JP2002080474A - 風味の良好な高純度大豆イソフラボンおよびそれを用いた食品 - Google Patents

風味の良好な高純度大豆イソフラボンおよびそれを用いた食品

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JP2002080474A JP2000267499A JP2000267499A JP2002080474A JP 2002080474 A JP2002080474 A JP 2002080474A JP 2000267499 A JP2000267499 A JP 2000267499A JP 2000267499 A JP2000267499 A JP 2000267499A JP 2002080474 A JP2002080474 A JP 2002080474A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 大豆胚軸から抽出されるイソフラボンで
あって、イソフラボンの純度が少なくとも60%以上で
あり、下式で表される不快味指数(B)が0.05以下
であることを特徴とする、高純度大豆イソフラボン、そ
の製法並びに該イソフラボンを含む食品。 不快味指数(B)=(ソヤサホ゜ニン 含量+アセチルイソフラホ゛ン 含
量+マロニルイソフラホ゛ン 含量+アク゛リコン 含量)/(タ゛イシ゛ン含
量+ク゛リシチン含量) 【効果】 不快味成分が除去されているため摂取が容易
となり食品等に含有させて骨粗しょう症や更年期障害の
予防、動脈硬化の予防に有用な高純度大豆イソフラボン
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨粗しょう症や更
年期障害の予防、乳がんや前立腺がん、動脈硬化の予防
に有用な高純度大豆イソフラボンおよびその製造方法並
びに該イソフラボンを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】大豆イソフラボンは、弱い女
性ホルモン作用を持ち、閉経後のホルモンバランスの変
化が関与しているとされる骨粗鬆症の予防[Nutr. Re
s.,17,1617(1997)]、閉経後の不定愁訴などの緩和[A
m.Chem.Soc Symp Ser.,No.662,273(1997)]などの働き
があるといわれている。また、ホルモンバランスが関与
しているとされる疾病のうち、乳がん、前立腺がんなど
の発病率についても、大豆食品摂取量の多いアジア諸国
と大豆食品摂取量が少ない欧米諸国との比較による疫学
調査などから、大豆イソフラボンの摂取量との間に負の
相関性がみられている[Science.,120,575(1954)]。
【0003】最近になって、イソフラボンには動脈硬化
に関与する脈管形成の阻害作用があるという報告もなさ
れている[J. Nutr., 125,2307(1995)]。このように有
用な物質である大豆イソフラボンであるが、大豆全体と
しては含有量が低く、具体的な生理活性を得るためには
大量に摂取せねばならず、食生活上、現実的ではない。
【0004】イソフラボン(3−フェニルクロモン)自
体は天然から見いだされていないが、その誘導体(同族
体)はマメ科などの植物から十数種類見いだされてお
り、通常イソフラボンと言われるものは抽出される植物
によって多少組成が異なるがこれら誘導体の混合物であ
る。植物(主として大豆)から抽出された通常のイソフ
ラボンは、イソフラボン誘導体の他に、サポニン、オリ
ゴ糖、蛋白質等を含んでいる。イソフラボンは大豆の子
葉部分にはわずか0.4%程度の含有量しかないが、胚
軸部分には2%程度含まれているので、工業的にイソフ
ラボンを製造するための原料としては、大豆胚軸を利用
することが望ましい。しかし、古くから代表的な大豆食
品である豆腐などの製造においては、胚軸を除いた子葉
部分のみを原料とするのが通例である。これは、1)胚
軸中にのみ含まれるイソフラボン同族体の一部(グリシ
テイン同族体)が、もともと好ましくない風味をもつも
のであること、2)アセチル体、マロニル体などの風味
の悪い同族体が多く含まれていること、3)胚軸にはイ
