各両者間の潤滑を良好に行うことにより、スカッフィング(溶着)や摩擦を抑制すると共にフリクションの低減などが図られている。
ここで、シリンダ内の空気を圧縮する圧縮行程や燃焼行程などにおいては、ピストン上面側から圧力が作用するが、ピストンに連結されているコネクティングロッドはクランク角度に応じて往復運動方向におけるシリンダ中心軸に対して傾く。結果として、力の釣り合いより、ピストンをシリンダボア内壁に向けて押圧する側圧が発生し、それによってピストンのスカート部がシリンダボア内壁へ押し付けられて面圧が上昇する。このため、ピストンのスカート部とシリンダボア内との間の特に面圧上昇部位の潤滑特性を改善して、ピストンのスカート部とシリンダボア内壁との間で発生するスカッフィング(溶着)を防止すると共に、摩耗を長期に亘って抑制すること、及びフリクションを低減することが要求されている。
このような要求を満たすために、種々の技術が提案されている。例えば特許文献1には、ピストンのスカート部の外周表面に油溝と、油溝の裏面側にこの油溝に対応してリブ状の突起部をピストンの鋳造工程に形成し、ピストン表面に適量の潤滑油を保持するようにしたピストンが開示されている。
また、特許文献2には、ピストン外周面における軸心方向一端から中途部にわたる部分に、螺旋状に油溝を形成したピストンが開示されている。
さらに、特許文献3には、ピストンスカート部に油溝を形成するエッチング方法が開示され、その図面に、複数の放物線状パターンの油溝を有するピストンが開示されている。
なお、特許文献4には、スカート部の外表面に条痕を形成し、この条痕の表面に条痕の溝形状を維持したまま樹脂皮膜をコーティングし、潤滑油を保持するようにしたピストンが開示されている。
特開2000−297694号公報 実開昭61−17506号公報 特開平5−214563号公報 特開2003−13802号公報
ところで、上述の、ピストンのスカート部とシリンダボア内壁との間で発生するスカッフィング(溶着)を防止すると共に、摩耗を長期に亘って抑制すること、及びフリクションを低減するという要求を満たすためには、以下の事項が必要である。すなわち、1)上記面圧上昇部に対し、ピストンの下降時において潤滑油の導入を行うこと、2)上記面圧上昇部に導入された潤滑油を保持すること、及び、3)上記面圧上昇部における油膜厚さの減少を抑制することである。
しかしながら、上述の特許文献1ないし4に開示されたピストンでは、上記1)ないし3)の全てを同時に満たすことは期待できず、さらなる改善が要望されている。
そこで、本発明の目的は、上記従来の実情に鑑みなされたもので、面圧上昇部における潤滑油の導入及び保持特性を良好に維持すると共に、耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させてフリクションの低減を図ことができる内燃機関のピストンを提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る内燃機関のピストンの一形態は、スカート部の少なくともスラスト方向外周面に軸方向に直交する方向の溝状条痕が形成され、前記溝状条痕が形成された外周面上に樹脂皮膜層が形成されると共に、前記樹脂皮膜層に、前記スカート部のスラスト方向中央部分の上部に少なくとも最外周の半円弧が重なる形態で、複数の半円弧からなる溝パターンが形成されていることを特徴とする。
ここで、前記樹脂皮膜層の膜厚をa、前記溝状条痕の溝底からの条痕高さをbとするとき、次式の条件を満たすことが好ましい。
「0.5b < a < b」
上記形態によれば、スカート部の少なくともスラスト方向外周面に軸方向に直交する方向の溝状条痕が形成され、前記溝状条痕が形成された外周面上に樹脂皮膜層が形成されている。そして、前記樹脂皮膜層に、前記スカート部のスラスト方向中央部分の上部に少なくとも最外周の半円弧が重なる形態で、複数の半円弧からなる溝パターンが形成されている。かくて、ピストンの下降時においては、複数の半円弧からなる溝パターンの下端部を経て、面圧上昇部に対応するスカート部のスラスト方向中央部分に積極的に潤滑油が導入される。そして、最外周の半円弧が重なるスラスト方向中央部分の上部には、長い油溝が形成されるので、そこに導入された潤滑油は容易に保持される。また、スラスト方向中央部分で面圧が上昇したときには、複数の半円弧からなる溝パターンにより、潤滑油が四方に移動するのが防止されるので、油膜厚さの減少が抑制される。したがって、面圧上昇部における潤滑油の導入及び保持特性を良好に維持すると共に、耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させてフリクションの低減を図ことができる内燃機関のピストンが得られる。
本発明の一実施の形態に係るピストンをスラスト方向から見た正面図である。 同上のピストンの側面図である。 同上のピストンの製作手順を説明する図であり、(A)は溝状条痕が形成されたピストンの正面図、(B)は樹脂皮膜層の正面図、(C)は溝状条痕上に樹脂皮膜層が形成されたピストンの正面図である。 (A)は図1のA−A線断面図、(B)は図1のB−B線断面図である。 ピストンのスカート部における面圧上昇部位と溝パターンとの関係を示す説明図であり、(A)は面圧上昇部位を、(B)は面圧上昇部位と溝パターンとを重ねて示す。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係るピストン10は、図1及び図2に示すように、ピストンリングが順にそれぞれ装着される複数の外周溝14、16、18が形成されたピストンランド12を有し、その下方にスカート部20及び不図示のピストンピンが嵌合されるピンボス22を有している。ピンボス22にはクランク軸の長手方向と略平行な軸線を有するピストンピン孔24が開設されている。そして、ピンボス22はピストンピン孔24の軸線に直交して平行に配置されたサイドウォール26と一体に形成され、該サイドウォール26の両端がそれぞれスカート部20に連続して形成されている。
