JP2002079765A - 熱転写記録媒体および画像形成装置 - Google Patents

熱転写記録媒体および画像形成装置

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JP2002079765A
JP2002079765A JP2000270477A JP2000270477A JP2002079765A JP 2002079765 A JP2002079765 A JP 2002079765A JP 2000270477 A JP2000270477 A JP 2000270477A JP 2000270477 A JP2000270477 A JP 2000270477A JP 2002079765 A JP2002079765 A JP 2002079765A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビット抜けのない良好で階調性豊かなカラー画
像を得ることができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】複数の熱溶融性インク層が支持体の一方の
面に形成されてなる熱転写インクリボン8、このインク
リボン8のインクを熱転写可能な受像層兼接着層が支持
体の一方の面に形成されてなる中間転写体1を用い、中
間転写体1の受像層兼接着層が転写粘度のときの温度が
最も低く、ついで各インク層のインクを転写する順に溶
融温度が高くなるように各インク層のインクの溶融温度
を調整する。そして、中間転写体1とインクリボン8と
サーマルヘッド15とを重ねた状態で、階調画像データ
に応じてサーマルヘッド15の各発熱抵抗体を選択的に
発熱させ、インクリボン8のインクを中間転写体1の受
像層兼接着層に熱転写することにより中間転写体1の受
像層兼接着層上に画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融性のインク
を受像層兼接着層を有する中間転写体に熱により転写す
ることにより画像を形成するための熱転写記録媒体、お
よび、この熱転写記録媒体を用いた画像形成装置に係
り、特に免許証やパスポートなどの個人認証用顔画像お
よび個人情報などの文字画像を被記録媒体上に形成する
ための熱転写記録媒体、および、この熱転写記録媒体を
用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、免許証、パスポート、
クレジットカード、会員証などの個人認証用の顔画像が
入った画像表示体に顔画像を記録する方法としては、昇
華型熱転写記録方法が主流となっている。この昇華型熱
転写記録方法は、フィルム状支持体の上に昇華性(ある
いは、熱移行性)の染料を熱転写可能にコーティングし
てなる熱転写リボンと、昇華性染料を受容できる受容層
を有する被記録媒体とを重ね合わせ、サーマルヘッドな
どにより、画像データに基づき熱転写リボンを選択的に
加熱し、被記録媒体に所望の画像を昇華転写記録するも
のである。
【0003】この昇華型熱転写記録方法によれば、階調
性豊かなカラー画像が手軽に記録できることは広く一般
的に知られている。しかし、昇華型熱転写記録方法で
は、昇華性材料で染色できる材料が限られており、限ら
れた被記録媒体に対してのみしか適応できないという欠
点がある。また、一般的に昇華性染料は、耐光性、耐溶
剤性などの画像耐久性が劣っているという欠点もある。
【0004】一方、溶融型熱転写記録方法は、フィルム
状支持体の上に着色顔料あるいは染料を樹脂やワックス
などのバインダに分散させたものをコーティングしてな
る熱転写リボンを選択的に加熱し、被記録媒体にバイン
ダごと転写し、所望の画像を記録するものである。
【0005】この溶融型熱転写記録方法によれば、着色
材料を一般的に耐光性のよいといわれる無機および有機
顔料を選択できる。また、バインダに用いる樹脂やワッ
クスなどを工夫することができるため、耐溶剤性を向上
させることができる。基本的にバインダに対する接着性
を有している被記録媒体であれば何でもよく、幅広い被
記録媒体を選択することができるなど、昇華型熱転写記
録方法に対して利点がある。
【0006】しかし、溶融型熱転写記録方法は、転写し
たドットのサイズを変化させて階調記録を行なうドット
面積階調法を用いているため、転写すべき記録媒体の表
面の凹凸に非常に敏感であり、凹凸があると転写不良を
起こすなどしてしまい、ドットサイズをうまくコントロ
ールすることができず、階調性が乏しいという欠点があ
った。
【0007】そこで、このような課題を解決するため、
最近、種々の提案がなされている。その1つに、多孔質
受像層を有する被記録媒体を用いる方法が提案されてい
る。これは、被記録媒体の受像層中に微小孔を設け、そ
の微小孔に熱溶融性インクを浸透、転写させるというも
のである。
【0008】この方法によれば、階調性豊かな画像を得
ることができることが知られているが、被記録媒体が多
孔質受像層を有しているものに限られるため、溶融型熱
転写記録方法の利点の1つを犠牲にしてしまっている。
【0009】また、フィルム状支持体の上に透明な受像
層兼接着層を設けた中間転写体の上に画像を形成し、画
像を付与したい最終記録媒体に熱を用いて上記受像層兼
接着層を転写付与する方式が提案されている。
【0010】この方法によれば、中間転写体の接着層で
接着できる記録媒体であれば、何でもよく、幅広い記録
媒体を選択できる。また、上記受像層兼接着層の平滑度
を向上させ、インク層との親和性がよくなるように調整
すれば、溶融型熱転写記録方法においても、階調性豊か
な画像を形成することができる。さらに、溶融型熱転写
インクは、それ自体が接着剤の役目をするため、画像が
形成されて中間転写体の接着層が埋まってしまっている
部分であっても、被記録媒体に画像を形成することがで
きる。この方法を用いれば、溶融型熱転写記録方法の利
点を活かしつつ、階調性豊かなカラー画像を得ることが
できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法にも
以下のような課題があった。
【0012】中間転写体上に画像を形成することによ
り、階調性は向上したが、装置内で発生する紙粉などの
ごみが、中間転写体の受像層上に付いてしまうと、ごみ
の部分にインクが転写しない、つまり、ビット抜けが生
じてしまい、画質が著しく劣化してしまうという課題が
ある。
【0013】また、一般的に中間転写体の層厚は、イン
クリボンと比較して厚く、そのため、画像を形成する際
に中間転写体の温度が上がらず、インクの転写不良を起
こすという課題がある。
【0014】また、中間転写体を被記録媒体に転写する
際、加熱手段から最も遠い位置にあるインクでの温度が
低く、被記録媒体への転写不良を起こすという課題があ
る。
【0015】また、中間転写体を被記録媒体に転写する
際、画像を形成しているインクの被記録媒体との接着力
が不充分で、被記録媒体への転写不良を起こすという課
題がある。
【0016】そこで、本発明は、ビット抜けのない良好
で階調性豊かなカラー画像を得ることができるととも
に、中間転写体の被記録媒体への転写不良を引き起こす
ことなく、被記録媒体への良好な画像形成を行なうこと
ができる熱転写記録媒体および画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の熱転写記録媒体
は、複数の熱溶融性インク層がフィルム状支持体の一方
の面に形成されてなる熱転写インクリボンと、この熱転
写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク層のイン
クを熱転写可能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の
一方の面に形成されてなる中間転写体とからなり、前記
中間転写体の受像層兼接着層が転写粘度のときの溶融温
度が最も低く、ついで前記複数の熱溶融性インク層のイ
ンクを転写する順に溶融温度が高くなるように、前記複
数の熱溶融性インク層のインクの溶融温度を調整してな
ることを特徴とする。
【0018】また、本発明の画像形成装置は、複数の熱
溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成さ
れてなる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリボ
ンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写可
能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の一方の面に形
