JP2002086059A - 塗装金属材料及びその製造方法 - Google Patents

塗装金属材料及びその製造方法

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JP2002086059A
JP2002086059A JP2000278271A JP2000278271A JP2002086059A JP 2002086059 A JP2002086059 A JP 2002086059A JP 2000278271 A JP2000278271 A JP 2000278271A JP 2000278271 A JP2000278271 A JP 2000278271A JP 2002086059 A JP2002086059 A JP 2002086059A
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coating agent
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acid
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JP2000278271A
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Yoshito Shiba
賢人 志波
Masashi Okamoto
昌司 岡本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防錆性を有する塗装金属材料、及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ケン化度が85〜100%のポリビニル
アルコールとポリカルボン酸との質量比が97/3〜5
/95の混合物、および水系溶媒を含有するコート剤を
塗装してなる塗装金属材料であって、このコート剤を金
属材料に塗装後、120℃以上の温度で熱処理して得ら
れ、60℃の熱水に30分間、浸漬した場合のコート層
の質量減少が3%以下である塗装金属材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた防錆性を有
する塗装金属材料、及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼
板などの金属めっき鋼板は自動車、家電、構造物などに
広く用いられている中で、近年、優れた防錆性を有する
表面処理鋼板に対する要求が強まっている。このような
状況下において、亜鉛めっき鋼板の防錆性を一層高める
ために、6価クロムを用いたクロメート処理が採用され
てきている。このクロメート処理により亜鉛メッキ材料
の防錆性は向上するが、有害な6価クロムによる作業環
境や設置場所のクロム汚染の問題が最近、指摘されてお
り、クロムを使用しない、いわゆるノンクロメート防錆
処理剤の開発が急務となっている。
【0003】ノンクロメート防錆処理剤として、ポリビ
ニルアルコールを用いる試みがなされている。ポリビニ
ルアルコールは人体に無害であり、食品包装用の紙加工
やフィルムのコーティングにも使用されるなど、従来の
防錆剤に比べて環境汚染の恐れは非常に小さい。ポリビ
ニルアルコールを用いた防錆処理剤として、特開昭55
−8406号公報には金属鋼板をポリビニルアルコール
水溶液に浸漬することで防錆効果が向上することが開示
されている。しかしながら、ポリビニルアルコールは非
常に親水性の高い樹脂であるために、単独で鋼板に塗装
しても、塗装厚みが薄い場合には防錆効果を発現させる
のは困難であり、特に塩水噴霧等の過酷な条件下では防
錆効果は殆ど認められない。また、特開昭61−254
676号公報、特開昭62−57471号公報、特開昭
62−57472号公報には、ポリビニルアルコールと
低分子化合物からなる防錆塗料が開示されているが、こ
れらの場合も同様に塗装厚みが薄いと、特に塩水噴霧等
の過酷な条件下での防錆効果は殆ど認められない。
【0004】特開平9−118875号公報には、化成
処理した鋼板をポリビニルアルコールやセルロース系の
高分子化合物とポリアクリル酸塩とを含む処理液に浸漬
した後、水洗い及び乾燥する撥水処理方法が開示されて
いる。しかしながら、この場合の防錆性の向上は化成処
理に依るところが大部分であり、化成処理していない鋼
板を用いた場合には、防錆効果を発現するのは困難であ
り、塩水噴霧等の過酷な条件下では防錆効果は殆ど認め
られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような問題に対して、クロムを含まず、また金属材料と
して化成処理等をした鋼板に限定されず、薄塗りで優れ
た防錆性を有している塗装金属材料、及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定の樹脂組成物を含有するコート剤を鋼板の
表面に塗布し、特定の条件で乾燥することにより、薄塗
りでも優れた防錆性を有していることを見出し、本発明
に到達した。すなわち本発明の要旨は、次のとおりであ
る。 (1)ケン化度が85〜100%のポリビニルアルコー
ルとポリカルボン酸との質量比が97/3〜5/95の
混合物、及び水系溶媒を含有するコート剤を金属材料に
塗装してなり、60℃の熱水に30分間浸漬した場合の
コート層の質量減少が3%以下であることを特徴とする
塗装金属材料。 (2)金属材料が亜鉛めっき鋼板である上記(1)記載
の塗装金属材料。 (3)ポリカルボン酸が、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、あるいはマレイン酸単位を10モル%以上含有
するビニルポリマーのうち少なくとも1種である上記
(1)又は(2)に記載の塗装金属材料。 (4)コート剤が、ポリカルボン酸のカルボキシル基に
対してさらに0.1〜80当量%の塩基性化合物を含有
したものである上記(1)〜(3)記載の塗装金属材
料。 (5)コート剤が、ポリビニルアルコールとポリカルボ
ン酸の合計量100質量部に対してさらに架橋剤を0.
