JP3913798B2 - 画像再構成処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線源から円錐状に放射されたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX線をX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて、前記対象物の断面画像を再構成する画像再構成処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線CT(computed tomography )装置では、図42に示すように、X線源101からX線ビームがファン状( 扇形状 )に放射されるファンビームを使用するものが知られている。
このようなX線CT装置は、X線源101から放射されたX線ビームを被写体に照射し、この被写体を通過したX線を扇状に1列に約1000チャンネル配列したX線検出器102で検出してデータ収集を行い、X線源101及びX線検出器102を被写体の周囲を回転させながら、1回転する間に1000回程度データ収集し( 1回のデータ収集を1ビューと称する )、その収集されたデータに基づいて被写体のX線の断面画像を再構成する。なお、FOV103は、有効視野を示すものである。
このファンビームを使用したときの画像再構成式は、( 式1 )により算出される。
【0003】
【数1】
Figure 0003913798
【0004】
この( 式1 )から判るように、ファンビームの再構成では、X線検出器から得られたデータに、再構成すべきピクセルの位置に依存した重み付けを乗算して逆投影する必要があるので複雑な処理になる。
すなわち、図43に示すように、有効視野FOV103に対して再構成すべき画像を構成する複数のピクセル( 図43中、格子状に密に配列された黒点 )が設定されており、X線検出器102の各チャンネルで得られたデータを、各ピクセル毎に重み付けとして焦点( X線源101のX線ビームの放射点F )−該当ピクセル( 黒点 )間距離Fpixel D(X) の2乗の逆数を乗算して逆投影する。なお、Fpixel Dは、Focus-Pixel-Distanceを意味するものである。
また、直接逆投影する方法もあるが、この場合には極座標変換が必要となり複雑な計算になる。
【0005】
そこで、ファンビームを使用したX線CT装置( シングルスライスCT )では、現在のところ2種類の画像再構成法が考案されている。
1つの方法は、ファン−パラ変換法と呼ばれるものであり、これは、図44に示すように、ファンビームによるX線検出器から得られた投影データを並び替えかつ補間してパラレルビーム投影データを作成( 変換を含む )し、これにより得られたデータを、従来のパラレルビームを使用したX線CT装置で行われるように逆投影する方法である。
データ変換の計算と補間処理などが必要になる反面、逆投影時には、ファンビームのときの再構成ピクセル毎に異なった重み付け処理などが不要で、1つのデータ( パラレルビーム投影データ )をビーム路( パラレルビームとなるときの放射点とX線検出器のチャンネルとを結ぶ直線 )の全てのピクセルに逆投影すれば良いので処理が単純になる。
【0006】
他の1つの方法は、センタリング軸を使用したファンビーム再構成法であり、その詳細は特開昭55−99240号に開示している。
図45に示すように、一度ピクセル列に平行な所定の基準軸( センタリング軸 )104にX線検出器から得られたデータを射影( 逆投影 )し、それを再度再構成のピクセル列毎に逆投影するものである。このように一度センタリング軸に逆投影することで、ピクセル毎に異なる重み付け処理がピクセル列毎には同一となるので、高速かつ単純な処理が可能になる。
【0007】
このセンタリング軸を使用したファンビーム再構成法のステップを以下に説明する。
1.投影データData-Proj のX 線強度補正などの種々の補正とcos 項の乗算して、生データData-Rawを得る。この生データData-Rawと再構成関数とのコンボリューション演算をしてData-Conv を得る。
2.Data-Conv をある基準軸 (センタリング軸、例えばピクセルが配列された基準となるX軸及びY軸)上の点に( 式2 )の重み付け処理して射影し、Data- Centerを得る。この( 式2 )式において、FcpD(X) は、焦点−センタリング軸点間距離である。
【数2】
Figure 0003913798
【0008】
3.2の処理を繰り返し、全ビューのファンビーム投影データを対応する基準軸に射影する。
4.基準軸に射影されたあるビューのデータData-Center を、再構成する画像の全ピクセル列に対しピクセル列毎に同一の( 式3 )の重み付けしてData-Back を得る。この得た射影データData-Back を、逆投影( 画像メモリのピクセルに相当するアドレスに加算) する。なおA、Bは、図45に示す。
【数3】
Figure 0003913798
【0009】
5.4の処理を全ビュー繰り返し全ビューの射影データを逆投影する。
【0010】
なおここで、図45を参照して( 式3 )を変形すると、
【数4】
Figure 0003913798
【0011】
となり、これはファンビームの再構成式、( 式1 )の積分の中身と一致する。
【0012】
センタリング軸に一度射影した後に各pixel 列に逆投影することで、本来ピクセル毎に異なっていた逆投影時の重み( 式1 )を、 pixel列単位では等しい重み( 式2 )にして,重みの発生の計算自体の簡便化と計算回数の削減を達成している。
また、ここでは詳細には述べないが、円弧上に等角度で配列された検出器の素子と直線上に等ピッチで配列されたpixel との複雑な対応関係をも簡略化している。
従来のファンビームを使用したX線CT装置では、以上説明した2つの方法のうちいずれかにより、高速な画像再構成処理を実現している。
【0013】
さらに一方、図46に示すように、X線源201からX線ビームが円錐状に放射されるコーンビームと、ファンビーム用検出器列をZ軸方向にN列積み重ねたような、円筒面上に検出器の素子(Mチャンネル×N列)を配列した2次元X線検出器202とを使用して、X線透視画像を撮影するX線CT装置が考案されている。
このようなコーンビームを使用したX線CT装置における代表的なコーンビーム再構成(Feldkamp再構成)は、下記の文献に開示されている。
【0014】
"Practical cone-beam algorithm"
L.A.Feldkamp, L.C.Davis, and J.W.Kress
J. Opt. Soc. Am. A/Vol.1, No.6, pp.612-619/June 1984
これは、数学的に厳密な再構成法であるファンビーム(2次元平面内) 再構成アルゴリズム[ Filtered-Backprojection(フィルタ補正逆投影法) ] を、Z軸方向に拡張することによって得られた近似的な3次元再構成アルゴリズムである。
【0015】
このコーンビーム再構成法では、コーンビームによるコンベンショナルスキャンを対象としており,以下のステップからなる。なお、このコーンビームでは、2次元的な画素としてのピクセルの代わりに、図47に示すように、3次元的な画素としてのボクセルが使用される。
【0016】
1.投影データの重み付け
投影データに、Z座標に依存した項とcos 項を乗算する。
【0017】
2.コンボリューション演算
1の処理により得たデータと、ファンビームと同じ再構成関数とのコンボリューション演算を行う。
【0018】
3.BackProjection(逆投影)
2の処理により得たデータを、X線が通過した( 焦点から検出器のチャンネルまでの) パス上に逆投影する。すなわち、焦点から逆投影するボクセルを通る直線が検出器面と交差する点を計算し、その点の周囲の2の処理のデータから逆投影するデータを補間などで作成し、それをFvoxelD(X)の2乗の逆数で重み付けして逆投影する。この逆投影は360°( 1回転 )にわたって行なう。
【0019】
ファンビーム再構成式と類似な式で表現すると、下記となる。
なお、 FvoxelD(X)=Focus-Voxel-Distanceは、焦点−ボクセル間距離である。
【数5】
Figure 0003913798
【0020】
この3次元再構成式( コーンビーム再構成式 )( 式4 )について、式上ではファンビーム再構成と非常に似ているが、Data-Back の逆投影方法が大きく異なることを説明する。
2次元的なファンビーム再構成においては、図48に示すように、再構成面内の全画素(ピクセル)に対して1次元に配列された検出器のデータから逆投影するのに対し、コーンビーム(Feldkamp)再構成においては、図49に示すように、焦点と再構成するボクセル(voxel) を結んだ直線が2次元のX線検出器面と交差する点を求め、その交差点に関与する検出器素子から得られるデータをその直線上に位置する全てのボクセルに逆投影する。
【0021】
従って、コーンビーム再構成で、ファンビーム再構成のようにある面を再構成する場合には、特定の検出器列かつチャンネルのデータが再構成面の一部のボクセルにのみ逆投影されるため、各ボクセルに対して逆投影するデータ(検出器列と検出器チャンネル)を選択する必要があるので、再構成ボクセルと焦点を結んだ直線とX線検出器面の3次元的な位置関係が重要になる。
しかも、Z座標が同じ検出器列を考え、その検出器素子と焦点を結んだ直線を考えた場合、ある面( 再構成面 )においてそれらの直線が通過するボクセルは、焦点を中心とした検出器面の相似図形(円筒検出器の場合、同心円)上に並ぶため、この位置関係の計算は非常に複雑になる。
【0022】
また、X線CT装置では、図50( a )に示すように、X線管とX線検出器が被検体周囲の同一の円軌道を周回するスキャン方法として定義されるコンベンショナルスキャン方式の他に、図50( b )に示すように、X線管とX線検出器が被写体周囲をらせん状に連続的に周回し、その回転と同期して被検体を載置した寝台が体軸に沿って移動するするスキャン方法として定義されるヘリカルスキャン方式がある。
【0023】
特に、2次元アレイ型X線検出器を使用してヘリカルスキャン撮影を行ったときのFeldkamp再構成法を応用して3次元再構成法で再構成する方法は、下記文献に開示されている。
【0024】
1.「円すいビーム投影を用いた3次元ヘリカルスキャンCT」
東北大学 工藤博幸,筑波大学 齊藤恒雄
電子情報通信学会論文誌 DII Vol.J74-D-II,No.8,pp.1108-1114,1991年8月
2.特願平7−169963号「X線コンピュータ断層撮影装置」