ソフラボン以外のソヤサポニンなどの不快味配糖体成分
が多く含まれていること等が、風味悪化の原因となって
いるからである。[New Food Industry.,29,73(198
7)]。
【0005】上記のような理由から、大豆胚軸は、イソ
フラボンの原料として有用であるにも拘わらず、あまり
積極的に利用されることは少なかった。従来、イソフラ
ボンを高濃度で得るための工業的方法としては、大豆ま
たは大豆胚軸を原料として、無水アルコールまたは含水
アルコールなどの抽出溶媒を用いてイソフラボンを抽出
し、スチレン・ジビニルベンゼン骨格をもつ無極性の合
成吸着剤にイソフラボンを吸着させた後、アルコール溶
液としてイソフラボンを溶出させる方法が知られている
(特公平4-21670 号公報)。この方法ではイソフラボン
を高濃度で得ることはできるが、同じ配糖体成分である
ソヤサポニン等の不快味成分をイソフラボンと分離する
ことが困難なため、上記のような苦味・不快味などはイ
ソフラボンの濃度が増した分だけ却って増大している。
このため、大豆イソフラボンは有用性があるにもかかわ
らず、上記のような味の問題から食品に高濃度で添加す
ることは難しい状況であった。
【0006】この問題を解決するために、イソフラボン
をサイクロデキストリンで包接化合物とし、水溶性を増
すと同時にその風味を改善する方法も提案されているが
(特開平10-298175 号公報)、包接化合物をつくるため
には、イソフラボン量に対して、比較的高価なサイクロ
デキストリンを当量以上要するため、経済的にはあまり
有利といえず、またイソフラボンの濃度もサイクロデキ
ストリン添加により低くなってしまうため、この方法に
よって得られるイソフラボンは、直接または食品に添加
して食べてもイソフラボンを高濃度で摂取できないとい
う難点がある。
【0007】一方、前述のようにイソフラボン同族体中
でも、その風味が異なることが知られており[Agric. B
iol. Chem.,55, 2227-2233,1991 ]、ゲニステインおよ
びその遊離配糖体であるゲニスチン、およびアセチル配
糖体・マロニル配糖体の不快味(苦味・収斂味)はダイ
ゼイン化合物、グリシテイン化合物に比較すると少な
く、胚軸のみに含有され、子葉部分にはほとんど含有さ
れないグリシテイン化合物が風味が悪く、同じ骨格をも
つもの同士の比較では遊離の配糖体が最も不快味が少な
い傾向にある。このことから、イソフラボン同族体中で
不快味の最も少ないゲニスチンのみを精製して使用する
という方法もあるが(特開2000-95792)、胚軸を原料に
した場合ではダイジン、グリシチンに比べてゲニスチン
含有量が非常に少なく、経口摂取を目的とした用途では
経済的に不利であることは明らかである。
【0008】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、大豆イソフ
ラボンの利用に際し、特に胚軸を原料にした場合の大豆
イソフラボン含有食品の持つ味の問題点を克服し、食品
として利用する際に致命傷となる不快味が殆どない高純
度かつ高濃度のイソフラボンおよびそれを含有する食品
を、効率良く安価に提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、イソフラボン誘
導体の中から選択した特定誘導体からなる組成のイソフ
ラボンは、イソフラボン含量が高濃度であるにもかかわ
らず、不快味がなく、外観も優れているため、これを食
品に用いれば、大豆イソフラボンを大量摂取できること
を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
大豆からの抽出イソフラボンであって、イソフラボンの
純度が少なくとも60%以上であり、下式で表される不快
味指数(B)が0.05以下であることを特徴とする、
高純度大豆イソフラボンである。 不快味指数(B)= (ソヤサホ゜ ニン 含量+アセチルイソフラホ゛ ン
含量+マロニルイソフラホ゛ン 含量+アク゛ リコン含量)/(タ゛ イシ゛ ン
含量+ク゛ リシチン含量)
【0010】ここで、不快味指数(B)として、イソフ
ラボン誘導体のダイジン、グリシチンの合計含有量に対
し、総ソヤサポニン、総アグリコン(ダイゼイン、グリ
