JP2002086952A - 印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

印刷版用支持体の製造方法

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JP2002086952A
JP2002086952A JP2000279178A JP2000279178A JP2002086952A JP 2002086952 A JP2002086952 A JP 2002086952A JP 2000279178 A JP2000279178 A JP 2000279178A JP 2000279178 A JP2000279178 A JP 2000279178A JP 2002086952 A JP2002086952 A JP 2002086952A
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polishing
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JP2000279178A
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Masahiro Endo
雅弘 遠藤
Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備研磨の品質を落とすことなく、洗浄水と
して使用する上水や工業用水の使用量を低減できるので
ランニングコストを低減できる。 【解決手段】 予備研磨装置10は、主として、研磨部
12と、他工程にて使用された使用済水を回収する図示
されない回収容器と、回収容器に回収された使用済水を
貯留タンク20に供給する回収配管42と、貯留タンク
20から前記研磨部12の給水装置16に洗浄水を供給
する配管18と、配管18の途中に設けられ、回収容器
14の使用済水の異物を除去するための濾過装置22を
備え、使用済水に同伴された研磨クズ等のゴミが濾過さ
れ固形物濃度が所定以下とされた水を研磨部12に供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷版用支持体の
製造方法に関し、詳細には、アルミニウム表面を不織布
ローラで研磨する予備研磨工程における洗浄水の効率的
な使用を実現しうる印刷版用支持体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ウエブ状の印刷版用金属板、例えばアル
ミニウム或いはアルミニウム合金からなる薄板は、その
表面を研磨して砂目と称する微細な凸凹を形成して粗面
化することにより印刷版用金属板としての印刷適性を向
上させ、該金属板に種々の表面処理を施すことで印刷版
用支持体を製造している。現在、印刷版用金属板の粗面
化を行なうために一般に行なわれている研磨方法として
はローラ状ブラシを用いた機械的研磨法(例えば、特公
昭50−40047号公報)、電解液中で電気分解を行
なう電気化学的研磨法、薬品中に浸漬する化学的研磨法
などが挙げられる。
【0003】しかし、局所的に凹部のあるアルミニウム
原板等の印刷版用金属板に機械的研磨、電気化学的研
磨、又化学的研磨を行った場合、凹部の部分においては
均一な粗面化ができず、その部分の印刷性能が低下する
という不具合がある。このような不具合を解消する対策
として、本出願人は、本研磨の前に不織布ローラで予備
研磨することを、例えば、特願平11−4324号など
で提案している。この予備研磨を行なうことで均一な粗
面化が実現できるが、不織布ローラによる予備研磨に
は、大量の供給水が必要であり、この供給水の効率的な
供給方法が求められている。通常、予備研磨に使用され
た使用済洗浄水は回収容器に回収された後、廃液として
廃棄されていた。これは、予備研磨に使用する洗浄水
は、清浄度が悪いと印刷版用金属板の面質を低下させる
要因になることから、一定の清浄度を確保する必要があ
り、再利用による洗浄水の汚染が懸念されるためであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたもので、予備研磨の品質を落とすこ
となく、洗浄水として使用する上水や工業用水等の清浄
水の使用量を軽減でき、ランニングコストを低減できる
印刷版用支持体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の印刷版用支持体
の製造方法は、金属板を予備研磨する予備研磨工程と、
予備研磨された金属板を機械的あるいは電気化学的に粗
面化する粗面化工程と、その後、所望により実施される
デスマット工程、エッチング処理工程、陽極酸化処理工
程、親水化処理工程から選択される表面処理工程とを含
む印刷版用支持体の製造方法であって、前記予備研磨工
程以外の他工程において使用された使用済水を、予備研
磨工程において、走行するウエブ状の印刷板用金属板の
