JP2002080788A - 紫外線吸収塗料 - Google Patents
紫外線吸収塗料Info
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Abstract
無く透明感の高い紫外線吸収塗料を提供する。 【解決手段】 透明樹脂成分に蛍光増白剤を含み410
nm以下の光を90%以上カットすることを特徴とする
紫外線吸収塗料。但し蛍光増白剤が下記一般式(I)で
表わされる。 【化1】 (式中、R1 およびR4 は水素原子、アルキル基または
アルコキシ基を表し、R 2 およびR3 はアルキル基を表
し、[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。)
Description
害な紫外線、飛来昆虫を誘引する原因となる蛍光灯等の
照明器具から発生する紫外線をカットする紫外線吸収塗
料に関する。
昆虫を誘引する原因となる蛍光灯から発生する紫外線を
遮蔽する目的で紫外線吸収剤を含む塗料、熱収縮フイル
ムを施した蛍光灯が提案され(特開平8−111208
号、特開平10−21714号、特開平11−1066
66号各公報)、これらに加え窓張り用フイルム等も上
市されている。しかし黄色味を押さえるためにその吸収
端が380nmより短波であったり長波長な410nm
まで吸収することはできるが黄色味が強かったり黄色味
を抑えるために色調調整用の染顔料を添加することで対
応している。吸収端が短波であるということは紫外線遮
蔽能が低く、特にこれから普及が拡大すると予想される
三波長型蛍光灯では380nm以下に吸収が無いか、有
ってもわずかなため飛来昆虫を阻止する能力が三波長型
蛍光灯それ自体で期待できる為、必要性が無い。ただ
し、三波長型蛍光灯といえども405nm付近の発光が
残るため特開平7−3189号公報などに開示されてい
る昆虫のすう光曲線(一般に昆虫は紫外線域に近い波長
に強く反応するが、この波長依存性をグラフにしたもの
をいう)から明らかなように効果的に飛来昆虫を阻止す
る為には405nm付近の輝線を遮蔽する必要があり、
そのためには410nmまでの光をカットすることが望
まれている。410nmまでの光をカットすると黄色味
を帯びるためこれを改善するために色調調整用の染顔料
を添加することで解決されるが可視域の光線透過率を犠
牲にするという短所がある。
合して紫外線照射による黄変度を抑えた耐光性、白色
性、接着性に優れた白色積層ポリエステルフイルム(特
開平11−291432号公報、特開平11−2682
1号公報)が提案されているが、同様の短所は解消して
いない。また、蛍光灯紫外線カットカバーとして蛍光増
白剤を含有する透明樹脂よりなる組成物が提案されてい
る(特公平6−3682号公報)が熱収縮フイルムを含
め直管型蛍光ランプには適応できるがサークライン型蛍
光ランプには適応できない。
術の問題点を解消するために開発されたもので、その目
的とするところは、黄色の補色である青色蛍光を発する
蛍光増白剤を含有することで380nmより長波長であ
る410nmまで、すなわち380〜410nmをカッ
トしても黄色味が無く透明感の高い、紫外線吸収塗料を
提供することにある。
含有する塗料用樹脂よりなる紫外線吸収塗料であり、そ
の特徴とするところは下記の各発明及び実施態様にあ
る。 (1)透明樹脂成分に蛍光増白剤を含み410nm以下
の光を90%以上カットすることを特徴とする紫外線吸
収塗料。 (2)蛍光増白剤が下記一般式(I)で表わされること
を特徴とする上記(1)に記載の紫外線吸収塗料。
アルコキシ基を表し、R 2 およびR3 はアルキル基を表
す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。)
下記一般式[II]で表される化合物であることを特徴
とする上記(1)又は(2)に記載の紫外線吸収塗料。
R6 およびR8 は前記R 3 と同義の基である。nは1ま
たは2の整数を表す。) (4)透明樹脂成分がアクリル樹脂系、ウレタン樹脂
系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、シリカ
樹脂系及びフッ素樹脂系成分から選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の紫外線吸収塗料。 (5)広帯域発光型または三波長域発光型蛍光ランプに
上記(1)〜(4)のいずれかに記載の塗料を塗布し4
10nm以下の光を10%以下にカットするようにした
蛍光ランプ又は照明器具。
約410nmの波長の光を吸収して、約410〜約50
0nmの波長の光を放射する性質を有する化合物より成
る。これらの蛍光増白剤で染められた織物は本来の黄色
い反射光のほかに、新たに蛍光増白剤により発光される
約410〜約500nmの波長の青色光が付加されるた
め反射光は白色になり、かつ、蛍光効果による分だけ可
視光のエネルギーが増加するため結果として増白された
ことになる。
脂系、ウレタン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポ
キシ樹脂系、シリカ樹脂系、フッ素樹脂系などの透明樹
脂成分を含む塗料をあげることができる。これらの樹脂
は主剤、硬化剤、希釈剤、レベリング剤、はじき防止剤
などを任意に配合することができる。
タン樹脂、シリコンアクリル樹脂を選んだ場合には、硬
化剤としてポリイソシアネートなどを、希釈剤としてト
ルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸イソブチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコ
ール系を用いることができる。透明樹脂成分としては、
具体的には、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸メチルスチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル等が挙げられる。また、ここでアクリルウレタン
樹脂とは、メタクリル酸エステル(メチルが代表的)と
ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体とポリイソシ
アネートと反応させて得られるアクリルウレタン樹脂を
いう。なおこの場合のポリイソシアネートとはトリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートなどが挙げられる。更にこれら成分に加え
アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シ
リコーン系、アクリル系等のはじき防止剤等を必要に応
じて配合することができる。これら塗料の製造方法、混
合方法、使用方法などは蛍光増白剤を添加すること以
外、通常の塗料とまったく同じである。
通常市販されているものあるいは下記新規物質の中から
耐光性などに基づいて選択することができる。
アルコキシ基を表し、R 2 およびR3 はアルキル基を表
す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。)
R2 、R3 、R4 および[A]について以下に詳しく説
明する。R1 およびR4 は水素原子、アルキル基または
アルコキシ基を表すが、詳しくは水素原子、炭素数1な
いし8のアルキル基、または炭素数1ないし8のアルコ
キシ基を表す。
子、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−
オクチル、イソプロピル、イソブチル、2−エチルヘキ
シル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロ
ペンチルもしくはシクロヘキシル等のアルキル基、また
はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキ
シ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキ
シ、2−エチルヘキシルオキシ、t−ブトキシもしくは
シクロヘキシルオキシ等のアルコキシ基である。R1 お
よびR4 は好ましくは水素原子またはアルキル基であ
り、特に好ましくは水素原子である。
しくは炭素数1ないし16のアルキル基であり、更に詳
しくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
n−オクチル、n−ヘキサデカニル(セチル)、イソプ
ロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル、t−ブチ
ル、t−アミル、t−オクチル、シクロペンチルもしく
はシクロヘキシル等のアルキル基を表す。好ましくは、
R2 はメチル、イソプロピル、t−ブチルまたはシクロ
ヘキシル基であり、R3 はメチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたは2
−エチルヘキシル基である。特に好ましくは、R2 はt
−ブチルまたはシクロヘキシル基であリ、R3 はメチ
ル、n−ブチル、n−オクチルまたは2−エチルヘキシ
ル基である。
ル基を表すが、詳しくは炭素数6〜40の置換アリール
基または炭素数8〜40の置換エテニル基を表す。好ま
しくは以下に示す置換アリールまたはエテニル基であ
る。
よびR4 と同義の基である。R2 ’は前記R2 と、
R3 ’は前記R3 と同義の基である。mは1ないし5の
整数を表す。XおよびYは、アルキル、アリール、アル
コキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アミノまた
は水酸基を表す。アミノおよび水酸基以外のXおよびY
を詳しく述べれば、メチル、エチル、イソプロピル、t
−ブチルまたはシクロヘキシル等のアルキル基、フェニ
ル、トリルまたはナフチル等のアリール基、メトキシ、
エトキシまたはイソプロポキシ等のアルコキシ基、アミ
ノ、アミノメチル、エチルアミノ、オクチルアミノ、ジ
メチルアミノまたはN−メチル−N−エチルアミノ等の
アルキルアミノ基、アニリノ、4−トリルアミノまたは
N−メチルアニリノ等のアリールアミノ基である。Xお
よびYは、好ましくはアリール、アルコキシまたはアニ
リノ基である。
くは下記一般式[II]で表される化合物である。
基であり、R6 およびR8 は前記R 3 と同義の基であ
る。nは1または2の整数を表す。これらの化合物は特
開平11−29556号公報記載の方法で合成すること
ができる。
式[I]又は[II]で表される)の具体例を挙げる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
ず無機物でもよい。これらの蛍光増白剤は必要に応じて
1種または2種以上を併用することができる。それらの
添加量は成形物の厚さ、蛍光増白剤の性質、紫外線吸収
剤の有無、性質、添加量によって変化するので一義的に
定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をす
ることによって容易に決定することができる。一般的に
は厚さ0.1ミリの塗膜であれば0.1〜10質量%で
十分である。その配合量と、添加される材料の厚さはほ
ぼ反比例すると考えて良い。例えば厚さ0.1ミリの塗
膜に式(1)の化合物は5質量%、式(2)の化合物で
は3質量%、式(13)の化合物では2.1%添加する
ことで410nm以下の光を効果的に実質的にカットで
きる。
明樹脂塗料に配合することで目的を達成することができ
るが蛍光増白剤の耐光性に不安がある場合、蛍光増白剤
のみでは短波長域が十分にカットしきれない場合には紫
外線吸収剤を併用することが望ましい。一般に紫外線吸
収剤は紫外線を吸収して熱に変換する性質を有する化合
物である。それらは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系に大別
される。ベンゾトリアゾール系の有効吸収波長は約27
0〜380nmで、代表例としては2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、
