JP6579027B2 - 内燃機関のシリンダボア壁 - Google Patents

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本発明は、内燃機関のシリンダボア壁に関するものである。
往復運動を行なうピストンに取付けられたピストンリングとシリンダボア壁との間における往復摩擦を低減する従来の技術として、たとえば、特開2010−236444号公報(特許文献1)に開示されるものが知られている。
特開2010−236444号公報
特許文献1の技術は、シリンダボア壁における、ピストンが上死点にある時の最下位のピストンリングのリング溝の下面位置からピストンが下死点にある時の最上位のピストンリングのリング溝の上面位置までの間の行程中央部領域に、複数の凹部を面積率が1〜80%となるように形成するというものである。
ところで、特許文献1に開示されるような単純形状の凹部をシリンダボア壁に多数形成すると、ピストンリングとシリンダボア壁の往復摩擦は低減されるものの、ピストンリングとシリンダボア壁の間に形成される油膜に圧力を発生させる部分(凹部以外の部分)の面積が少なくなるため、面圧が上昇して油膜の厚さが薄くなる。その結果、ピストンリングとシリンダボア壁との間の潤滑に必要な油膜を確保することが難しくなる。油膜不足になると、ピストンリングとシリンダボア壁との間の潤滑状態が流体潤滑から境界潤滑となり、摩擦抵抗の増加および焼き付きが発生する。従って、従来の構成では、十分な油膜を確保するために、シリンダボア壁に形成することができる凹部の面積率が制限されており、往復摩擦を十分に低減することができなかった。
そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものである。この発明は、ピストンとシリンダボア壁との間の流体潤滑を維持しつつ、両部材の往復摩擦を低減することが可能な内燃機関のシリンダボア壁を提供することを目的とする。
この発明に従った内燃機関のシリンダボア壁のピストンが摺動する摺動表面には複数の複合凹部が形成されており、複数の複合凹部は、それぞれ、第一凹部と、第一凹部に連続して第一凹部を取り囲む第二凹部と、を備え、第二凹部は、ピストンに嵌合するピストンリングとの間で動圧効果を発生するように摺動表面に連続する楔状部分を有し、摺動表面からの第二凹部の深さは摺動表面からの前記第一凹部の深さよりも浅い。
このように構成された内燃機関のシリンダボア壁では、第一凹部に連続して第一凹部を取り囲むように、第一凹部よりも浅い第二凹部が設けられるため、第二凹部において油膜を確保することができる。そのため、ピストンとシリンダボア壁との間の流体潤滑を維持することができる。さらに、第二凹部は、ピストンに嵌合するピストンリングとの間で動圧効果を発生するように設けられるため、シリンダボア壁とピストンの往復摩擦を低減することが可能である。
好ましくは、複合凹部は、第一凹部と第二凹部との境界部で表面の傾斜が不連続に変化し、境界部における摺動表面に対する第一凹部の表面の傾斜角は摺動表面に対する第二凹部の表面の傾斜角よりも大きい。この場合、第二凹部の表面の傾斜が小さくなるため、第二凹部で確実に油膜を確保することができる。
好ましくは、複数の複合凹部はピストンの上死点から下死点までの摺動範囲に対応するシリンダボア壁の部分に設けられ、ピストンの上死点に対応して設定される上死点領域またはピストンの下死点に対応して設定される下死点領域において形成される複数の複合凹部の密度は、上死点領域と下死点領域の間に設定される中間領域において形成される複数の複合凹部の密度よりも低い。この場合、ピストンスピードが遅い上死点および下死点付近で複合凹部の数が少なくなるため、十分な油膜を確保することができる。ピストンスピードが速い上死点および下死点間で複合凹部が多いため油膜をせん断しやすい。その結果、抵抗を低減することができる。
好ましくは、複数の複合凹部はピストンの上死点から下死点までの摺動範囲に対応するシリンダボア壁の部分に設けられ、ピストンの上死点に対応して設定される上死点領域またはピストンの下死点に対応して設定される下死点領域において形成される複数の第二凹部の摺動表面からの深さは、上死点領域と下死点領域の間に設定される中間領域において形成される複数の第二凹部の摺動表面からの深さより浅い。この場合、ピストンスピードが遅い上死点および下死点付近では第二凹部の摺動表面からの深さが浅くなるため、十分な油膜を確保することができる。