1〜50質量部含有したものである上記(1)〜(4)
記載の塗装金属材料。 (6)金属材料にコート剤を塗装した後、120℃以上
の温度で熱処理する上記(1)〜(6)記載の塗装金属
材料の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明において金属材料に塗装されるコー
ト剤には、ポリビニルアルコールとポリカルボン酸とが
質量比97/3〜5/95で含有されていることが必要
であり、好ましくは90/10〜10/90、さらに好
ましくは80/20〜15/85である。ポリビニルア
ルコールの割合が97質量%を超えたり、5質量%未満
の場合には、防錆性が低下し、特に塩水噴霧下等の過酷
な条件下での防錆性が低下する。
【0009】本発明で用いるポリビニルアルコールはビ
ニルエステルの重合体を完全または部分ケン化するなど
の公知の方法で得ることが出来る。ビニルエステルとし
ては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げら
れ、中でも酢酸ビニルが工業的に入手しやすいため好ま
しい。
【0010】このとき、本発明の効果を損なわない範囲
で、ビニルエステルに対し他のビニル化合物を共重合し
てもよい。共重合モノマーとしては、クロトン酸、アク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びそ
のエステル、塩、無水物、アミド又はニトリル類、マレ
イン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン
酸及びその塩、炭素数2〜30のα−オレフィン類、ア
ルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類などが挙
げられる。上記共重合モノマーの共重合比率は、50モ
ル%未満であることが好ましい。疎水性の共重合成分が
多くなると水溶性が損なわれ、一方、親水性の共重合成
分が多い場合には、得られるポリマー中のビニルアルコ
ール単位の比率が低下し、後述する熱処理によるカルボ
キシル基とのエステル結合生成確率が下がるため、結果
として防錆効果が損なわれる。
【0011】ビニルエステル重合体はケン化され、ビニ
ルエステル単位の全部または一部がビニルアルコール単
位となる。ケン化方法としては、公知であるアルカリケ
ン化及び酸ケン化を適用することができ、中でもメタノ
ール中で水酸化アルカリを使用して加アルコール分解す
る方法が好ましい。この場合の好ましいケン化度は85
〜100%であり、より好ましくは95〜100%であ
る。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、20
0〜2500が好ましく、さらに好ましくは200〜1
500である。
【0012】本発明で使用されるポリカルボン酸は、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、マレイン酸単位を1
0モル%以上含有するビニルポリマーのうち少なくとも
1種であることが好ましい。
【0013】ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸は、
アクリル酸モノマー又はメタクリル酸モノマーを溶液ラ
ジカル重合などの公知の方法で重合することにより得ら
れる。このとき、ポリマーの数平均分子量は、2000
〜200000の範囲が好ましい。
【0014】また、ポリアクリル酸又はポリメタクリル
酸には、本発明の効果を損なわない範囲で他のビニル化
合物を少量共重合することもできる。他のビニル化合物
としては、たとえば、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸又は
メタクリル酸のエステル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニルな
どのビニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホ
ン酸、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの炭素
数2〜30のオレフィン類を有する化合物を挙げること
ができる。
【0015】マレイン酸単位を含有するビニルポリマー
は、溶液ラジカル重合などの公知の方法で無水マレイン
酸とビニル系モノマーを重合して得られるものである。
共重合モノマーとしては、メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテルなどの炭素数3〜30のアルキルビニ