なお、上記2.特願平7−169963号では、「コーンビーム状のX線を被検体に照射するX線管が被検体から見て相対的に螺旋軌道を移動しながら被検体を透過したX線を2次元アレイ型X線検出器で検出し、得られた投影データを逆投影することにより撮影領域内に規定された複数のボクセル各々に関するX線吸収率を反映した逆投影データを求めるX線コンピュータ断層撮影装置において、k回転目のX線管からのコーンビームX線束とk+1回転目のX線管からのコーンビームX線束とが重複する領域内の特定のボクセルの逆投影データを、k回転目で収集した前記特定のボクセルを通るX線パスに沿った投影データと、k+1回転目で収集した特定のボクセルを通るX線パスに沿った投影データとに基づいて求めることにより、いずれか一方に基づいて求める従来に比べて画質が向上する。」と記載されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のX線CT装置において、コーンビーム及び2次元的なX線検出器を使用した場合、画像の再構成ではその計算が複雑で膨大な量になり、一般的に普及しているコンピュータ等では処理時間が長くかかり過ぎるという問題があった。
また、特願平7−169963号で記載されているように、ある位相で収集されたN回転目のデータDn とN+1回転目のデータD(n+1) ( 重複する領域内の特定のボクセルへの投影データ )を線形又は非線形重み付け加算して逆投影する(あるいは逆投影後に重み付け加算する),いわゆるOverlap 逆投影を行う方が画質改善することが判明しているが、この処理を実用的に容易に実現する方法が要望されている。
【0026】
本発明の目的は、ボクセルへの逆投影の一部を規格化して、コーンビームを使用して撮影された画像の正確な再構成処理にかかる時間を短縮することができる画像再構成処理装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X線源から放射されたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX線を円弧状のX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて、前記対象物の断面画像を再構成する画像再構成処理装置において、前記X線検出器による前記対象物を透過したX線の検出により得た検出データを3次元的に空間配置された画素であるボクセルへ逆投影して、前記対象物の断面画像を再構成するために、前記X線検出器により得られた検出データを、列方向に束ねて、予め設定された面へ逆投影する第1段階逆投影手段と、前記面に逆投影されたデータを該当するボクセルに逆投影する第2段階逆投影手段とを設けたことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1〜図27を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態によるX線CT装置の構成図である。図2は、図1のガントリの外観図である。
投影データ測定系としてのガントリ(架台ともいう)1は、円錐に近似したコーンビーム状のX線束を発生するX線源3と、複数の検出素子を2次元状に配列してなる2次元アレイ型のX線検出器5とを収容する。前記X線源3と前記X線検出器5とは、寝台6のスライド天板に載置された被検体を挟んで対向した状態で回転リング2に装備される。
前記X線検出器5としては、複数( 1000チャンネル )の検出素子が、ファンビーム用の1次元的に配列された1次元アレイ型検出器を複数列( 10列 )積み重ねられたように配列されて構成されたもの( 図46参照 )で、前記回転リング2に実装される。ここで、1つの検出素子は1チャンネルに相当するものと定義する。
【0039】
前記X線源3からのX線はX線フィルタ4を介して被検体に曝射される。被検体を通過したX線は前記X線検出器5で電気信号として検出される。
X線制御器8は高圧発生器7にトリガ信号を供給する。この高圧発生器7はトリガ信号を受けたタイミングで前記X線源3に高電圧を印加する。これによりX線源3からはX線が曝射される。
架台寝台制御器9は、前記ガントリ1の前記回転リング2の回転と、前記寝台6のスライド天板のスライドとを同期して制御する。システム全体の制御中枢としてのシステム制御器10は、被検体から見て前記X線源3が螺旋軌道を移動するいわゆるヘリカルスキャンを実行するように、前記X線制御器8と前記架台寝台制御器9を制御する。
具体的には、前記回転リング2が一定の角速度で連続回転し、前記寝台6のスライド天板が一定の速度で移動し、前記X線源3から連続的又は一定角度毎に間欠的にX線が曝射される。
【0040】
前記X線検出器5からの出力信号は、チャンネル毎にデータ収集部11で増幅され、ディジタル信号に変換される。このデータ収集部11から出力される投影データは、再構成処理部12に取り込まれる。
この再構成処理部12は、投影データに基づいてボクセル毎にX線吸収率を反映した逆投影データを求める。
コーンビームを使用したヘリカルスキャン方式のX線CT装置において、有効視野( FOV、撮影領域 )は、ヘリカルスキャンの回転中心軸を中心として円筒形状となり、再構成処理部12は、この有効視野に複数のボクセル( 3次元的に配置された画素 )を規定し( 図47参照 )、X線検出器5からの投影データから各ボクセルの逆投影データを求める。この逆投影データに基づいて作成された3次元画像データ又は断層像データは表示装置14に送られ3次元画像又は断層像としてビジュアルに表示される。
【0041】
図3(a)及び図3(b)に示すように、このX線CT装置のジオメトリは、
検出器列数 M=20、
各列のZ軸方向の高さ Dseg =2mm、
X線検出器の厚み M×Dseg =40mm、
チャンネル数 N=1000、
焦点−回転中心間距離 FCD(Focus-center-Distance )=600mm、
焦点−検出器間距離 FDD(Focus-Detector-Distance )=1200mm、
有効視野直径 FOV(Field of View )=500mm、
有効視野角(ファン角)θ=50°
となっている。
【0042】
図4は、前記再構成処理部12の要部構成を示すブロック図である。
21は、コンボリューション処理及び逆投影処理におけるデータ選択、重み付け、センタリング処理、逆投影などの計算及び3次元再構成処理全体を制御するこの再構成処理部12の制御部本体を構成する再構成処理制御部である。
コンボリューション演算部22は、前記データ収集部11で収集された投影データをコンボリューション処理し、このコンボリューション処理により得られたコンボリューションデータは第1のデータメモリ23に記憶される。
【0043】
第1の逆投影部24は、前記第1のデータメモリ23に記憶されたコンボリューションデータを予め設定されたセンタリング面に逆投影( 射影 )処理し、この逆投影されたセンタリングデータは第2のデータメモリ25に記憶される。
【0044】
第2の逆投影部26は、前記第2のデータメモリ23-2記憶されたセンタリングデータをボクセルに逆投影( 3次元逆投影 )処理し、この逆投影された再構成データ( 画像 )は画像メモリ27に記憶される。
【0045】
ここで再構成についてコーンビームによる3次元再構成について、幾つかの点について考察する。
再構成ボクセル列( 直線 )、センタリング面( 平面 )、検出器列( 円弧 )、検出器面( 円筒、但しデータメモリ上のように展開して考えるときは平面である) などの座標変換を伴う関係について説明する。
まず、再構成ボクセル列、検出器面、センタリング面を考える。
図5に示すように、1列のボクセル列( 直線 )の検出器面への投影が図6に示すような曲線になることを説明する。
【0046】
再構成ボクセル列、検出器面、センタリング面をZ軸方向( 上方 )から観察した図を、図7( a )に示す。X線検出器5のチャンネル( 検出器列 )は焦点FからZ軸方向において等角度の円弧上に配列されており、図のように焦点回転( ビュー) による回転角をφ、チャンネル方向の角度をθで示す。
また、この焦点位置においてセンタリング面はX軸上にあり( X軸Z軸平面に含まれている )、X軸はセンタリング面のX軸であるXcp軸に一致する。再構成ボクセル列の座標を( Xv ,Yv )…( Xv はボクセルと共に変化するが、Yv は一定 )で定義する。
図7( b )に示すように、線分FCの長さ( 焦点−回転中心間距離 )をFCD、線分FV0 の長さ( 焦点−ボクセル間距離 )をFCD´、あるボクセルVを考えるときに線分FVをXY平面へ射影したときの( 図の点線における )長さを FCD”、焦点- 検出器間距離をFDDとする。また、焦点とボクセルを通る直線を引き、XY平面上での焦点からの距離がFCDのときのZ座標をZ0 、ボクセルVのZ座標をZv とする。さらに、展開した検出器面上での座標を図7( c )のように横軸( Xdet=θ・FDD )と縦軸( Zdet)とする。
【0047】
まず、再構成ボクセル列を検出器面に投影することを考える。なお、Xcpは線分FVのセンタリング面上でのX座標を示し、次の( 式5 )により求められる。
【数6】
Figure 0003913798
【0048】
そこで、△FCXcpと△FVo Xv は相似なので、次に示す関係式( 式6 )を使用して、
【数7】
Figure 0003913798
【0049】
となる。この( 式7 )がXv →θ変換、再構成ボクセル列の検出器面への投影におけるチャンネル方向の式である。
【0050】
さて、線分FXcpと線分FCDとの間の関係は次に示す( 式8 )であるから、( 式9 )を得る。
【数8】
Figure 0003913798
【0051】
従って、再構成ボクセル列の検出器面への投影における列方向の式は、次に示す( 式10 )となる。
【数9】
Figure 0003913798
【0052】
( 式7 )から等ピッチに並んだ再構成ボクセル列を検出器面へ投影すると非線形な配列になることがわかる。従って、図中左方例えば第1ボクセルと第2ボクセルを検出器面上に投影したときの間隔(例えば2.4チャンネル分)と、図中右方例えば第511ボクセルと第512ボクセルの間隔(例えば3.5チャンネル分)とは異なり、角度θに依存して非線形な配列になる。
また、( 式10 )からZ座標がZv で固定された直線の再構成ボクセル列を検出器面へ投影すると角度θに依存して図6のような非線形な曲線になることがわかる。ただし、再構成ボクセル列のZ座標Zv とZdet とは比例関係にある。
【0053】
これを示すのが図8及び図9であり、図8には、ボクセル列V、センタリング面C、検出器面Dとそれぞれの変数および端点と中心点の定義を示す。なお、図10には、ボクセル列Vとセンタリング面Cとを示す。このボクセル列Vに対してセンタリング面Cは平行に配置されている。
