JP3921971B2 - 断層再構成方法と断層撮影装置 - Google Patents

断層再構成方法と断層撮影装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法、および、医療分野,工業分野などに用いられる、被検体の断層撮影を行なって断層再構成する種々の断層撮影装置に係る。特に、断層再構成のうちの逆投影を高速化する技術に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のX線断層撮影装置を図12に示す。X線検出素子が配列されたX線検出器42とX線管41が被検体を挟んで対向配置され、X線管41とX線検出器42とを同期させて被検体の体軸周りに走査させて、被検体へのX線照射角度を変えながら走査各位置において断続的な多数の撮影をおこなう。得られた走査各位置の撮影データから、断層再構成をおこなって、被検体の断層再構成画像を生成している。
【0003】
断層再構成の方法にはFBP(フィルタードバックプロジェクション:Filtered Back Projection)が用いられる事が多く、被検体を走査各位置で撮影した複数枚(Np)の撮影データをフィルターで補正処理した逆投影データsを、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元の断層再構成領域Bに逆投影(Back Projection )する方法である。例えば、断層再構成領域B内の点b(x,y)の再構成画素値を求めるためには、p回目の走査位置における(x,y)点の投影に相当する検出器座標t(x,y,p)での逆投影データs(t(x,y,p))を求め、最大Np回の加算をしていけばよい。したがって、点b(x,y)に対する全逆投影は下式(1)で表される。
【0004】
【数1】
Figure 0003921971
【0005】
ただし、一般に検出器座標tを計算するためには、さまざまなパラメータを必要とするが、pにより走査位置を特定できるので、(x,y)点の投影に相当する検出器座標はt(x,y,p)とした。また、検出器座標t(x,y,p)は整数とならないのが普通で、配列データであるsを直接求められない。そこで、図13に示すような近傍2点を使った浮動小数点の補間計算を行うことになる。図13のuはt(x,y,p)の小数点以下の値aを切り捨てた整数値で、近傍2点である(u,s(u))と(u+1,s(u+1))を使った補間計算は、下式(2)のようになる。
【0006】
【数2】
Figure 0003921971
【0007】
この式(2)をコンピュータで行う場合は、以下の式(3)に示すような計算を、投影回数(Np回)分実行する。
【0008】
Figure 0003921971
【0009】
上記の式(3)と同じ演算であるが、演算回数を減らすために、次に示す式(4)が実際には用いられる。
Figure 0003921971
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来例は、浮動小数点の計算が多く、撮影終了後の断層再構成計算時間が長いという問題がある。特に、逆投影(バックプロジェクション)計算における浮動小数点の補間計算が問題である。この浮動小数点の補間計算量について詳細に説明していく。
【0011】
最初に、断層再構成領域内の1点における1回の逆投影の計算式(4)のうち、補間のための計算を以下に列挙した。
t→u 座標の浮動小数を整数化 …… 1ステップ
u+1 座標の整数加算 …… 1ステップ
s(u),s(u+1) 逆投影データ読み込み …… 2ステップ
a=t−u 座標の浮動小数点計算 …… 1ステップ
データの浮動小数点積算 …… 1ステップ
データの浮動小数点加減算 …… 2ステップ
【0012】
以上の計算で、断層再構成点b(x,y)に加算する補間データが計算でき、補間計算量は合計=8ステップとなる。次に、b(x,y)を読み込む1ステップ、ついで補間値との浮動小数点加算の1ステップ、最後にb(x,y)を書き出す1ステップを経て、式(4)の計算が完了するので、式(4)の計算量は合計=8+3=11ステップとなる。以上の計算ステップ数を、図5の「式(4)(1BP)」の欄に示す。
【0013】
上記の式(4)を投影回数(Np回)繰り返して1点b(x,y)の断層再構画素値が求まり、断層再構成領域Bがn×n点で構成されているとすると、全再構成計算における式(4)に相当する計算量は、n×n×Np倍になる。この計算量を図5の「式(4)ALL(全BP)」の欄に示す。このように、従来の総計算量は11×n×n×Npステップとなり、断層再構成計算に長時間を要することがわかる。
