JP2002078378A - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置およびモータ制御方法

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JP2002078378A
JP2002078378A JP2000254949A JP2000254949A JP2002078378A JP 2002078378 A JP2002078378 A JP 2002078378A JP 2000254949 A JP2000254949 A JP 2000254949A JP 2000254949 A JP2000254949 A JP 2000254949A JP 2002078378 A JP2002078378 A JP 2002078378A
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JP2000254949A
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English (en)
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Kozo Kishida
孝三 岸田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを休止させることなく,モータの過熱
を防止する。 【解決手段】 キャリッジの第i回目の主走査方向の移
動の際に,時間間隔Δtごとにモータに通電される電流
値Ii,jが求められる(ステップS1)。そして,求
められた電流の絶対値|Ii,j|と時間間隔Δtとの
積が求められる(ステップS2)。続いて,この積|I
i,j|・Δtと前回までの積算値Si, j−1とが加
算される(ステップS3)。続いて,積算値Si,j
上限温度積算値α,および通常時温度積算値βとが比較
され(ステップS4),Si,j≧αならば,次のキャ
リッジの移動の際の定速度が通常の速度Vよりも小さ
な速度Vに変更され(ステップS5),S i,j≦β
ならば,次のキャリッジの移動の際の定速度が通常の速
度Vに変更される(ステップS9)。また,α>S
i,j>βならば,定速度の変更はされない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,モータに通電する
電流を制御して,当該モータの回転を加速した後,あら
かじめ定められた定速回転速度で当該モータを回転さ
せ,その後当該モータの回転を停止させるモータ制御装
置に関する。また,本発明は,当該モータ制御装置を備
えた記録装置に関する。さらに,本発明は,モータ制御
方法およびコンピュータ読み取り可能なモータ制御プロ
グラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷用紙のような被記録材に記録データ
の記録を行う記録装置,たとえばインク・ジェット・プ
リンタには,記録ヘッドを備えたキャリッジを往復移動
させるキャリッジ・モータ,被記録材を給紙する給紙モ
ータ,被記録材を搬送する紙送りモータ(搬送モータ)
等の種々のモータが使用されている。
【0003】これらのモータは,連続的に回転されると
過熱し,その定格により定められた所定の動作を行わな
くなったり,焼損したりすることがある。したがって,
従来,このようなモータの過熱を防止する方法として,
モータの連続回転の合間をみて,モータを放熱させるた
めに,所定の時間,モータの回転を休止させる方法が取
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,たとえばキャ
リッジ・モータを所定の時間休止させると,キャリッジ
もその動作を停止するために,印刷を行うことができ
ず,印刷の処理速度(すなわちスループット)が低下す
るという問題が生じていた。
【0005】本発明は,このような状況に鑑みなされた
ものであり,その目的は,モータを休止させることな
く,モータの過熱を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に,本願請求項1に記載の発明に係るモータ制御装置