好ましくは、第二凹部の摺動表面からの深さは第一凹部と第二凹部との境界部分で最も深い。
好ましくは、第二凹部の摺動表面からの深さは第一凹部と第二凹部との境界から離れた部分で最も深い。
上記の構成によれば、ピストンとシリンダボア壁との間の流体潤滑を維持しつつ、両部材の往復摩擦を低減することが可能な内燃機関のシリンダボア壁を提供することができる。
ピストンの斜視図である。 図1中の矢印II−II線に沿った断面図である。 図2中のIIIで囲んだ部分を拡大して示す断面図である。 第一凹部および第二凹部の深さを示すシリンダボア壁の断面図である。 シリンダの一部断面を含む斜視図である。 移動するピストンリングとシリンダボア壁上での油膜との関係を示す断面図である。 実施の形態2に従ったシリンダボア壁の断面図である。 実施の形態3に従ったシリンダボア壁の断面図である。 実施の形態4に従ったシリンダボア壁の斜視図である。 実施の形態5に従ったシリンダボア壁の斜視図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の各実施形態に係るシリンダボア壁について図を参照して説明する。以下の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。また、各実施の形態を組み合わせることも可能である。
図1は、ピストンの斜視図である。図1で示すように、ピストン1は、ピストントップ2を有するピストントップ2には、燃焼室を構成する凹部4が設けられている。なお、ピストン1はディーゼルエンジン用またはガソリンエンジン用のいずれであってもよい。
ピストン1の側面には、ランド10と、ピストンリング溝11,12,13が設けられている。ピストンリング溝11,12,13は環状であり、各々のピストンリング溝11,12,13には、ピストンリングが嵌合する。ピストンリング溝11,12にはコンプレッションリングが嵌合し、ピストンリング溝13にオイルリングが嵌合する。
図2は、図1中の矢印II−II線に沿った断面図である。図2で示すように、ランド10にはシリンダボア壁100が対向する。ピストンリング溝11にピストンリング20が嵌合している。シリンダボア壁100は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれのシリンダボア壁100であってもよい。
図3は、図2中のIIIで囲んだ部分を拡大して示す断面図である。図3で示すように、シリンダボア壁100には複合凹部110が形成されている。複合凹部110は、中央に位置する第一凹部111と、第一凹部111を取り囲む第二凹部112とを備える。ピストンリング20の幅W1よりもバレルフェースの幅W2は狭い。この例では、第一凹部111の幅W3は、第二凹部112の幅W4よりも広いように記載されているが、第一凹部111の幅W3は第二凹部112の幅W4よりも狭くてもよい。
オイル101がシリンダボア壁100の摺動表面100a、第一凹部111および第二凹部112内を潤滑している。オイル101は摺動表面100aとピストンリング20との間に介在することで、ピストンリング20が摺動表面100aに対して滑らかに摺動することを助ける。
第二凹部112は第一凹部111に比較して摺動表面100aからの深さが浅い凹部であり、摺動表面100aに連続して設けられている。このため、第二凹部112と摺動表面100aとの境界近傍には楔状部分112aが形成される。楔状部分112aを形成する第二凹部112の表面は、摺動表面100aに対してわずかに傾斜した面、即ち、摺動表面100aとのなす角である傾斜角が小さい面を備えている。従って、第二凹部112の楔状部分112a上をピストンリング20が通過する際に、楔状部分112aに保持するオイル101に動圧効果が発生する。具体的には、ピストン1が往復動動作すると、シリンダボア壁100を摺動するピストンリング20によって、楔状部分112aとピストンリング20との間のオイル101の膜(以下、油膜とも称する)に正圧が発生する。そして、その油膜には、ピストンリング20をシリンダボア壁100の表面から浮上させる力が発生する。つまり、楔状部分112aにおけるシリンダボア壁100とピストンリング20との潤滑状態は流体潤滑状態となる。その結果、楔状部分112aとピストンリング20との間に十分な量のオイル101の膜を確保でき、摩擦抵抗の増加を抑制することができる。