【0014】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、断層再構成を高速化できる断層再構成方法と断層撮影装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、発明者が鋭意研究をした結果、次のような知見を得た。すなわち、従来から行われている断層再構成では、逆投影演算時に補間することが行われており、投影回数Npと断層再構成画素数(例えばn×n点)の積に比例する膨大な浮動小数点の補間演算を行う必要があるため、長時間を要する。ところが、断層再構成点数に比べ、はるかに少ない逆投影データから繰り返し計算される補間計算の中には、同じような補間計算が多数含まれており、省略可能な補間計算があるとの知見を得たのである。
【0016】
この知見に基づいて発明者が見出した解決手段は、逆投影する前に逆投影データを補間によりm倍に拡大した拡大補間データを計算してから、断層再構成領域に逆投影を行うもので、逆投影時には、再構成する点の投影座標をm倍して特定した拡大補間データを逆投影するようにするものである。この倍率mを無限大とすれば、明らかに従来の計算と同じとなる。また、有限の倍率mの場合は誤差が生じるが、倍率mを適当な値とすることで、良好な画質の再構成画像が得られるので問題にならない。この解決手段により、補間計算回数を低減し高速に断層再構成を行うことができる。
【0017】
このような知見に基づくこの発明は次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の断層再構成方法は、被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する逆投影演算を実行させるための断層再構成方法において、前記逆投影演算を、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、この請求項1に記載の断層再構成方法は、前記拡大補間データの倍率は帯小数であることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項2に記載の断層再構成方法は、被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させ、前記逆投影データを補間により拡大する倍率を、逆投影方向に応じて変化させることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項3に記載の断層再構成方法は、被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させ、前記断層再構成領域の画素密度が、検出器画素密度よりも少なくなるように間引かれた縮小断層再構成領域である場合には、前記逆投影データを移動平均した後に補間した平均補間データを、前記縮小断層再構成領域に逆投影するようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項4に記載の断層撮影装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の断層再構成方法を用いて逆投影演算を行なうことで、関心領域の2次元または3次元の再構成画像を生成することを特徴とするものである。
【0025】
【作用】
この発明の作用は次の通りである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させる。したがって、逆投影データを補間により拡大する分だけの補間計算回数に低減されるので、断層再構成計算時間が短縮される。
【0026】
さらに、この請求項1に記載の発明によれば、逆投影データを補間により拡大する倍率は帯小数であるとしている。したがって、拡大補間データの倍率に比例した補間演算回数だけですみ、断層再構成計算時間が短縮される。
【0030】
また、請求項2に記載の発明によれば、逆投影データを補間により拡大する倍率を、逆投影方向に応じて変化させる。したがって、逆投影方向が断層再構成領域の画素(逆投影点)並びに平行でないことに起因する再構成画像の画質劣化を防止できる。
【0031】
また、請求項3に記載の発明によれば、断層再構成領域の画素密度が、検出器画素密度よりも少なくなるように間引かれた縮小断層再構成領域である場合には、逆投影データを移動平均した後に補間した平均補間データを、前記縮小断層再構成領域に逆投影する。したがって、逆投影データの移動平均後の補間処理によって、縮小再構成画像の画質劣化を防止しつつ、縮小再構成画像が高速に得られるので、再構成結果を早く知ることができる。
【0032】