は,モータに通電する電流を制御して,当該モータの回
転を加速した後,あらかじめ定められた定速回転速度で
当該モータを回転させ,その後当該モータの回転を停止
させるモータ制御装置であって,前記モータに通電され
る電流量の積算値である通電電流量積算値を求める通電
電流量積算手段と,前記通電電流量積算値から,前記モ
ータに通電されていないときに前記モータが放熱した熱
量に対応する電流量の換算値である,放熱量対応電流量
積算値を減算し,前記モータに蓄積された熱量に対応す
る熱量対応電流量積算値を求める熱量対応電流量積算手
段と,前記熱量対応電流量積算値を,前記モータの上限
温度に対応する電流量の積算値である,あらかじめ定め
られた上限温度積算値と比較する上限積算値比較手段
と,前記上限積算値比較手段による比較の結果,前記熱
量対応電流量積算値が前記上限温度積算値以上の場合に
は,前記モータの回転速度を,前記あらかじめ定められ
た定速回転速度より小さくなるように,前記モータに通
電する電流値を制御する電流値制御手段とを備えてい
る,ことを特徴とする。
【0007】本願請求項1に記載の発明に係るモータ制
御装置によると,モータに通電される電流量の積算値で
ある通電電流量積算値を求め,この通電電流量積算値か
らモータに通電されてないときにモータが放熱した熱量
に対応する放熱量対応電流量積算値を減算し,モータに
蓄積された熱量に対応する熱量対応電流量積算値を求め
る。この熱量対応電流量積算値は,モータの上限温度に
対応する電流量の積算値である,あらかじめ定められた
上限温度積算値と比較される。ここで,モータに供給さ
れる電力量は,モータに通電される電流量の積算値に比
例する。一方,モータに供給される電力量の一部は,熱
に変換されて,モータの温度を上昇させる。このモータ
に供給される電力量とモータの温度上昇とは相関関係を
有するので,モータに通電される電流量の積算値とモー
タの温度上昇との間にも相関関係がある。したがって,
モータに通電される電流量の積算値からモータに通電さ
れてないときにモータが放熱した熱量に対応する積算値
を減算し,モータに蓄積された熱量に対応する熱量対応
電流量積算値を求め,これをモータの上限温度に対応す
る電流量の積算値である,あらかじめ定められた上限温
度積算値と比較することによって,モータの過熱の状態
を知ることができる。そして,比較の結果,熱量対応電
流量積算値が上限温度積算値以上の場合には,モータの
定速回転時の回転速度が,あらかじめ定められた定速回
転速度より小さくなるように,モータに通電する電流値
が減少される。
【0008】ここで,モータの定速回転速度を減少させ
ると,モータに通電される電流量が減少する。したがっ
て,定速回転速度を小さくすることにより,モータを停
止させることなく,モータの過熱を防止することができ
る。
【0009】本願請求項2に記載の発明に係るモータ制
御装置は,請求項1において,前記通電電流量積算手段
が,あらかじめ定められた時間間隔で前記モータに通電
される電流の値を測定して,その絶対値を求め,当該絶
対値と前記時間間隔とを乗算し,当該乗算値を,これま
でに計算された前記乗算値の和の値に加算して行くもの
である,ことを特徴とする。これにより,電流値の積算
値を簡単な計算により求めることができる。
【0010】本願請求項3に記載の発明に係るモータ制
御装置は,請求項1において,前記通電電流量積算手段
が,あらかじめ定められた時間間隔で前記モータに通電
される電流の値を測定して,その絶対値を求めるととも
に,前記モータの回転開始から停止に至るまでの前記絶
対値の平均値と,前記回転開始から停止に至るまでの時
間との積を求め,当該積を,これまでに求められた前記
積の和の値に加算して行くものである,ことを特徴とす
る。
【0011】本願請求項3に記載の発明に係るモータ制
御装置によると,電流値の積算値を簡単な計算により求
めることができるとともに,モータの停止後に絶対値を
求め,かつ,積および和の値を求めることができる。し
たがって,モータを制御している間のモータ制御装置の
負荷を軽減することができる。
【0012】本願請求項4に記載の発明に係るモータ制
御装置は,請求項1から3のいずれか1項において,前
記熱量対応電流量積算値を,前記モータの通常時温度に