被加工面に濾過装置、タンク、送液ポンプを備えた循環
系からなる給水手段から洗浄水を供給しながら研磨剤を
含有した不織布ローラで予備研磨する際の洗浄水として
用いることを特徴とする。ここで、前記予備研磨工程以
外の他工程において使用された使用済水の固形物濃度
は、0.5mg/l〜500mg/lの範囲であること
が、呼び研磨処理による金属板の面質低下防止の観点か
ら好ましい態様である。また、他工程における使用済水
の回収は、他工程の処理手段の下方に設けられた回収容
器で回収され、該回収容器に回収された使用済洗浄水を
前記給水手段に循環させる循環経路により給水手段へ供
給することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
印刷版用支持体の基材としては、通常、アルミニウム材
又はアルミニウムを主成分として微量の異元素を含むア
ルミニウム合金材を使用する。微量の異元素を含む合金
板には、所定の異元素を担持させたものや除去し難い微
量元素を含む合金板も含まれる。このような合金板は、
元素周期表に記載されているものの中から選択された1
種以上を、0.001重量%〜1.5重量%含有する合
金板である。該アルミニウム合金に含まれる異元素の代
表例には、珪素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、チタン、バナジウム
などがある。通常はアルミニウムハンドブック第4版
(1990、軽金属協会)に記載の、従来より公知の素
材のもの、例えばJIS A1050材、JIS A3
103材、JIS A3005材、JIS A1100
材、JIS A3004材または引っ張り強度を増す目
的でこれらに5重量%以下のマグネシウムを添加した合
金を用いることが出来る。これらのアルミニウム、アル
ミニウム合金を平板状に成形する際に、均熱化処理や焼
鈍処理を行い組織等を均質化することが好ましい。こう
して規定の厚みに成形されたアルミニウム(合金)板に
後述するような所定の表面処理を行って支持体を得る。
【0007】アルミニウム材又はアルミニウム合金材に
適用される粗面化処理とは、機械的な粗面化処理、バフ
研磨処理、ポリッシング処理、酸またはアルカリ水溶液
中での化学的なエッチング処理、酸またはアルカリ水溶
液中での電解研磨処理、中性塩水溶液中でアルミニウム
板を陽極または陰極にした電解処理、酸性水溶液中で直
流または交流を用いておこなう電気化学的な粗面化処理
のうち一つ以上を組み合わせて行なわれる。なお、本発
明においては、これらの粗面化処理に先だって後述する
予備研磨処理が行なわれる。
【0008】以下添付図面に従って本発明に係る印刷版
用金属板の予備研磨工程に用いる装置の好ましい実施の
形態について詳説する。図1は、本発明に係る印刷版用
金属板の予備研磨装置の全体構成図であり、図2は研磨
部の詳細図である。
【0009】予備研磨装置10は、主として、研磨部1
2と、他工程にて使用された使用済水を回収する図示さ
れない回収容器と、回収容器に回収された使用済水を貯
留タンク20に供給する回収配管42と、貯留タンク2
0から前記研磨部12の給水装置16に洗浄水を供給す
る配管18と、配管18の途中に設けられ、回収容器1
4の使用済水の異物を除去するための濾過装置22を備
え、使用済水に同伴された研磨クズ等のゴミが濾過され
固形物濃度が所定以下とされた水を研磨部に供給する。
【0010】図示されない回収容器は、上面が開放され
たロート状に形成され、予備研磨工程以外の所望の各工
程の処理装置の下方に配置され、例えば、表面処理工
程、陽極酸化工程、親水化工程などの各工程に用いられ
る処理液、各処理工程の後の水洗工程で使用された洗浄
水、他工程において装置を冷却するのに使用した使用済
の冷却水などを落下回収する。循環経路は、回収容器と
貯留タンク20を繋ぐ回収配管42、貯留タンク20と
研磨部12の給水装置16を繋ぐ配管18から成るメイ
ン経路からなるが、所望により、貯留タンク20と第2
の濾過装置26の間で液を循環させるサブ経路を形成し
てもよい。回収配管42には他工程における使用済洗浄
水を回収容器14から貯留タンク20に送水する図示さ
れない回収ポンプが配設される。
【0011】所望により設けられるサブ回路における濾
過装置26は、主として、濾過器24と、濾過器24と
貯留タンク20の底部を繋ぐ往路配管50と、濾過器2
4出口と貯留タンク20の上部とを繋ぐ復路配管52と
により濾過器24と貯留タンク20との間に濾過のため
の循環経路を形成するように構成される。また、往路配
管50には濾過ポンプ54が設けられると共に、濾過ポ
ンプ54の入口側と出口側に開閉バルブ56、58が設
けられる。そして、貯留タンク20内の使用済水は濾過
器24に供給され、濾過器24で濾過されて貯留タンク
20に戻される。濾過器24と貯留タンク20との間で
常時循環させておくことにより、使用済水に同伴されて