成されてなる中間転写体とからなり、前記中間転写体の
受像層兼接着層が転写粘度のときの溶融温度が最も低
く、ついで前記複数の熱溶融性インク層のインクを転写
する順に溶融温度が高くなるように、前記複数の熱溶融
性インク層のインクの溶融温度を調整してなる熱転写記
録媒体と、ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱
体を有するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドと前
記熱転写インクリボンと前記中間転写体とを重ねた状態
で、階調画像データに応じて前記サーマルヘッドの各発
熱体を選択的に発熱させ、前記熱転写インクリボンから
前記複数の熱溶融性インク層のインクを前記中間転写体
の受像層兼接着層に熱転写することにより、前記中間転
写体の受像層兼接着層上に画像を形成する画像形成手段
とを具備している。
【0019】また、本発明の熱転写記録媒体は、複数の
熱溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成
されてなる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリ
ボンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写
可能な長尺フィルム状で、支持体の一方の面に離型層、
保護層、受像層兼接着層の順に形成されてなり、前記保
護層および受像層兼接着層を被記録媒体に転写する構成
の中間転写リボンとからなり、前記熱転写インクリボン
の複数の熱溶融性インク層のインクを前記中間転写リボ
ンの受像層兼接着層に熱転写する際、前記インクが冷え
た状態である冷時剥離に調整されており、かつ、前記中
間転写体の受像層兼接着層が転写粘度のときの溶融温度
が最も低く、ついで前記複数の熱溶融性インク層のイン
クを転写する順に溶融温度が高くなるように、前記複数
の熱溶融性インク層のインクの溶融温度を調整してなる
ことを特徴とする。
【0020】また、本発明の画像形成装置は、複数の熱
溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成さ
れてなる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリボ
ンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写可
能な長尺フィルム状で、支持体の一方の面に離型層、保
護層、受像層兼接着層の順に形成されてなり、前記保護
層および受像層兼接着層を被記録媒体に転写する構成の
中間転写リボンとからなり、前記熱転写インクリボンの
複数の熱溶融性インク層のインクを前記中間転写リボン
の受像層兼接着層に熱転写する際、前記インクが冷えた
状態である冷時剥離に調整されており、かつ、前記中間
転写体の受像層兼接着層が転写粘度のときの溶融温度が
最も低く、ついで前記複数の熱溶融性インク層のインク
を転写する順に溶融温度が高くなるように、前記複数の
熱溶融性インク層のインクの溶融温度を調整してなる熱
転写記録媒体と、ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数
の発熱体を有するサーマルヘッドと、このサーマルヘッ
ドと前記熱転写インクリボンと前記中間転写リボンとを
重ねた状態で、階調画像データに応じて前記サーマルヘ
ッドの各発熱体を選択的に発熱させ、前記熱転写インク
リボンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを前記
中間転写リボンの受像層兼接着層に熱転写することによ
り、前記中間転写リボンの受像層兼接着層上に画像を形
成する画像形成手段とを具備したことを特徴とする画像
形成装置。
【0021】また、本発明の熱転写記録媒体は、複数の
熱溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成
されてなる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリ
ボンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写
可能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の一方の面に
形成されてなる中間転写体とからなり、前記熱転写イン
クリボンは、フィルム状支持体の一方の面に離型層を形
成し、この離型層の上に前記中間転写体の接着層と同じ
組成を有する接着層を形成し、この接着層の上に前記複
数の熱溶融性インク層を形成してなることを特徴とす
る。
【0022】また、本発明の画像形成装置は、複数の熱
溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成さ
れてなる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリボ
ンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写可
能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の一方の面に形
成されてなる中間転写体とからなり、前記熱転写インク
リボンは、フィルム状支持体の一方の面に離型層を形成
し、この離型層の上に前記中間転写体の接着層と同じ組
成を有する接着層を形成し、この接着層の上に前記複数
の熱溶融性インク層を形成してなる熱転写記録媒体と、
ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有する
サーマルヘッドと、このサーマルヘッドと前記熱転写イ
ンクリボンと前記中間転写体とを重ねた状態で、階調画
像データに応じて前記サーマルヘッドの各発熱体を選択
的に発熱させ、前記熱転写インクリボンから前記複数の
熱溶融性インク層のインクを前記中間転写体の受像層兼
接着層に熱転写することにより、前記中間転写体の受像
層兼接着層上に画像を形成する画像形成手段と、この画
像形成手段により画像が形成された前記中間転写体と被
記録媒体とを重ねて、熱および圧力により前記中間転写
体を前記被記録媒体上に転写する転写手段とを具備して
いる。
【0023】また、本発明の熱転写記録媒体は、複数の
熱溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成
されてなり、前記複数の熱溶融性インク層はイエローイ
ンク層、マゼンタインク層、シアンインク層およびブラ
ックインク層からなり、最後に転写するブラックインク
層のインクを下色除去として使用する画像形成方法に用
いられる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリボ
ンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写可
能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の一方の面に形
成されてなる中間転写体とからなり、前記熱転写インク
リボンのブラックインク層は、フィルム状支持体の一方
の面に前記中間転写体の接着層と同じ組成を有する接着
層を介して形成されていることを特徴とする。
【0024】さらに、本発明の画像形成装置は、複数の
熱溶融性インク層がフィルム状支持体の一方の面に形成
されてなり、前記複数の熱溶融性インク層はイエローイ
ンク層、マゼンタインク層、シアンインク層およびブラ
ックインク層からなり、最後に転写するブラックインク
層のインクを下色除去として使用する画像形成方法に用
いられる熱転写インクリボンと、この熱転写インクリボ
ンから前記複数の熱溶融性インク層のインクを熱転写可
能な受像層兼接着層がフィルム状支持体の一方の面に形
成されてなる中間転写体とからなり、前記熱転写インク
リボンのブラックインク層は、フィルム状支持体の一方
の面に前記中間転写体の接着層と同じ組成を有する接着
層を介して形成されている熱転写記録媒体と、ほぼ円形
状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有するサーマル
ヘッドと、このサーマルヘッドと前記熱転写インクリボ
ンと前記中間転写体とを重ねた状態で、階調画像データ
に応じて前記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に発熱