対応する電流量の積算値である,あらかじめ定められた
通常時温度積算値と比較する通常時積算値比較手段と,
前記通常時積算値比較手段による比較の結果,前記熱量
対応電流量積算値が前記通常時温度積算値以下の場合に
は,前記モータの回転速度を,前記あらかじめ定められ
た定速回転速度になるように,前記モータに通電する電
流値を制御する電流値制御手段とを備えている,ことを
特徴とする。
【0013】本願請求項4に記載の発明に係るモータ制
御装置によると,モータに通電される電流量の積算値を
求め,この積算値からモータに通電されてないときにモ
ータが放熱した熱量に対応する積算値を減算し,モータ
に蓄積された熱量に対応する熱量対応電流量積算値を求
める。この熱量対応電流量積算値は,モータの通常時温
度に対応する電流量の積算値である,あらかじめ定めら
れた通常時温度積算値と比較される。
【0014】本願請求項1に記載の発明と同様にモータ
に供給される電力量とモータの温度上昇とは相関関係を
有し,同様にモータの温度下降とも相関関係を有するの
で,モータに通電される電流量の積算値とモータの温度
下降との間にも相関関係がある。したがって,モータに
通電される電流量の積算値が求め,この積算値から前記
モータに通電されてないときに前記モータが放熱した熱
量に対応する積算値を減算し,モータに蓄積された熱量
に対応する熱量対応電流量積算値を求め,これをモータ
の通常時温度に対応する電流量の積算値である,あらか
じめ定められた通常時温度積算値と比較することによっ
て,モータの冷却の状態を知ることができる。そして,
比較の結果,熱量対応電流量積算値が通常時温度積算値
以下の場合には,モータの回転速度が,あらかじめ定め
られた定速回転速度になるように,モータに通電する電
流値が増加される。
【0015】したがって,モータの過熱により定速回転
速度より小さい回転速度になっていたモータの回転速度
を,モータを停止させることなく,モータが十分冷却さ
れた時点で,定速回転速度に戻すことができる。
【0016】本願請求項5に記載の発明に係るモータ制
御装置は,請求項4において,前記上限積算値比較手段
による比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前記上
限温度積算値より小さく,かつ前記通常時積算値比較手
段による比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前記
通常時温度積算値より大きい場合には,前記モータの回
転速度を変更しないように,前記モータに通電する電流
値を制御する電流値制御手段とを備えている,ことを特
徴とする。
【0017】本願請求項5に記載の発明に係るモータ制
御装置によると,上限積算値比較手段,および通常時積
算値比較手段による比較の結果,熱量対応電流量積算値
が,上限温度積算値より小さく,かつ通常時温度積算値
より大きい場合には,モータの回転速度を変更しないよ
うに制御される。すなわち,これは熱量対応電流量積算
値が,上限温度積算値以上の値になるまでは,モータ回
転速度を定速回転速度に維持し,上限温度積算値以上の
値になった時点で,モータ回転速度を定速回転速度より
低い回転速度に変更し,通常時温度積算値以下の値にな
るまでは,モータ回転速度を定速回転速度より低い回転
速度に維持し,通常時温度積算値以下の値になった時点
で,モータ回転速度を定速回転速度に変更する電流制御
手段を備えたモータ制御装置である。言い替えれば,モ
ータ温度が,上限温度以上になるまでは,モータ回転速
度を定速回転速度に維持し,上限温度以上になった時点
で,モータ回転速度を定速回転速度より低い回転速度に
変更し,通常時温度以下になるまでは,モータ回転速度
を定速回転速度より低い回転速度に維持し,通常時温度
以下になった時点で,モータ回転速度を定速回転速度に
変更する電流制御手段を備えたモータ制御装置である,
と言える。
【0018】したがって,モータの過熱により定速回転
速度より小さい回転速度になっていたモータの回転速度
を,モータを停止させることなく,モータが十分冷却さ
れた時点で,定速回転速度に戻すことができる。
【0019】本願請求項6に記載の発明に係るモータ制
御装置は,請求項1から5のいずれか1項において,前
記電流値制御手段が,前記モータが一旦停止した後,次