図9( b )に示した直線であるボクセル列のセンタリング面への投影も、図9( c )に示すように直線になる。ボクセルのピッチとセンタリング面上の点のピッチは一定の比になっており、歪みは全く生じない。すなわち、逆投影すべきデータが、センタリング面上で直線かつ等ピッチであれば、当然そのボクセルへの逆投影も直線かつ等ピッチとなる。すなわち、ボクセルとセンタリング面との関係は単純な拡大縮小関係となる。
【0054】
しかし、ボクセル列を検出器面に投影すると、図9( a )に示すように、チャンネル方向、列方向ともに非線形な歪みが発生する。しかし、Z座標Zv の異なる2本のボクセル列の投影が示すように、検出器面上の2本のボクセル列の投影像どうしの間には、上述の拡大縮小関係的な比例関係が成立している。
【0055】
以上の考察をふまえて、最も単純なコーンビームの再構成法は、以下に説明するステップである。
1.X線検出器からの投影データをX線強度補正等の補正処理後、Feldkamp重みづけ処理し、データメモリに記憶させる。
2.データメモリに記憶された補正投影データを再構成関数とコンボリューション処理し、データメモリに記憶させる。
3.( 式7 )および( 式10 )に従って逆投影するボクセル列を検出器面に投影した投影曲線を計算し、逆投影するデータを選択してそのアドレスを発生させる。
4.該当するデータを読み出し、所定の重みづけ処理後、画像メモリ該当するボクセルの位置に加算する。
【0056】
これを“直接逆投影法”と称する。3の処理は、予め投影曲線を計算しておきテーブルとしてデータメモリ等に記憶しておいても良い。これを“テーブル法”と称する。
いずれの方法でも投影曲線は近似曲線でも良い。しかしこの方法ではファンビーム投影データの2次元逆投影でも存在した、逆投影する (チャンネル方向の) データ選択の計算と、重み計算の他に、列方向のデータ選択計算が加わるため、膨大な計算量になってしまう。または“テーブル法”による場合には巨大なテーブルを記憶するメモリが必要になる。
【0057】
そこで、この発明の第1の実施の形態においては、X線検出器5から得られた逆投影するデータ( 投影データ )を一度センタリング面へ逆投影後、各ボクセルへ逆投影する方法を行う。
図9における考察とは逆に、検出器面上(あるいはデータメモリ上)のピッチおよび直線がセンタリング面に投影される場合を検討する。前述の( 式5 )と、( 式10の変形 )を( 式8 )により解いた( 式11 )を次に示す。
【数10】
Figure 0003913798
【0058】
また、センタリング面上の直線が検出器面上に投影される場合は、次の( 式7の変形 )及び( 式11の変形 )となる。
【数11】
Figure 0003913798
【0059】
従って、( 式7 )及び( 式10 )に従った非線形歪みの代わりに、( 式5 )及び( 式11 )に従った非線形歪みが発生する。
【0060】
これを示すのが図11である。図11( b )に直線で示された検出器列の全チャンネルのデータをセンタリング面に投影すると、図11( c )に示すように、上述の非線形( 式4及び式8 )によってXcp、Zcp方向共に歪む。
Z方向の歪み及びX方向の等ピッチの配列の歪みは、共に図9の場合とは逆になる。前述のようにセンタリング面と再構成ボクセル列との間に歪みはないが、図11( a )に示すように、検出器列の全チャンネルのデータをボクセルに投影すると同様の歪みが発生する。すなわち、図11( c )に示す前述のセンタリング面への投影のZ方向の歪み及びX方向の等ピッチの配列の歪みと図11( a )に示すボクセルへの投影のZ方向の歪み及びX方向の等ピッチの配列の歪みとは、同様のもので拡大・縮小関係になっている。
【0061】
そこで、センタリング面上で補間処理などによってデータのリサンプリングを行い、直線上に等ピッチでデータが並ぶように処理する。その結果が図12( a )である。
センタリング面上の座標系Xcp、Zcpと再構成ボクセルの座標系Xv 、Zv の関係は、( 式5 )、( 式6 )、( 式9 )、( 式10 )を応用して、次の( 式12 )及び( 式13 )を得る。
【数12】
Figure 0003913798
【0062】
従って、再構成ボクセルにおいてスライス位置Z=Zcpのアキシャル断面を再構成するとき、そのアキシャル断面を図12( b )に示すような正方形に内接する円形FOVと考えると、( 式12 )、( 式13 )でZv を断面内で常に定数、ボクセル列内でYv を定数とし、ボクセル単位でXv を変化させることになる。従って、( 破線で示す )正方形とその内接する円形FOVの投影は、( 破線で示す )台形とそれに内接する円の変形( 図示せず )になる。
また、ボクセル列をセンタリング面に投影した直線は、ボクセル列の位置に対応してセンタリング面内を上下に平行移動する。そこで、逆投影するボクセル列に対応するZ座標Zcpを( 式13 )で求め、逆投影するボクセルに対応するX座標Xcpを( 式12 )で求め、対応するデータを目的のボクセルに逆投影する。これを全ボクセルに全ビュー繰り返して逆投影を行う。
【0063】
式で表現すると下のようになる。なお、FdpDは焦点−検出器素子間距離であり、FcpD( X,Z )は焦点−センタリング点間距離である。
【数13】
Figure 0003913798
【0064】
ここで、( 式14 )は、コンボリューション処理したデータを示す式であり、( 式15 )は、センタリング処理したデータを示す式であり、( 式16 )は、ボクセルに逆投影したデータを示す式である。
【0065】
この( 式16 )は、さらに
【数14】
Figure 0003913798
【0066】
となり、この( 式17 )は3次元再構成式( 式3 )と一致する。
【0067】
すなわち、この発明のセンタリング面を使用した3次元再構成法( コーンビーム再構成法 )のステップを以下に説明する。
1.再構成処理制御部21は、データ収集部11からの投影データData-Proj をX線強度補正などの補正処理して生データData-Rawを得て、第1のデータメモリ23に記憶させる。
2.再構成処理制御部21はコンボリューション演算部22により、第1のデータメモリ23のデータを読み出し、Feldkamp重みづけ( ( 式14 )の第1項 )処理後、再構成関数Conv-Function とコンボリューションし( ( 式14 )の第2項) 、第1のデータメモリ23に記憶させる。
【0068】
3.再構成処理制御部21は第1の逆投影部24により、第1のデータメモリ23に記憶されたコンボリューションデータに基づいて、次の(i) あるいは(ii)のいずれか一方により( 式15 )のセンタリング処理を行う。
(i) ( 式5 )及び( 式11 )に従って、検出器面のデータをセンタリング面に投影した投影曲線を計算し、コンボリューションデータに重み付けを行った後にセンタリング面に射影してセンタリングデータを計算し、更にセンタリング面上のセンタリングデータを図12( a )のように格子状にリサンプリングして、第2のデータメモリ25に記憶する。
(ii) ( 式7変形 )及び( 式11変形 )に従って、センタリング面上で(i) でリサンプリングしたような格子状のデータの位置を検出器面に投影した投影点の位置を計算し、投影点周囲の4個 (2列×2CH) の検出器素子のコンボリューションデータを重みづけ加算後に( 式15 )の3次元逆投影における重み付けを行ってセンタリング面に射影してセンタリングデータData-Center を計算し、第2のデータメモリ25に記憶する。
【0069】
4.再構成処理制御部21は、( 式12 )及び( 式13 )に従って、再構成するボクセル (列) をセンタリング面に投影した投影点 (直線) を計算し、逆投影するデータを例えば4個つ (2列×2CH) 選択してそのアドレスを発生させる。
5.再構成処理制御部21は第2の逆投影部26により、第2のデータメモリ25から該当するセンタリングデータData-Center を読み出し、データ数が複数の場合は重みづけ加算し、2次元ファンビーム再構成におけるセンタリングデータの逆投影時と同様に、A/Bの2乗の重みづけ処理後(この正当性は( 式17 )にて証明済み)、画像メモリ27の該当するボクセルの位置に加算する。
以上で3次元再構成ができる。
なお、この3次元再構成処理の流れを図13に示す。
【0070】
なお、上述した3の処理及び5の処理における検出器面上の点又はセンタリング面上の点からセンタリング面上の点又はボクセルへの逆投影( 射影 )データの計算では、4点Bi-Linear 補間等の線形補間やSpline補間等の非線形補間、あるいはその他の補間を使用してリサンプリングしても良いものである。さらに、補間を行わずに、例えばNearest Neighborとして、該当する投影点に最も近い点を選択して逆投影データを計算しても良い。
なお、4点Bi-Linear 補間においては、1つの投影点に対して例えばj列及びj+1列とnチャンネル及びn+1チャンネルの4点Data(j,n) ,Data(j,n+1) ,Data(j+1,n) ,Data(j+1,n+1) が補間するデータとして計算対象となる。
このとき、4点Bi-Linear 補間においては、以下の計算が行われる。
Data(j,n) ×wch+Data(j,n+1) ×( 1−wch )…CH(j)
Data(j+1,n) ×wch+Data(j+1,n+1) ×( 1−wch )…CH(j+1)
CH(j) ×wro+CH(j+1) ×( 1−wro )…SEG(j,j+1)
以上の処理を複数の投影点について順番に繰り返して処理することになる。すなわちCH(j) を計算し、次にCH(j+1) を計算し、それらの計算結果によりSEG(j,j+1) を計算する。そして次の投影点について、CH(j) を計算し、次にCH(j+1) を計算し、それらの計算結果によりSEG(j,j+1) を計算する。以下同様にして各投影点について、繰り返して補間処理が行われる。この繰り返し補間処理は時間がかかる。
そこで、CH(j) とCH(j+1) とをそれぞれ並列処理し、この並列処理を連結するようにSEG(j,j+1) をパイプライン処理することにより、処理時間を短縮して、2点補間とほぼ同じ処理時間で補間処理を行うことができる。
【0071】
また、センタリング列数がボクセル列数以上の場合、Nearest Neighborとして該当する投影点に最も近い点を選択して逆投影データを計算することにより、画像劣化が少なく、計算回数が4点Bi-Linear 補間に比べて約1/3になり処理時間が短縮されるという効果が得られる。
【0072】