また、請求項4に記載の発明によれば、断層撮影装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の断層再構成方法を用いて、関心領域の2次元または3次元の再構成画像を生成する。したがって、逆投影データを補間により拡大する分だけの補間計算回数に低減されるので、断層再構成計算時間が短縮され、高速化な断層撮影装置が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の断層撮影装置に係る一実施例としてのX線断層撮影装置について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、この発明のX線断層撮影装置の実施例に係るブロック図である。この図1のX線断層撮影装置は、種々の情報および命令を入力する操作部10と、これら入力された情報および命令に基づいてX線撮影など装置全体を制御する撮影装置制御部20と、この撮影装置制御部20により制御されながら撮影部40を駆動させる駆動部30と、被検体Mの関心領域を撮影する撮影部40と、この撮影部40から検出された画像情報を収集する画像収集部50と、この画像収集部50からの画像情報に基づいて被検体Mの関心領域の断層画像を生成する画像再構成など所定の画像処理を行って記憶する画像処理部60と、この画像処理部60で処理された画像情報を出力表示するモニタ70とを備えている。撮影部40は、X線を被検体Mに照射するためのX線管41と、被検体Mを透過したX線を検出するX線検出器42とを備えている。このX線管41は、高電圧発生器43により、管電流や管電圧など必要な電源電圧が供給されるようになっており、コリメータやスリットを取り付ける事によってファンビーム形状やコーンビーム形状のX線束を被検体Mに照射する。
【0035】
撮影装置制御部20は、撮影装置全体をコントロールしており、例えば、専用のハードウエアやワークステーションやパソコンなどに装置制御計算法などを搭載することで構成されている。この撮影装置制御部20に接続された操作部10(キーボードやマウスやボタンなど)を使用者が操作することで、各種のX線データを収集・表示できるようになっている。例えば、X線管41と高電圧発生器43とをコントロールしてX線を発生させると同時に、被検体Mを透過したX線がX線検出器42で電気信号に変換されたものを、画像収集部50でAD(アナログデジタル)変換して、X線透過データが得られる。このX線透過データに対して、感度補正・歪補正などの画像処理を画像処理部60で行った撮影データを、画像表示部70(CRTや液晶ディスプレイなど)に適宜に表示させるような事ができるようになっている。
【0036】
さらに、断層撮影時には、X線管41とX線検出器42又は、被検体Mを機械的に動かして所望のX線透過データを多数収集するという走査を行うようになっており、断層撮影データが収集できる。直線断層であるとか、2次元CT(Computed Tomography )・3次元CTであるとかいうような断層撮影装置の特徴を外観上で決めているのは撮影部40であり、断層再構成の方法により機械的な構成が異なっている。この断層再構成の方法に応じた断層再構成計算法は、画像処理部60の一部の機能として、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)などを用いた専用のハードウエアやパソコンソフトとして、本発明を用いて実現する。
【0037】
撮影部40を具体化したX線断層撮影装置として、医療用X線CT装置について説明する。医療用X線CT装置は、上述したX線断層撮影装置の構成を基本的に備えており、特に、撮影部40が図2に示すように構成されている。図2(a)は医療用X線CT装置の撮影部を示す模式図であり、図2(b)は(a)に示した撮影部の外観を示す概略斜視図である。図2(b)のガントリ部44内部には、X線管41およびX線検出器42が配置されており、天板45に載置された被検体Mの体軸(図2(a)の紙面に垂直な軸)周りに一体となって回転するように対向配置されている。なお、上述したX線管41はこの発明における照射源に相当し、上述したX線検出器42はこの発明における検出器に相当する。
【0038】
この装置による断層撮影時に、X線管41およびX線検出器42を1回転させる間に何回の撮影を行なうかを表すビュー数は、被検体Mの関心領域を撮影する前に、操作部10から与えられる。与えられたビュー数が1800であるとすると、全走査360度に対して0.2度(=360度/1800)回転する毎の走査各位置(各投影位置)におけるX線透過データを、画像処理部60に蓄積していって断層撮影を完了する。この1800ビュー分のX線透過データに、各種補正処理をしたものが断層撮影データで、さらにFBPのフィルター処理をして逆投影データsを得る。この逆投影データsを、被検体Mの体軸と交差する断面上の関心領域に設定される2次元の断層再構成領域Bの各逆投影点に対して1800回逆投影し、断層像を得ることができる。
【0039】
前記1800回の投影のうち、1回の投影と逆投影の関係を図4に示す。X線管41のX線焦点fとX線検出器42の各X線検出素子42aの中心を結ぶ各直線は、X線焦点fから照射されて再構成領域B内の被検体Mを透過後、X線検出器42の各X線検出素子42aで検出されるX線の進路を表しており、矢印の向きが投影方向を表している。同時に、矢印の向きとは反対の方向が逆投影方向となり、各X線検出素子42aの中心からX線焦点fに向かう方向に逆投影が行われる。この各直線は、逆投影データsのうちの各X線検出素子に対応する逆投影データを表し、s0,s1,s2,s3などと呼ぶことにする。また、図4の2点鎖線は、逆投影データを補間によりm=4倍に拡大した拡大補間データを表し、S010〜S013などと呼ぶことにする。m=4倍の本実施例の場合、s0は拡大補間データS010と等しい事に注意されたい。この拡大補間データを逆投影することが本発明の特徴で、拡大補間する「手順1」、および逆投影する「手順2」に分けて、詳細に説明する。