の回転における回転速度を変更するものである,ことを
特徴とする。
【0020】モータの加速中や,減速中,定速回転速度
で回転している最中に,回転速度を変更する場合には,
減速制御,あるいは加速制御等が必要となり,制御が複
雑となるが,次の回転における回転速度を変更する場合
には,これらの制御が不要となり,制御が簡単となる。
したがって,本願請求項6に記載の発明に係るモータ制
御装置によると,モータの制御を簡単にすることができ
る。
【0021】本願請求項7に記載の発明に係る記録装置
は,被記録材を給送する給紙ローラと,給送された被記
録材を副走査方向に搬送する紙送りローラと,記録ヘッ
ドを有し主走査方向に往復動するキャリッジと,前記給
紙ローラを回転させる給紙モータと,前記紙送りローラ
を回転させる紙送りモータと,前記キャリッジを往復動
させるキャリッジ・モータとを備えている記録装置にお
いて,前記給紙モータ,前記紙送りモータ,および前記
キャリッジ・モータの少なくとも1つに請求項1から6
のいずれか1項に記載のモータ制御装置が設けられてい
る,ことを特徴とする。
【0022】本願請求項7に記載の発明に係る記録装置
によると,記録装置において,前述した本願請求項1か
ら6のいずれか1項に記載の発明による作用効果を得る
ことができる。
【0023】本願請求項8に記載の発明に係るモータ制
御方法は,モータに通電する電流を制御して,当該モー
タの回転を加速した後,あらかじめ定められた定速回転
速度で当該モータを回転させ,その後当該モータを停止
させるモータ制御方法であって,前記モータに通電され
る電流量の積算値である通電電流量積算値を求め,前記
通電電流量積算値から,前記モータに通電されていない
ときに前記モータが放熱した熱量に対応する電流量の換
算値である,放熱量対応電流量積算値を減算し,前記モ
ータに蓄積された熱量に対応する熱量対応電流量積算値
を求め,前記熱量対応電流量積算値を,前記モータの上
限温度に対応する電流量の積算値である,あらかじめ定
められた上限温度積算値と比較し,前記比較の結果,前
記熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値以上の場
合には,前記モータの回転速度を,前記あらかじめ定め
られた定速回転速度より小さくなるように,前記モータ
に通電する電流値を制御する,ことを特徴とする。本願
請求項8に記載の発明に係るモータ制御方法によると,
前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果を
得ることができる。
【0024】本願請求項9に記載の発明に係るモータ制
御方法は,請求項8において,前記熱量対応電流量積算
値を,前記モータの通常時温度に対応する電流量の積算
値である,あらかじめ定められた通常時温度積算値と比
較し,前記比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前
記通常時温度積算値以下の場合には,前記モータの回転
速度を,前記あらかじめ定められた定速回転速度になる
ように,前記モータに通電する電流値を制御する,こと
を特徴とする。本願請求項9に記載の発明に係るモータ
制御方法によると,前述した本願請求項4に記載の発明
と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】本願請求項10に記載の発明に係るモータ
制御方法は,請求項9において,前記比較の結果,前記
熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値より小さ
く,かつ前記熱量対応電流量積算値が前記通常時温度積
算値より大きい場合には,前記モータの回転速度を変更
しないように,前記モータに通電する電流値を制御す
る,ことを特徴とする。本願請求項10に記載の発明に
係るモータ制御方法によると,前述した本願請求項5に
記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】本願請求項11に記載の発明に係るコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体は,モータに通電する電