ここでは省略したが、シングルスライスCT( ファンビームCT )と同様にチャンネル方向の非線形と逆投影時の重み発生の簡便化だけを図る目的で、3の処理でのセンタリング面上でのリサンプリング処理を省略し、4の処理で逆投影するボクセルに対応するセンタリングデータに該当するような投影曲線を発生させても良い。リサンプリング処理を省略する代償として逆投影時の投影曲線が複雑になるが、トータルの補間回数が減るというメリットがある。
【0073】
なお、この実施の形態及び以降の実施の形態においては、円筒型X線検出器を持つコーンビームX線CT装置について記述したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図14に示すような平面型X線検出器を持つコーンビームX線CT装置でも同様の効果が得られるものである。
すなわち、図15に示すように、有効視野FOV中の直線矢印及び破線矢印で示されたボクセル列について、平面型X線検出器面への投影では、図16に示すように、傾いた直線矢印及び破線矢印になるのが、チャンネル方向( 横方向 )の歪み( 非線形な歪みを含めて )は発生しない。さらに、列方向( 縦方向 )についても歪みは発生しないが、その投影線が傾斜した直線となるため、円筒型X線検出器の場合に比べて軽減されるものの、データ選択及び逆投影時の重み発生は複雑である。
【0074】
そこで、仲介的にセンタリング面への逆投影( 射影 )するセンタリング処理を行うことによって、図17に示すように、有効視野FOV中の直線矢印及び破線矢印で示されたボクセル列の平面型X線検出器面への投影すると、ボクセル列単位での逆投影データ計算に使うセンタリング列を固定できるので、データ選択、重み発生を共に単純にすることができる。
なお、逆投影時の重みについて、ボクセル単位の計算からボクセル列単位の計算に削減できることは円筒型X線検出器の場合と同様である。また、センタリング列数を増やせば、補間精度を向上する等の効果も円筒型X線検出器の場合と同様である。
【0075】
ところで、補間を繰り返すと画像に生じるボケが増幅してしまう。しかし、投影曲線と重みの簡単化のために、センタリング面に一度逆投影後にボクセルへ逆投影する場合、2回の補間は避けられない。
すなわち、図18に示すように1回補間の場合に、ボクセルデータDBが、検出器列をボクセルへ逆投影した( オリジナルの )データ位置( D1 ,D2 ,D3 )に対して、D1とD2との間を8:1に分ける位置にあるとき、
DB=( 1/9 )×D1+( 8/9 )×D2
となり、データ位置D1とD2とにより確定し、D3等の他のデータの干渉が完全に排除されている。
一方、図19に示すようにセンタリング面に一度逆投影する2回補間の場合には、まず、センタリング点Dc1及びDc2が、検出器列をセンタリング面へ逆投影( 射影 )した( オリジナルの )データ位置( D1 ,D2 ,D3 )に対して、D1とD2との間を5:4に分ける位置及びD2とD3との間を2:1に分ける位置にあるとき、
Dc1=( 4/9 )×D1+( 5/9 )×D2
Dc2=( 1/3 )×D2+( 2/3 )×D3
となり、さらに、ボクセルデータ( 点 )DBが、Dc1とDc2との間を3:5に分ける位置にあるとき、
Figure 0003913798
となる。すなわち、実際にはボクセルデータDBは、D1とD2との間にあるにもかかわらず、2回の補間によりD3の干渉項が加わりその分だけD1及びD2の項も誤差を含むようになり、実際の画像においてボケが増幅することになる。が
そこで、補間の精度を向上することにより画像に生じるボケを減少させることが必要になる。
【0076】
補間精度を向上する方法としては、次に示す2つの例がある。
図20は高精度な2回補間の第1の例である。
検出器列をセンタリング面へ逆投影( 射影 )した( オリジナルの )データ位置( D1 ,D2 ,D3 )と一致するように、センタリング面上でセンタリング点( Dc1,Dc4,Dc6 )を設定すると共に、それらの各センタリング点の間に等ピッチで補間点( Dc2,Dc3,Dc5 )を設定したことである。これにより2回補間のボケを減少させることができる。
例えば、ボクセルデータDBが、Dc3とDc4との間を2:1に分ける位置にあるとき、
Figure 0003913798
となり、オリジナルのデータ位置においてD3の干渉項を完全に排除している。
しかし、センタリング面上における検出器列の投影曲線は非線形な歪みを持ち、隣接するチャンネル間すなわちXcp方向に隣接したセンタリング点におけるオリジナルの検出器データが存在するZcp座標が微妙に食い違ってくるため、全部のセンタリング列でオリジナルのデータ位置に補間点( センタリング点 )を設定することは困難である。
【0077】
図21は、高精度の2回補間の第2の例である。
等ピッチの補間点( センタリング点 )の個数を計算時間とのバランスから可能なだけ多数にしたもので、オリジナルのデータ位置には必ずしも補間点は存在しなくても良い。しかし、少なくとも検出器列の個数よりセンタリング列の個数を多くしたことにより、大部分の位置において補間精度は高く、補間によるボケが生じるのは第2回目の補間位置( ボクセル )がオリジナルのデータ位置を挟む第1回目の補間点2点の間にあるとき(例えばDc9とDc10 の間)だけである。
【0078】
例えば、ボクセルデータDBが、Dc8とDc9との間を1:1に分ける位置にあるとき、
Figure 0003913798
となり、オリジナルのデータ位置においてD3の干渉項を完全に排除している。
また、ボクセルデータDBが、Dc9とDc10 との間を1:1に分ける位置( 丁度D2に対応する位置 )にあるとき、
Figure 0003913798
となり、D3( この場合ではD1も該当する )の干渉項が排除されていないが、D1,D3の重み( 係数 )がD2に比べて小さいので、従来のボケよりは減少されており、しかもこのボケが発生する範囲は、上述したように、Dc9とDc10 との間の距離に限定される。
【0079】
これをセンタリング面に応用した例を図22に示す。図22( a )は検出器列5列のセンタリング面への投影曲線であり、オリジナルのデータ位置を示す。前述の第1の実施の形態において説明したセンタリング面を使用した3次元再構成法( コーンビーム再構成法 )のステップに記載されているように、このオリジナルデータからセンタリング面において格子状に配列されたセンタリングデータを作成する。
格子の列(センタリング列)の数を検出器列数と同じ数の5列とした場合を、図22( b )に示す。
あるボクセル列に逆投影するデータ位置を直線Sで示した。2列目のセンタリング列C2は軽い重みで補間に使用され、3列目のセンタリング列C3は重い重みで補間に使用される。
この補間に使用されるデータの幅がZcp方向に広くなり、ボケが生じることが分かる。これは図19の2回補間の例に相当する。
【0080】
さて、センタリング列の数を検出器列数より多くした例( 10列 )を図22( c )に示す。
あるボクセル列に逆投影するデータ位置を上と同様に直線Sで示した。4列目のセンタリング列C4は軽い重みで補間に使用され、5列目のセンタリング列C5は重い重みで補間に使用される。
この補間に使われるデータの幅がZcp方向に狭くなり、ボケを抑制できることが分かる。これは図21の高精度な2回補間の第2の例に相当する。
なお、図21において補間方法は同様に距離の逆比による線形1次補間である。しかし、例に示した矢印の点( Dc8とDc9との間にDBが位置する場合 )の補間精度は非常に高い。
また、検出器列数に対してセンタリング列数を格段に多くして(例えば検出器列5列に対してセンタリング列50列あるいは500列)、第2回目の補間を0次補間すなわち最も近いセンタリング列を選択するNearest Neighborにしても良いものである。
【0081】
ところで、2列のデータを使って列方向に補間( 実際にはチャンネル方向に2チャンネル分のデータを使うので、2列×2CH=4データ補間になるが )すると、以下に説明するように、補間に使うデータが大きく異なるデータ点が発生してしまう。
図23を参照して、ある2チャンネル( NチャンネルとN+1チャンネルと )間のデータ補間の例を説明する。投影点P1,P2,P3周囲のデータを補間して、その投影点P1,P2,P3についてDataA,DataB,DataCを得るとき、補間方法1( BiLinear補間、近傍4点補間 )は列方向に2列のデータを重み付けし、補間方法2( 5列束ね処理 )は列方向に5列のデータを重み付けするものである。
以下、wi(i)はi列目の重みを示し、wj(j)はjチャンネル目の重みを示し、Data(i,j) はi列jチャンネルのデータを示す。また、wi(i)及びwj(j)は、最後の式に示すように正準規格化されている。例えば、wi(5)+wi(6)=1となっている。
まず、補間方法1の補間式を次に示す。
【数15】
Figure 0003913798
【0082】
次に、補間方法2の補間式を次に示す。
【数16】
Figure 0003913798
【0083】
すなわち、補間方法2は、補間点に最も近い3列のデータ(DataAにおいては第4,5,6列)を1/4ずつ重み付け加算し、残りの1/4をその上下2列のデータ(第3,7列)をw(3)とw(7)(w(3)+w(7)=1/4 )でそれぞれ重み付け加算し、補間データを得る。
【0084】
ここで、補間する点を動かしたときの補間に使う各データの重みについて説明する。
図23において第5列中央から第6列中央まで太い矢印に沿って補間点を移動させたときの補間点の位置と各データの重みの関係を、補間方法1,2についてそれぞれ図24,図25に示す。
【0085】
補間方法1による図24の場合、最左端(図23で第5 列中央)では第5列のデータのみで補間し、左から右に( 図23で第5列中央から第6列の方向へ) 補間点を動かすにつれて第6列の重みが増し、第5列の重みが減少する。図中央部(図22で第6列中央)では完全に第6列のデータだけになり、その後第6列の重みが減少するにつれて第7列のデータの重みが増加し、最右端(図24で第7列中央)では完全に第7列のデータだけになる。ここで、図24の中央部前後の変化を考えたとき、第5列と第7列、あるいは第5列と第6列、あるいは第6列と第7列のデータの質の差異(例えばコーン角や検出器の特性、あるいはスキャン位置が異なることによるデータの差)が大きい場合、中央部前後で補間されたデータに大きなギャップが生じてしまう。補間に使うデータの幅は最大で補間点に最も近い2列分であり、充分薄い幅であるが、コーンビームCTにおける3次元再構成ではこのギャップに起因する画質劣化がしばしば問題になる。
【0086】