【0040】
「手順1」は、逆投影データを補間によりm倍に拡大した拡大補間データを生成する手順で、本実施例では一般的に用いられる2点間リニア補間により下記式(5)を用いて、走査各位置に対応する拡大補間データS(j)を1点ずつ計算していく。
S(j)=a×(s(u+1)−s(u))+s(u) …… (5)
ただし、 u=INT(j/m)、a=j/m−u
【0041】
上式(5)の uとaの計算にはmに関する割り算があるが、割り算は時間がかかる。しかし、本発明のようにmが定数である場合の計算上のテクニックとして、最初に(1/m)の割り算を1回行っておき、これをM(=1/m)として、j/m=j×Mとした積算を行うようにして、計算時間を早くする式(6)のように計算を実施する。
S(j)=a×(s(u+1)−s(u))+s(u) …… (6)
ただし、 M=1/m、u=INT(M×j)、a=M×j−u
【0042】
上記の式(6)による拡大補間データ1点あたりの計算量の詳細は下記のようになっており、合計=9ステップの計算量が必要である。
M×j 座標の浮動小数点積算 …… 1ステップ
M×j→u 座標の浮動小数を整数化 …… 1ステップ
u+1 座標の整数加算 …… 1ステップ
s(u),s(u+1) 逆投影データ読み込み …… 2ステップ
a=t−u 座標の浮動小数点計算 …… 1ステップ
データの浮動小数点積算 …… 1ステップ
データの浮動小数点加減算 …… 2ステップ
【0043】
手順1では、式(6)で1点の拡大補間データ計算を繰り返す。まず、走査各位置に対応するL点の逆投影データから、走査各位置に対応する拡大補間データ(m×L点)を計算する。さらに、全投影回数(Np)分の計算も行って、全走査位置に対応する全逆投影データ(L×Np点)から、全拡大補間データ(m×L×Np点)を計算して手順1が完了する。したがって、手順1の計算量は9×m×L×Npステップとなる。これらの計算量を図5の「式(6)手順1の拡大補間」の欄に示す。なお、ここでは2点間をリニアに補間する例について詳細に説明したが、2点間リニア補間以外にもスプライン補間などを行なうこととしても良い。
【0044】
本実施例のようにmを整数とした場合、上記式(6)のような一般的な補間計算を変形して高速に計算する事ができる。つまり、mが整数の場合には2点間をm等分に均等分割することになるので、m点毎の計算に変形した式(7)のように計算する事ができる。
S(j)=Su,u+1i=s(u)+SS×i ……(7)
ただし、 j=m×u+i、i=0,・・,m−1、SS=(s(u+1)−s(u))/m
【0045】
さらに、式(7)を計算する順番が決まっているプログラムの場合には、SS×iの積和計算をSSの加算とするようにしてもよく、下記に展開して示す順番で、高速に計算することができる。
S(m×u+0)=Su,u+10=s(u) ……(8a)
S(m×u+1)=Su,u+11=Su,u+10+SS ……(8b)
S(m×u+2)=Su,u+12=Su,u+11+SS ……(8c)
S(m×u+3)=Su,u+13=Su,u+12+SS ……(8d)
図4に示したS011、S012、S013はこのようにして求めた拡大補間データを示すものである。これらの拡大補間データの計算値について図3に示す。図3に○(白抜き丸)で示す点は、全投影のうちの走査各位置における逆投影データの一部である。この逆投影データの個々の2点間を、m=4倍に拡大する補間計算を行って、図3に●(黒塗り丸)で示される新たなデータ点が3点づつ求められる。i=0の時の補間計算結果はs(u)であり、逆投影データそのものであるが、補間計算上はこれを区別せず、○と●を合わせて拡大補間データと呼んでいる。
【0046】
次に、逆投影する「手順2」について説明する。
前述の「手順1」で生成した走査各位置に対応する拡大補間データ配列S(j)の中から、再構成する点(逆投影点)bに逆投影する様子を、図4を用いて説明する。従来はs0とs1などから補間計算した値をbに加算していたが、本発明では、手順1ですでに拡大補間したデータS011などをbに逆投影加算していくことになる。例えば、逆投影点b(x,y)には、s0よりも補間データS011の方が近く適切であるので、補間データS011が逆投影加算される。別の逆投影点b(x,y+1)には、補間データS011よりも補間データS012の方が近く適切であるので、補間データS012が逆投影加算される。さらに別の逆投影点b(x,y+2)には、補間データS011よりも補間データS012の方が近く適切であるので、補間データS012が逆投影加算される。また、逆投影点b(x,y+3)には、補間データS013よりも補間データS012の方が近く適切であるので、補間データS012が逆投影加算される。このように、断層再構成領域Bの他の逆投影点にも、拡大補間データを上記と同様に逆投影加算していくのである。