図4は、第一凹部および第二凹部の深さを示すシリンダボア壁の断面図である。図4で示すように、第一凹部111の深さD1は、第二凹部112の深さD2よりも深い。深い凹部である第一凹部111によってオイル101の膜が分断されるので、ピストンリング20が移動する際の油膜のせん断力が不要となり、摩擦力を低減することができる。第二凹部112は浅い凹部であるため、第二凹部の端部(第二凹部と摺動面との境界付近)が楔状となる。この楔状の部分の動圧効果により、第二凹部112とピストンリング20との間に油圧を発生させることが可能である。
シリンダボア壁100は、第一の深さD1の第一凹部111と、第一凹部111に連続して第一凹部111を取り囲む、第二の深さD2の第二凹部112とを備える。第一の深さD1は第二の深さD2よりも深い。第一の深さD1および第2の深さD2は、摺動表面100aからの深さである。第二凹部112は、ピストン1に嵌合するピストンリング20との間で動圧効果を発生するように摺動表面100aに連続する楔状部分112aを有する。第一凹部111と第二凹部112との境界121では、表面の傾斜が不連続に変化し、境界121近傍で摺動表面100aに対する第一凹部111の表面の傾斜角は第二凹部112の表面の傾斜よりも大きい。第二凹部112の深さD2は第一凹部111と第二凹部112との境界121部分で最も深い。
複数の第一凹部111の第一の深さD1は、それぞれ異なっていてもよい。複数の第二凹部112の第二の深さD2は、それぞれ異なっていてもよい。複数の第一凹部111の大きさは、それぞれ異なっていてもよい。複数の第二凹部112の大きさは、それぞれ異なっていてもよい。
図5は、シリンダの一部断面を含む斜視図である。図5で示すように、シリンダボア壁100の摺動表面100aに複数の複合凹部110が配置されている。複合凹部110は、シリンダボア壁100の上下方向に列を形成するように配置されている。すなわち、複数の複合凹部110は格子状に配置されている。複合凹部110は、ピストンリング20と摺動する部分に設けられる。
図6は、移動するピストンリングとシリンダボア壁上での油膜との関係を示す断面図である。図6で示すように、ピストンリング20は、第一凹部111および第二凹部112上を矢印21で示す方向に移動する。この状態で、第一凹部111とピストンリング20との間に隙間が形成される。その結果、第一凹部111において油膜が分断される。ピストンリング20の移動時に油膜をせん断する必要がなく、摩擦力が低減される。ピストンリング20の第二凹部112はステップ形状または傾斜形状であるため、マイクロ動圧効果により第二凹部112において油膜圧力が上昇する。第二凹部112とピストンリング20との間で油膜を形成しやすくすることにより、境界潤滑状態での摺動となることを防止できる。
第一凹部111および第二凹部112は、たとえば、ショットピーニングにより形成される。さらに、シリンダボア壁100はシリンダライナとして、シリンダブロックと別に構成されてもよい。シリンダライナは、たとえば、鉄合金またはアルミニウム合金により構成される。
シリンダライナを用いずにシリンダブロックによりシリンダボア壁100を構成してもよい。この場合、シリンダボア壁100の耐摩耗性を高めるために、シリンダボア壁100の組成が、シリンダブロック本体の組成と異なっていてもよい。
以上のように構成された実施の形態1に従ったシリンダボア壁100では、第二凹部112の効果により、摺動条件が厳しい上死点および下死点付近まで第一凹部111を形成することができる。その結果第一凹部111による油膜のせん断力低減の効果をピストンリング20の上下工程の広範囲にて得られる。そのため、低摩擦力化が可能となり、低燃費を実現することができる。
第二凹部112を設けるため油膜を確保しやすくなる。その結果、焼き付きに対するロバスト性が向上する。
特許文献1(特開2010−236444号公報)では、凹部の面積比の上限は80%であった。これに対して、実施の形態1に従った複合凹部110には第二凹部112が存在し、第二凹部112の動圧効果によって複合凹部110の面積比を大きくすることができる。具体的には、複合凹部110の面積比が80%を超えても油膜を確保することができる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に従ったシリンダボア壁の断面図である。図7で示すように、第二凹部112の深さD2は第一凹部111と第二凹部112との境界121から離れた部分で最も深い。第二凹部112の最も深い位置から測定した境界121の高さはAとなる。このように、第二凹部112をU字形状とすることで、第二凹部112によりオイルを保持しやすくなる。
