JP2002078702A - 断層写真像作成方法及び断層写真像作成装置。 - Google Patents

断層写真像作成方法及び断層写真像作成装置。

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加重投影データ配列の端部でアーチファクト
が発生せず、かつ処理速度を低下させずに高画質の断層
写真像が得られる断層写真像作成方法を提供する。 【解決手段】 複数列のX線検出器3を有する螺旋走査
CT装置4により被検体9を螺旋走査し、得られた投影
データ配列より断層写真像を作成する断層写真像作成方
法であって、前記螺旋走査により得られた投影データ配
列に、予め設定された条件を基に算出された任意なスラ
イス厚の断層写真像を作成できる形状可変可能な加重関
数を加重して、加重投影データ配列を得ると共に、得ら
れた加重投影データ配列を再構成することにより、断層
写真像を作成するようにしたもので、加重投影データ配
列の端部でアーチファクトが発生しない上、処理工程数
が増加することもないので、処理速度を低下させずに高
画質の断層写真像が得られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数列のX線検出器
を有する螺旋走査CT装置の螺旋走査により得られた投
影データ配列から、より高画質の断層写真像を作成する
断層写真像作成方法及び断層写真像作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来単一の検出器を有する螺旋走査CT
装置による螺旋走査により得られた投影データから断層
写真像を作成する場合、投影データに対して180度対向
補間法や、360度補間法などにより形状やサイズが不変
で、かつヘリカルピッチによっても変化しない加重関数
を加重して加重投影データを得、得られた加重投影デー
タを再構成することにより断層写真像を作成している。
【0003】また複数列の検出器を有する螺旋走査CT
装置による螺旋走査により得られた投影データ配列から
断層写真像を作成する方法としては、例えば特開平8−
263638号公報に記載された断層写真像作成方法が
知られている。前記公報の断層写真像作成方法は、螺旋
走査CT装置による螺旋走査で得られた投影データ配列
から断層写真像を作成する際、投影データ配列に対し
て、各々列に応じて対向関係にあるデータ(対向データ
補間)を含み、かつヘリカルピッチに依存したサイズ不
変の加重関数を加重して加重投影データ配列を得、得ら
れた加重投影データ配列を再構成することにより断層写
真像を作成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記公報に記載
の断層写真像作成方法では、各検出器により得られた投
影データ配列に加重関数を加重することにより得られた
加重投影データ配列は、相互に連続性が低いため、各加
重投影データ配列の端部でアーチファクトが発生すると
共に、ヘリカルピッチに画質が大きく依存しているた
め、ごく限られたヘリカルピッチでしか高画質の断層写
真像が得られないなどの問題がある。
【0005】また螺旋走査時のスライス厚は、撮影条件
により決定されてしまうため、投影データを再構成して
断層写真像を作成する段階では、スライス厚を変更でき
ないなどの問題もある。
【0006】かかる問題点を解決する方法として、例え
ば米国特許第5301108号公報で、Z Filte
rによる断層写真像作成方法が提案されているが、この
方法では処理工程数が増加するため、処理に時間がかか
って作業能率が悪いなどの問題がある。
【0007】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたもので、投影データ配列の端部でアーチフ
ァクトが発生することがなく、かつ処理速度を低下させ
ずに高画質の断層写真像が得られるようにした、断層写
真像作成方法及び断層写真像作成装置を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の断層写真像作成方法は、複数列のX線検出器を
有する螺旋走査CT装置により被検体を螺旋走査し、得
られた投影データ配列より断層写真像を作成する断層写
真像作成方法であって、前記螺旋走査により得られた投
影データ配列に、予め設定された条件を基に算出された
任意なスライス厚の断層写真像を作成できる形状可変可
能な加重関数を加重して、加重投影データ配列を得ると
共に、得られた加重投影データ配列を再構成することに
より、断層写真像を作成するようにしたものである。
【0009】前記方法により、加重関数のビュー方向の
広がり量を、加重関数の形状を変化させることにより可
変することができるため、ヘリカルピッチに依存するこ
となく補正が可能になると共に、加重関数のビュー方向