【0047】
「手順2」をpで表される走査各位置に対応する逆投影として、正確に表したのが計算式(9)である。
b(x,y)=b(x,y)+S(j) …… (9)
ただし、j=INT(m×t(x,y,p ))
関数「t(x,y,p )」は、従来例と同じで、逆投影される元データ座標を浮動小数点で計算する関数、関数「INT()」は整数化する関数で、拡大率mとtの掛け算が、整数化の前に計算されている点がこの発明の1つの特徴である。
【0048】
前述した式(9)の計算量は、以下の通りである。
m×t 座標をm=4倍する浮動小数点積算 …… 1回
m×t→j 4倍座標の整数化 …… 1回
S(j) 読み込み書き …… 1回
【0049】
以上の3ステップの計算で、b(x,y)に加算するデータが読み込め、引き続きb(x,y)の読み込み後、浮動小数点の加減算をして、ある走査位置での1回の逆投影が完了し、b(x,y)が書き出される。まとめると6回の計算となる。この計算量を図5の「式(9)(1BP)」の欄に示す。
【0050】
そして、この逆投影を、n×nの大きさの断層再構成領域Bに対して、Np回の投影回数分繰り返して、手順2を完了し、断層像を得る事ができる。この手順2による全再構成当たりの計算量は、n×n×Np倍になり、図5の「式(9)ALL(全BP)」の欄に示した。
【0051】
したがって、本実施例での手順1と手順2により計算される2次元断層像の逆投影のための計算量は、図5の「式(6)+(9)(全計算量)」の欄に示すように、(9×L×m×Np+6×n×n×Np)となる。本実施例では、手順1で全拡大補間データを計算してから、手順2で全逆投影を行うようにしたが、走査各位置pごとに手順1,2のような計算式を行うようにしてもよく、計算量は同じである。
【0052】
実施例と従来例とでの具体的な計算量の違いを示すために、ステップ数の比を以下に計算する。
(従来の式(4)ALL)/(実施例の式(6)+(9))
=(9×n×n×Np)/(9×L×m×Np+6×n×n×Np)
=(9×n×n)/(9×L×m+6×n×n)
通常L=nなので、
=(9×n×n)/(9×n×m+6×n×n)
=(9×n)/(9×m+6×n) …… (10)
【0053】
上記の式(10)より、m=n×3/9の時、ステップ数でみた逆投影計算速度は実施例と従来例とで同じとなる。また、本実施例ではm=4なので、n>12の時に、従来よりステップ数が少なくなり、高速に計算できることになる。n=512の場合には、ステップ数の比=1.48となり48%高速になる。なお、本発明の実際の高速性は使用するDSPやCPUなどにより影響されるが、このステップ数の比以上の高速化が達成可能である。特に、逆投影時の撮影データの読み込み数が半分になることは大きな効果がある。
【0054】
続いて、実施例と従来例とでの再構成の精度について説明する。倍率m=無限大なら、従来の計算と同じことは明らかであるが、有限の倍率mの場合は誤差が生じる。しかし、倍率mを適当な値とすることで、良好な画質の再構成画像が得られ再構成画像として問題にならない。例えば、X線検出器42のX線検出素子42aの数Lが512であり、撮影数Npが1800であるとし、再構成中心に点状の物体があり、再構成中心から半径1/2のところ(つまり、再構成中心から再構成端部までの距離の1/2のところ)に円形物体があるとして撮影された撮影データから再構成を行なう場合における、実施例での再構成画像と従来例での再構成画像とを比較した。従来例での再構成画像は、点状物体、円形物体ともにきれいに再構成されており、背景部(これらの点状物体、円形物体以外の領域)にもモアレ模様などはない。これに対して、実施例でm=1とした場合には、点状物体、円形物体ともにきれいに再構成されており、これらの物体については従来例に比べて遜色がないが、背景部にモアレ模様があり目立ってしまう。次に、実施例でm=4とした場合には、点状物体、円形物体ともにきれいに再構成されており、これらの物体については従来例に比べて遜色がないし、背景部にモアレ模様がほとんどなく、従来例での再構成画像と同等であり、良好な画質の再構成画像が得られ再構成画像として問題にならないことを確認した。したがって、倍率mを適当な値とすることで、良好な画質の再構成画像が得られ再構成画像として問題にならないし、断層再構成計算を短時間で行なうことができるという優れた効果がある。
【0055】
以下に、実施例と従来例との大きな違いである補間計算量に絞って、2次元CTの場合で比較する。従来例の場合は、逆投影データを断層再構成領域Bのn×n画素にNp回逆投影しているので、全補間計算回数=n×n×Np回となる。これに対して、実施例の場合、全逆投影データを補間によりm倍に拡大してから断層再構成領域Bのn×n画素にNp回逆投影しているので、全補間計算回数=m×n×Np回となる。よって、2次元CTの再構成では、補間回数をm×n回/n×n回=m/nに減少させることができる。
【0056】