これに対して補間方法2による図25の場合、最左端( 補間点が第5列中央) では第3〜7列の重みは各々(1/8,1/4,1/4,1/4,1/8) であり、補間点が第5,6列の境界上で(0, 1/4,1/4,1/4,1/4)となって第3列の重みは0になり4列データの均等重み付け補間になる。
これより下側では第3列の代わりに第8列が使われる。第6,7列の境界までは第4〜8列の補間による。ここで第5,6列の境界前後で補間に使われるデータの切り換えを考えると、第3列から第8列への切り替わりは発生するが、他の列の重みが支配的になるので、データの質の差異によるギャップが生じても、その影響は抑制されていることが分かる。補間に使うデータの幅は最大で5列分になり厚くなる反面、ギャップに起因する画質劣化を低減できることが分かる。
このように、3列以上のデータを束ねるように重み付け加算して補間した方が画質がよい。
【0087】
さて、3列以上の複数列( Nc )のデータを重み付け加算するこの補間方法としては、3つの方法があり、その第1の方法は、センタリング面への射影時にこの重み付け加算を行う方法、その第2の方法は、センタリング面からの逆投影データ計算時にこの重み付け加算を行う方法、その第3の方法は、センタリング面への射影を利用しない画像再構成において、この重み付け加算を行う方法である。
【0088】
ここでは、第1の方法でNc が5のときの方法について、図26を参照して説明する。
1.通常通りセンタリングデータを作成する。第1センタリング列には第1列の位置のデータを(検出器への投影などで)計算する。
2.ここで、センタリング列を半ピッチずらした列を考える。以下、この列を“バンドリング( bundling )センタリング列”と称する。バンドリングセンタリング列のそれぞれの列に最も近い((Nc −1) 列のセンタリング列のデータを均等に重みづけ加算してバンドリングセンタリング列のデータとする。
例えば、Data1=( 第1列+第2列 )/2
Data2=( 第1列+第2列+第3列+第4列 )/4
Data3=( 第2列+第3列+第4列+第5列 )/4
Data4=( 第3列+第4列+第5列+第6列 )/4
Data5=( 第4列+第5列+第6列+第7列 )/4
Data6=( 第5列+第6列+第7列+第8列 )/4
Data7=( 第6列+第7列+第8列+第9列 )/4
とする。
【0089】
3.ボクセルをバンドリングセンタリング面に投影した点(焦点とボクセルを通る直線とバンドリングセンタリング面の交点)に最も近い2列のバンドリングセンタリング列のデータを、距離の逆比で重み付け補間して逆投影データを得る。
例えば、
Data1とData2との補間データ=w・Data1+( 1−w )・Data2
Data2とData3との補間データ=w・Data2+( 1−w )・Data3
Data3とData4との補間データ=w・Data3+( 1−w )・Data4
Data4とData5との補間データ=w・Data4+( 1−w )・Data5
Data5とData6との補間データ=w・Data5+( 1−w )・Data6
Data6とData7との補間データ=w・Data6+( 1−w )・Data7
ここでは、例えば、
Figure 0003913798
となる。
4.逆投影データを前述の3次元再構成法に従って逆投影する。
なお、このバンドリングセンタリング列を使用した3次元再構成処理の流れを図27に示す。
【0090】
ところで、3の処理で計算した逆投影データは前述の3列以上の複数列のデータを使った補間方法2による補間結果と同じであり、補間方法2が実現できていることが分かる。
なお、補間の方法としては、上述した重み付け計算方法に限定されるものではなく、3列以上のデータを使って補間する点がポイントであり、他の重み付け方法でも良い。
【0091】
このようにこの第1の実施の形態によれば、3次元再構成における補間データに生じる大きなギャップに起因する画質劣化を低減することができると共に、3列以上のデータによる1スライス画像( 1枚の断層画像 )を重み付け加算という束ね処理を使用した補間処理により作成することができるので、各列の画像を再構成してから3列以上分の厚さの1スライス画像を形成するよりも作成時間の短縮を図ることができる。
【0092】
この発明の第2の実施の形態を図28〜図31を参照して説明する。
逆投影の計算時間を短縮するための第1の方法は、複数枚の画像を一度に再構成することである。
ここでは、センタリング面を使っての逆投影を取り上げて説明するが、センタリングを使用しない他の全ての3次元逆投影法に適用可能である。
図28に示すように、X線管が対象物が配置される有効視野FOVの回りを回転する軌跡Rにおいて、再構成開始角Sからのある角度βにあるとき、その時の位相θは、ボクセルと再構成開始角Sとの位置関係と角度βにより定義される。なお、図28中の角度αは重複角であり、後述するOverlap 逆投影するときに必要な角度となる。
図29に、ある位相θにおけるコーンビームと5枚のスライス画像A〜画像Eの関係を示す。図30に、ボクセルVaからボクセルVbまで逆投影するときの各スライス画像A〜Eのセンタリング面への投影曲線(直線)を示す。
図から分かるように、逆投影するデータを選択するときのZ方向の位置(センタリング列)は異なるが、X方向(センタリングチャンネル)は同じチャンネルのデータが同じボクセルに逆投影される。これは式(11)がZ座標と独立であることから明かである。従って、同一の投影データData-Proj から得られた、コンボリューションデータData-Conv あるいはセンタリングデータData-Cneter から複数のスライス画像に逆投影できる。
【0093】
また、センタリング面におけるXcp座標と再構成ボクセルの対応関係の計算は全く同じになるので、1枚目のスライス画像での計算結果を記憶しておいて、それを次スライスに流用すれば計算を省略することができ、再構成時間を短縮できる。
画像A〜Eを一度に再構成する場合を例にとって説明する。
ここではスタティックスキャンにおけるFeldkamp再構成の例を取り上げるが、ヘリカルスキャンにおけるFeldkamp-Helical再構成の場合も同様である。
図29及び図30を参照して説明する。
1.ある位相θにおけるConvデータを射影し、センタリングデータを作成する。
【0094】
2.画像Aに逆投影する。
例えばボクセル列Vaに逆投影するときは、その投影曲線を計算する。Vaの上( 右 )端ボクセルと下( 左 )端ボクセルを投影すると、図29におけるZ座標Z( A,Va )を計算し、その実線の上下端点が画像Aのボクセル列Vaの投影直線における投影点XS( Va )と投影点XE( Va )になる。この投影点XS( Va )とXE( Va )を記憶しておく。
【0095】
3.点XS( Va )から点XE( Va )までを逆投影するボクセル数で除してそれぞれの逆投影ボクセル列Va上の各ボクセルの投影点を計算し、所定の補間処理、重み付け処理後に画像メモリの各ボクセル位置に加算する。
【0096】
4.2の処理及び3の処理と同様にして、各ボクセル列に逆投影するときは画像Aのそのボクセル列の端点の投影点を計算して記憶し、それに基づいて、各ボクセルに逆投影する。ボクセル列を順次ずらして画像A全体に逆投影する。
【0097】
5.画像Bに逆投影する。
例えばボクセル列Vaに逆投影するときは、Vaの上端ボクセルと下端ボクセルを投影すると、図29におけるZ座標Z( B,Va) を計算し、その実線の上下端点が画像Bのボクセル列Vaの投影直線における投影点XS( Va )と投影点XE( Va )になる。
【0098】
しかし、この投影点XS( Va )とXE( Va )は画像Aで計算した結果と同様であるので、計算を省略して画像Aの逆投影において計算して記憶した結果を読み出し、投影直線のZ座標Z( B,Va) のみを計算するだけで、各ボクセルの投影点すなわち逆投影データの選択ができる。選択したデータを所定の補間処理、重み付け処理後に画像メモリのボクセル位置に加算する。
このように投影点のX座標の計算は画像Aの結果を流用しつつ、データを選択して逆投影することを全ボクセル列に繰り返し、画像B全体に逆投影する。
【0099】
6.同様にして画像C,D,Eに逆投影する。
【0100】
7.次の位相θ+ Δθについて同様にして、画像A〜Eを同時に逆投影して必要な角度の逆投影を終え、画像A〜Eを画像再構成する。
なお、この3次元再構成処理の流れを図31に示す。
また、上記ではボクセル列の端点の投影点のX座標のみを記憶したが、ボクセル列の全ての投影点のX座標を記憶しても良い。
また、Z座標の計算も、画像内のボクセル列の両端(図では右端と左端)の投影点のZ座標を計算し、それをボクセル列数で除して目的のボクセル列の投影位置を求めても良い。
あるいは、画像Aに必要な角度の逆投影をしながら、その投影点の計算結果を記憶しておいて画像Aをまず再構成し、その結果を使って画像B→C→D→Eの再構成をしても良い。
当然、対象な位置にある画像(例えば画像AとE、BとDなど)の投影位置のZ座標は対象的なので、その結果を流用しても良い。
また、ボクセル単位で各画像を跨いで逆投影しても良い。
例えば、( 画像Aのボクセル−Vn) →( 画像Bのボクセル−Vn) →( 画像Cのボクセル−Vn) →( 画像Dのボクセル−Vn) →( 画像Eのボクセル→Vn) →( 画像Aのボクセル−V( n+1 )) →…という順である。なお、同様にビュー単位で各画像を跨いで逆投影しても良い。
【0101】
このようにこの第2の実施の形態によれば、最初の画像の逆投影での計算結果を使用して他の画像の逆投影を計算することにより、再構成の計算時間を短縮することができる。
【0102】
この発明の第3の実施の形態を図32を参照して説明する。この第3の実施の形態は、センタリング面を用いた逆投影のときに逆投影の計算時間を短縮するための第2の方法を示すものである。
この第2の方法は、センタリング面に平行な平面を再構成することである。このような平面を統合することにより、3次元再構成することができる。
図32に示すように、センタリング面Cと平行な平面Lを再構成するとき、この再構成面Lはセンタリング面の単純な拡大縮小になっているので、横方向( Xcp )のデータ選択は同一になるため計算は一度で済み、縦方向( Zcp )のデータ選択の計算が非常に容易になる。
このようにこの第3の実施の形態によれば、逆投影時の重みも平面全体で同一になるので一度で済む。従って、一枚の画像再構成が格段に高速化できる。
また、画像再構成処理装置の構成も、より単純な構成で再構成可能である。例えば、画像全体の拡大縮小、画像全体への均一な係数の乗算などの機能で達成できる。
【0103】
この発明の第4の実施の形態を図33及び図36を参照して説明する。