の幅を可変することにより、隣接する投影データ配列同
士が互いに誤差を補正し合うため、加重投影データ配列
の端部に発生するアーチファクトを解消することがで
き、これによって高画質の断層写真像が容易に得られる
ようになる。
【0010】また加重関数のビュー方向の幅を可変する
ことにより、作成される断層写真像のスライス厚を断層
写真像作成段階でも変更することができるようになると
共に、従来のZ Filterによる断層写真像作成方
法に比べて工程数が増加することがないため、処理に時
間がかかって作業能率が悪いなどの問題点も解消するこ
とができる。
【0011】前記目的を達成するため本発明の断層写真
像装置は、複数列のX線検出器を有する螺旋走査CT装
置により被検体を螺旋走査し、得られた投影データ配列
より断層写真像を作成する断層写真像作成装置であっ
て、加重関数用パラメータ及び撮影用パラメータを設定
するパラメータ設定手段と、前記パラメータ設定手段に
より設定されたパラメータを基に任意なスライス厚の断
層写真像を作成できる形状可変可能な加重関数を算出す
る加重関数算出手段と、前記X線検出器により検出され
た投影データ配列に前記加重関数を加重する関数加重手
段と、前記関数加重手段により加重された加重投影デー
タ配列を再構成することにより断層写真像を作成する断
層写真像作成手段とより構成したものである。
【0012】前記構成により、加重関数のビュー方向の
広がり量により、加重関数の形状を可変することができ
るため、ヘリカルピッチに依存することなく補正が可能
になると共に、隣接する投影データ配列同士が互いに誤
差を補正し合うため、連続性の高い加重を容易に実現で
きる上、加重投影データ配列の端部に発生するアーチフ
ァクトを解消することができ、これによって高画質の断
層写真像が容易に得られるようになる。
【0013】また加重関数のビュー方向の幅を可変する
ことにより、作成される断層写真像のスライス厚を断層
写真像作成段階でも変更することができるようになると
共に、従来のZ Filterによる断層写真像作成方
法に比べて工程数が増加することがないため、処理に時
間がかかって作業能率が悪いなどの問題点も解消するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳述する。図1及び図2は断層写真像作成装置の構
成図で、装置全体を統括するホストコンピュータ1と、
X線を発生させるX線発生装置2と、X線発生装置2よ
り発生されたX線を検出するX線検出器3と、回転自在
な回転盤4aにより被検体9を連続的に螺旋走査するX
線CT装置4と、前処理や画像再構成処理及び各種の解
析処理などを行う画像処理装置5と、X線発生装置2に
高電圧を供給する高電圧発生装置6と、被検体9を載せ
る患者テーブル7及び画像処理装置5が作成した断層写
真像を表示する表示装置8とにより構成されている。
【0015】図2は前記X線CT装置4の詳細図を示す
もので、回転自在な回転盤4aに、被検体9に向けてX
線を照射するX線発生装置2と、複数列、例えば4列の
平面センサよりなるX線検出器3が、被検体9を挟んで
対向するよう設置されていて、回転盤4aの回転中心と
ほぼ合致するZ軸方向へ移動される被検体9に向けてX
線発生器2よりX線を照射しながら回転盤4aを回転さ
せることにより、被検体9をX線で螺旋走査できるよう
に構成されている。
【0016】また被検体9を透過したX線は、X線検出
器3により検出されて、図3に示すような4列の投影デ
ータ配列として画像処理装置5へ送られ、画像処理装置
5により画像処理されるようになっている。図3は前記
断層写真像作成装置を使用して断層写真像を作成する断
層写真像作成方法の概要を示すもので、加重関数広がり
量を任意に設定して、設定加重関数広がり量に対応した
加重関数を作成すると共に、得られた4列の投影データ
配列の各々に対して、作成した加重関数を所望のスライ
ス位置範囲に対応する位相に加重して、加重投影データ
配列を得るようになっている。
【0017】そして得られた加重投影データ配列の各列
において、他列と重複している部分は正規化を行い、対
応する位相同士は加算すると共に、ビュー方向において
再構成位置を中心に2πのサイズからはみ出た領域は、
2π前後する対応するビュー位置へ加算することにによ
り再構成用投影データとし、得られた再構成用投影デー
タを再構成することにより、断層写真像を得ている。
【0018】また図4の(イ)及び(ロ)は、投影デー
タ配列に加重する加重関数の説明図で、加重関数は加重
関数広がり量の設定値により異なった形状となる関数で
あり、加重関数広がり量は断層写真像を作成する際に、
ホストコンピュータ1において任意に設定することがで
きるようになっている。加重関数は設定加重関数広がり
量に対応するビュー方向サイズを持ち、加重関数の積分