貯留タンク20内に持ち込まれた研磨層等のゴミが濾過
器24により濾過されて、予備研磨用の洗浄水としての
清浄度を備えた循環水が貯留タンク20内にに貯留され
る。従って、濾過装置26を常時運転させておくことに
より、使用済水が時留タンク20に常時流入しても循環
水の清浄度を良好に維持することができる。
【0012】本発明の態様では、前記メイン回路におけ
るように、回収容器からの使用済水を一旦貯留タンク2
0に貯留した後、送水ポンプ34により濾過器22で直
接慮過して、所定の固形分濃度に調整してから研磨部1
2の給水装置16に送水することで十分な効果が達成さ
れるが、所望により設けられるサブ回路を使用すること
で、他工程の使用済水を濾過器22を1パスさせて供給
するよりも、濾過器24と貯留タンク20との間で循環
させて濾過器24を複数回パスさせたものを、さらに濾
過器22でパスさせて供給する方が、使用される水の清
浄度を高めることができるだけでなく、濾過器22の寿
命も長くできる。
【0013】次に、研磨部12について説明する。研磨
部12は、図2に示すように、主として、ウェブ状の印
刷版用金属板Wを挟んだ一方側に配置した不織布ローラ
64と、他方側に配置されて印刷版用金属板Wを支持す
る一対の支持ローラ66A、66Bと、印刷版用金属板
Wの被加工面に給水する前記給水装置16A、16Bと
で構成される。
【0014】不織布ローラ64は、回転軸68に円筒状
の芯部材70が嵌入固定され、その芯部材70の周面に
円筒状の不織布72が嵌入固定され、回転軸68は図示
しないモータに連絡される。不織布ローラ64の不織布
72は、各種の不織布を使用することができるが、例え
ばポリアミド、ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の
材質のものを用いることができ、不織布ローラ64にし
た状態での表面硬度が20度以上のものが好ましい。こ
の不織布72には、平均粒径が1〜100μmの研磨剤
が含有され、研磨剤としては金剛砂、珪砂、アルミナ
粉、炭化ケイ素粒子等を使用することができる。不織布
72への研磨剤の含有は、研磨剤を接着剤で固着するこ
とにより行うことができる。また、不織布ローラ64
は、図示しない進退装置により矢印A−B方向に100
mm程度進退可能に構成され、一対の支持ローラ66
A、66Bの間に押込み可能なように構成される。これ
により、不織布ローラ64を印刷版用金属板Wに面接触
させることができると共に、加圧した状態で予備研磨す
ることができる。
【0015】また、印刷版用金属板Wを支持する一対の
支持ローラ66は、回転軸74に円筒状の硬質ゴムある
いは金属筒等のローラ部76を嵌入固定して構成され
る。また、一対の支持ローラ66A、66B同士の離間
距離(L)は、不織布ローラ64の直径(D)よりも短
くなるように配置される。この一対の支持ローラ66
A、66Bは、印刷版用金属板Wの走行速度と同速度で
回転する。そして、不織布ローラ64は、印刷版用金属
板Wを介して一対の支持ローラ66A、66B同士の間
に押し込まれ、不織布ローラ64を印刷版用金属板Wの
被加工面に面接触させた状態で研磨する。
【0016】給水装置16は、印刷阪用金属板Wの走行
方向において不織布ローラ64の上流側と下流側に一対
配置され、貯留タンク20から濾過器22を経て送水さ
れてきた洗浄水が印刷版用金属板Wの被加工面に供給さ
れる。上記の如く構成した本発明の予備研磨装置10に
よれば、予備研磨に使用する水として、他工程で処理或
いは水洗などに使用した使用済水を回収し、給水装置1
6に供給する途中で、使用済水に含まれる研磨屑等のゴ
ミを濾過することで除去して用いるので、予備研磨の品
質を落とすことなく、上水や工業用水等の清浄水の使用
量を低減できるとこれにより、ランニングコストを大幅
に低減できる。
【0017】本発明において、この予備研磨工程に使用
する水を供給する他工程について説明する。本発明の印
刷版用支持体の製造方法においては、前記予備研磨工程
以外の他工程として、予備研磨された金属板を機械的あ
るいは電気化学的に粗面化する粗面化工程と、その後、
所望により実施されるデスマット工程、エッチング処理
工程、陽極酸化処理工程、親水化処理工程から選択され
る表面処理工程が挙げられる。これらの他工程につい
て、任意の処理工程を含め、順次説明する。
【0018】まず粗面化するに先立ち、所望により、表
面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶
剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理を行うこ
とができる。ここで用いる界面活性剤を含む液、アルカ
リ性水溶液などを予備研磨工程に供給することができ
る。
【0019】また、印刷版用支持体の製造において、金
属基体の好ましい粗面化処理工程としては以下に記載の
ものが挙げられる。即ち、アルミニウム基材を粗面化処