流を制御して,当該モータの回転を加速した後,あらか
じめ定められた定速回転速度で当該モータを回転させ,
その後当該モータを停止させるモータ制御をコンピュー
タに実行させるモータ制御プログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記モータに
通電される電流量の積算値である通電電流量積算値を求
める手順と,前記通電電流量積算値から,前記モータに
通電されていないときに前記モータが放熱した熱量に対
応する電流量の換算値である,放熱量対応電流量積算値
を減算し,前記モータに蓄積された熱量に対応する熱量
対応電流量積算値を求める手順と,前記熱量対応電流量
積算値を,前記モータの上限温度に対応する電流量の積
算値である,あらかじめ定められた上限温度積算値と比
較する手順と,前記比較の結果,前記熱量対応電流量積
算値が前記上限温度積算値以上の場合には,前記モータ
の回転速度を,前記あらかじめ定められた定速回転速度
より小さくなるように,前記モータに通電する電流値を
制御する手順と,を備えているモータ制御プログラムを
記録している,ことを特徴とする。本願請求項11に記
載の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体に
よると,前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作
用効果を得ることができるとともに,この記録媒体に記
録されたプログラムを読み取り,実行することができる
任意の記録装置に,前述した本願請求項1に記載の発明
と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0027】本願請求項12に記載の発明に係るコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体は,請求項11におい
て,前記熱量対応電流量積算値を,前記モータの通常時
温度に対応する電流量の積算値である,あらかじめ定め
られた通常時温度積算値と比較する手順と,前記比較の
結果,前記熱量対応電流量積算値が前記通常時温度積算
値以下の場合には,前記モータの回転速度を,前記あら
かじめ定められた定速回転速度になるように,前記モー
タに通電する電流値を制御する手順と,を備えているモ
ータ制御プログラムを記録している,ことを特徴とす
る。本願請求項12に記載の発明に係るコンピュータ読
み取り可能な記録媒体によると,前述した本願請求項4
に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとと
もに,この記録媒体に記録されたプログラムを読み取
り,実行することができる任意の記録装置に,前述した
本願請求項4に記載の発明と同様の作用効果をもたらす
ことができる。
【0028】本願請求項13に記載の発明に係るコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体は,請求項12におい
て,前記比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前記
上限温度積算値より小さく,かつ前記熱量対応電流量積
算値が前記通常時温度積算値より大きい場合には,前記
モータの回転速度を変更しないように,前記モータに通
電する電流値を制御する手順と,を備えているモータ制
御プログラムを記録している,ことを特徴とする。本願
請求項13に記載の発明に係るコンピュータ読み取り可
能な記録媒体によると,前述した本願請求項5に記載の
発明と同様の作用効果を得ることができるとともに,こ
の記録媒体に記録されたプログラムを読み取り,実行す
ることができる任意の記録装置に,前述した本願請求項
5に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】<インク・ジェット・プリンタ1
00の構成および印刷動作>図1は,本発明に係る「記
録装置」としてのインク・ジェット・プリンタ(以下,
単に「プリンタ」という。)100の概略構成を示す斜
視図である。図2は,図1に示すキャリッジ81および
このキャリッジ81を駆動するキャリッジ駆動装置の部
分を詳細に示す斜視図である。