させ、前記熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性
インク層のインクを前記中間転写体の受像層兼接着層に
熱転写することにより、前記中間転写体の受像層兼接着
層上に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手
段により画像が形成された前記中間転写体と被記録媒体
とを重ねて、熱および圧力により前記中間転写体を前記
被記録媒体上に転写する転写手段とを具備している。
【0025】本発明の熱転写記録媒体および画像形成装
置によれば、上記構成により、ビット抜けのない良好で
階調性豊かなカラー画像を得ることができる。また、本
発明の熱転写記録媒体によれば、上記構成により、中間
転写体の被記録媒体への転写不良を引き起こすことな
く、被記録媒体への良好な画像形成を行なうことができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0027】図1は、本発明に係る熱転写記録媒体とし
て用いられる中間転写体の構成を模式的に示すものであ
る。図1において、中間転写体1は、フィルム状支持体
2の一方の面に、透明な受像層兼接着層3が形成されて
いる。支持体2は、たとえば、ポリエチレンテレフタレ
ート(以下、単にPETと略称する)、あるいは、ポリ
エチレンナフタレート(以下、単にPENと略称する)
などのフィルム状合成樹脂が好適に使われる。本実施の
形態では、たとえば、厚さが15μmのPETとした。
【0028】受像層兼接着層3は、後述する熱転写イン
クリボンのインク層との相性が良いこと、受像表面が平
滑であることが要求され、たとえば、ウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂、あるいは、これらの混合樹脂などが好
適に使われる。受像層兼接着層3の厚みは、紙粉などの
ごみが入り込める程度の厚さでよい。ごみのサイズは様
々であるが、ここでは、数μm程度の大きさを対象に考
えている。つまり、受像層兼接着層3の厚みは、ごみよ
りも大きければよく、3μm〜10μm程度がよい。本
実施の形態では、たとえば、ウレタン系樹脂とエポキシ
系樹脂とを主とした混合樹脂とし、厚さが5μmで支持
体2上にコートした。
【0029】図2は、本発明に係る熱転写記録媒体とし
て用いられる中間転写リボンの構成を模式的に示すもの
である。図2において、中間転写リボン4は、長尺フィ
ルム状支持体5の一方の面に、ワックスなどからなる離
型層6、樹脂からなる保護層7、受像層兼接着層3の順
に形成されている。支持体5は、前述の通り、PETや
PENなどが好適に使われ、本実施の形態では、たとえ
ば、厚さが22μmのPETとした。
【0030】受像層兼接着層3は、前述した中間転写体
1と同じ樹脂でよく、ここでもウレタン系樹脂とエポキ
シ系樹脂とを主とした混合樹脂とし、上述の理由により
厚さを7μmとした。ここで、保護層7には、ホログラ
ムなどの偽変造防止策を施してある場合が多い。本実施
の形態でもホログラムを施したものを使用した。保護層
7の厚さは10μmとした。
【0031】図3は、本発明に係る熱転写記録媒体とし
て用いられる熱転写インクリボンの構成を模式的に示す
ものである。図3において、熱転写インクリボン8は、
長尺フィルム状支持体9の一方の面に、複数の熱溶融性
インク層として、イエロー(Y)インク層10、マゼン
タ(M)インク層11、シアン(C)インク層12、お
よび、ブラック(K)インク層13がその順に並んで形
成されている。ここで、カラー着色インク層の順番は、
上記順番である必要性はなく、インク層の透明度などか
ら決まる順番で並べられていればよい。
【0032】支持体9は、たとえば、厚さが2〜6μm
のPETなどの合成樹脂フィルムで形成されている。各
インク層10〜13は、樹脂およびワックスなどからな
るバインダ中に無機顔料、有機顔料を分散したものであ
る。バインダとしては、マイクロクリスタリンワック
ス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、酢ビ−塩ビ共重
合体、酢ビ−エチレン共重合体、飽和ポリエステル樹脂
などの熱溶融性で無色透明あるいは単色透明のもので、
融点が約60℃〜約100℃のものが好適に用いられる
が、本実施の形態においては、中間転写体1との相性か
ら樹脂を主成分とするバインダを用いている。
【0033】なお、本実施の形態では、各色インクのド
ットを順次重ねて転写し、所望の色を表現するため、先
に転写してあるインクが厚いと、そのドットの凹凸の影
響を受け、転写不良やドットの欠けなどを生じる場合が
あるため、インク層の厚みはできる限り薄い方が好まし
く、2μm以下であることが望ましい。本実施の形態で
は1μmとした。
【0034】ここで、上記中間転写体1および中間転写
リボン4の溶融温度は、インク層を構成するバインダの
それよりも低くなっている。さらに、インクの転写順番
に溶融温度が高くなる構成にしている。
【0035】図4は、受像層兼接着層3およびインクの
バインダの温度−粘度特性を示している。バインダ樹脂
などは、温度が上がると、緩やかに粘度が下がっていく
特性を示す。ある粘度以下になると、インクが被記録媒
体に転写し、受像層兼接着層3も被記録媒体/インクに
対して転写/受像が可能になる。同図の通り、転写粘度
のときの温度が、受像層兼接着層3の転写温度(本実施
の形態では溶融温度と称している)Trとバインダの転
写温度Tiを、Tr<Tiとした。詳しくは、受像層兼
接着層3の溶融温度を75℃なるものとし、イエローイ
ンク層10、マゼンタインク層11、シアンインク層1
2、ブラックインク層13の溶融温度を、それぞれ80
℃、85℃、90℃、95℃なるものとした。
【0036】また、上記中間転写リボン4を使用する場
合、前記熱転写インクリボン8のインク層10〜13の
インクを中間転写リボン4の受像層兼接着層3に転写す
る際に、インクおよび中間転写リボン4の受像層兼接着
層3が冷えた状態で、前記熱転写インクリボン8と中間
転写リボン4とを剥離する、つまり、冷時剥離をする必
要がある。
【0037】これは、インクおよび受像層兼接着層3が
暖まった状態で剥離を行なうと、両者の粘度が低くなっ
ているため、熱転写インクリボン8の支持体9とインク
層10〜13との接着力と、中間転写リボン4の保護層
7と受像層兼接着層3との接着力の大きさが曖昧になっ
ており、どちら側に転写するかわからず、受像層兼接着
層3が熱転写インクリボン8側に転写する逆転写が生じ
ることがあるからである。
【0038】このため、熱転写インクリボン8のインク
層10〜13は冷時剥離用に調整され、また、支持体9
とインク層10〜13との間に離型層を設け、インク層
10〜13が冷えた場合でも支持体9とインク層10〜
13が剥離されるように、インク層10〜13と支持体
9との剥離性を制御している。
【0039】次に、本発明に係る画像形成装置について
説明する。
【0040】図5は、図1に示した中間転写体1を用い
た場合の画像形成装置の構成を模式的に示すものであ
る。図5において、プラテンローラ14上には、熱記録
手段としてのサーマルヘッド15が設けられている。サ
ーマルヘッド15は、前述した熱転写インクリボン8と
中間転写体1とを介してプラテンローラ14上に接離可
能に設けられている。中間転写体1は、給紙ローラ16
によりプラテンローラ14とサーマルヘッド15との間
に供給される。熱転写インクリボン8は、供給コア17
によりプラテンローラ14とサーマルヘッド15との間
に供給され、巻取りコア18により巻取られるようにな
っている。
【0041】プラテンローラ14の近傍で、中間転写体
1の搬出側には、搬出される中間転写体1の先端を掴む
クランプ19が設けられている。クランプ19の近傍に
は、搬出される中間転写体1を排出する排出ローラ20
がプラテンローラ14の方向に移動可能に設けられてい
る。
【0042】排出ローラ20の排出側には、排出ローラ
20で排出される中間転写体1を搬送する搬送ローラ2
1が設けられ、この搬送ローラ21の前方には、転写手
段としてのヒートローラ22およびこれに対向する対向
ローラ23が設けられている。ヒートローラ22は、対
向ローラ23とにより、搬送ローラ21で供給される中
間転写体1と別途供給される被記録媒体24(図示しな
い)とを重ね合わせて圧接し、回転しながら中間転写体
1に熱を加えることにより、被記録媒体24に中間転写
体1を転写するようになっている。
【0043】このような構成において、記録動作が開始
されると、図示しない給紙トレーから給紙ローラ16へ