ルエーテル類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸又はメタ
クリル酸のエステル類、ぎ酸ビニル酢酸ビニルなどのビ
ニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸、
エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの炭素数2〜
30のオレフィンなどが挙げられ、これらの混合物を用
いることもできる。このうち、アルキルビニルエーテル
類、低級オレフィン類などが好ましい。
【0016】本発明では、マレイン酸単位を10モル%
以上含有することが必要である。マレイン酸単位のカル
ボキシル基は、先述のポリビニルアルコールの水酸基と
反応して架橋構造を形成することにより優れた防錆性が
得られる。マレイン酸単位を有するポリマーの好ましい
例として、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合
体、エチレン−マレイン酸共重合体、イソブチレン−マ
レイン酸共重合体のうち1種またはこれらの混合物が挙
げられる。
【0017】なお、マレイン酸単位の隣接カルボキシル
基は、乾燥状態では脱水環化した無水マレイン酸構造を
取りやすく、一方、湿潤時や水溶液中では開環してマレ
イン酸構造を取りやすくなるが、本発明ではこれら閉
環、開環を区別せずマレイン酸として記述する。
【0018】本発明で用いる水系溶媒としては水が最も
好ましい。また水に対してアルコール等の有機溶媒を少
量添加することにより、水性化の改善や乾燥工程の短
縮、コート剤の安定性の改善あるいは、鋼板にコートす
るときのぬれ性を改善することもできる。
【0019】本発明に用いるポリカルボン酸は、そのカ
ルボキシル基が塩基性化合物で部分的に中和されている
ことが好ましい。特定量の塩基性化合物を添加すること
で、得られる被膜の防錆性能が格段に高められる。塩基
性化合物の量は、ポリカルボン酸中のカルボキシル基に
対して0.1〜80当量%とする必要がある。塩基性化
合物の添加量が0.1当量%未満であったり、80当量
%を超える場合には、十分な防錆効果が得られない。好
ましい範囲は1〜70当量%である。
【0020】塩基性化合物は、カルボキシル基を中和で
きるものであれば、特に限定されず、LiOH、KO
H、NaOH、Ca(OH)2等の金属塩や、アンモニ
ア、沸点が250℃以下の揮発性有機アミン化合物等を
用いることができる。
【0021】また、本発明において、防錆性を一層向上
させるために、コート剤中の樹脂100質量部に対して
架橋剤を0.1〜30質量部添加することが好ましい。
架橋剤の添加量が0.1質量部未満の場合には、防錆性
向上の程度が小さく、30質量部を超える場合は、防錆
性以外の物性、特に加工性が低下する。架橋剤として
は、自己架橋性を有する架橋剤や、水酸基やカルボキシ
ル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、
水酸基、カルボキシル基又はカルボキシレートアニオン
が複数配位して錯体を形成し得る金属等を用いることが
でき、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合
物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合
物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が
好ましい。中でもメラミン化合物とエポキシ化合物が防
錆性を高める上で特に好ましい。また、これらの架橋剤
は併用することもできる。
【0022】本発明の効果を損なわない範囲で、有機も
しくは無機の化合物をコート剤に添加してもよい。無機
化合物としては、シリカ等の無機粒子やバーミキュライ
ト、モンモリロナイト、ヘクトライト等の水膨潤性の層
状無機化合物が挙げられ、少量添加することによって最
終的に得られる塗装鋼板の防錆性をさらに改良すること
ができる。
【0023】塗装後のコート層の膜厚は、コート剤中の
固形分濃度や塗装方法によって調整することができ、好
ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.3〜3
0μmである。コート層の膜厚が0.1μm未満の場合
は、防錆性が不十分となる。一方、コート層を30μm
より厚くするには、固形分濃度を高くする必要があるた
め、コート剤の粘度が高くなり、塗装困難や保存安定性
低下などの取り扱い上の問題を生じやすくなる。このよ