シテイン、ゲニステイン)、アセチル・マロニル配糖体
の含有量の総和が占める割合が0.05以下、望ましく
は0.02以下である組成のイソフラボンとすることが
好ましい。このように精製することによって、味の改善
されたイソフラボンを得ることができる。また、本発明
者は、1)原料としてイソフラボン含有量の高い大豆胚
軸を使用し、2)無水又は含水の低級アルコールでイソ
フラボンを抽出し、3)得られた抽出液を、そのままも
しくは水で希釈あるいは含水アルコールからアルコール
分を蒸留により除去してから、蛋白質含量が1重量%以
下の抽出液に調整して、4)均一粒径のスチレン・ジビ
ニルベンゼン型陰イオン交換樹脂に供してイソフラボン
を吸着せしめた後、5)無水または含水アルコールでイ
ソフラボン遊離配糖体のみを溶出させることにより、胚
軸に含まれる不快味成分のうち特に味の面で問題がある
化合物であるソヤサポニン類、アグリコン、アセチル・
マロニル配糖体が分離された遊離配糖体含有率の高い本
発明のイソフラボンが得られることを見出した。
【0011】ここでいう均一粒径の陰イオン交換樹脂と
は、平均粒径±10%の範囲に90%以上の粒度分布を
もつもので、3級アミンなどのイオン交換基をもつ樹脂
である。このような樹脂としては、バイエル社製レバチ
ットMP−64、ダウケミカル社製マラソンWBA、ピ
ューロライト社製PFA−100などが市販されている
が、上記均一粒径等の条件を満たしていればここに記載
されたものに限定されない。また、必要に応じて市販の
製品を篩分け等の手段により上記粒度分布範囲内でかつ
抽出処理に適するものに調整して使用してもよい。粒子
径が均一でないと、不快味成分の分離が不充分となるだ
けでなく、分離がシャープにならない、ショートパスが
起きる、負荷量を多くできない、溶剤使用量が多くなる
等の問題が多発し、産業上の利用に際しては、現実的で
ない。陰イオン交換樹脂の粒径については特に限定され
ないが、通常平均粒径が150μm〜600μmの範囲
から選択するとよい。
【0012】これら均一粒径樹脂を使用することで、イ
ソフラボン誘導体のうちのアグリコン、マロニル・アセ
チル配糖体の不快味成分と不快味の少ない遊離配糖体を
工業的に分離することが可能となるが、更には、陰イオ
ン交換基、特に弱塩基性のイオン交換基を持つ均一粒径
樹脂を使用すると不快味成分であるサポニンを完全に分
離することができる。原料である大豆胚軸からのイソフ
ラボンの抽出は、炭素数1〜3の無水又は含水の低級ア
ルコール、すなわち、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール及びこれらの含水物などが利用できるが、食
品としての利用を考え無水エタノールまたは含水エタノ
ールを使用することがより望ましい。
【0013】原料胚軸よりイソフラボンを抽出する方法
は、室温から80℃において原料に対し5〜10倍容量
の抽出溶媒を加えて攪拌するのが一般的な方法である
が、イソフラボンが十分な回収率で抽出できる条件であ
れば特に限定されない。このようにして得られた抽出液
を上記均一粒径樹脂に供するにあたっては、抽出液をそ
のままあるいは脱溶剤により含水アルコールからアルコ
ール分を除いた抽出液あるいは抽出液を水で希釈したも
のが利用できる。イソフラボン吸着量を上げるためと、
オリゴ糖などの水溶性非吸着成分とイソフラボンをより
確実に分離するために、水で希釈あるいは脱溶剤等の処
理を行ったものを用いるのがより好ましい。いずれの場
合でも、均一粒径の陰イオン交換樹脂に通液する抽出液
の蛋白質含量は、1重量%以下であることが必須であ
る。蛋白質含量が1重量%より多くなると、処理液の粘
性の増大、樹脂カラム流路の閉塞、樹脂ブロック化によ
る片流れ(ショートパス)なとが起り、イソフラボンの
分離効率が低下し生産性が落ちる。そのため、高純度の
イソフラボンを得ることができなくなる。
【0014】イソフラボンを吸着させた樹脂は、水を流
して非吸着成分を洗浄した後、アルコールまたは含水ア
ルコールを流すことによりイソフラボン遊離配糖体を溶
出させる。このとき、溶出力を高めるためには樹脂を4
0〜60℃に加熱することが好ましい。処理量が適切で