と中間転写体1が供給され、プラテンローラ14の近傍
に設けられたクランプ19まで供給される。中間転写体
1がクランプ19まで供給されると、クランプ19とプ
ラテンローラ14とで中間転写体1の先端を掴む。つい
で、サーマルヘッド15がプラテンローラ14上に移動
することにより、熱転写インクリボン8および中間転写
体1をプラテンローラ14上に所望の圧力で圧接し、記
録動作が開始される。
【0044】記録動作は、図示しない制御部から送られ
る画像データに応じたサーマルヘッド駆動信号によりサ
ーマルヘッド15を駆動するとともに、クランプ19で
中間転写体1を掴みながら、記録周期に応じた回転速度
でプラテンローラ14を回転させることにより行なわれ
る。
【0045】1色目の記録が終了すると、サーマルヘッ
ド15および熱転写インクリボン8が中間転写体1から
離れ、一方、プラテンローラ14は記録動作時とは反対
方向に回転して、中間転写体1を記録開始位置まで給紙
ローラ16側に排出する。ついで、再び記録動作が繰り
返され、順次、4色の記録が行なわれる。
【0046】4色の記録が全て終了すると、プラテンロ
ーラ14は記録開始位置まで中間転写体1を給紙ローラ
16側に排出し、中間転写体1はクランプ19から解放
される。
【0047】次に、図6(a)に示すように、排出ロー
ラ20がプラテンローラ14方向に移動し、給紙ローラ
16と排出ローラ20の回転により、中間転写体1はプ
ラテンローラ14上から排出され、搬送ローラ21によ
りヒートローラ22へ供給される。
【0048】ヒートローラ22に中間転写体1が供給さ
れると、図6(b)に示すように、図示しない被記録媒
体供給トレーから被記録媒体24が供給される。ここ
で、中間転写体1の先端と被記録媒体24の先端との位
置合わせが行なわれ、ヒートローラ22と対向ローラ2
3とにより中間転写体1と被記録媒体24とが圧接され
る。ついで、ヒートローラ22が回転し、中間転写体1
に熱を加えつつ、被記録媒体24に転写しながら、被記
録媒体24の排出を行なう。被記録媒体24の後端がヒ
ートローラ22を通り過ぎたとき、中間転写体1の転写
動作が終了する。中間転写体1の転写動作が終了する
と、次の中間転写体1がプラテンローラ14へと供給さ
れ、再び上記同様な記録動作が開始される。
【0049】図7は、本発明に係るサーマルヘッドの発
熱体としての発熱抵抗体の構成を模式的に示すものであ
る。本実施の形態では、サーマルヘッド15は、図7
(b)に示すような熱集中形のサーマルヘッドで、複数
の発熱抵抗体25が一列に配設された、幅が中間転写体
1の幅と同じ長さを有するライン形サーマルヘッドであ
る。
【0050】また、本実施の形態では、発熱抵抗体25
がヘッドの先端の端部に形成された所謂端面ヘッドを用
いている。端面ヘッドは、図5に示したように、プラテ
ン押当部の接線方向に対して傾けて設置できるため、中
間転写体1の供給が容易に行なわれ、また、平面形のヘ
ッドと比べてスペースを要しないため、装置の小形化に
優位であるという利点がある。
【0051】なお、本実施の形態において、主走査方向
は、サーマルヘッド15の発熱抵抗体25が配設された
長手方向とし、副走査方向は、主走査方向と直行する方
向で、中間転写体1の搬送方向とする。
【0052】本実施の形態に用いたサーマルヘッド15
の発熱抵抗体25は、たとえば、解像度が400dpi
であり、主走査方向×副走査方向のサイズが、65μm
×75μmと、ほぼ正方形に近い長方形としている。ま
た、各発熱抵抗体25間の距離は18μmとなってい
る。
【0053】図7(a)に、熱集中形ではないサーマル
ヘッドの発熱抵抗体26を示してあるが、発熱抵抗体2
3は、75μm×100μmと長方形をなしている。ま
た、各発熱抵抗体26間の距離は8μmと、熱集中形と
比較して狭くなっている。
【0054】図8は、熱集中形ではないサーマルヘッド
を用いた場合と、熱集中形のサーマルヘッドを用いた場
合でのインク層での主走査方向の等温曲線を示してい
る。熱集中形ではないサーマルヘッドを用いた場合は、
図8(a)に示すように、隣接する発熱抵抗体間の距離
が狭いため、熱干渉を起こし、等温曲線が平坦な形状に
なっている。すなわち、隣接発熱抵抗体間で温度コント
ラストがない状態になっている。
【0055】一方、図8(b)に示すように、熱集中形
サーマルヘッドを用いた場合は、隣接する発熱抵抗体間
の距離が広いため、熱干渉をほとんど起こすことがな
く、等温曲線は急峻な形状になっている。すなわち、隣
接発熱抵抗体間で温度コントラストを取ることができて
いる。つまり、熱集中形のサーマルヘッドを用いること
により、孤立ドットを確実に形成でき、さらに、ドット
の径を隣接ドットの影響を受けることなく、確実に変調
することができ、面積階調を利用した階調記録が可能に
なる。
【0056】図9は、発熱抵抗体内部の等温曲線を示
し、発熱抵抗体の中央部から外側に向かって、印加エネ
ルギの増加に伴う等温度の広がっていく様子を示してい
る。熱集中形ではないサーマルヘッドの場合、図9
(a)に破線で示すように、副走査方向へ長い楕円形か
ら主走査方向に長い楕円形に急激に変化しており、楕円
形のドットが急激に変化してしまうことを示している。
一方、熱集中形のサーマルヘッドの場合、図9(b)に
示すように、ほぼ円形状で緩やかに変化しており、円形
のドットが形成でき、その径も緩やかに変化することを
示している。
【0057】このように、溶融型熱転写記録でサーマル
ヘッドへの印加エネルギを制御し、ドットの径を制御し
て階調記録を行なうドット面積階調法を行なう場合は、
熱集中形サーマルヘッドを用いる方が有利である。
【0058】さらに、本実施の形態では、中間転写体1
の受像層兼接着層3の溶融温度がインクのそれと比べて
低くなるように調整されている。これは、インクを受像
層兼接着層3に転写する際に、受像層兼接着層3も溶融
することを狙ったものであるが、熱集中形のサーマルヘ
ッドを用いることにより、インクが転写される部分の受
像層兼接着層3だけを溶融させることができ、インクと
の確実な接着力を生みだすことができるという利点もあ
る。
【0059】図10は、本発明に係るドット面積階調法
を実現する制御部の構成を概略的に示すものである。こ
の制御部は、インタフェース41、バッファメモリ4
2、記録制御回路43、カウンタ44、ストローブ発生
回路45、データ展開回路46、階調カウンタ47、お
よび、サーマルヘッドドライバ48によって構成されて
いる。
【0060】すなわち、インタフェース41には、スキ
ャナやデジタルカメラなどの画像入力手段により得られ
た画像データをパーソナルコンピュータなどで処理した
画像データおよび記録制御データなどが入力される。イ
ンタフェース41に入力された画像データはバッファメ
モリ42に入力され、記録制御データは記録制御回路4
3に入力される。記録制御回路43は、記録動作にした
がって種々の制御信号を発生し、搬送系を駆動するモー
タのモータドライバなどへも信号を送信する。なお、こ
こでは、サーマルヘッド駆動のための処理についてのみ
説明する。
【0061】記録制御回路43は、記録動作に合わせて
カウンタ44に開始信号Sを供給し、ストローブパター
ンを選択する信号をストローブ発生回路45に供給す
る。カウンタ44は、開始信号Sによってアドレスを生
成して、バッファメモリ42に供給し、バッファメモリ
42はそのアドレスにしたがって、格納した画像データ
から1ライン分の画像データをデータ展開回路46に順
次出力する。
【0062】ここに、階調数mを表現する場合、印加ス
トローブをm段階に切換えて発熱抵抗体を発熱させる。
したがって、バッファメモリ42から出力される1ライ
ン分の画像データは、第1階調データから第m階調デー
タまで順次出力されることになる。
【0063】また、カウンタ34は、バッファメモリ4
2からサーマルヘッド1ライン分の画像データが読出さ
れるごとに、階調カウンタ47にパルスを出力する。階
調カウンタ47は、入力されたパルスを基に階調信号を
発生し、データ展開回路46およびストローブ発生回路
45に供給する。この階調信号は、第1階調のデータで
あれば1、第m階調のデータであればmを表わす。
【0064】次いで、データ展開回路46は、画像デー
タのそれぞれのデータと階調信号とを比較し、データが
階調信号よりも大きいか等しければ「1」、データが階
調信号よりも小さければ「0」なる比較信号Dを発生
し、サーマルヘッドドライバ34内の図示しないシフト
レジスタに入力する。図示しないシフトレジスタには、
カウンタ44からクロックCKが入力されて、図示しな
いシフトレジスタに入力された比較信号DはクロックC
