JP2002086893A - インクジェット記録用シートの製造方法 - Google Patents
インクジェット記録用シートの製造方法Info
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Abstract
かつ連続的生産に適したインクジェット記録用シートの
製造方法の提供。 【解決手段】支持体の一面上に形成されるインク受容層
の表面層を、顔料、結着剤およびノニオン性界面活性剤
またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化された油
性物質を含む塗工液をキャストコートして形成する。
Description
濃度およびインク吸収性に優れ、かつ連続的生産に適し
たインクジェット記録用シートの製造方法に関する。
タの普及とともに、それらの画像を紙面などに記録する
ためのハードコピー技術が急速に発達した。これらハー
ドコピーの究極の目標は銀塩写真であり、とくに、色再
現性、画像密度、光沢性、耐候性などをいかに銀塩写真
に近づけるかが、開発の課題となっている。ハードコピ
ーの記録方式には、銀塩写真によって画像を表示したデ
ィスプレーを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方
式、インクジェット方式、静電転写方式を各社各様の方
法でカラー化した方式など多種多様である。
較的小型であり、ランニングコストも低いなどの利点を
有し、昇華型熱転写方式などとともにハードコピー方式
の主流と見られている。インクジェット方式は、ノズル
から記録媒体に向けて染料と多量の溶媒よりなるインク
液滴を高速で射出するものである。インクジェット方式
によるプリンターは、フルカラー化や高速化が容易なこ
とや、印字騒音が低いことなどから、近年急速に普及し
つつある。
録用シートとして、特開平2−276671号公報など
により、支持体上にアルミナ水和物の多孔質のインク受
容層を設けた記録用シートが知られている。かかる記録
用シートにおいて、支持体として通常の紙などを用いた
場合には、インク受容層の表面が、一般的に平滑性に欠
ける支持体の表面を反映し、平滑性や光沢性の低いもの
となる。
2694号公報では、平滑な型面にアルミナ水和物の塗
工液を塗布し、その上に支持体となる紙を密着させ、乾
燥してインク受容層を形成した後、型面から紙を剥離し
てインク受容層を紙上に移行させるか、または支持体で
ある紙上に形成した水和物からなるインク受容層に平滑
な型面を押し当て、乾燥後剥離することにより、平滑性
および光沢性に優れた記録用シートを得ることが提案さ
れている。しかしながら、平滑性や光沢性の高い記録用
シートを連続的に大量生産するためには、上記特開平7
−82694号公報により提案される方法は必ずしも適
していない。
は、紙基材に塗工液を塗布して塗工紙を連続的に生産す
る方法として、キャストドラムを使用したキャストコー
ト法が知られている。この方法によれば、製造される塗
工紙は平滑性および光沢性の高い表面を有するが、イン
クジェット記録用シートの場合においても、実際にこの
キャスト コート法により平滑性および光沢性の高い表
面を有する記録用シートが得られることが判明した。
よりインクジェット記録用シートを製造しようとした場
合には、この方法で得られる塗布層の厚みは概して小さ
く、インクジェット記録用シートにおける厚みとしては
不充分であることに加えて、キャストドラム表面からの
インク受容層の剥離性が十分でなく、平滑性および光沢
性の高い表面を有する記録用シートを連続的に生産する
ことが困難であるという重要な問題点があることがわか
った。
例、離型剤が塗布されているが、塗工層であるインク受
容層が乾燥、離型する際に、油膜を一部運び去ってい
き、ドラム表面の離型能力が経時的に低下し、塗工層が
ドラム表面に堆積し、その結果得られたキャスト塗工シ
ートの平滑度および光沢度が著しく低下する。場合によ