【0030】プリンタ100の給紙部には,「被記録
材」としての印刷用紙(単票紙)Pがセットされる給紙
挿入口61と,給紙挿入口61にセットされた印刷用紙
Pを給送する給紙ローラ64と,給紙ローラ64を回転
させる給紙モータ60とが設けられている。給紙モータ
60はDCモータにより構成され,その回転/停止は制
御装置(図1には図示せず)により制御される。
【0031】プリンタ100の記録部(印刷部)には,
紙送り駆動ローラ71およびこの紙送り駆動ローラ71
に従動して回転する紙送り従動ローラ72から構成され
る紙送りローラと,紙送り駆動ローラ71を回転させる
紙送りモータ70と,キャリッジ81と,キャリッジ8
1に挿通するキャリッジ・ガイド軸82とが設けられて
いる。紙送りモータ70はDCモータにより構成され,
その回転/停止は制御装置(図1には図示せず)により
制御される。
【0032】キャリッジ81には,インク・カートリッ
ジ83が搭載されるとともに,印刷用紙Pに対向する部
分には,記録ヘッド84が取り付けられている。記録ヘ
ッド84の印刷用紙Pに対向する面には,図示しない複
数のインク・ジェット・ノズル(以下,単に「ノズル」
という。)からなるノズル列が形成されている。このノ
ズル列から,インク・カートリッジ83により供給され
たインクが印刷用紙Pに向けて吐出されることによっ
て,印刷(記録)が行われる。
【0033】記録部には,さらに,キャリッジ81の駆
動源であるキャリッジ・モータ80と,キャリッジ81
の移動速度および現在位置の検出に用いられるリニア・
エンコーダ88が設けられている。
【0034】キャリッジ・モータ80はDCモータによ
り構成され,その回転/停止は制御装置(図1および図
2には図示せず)により制御される。キャリッジ・モー
タ80のモータ出力軸には,駆動プーリ(モータ・ピニ
オン)85が取り付けられ,この駆動プーリ85と従動
プーリ86との間には,タイミング・ベルト87が巻回
されている。このタイミング・ベルト87はキャリッジ
81に連結されている。キャリッジ・モータ80の回転
により,タイミング・ベルト87が移動する。タイミン
グ・ベルト87の移動により,キャリッジ81は,キャ
リッジ・ガイド軸82に沿って印刷用紙Pの幅方向(主
走査方向)に往復移動するように構成されている。
【0035】リニア・エンコーダ88から前述した制御
装置には,キャリッジ81の移動に伴ってパルス信号が
与えられる。制御装置は,このパルス信号に基づいてキ
ャリッジ81の速度制御を行う。すなわち,制御装置に
よるキャリッジ81の制御は,フィードバック制御によ
り行われる。なお,キャリッジ81の非印刷領域には,
非印刷時に記録ヘッド84のノズルを封止するためのキ
ャッピング装置89が設けられている。
【0036】プリンタ100の排紙部には,排紙駆動ロ
ーラ91およびこの排紙駆動ローラ91に従動して回転
する排紙従動ローラ92から構成される排紙ローラと,
紙送りモータ70の駆動力を排紙駆動ローラ91に伝達
する歯車輪列73,74および75が設けられている。
【0037】このような構成を有するプリンタ100で
は,次のようにして印刷用紙Pに記録(印刷)が行われ
る。すなわち,給紙部では,制御装置により制御される
給紙モータ60が回転することにより,給紙ローラ64
が時計方向に回転する。これにより,印刷用紙Pは,紙
送りローラ71,72に向けて給送される。記録部で
は,制御装置により制御される紙送りモータ70が回転
することにより,紙送り駆動ローラ71と,これに従動
回転する紙送り従動ローラ72とが回転する。給送され
た印刷用紙Pは,紙送り駆動ローラ71と紙送り従動ロ
ーラ72との間を副走査方向に挟圧搬送され,キャリッ
ジ81側に送られる。
【0038】キャリッジ81は,制御装置により制御さ
れるキャリッジ・モータ80により,主走査方向に往復
動しながら記録ヘッド84からインク滴を印刷用紙Pに
吐出する。これにより,印刷用紙Pに印刷が行われる。
印刷用紙Pは,印刷終了後,排紙駆動ローラ91と排紙
従動ローラ92との間を搬送されて,プリンタ100の
外部に排紙される。
【0039】<キャリッジ・モータ80の速度制御>図
3は,プリンタ100におけるキャリッジ・モータ80
の制御部を示すブロック図である。キャリッジ・モータ