Kによりシフトされ、1ライン分の比較信号Dを図示し
ないシフトレジスタ内に配列する。
【0065】また、カウンタ44は、バッファメモリ4
2からサーマルヘッド15の1ライン分の画像データが
読出されるごとに、ラッチパルスLtをサーマルヘッド
ドライバ48の図示しないラッチ回路およびストローブ
発生回路45に出力する。図示しないシフトレジスタに
配列された1ライン分の比較信号Dは、ラッチパルスL
tにより図示しないラッチ回路に記憶される。図示しな
いラッチ回路より出力された比較信号Dは図示しないゲ
ート回路に入力される。
【0066】一方、ストローブ発生回路45には、選択
信号、アドレス、階調信号、ラッチパルスLtが入力さ
れ、各階調段階に応じたストローブ信号Stを出力す
る。そして、図示しないゲート回路は、図示しないラッ
チ回路から入力された比較信号Dとストローブ発生回路
45から入力されたストローブ信号Stとにより、サー
マルヘッド15の発熱抵抗体25を加熱する。
【0067】以上のような動作を繰り返すことにより、
サーマルヘッド15は駆動され、記録動作が行なわれ
る。
【0068】ここで、ストローブ発生回路45から出力
されるストローブ信号Stは、階調段階ごとに濃度が直
線的な特性になるように設定される。図11は、その一
例を示している。この例では、階調段階をm段階に分割
している。一般に、ドット面積階調法により階調を表現
する場合、低濃度域では緩やかに濃度が増加し、高濃度
域では急激な濃度増加を示す特性なることが知られてい
る。これを直線的な特性に近づけるためには、図11に
示すように、低濃度域は発熱抵抗体25の発熱時間を長
くして、濃度を急激に変化させるように制御し、高濃度
域では発熱時間を短くして、濃度変化を細かく制御する
ことが必要となる。
【0069】図12は、図2に示した中間転写リボン4
を用いた場合の画像形成装置の構成を模式的に示すもの
である。なお、図5と同一部分には同一符号を付してそ
の説明は省略する。
【0070】図12において、プラテンローラ14上に
は、熱記録手段としてのサーマルヘッド15が設けられ
ている。サーマルヘッド15は、前述した熱転写インク
リボン8と中間転写リボン4とを介してプラテンローラ
14上に接離可能に設けられている。中間転写リボン4
は、供給コア27によりプラテンローラ14とサーマル
ヘッド15との間に供給された後、クランプローラ2
8、搬送ローラ21を経てヒートローラ22へと供給さ
れ、ここで転写された後、剥離ローラ29を経て図示し
ない巻取りコアに巻取られるようになっている。クラン
プローラ28上には、中間転写リボン4を掴むためのク
ランプ30が設けられている。
【0071】このような構成において、図示しない制御
部から記録開始信号が供給されると、熱転写インクリボ
ン8は記録開始位置まで巻取りコア18により巻取りが
行なわれる。ついで、クランプ30とクランプローラ2
8とで中間転写リボン4を掴むとともに、サーマルヘッ
ド15、熱転写インクリボン8、および、中間転写リボ
ン4をプラテンローラ14側に所望の圧力で圧接させる
ことにより、記録動作が開始される。
【0072】記録動作は、図示しない制御部から送られ
る画像データに応じたサーマルヘッド駆動信号によりサ
ーマルヘッド15を駆動するとともに、図13(a)に
示すように、クランプ30とクランプローラ28とで中
間転写リボン4を掴みながら、記録周期に応じた回転速
度でクランプローラ28を回転させることにより行なわ
れる。このとき、プラテンローラ14は、位置精度の問
題から強制回転はさせていない。
【0073】1色目の記録が終了すると、サーマルヘッ
ド15および熱転写インクリボン8が中間転写リボン4
から離れ、一方、供給コア27、クランプローラ28が
記録動作時とは反対方向に回転して、中間転写リボン4
を記録開始位置まで供給コア27側に排出する。つい
で、再び記録動作が繰り返され、順次、4色の記録が行
なわれる。
【0074】4色の記録が全て終了すると、供給コア2
7およびクランプローラ28は記録開始位置まで中間転
写リボン4を供給コア27側に排出し、中間転写リボン
4はクランプ30から解放される。
【0075】次に、図13(b)に示すように、クラン
プ30から解放された中間転写リボン4は、搬送ローラ
21によりヒートローラ22へ供給される。ヒートロー
ラ22に中間転写リボン4が給紙されると、図示しない
被記録媒体供給トレーから被記録媒体24が供給され
る。ここで、中間転写リボン4の画像領域先端部と被記
録媒体24の先端部との位置合わせが行なわれ、ヒート
ローラ22と対向ローラ23とにより中間転写リボン4
と被記録媒体24とが圧接される。ついで、ヒートロー
ラ22が回転し、中間転写リボン4に熱を加えつつ、被
記録媒体24に転写しながら、剥離ローラ29側に排出
を行なう。
【0076】剥離ローラ29は、中間転写リボン4の離
型層6から支持体5を剥離し、保護層7および受像層兼
接着層3を被記録媒体24へと転写を行なう。被記録媒
体24の後端がヒートローラ22を通り過ぎたとき、中
間転写リボン4の転写動作が終了する。中間転写リボン
4の転写動作が終了すると、中間転写リボン4の記録開
始位置まで中間転写リボン4を供給コア27により巻き
戻し、再び上記同様な記録動作が開始される。
【0077】以上のような画像形成装置を用いることに
より、中間転写体1および中間転写リボン4の受像層兼
接着層3に多階調画像を形成でき、また、中間転写体1
および中間転写リボン4を被記録媒体24に転写するこ
とができる。
【0078】次に、図14を用いて中間転写体1、中間
転写リボン4および熱転写インクリボン8の作用につい
て説明する。なお、中間転写体1および中間転写リボン
4の作用は同じであるため、ここでは中間転写体1のみ
で説明を行なう。
【0079】図13は、中間転写体1の受像層兼接着層
3上に転写したインクの様子を模式的に示す断面図であ
る。受像層兼接着層3上に、イエローインク10a、マ
ゼンタインク11a、シアンインク12a、ブラックイ
ンク13aの順で転写記録を行なう。図13(a)は、
受像層兼接着層3上に紙粉などのごみ31が付着した状
態を示している。図13(b)は、紙粉などのごみ31
が受像層兼接着層3上に付いた場所にイエローインク1
0aが転写された状態を示している。
【0080】受像層兼接着層3の溶融温度は、イエロー
インク10aのそれよりも低いため、イエローインク1
0aが転写可能な粘度の溶融状態にあるときは、その下
側にある受像層兼接着層3は転写可能な粘度よりもさら
に低い粘度となっており、イエローインク10aと受像
層兼接着層3との間にあるごみ31は、受像層兼接着層
3の内部へと押し込まれる。受像層兼接着層3は、ごみ
31よりも厚いため、ごみ31は表面が見えなくなるま
で受像層兼接着層3の内部に押し込まれる。ごみ31が
受像層兼接着層3の内部へと押し込まれると、受像層兼
接着層3の受容面は平滑性が高いため、イエローインク
10aの確実な転写が行なわれる。
【0081】イエローインク10aが転写されなかった
部分のごみ31は、次に転写されるマゼンタインク11
aの溶融温度よりも受像層兼接着層3の溶融温度が低い
ため、イエローインク10aの転写のときと同じ作用
で、図13(c)に示すように、ごみ31が受像層兼接
着層3の内部に押し込まれ、マゼンタインク11aも確
実な転写がなされることになる。
【0082】さらに、マゼンタインク11aはイエロー
インク10aよりも溶融温度が高いため、マゼンタイン
ク11aが転写可能な溶融状態にあるときには、その下
側にあるイエローインク10aは転写可能な粘度程度と
なっており、マゼンタインク11aとの接着力が増し、
確実なマゼンタインク11aの転写を行なうことができ
る。
【0083】なお、図示しないが、シアンインク12a
とマゼンタインク11aとの関係も、上記イエローイン
ク10aとマゼンタインク11aとの関係と同じであ
り、シアンインク12aの確実な転写を行なうことがで
きる。
【0084】以上のように、前述した中間転写体1、中
間転写リボン4および熱転写インクリボン8を用いた画
像形成装置を用いることにより、受像層兼接着層3内に
紙粉などのごみ31を完全に押し込ませることができる
ばかりでなく、各インク間の接着力を向上させることが
でき、ビット抜けのない良好な多階調画像を得ることが
できる。
【0085】一般に、溶融型熱転写記録方法では、イン
クと受像層兼接着層との接着力を利用してドットを形成
しているため、受像層兼接着層とインクとの密着性によ
り画質が変わってしまう。密着性が悪いと、インクが転
写されなかったりしてしまい、画質が劣化してしまう。
受像層兼接着層とインクとの密着性を向上させるために