あれば上記操作により遊離配糖体とサポニン、アグリコ
ン、アセチル・マロニル体はほぼ完全に分離される。工
業的に低コストで行いたい場合には、処理量を増やし
て、溶出液の成分を薄層クロマトグラフィー、あるいは
液体クロマトグラフィーなどの手段により確認しながら
上記好ましくない成分の溶出がみられた時点で溶出を終
了すればよい。なお、本発明において使用する均一粒径
の陰イオン交換樹脂は、無水または含水アルコールを流
して本発明のイソフラボン遊離配糖体を溶出させた後、
酸またはアルカリの水溶液を通液してサポニン等の不快
味を有する成分を取り除いてから再使用する。
【0015】遊離配糖体の溶出液は、蒸留操作などによ
り溶媒を留去し、さらに濃縮液を加熱乾燥することで上
記不快味成分をほとんど含まず、遊離配糖体を高含有率
で含むイソフラボンを得ることができる。これにより得
られたイソフラボンを用いることで、イソフラボン全体
の苦味・収斂味などの不快味を低下させ、その結果イソ
フラボンを食品に対して高濃度で添加でき、従来の問題
点であったイソフラボン含有食品の味の改善が可能にな
る。この場合、不快味指数(B)として、ダイジン、グ
リシチンの合計含有量に対し、総ソヤサポニン、総アグ
リコン(ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン)、
アセチル・マロニル配糖体の含有量の総和が占める割合
が0.05以下、望ましくは0.02以下である組成の
イソフラボンを使用すれば、直接食しても殆ど不快味を
感じることがなく、上記イソフラボン含有組成物の味を
改善することができる。
【0016】大豆胚軸中のイソフラボン組成は、上記化
合物のうちアセチル配糖体、マロニル配糖体の含有量が
多いが、これらの化合物のうち特にマロニル配糖体は熱
に対し不安定で、製造工程中で抽出時の加熱などにより
加水分解して遊離の配糖体に変化する[Agric. Biol. C
hem., 55, 2227(1991)]。そのため、本発明で除去すべ
き物質は、ソヤサポニン類、イソフラボンアグリコンお
よびイソフラボンのアセチル配糖体が主体となり、これ
らは本発明においては不要な成分(ロス)となる。しか
し、大豆胚軸中のイソフラボンは、アグリコンであるダ
イゼイン、グリシテインやアセチル配糖体が遊離配糖体
のダイジン、グリシチンに比較すると少なく、従って本
発明を達成するために除去すべきイソフラボン誘導体量
はイソフラボン全体のうちごく少量であるので経済的に
も特に不利とならない。
【0017】この場合、味覚に影響を与えることの少な
いゲニステイン化合物については、特に取り除く必要は
ないが、もともと大豆胚軸中では含有量が少なく、本発
明を達成する過程で結果的にアグリコンであるゲニステ
イン、アセチル・マロニルゲニスチン含有量が少なくな
っても本発明の目的に対しては全く影響がない。また、
上記成分を除去した高純度イソフラボンはイソフラボン
自体の着色も少なく、カルシウム打錠品などの白色の食
品あるいは着色を嫌う食品に対しても、添加量を落とす
ことなく高濃度で使用でき、骨粗鬆症の予防や、閉経後
の不定愁訴などの緩和などの有用な効果を発揮させるこ
とができる。本発明の高純度大豆イソフラボンは、その
ままでも種々の用途に使用できるが、目的に応じて、予
め種々の増量剤と混合した組成物の状態としておくと便
利に使用できる。
【0018】上記の増量剤としては、グルコース、ラク
トース、マルトース、蔗糖等の糖類、ソルビトール等の
糖アルコール、デキストリン、サイクロデキストリン等
の加工澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ等の澱粉類、カ
ゼイン、大豆蛋白質等の蛋白質、アラビアガム、アルギ
ン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、ゼラチン、ペク
チン、粉末セルロース、カルボキシメチルセルロース等
の高分子安定剤、レシチン、蔗糖脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル等の乳化剤、カルシウム粉末等が使用できる。ま
た、本発明によって得られる高純度大豆イソフラボンを