値が変化しないような関数であり、積分値を一定にする
のはエネルギー量を一定に保つためである(エネルギー
保存の法則)。
【0019】もしここで積分値を変化するのであれば、
CT値も実際の値から変化することになり、本発明にお
ける加重関数の一例では、加重係数がビュー方向に線形
的に変化する場合には、加重関数広がり量が0のとき方
形状の関数となり、0から1までのとき、つまり、隣接
するビューとのみ加重関数が重なりをもつときは、図4
の(イ)に示すように台形状の関数となり、また、1以
上となるときには、図4の(ロ)に示すように三角形状
の関数となる。以下にビュー方向に線形的に加重係数が
変化する加重関数の一例を示す。ヘリカルピッチpが整
数の場合、投影データ列数n、X線検出器3のZ軸間隔
d、患者テーブル送り速度s、加重関数のビュー方向広
がり量をPview、各投影データ配列の列番号をa
(ここで、aは1,2,3,,,n)とすると、前記加重
関数は、Wa(β,α)(ここで、aは1,2,3,,,
n)として表すと、
【0020】
【数1】
【0021】n=pであれば、 Aa=1.0 [a=1,2,3,,,n] である加重関数であり、ここでヘリカルピッチが小数値
である場合には、加重関数はヘリカルピッチが整数であ
る場合の加重関数において重複するビューを正規化した
関数で表される。なお前記加重関数は、加重係数をビュ
ー方向に線形的に変化されているが、これに限定され
ず、3x2−2x3といった関数の2極値間の点対称的な
変化を利用し非線形に変化させてもよく、この場合は以
下の一例に示すような加重関数となる。
【0022】
【数2】
【0023】また、線形的に変化させるときと同様に、
ヘリカルピッチが少数値である場合には、加重関数はヘ
リカルピッチが整数である場合の加重関数において重複
するビューを正規化した関数で表される。
【0024】一方図5の(イ)ないし(ハ)は投影デー
タ配列に加重関数を加重する位置(位相)を示す説明図
で、加重関数は、各列の投影データにおいて、再構成Z
位置が加重関数の中心位置となるような範囲に加重して
おり、前記加重関数においてはビューがβ=0の位置を
再構成Z位置となるように加重している。
【0025】次に前記断層写真像作成装置を使用して断
層写真像を作成する手順を図6に示すフローチャートを
参照して説明する。被検体9の断層写真像を作成するに
当っては、まずステップ1で、ホストコンピュータ1の
図示しない入力手段から、撮影用パラメータと加重関数
の形状を決定するパラメータ及びビュー方向広がり量P
viewを入力すると、これらのパラメータはホストコ
ンピュータ1のメモリに格納される。次にステップ2で
ホストコンピュータ1のメモリに格納された加重関数用
パラメータが読み出されると共に、ステップ3では、ス
テップ2で読み出されたパラメータを基に加重関数が算
出される。
【0026】一方ステップ4では、ホストコンピュータ
1のメモリに格納されている撮影用パラメータが読み出
されてX線CT装置4へ送られると、ステップ5でX線
CT装置4の回転盤4aが回転を開始して、回転盤4a
の回転中心軸と合致するZ軸方向へ移動される被検体9
を螺旋走査し、X線検出器3で検出された4列投影デー
タ配列が画像処理装置5へ送られる。画像処理装置5
は、X線検出器3より入力された4列の投影データ配列
に、ステップ3で算出された加重関数を加重して、加重
投影データ配列を得る(ステップ6)。
【0027】その後ステップ7へ進んで、ステップ6で
得られた加重投影データ配列をステップ7でバックプロ
ジェクション(Back Projection)する
ことにより断層写真像を作成するもので、得られた断層
写真像はステップ8で表示装置8に表示される。
【0028】なお前記フローチャートのステップ3で加
重関数を算出する際、加重関数用パラメータを、加重関
数形状が所望のスライス厚及び任意に補正できるように
調整するが、より薄いスライス厚(高体軸分解能)でア
ーチファクトの発生が効果的に解消できる加重関数が作
成されるように調整を行うことが望ましい。
【0029】また前記実施の形態では、4列の検出器か
ら4列の投影データを得、これに単純な線形関数を加重
関数の中心対称に組み合わせた加重関数を加重すること
で、加重投影データ配列を得ているが、これに限定され
ず、2以上の列で構成される多列検出器または平面検出
器から、2以上の投影データ配列を得、非線形関数を非
中心対称に組み合わせたものを加重関数として加重する
ことにより加重投影データ配列を得てもよく、またヘリ
カルピッチも3や4に限定されるものではなく、投影デ
ータ配列より小さい値であれば、1.5や2.5などと
いった少数値でもよい。
【0030】さらに加重関数を用いた螺旋補正方法で
は、投影データ配列から断層写真を作成する際、各投影
データ配列を投影角度毎に均一に使用するためと、加重