は、熱転写インクリボン8と中間転写体1との圧接力を
大きくする必要があり、サーマルヘッド15への加重を
大きくする必要がある。また、受像層兼接着層3の内部
に紙粉などのごみ31を押し込む場合も、受像層兼接着
層3とインクとの密着性を良くする必要があることは容
易に考察できる。
【0086】そこで、どの程度の圧接力があれば、紙粉
などのごみ31を受像層兼接着層3の内部に完全に押し
込むことができ、ビット抜けのない画像を記録すること
ができるかを調べた。
【0087】図15は、圧接力を変えたときのビット抜
けの個数を表わす図である。図15は、上述の画像形成
装置を用いて、紙粉を受像層兼接着層3に故意に吹きか
け、その上からシアンインクを用いて記録し、5mm×
5mm領域でシアンドットのビット抜けの個数を数えた
ものである。同図の通り、5.8N/cmよりも弱い圧
接力ではビット抜けが生じているが、5.8N/cm以
上にすれば全くビット抜けが生じないことがわかる。こ
れは、5.8N/cm以上にすれば、受像層兼接着層3
上にあるごみ31が、シアンインクを転写するときに受
像層兼接着層3内に完全に入り込んでいけることを示し
ている。
【0088】次に、本発明に係る熱転写インクリボンの
他の実施の形態について説明する。なお、図3と同一部
分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0089】図16は、他の実施の形態に係る熱転写イ
ンクリボンの構成を模式的に示すものである。図16に
おいて、熱転写インクリボン32は、支持体9の一方の
面に、ワックスなどからなる薄い離型層33、前述の中
間転写体1および中間転写リボン4の受像層兼接着層3
に用いた樹脂と同様な樹脂を用いた樹脂層34、各イン
ク層10〜13がその順に形成されている。各インク層
10〜13は、イエローインク層10、マゼンタインク
層11、シアンインク層12、ブラックインク層13の
順に並んで形成されている。ここで、カラー着色インク
層の順番は、上記順番である必要性はなく、インク層の
透明度などから決まる順番で並べられていればよい。
【0090】支持体9は、たとえば、厚さが2〜6μm
のPETなどの合成樹脂フィルムで形成されている。樹
脂層34は、前述したように、ウレタン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、あるいは、これらの混合樹脂などが好適に使
われる。樹脂層34は、厚すぎると、インク転写中の温
度分布に影響を与えたり、ドットの凹凸のため転写不良
を生じたりするため、薄くする方がよい。ここでは、ウ
レタン系樹脂とエポキシ系樹脂とを主とする混合樹脂を
用い、厚さを1μmとした。
【0091】各インク層10〜13は、樹脂およびワッ
クスなどからなるバインダ中に無機顔料、有機顔料を分
散したものである。バインダとしては、マイクロクリス
タリンワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、酢
ビ−塩ビ共重合体、酢ビ−エチレン共重合体、飽和ポリ
エステル樹脂などの熱溶融性で無色透明あるいは単色透
明のもので、融点が約60℃〜約100℃のものが好適
に用いられるが、本実施の形態においては、中間転写体
1および樹脂層34との相性から樹脂を主成分とするバ
インダを用いている。
【0092】なお、本実施の形態では、各色インクのド
ットを順次重ねて転写し、所望の色を表現するため、先
に転写してあるインクが厚いと、そのドットの凹凸の影
響を受け、転写不良やドットの欠けなどを生じる場合が
あるため、インク層の厚みはできる限り薄い方が好まし
く、2μm以下であることが望ましい。本実施の形態で
は1μmとした。また、ブラックインク層13は、2値
記録用であるため、濃度を優先させて、2μmとした。
【0093】具体的には、支持体9の一方の表面に剥離
制御組成物をホットメルトコーティングなどで塗布し、
乾燥させた後、樹脂組成物、着色インク組成物をブレー
ドコート、グラビアコートなどで順次塗布し、乾燥させ
てインクリボンを得る。
【0094】このように構成された熱転写インクリボン
32を用いて、中間転写体1の受像層兼接着層3に画像
を形成した場合、カラー顔画像であっても、ブラック文
字画像であっても、全てのインクにはインク層10〜1
3上に樹脂層34があるため、中間転写体1の画像形成
表面は、受像層兼接着層3と同じ樹脂が形成された状態
になっている。すなわち、受像層兼接着層3が中間転写
体1の一面を覆っている状態になる。
【0095】この状態で、被記録媒体24に中間転写体
1を転写すれば、被記録媒体24との強靭な接着力を有
する受像層兼接着層3に用いられている樹脂が被記録媒
体24と接触するため、中間転写体1の確実な転写を行
なうことができることは、容易に考察できる。
【0096】以上のように、図16の熱転写インクリボ
ン32を用いれば、中間転写体1の被記録媒体24への
転写不良を引き起こすことなく、被記録媒体24への良
好な画像形成を行なうことができる。
【0097】溶融型熱転写記録方式によりカラー画像を
記録する場合、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の一
部のグレイ成分を分離(下色除去:UCRと称す)して
ブラックに置き換えて4色記録を行なうことが知られて
いる。UCRには、シャドー部の濃度を補い、ブラック
の締まりをよくする、色インクを節約し、ドット形成に
関わるインク層厚を薄くできる、などの効果がある。た
だし、UCR量が100%の場合、濃度域全体にわたっ
てブラックが入るため、3色インクとブラックインクと
のトーンの整合が取りにくい。
【0098】したがって、通常はUCR量を加減して、
図17に示すようなスケルトンブラック法を用いる。す
なわち、3色の濃度Diに対して閾値αを設定し、UC
R量をδとすると、δ=min{Di}−α0;i=
Y、M、Cのときのみグレイ成分を差し引く。下色除去
後の3色濃度Di′は、Di′=Di−δとなる。
【0099】本発明は、パスポートや免許証などの個人
認証用顔画像を有する画像表示体に対して、顔画像や文
字・パターン画像を記録するための熱転写記録方法に関
してなされたものである。文字・パターン画像はブラッ
クインクにより記録する。カラー画像は通常、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色を用いて記録する。しか
し、本発明では、人の顔画像を記録することを目的とし
ており、写真をスキャナで読込んだり、デジタルカメラ
などから直接顔画像を読込んだりした画像データを利用
して記録が行なわれている。本発明者の調査により、こ
れら背景を含めた顔画像は、全体として上記UCR量δ
が存在することが明らかになった。すなわち、顔画像全
体は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の他にブラッ
ク成分が含まれており、UCRを行なうことができるこ
とがわかった。
【0100】図18は、さらに他の実施の形態に係るU
CRを行なった熱転写インクリボンの構成を模式的に示
すものである。図18において、熱転写インクリボン3
2は、支持体9の一方の面に、ワックスなどからなる薄
い離型層33、および、各インク層10〜13がその順
に形成されている。各インク層10〜13は、イエロー
インク層10、マゼンタインク層11、シアンインク層
12、ブラックインク層13の順に並んで形成されてい
る。ここに、ブラックインク層13のみは、離型層33
の上に、前述の中間転写体1および中間転写リボン4の
受像層兼接着層3に用いた樹脂と同様な樹脂を用いた樹
脂層34を介して形成されている。なお、カラー着色イ
ンク層の順番は、上記順番である必要性はなく、インク
層の透明度などから決まる順番で並べられていればよ
い。
【0101】支持体9は、たとえば、厚さが2〜6μm
のPETなどの合成樹脂フィルムで形成されている。ブ
ラックインク層13の下に形成された樹脂層34は、前
述したように、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ある
いは、これらの混合樹脂などが好適に使われる。樹脂層
34は、厚すぎると、インク転写中の温度分布に影響を
与えたり、ドットの凹凸のため転写不良を生じたりする
ため、薄くする方がよい。ここでは、ウレタン系樹脂と
エポキシ系樹脂とを主とする混合樹脂を用い、厚さを1
μmとした。
【0102】各インク層10〜13は、樹脂およびワッ
クスなどからなるバインダ中に無機顔料、有機顔料を分
散したものである。バインダとしては、マイクロクリス
タリンワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、酢
ビ−塩ビ共重合体、酢ビ−エチレン共重合体、飽和ポリ
エステル樹脂などの熱溶融性で無色透明あるいは単色透
明のもので、融点が約60℃〜約100℃のものが好適
に用いられるが、本実施の形態においては、中間転写体
1および樹脂層34との相性から樹脂を主成分とするバ
インダを用いている。
【0103】なお、本実施の形態では、各色インクのド
ットを順次重ねて転写し、所望の色を表現するため、先
に転写してあるインクが厚いと、そのドットの凹凸の影
響を受け、転写不良やドットの欠けなどを生じる場合が
あるため、インク層の厚みはできる限り薄い方が好まし
く、2μm以下であることが望ましい。本実施の形態で
は1μmとした。
【0104】具体的には、支持体9の一方の表面に剥離
制御組成物をホットメルトコーティングなどで塗布し、
乾燥させた後、ブラックインクのみ樹脂組成物、着色イ
ンク組成物をブレードコート、グラビアコートなどで順
次塗布し、乾燥させてインクリボンを得る。
【0105】前述したように、文字・パターン画像、顔
画像においても、ブラックインクを用いて記録してお
り、ブラックインクを最終色として記録することによっ
て、中間転写体1の画像形成表面は、受像層兼接着層3
と同じ樹脂が形成された状態にできる。すなわち、受像
層兼接着層3が中間転写体1の一面を覆っている状態に
なる。この状態で、被記録媒体24に中間転写体1を転
写すれば、被記録媒体24との強靭な接着力を有する受
像層兼接着層3に用いられている樹脂が被記録媒体24
と接触するため、中間転写体1の確実な転写を行なうこ
とができることは、容易に考察できる。
【0106】以上のように、図18の熱転写インクリボ
ン35を用いれば、中間転写体1の被記録媒体24への
転写不良を引き起こすことなく、被記録媒体24への良
好な画像形成を行なうことができるばかりでなく、UC
Rを行なっているため、特にカラー顔画像のシャドー部
を締まりのあるものにすることができる。
【0107】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ビ
ット抜けのない良好で階調性豊かなカラー画像を得るこ
とができるとともに、中間転写体の被記録媒体への転写
不良を引き起こすことなく、被記録媒体への良好な画像
形成を行なうことができる熱転写記録媒体および画像形
成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写記録媒体として用いられる
中間転写体の構成を模式的に示す縦断側面図。
【図2】本発明に係る熱転写記録媒体として用いられる
中間転写リボンの構成を模式的に示す縦断側面図。
【図3】本発明に係る熱転写記録媒体として用いられる
熱転写インクリボンの構成を模式的に示す平面図。
【図4】中間転写体の受像層兼接着層およびインクのバ
インダの温度−粘度特性を示すグラフ。
【図5】中間転写体を用いた場合の画像形成装置の構成
を模式的に示す概略構成図。
【図6】図5の画像形成装置の動作を説明するための
図。
【図7】サーマルヘッドの発熱抵抗体の概略図。
【図8】サーマルヘッドの発熱抵抗体の等温曲線。
【図9】サーマルヘッドの発熱抵抗体の等温曲線。
【図10】制御部の構成を概略的に示すブロック図。
【図11】サーマルヘッドに入力するストローブ信号の
説明図。
【図12】中間転写リボンを用いた場合の画像形成装置
の構成を模式的に示す概略構成図。
【図13】図12の画像形成装置の動作を説明するため
の図。
【図14】インクと中間転写体の受像層兼接着層の様子
を模式的に示す縦断側面図。
【図15】圧接力を変えたときのビット抜け個数を表わ
す図。
【図16】他の実施の形態に係る熱転写インクリボンの
構成を模式的に示すもので、(a)図は平面図、(b)
図は縦断側面図。
【図17】UCRを説明するための説明図。
【図18】さらに他の実施の形態に係る熱転写インクリ
ボンの構成を模式的に示す縦断側面図。
【符号の説明】
1……中間転写体 2,5,9……支持体 3……受像層兼接着層 4……中間転写リボン 6,33……離型層 7……保護層 8,32,35……熱転写インクリボン 10……イエローインク層 11……マゼンタインク層 12……シアンインク層 13……ブラックインク層 14……プラテンローラ 15……サーマルヘッド 22……ヒートローラ(転写手段) 24……被記録媒体 25……発熱抵抗体(発熱体) 31……ごみ 34……樹脂層 41……インタフェース41 42……バッファメモリ 43……記録制御回路 44……カウンタ 45……ストローブ発生回路 46……データ展開回路 47……階調カウンタ 48……サーマルヘッドドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 D F

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、 この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク
    層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィルム状
    支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とからな
    り、 前記中間転写体の受像層兼接着層が転写粘度のときの溶
    融温度が最も低く、ついで前記複数の熱溶融性インク層
    のインクを転写する順に溶融温度が高くなるように、前
    記複数の熱溶融性インク層のインクの溶融温度を調整し
    てなることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性イ
    ンク層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィル
    ム状支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とか
    らなり、前記中間転写体の受像層兼接着層が転写粘度の
    ときの溶融温度が最も低く、ついで前記複数の熱溶融性
    インク層のインクを転写する順に溶融温度が高くなるよ
    うに、前記複数の熱溶融性インク層のインクの溶融温度
    を調整してなる熱転写記録媒体と、 ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有する
    サーマルヘッドと、 このサーマルヘッドと前記熱転写インクリボンと前記中
    間転写体とを重ねた状態で、階調画像データに応じて前
    記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に発熱させ、前記
    熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク層の
    インクを前記中間転写体の受像層兼接着層に熱転写する
    ことにより、前記中間転写体の受像層兼接着層上に画像
    を形成する画像形成手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記画像形成手段において、前記熱転写
    インクリボンから前記複数の熱溶融性インク層のインク
    を前記中間転写体の受像層兼接着層に熱転写する際、前
    記サーマルヘッドと前記熱転写インクリボンおよび前記
    中間転写体とを5.8N/cm以上の圧接力で圧接する
    ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、 この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク
    層のインクを熱転写可能な長尺フィルム状で、支持体の
    一方の面に離型層、保護層、受像層兼接着層の順に形成
    されてなり、前記保護層および受像層兼接着層を被記録
    媒体に転写する構成の中間転写リボンとからなり、 前記熱転写インクリボンの複数の熱溶融性インク層のイ
    ンクを前記中間転写リボンの受像層兼接着層に熱転写す
    る際、前記インクが冷えた状態である冷時剥離に調整さ
    れており、かつ、前記中間転写体の受像層兼接着層が転
    写粘度のときの溶融温度が最も低く、ついで前記複数の
    熱溶融性インク層のインクを転写する順に溶融温度が高
    くなるように、前記複数の熱溶融性インク層のインクの