っては支持体がドラムに張り付き生産を停止せざるを得
ないなどの問題を引き起こすことが判明した。
な問題点を解決することはもちろん、発色濃度やインク
吸収性を損なわずに、平滑性や光沢性が高いインクジェ
ット記録用シートを連続的に製造できる方法を提供する
ことを目的とする。
的を達成すべく研究を重ねたところ、顔料と結着剤を含
む塗工液を使用してキャストコート法によりインクジェ
ット記録用シートにおける平滑性や光沢性が高いインク
受容層を形成しようとする場合、特定の離型作用を有す
る物質を使用し、上記の塗工液自体に含有させておくこ
とによりキャストドラム表面からのインク受容層の剥離
性の問題を解決できることを見出した。また、キャスト
コート法による塗工層の厚みの不十分性については、キ
ャストコート法による塗工層が大きい密着性を有するこ
とにより、支持体上に予め他の方法などによりインク受
容層を形成し、該インク受容層の表面にキャストコート
法により層(以下、キャスト表面層ともいう。)を形成
することで解決できることを見出した。
ンク受容層を有するインクジェット記録用シートの製造
方法であって、前記インク受容層の表面を、顔料、結着
剤およびノニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活
性剤でエマルジョン化された油性物質を含む塗工液をキ
ャストコートして形成することを特徴とするインクジェ
ット記録用シートの製造方法を提供する。
の低下を損なわずに、キャストコート法の特性を生かし
て平滑性や光沢性が高いインクジェット記録用シートを
連続的に製造できるが、これは、本発明では、離型作用
を有する物質として、ノニオン性界面活性剤またはカチ
オン性界面活性剤でエマルジョン化された油性物質を使
用し、キャストコートする塗工液中に含有させることに
より得られるものである。なお、キャストドラムには、
通例、事前に脂肪酸石けん、硫酸化ヒマシ油、トリブチ
ルフォスフェート、キシレン、テレペン、モノクロルベ
ンジンなどの離型剤が塗布されている。
してアニオン性界面活性剤でエマルジョン化された油性
物質を使用した場合には、良好な特性のインク受容層が
得られず、また、上記ノニオン性界面活性剤またはカチ
オン性界面活性剤でエマルジョン化された油性物質を塗
工液中に含有させることにより、キャストコートの実施
によりキャストドラムから持ち去られる部分を、塗工液
より常に補給し、ドラム表面の離型作用を有する油性皮
膜を平衡状態にすることができる。
記ノニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤で
エマルジョン化された油性物質が結果的にインク受容層
に含有されることになるが、本発明者の研究によれば、
これらの物質はインク受容層の発色性やインク吸収性な
どの特性に実質上影響を与えることがないことが判明し
た。
に、キャストコートで表面を形成する場合に、顔料とし
て、好ましくはアルミナ、特にはシリカアルミナ複合体
をゾルの形態で使用した場合には、平滑性や光沢性とと
もに、特に、発色性およびインク吸収性に優れたインク
ジェット記録シートが得られることが判明した。一方、
顔料として、上記シリカアルミナ複合体ゾルを使用した
とき、キャストコートで形成した層が厚い場合には、一
般的にクラックが発生し易いことがわかり、シリカアル
ミナ複合体の顔料は、キャストコートで形成する層が薄
い場合に適することが判明した。以下に、本発明につい
て、さらに詳細に説明する。
好ましくは紙基材が使用される。紙基材としては特に限
定されるものではなく、一般に塗工紙分野で使用される
酸性紙、中性紙などが好ましく使用される。紙基材を構
成するパルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹、または広葉樹の混合パルプを主成分としたもの
が広く使用され、また、クラフトパルプ、サルファイト
パルプ、ソーダパルプなどの晒パルプが使用される。さ