【0104】
再構成画像は、( 式1 )とは別に、次式により定義される。基本的には、この定義式は内容的には( 式1 )と同一である。
【数17】
Figure 0003913798
【0105】
なお、この定義式において、ある位相θについての逆投影演算Back( θ,データ )について、次の条件( 場合分け )が成立する。なお、図33に示すように、Back( θ,Dn)は、ある位相θについてのn回転目の逆投影演算であり、Back( θ,D(n+1))は、同じ位相θについてのn+1回転目の逆投影演算である。
Overlap 逆投影する位相の場合( θが重複角αの範囲内に該当する場合 ):
Back( θ,データ )=Back( θ,Dn)・w+ Back( θ,D(n+1))・( 1−w )
その他の位相の場合:
Back( θ,データ )=Back( θ,Dn)
となる。
【0106】
以下、この定義式について説明する。
一度に1枚の画像を再構成する再構成方法。
1.再構成処理制御部21は、第1の逆投影部24により、焦点軌跡と再構成面の位置関係から逆投影に必要なデータ範囲を計算し、コンボリューションデータData-Conv をセンタリング面に射影してセンタリングデータを作成する。
そのとき、それぞれの位相がOverlap 逆投影が必要な位相か否かを判断し、必要な位相ならN回転目のデータDnをwで重み付けして、重み付きセンタリング面射影データData-Center-Wtを作成し、第2の逆投影部26により、その射影データを通常通りボクセルへ逆投影する。
2.次に、その逆投影が必要な位相について、N+1回転目のデータD(n+1)を(1-w) で重み付けして、重み付きセンタリング面射影データData-Center-Wt´を作成し、その射影データを通常通り逆投影する。
3.1及び2の処理を、Overlap なしで計算した必要な角度分(例えば、360 °分)繰り返して逆投影する。
このことにより、Overlap ありの必要な角度分(例えば、360 °+Overlap 角度分)だけ逆投影して、画像を再構成することになる。
以上により、重み付きOverlap 逆投影ができる。
なお、この3次元再構成処理の流れを図34に示す。
Overlap 逆投影が必要な位相のN回転目とN+1回転目のデータ、その他の位相のデータの逆投影順序は限定しない。
1回転360 ゜のデータ逆投影後にOverlap 角度のデータを追加逆投影しても良い。また、Overlap 角度のデータの2回転分の逆投影は一度に行っても良い。
【0107】
また、一度に複数枚( 1枚の場合も含む )の画像を再構成する再構成方法。 1.再構成処理制御部21は、第1の逆投影部24により、逆投影に必要な位相(例えば360 °)のコンボリューションデータData-Conv を全て通常通りセンタリング面へ射影してData-Center を得る。
【0108】
2.再構成処理制御部21は、各再構成面毎に、Overlap 逆投影が必要な位相を計算する。
【0109】
3.再構成処理制御部21は、射影データData-Center を各再構成面のvoxel 列に逆投影する際に、Overlap 逆投影が必要な位相なら逆投影の重みWt-Back にOverlap 逆投影の重みWt-OL を乗じた重みを発生させて逆投影し、そうでない位相なら通常の逆投影の重み付けをして、第2の逆投影部26により逆投影する。
θがOverlap 不要な場合:Data-Back(θ) = Wt-Back×Wt-OL ×Data-Center
θがOverlap 必要な場合:Data-Back(θ) = Wt-Back×Data-Center
4.3の処理を繰り返し、必要な角度(例えば360 °+Overlap 角度=450°)分だけ逆投影する。
なお、この3次元再構成処理を図35に示す。
このとき、必要な角度逆投影するためのデータの範囲は画像によって異なり、例えば、画像Eは1 〜1250ビュー( 0 〜450 ° )、画像Dは250 〜1500ビュー( 100 〜550 ° )、画像Cは500 〜1750ビュー( 200 〜650 ゜ )、…というようになる。
上記2例ではセンタリング面を用いた方法を説明したが、センタリング面を用いなくてもコンボリューションデータ自体にOverlap 逆投影の重みWt-OL を乗じれば同様の逆投影を達成できる。従って、センタリング面法による3次元が逆投影法には限定されない。
このようにこの第4の実施の形態によれば、ヘリカルスキャンの場合に、画質改善を行うことができるOverlap 逆投影を処理時間の増大を抑制して実現することができる。
【0110】
なおここで、画像再構成処理制御部21が行う3次元画像再構成処理について、上述した第1乃至第4の実施の形態における各技術を必要に応じて取り入れ、組合わせて使用することができる。
図示しないが、次のような処理の流れの一例が考えられる。
【0111】
ステップ1( ST1 )の処理として、投影データData-Proj にX線強度補正、検出器感度補正などを処理して生データData-Rawを得る。
ステップ2( ST2 )の処理として、生データData-Rawを再構成関数とコンボリューション処理してコンボリューションデータData-Conv を得る。
ステップ3( ST3 )の処理として、スキャンがヘリカルスキャンでOverlap 逆投影するときにはData-Conv をデータの束ね(bundling)処理を行ったセンタリングデータData-Center を得る。
【0112】
ステップ4( ST4 )の処理として、Overlap 逆投影しつつ、複数枚の画像を同時再構成して高速に再構成して、この画像再構成処理を終了する。
【0113】
あるいは、前記ステップ2の処理の後、別のステップ3の処理として、スキャンがヘリカルスキャンでOverlap 逆投影するときには、Data-Conv をデータの束ね( bundling )処理とOverlap 逆投影の重み付け処理とを行ったセンタリングデータData-Center-Wtを得る。
別のステップ4の処理として、所定の角度(例えば360 ゜)逆投影して画像再構成する。
【0114】
あるいは、前記ステップ2の処理の後、さらに別のステップ3の処理として、スキャンがコンベンショナルスキャンのときには、Data-Conv をデータの束ね( bundling )処理を行ったセンタリングデータData-Center を得る。
さらに別のステップ4の処理として、所定の角度(例えば360 ゜)逆投影して画像再構成する。
【0115】
この発明の第5の実施の形態を図36及び図37を参照して説明する。
図36に示すように、N列の生データを非線形補間処理(例えばspline関数などでフィッティング処理)して、NN(例えば3N)列の仮想的検出器データを作成し、それぞれをコンボリューション処理後に逆投影する。なお、図36( a )は実際のサンプリング位置を示し、図36( b )はそのサンプリング位置Zreal(N) での出力値を斜線棒グラフで示し、その棒グラフをspline関数でフィッティングしたものを曲線で示し、図36( c )は図36( b )のspline関数から補間された位置Zinter(NN) での出力値を斜線棒グラフで示したものである。
【0116】
逆投影法はセンタリング面法を用いても良い。束ね処理には、前述の第1の実施の形態のバンドリングセンタリング列を用いる。
すなわち、
1.種々の補正処理された生データData-Rawは検出器列数N列存在する。これをData-Raw(N) と表す。
【0117】
2.画像再構成処理装置21は、同一チャンネルのデータを列方向にspline関数などでフィッティングする。
【0118】
3.次に実際のサンプリング位置(各列のZreal(N) 座標)の間の点 Zinter(NN) におけるデータData-Raw´(NN)をフィッティング関数から計算し、1列目とN列目の外側は外挿して、実際のサンプリング密度(トータルビーム厚NTでN点)よりもサンプリング密度の高い(NTでNN点)補間データ Data-Raw´(NN)を得る。
【0119】
実際のサンプリング位置(例えばZreal(2) )においては、実際のデータ(例えばData-Raw(2) )を補間データ(例えばData-Raw´(5) )とする。
【0120】
4.3の処理で補間して実際の検出器列数Nより列数を増やした補間生データData-Raw´(NN)をコンボリューション処理し、Data-Conv(NN) を得る。
【0121】
5.NN列のデータData-Conv(NN) をセンタリング処理し、Data-Center(NN) を得る。
【0122】
6.各ボクセル列の投影曲線からData-Center を各ボクセル列に逆投影する。
なお、センタリングは必ずしも必要ではない。この3次元再構成処理の流れを図37に示す。
2及び3の処理で、単なる非線形補間あるいは線形補間としても良い。
2及び3の処理で、NN数を多くし、センタリング処理後の逆投影における補間1を0次補間すなわちNearest Neighborにしても良い。
【0123】
2及び3の処理で、ある回転のある位相におけるデータだけを使って生データ列数を増やしたが、複数の回転におけるデータを使って生データ列数を増やしても良い。
【0124】
このようにこの第5の実施の形態によれば、5の処理で前述の第1の実施の形態で説明した束ね(bundling)処理を行えば、当初の目的(列数を増やしてそれを束ねて逆投影する)が達成できる。
【0125】
この発明の第6の実施の形態を図29、図38〜図40を参照して説明する。
この第6の実施の形態では、第2のデータメモリ25の容量を削減するための方法を説明する。
第2のデータメモリ25は、センタリングデータを記憶するためのメモリなので、センタリングデータの容量を削減すれば良い。しかし、センタリング列数( 正確にはセンタリング列の密度 )は大きい方が高精度な補間ができることは、第1の実施の形態の説明で述べた。
【0126】
図38は、ある画像Aを再構成するときの、ある位相φにおける画像A上のボクセル列VS( φ )とVE( φ )及びそのボクセル列のセンタリング面への投影曲線( 直線 )Vcs( φ )とVce( φ )を示す図である。
ある画像A( 四角状画像 )を再構成するために必要なセンタリングデータは、センタリング面の全領域を使用するのではなく、X方向はもちろんZ方向にはZcp(VE,φ) からZcp(VS,φ) の間のかなり限定された範囲( 台形状領域 )になる。 従って、センタリング列の密度を維持しつつ、第2のデータメモリ25の容量を削減するには、必要充分な範囲のセンタリングデータだけを第2のデータメモリ25に記憶させることである。
【0127】