うな観点から、固形分濃度はコート剤全体の5〜50質
量%の範囲にすることが好ましい。
【0024】コート剤を金属材料に塗装する方法は特に
限定されないが、グラビアロールコーティング、リバー
スロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リ
ップコーティング、エアナイフコーティング、スプレー
コーティング、浸漬コーティング等の方法を用いること
ができる。
【0025】コート層の耐水性は、60℃の熱水に30
分間、浸漬した場合の質量減少で評価でき、この値が3
%以下、好ましくは2%以下であることが必要である。
熱水処理後のコート層の質量減少が3%を超える場合に
は、十分な架橋が行われないため耐水性が悪く、優れた
防錆性を得ることができない。
【0026】本発明においては上述のコート剤組成物を
金属材料に塗装した後、120℃以上の温度、より好ま
しくは150℃以上で処理することにより、質量減少を
3%以下とすることができる。上記の熱処理によって、
ポリビニルアルコールの水酸基とポリカルボン酸のカル
ボキシル基とがエステル化反応して架橋が起こり、疎水
性の被覆層が形成されるため、優れた耐水性、防錆性が
発現する。熱処理温度が120℃未満の場合には、エス
テル化反応速度が低下し、十分な架橋が得られないた
め、結果として耐水性、防錆性が不十分となる。
【0027】本発明において、コート剤を塗装する金属
材料としては、発錆性を有しているものであれば特に限
定されないが、鋼板、中でも亜鉛めっき鋼板を用いるこ
とが好ましい。亜鉛のめっき方法としては、電気めっき
法や溶融めっき法等を用いることができる。また、亜鉛
めっき鋼板の表面は化成処理されていてもよい。化成処
理としては、環境に配慮するとクロムを含まない化成液
での処理が好ましいが、本発明では、クロメート処理を
施した亜鉛めっき鋼板を用いても十分な防錆性を有す
る。
【0028】本発明において、コート剤の調整は、撹拌
機を備えた溶解釜等を用いて公知の方法で行うことがで
きる。ポリビニルアルコールとポリカルボン酸を別々に
水系溶媒に溶解しておき、使用前に均一混合して用いる
方法が好ましい。この場合、溶液の安定性の理由から、
塩基性化合物はポリカルボン酸の溶液に加えておくこと
が好ましい。また、単一の溶解釜を用いて、水系溶媒中
に順次ポリマーを加えて溶液を調製することもできる。
この場合、塩基性化合物をポリマーに先立って最初に添
加しておくと、ポリマーの溶解性が向上するため好まし
い。
【0029】
【作用】本発明のコート剤組成物を金属材料に塗装後、
120℃以上の温度で処理することでポリビニルアルコ
ールとポリカルボン酸との間にエステル結合による架橋
構造を有する被覆層が生成し、水等の腐食物質から金属
材料を保護することができる。さらに、架橋剤成分を添
加することで、より緻密な架橋構造が生成し、防錆性が
一層向上する。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。以下に、各種評価方法を述べる。 1.耐水性評価方法 塗膜を水で濡らした布で擦り、塗膜の状態を目視で評価
した。 ○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が完全に溶
解 2.耐溶剤性評価方法 塗膜をエタノールで濡らした布で擦り、塗膜の状態を目
視で評価した。 ○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が完全に溶
解 3.防錆性評価方法 JIS Z−2371規格の塩水噴霧試験機を用いて、
35℃での5質量%NaCl水溶液の噴霧を行い、10
0時間後の塗膜状態を評価した。 ◎:発錆面積率5%未満、○:発錆面積率5%以上、1
0%未満、△:発錆面積率10%以上、50%未満、
×:発錆面積率50%以上 4.コート層の熱水処理後の質量減少 塗装金属材料を60℃の熱水に30分間浸漬させ、熱水
処理前後のコート層の質量をそれぞれ(a)、(b)と
して次式により、質量減少(%)を求めた。 (質量減少)=〔{(a)−(b)}/(a)〕×10
【0031】実施例1 ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UF0
40G、ケン化度98%、平均重合度400)を純水に
溶解し、10質量%の水溶液を得た。エチレン−マレイ
ン酸交互共重合体(ALDRICH社製、重量平均分子
量100,000〜500,000)をマレイン酸のカル
ボキシル基に対して10当量%の水酸化ナトリウムを含
む純水に溶解し、10質量%の水溶液とした。ポリビニ
ルアルコールとエチレン−マレイン酸共重合体との質量