具体的には、第二凹部112の油膜がピストンリング20からの圧力を受けても逃げにくい。そのため、ピストンリング20の移動方向が上側および下側のいずれであっても油圧の発生を促進し、より油膜を確保しやすい。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に従ったシリンダボア壁の断面図である。図8で示すように実施の形態3に従ったシリンダボア壁100は、第三凹部113を有する。第三凹部113は、隣接する二つの第二凹部112の間に設けられる。第三凹部113の深さは第一凹部111の深さよりも浅い。第二凹部112と第三凹部113との間は楔形状となる。
このように構成されたシリンダボア壁100では楔形状の数を増やすことによって動圧効果が得られる領域を増加させることができる。その結果、油膜を確保しやすくなる。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4に従ったシリンダボア壁の斜視図である。図9で示すように、複数の複合凹部110は、シリンダボア壁100の摺動表面100aに千鳥状に配置されている。千鳥状に配置することにより、格子状に配置する場合と比較して、高密度に複数の複合凹部110を配置することができる。
複合凹部110を高密度に配置することで油膜を形成しやすくなり、ピストンリング20とシリンダボア壁100との間の摩擦を低減できる。
(実施の形態5)
図10は、実施の形態5に従ったシリンダボア壁の斜視図である。図10で示すように、実施の形態5に従ったシリンダボア壁100では、上死点に対応する上死点領域100Tおよび下死点に対応する下死点領域100B付近では複合凹部110の密度(単位面積あたりの複合凹部110の数)が低く、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの間において複合凹部110の密度が高い。
すなわち、複数の複合凹部110はピストン1の上死点から下死点までの摺動範囲に対応するシリンダボア壁100の部分に設けられる。ピストン1の上死点領域100Tに対応して設定される上死点領域またはピストン1の下死点に対応して設定される下死点領域100Bにおいて形成される複数の複合凹部110の密度は、上死点領域と下死点領域の間に設定される中間領域において形成される複数の複合凹部110の密度よりも低い。
ピストンスピードは上死点領域100Tおよび下死点領域100Bでゼロであり、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの中間地点で最も速い。そのため、ピストンスピードが遅い部分で複合凹部110を少なくし、ピストンスピードが速い部分で複合凹部110を多くしている。
ピストンスピードが速い部分で複合凹部110を多くすることによりピストンリング20とシリンダボア壁100との間の油膜をせん断しやすくなる。その結果、抵抗を軽減することが可能となる。ピストンスピードが遅い部分で複合凹部110を少なくすることにより、油膜を確保している。
なお、すべての部分で複合凹部110の密度を一定にして、上死点領域100Tおよび下死点領域100B付近では第二凹部112の深さが低く、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの間において第二凹部112の深さが深くてもよい。図10で示すように、上死点領域100Tおよび下死点領域100B付近では複合凹部110の密度(単位面積あたりの複合凹部110の数)が低く、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの間において複合凹部110の密度が高く、かつ、上死点領域100Tおよび下死点領域100B付近では第二凹部112の深さが低く、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの間において第二凹部112の深さが深くてもよい。