以上、上述した実施例では、被検体Mの関心領域に仮想的に設定される2次元の断層再構成領域Bに逆投影する逆投影演算を、逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを断層再構成領域Bに逆投影するように、画像処理部60(コンピュータ)に実行させる断層再構成方法を用いるので、逆投影データを補間により拡大する分だけの補間計算回数に低減でき、断層再構成計算時間を短縮した高速な断層撮影装置を得ることができる。
【0057】
また、逆投影データを補間により拡大する倍率を、4倍以上とすることで、再構成画像の画質を良好に確保しつつ、逆投影データを補間により拡大する倍率(4倍以上)に比例した補間演算回数だけに低減でき、断層再構成計算時間を短縮できる。
【0058】
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、下記のように変形実施することができる。
【0059】
(1)上述の実施例では、逆投影データを補間により拡大する倍率をm=4としているが、この倍率を1.0以上の整数または小数としても良い。特に、倍率1.0の場合には、最低限の補間演算回数となり、断層再構成計算時間を短縮できる。
【0060】
(2)上述の実施例の断層再構成領域Bは、X線検出器42のX線検出素子42a(画素)ピッチを幾何学的倍率(=X線管41の焦点からX線検出器42までの距離/X線管41の焦点から回転中心までの距離)で割ったものを、再構成点のピッチとするという「等倍断層再構成領域」であった。これに対し、再構成点のピッチを1/kして、等倍断層再構成領域Bをk倍拡大した拡大断層再構成領域に対して、以下は効果がある。例えば、逆投影点がn×nである等倍断層再構成領域Bをk=2倍に拡大して、逆投影点数が2n×2nである拡大断層再構成領域BBの模式図を図6に示す。円内に斜線が引かれた円が元の逆投影点(等倍断層再構成領域Bのn×nの逆投影点)であり、破線円が拡大断層再構成で増えた逆投影点である。この拡大断層再構成の場合には、逆投影データを補間により拡大する倍率m´は、拡大断層再構成の倍率kに比例して可変としており、図6に示す例では、倍率m´=k×m=2×4=8倍としている。こうすることで、m=4とした「等倍断層再構成」と同等の画質が維持できる。
【0061】
また、等倍断層再構成領域Bの逆投影点数に比べて、拡大断層再構成領域BBの逆投影点数は4倍(=k×k)に増加しており、従来の方法では補間演算回数も4倍に増加するため、断層再構成計算時間がそうとう遅くなる。しかし、本発明を用いれば、従来法に比べ大幅に減少している手順1での補間演算回数が2倍に増加するだけですみ、拡大断層再構成計算時間を従来法より大幅に短縮できるという効果もある。
【0062】
(3)上述の実施例の撮影部40は、ファンビーム形状のX線束を被検体Mに照射するX線管41と1次元のX線検出器42とを備えていたが、この撮影部40を、コーンビーム形状のX線束を被検体Mに照射するX線管と、I.I管やフラットパネル型X線検出器など各種の2次元面検出器を備えた上、これらを同期して走査するように構成する事で、3次元断層撮影を行えるようにしてもよい。この3次元断層撮影に対応した従来法の断層再構成は、走査各位置における2次元撮影データにフィルター処理などをした2次元逆投影データを、被検体Mの関心領域に仮想的に設定される3次元断層再構成領域に3次元逆投影するようにしたものとなる。例えば、2次元逆投影データ(n×n画素)を3次元断層再構成領域(n×n×n画素)にNp回逆投影するとして、補間計算回数=n×n×n×Np回にも及ぶ。
【0063】
以下のように3次元断層再構成を行う場合、2次元逆投影データ(n×n画素)を補間により二方向でm倍に拡大した2次元拡大補間データ((m×n)×(m×n)画素)を生成してから、この2次元拡大補間データを3次元断層再構成領域(n×n×n画素)に逆投影する事をNp回繰り返すように実行されるので、補間回数=(m×n)×(m×n)×Np回となる。したがって、従来法に比べ、補間回数をm×m/nに減少しており本発明は高速である。また、これら2次元の補間計算は近傍4点を用いた補間計算で行うことが多く、1つの補間計算自体に時間がかかる。この補間計算の回数を減少させる効果は大きいものとなる。
【0064】
前記変形例は3次元断層再構成で二方向の補間をする場合であったが、3次元断層再構成で一方向のみ補間する場合にも本発明は有効である。一方向のみ補間する場合、2次元逆投影データ(n×n画素)を補間により一方向のみm倍に拡大した2次元拡大補間データ(n×(m×n)画素)を生成してから、この2次元拡大補間データを3次元断層再構成領域に逆投影する事をNp回繰り返すように実行されるので、補間回数=n×(m×n)×Np回となる。したがって、従来法に比べ、補間回数をm/nに減少しており本発明は高速である。また、2次元の補間計算は近傍4点を用いた補間計算を行うことが多く、1つの補間計算自体に時間がかかるのに比べ、この一方向の補間計算は2点補間であり、補間計算回数の減少を上回る効果があり、高速である。3次元断層再構成領域で重要なZ軸方向のみを拡大して再構成するようにすれば、Z軸方向に滑らかにつながった断層像を得る事が高速に行える。