比が70/30となるように各水溶液を混合し、攪拌し
てコート剤を得た。このコート剤を脱脂した溶融亜鉛め
っき鋼板(日本テストパネル大阪社製、サイズ70mm
×150mm×0.8mmt)上にメイヤーバーで塗装
し、200℃で5分間熱処理した。塗膜厚みは3μmで
あった。得られた塗装鋼板の耐水性、耐溶剤性、防錆性
は良好であり、熱水処理後のコート層の質量減は1%で
あった。
【0032】実施例2 実施例1で調製したポリビニルアルコール水溶液とエチ
レン−マレイン酸交互共重合体水溶液を用いて、コート
剤中のポリビニルアルコールとエチレン−マレイン酸交
互共重合体との質量比を30/70とした以外は、実施
例1と同様にして塗装鋼板を得た。塗装鋼板の各種性能
を表1に示した。
【0033】実施例3 ポリカルボン酸としてメチルビニルエーテル−マレイン
酸交互共重合体(International Specialty Products社
製、GANTREZ AN119)を用い、マレイン酸
のカルボキシル基に対して10当量%の水酸化ナトリウ
ムを含む純水に溶解し、10質量%の水溶液とした。こ
の水溶液と、実施例1で作製したポリビニルアルコール
水溶液とを混合、攪拌し、ポリビニルアルコールとメチ
ルビニルエーテル−マレイン酸交互共重合体の質量比が
50/50のコート剤を調製した。このコート剤を用い
て、表1の実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得
た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。
【0034】実施例4 ポリカルボン酸としてイソブチレン−マレイン酸交互共
重合体(クラレ社製、イソバン04)を用いた以外は実
施例3と同様の操作を行って、ポリビニルアルコールと
イソブチレン−マレイン酸交互共重合体の質量比が50
/50のコート剤を調製した。このコート剤を用いて、
実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。塗装鋼
板の各種性能を表1に示した。
【0035】実施例5 ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業社製、ポリアクリ
ル酸25質量%水溶液、数平均分子量150000)を
水酸化ナトリウム水溶液で希釈し、ポリアクリル酸のカ
ルボキシル基の中和度を10%、ポリアクリル酸濃度1
0質量%としたものを調製した。これと実施例1で作成
したポリビニルアルコール溶液を混合して攪拌し、ポリ
ビニルアルコールとポリカルボン酸の質量比が30/7
0のコート剤を得た。これを用いて、実施例1と同様の
操作を行って塗装鋼板を得た。塗装鋼板の各種性能を表
1に示した。
【0036】実施例6 実施例1と同様の操作でコート剤を調製した後、コート
剤中の樹脂固形分100質量部に対して、20質量部の
メラミン化合物(三井サイテック社製、サイメル32
5)を添加し、攪拌し、コート剤を得た。このコート剤
を用い、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得
た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。
【0037】実施例7 実施例2と同様の操作を行って、ポリビニルアルコール
とエチレン−マレイン酸共重合体を30/70の質量比
で含有するコート剤を調製した後、コート剤中の樹脂固
形分100質量部に対して20質量部のメラミン化合物
(三井サイテック社製、サイメル325)と5質量部の
エポキシ化合物(ナガセ化成工業社製、デナコールEM
−101、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマル
ション)を添加して攪拌し、コート剤を得た。これを用
いて、以後、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を
得た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。
【0038】実施例8 実施例2と同様にしてポリビニルアルコールとエチレン
−マレイン酸共重合体の質量比が30/70のコート剤
組成物を調製した後、さらに樹脂固形分100質量部に
対して、無機層状化合物(クニミネ工業製、クニピア
F)を10質量部添加して攪拌し、コート剤を得た。こ
れを用いて、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を
得た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。