理するにあたり、下記の(a)〜(d)のうち一種を行
なうか、又は、二種以上を組合せて粗面化処理する方式
である。 (a)機械的に粗面化処理する工程、(b)酸もしくは
アルカリ水溶液中で化学的にエッチング処理する工程、
又は酸もしくはアルカリ水溶液中での電解研磨処理する
工程、(c)硝酸を主体とする水溶液中での電気化学的
に粗面化処理する工程、(d)酸もしくはアルカリ水溶
液中で化学的にエッチング処理する工程、又は酸もしく
はアルカリ水溶液中での電解グレイニングを行う工程。
それぞれの処理の間には、通常、前工程の処理液を除去
するための水洗処理を行なうため、前記の処理に用いる
電解液、エッチング処理液などに加えて、この水洗処理
に使用された処理済水も好適に用いることができる。
【0020】このように粗面化されたアルミニウム板を
必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理し
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理を施す。このときのアルカリエッチング
後の中和処理した使用済み液なども好適に使用し得る。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質とし
ては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が
可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸ある
いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度
は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処
理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定
し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶
液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2
電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれ
ば適当である。ここで用いる電解質を含む処理液も使用
済水として用い得る。
【0021】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面には必要により親水化処理を施す。本発明に使用さ
れる親水化処理としては、米国特許第2,714,06
6号、同第3,181,461号、第3,280,73
4号および第3,902,734号に開示されているよ
うなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム
水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ
酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまたは電解処理
される。他に特公昭36−22063号公報に開示され
ているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,
276,868号、同第4,153,461号、同第
4,689,272号に開示されているようなポリビニ
ルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。この親
水化処理液を使用することもできる。
【0022】これらの処理済水のいずれもが本発明の方
法に適用できるが、予備研磨工程の品質保持の観点から
は、処理済水の固形物濃度が0.5mg/l〜700m
g/lのものが好ましい。具体的には、粗面化処理工程
や、前記の如き表面処理の間に行なわれる前工程の処理
液を除去するための水洗処理液も処理済水が好適に用い
られ、特に、複数回の水洗工程を実施する場合、第2水
洗工程以降の処理済水はスマットなどの固形物や処理液
の有効成分などの含有量が少ないため、特に好ましく用
いることができる。
【0023】上記の各工程で使用された使用済みの処理
液がそれぞれの処理手段の下方に設けられた回収容器に
集められ、貯留タンクへ送水され、予備研磨工程の洗浄
水として使用される。このような処理工程を経て平版印
刷版用支持体が得られるが、この支持体上に、さらに従
来公知の画像形成材料からなる記録層を適宜設けて平版
印刷版とすることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されない。 (実施例1)本発明に係る図1、図2に記載の印刷版用
金属板の予備研磨装置を用い、印刷版用金属板としてア
ルミニウム板を使用した試験結果を以下に説明する。ア
ルミニウム板は、幅が800mmのものを用い、このア