らには、合成繊維や合成パルプを配合した紙基材も使用
できる。上記紙基材には、各種添加剤、例えば、填料、
サイズ剤、紙力増強剤、PH調整剤、歩留まり向上剤な
どを含むことができる。さらに、不織布や通気性の有す
る合成紙なども使用できる。
されるが、本発明では、かかるインク受容層の少なくと
も表面は、キャストコートにより形成される。キャスト
コートに使用される塗工液には、顔料および結着剤が含
まれる。ここで、使用される顔料としては、コロイダル
シリカ、アルミナ、合成微粒子シリカ、合成微粒子アル
ミナシリケート、気相法合成シリカ、ゼオライト、モン
モリロナイト群鉱物、バイデライト群鉱物、サポナイト
群鉱物、ヘクトライト群鉱物、スチーブンサイト群鉱
物、ハイドロタルサイト群鉱物、スメクタイト群鉱物、
ベントナイト群鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタ
ンゾル、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、カオリン、タルク、酸
化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ポリ水酸化アル
ミニウム化合物、アルミナ水和物、プラスチックピグメ
ント、尿素樹脂顔料、セルロース粒子、澱粉粒子などが
挙げられ、なかでも、合成微粒子シリカ、コロイダルシ
リカ、アルミナが好ましい。
アルミナは、アルミナ水和物が好ましく、なかでも、イ
ンク吸収性および色素の定着性が高いことから、ベーマ
イト(Al2O3・nH2O、n=1〜1.5)が好まし
い。また、これらのアルミナ水和物は、好ましくは、ア
ルミナゾル、またはベーマイトゾルの形態で使用され
る。これらのアルミナ水和物は、塗工液中で、一次粒子
直径が5〜15nmのものが好ましい。塗工液中で二次
凝集しているものを用いることもでき、この場合、二次
凝集粒子直径は100〜300nmであることが好まし
い。
される顔料としては、好ましくはアルミナ、特には、シ
リカアルミナ複合体が好ましく、これらは好ましくはゾ
ルの形態で使用される。かかるシリカアルミナ複合体を
使用した場合には、得られるインク受容層の発色性やイ
ンク吸収性が大きいキャストコート層がクラックなどを
有しない層として得ることができる。シリカアルミナ複
合体は、好ましくは、コロイド粒子としてシリカとアル
ミナとを含む凝集粒子が水性媒体中に分散したゾルとし
て使用される。ここで、シリカおよびアルミナは、酸化
ケイ素、酸化アルミニウムだけでなく、それらの水和物
も意味する。
その一次粒子が球状で、その平均粒子直径が2〜200
nmであることが好ましい。かかるシリカの一次粒子が
球状である場合、得られたインク受容層は、高い耐擦傷
性を有する。かかるシリカの一次粒子の平均粒子直径が
2nmより小さい場合は、シリカアルミナ複合体を乾燥
したときに、平均細孔半径および細孔容積の大きいキセ
ロゲルを得ることができず、インク受容層の吸収性が不
足するおそれがある。一方、シリカの一次粒子の平均粒
子直径が200nmを超える場合は、複合体を乾燥した
ときに、比表面積の大きなキセロゲルを得ることができ
ず、色素定着性の高いキセロゲルを得ることができない
おそれがある。上記シリカの一次粒子の平均粒子直径の
さらに好ましい範囲は5〜100nmである。なお、シ
リカ一次粒子の平均粒子直径は、レーザー散乱粒度分析
計(大塚電子社製、商品名:LPA3000/310
0)で測定した。
粒子の平均粒子直径は、シリカの一次粒子の平均粒子直
径の2倍以上であることが好ましい。通常のシリカゾル
は、安定性と分散性を良くするために、凝集粒子を含ま
ないように製造されているが、本発明で用いるシリカア
ルミナ複合体は積極的に凝集粒子を形成させたものが好
ましい。このような凝集粒子を含むことにより、キセロ
ゲルにしたときの細孔容積と平均細孔半径を大きくする
ことができ、インク吸収性に優れた複合多孔質層を形成