80の回転/停止の制御は,制御装置1(すなわち図1
および図2には図示しない制御装置)により行われる。
【0040】制御装置1は,プリンタ100に接続され
た外部のコンピュータ,ワープロ等の情報機器から記録
データを受信する。制御装置1は,受信した記録データ
に基づいてキャリッジ81の動作を制御し,記録データ
の印刷を行う。このキャリッジ81の動作の制御は,キ
ャリッジ・モータ80に通電する電流の値および通電時
間を制御することにより行われる。制御装置1は,モー
タ・ドライバ2に,キャリッジ・モータ80に通電すべ
き電流の値を,通電すべき時間の間与える。モータ・ド
ライバ2は,制御装置1から与えられた電流値を有する
電流をキャリッジ・モータ80に通電する。これによ
り,キャリッジ・モータ80は,回転を行う。
【0041】一方,リニア・エンコーダ88からは,キ
ャリッジ81の移動に伴い,パルス信号が制御装置1に
与えられる。このパルス信号の間隔,パルス数等から,
キャリッジ81の移動速度および現在位置を認識し,こ
れに基づいて,モータ・ドライバ2に与える電流値を修
正する。
【0042】図4(a)は,キャリッジ81が往路また
は復路を移動する際のキャリッジ81の移動速度と時間
との関係を示すグラフである。図4(b)は,同図
(a)に示す移動速度でキャリッジ81が移動する際
に,キャリッジ・モータ80に通電される電流と時間と
の関係を示すグラフである。
【0043】図4(a)に示すように,キャリッジ81
は,停止した状態から加速区間AおよびBにおいて加速
した後,定速区間Cであらかじめ定められた速度V
定速走行に移行し,その後,減速区間Dで減速して停止
する。通常,この定速区間Cにおいて,記録ヘッド84
のノズル列からインクが吐出されて,印刷が行われる。
【0044】図4(b)に示すように,加速区間Aで
は,ステップ状に増加する電流がキャリッジ・モータ8
0に通電される。その後,加速区間Bでは,一定の電流
が通電され,この一定の電流が減少することにより,キ
ャリッジ81は定速区間Cに移行する。減速区間Dで
は,ブレーキをかけるために,キャリッジ・モータ80
には一旦マイナスの値の電流が通電される。その後,電
流はプラスになり,さらにゼロになることにより,キャ
リッジ・モータ80(すなわちキャリッジ81)は停止
する。
【0045】このように,キャリッジ・モータ80に通
電される電流の絶対値は,定速走行時よりも加速走行時
の方が大きい。これは,キャリッジ81の加速時(すな
わちキャリッジ・モータ80の回転速度の加速時)に
は,定速走行時よりも大きなトルクが必要となるからで
ある。この加速時の電流の絶対値は,加速度が大きくな
るほど大きくなる。
【0046】定速走行区間は印字区間に対応しているの
で,キャリッジの移動開始位置および印字開始位置が同
じである場合には,キャリッジの移動開始から定速走行
に移行するまでの距離は一定となる。この一定の距離を
通過する間に速度ゼロから定速走行時の速度(以下「定
速度」という。)Vに加速するには,定速度Vが大
きいほど,大きな加速度が必要となる。したがって,定
速度Vが大きいほど,加速時に大きな電流(絶対値)
が必要となる。また,定速走行時に必要な電流値も,定
速度が大きいほど大きくなる。
【0047】一方,電流の絶対値の大小は,キャリッジ
・モータ80の発熱量の大小に関係する。すなわち,図
4(b)の斜線部の面積は,電流Iを時間tで積分した
積分値Sであり,電力量Pに比例する。また,電力量P
は,キャリッジ・モータ80が消費するエネルギーEで
ある。この消費するエネルギーEの一部が,キャリッジ
・モータ80が発する熱量Qに変換される。熱量Qとエ
ネルギーEとは相関関係(たとえば比例関係。以下同
じ。)を有し,キャリッジ・モータ80の温度上昇も,
熱量Qと相関関係を有する。したがって,キャリッジ・
モータ80の温度上昇の値は,積分値Sと相関関係を有
することとなる。
【0048】したがって,キャリッジ81の定速度V
を小さくすると,キャリッジ・モータ80に通電される
電流の絶対値が小さくなるので,積分値Sも小さくな
る。その結果,キャリッジ・モータ80の発熱量が減少
し,温度上昇率も減少することとなる。
【0049】本実施の形態では,このような前提の下
に,キャリッジ81の定速度Vの大きさ(すなわちキ