ルミニウム板をリール装置(図示せず)から巻き戻して
不織布ローラ64と支持ローラ66A、66Bとの間に
挿入し、毎分20mの走行速度になるように巻取リール
(図示せず)に巻き取った。
【0025】不織布ローラ64は、直径400mm、ロ
ーラの全長1000mmのものを使用し、不織布ローラ
の不織布として、平均粒度10μの炭化ケイ素粒子を合
有したものを用いた。また、不織布ローラ64の回転を
周速1000m/min、ラインスピード60m/mi
nになるように設定し、且つ研磨圧力が13.5kWに
なるように加圧した。一対の支持ローラ66A、66B
は、直径200mmのゴム製ロールを離間距離(L)
が、不織布ローラの直径(D)よりも短くなるように配
置し、アルミニウム板の走行速度と同速度で回転するよ
うにした。処理される金属板としては、幅800mmの
アルミニウム板を用い、上記条件で予備研磨処理を24
時間連続にて実施した。
【0026】貯留タンク20は、容量が2000Lのも
のを用いた。本態様では、貯留タンク20に所望により
配置されたサブ循環系の濾過装置26は使用せずメイン
循環系の濾過器22のみを使用した。給水装置からアル
ミニウム板の表面に供給する洗浄水の供給量は、350
L/分になるようにした。実施例1では、他工程の水と
して電気化学的粗面化冷却工程の使用済水を用いた。こ
の使用済水の固形物濃度(以下、適宜、SS濃度と称す
る)を以下の方法で測定したところ0.5mg/lであ
った。
【0027】(固形物濃度の測定方法)貯留タンク20
内に供給された使用済水の固形物濃度を、貯留タンクか
ら水100mlを採取し、蒸発皿の重量Xを測定し、そ
の蒸発皿に採取した水を100ml入れ、105℃1時
間蒸発皿を乾燥し、その後、蒸発皿の重量Yを測定して
供給された処理済水のSS濃度を下記式により求めた。 SS濃度(mg/l)=〔(Y−X)×10〕
【0028】また、印刷版用金属板(アルミウエブ)の
面質評価を行なった。評価は、アルミニウム板の予備研
磨面を目視で観察し、予備研磨面の均一性を以下の基準
により評価した。この面質評価は予備研磨処理のスター
ト時と、連続24時間処理後に行なった。さらに、ラン
ニングコストの良悪を調べた。その結果を表1に示す。
各評価項目ともに、○…良い、○△…普通、△…やや劣
る、×…劣るの4段階評価とし、評価項目の中に△又は
×が1つでもあれば不合格とした。
【0029】(実施例2)他工程の水として陽極酸化冷
却工程の使用済水を用いた他は実施例1と同様にして予
備研磨処理を行い、同様に評価した。結果を表1に示
す。この使用済水のSS濃度を測定したところ50mg
/lであった。 (実施例3)他工程の水として機械的粗面化処理後の第
2水洗工程の使用済水を用いた他は実施例1と同様にし
て予備研磨処理を行い、同様に評価した。結果を表1に
示す。この使用済水のSS濃度を測定したところ500
mg/lであった。
【0030】(実施例4)他工程の水として機械的粗面
化処理後の第2水洗工程の使用済水を用いた他は実施例
1と同様にして予備研磨処理を行い、同様に評価した。
結果を表1に示す。この使用済水のSS濃度を測定した
ところ700mg/lであった。 (実施例5)他工程の水として機械的粗面化処理後の第
1水洗工程の使用済水を用いた他は実施例1と同様にし
て予備研磨処理を行い、同様に評価した。結果を表1に
示す。この使用済水のSS濃度を測定したところ100
0mg/lであった。
【0031】(比較例1)予備研磨処理において当初新
鮮水を供給し、使用後の水を回収して、貯留タンクに戻
し、回収した水を供給する循環使用を行った。この際、
循環系における濾過装置22を作動させず、回収した水
をそのまま供給するという循環使用を行い、同様に評価
した。結果を表1に示す。 (比較例2)予備研磨処理において当初新鮮水を供給
し、使用後の水を回収して、貯留タンクに戻し、回収し
た水を供給する循環使用を行った。この際、循環系にお
ける濾過装置22を作動させて、固形物を濾過した後、
供給する方法をとり、同様に評価した。結果を表1に示
す。
【0032】(比較例3)予備研磨処理において、常
時、新鮮水を供給して連続処理を行い、同様に評価し
た。結果を表1に示す。これらの実施例、比較例共にア
ルミニウム版の表面に供給する水の供給量は、200l
/minとし、また、他工程からの送液量は、200l
/minになるように調整した。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果の通り、実施例1、2は、研磨
時の供給水として、SS濃度が極めて低い使用済水を用
いたため面質が良好であった。実施例3、4は研磨時の
供給水用いる使用済水のSS濃度が実施例1、2に比べ
高いためか予備研磨24時間後の面質が若干低下するが
許容レベルであった。使用する使用済水のSS濃度とし
て高めのものを用いた実施例5は、その後、濾過処理を
行なっても、24時間連続処理後の面質が若干低下する
傾向が見られた。このことから、好適な範囲のSS濃度