    溶融温度を調整してなることを特徴とする熱転写記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性イ
    ンク層のインクを熱転写可能な長尺フィルム状で、支持
    体の一方の面に離型層、保護層、受像層兼接着層の順に
    形成されてなり、前記保護層および受像層兼接着層を被
    記録媒体に転写する構成の中間転写リボンとからなり、
    前記熱転写インクリボンの複数の熱溶融性インク層のイ
    ンクを前記中間転写リボンの受像層兼接着層に熱転写す
    る際、前記インクが冷えた状態である冷時剥離に調整さ
    れており、かつ、前記中間転写体の受像層兼接着層が転
    写粘度のときの溶融温度が最も低く、ついで前記複数の
    熱溶融性インク層のインクを転写する順に溶融温度が高
    くなるように、前記複数の熱溶融性インク層のインクの
    溶融温度を調整してなる熱転写記録媒体と、 ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有する
    サーマルヘッドと、 このサーマルヘッドと前記熱転写インクリボンと前記中
    間転写リボンとを重ねた状態で、階調画像データに応じ
    て前記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に発熱させ、
    前記熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク
    層のインクを前記中間転写リボンの受像層兼接着層に熱
    転写することにより、前記中間転写リボンの受像層兼接
    着層上に画像を形成する画像形成手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成手段において、前記熱転写
    インクリボンから前記複数の熱溶融性インク層のインク
    を前記中間転写リボンの受像層兼接着層に熱転写する
    際、前記サーマルヘッドと前記熱転写インクリボンおよ
    び前記中間転写リボンとを5.8N/cm以上の圧接力
    で圧接することを特徴とする請求項5記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、 この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク
    層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィルム状
    支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とからな
    り、 前記熱転写インクリボンは、フィルム状支持体の一方の
    面に離型層を形成し、この離型層の上に前記中間転写体
    の接着層と同じ組成を有する接着層を形成し、この接着
    層の上に前記複数の熱溶融性インク層を形成してなるこ
    とを特徴とする熱転写記録媒体。
  8. 【請求項8】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなる熱転写インクリボン
    と、この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性イ
    ンク層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィル
    ム状支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とか
    らなり、前記熱転写インクリボンは、フィルム状支持体
    の一方の面に離型層を形成し、この離型層の上に前記中
    間転写体の接着層と同じ組成を有する接着層を形成し、
    この接着層の上に前記複数の熱溶融性インク層を形成し
    てなる熱転写記録媒体と、 ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有する
    サーマルヘッドと、 このサーマルヘッドと前記熱転写インクリボンと前記中
    間転写体とを重ねた状態で、階調画像データに応じて前
    記サーマルヘッドの各発熱体を選択的に発熱させ、前記
    熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク層の
    インクを前記中間転写体の受像層兼接着層に熱転写する
    ことにより、前記中間転写体の受像層兼接着層上に画像
    を形成する画像形成手段と、 この画像形成手段により画像が形成された前記中間転写
    体と被記録媒体とを重ねて、熱および圧力により前記中
    間転写体を前記被記録媒体上に転写する転写手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状支
    持体の一方の面に形成されてなり、前記複数の熱溶融性
    インク層はイエローインク層、マゼンタインク層、シア
    ンインク層およびブラックインク層からなり、最後に転
    写するブラックインク層のインクを下色除去として使用
    する画像形成方法に用いられる熱転写インクリボンと、 この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性インク
    層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィルム状
    支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とからな
    り、 前記熱転写インクリボンのブラックインク層は、フィル
    ム状支持体の一方の面に前記中間転写体の接着層と同じ
    組成を有する接着層を介して形成されていることを特徴
    とする熱転写記録媒体。
  10. 【請求項10】 複数の熱溶融性インク層がフィルム状
    支持体の一方の面に形成されてなり、前記複数の熱溶融
    性インク層はイエローインク層、マゼンタインク層、シ
    アンインク層およびブラックインク層からなり、最後に
    転写するブラックインク層のインクを下色除去として使
    用する画像形成方法に用いられる熱転写インクリボン
    と、この熱転写インクリボンから前記複数の熱溶融性イ
    ンク層のインクを熱転写可能な受像層兼接着層がフィル
    ム状支持体の一方の面に形成されてなる中間転写体とか
    らなり、前記熱転写インクリボンのブラックインク層
    は、フィルム状支持体の一方の面に前記中間転写体の接
    着層と同じ組成を有する接着層を介して形成されている
    熱転写記録媒体と、 ほぼ円形状の等温曲線で発熱する複数の発熱体を有する
    サーマルヘッドと、このサーマルヘッドと前記熱転写イ
    ンクリボンと前記中間転写体とを重ねた状態で、階調画
    像データに応じて前記サーマルヘッドの各発熱体を選択
    的に発熱させ、前記熱転写インクリボンから前記複数の
    熱溶融性インク層のインクを前記中間転写体の受像層兼
    接着層に熱転写することにより、前記中間転写体の受像
    層兼接着層上に画像を形成する画像形成手段と、 この画像形成手段により画像が形成された前記中間転写
    体と被記録媒体とを重ねて、熱および圧力により前記中
    間転写体を前記被記録媒体上に転写する転写手段と、 を具備したことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6642948B2 (en) 2001-08-17 2003-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Thermal transfer printing method and printer system
JP2005329706A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像処理方法及びプリンタドライバ
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JP2012051213A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写媒体
JP2013049281A (ja) * 2012-11-08 2013-03-14 Edm Kk サーマルプリンタ

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