【0065】
(4)上述の実施例では、逆投影データを補間により拡大する倍率mを、逆投影方向に依らず一定の値(例えばm=4倍)としているが、本発明請求項2のように、逆投影方向に応じて倍率mを変化させるようにしても良い。例えば、図7に示すように、X線管41が断層再構成領域Bに対して点Pa,Pbにあるときを一例として説明する。X線管41が点Paにあるときは、逆投影方向が断層再構成領域Bの画素(逆投影点)並びに並行に近い場合であり、逆投影データの補間倍率m=2として逆投影(バックプロジェクション)する。また、図7に実線で示すデータをm=2倍に補間した補間データを破線で示す。次に、X線管41が点Pbにあるときは、逆投影方向が断層再構成領域Bの画素(逆投影点)並びに並行に近くない場合であり、つまり、逆投影方向が断層再構成領域Bの画素(逆投影点)並びに対して斜めである(例えば、x,y方向に対して最大で45度傾いている)場合であり、逆投影データの補間倍率m=4として逆投影(バックプロジェクション)する。なお、図7に一点鎖線で示すデータをm=4倍に補間した補間データを二点鎖線で示する。
【0066】
引き続き、本発明請求項2を図8の平行ビーム再構成で説明する。図8に実線で示すように、逆投影方向がy方向である場合には、逆投影方向が断層再構成領域Bの逆投影点並に並行で重なるため補間する必要はない。しかし、図8に二点鎖線で示すように、逆投影方向がx,y方向に対して45度傾斜場合には、逆投影方向が断層再構成領域Bの逆投影点並びに重ならないので、補間する必要がある。そこで、図8に二点鎖線で示した補間した一点鎖線のデータを用いるようにするのである。
【0067】
上述した2例は、逆投影方向が変化すると、逆投影方向から見た再構成画素ピッチも変化するため、逆投影データを補間により拡大する倍率を、逆投影方向に応じて変化させることで、逆投影方向に起因する再構成画像の画質劣化を防止している。
【0068】
(5)上述の実施例では、「等倍再構成」としているが、再構成結果を早く知りたいときなどは、再構成点数(逆投影点数)を減らした縮小再構成が行われる事がある。縮小再構成とは、X線検出器42のX線検出素子42a(画素)ピッチを幾何学的倍率(=X線管41の焦点からX線検出器までの距離/X線管41の焦点から回転中心までの距離)で割ったものを、再構成点のピッチとするという「等倍断層再構成領域」に対し、再構成点のピッチをk倍して、等倍断層再構成領域Bを1/kに縮小した縮小断層再構成領域の断層再構成を行うことである。図9は、k=2として等倍断層再構成領域Bの逆投影点を間引いて1/2に縮小した縮小断層再構成領域を示す模式図で、逆投影点がn×nである等倍断層再構成領域Bの逆投影点のうち、円内に斜線が引かれた円のみが逆投影点である。○で示す白抜きの円は、逆投影しない点(間引かれた逆投影点)で、この○に逆投影されていたデータが間引かれてしまい、再構成画像の画質を劣化させる。そこで、このような縮小断層再構成の場合には、本発明請求項3を適用して、画質劣化を改善できる。つまり、逆投影データSに移動平均処理などを施した後に、補間によりm倍に拡大した平均補間データを縮小断層再構成領域に逆投影するようにするのである。
【0069】
平均補間データの計算例を、図10に示す。実線上の○で示す白抜きの円は、元々の逆投影データ。二点鎖線上の○で示す白抜きの円は、移動平均処理後の逆投影データ。二点鎖線上の、円内に斜線が引かれた円は、2倍の補間が施された平均補間データである。この移動平均データを、図11に示すように、縮小断層再構成領域に逆投影する。このように本発明請求項3のようにすれば、縮小再構成画像の画質劣化を防止しながら、再構成像を早く知ることができる。
【0070】
(6)上述の実施例の断層再構成方法や断層撮影装置は、被検体Mを人体などとする医療用CT装置や、被検体Mにおける任意の点を常にX線検出器の所定点に投影されるようにX線管とX線検出器とを同期走査(直線移動など)する、いわゆる医療用断層撮影装置などに用いることもできるし、被検体Mをプリント配線基板など各種の電子部品などとする非破壊検査用装置にも用いることもできる。
【0071】
(7)上述の実施例では、X線管によってX線を被検体Mに照射しているが、X線に限らず、被検体Mに対して透過性を有する例えば、ガンマ線、光、電子線などの電磁波を用いた場合であっても、同様の効果を有する。したがって、この発明の断層撮影装置は、X線断層撮影装置に限定されるものではなく、X線以外で被検体Mに対して透過性を有する電磁波を用いて断層撮影を行うあらゆる断層撮影装置にも適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、請求項1に記載の断層再構成方法によれば、走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影するように画像処理部で実行させるので、逆投影データを補間により拡大する分だけの補間計算回数に低減でき、断層再構成計算時間を短縮できる。