の使用済水を用いると本発明の効果が著しいことがわか
る。
【0035】比較例1及び2は、予備研磨に使用した供
給水を循環して用いたため24時間後にはSS濃度が結
果として高くなり、面質が極めて劣っていた。このよう
な方法では、回収水を濾過して用いても、連続的な濾過
により濾過器の性能が低下するため、好ましくない結果
がでたと考えられる。比較例3では、常に新鮮な水を供
給したため、面質は良好であるが、ランニングコストが
劣っていた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、金属板の予備研磨の品
質を落とすことなく、洗浄水として使用する上水や工業
用水等の清浄水の使用量を軽減でき、ランニングコスト
を低減できる印刷版用支持体の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印刷版用金属板の製造方法に用いら
れる予備研磨装置の一態様を示す概略構成図である。
【図2】 前記予備研磨装置の研磨部の構成を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
10…予備研磨装置、 12…研磨部、 16A、16B…給水装置、 18…循環経路、 20…貯留タンク、 22、24…演過器、 34…循環ポンプ、 42…他工程からの回収配管 64…不織布ローラ、 66A、66B…支持ローラ、 W…印刷版用金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41N 3/03 B41N 3/03 (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H114 AA04 AA14 DA04 DA64 DA77 EA01 GA03 GA07 GA08 GA09 3B116 AB14 BA08 BA15 BA37 BB25 3B201 AA02 AA03 AB14 BA08 BA15 BB25 BB92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板を予備研磨する予備研磨工程と、
    予備研磨された金属板を機械的あるいは電気化学的に粗
    面化する粗面化工程と、その後、所望により実施される
    デスマット工程、エッチング処理工程、陽極酸化処理工
    程、親水化処理工程から選択される表面処理工程とを含
    む印刷版用支持体の製造方法であって、 前記予備研磨工程以外の他工程において使用された使用
    済水を、予備研磨工程において、走行するウエブ状の印
    刷板用金属板の被加工面に濾過装置、タンク、送液ポン
    プを備えた循環系からなる給水手段から洗浄水を供給し
    ながら研磨剤を含有した不織布ローラで予備研磨する際
    の洗浄水として用いることを特徴とする印刷版用支持体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記予備研磨工程以外の他工程において
    使用された使用済水の固形物濃度が0.5mg/l〜7
    00mg/lであることを特徴とする請求項1に記載の
    印刷版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記予備研磨工程以外の他工程において
    使用された使用済水が、他工程の処理手段の下方に設け
    られ、他工程において使用された使用済水を回収する回
    収容器で回収され、該回収容器に回収された使用済洗浄
    水を前記給水手段に循環させる循環経路により給水手段
    へ供給することを特徴とする請求項1に記載の印刷版用
    支持体の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011092923A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Sankyo Tateyama Aluminium Inc フィルター
JP2013107380A (ja) * 2011-10-28 2013-06-06 Fujifilm Corp 平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装置
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KR101286822B1 (ko) 2013-03-21 2013-07-17 문윤덕 조리용기의 색채 가공용 연마장치
JP2015000118A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 株式会社東京洗染機械製作所 ロールアイロナー用異物除去装置

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