すなわち、例えば図29の画像A〜Cを同時に再構成するときにはZcp座標正の領域のセンタリングデータだけを第2のデータメモリ25に記憶させれば良いので、第2のデータメモリ25に必要な記憶容量、センタリングデータ計算に必要な計算時間共に半分になる。
【0128】
ここで、さらに記憶容量を削減する方法を詳細に説明する。再構成は画像1枚づつ行うこととする。
【0129】
すなわち図39に示すように、画像Aを再構成するために必要なデータ範囲を計算し、その範囲だけのセンタリングデータを計算して第2のデータメモリ25に記憶させれば良い。但し、その範囲は正確には図39( c )の領域( 台形状の領域 )Qであるが、簡単のため、その領域Qを含む長方形の領域としても良い。Z方向の範囲限定の方がより効果的なので、X方向の範囲限定を無視して台形でなく長方形としてもメモリと計算量両方の削減効果は充分得られる。
【0130】
その動作を図39を参照して具体的に説明する。
1.画像再構成処理装置21は、( 焦点 )→( 再構成面 )ベクトルのZ座標成分Zv 、( 焦点 )→( 再構成面の端のボクセル列VS,VE )ベクトルのセンタリング面に垂直な方向の成分L(VS),L(VE)を計算し、それと焦点−回転中心間距離FCDと下式から必要なセンタリングデータの範囲のZ方向の上限と下限Zcp(VS,φ) 、Zcp(VE,φ) を求める。どちらが上限、下限かは、Zv の符号に依存する。φは焦点移動角である。
Zcp(VS,φ) =Zv ×L(VS,φ) / FCD
Zcp(VE,φ) =Zv ×L(VE,φ) / FCD…( 式18 )
2.画像再構成処理装置21は、Zcp(VS,φ) 、Zcp(VE,φ) 間をセンタリング列数(例えば10N)で分割して各々のセンタリング列の位置を計算し、それぞれのセンタリング列を検出器面への投影曲線からセンタリングデータを計算し、第2のデータメモリ25に記憶させる。
3.上の1の処理及び2の処理を繰り返して必要な角度のデータを全てセンタリング処理する。
4.画像再構成処理装置21は、第2の逆投影部26に指示してセンタリングデータを再構成面の全ボクセルに逆投影させる。
この3次元再構成処理の流れを図40に示す。
【0131】
以上でメモリ容量および計算量を削減したセンタリング面を用いた逆投影方法が実現できる。
さらに、狭い範囲Zcp(VS,φ) 〜Zcp(VE,φ) 間を多くのセンタリング列数( 10N )を使ってセンタリング処理できるので、補間の精度は高い。
【0132】
複数の再構成面を同時に再構成する場合にも応用でき、各平面を再構成するのに必要な範囲を計算し、必要な範囲だけをセンタリング処理し、第2のデータメモリ25に記憶すれば良い。
なお、必要な範囲が重複する場合にはさらにメモリ容量と計算量を削減できる。
【0133】
また、上記ほど正確に必要最小限にせず、上記計算による上下端より多少大きめの範囲を処理するとか、焦点より上側の再構成面の場合Midplaneから上側のデータだけをセンタリング面に射影するなどの方法でも良い。
【0134】
このようにこの第6の実施の形態によれば、メモリ容量と計算量を数列分( =3/20〜5/20) 程度あるいは半分( 例えば20列中の10列分=1/2) に削減でき、高速化、低価格化などかなりの効果がある。
【0135】
この発明の第7の実施の形態を図41を参照して説明する。
センタリング面への射影データ計算時に、センタリング面上の直線を検出器面へ投影した曲線あるいは、検出器面上の検出器列をセンタリング面へ投影した曲線( 投影曲線 )を計算し、センタリング面への射影データを計算する必要がある。ここで、( 式7の変形 )と( 式11の変形 )を下記に再掲する。
【0136】
【数18】
Figure 0003913798
【0137】
例えば、前者( センタリング面上の直線を検出器面へ投影した曲線 )のとき、直線上で細かくサンプリングした点(要するにセンタリング点全部)を検出器面へ投影して投影曲線を求めると計算量が膨大になる。ここでは、乗加算演算と三角関数(sin/cos) 演算の計算速度に差があり、乗加算演算の方が速い場合における計算時間短縮方法を説明する。
【0138】
( 式11の変形 )、( 式18 )、( 式19 )から導かれるように、各センタリング列の投影点のZ座標Zdet はセンタリングチャンネルに対しては非線形に変化するが、センタリング列のZ座標Zcpに対しては線形に変化することが判る。従って、センタリング列の上下端の列、第1 列と第NN列とを投影してZdet(1,k)、Zdet(NN,k) を求め、その距離を1/( NN−1 )で刻んだ位置が、各センタリング列を投影したZ座標Zdet(j,k)になる。
また、Xdet(k)はセンタリング列に依存しないので、全部の列で同一になる。
すなわち、
1.第1列の全センタリング点を検出器面に投影したときのX,Z座標を求め、その投影点を利用して第1列のセンタリングデータを計算する。
【0139】
Xdet(1,1),Xdet(1,2),…,Xdet(1,k),…,Xdet(1,Nc)
Zdet(1,1),Zdet(1,2),…,Zdet(1,k),…,Zdet(1,Nc)
2.第NN列の全センタリング点を検出器に投影したときのZ座標を求める。X座標は第1列の結果を流用する。その投影点を利用して第NN列のセンタリングデータを計算する。
【0140】
Xdet(NN,1 )=Xdet(1,1),Xdet(NN,2 )=Xdet(1,2),…,Xdet(NN,Nc)=Xdet(1,Nc)
Zdet(NN,1 ),Zdet(NN,2 ),…,Zdet(NN,k ),…,Zdet(NN,Nc)
3.第2列〜第( NN−1 )列のセンタリング点の投影点のX座標も第1列の結果を流用する。第j列、第k番目のセンタリング点のZ座標は下式で求める。投影点を利用して第j列、第k番目のセンタリングデータを計算する。
【0141】
Figure 0003913798
4.1〜3の処理を繰り返して全部のセンタリングデータを計算する。
この3次元再構成処理の流れを図41に示す。
【0142】
さらに、( 式20 )は( 式10 )より簡単なので、高速化できる。
【0143】
ところで、投影曲線は第1の実施の形態で説明したようにX方向( チャンネル方向 )に複雑な変化はないので、3次関数で充分精度の良い近似が可能である。そこで、投影曲線が3次関数で近似できる曲線であることを利用して高速化することが考えられる。
センタリング列を検出器面へ投影した投影曲線を求める方法を下記に記すが、この方法は検出器列をセンタリング面へ投影した投影曲線を求めてセンタリング面への射影データを計算する際にも同様の手法を適用できる。
【0144】
1.第k列のセンタリング列のセンタリング点( k(1) 〜k(2000)の2000点) を検出器面に投影する場合を考える。
【0145】
2.両端k( 1),k(2000)と適当な間隔のセンタリング点、例えばk(100 ),k(200 ),…,k(1900)を投影した点の検出器面上のXdet ,Zdet 座標Xdet(k(n)),Zdet(k(n))を計算する。例えば、両端と100 点間隔で合計21回計算し、21データを求める。
【0146】
3.Xdet(k(n)),Zdet(k(n))のそれぞれを適当な関数でフィッティングする。例えば3次自然spline関数などが良い。フィッティング関数によって、ある係数(1次と2次の導関数)Xdet ´( k(n)),Xdet ”( k(n)),Zdet ´( k(n)),Zdet ”( k(n))が求まる。
【0147】
4.次に、フィッティングした関数から全てのセンタリング点の近似投影点を計算する。例えばk(100) とk(200) の間のセンタリング点k(j) の投影点を求める場合の計算式は、
h=k( 200)−k(100)
a=( k( 200)−k(j))/h,b=( k(j) −k(100))/h
として、
【数19】
Figure 0003913798
【0148】
である。
【0149】
フィッティング関数から計算したセンタリング点の近似投影点からセンタリングデータを求める。
【0150】
5.上記処理を繰り返して必要なセンタリングデータを全て求める。
【0151】
上記方法で、第1列と第NN列とには限定されず、必要な列の上下端などでよい。
【0152】
この得られた上式を前掲したXdet 及びZdet の式と比較すると、Xにおいて三角関数の計算がないことが分かる。
【0153】
このようにこの第7の実施の形態によれば、センタリングデータの計算時に、第1列のセンタリングデータの計算結果を利用して他の列のセンタリングデータを計算することにより、計算処理時間を短縮することができる。
【0154】
なお、ここでは、上述した各実施の形態を利用して画像再構成制御部21が再構成する際に行う処理の流れの一例を説明する。
例えば次の処理の流れが考えられる。
ステップ1の処理として、生データData-Rawを補間処理し、検出器列方向にサンプリング密度を密にしたデータData-Raw´を得、再構成関数とコンボリューション処理してData-Conv を得る。
【0155】
ステップ2の処理として、目的とする画像再構成に必要なセンタリングデータの範囲を計算する。Zcp(VS,φ) 〜Zcp(VE,φ) であったとする。
【0156】
ステップ3の処理として、Zcp(VS,φ) 〜Zcp(VE,φ) のセンタリング列であるVs(φ) 、Vve( φ) を上下端として、計算結果を流用しつつ高速にセンタリングデータData-Center を計算する。
このときのセンタリング列数は、オリジナルの検出器列数より多い適切な列数である。
【0157】
ステップ4の処理として、第2の逆投影部26により、逆投影し、画像再構成を完了する。
【0158】
なお、この処理の流れにおいて、種々の数、補間方法等の限定はなく、センタリング面を利用して逆投影するものに限定されるものでもなく、従って、他の逆投影法へも適用可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、コーンビームを使用して撮影された画像の正確な再構成処理にかかる時間を短縮することができる画像再構成処理装置を提供できる。
また、この発明によれば、コーンビームを使用してヘリカルスキャン方式で撮影したときの画質改善を実用的に容易に実現することができる画像再構成処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のX線CT装置を示すの構成図。
【図2】同実施の形態のX線CT装置のガントリを示す外観図
【図3】同実施の形態のX線CT装置のジオメトリを説明するための図。
【図4】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部の要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列の検出器面への投影を示す図。