【0073】
また、この請求項1に記載の断層再構成方法によれば、拡大補間データの倍率は、帯小数であるので、倍率に比例した補間演算回数に低減でき、断層再構成計算時間を短縮できる。
【0077】
また、請求項2に記載の断層再構成方法によれば、逆投影データを補間により拡大する倍率を、逆投影方向に応じて変化させるので、逆投影方向が断層再構成領域の画素(逆投影点)並びに平行でないことに起因する再構成画像の画質劣化を防止できる。
【0078】
また、請求項3に記載の断層再構成方法によれば、断層再構成領域の画素密度が、検出器画素密度よりも少なくなるように間引かれた縮小断層再構成領域である場合には、前記逆投影データを移動平均した後に補間した平均補間データを、前記縮小断層再構成領域に逆投影するので、画質劣化を防止しながら、高速に縮小再構成画像を得ることができる。
【0079】
また、請求項4に記載の断層撮影装置によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の断層再構成方法を用いて逆投影演算(断層再構成計算)を行なうことで、関心領域の2次元または3次元の再構成画像を生成する。つまり、先に、逆投影データを補間により拡大することで拡大補間後の逆投影データを生成してから、この拡大補間後の逆投影データを断層再構成領域に逆投影するので、逆投影データを補間により拡大する分だけの補間計算回数に低減でき、断層再構成計算を短縮した高速化な断層撮影装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のX線断層撮影装置の実施例に係るブロック図である。
【図2】(a)はX線断層撮影装置の撮影部の一例を示す模式図であり、(b)は(a)に示した撮影部の概観を示す概略斜視図である。
【図3】逆投影データを補間により4倍に拡大することを示す模式図である。
【図4】実施例に係る断層再構成方法によって拡大補間後の逆投影データを2次元の断層再構成領域に逆投影する様子を説明するための模式図である。
【図5】実施例に係る逆投影計算量を従来例の場合と比較した比較図である。
【図6】拡大断層再構成領域に逆投影することを説明するための模式図である。
【図7】逆投影方向に応じて逆投影データの補間倍率を変化させることを説明するための模式図である。
【図8】平行ビーム再構成時の場合において逆投影方向に応じて逆投影データの補間倍率を変化させることを説明するための模式図である。
【図9】縮小断層再構成領域に逆投影することを説明するための模式図である。
【図10】逆投影データを移動平均して補間処理することを説明するための模式図である。
【図11】移動平均して補間処理した逆投影データを縮小断層再構成領域に逆投影することを説明するための模式図である。
【図12】断層再構成領域に逆投影することを説明するための模式図である。
【図13】X線検出器で検出したデータを補間処理することを説明するための説明図である。
【符号の説明】
41 … X線管
42 … X線検出器
60 … 画像処理部
B … 断層再構成領域
BB … 拡大断層再構成領域
M … 被検体
f … X線焦点

Claims (4)

  1. 被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させ、前記拡大補間データの倍率は帯小数であることを特徴とする断層再構成方法。
  2. 被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させ、前記逆投影データを補間により拡大する倍率を、逆投影方向に応じて変化させることを特徴とする断層再構成方法。
  3. 被検体に対して透過性を有する電磁波を被検体に照射する照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する検出器とが被検体を挟んで配置され、照射源と検出器が同期して被検体を走査するか、又は、被検体の回転に同期して走査することによって得られる走査各位置で検出された撮影データまたはそれをフィルター処理したデータを逆投影データとして、被検体の関心領域に仮想的に設定される2次元または3次元の断層再構成領域に逆投影する断層再構成方法において、前記逆投影データを補間により拡大した拡大補間データを生成してから、この拡大補間データを前記断層再構成領域に逆投影するように実行させ、前記断層再構成領域の画素密度が、検出器画素密度よりも少なくなるように間引かれた縮小断層再構成領域である場合には、前記逆投影データを移動平均した後に補間した平均補間データを、前記縮小断層再構成領域に逆投影するようにしたことを特徴とする断層再構成方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の断層再構成方法を用いて逆投影演算を行なうことで、関心領域の2次元または3次元の断層再構成画像を生成することを特徴とする断層撮影装置。
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