5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5‘−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−アミルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オ
クトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げること
ができる。
0〜380nmで、代表例としては2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノン等を挙げることができる。
330nmで、代表例としてはフェニルサリシレート、
p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフ
ェニルサリシレートなどを挙げることができる。
270〜350nmで、代表例としては2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、
エチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート
等を挙げることができる。これらの紫外線吸収剤は1種
または2種以上を併用することができる。好適な添加量
は塗膜の厚さ、蛍光増白剤の性質等によって変化するの
で一義的に定めることはできないが、当業者はいくらか
の試験をすることによって容易に決定することができ
る。一般的には厚さ0.1ミリの塗膜であれば1〜30
質量%で十分である。上記のごとく、蛍光増白剤単独あ
るいは紫外線吸収剤との併用で実用的には十分であるが
更に厳密を要求する場合には隠蔽力の強い白色顔料、例
えば酸化チタンの少量(0.05〜0.15質量%)を
添加することが好ましい。また、外観、色調が問題とな
る時、あるいは好みによって微量(0.05質量%以
下)の着色剤を配合することができる。その配合量と、
添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。
(透明樹脂成分を主成分として含む)、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤から構成されるが、好ましくは、樹脂を基準
に考えて蛍光増白剤:0.1〜20%、紫外線吸収剤:
0〜20%の組成とする。塗布する際の厚さは、好まし
くは2〜1000μであるが、更に好ましくは5〜20
0μの間である。これら塗料を塗布する方法は任意であ
るが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート
法、フローコーター法、流し塗り法などがある。塗布後
の乾燥は塗料成分によって異なるが概ね室温〜120℃
で10〜90分程度行うことが望ましい。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1]アクリテック(大日本インキ製商品名)に
対し 式(1)の化合物 5.0質量% 2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 1.1質量% 加えたもの15gに対しトルエン:メチルエチルケトン
=1:1を85gを加え固形分を溶解し紫外線吸収塗料
を得た。
収塗料を得た。
に塗布し乾燥後100μmになるよう調整し吸収スぺク
トルを測定した。その結果によると、本発明において
は、比較例とした市販製品、3M製ISCLARL (商品名)
よりも長波長である410nmまでの光を吸収するにも
かかわらず黄色味が無く透明度の高い塗膜を得ることが
できた(図1参照)。図1中「3M」とあるのは比較例
である。
味が無く、透明度が高く、透過光に着色が無いため一般
住宅、工場などの照明に加え、商品を陳列するショーウ
インドウやショウケースの蛍光灯、自動販売機の蛍光灯
および前面アクリル板、写真、蛍光灯をバックライトに
した写真(例えば富士写真フイルム(株)製品 Gカラ
ー)、液晶表示ディスプレー等の退色が懸念される製品
に塗布しても物品固有の自然色を損なうことが無い。ま
た蛍光灯等のランプ例えば白熱灯、ハロゲン電球、水銀
灯等に塗布することで照明器具から発生する紫外線を外
に漏らさないため飛来昆虫の誘因を阻止することができ
る。また自動車の窓ガラス、一般住宅の窓ガラスに塗布
することで太陽光に含まれる有害な紫外線をカットする
ことができる。
ルを示すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】 透明樹脂成分に蛍光増白剤を含み410
nm以下の光を90%以上カットすることを特徴とする
紫外線吸収塗料。 - 【請求項2】 蛍光増白剤が下記一般式(I)で表わさ
れることを特徴とする請求項1に記載の紫外線吸収塗
料。 【化1】 (式中、R1 およびR4 は水素原子、アルキル基または
アルコキシ基を表し、R 2 およびR3 はアルキル基を表
す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。) - 【請求項3】 一般式[I]で表される化合物が、下記
一般式[II]で表される化合物であることを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の紫外線吸収塗料。 【化2】 (式中、R5 およびR7 は前記R2 と同義の基であり、
R6 およびR8 は前記R 3 と同義の基である。nは1ま
たは2の整数を表す。) - 【請求項4】 透明樹脂成分がアクリル樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、
シリカ樹脂系及びフッ素樹脂系成分から選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の紫外線吸収塗料。 - 【請求項5】 広帯域発光型または三波長域発光型蛍光
ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の塗料を塗布し
410nm以下の光を10%以下にカットするようにし
た蛍光ランプ又は照明器具。
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