飲料など液状のものに利用する場合は、予め水または含
水エタノールに溶解した溶液を利用することもできる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を記するが、これらは
あくまで一例であり、これにより本発明の請求範囲が限
定されるものではない。
【0020】実施例1 脱脂大豆胚軸(原産国:ブラジル)1,050gに対し7,350m
l の70%エタノールを加え、80℃、12時間還流させ、抽
出をおこなった。抽出後上清をろ過により分離し、約7
L(リットル)のイソフラボン抽出液を得た。この蛋白
質含量は0.4%であった。これを内径50mm、長さ1000
mmのガラス製円筒容器(ジャケット付)に均一粒径の弱
塩基性陰イオン交換樹脂(バイエル社製、MP−64)
1.5 Lを充填し作成したカラムに対し、上記抽出液を水
で5倍に希釈したものを25ml/minの流速で30℃で全量通
液した。次いでこのカラムを30℃で水6,000ml を通液
し、オリゴ糖などの水溶性成分および非吸着成分を洗浄
除去した。さらに40℃にて70%エタノール7,500ml を通
液し、イソフラボン遊離配糖体画分を回収した。この溶
液を、80℃、真空度30torrでエタノールを回収し、濃縮
スラリー液をさらに棚式乾燥機にて乾燥し、イソフラボ
ンを得た。このようにして得られたイソフラボンの
収量は18.0g、その組成並びに性状は表1に示すとおり
であった。表中の全イソフラボン含有量は、表に示した
アセチルエステル等のイソフラボン誘導体と表に示さな
い微量のイソフラボン誘導体からなる量を示す。全イソ
フラボン含有量とソヤサポニン以外は未分離のオリゴ
糖、蛋白質等である(以下の表において同じ)。
【0021】
【表1】 白色度数(W)および黄色指数(Y)は、各々日本電子
工業(株)製の SPECTRO COLOR METERを用いて測定し
た。数値が大きいほど色が濃いことを示す。
【0022】比較例1 実施例1と同様にして得たイソフラボン抽出液を内径50
mm、長さ1000mmのガラス製円筒容器(ジャケット付)に
粒径が不均一な無極性スチレン・ジビニルベンゼン型樹
脂(三菱化学製、ダイヤイオンHP−20)1.5 Lを充
填し作成したカラムに対し、上記抽出液を水で5倍に希
釈したものを上記と同量30℃で全量通液した。次いでこ
のカラムに30℃で水 6,000mlを通液し、オリゴ糖などの
水溶性成分および非吸着成分を洗浄除去した後、40℃に
て70%エタノール 7,500mlを通液し、イソフラボン画分
を回収した。この溶液を、80℃、真空度30torrでエタノ
ールを回収し、濃縮スラリー液をさらに棚式乾燥機にて
乾燥し、粗イソフラボンを得た。このようにして得ら
れた粗イソフラボンの収量は25g、その組成並びに性
状を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】比較例2 粒径が不均一の弱塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学製
ダイヤイオンWA−30)を用い、実施例1と同様のカ
ラムを作成し、蛋白質スラリー(蛋白質含量が3.6%
の豆乳)10Lを通液した。通液途中で、カラム上部に固
形分の堆積がみられたが、そのまま通液を続け、通液終
了後、水 6,000mlでカラムを洗浄し、その後40℃で70%
エタノール7,500ml でイソフラボン画分を溶出した。こ
の溶液を、80℃、真空度30torrでエタノールを回収し、
濃縮スラリー液をさらに棚式乾燥機にて乾燥し、粗イソ
フラボンを得た。このようにして得られた粗イソフラ
ボンの収量は 2.0g、その組成並びに性状を表3に示
す。
【0025】
【表3】
【0026】以上の実施例1および比較例1と2の結果
を、原料・使用樹脂などの違いにより表4にまとめた。
【表4】
【0027】実施例2 実施例1により得られたイソフラボン、比較例1によ
り得られたイソフラボン、比較例2により得られたイ
ソフラボン、市販のイソフラボン(サイクロデキス
トリン包接物)を用いて、乳糖、牛骨粉を加え、一錠の
重量が500mg 、一粒中にカルシウム50mg、イソフラボン