することができる。
平均粒子直径は、1000nm以下であることが好まし
い。凝集粒子の平均粒子直径が1000nmを超える場
合は、キセロゲルにしたときの透明性が低下して、複合
多孔質層のヘイズが高くなるだけでなく、色素の定着性
も低下するので好ましくない。凝集粒子の平均粒子直径
が500nm以下である場合は、透明性がさらに良好で
あるので好ましい。
ことによりキセロゲルが得られる。このキセロゲルは、
比表面積が50m2/g以上、平均細孔半径が5nm以
上、かつ、細孔半径1〜100nmについての全細孔容
積が0.35cm3/g以上であることが好ましい。こ
れらの細孔特性は、窒素吸脱着法により測定される。こ
こでいう平均細孔半径とは、細孔半径1〜100nmに
ついての全細孔容積をVcm3/g、比表面積をAm2/
gとしたときに、2V/A×103(nm)により計算
して求めた値である。
て得られるキセロゲルにおいて、平均細孔半径が5nm
に満たない場合、細孔半径1〜100nmについての全
細孔容積が0.35cm3/gに満たない場合、または
比表面積が50m2/gに満たない場合は、それぞれ、
インク受容層を形成したときにインク吸収性が不足する
おそれがあるので好ましくない。
としては、カゼイン、でんぷんまたはその変性物、ポリ
ビニルアルコールまたはその変性物,スチレン・ブタジ
エンゴムラテックス,ニトリル・ブタジエンゴムラテッ
クス、ヒドロキシセルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミドなどの水溶性重合体、アル
コール可溶性の重合体またはこれらの重合体の混合物な
どを用いることができる。なかでも、本発明では、イン
ク吸収性や耐水性が良好であることから、ポリビニルア
ルコールまたはその変性物の使用が好ましい。結着剤
は,上記顔料100質量部に対して、好ましくは、1〜
30質量部、特には、3〜15質量部含まれるのが適切
である。
面活性剤またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化
された油性物質が使用される。かかる油性物質として
は、ロート油やレシチン等の油脂類、シリコーンオイ
ル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、フッ素
化合物、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
エステル系ワックス、ステアリン酸、オレイン酸等の脂
肪酸、ステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン
酸アミド等の脂肪酸アマイド、ステアリン酸やオレイン
酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩で例示される
脂肪酸金属塩、ステアリン酸アンモニウムやオレイン酸
アンモニウム等の脂肪酸アンモニウム塩などが好ましい
例として挙げられる。油性物質をエマルジョン化する、
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルア
ルカノールアミドなどが挙げられる。また、好ましいカ
チオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四
級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイ
ドなどが挙げられる。上記油性物質をノニオン性界面活
性剤またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化する
手段は既存のものが使用される。
性界面活性剤でエマルジョン化された油性物質は、固形
分として、塗工液中に含まれる顔料の100質量部に対
して、好ましくは0.1〜10質量部、特には0.2〜
5質量部含有されるのが好ましい。かかる含有量が0.