関数の均一性を保持するため、実データと対向データの
加重関数の和を一定にする必要があるが、本発明の実施
の形態では、加重関数により補正された後の加重投影デ
ータの均一性が保たれるようにするため、加重関数がビ
ュー方向に傾斜する位相においては、近接する別の投影
データに逆向きに傾斜する加重関数を加重することで均
一性を維持している。
【0031】また前記実施の形態では、加重関数のサイ
ズ、形状を決定するパラメータにPviewのみを用い
て簡易的に加重関数を変化させているが、これに限定さ
れず、複数のPviewパラメータを用いることによ
り、より多次元に変化をさせても構わないことは勿論で
ある。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、加重関数
のビュー方向の広がり量により、加重関数の形状を可変
することができるため、ヘリカルピッチに依存すること
なく補正が可能になると共に、隣接する投影データ配列
同士が互いに誤差を補正し合うため、連続性の高い加重
を容易に実現できる上、投影データ配列の端部に発生す
るアーチファクトを解消することができ、これによって
高画質の断層写真像が容易に得られるようになる。
【0033】また加重関数のビュー方向の幅を可変する
ことにより、作成される断層写真像のスライス厚を断層
写真像作成段階でも変更することができるようになると
共に、従来のZ Filterによる断層写真像作成方
法に比べて工程数が増加することがないため、処理に時
間がかかって作業能率が悪いなどの問題点も解消するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる断層写真像作成装置
の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態になる断層写真像作成装置
の螺旋走査CT装置を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる断層写真像作成方法
を示す説明図である。
【図4】(イ)及び(ロ)は本発明の実施の形態になる
断層写真像作成方法に使用する加重関数の説明図であ
る。
【図5】(イ)ないし(ハ)は本発明の実施の形態にな
る断層写真像作成方法により断層写真像を作成する際に
加重する加重関数の加重位置を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態になる断層写真像作成方法
の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ 2 X線発生装置 3 X線検出器 4 螺旋走査CT装置 5 画像処理装置 6 高電圧発生装置 7 患者テーブル 8 表示装置 9 被検体
フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA22 BA10 CA02 CA13 EB18 FD12 FE12 FF42 5B057 AA08 AA09 BA03 BA12 BA21 CA13 CB13 CE20 CH08 5C054 AA07 CA02 FD05 HA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数列のX線検出器を有する螺旋走査C
    T装置により被検体を螺旋走査し、得られた投影データ
    配列より断層写真像を作成する断層写真像作成方法であ
    って、前記螺旋走査により得られた投影データ配列に、
    予め設定された条件を基に算出された任意なスライス厚
    の断層写真像を作成できる形状可変可能な加重関数を加
    重して、加重投影データ配列を得ると共に、得られた加
    重投影データ配列を再構成することにより、断層写真像
    を作成することを特徴とする断層写真像作成方法。
  2. 【請求項2】 複数列のX線検出器を有する螺旋走査C
    T装置により被検体を螺旋走査し、得られた投影データ
    配列より断層写真像を作成する断層写真像作成装置であ
    って、加重関数用パラメータ及び撮影用パラメータを設
    定するパラメータ設定手段と、前記パラメータ設定手段
    により設定されたパラメータを基に任意なスライス厚の
    断層写真像を作成できる形状可変可能な加重関数を算出
    する加重関数算出手段と、前記X線検出器により検出さ
    れた投影データ配列に前記加重関数を加重する関数加重
    手段と、前記関数加重手段により加重された加重投影デ
    ータ配列を再構成することにより断層写真像を作成する
    断層写真像作成手段とを具備したことを特徴とする断層
    写真像作成装置。
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