すなわち複数の複合凹部110はピストン1の上死点から下死点までの摺動範囲に対応するシリンダボア壁100の部分に設けられ、ピストン1の上死点に対応して設定される上死点領域100Tまたはピストンの下死点に対応して設定される下死点領域100Bにおいて形成される複数の第二凹部112の深さは、上死点領域100Tと下死点領域100Bの間に設定される中間領域において形成される複数の第二凹部112の深さより浅い。
ピストンスピードは上死点領域100Tおよび下死点領域100Bでゼロであり、上死点領域100Tおよび下死点領域100Bの中間地点で最も速い。そのため、ピストンスピードが遅い部分で複合凹部110の第二凹部112を浅くし、ピストンスピードが速い部分で複合凹部110の第二凹部112を深くしている。
ピストンスピードが速い部分で複合凹部110の第二凹部112を深くすることによりピストンリング20とシリンダボア壁100との間の油膜をせん断しやすくなる。その結果、抵抗を軽減することが可能となる。ピストンスピードが遅い部分で複合凹部110の第二凹部112を浅くすることにより、油膜を確保している。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、たとえば、車両に搭載される内燃機関のシリンダボア壁の分野において用いることができる。
1 ピストン、2 ピストントップ、4 凹部、10 ランド、11,12,13 ピストンリング溝、20 ピストンリング、100 シリンダボア壁、100a 摺動表面、100B 下死点領域、100T 上死点領域、101 オイル、110 複合凹部、111 第一凹部、112 第二凹部、113 第三凹部、121 境界。

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダボア壁であって、
    前記シリンダボア壁のピストンが摺動する摺動表面には複数の複合凹部が形成されており、
    前記複数の複合凹部は、それぞれ、
    中央に位置する第一凹部と、
    前記第一凹部に連続して前記第一凹部を取り囲む第二凹部と、を備え、
    前記第二凹部は、前記ピストンに嵌合するピストンリングとの間で動圧効果を発生するように前記摺動表面に連続する楔状部分を有し、前記摺動表面からの前記第二凹部の深さは前記摺動表面からの前記第一凹部の深さよりも浅い、内燃機関のシリンダボア壁。
  2. 前記複合凹部は、前記第一凹部と前記第二凹部との境界部で表面の傾斜が不連続に変化しており、前記境界部における前記摺動表面に対する前記第一凹部の表面の傾斜角は前記摺動表面に対する前記第二凹部の表面の傾斜角よりも大きい、請求項1に記載の内燃機関のシリンダボア壁。
  3. 前記複数の複合凹部は前記ピストンの上死点から下死点までの摺動範囲に対応する前記シリンダボア壁の部分に設けられ、
    前記ピストンの上死点に対応して設定される上死点領域または前記ピストンの下死点に対応して設定される下死点領域において形成される前記複数の複合凹部の密度は、前記上死点領域と前記下死点領域の間に設定される中間領域において形成される前記複数の複合凹部の密度よりも低い、請求項1または請求項2に記載の内燃機関のシリンダボア壁。
  4. 前記複数の複合凹部は前記ピストンの上死点から下死点までの摺動範囲に対応する前記シリンダボア壁の部分に設けられ、
    前記ピストンの上死点に対応して設定される上死点領域または前記ピストンの下死点に対応して設定される下死点領域において形成される前記複数の第二凹部の前記摺動表面からの深さは、前記上死点領域と前記下死点領域の間に設定される中間領域において形成される前記複数の第二凹部の前記摺動表面からの深さより浅い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関のシリンダボア壁。
  5. 前記第二凹部の前記摺動表面からの深さは前記第一凹部と前記第二凹部との境界部分で最も深い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関のシリンダボア壁。
  6. 前記第二凹部の前記摺動表面からの深さは前記第一凹部と前記第二凹部との境界から離れた部分で最も深い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関のシリンダボア壁。
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