【図6】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列の検出器面上の投影曲線を示す図。
【図7】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列の検出器面上の投影曲線を説明するための図。
【図8】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列、センタリング面、検出器面とそれぞれの変数および端点と中心点の定義を示すセンタリング面を示す図。
【図9】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列の検出器面への投影曲線、ボクセル列及びボクセル列のセンタリング面への投影曲線を示す図。
【図10】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるボクセル列及びセンタリング面を示す図。
【図11】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列のボクセルへの投影曲線、検出器列及び検出器列のセンタリング面への投影曲線を示す図。
【図12】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるセンタリング面上での補間処理などのデータのリサンプリングを説明するための図。
【図13】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における3次元再構成処理の流れを示す図。
【図14】同実施の形態のX線CT装置で使用されるX線検出器の他の例としての平面型X線検出器を示す図。
【図15】同実施の形態の平面型X線検出器を使用したX線CT装置におけるボクセル列と平面型X線検出器との位置関係を示す図。
【図16】同実施の形態の平面型X線検出器を使用したX線CT装置におけるボクセル列の平面型X線検出器の検出器面への投影曲線を示す図。
【図17】同実施の形態の平面型X線検出器を使用したX線CT装置におけるボクセル列のセンタリング面への投影曲線を示す図。
【図18】検出器列のボクセルへの逆投影における1回補間の例を説明するための図。
【図19】検出器列のボクセルへの逆投影における2回補間の例を説明するための図。
【図20】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列をボクセルへの逆投影における高精度な2回補間の第1の例を説明するための図。
【図21】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列をボクセルへの逆投影における高精度な2回補間の第2の例を説明するための図。
【図22】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における5列の検出器列のセンタリング面への投影曲線、センタリング列の数を5列としたときのボクセル列のセンタリング面への投影直線と重み付けされるセンタリング列及びセンタリング列の数を10列としたときのボクセル列のセンタリング面への投影直線と重み付けされるセンタリング列を示す図。
【図23】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列におけるある22チャンネル間のデータ補間の例を説明するための図。
【図24】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列におけるある22チャンネル間のデータ補間の補間方法1を示す図。
【図25】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における検出器列におけるある22チャンネル間のデータ補間の補間方法2を示す図。
【図26】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるバンドリングセンタリング列を説明するための図。
【図27】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるバンドリングセンタリング列を使用した3次元再構成処理の流れを示す図。
【図28】この発明の第2の実施の形態のX線CT装置におけるX線源の1画像分に必要な回転を示す軌跡及びこの軌跡に関する各種角度を示す図。
【図29】同実施の形態のX線CT装置におけるある位相θでのコーンビームと5枚のスライス画像A〜画像Eの関係を示す図。
【図30】同実施の形態のX線CT装置におけるボクセルVaからボクセルVbまで逆投影するときの各スライス画像A〜Eのセンタリング面への投影曲線(直線)を示す図。
【図31】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部における第1枚目の画像再構成の計算結果を他の画像の再構成に利用する3次元再構成処理の流れを示す図。
【図32】この発明の第3の実施の形態のX線CT装置におけるセンタリング面と再構成する画像との関係を示す図。
【図33】この発明の第4の実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるOverlap 逆投影を説明するための図。
【図34】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるOverlap 逆投影を実現する第1の例としての3次元再構成処理の流れを示す図。
【図35】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるOverlap 逆投影を実現する第2の例としての3次元再構成処理の流れを示す図。
【図36】この発明の第5の実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるX線検出器からの生データの非線形補間処理を説明するための図。
【図37】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるコンボリューションを行う前にサンプリング密度を高めるため生データを補間する3次元再構成処理の流れを示す図。
【図38】この発明の第6の実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるある画像Aを再構成するときの、ある位相φにおける画像A上のボクセル列VS( φ )とVE( φ )及びそのボクセル列のセンタリング面への投影曲線( 直線 )Vcs( φ )とVce( φ )を示す図。
【図39】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるセンタリング面の範囲限定を説明するための図。
【図40】同実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるセンタリング範囲を限定してセンタリング処理を行う3次元再構成処理の流れを示す図。
【図41】この発明の実施の形態のX線CT装置の再構成処理部におけるセンタリング面の第1列の検出器面への投影座標の計算結果を他の列のセンタリング計算にも利用する3次元再構成処理の流れを示す図。
【図42】従来例のX線CT装置におけるファンビーム構成及びFOVを示す図。
【図43】同従来例のX線CT装置におけるピクセルを説明するための図。
【図44】従来例のX線CT装置におけるファン−パラ変換法を説明するための図。
【図45】従来例のX線CT装置におけるセンタリング軸を使用したファンビーム再構成法を説明するための図。
【図46】従来例のX線CT装置におけるコーンビームを示す図。
【図47】従来例のX線CT装置におけるコーンビームに対するボクセルを説明するための図。
【図48】従来例のファンビームを使用したX線CT装置における検出器データのピクセルへの逆投影を説明するための図。
【図49】従来例のコーンビームを使用したX線CT装置における検出器データのボクセルへの逆投影を説明するための図。
【図50】X線CT装置におけるスキャン方法を示す図。
【符号の説明】
3…X線源、
5…X線検出器、
12…再構成処理部、
21…再構成処理制御部、
22…コンボリューション演算部、
23…第1のデータメモリ、
24…第1の逆投影部、
25…第2のデータメモリ、
26…第2の逆投影部、
27…画像メモリ。

Claims (4)

  1. X線源から放射されたX線を対象物に照射し、この対象物を透過したX線を円弧状のX線検出器により検出し、このX線検出器から得られた検出データに基づいて、前記対象物の断面画像を再構成する画像再構成処理装置において、
    前記X線検出器による前記対象物を透過したX線の検出により得た検出データを3次元的に空間配置された画素であるボクセルへ逆投影して、前記対象物の断面画像を再構成するために、
    前記X線検出器により得られた検出データを、列方向に束ねて、予め設定された面へ逆投影する第1段階逆投影手段と、前記面に逆投影されたデータを該当するボクセルに逆投影する第2段階逆投影手段とを設けたことを特徴とする画像再構成処理装置。
  2. 前記X線検出器による前記対象物を透過したX線の検出により得た検出データに対して、そのサンプリング密度が高まるように、列方向に補間処理を行う補間処理手段と、
    この補間処理手段により補間処理されたデータに対してコンボリューション変換を行うコンボリューション変換手段とを備え、
    第1段階逆投影手段は、コンボリューション及び重み付け処理されたデータを前記面へ逆投影することを特徴とする請求項1記載の画像再構成処理装置。
  3. オーバーラップする必要がある位相を求め、X線検出器からコンボリューションして得たデータのうちの前記オーバーラップする必要がある位相に該当するN回転目及びN+1回転目のコンボリューションデータに対して、オーバーラップ逆投影用の重み付けを行うオーバーラップ重み付け手段とを備え、
    第1段階逆投影手段は、コンボリューション及び重み付け処理されたデータを前記面へ逆投影することを特徴とする請求項1記載の画像再構成処理装置。
  4. 前記第1段階逆投影手段は、前記面のセンタリング点を検出器面へ投影した点を求める投影点関数を計算し、この計算した投影点関数を所定の関数でフィティングし、このフィティングされた投影点関数をその導関数により展開した式により、前記面への逆投影を行うことを特徴とする請求項1記載の画像再構成処理装置。
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