1質量部よりも小さい場合には離型性が不充分になり、
一方、10質量部より大きい場合には、発色濃度が低下
し、いずれも好ましくない。
活性剤またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化さ
れた油性物質を含む塗工液をキャストコートして、イン
クジェット記録シートにおけるインク受容層の少なくと
も表面に層が形成されるが、本発明では、キャストコー
トする前に、支持体の一面上に、インク受容層を形成す
ることが好ましい。インク受容層は、キャストコートに
よっても形成することができるが、キャストコートによ
る場合には厚み十分な層を形成するために、通常、複数
回のコートが必要であるので、ロール塗布法などのキャ
ストコート以外の方法により形成することが好ましい。
容層としては、顔料と結着剤を含む塗工液が使用され
る。顔料および結着剤は、上記したキャストコートにつ
いて記載した顔料および結着剤がいずれも好ましいもの
として使用される。また、それぞれの使用量も上記した
キャストコートの場合と同様である。
は、例えば、顔料および結着剤を含むスラリー状の工液
を、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコ
ーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコータ
ー、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコータ
ー、スプレーコーター、スライドダイコーターなどを用
いて塗布する方法を採用することができる。
ク受容層の表面に、顔料、結着剤およびノニオン性界面
活性剤またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化さ
れた油性物質を含む塗工液がキャストコートされる。キ
ャストコートする方式としては、直接法、凝固法、再湿
潤法、プレキャスト法などがあるが、本発明ではいずれ
の方式も使用できる。さらに、キャステイングキャリヤ
ーとしては、キャストドラムではなく、フィルム等を用
いてキャストすることも可能である。
ばれており、支持体に塗工液を塗布した後、塗工層が湿
潤状態のまま直ちにプレスロールによって、加熱された
キャストドラムに圧接、乾燥して仕上げるものである。
上記凝固法は、ゲル化キャスト法とも呼ばれており、支
持体に塗工液を塗布した後、塗工層を流動性はないが変
形可能なゲル状態に凝固させてから、加熱されたキャス
トドラムに圧接、乾燥して仕上げるものである。再湿潤
法は、リウエットキャスト法とも呼ばれており、一般の
塗工紙と同様の方法で、支持体に塗工液を塗布、乾燥し
て乾燥塗工層を得る。その後、塗工層を、水または適当
なリウエット液で再湿潤させ、加熱されたキャストドラ
ムに圧接、乾燥して仕上げるものである。プレキャスト
法は、加熱されたキャストドラム表面に直接塗工液を塗
布、乾燥後、その乾燥塗工層を支持体に圧接、転写させ
る方式である。
容層は、キャスト表面層も含めて、その厚みが5〜70
μmであるのが好ましい。5μm未満では、インク吸収
性が不十分であり、70μmを超えると、塗工層にクラ
ックが発生しやすくなり好ましくない。そして、キャス
ト表面層の厚みは1〜30μmが好ましい。キャスト表
面層が1μm未満では、キャスト表面層の有利性が生か
せず、一方、30μmを超えると、キャスト表面層にク
ラックが発生しやすくなり好ましくない。なお、本発明
においてキャスト表面層はインク受容層を有する。
体の一面上にインク受容層が形成されるが、支持体のイ
ンク受容層が形成されていない他面には、環境の変化に
よるカール調整の目的で必要に応じて各種の裏面塗工層
を設けてもよい。
に説明するが、勿論これらに限定して解釈されるもので
はない。例1〜例4は、本発明の実施例であり、例5お
よび例6は、比較例である。また、例中の部は特に断ら
ない限り、固形分換算の質量部を示す。
側の表面に、下記のインク受容層処方1を、バーコータ
ーを用いて乾燥後の塗工厚が15μmとなるように塗工
し、120℃にて2分間乾燥した。
8A):100部、ポリビニルアルコール(クラレ社
製、商品名:PVA−124):30部。 上記インク受容層が塗工されたその表面に、下記のキャ
スト表面層処方1を直接法キャスト方式(キャストコー
ト機:旭硝子社製、条件:キャストドラム表面温度:8
0℃、ライン速度:5m/min.)により、塗工厚み
が3μmとなるように20分間連続塗工し、インクジェ
ット記録用シートを得た。
−3):100部、ポリビニルアルコール(クラレ社
製、商品名:PVA−124):10部、ノニオン性ス