20mgを含有する食品を打錠機により試作した。使用イソ
フラボンについて表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】これらのカルシウム錠剤に関して、打錠性
・外観について5段階評価(1:最も良い〜5:最も悪
い)を行った。風味試験*については、20〜50才代
の男女各5名の熟練したパネルによる官能試験を行い、
平均点を算出した。官能試験の評価は下記の基準に従っ
た。 1:不快味を全く感じない。 2:不快味をほとんど感じない。 3:不快味を感じた。 4:かなり強い不快味を感じた。 5:強烈な不快味を感じて吐き出した。 それらの結果を表6に示す。
【表6】 以上の結果から、本発明によるイソフラボンを添加した
食品は、食品の着色、風味においてはサイクロデキスト
リンなどの包接品と同程度で、添加量がすくなくてすむ
ため打錠適性も良好であった。
【0030】実施例3 実施例1で得られた高純度イソフラボン20gに増量剤
として、デキストリン10gを加えて、本発明の希釈し
たイソフラボン組成物を得た。このイソフラボン組成
物、常温で6ケ月間保存しても、風味や色の劣化がな
く、食品への添加物として優れたものであった。
【0031】実施例4 実施例1で得られた高純度イソフラボン5gを焼酎10
0gに溶解し、風味に悪影響を与えない本発明の大豆イ
ソフラボン含有溶液を得た。このイソフラボン含有溶液
は、梅酒等の嗜好品の原料として優れたものであった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソフラボンの純度が少なくとも60%
    以上であり、下式で表される不快味指数(B)が0.0
    5以下であることを特徴とする、高純度大豆イソフラボ
    ン。 不快味指数(B)=(ソヤサホ゜ ニン 含量+アセチルイソフラホ゛ ン 含
    量+マロニルイソフラホ゛ ン 含量+アク゛リコン 含量)/(タ゛ イシ゛ ン含
    量+ク゛ リシチン含量)
  2. 【請求項2】(a) 原料として大豆胚軸を使用し、(b) 該
    大豆胚軸を炭素数1〜3の無水又は含水の低級アルコー
    ルにて抽出し、低蛋白質含量の抽出液を得、(c) 蛋白質
    含量が1重量%以下の該抽出液を、スチレン・ジビニル
    ベンゼン重合体を基本骨格に持ち、平均粒径±10%の
    粒径範囲内に90%以上の粒度分布を持つ均一粒径の陰
    イオン交換樹脂に接触させた後、(d) 該均一粒径のイオ
    ン交換樹脂を炭素数1〜3の無水又は含水の低級アルコ
    ールにて処理して、イソフラボンを溶出させた後、溶媒
    を留去してなる請求項1に記載の高純度大豆イソフラボ
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の高純度大豆イ
    ソフラボンに増量剤を混合してなるイソフラボン組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の大豆イソフラボンを含有してなる食品。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の大豆イソフラボンを水又は含水エタノールに0.1%
    以上の濃度で溶解してなる大豆イソフラボン含有溶液。
  6. 【請求項6】(a) 原料として大豆胚軸を使用し、(b) 該
    大豆胚軸を炭素数1〜3の無水又は含水の低級アルコー
    ルにて抽出し、低蛋白質含量の抽出液を得、(c) 蛋白質
    含量が1重量%以下の該抽出液を、スチレン・ジビニル
    ベンゼン重合体を基本骨格に持ち、平均粒径±10%の
    粒径範囲内に90%以上の粒度分布を持つ均一粒径の陰
    イオン交換樹脂に接触させた後、(d) 該均一粒径のイオ
    ン交換樹脂を炭素数1〜3の無水又は含水の低級アルコ
    ールにて処理して、イソフラボンを溶出させた後、溶媒
    を留去することからなる請求項1に記載の高純度大豆イ
    ソフラボンの製造法。
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