なお、3つのピストンリングのうち、ピストン頂面(燃焼室)に最も近い部位の外周溝14に取り付けられるトップリング及びトップリングの次にピストン頂面に近い部位の外周溝16に取り付けられるセカンドリングは、主に燃焼室からシリンダボア内に圧縮ガスや燃焼ガスが漏出するのを防止するコンプレッションリングとして機能し、また、ピストン頂面に最も遠い部位の外周溝18に取り付けられるオイルリングは、シリンダボア(クランクケース)から燃焼室にオイルが持ち込まれるのを防止すべく機能する。
ここで、本発明の一実施の形態に係るピストン10はその母材として、例えば、アルミニウム合金で形成され、このピストン10の冷間時でのスカート部20の外周面は、ピンボス22のピストンピン孔24の軸線方向が短径で、これに直交するスラスト方向が長径となる断面楕円形状の一部となるように形成されている。
そして、本実施形態では、まず、図3(A)に示すように、母材としてアルミニウム合金で形成されたピストン10におけるスカート部20のスラスト及び反スラスト方向外周面にピストン10の軸方向に直交する方向の複数の溝状条痕30が形成される。さらに、この溝状条痕30が形成された外周面上に例えばスクリーン法により樹脂皮膜層40が形成される。具体的には、樹脂皮膜層40は、図3(B)に示すように、複数の同心の半円弧からなる溝パターン50が形成されており、本実施形態では、この最外周の半円弧がスカート部20のスラスト及び反スラスト方向中央部分の上部に重なる形態で形成されている。例えば、スクリーン法により樹脂皮膜層40を形成する場合には、上述の溝パターン50に対応する部分がマスキングされたスクリーンが用いられて、樹脂皮膜層40が印刷される。その結果として得られるピストン10は、図3(C)及び図1に示す通りである。
なお、樹脂皮膜層40は、図4(B)に示すように、その膜厚を「a」とし、溝状条痕30の溝底からの条痕高さを「b」とするとき、「0.5b < a < b」となるようにされている。かくて、アルミニウム合金生地の溝状条痕30を底壁とし、膜厚「a」の樹脂皮膜層40により側壁が形成された、複数の同心の半円弧からなるパターン溝部52が形成されている。そして、これら複数の同心半円弧のパターン溝部52は、その両下端がピストン10の軸線方向の下方に開口している。
ここで、前述したように、ピストン10の往復運動中に生じるピストン10のスカート部20における面圧上昇部位60と溝パターン50との関係について、図5を参照して説明する。ほぼ円形の面圧上昇部位60は、図5(A)に示すように、スカート部20のスラスト及び反スラスト方向中央部分に対応する。したがって、本実施の形態では、図5(B)に示すように、複数の同心の半円弧からなるパターン溝部52のうちの最外周の半円弧で形成されるパターン溝部52が、上述のほぼ円形の面圧上昇部位60の上部に重なる形態で形成されている。
なお、図4を参照して説明したように、樹脂皮膜層40の膜厚「a」を溝状条痕30の溝底からの条痕高さ「b」よりも小さくすることにより、ピストン10の使用に伴い樹脂皮膜層40が磨耗により膜厚が減少したとしても、母材の溝状条痕30の溝形状がある程度維持されるので、樹脂皮膜層40自体による潤滑油保持作用を奏させることができる。また、樹脂皮膜層40の膜厚「a」を溝状条痕30の溝底からの条痕高さ「b」の半分よりも大きくすることにより、溝パターン50におけるパターン溝部52の深さを確保して、後述するように、十分な量の潤滑油の導入及び保持作用を奏させることができる。
上述の実施形態によれば、さらに以下のような作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン10の下降時においては、スカート部20とシリンダボア間に存在している潤滑油が、パターン溝52の両下端の開口部を経て、スカート部20のスラスト及び反スラスト方向中央部分である面圧上昇部位60に積極的に導入される。そして、最外周の半円弧で形成されるパターン溝部52やその次のパターン溝部52・・・など比較的長い油溝が形成されるパターン溝部52が面圧上昇部位60の大半に重なって形成されており、そこに導入された潤滑油は容易に保持されると共に、ピストン10の上昇時においても潤滑油が排出されるのが抑制される。また、スラスト方向中央部分で面圧が上昇したときには、複数の半円弧で形成されるパターン溝部52により、潤滑油が四方に移動するのが防止されるので、油膜厚さの減少が抑制される。したがって、ピストン10の下降及び上昇時の全行程において、面圧上昇部位60における潤滑油の導入及び保持特性が良好に維持されて油膜形成を十分に行うことができる。その結果、耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させてフリクションの低減が図れるのである。
次に、上記実施の形態に係るピストンを用意し、パターン溝が形成されていない従来技術によるピストンとの対比のためのフリクションの計測を行った結果、ピストンの上昇行程ではさほど差異が認められないものの、ピストンの下降行程では大幅にフリクションが低減することが確認された。
10 ピストン
20 スカート部
30 溝状条痕
40 樹脂皮膜層
50 溝パターン
52 パターン溝

Claims (1)

  1. スカート部の少なくともスラスト方向外周面にピストンの軸方向に直交する方向の複数の溝状条痕が形成され、前記複数の溝状条痕が形成された外周面上に樹脂皮膜層が形成されると共に、前記樹脂皮膜層に、前記スカート部の面圧上昇部位に対応する部分であるスラスト方向中央部分の上部に少なくとも最外周の半円弧が重なり、両下端がピストンの軸方向の下方に開口する形態で、複数の半円弧からなる溝パターンが形成され、
    前記樹脂皮膜層の膜厚をa、前記溝状条痕の溝底からの条痕高さをbとするとき、次式の条件を満たすことを特徴とする内燃機関のピストン。
    「0.5b < a < b」
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