【0039】比較例1 ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製、UF0
40G、ケン化度98%、平均重合度400)の10質
量%水溶液を塩基性化合物による中和をせずにコート剤
として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って塗
装鋼板を得た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。ポ
リビニルアルコールだけでは防錆性は殆ど認められなか
った。
【0040】比較例2 実施例5で調製したポリアクリル酸10質量%水溶液を
単体でコート剤として用いた以外は、実施例1と同様の
操作を行って塗装鋼板を得た。塗装鋼板の各種性能を表
1に示した。
【0041】比較例3 実施例5で調製したポリビニルアルコールとポリカルボ
ン酸の質量比が30/70のコート剤を用い、熱処理条
件を60℃で20分間に変えた以外は、実施例1と同様
の操作を行って塗装鋼板を得た。塗膜厚みは3μmであ
った。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。この条件で
得られた塗装鋼板の防錆性は殆ど認められなかった。
【0042】比較例4 ケン化度の異なるポリビニルアルコール(クラレ社製、
PVA−403、ケン化度80%)の10質量%水溶液
を調製し、これと実施例5で調製したポリアクリル酸1
0質量%水溶液とを混合して、ポリビニルアルコールと
ポリアクリル酸の質量比が30/70のコート剤組成物
を得た。これを用いて比較例3と同様の操作で塗装鋼板
を得た。塗装鋼板の各種性能を表1に示した。
【0043】比較例5 エチレン−マレイン酸共重合体の中和度を100%とし
た以外は実施例1と同様の操作を行ってコート剤組成物
を得、塗装鋼板を作製した。塗装鋼板の各種性能を表1
に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によると、優れた防錆性を有する
塗装金属材料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 157/04 C09D 157/04 C23F 11/173 C23F 11/173 Fターム(参考) 4D075 CA33 DB02 DB05 EA06 EB19 4F100 AB01B AB03B AB18B AK21A AK24A AK25A AK70A AL05A BA02 CC00A EH46A EH71B GB07 JB02 4J038 CE021 CE022 CG031 CG032 CG071 CG072 DA162 DB002 DJ022 GA06 GA10 HA176 HA186 JB01 JB03 JB18 JC32 KA03 KA16 MA10 NA03 PA19 PB05 PB07 PC02 4K062 AA03 BC07 BC08 BC26 DA10 FA03 FA20 GA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケン化度が85〜100%のポリビニル
    アルコールとポリカルボン酸との質量比が97/3〜5
    /95の混合物、及び水系溶媒を含有するコート剤を金
    属材料に塗装してなり、60℃の熱水に30分間浸漬し
    た場合のコート層の質量減少が3%以下であることを特
    徴とする塗装金属材料。
  2. 【請求項2】 金属材料が亜鉛めっき鋼板である請求項
    1記載の塗装金属材料。
  3. 【請求項3】 ポリカルボン酸が、ポリアクリル酸、ポ
    リメタクリル酸、あるいはマレイン酸単位を10モル%
    以上含有するビニルポリマーのうち少なくとも1種であ
    る請求項1又は2に記載の塗装金属材料。
  4. 【請求項4】 コート剤が、ポリカルボン酸のカルボキ
    シル基に対してさらに0.1〜80当量%の塩基性化合
    物を含有したものである請求項1〜3記載の塗装金属材
    料。
  5. 【請求項5】 コート剤が、ポリビニルアルコールとポ
    リカルボン酸の合計量100質量部に対してさらに架橋
    剤を0.1〜50質量部含有したものである請求項1〜
    4記載の塗装金属材料。
  6. 【請求項6】 金属材料にコート剤を塗装した後、12
    0℃以上の温度で熱処理する請求項1〜5記載の塗装金
    属材料の製造方法。
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