テアリン酸エマルジョン(中京油脂社製、商品名:セロ
ゾール920):1部。
子直径17nmの球状シリカ一次粒子が分散したシリカ
ゾル(SiO2濃度40.4質量%、Na2O濃度0.4
1質量%、触媒化成工業社製、商品名:カタロイドSI
−40)198.0gおよびイオン交換水1402gを
入れ、80℃に昇温した。80℃になったところで、撹
拌しながら、ポリ塩化アルミニウム水溶液(アルミニウ
ム濃度がAl2O3に換算して23.6質量%、Clが
8.1質量%、塩基度84%、多木化学社製、商品名:
タキバイン#1500)85.9gを、約10分間かけ
て徐々に添加した。
80℃に保持した。次いで、この反応液を限外濾過装置
を用いて、イオン交換水を添加しながら液の量を一定に
保ちつつ、濾液の電導度が50μS/cm以下に低下す
るまで限外濾過することにより精製し、シリカアルミナ
複合体を得た。
わりに、上記のようにして製造したシリカアルミナ複合
体ゾルを使用したキャスト表面層処方2を直接法キャス
ト方式で、乾燥後の塗工厚みが3μmとなるように20
分間連続塗工したほかは、例1と同様に実施することに
より、例1のインクジェット記録用シートを得た。
コール(クラレ社製、商品名:PVA−124):10
部、ノニオン性ステアリン酸エマルジョン中京油脂社
製、商品名:セロゾール920):1部。
方1の代わりに、下記のキャスト表面層処方3を直接法
キャスト方式で、乾燥後の塗工厚みが3μmとなるよう
に20分間連続塗工したほかは例1と同様に実施するこ
とにより、インクジェット記録用シートを得た。
コール(クラレ社製、商品名:PVA−124):10
部、カチオン性パラフィンワックス酸エマルジョン(中
京油脂社製、商品名:セロゾール732−B):1部。
ーコーターを用いて乾燥後の塗工厚が15μmとなるよ
うに塗工し、その表面に、上記したキャスト表面層処方
2を直接法キャスト方式で、乾燥後の塗工厚みが3μm
となるように20分間連続塗工することにより、インク
ジェット記録シートを得た。
−3):100部、ポリビニルアルコール(クラレ社
製、商品名:PVA−124):10部。
層処方4を調製しようとしたが、経時的に粘度が上昇
し、キャストコートできるような塗工液は得られなかっ
た。
コール(クラレ社製、商品名:PVA−124):10
部、アニオン性メチロールステアリン酸アマイドエマル
ジョン(中京油脂社製、商品名:ハイドリンD−75
7):1部。
接法キャスト方式で、乾燥後の塗工厚みが3μmとなる
ように連続塗工したが、開始1分後に離型不良が発生
し、3分後には紙がドラムに貼り付いてしまい、それ以
降の運転はできなかった。
コール(クラレ社製、商品名:PVA−124):10
部。
用シートについて、光沢度、発色濃度およびインク吸収
性を以下の方法で評価した。
本電色社製、商品名:PG−1M)を用いて、20度光
沢度を測定した。
(セイコーエプソン社製、商品名PM−770C)を用
いて、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、の階調
ベタ印字を行い、それぞれの飽和反射濃度を測定した。
ー(キャノン社製、商品名:BJC−420J)を用い
て、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、の階調ベ
タ印字を行い、下記基準で目視評価を行った。 ● :十分なインク吸収性であった。 ×:インク吸収性は不十分であり、粒状感のある画質で
あった。 表1に上述の評価結果を示す。
ェット記録用シートは、光沢性、発色性、連続生産性に
優れた特性を有していることがわかる。
およびインク吸収性に優れ、かつ連続的生産に適したイ
ンクジェット記録用シートの製造方法が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】支持体の一面上にインク受容層を有するイ
ンクジェット記録用シートの製造方法であって、前記イ
ンク受容層の表面を、顔料、結着剤およびノニオン性界
面活性剤またはカチオン性界面活性剤でエマルジョン化
された油性物質を含む塗工液をキャストコートして形成
することを特徴とするインクジェット記録用シートの製
造方法。 - 【請求項2】前記顔料がアルミナまたはシリカアルミナ
複合体である請求項1に記載のインクジェット記録用シ
ートの製造方法。 - 【請求項3】前記塗工液中、前記油性物質が無機顔料の
100質量部に対して、0.1〜10質量部含有される
請求項1または2に記載のインクジェット記録用シート
の製造方法。
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