ャリッジ・モータ80の回転速度)を減少させることに
より,すなわち,キャリッジ・モータ80に通電される
電流値を減少させ,その結果,キャリッジ・モータ80
の温度上昇を抑えるようにしている。以下,その詳細な
内容について説明する。
【0050】図5は,キャリッジ・モータ80の温度に
応じて,キャリッジ81の定速度V を選択する処理の
流れを示すフローチャートである。図6は,電流の積算
値(積分値)Sの値に応じた定速度Vの値を示すテー
ブルである。
【0051】図6のテーブルにおいて,符号Vは,キ
ャリッジ・モータ80が過熱による回転速度制限を受け
ない場合におけるキャリッジ81の通常の定速度であ
る。符号Vは,キャリッジ・モータ80の温度がこれ
以上上昇すると,キャリッジ・モータ80が定格に示す
所定の動作を行わなくなる温度(以下「上限温度」とい
う。)T以上にある,または,そのまま回転を続ける
と上限温度T以上になるおそれがあるために,定速度
よりも小さくされた定速度である。定速度V は,
キャリッジ81の定速度がVのときに,キャリッジ・
モータ80の温度が上限温度Tを越えるくらいの高負
荷なキャリッジ81の稼働状態における,キャリッジ・
モータ80をその速度でキャリッジ81を移動させるこ
とにより発生するキャリッジ・モータ80の発熱と,キ
ャリッジ・モータ80が非通電時の放熱によるキャリッ
ジ・モータ80の温度が,上限温度T未満になり,さ
らに通常時のモータの温度(以下「通常時温度」とい
う。)T以下になるような速度が選ばれ,実験等によ
り求められる。
【0052】図5のフローチャートに示す処理は,制御
装置1に設けられた計時カウンタ(図示略)のカウント
値が変化するごとに実行される割込処理である。計時カ
ウンタは,キャリッジ81が停止した時にゼロに初期化
され,その後,キャリッジ81が往路または復路の移動
を開始すると,一定時間Δt(たとえば数マイクロ秒,
数十マイクロ秒)間隔ごとにカウント値nをカウント・
アップし,このフローチャートに示す割込処理を制御装
置1に実行させる。したがって,このフローチャートに
示す処理も,一定時間Δt間隔ごとに実行される。
【0053】まず,制御装置1は,この割込処理が開始
された時点でのキャリッジ・モータ80に通電されてい
る電流値Ii,jを求める(ステップS1)。ここで,
パラメータiは,プリンタ100に電源を投入した後の
キャリッジ81の移動回数(1〜n)を示し,パラメー
タjは,計時カウンタのカウント値(1〜m)の値を示
す。したがって,このフローチャートの処理は,キャリ
ッジ81の第i回目の移動において,移動を開始してか
ら第j回目の処理を示している。この電流値I
i,jは,モータ・ドライバ2がキャリッジ・モータ8
0に通電している電流値を測定することにより求めるこ
ともできるし,制御装置1がモータ・ドライバ2に与え
ている電流値を参照することによっても得られる。
【0054】続いて,制御装置1は,電流Ii,jの絶
対値|Ii,j|と一定時間Δtとの積|Ii,j|・
Δtを計算し(ステップS2),この積を,前回までの
熱量対応電流量積算値,すなわち電源投入後のキャリッ
ジ81の移動から第i回目の移動における第(j−1)
回までに積算された熱量対応電流量積算値Si,j−
に加算する(ステップS3)。
【0055】ここで,熱量対応電流量積算値は,キャリ
ッジ・モータ80に通電される電流量の積算値である通
電電流量積算値から,モータに通電されてないときにモ
ータが放熱した熱量に対応する放熱量対応電流量積算値
を減算した,キャリッジ・モータ80に蓄積された熱量
に対応する積算値である。
【0056】 Si,j=|Ii,j|・Δt+Si,j−1 …(1) すなわち,本実施の形態では,電流Iを時間tで積分し
た値である通電電流量積算値を,|Ii,j|・Δtの
総和に近似して求めている。
【0057】ここで,j=1,すなわち第i回目の移動
における最初の処理のときは,|I i,1|・Δtに初
期値Cが加算される。すなわち,以下の式(2)とな
る。
【0058】 Si,1=|Ii,1|・Δt+C (C:初期値) …(2) 初期値Cは,前回(第(i−1)回)のキャリッジ81
の移動時の熱量対応電流量積算値Si−1,mの値か
ら,前回のキャリッジ81の移動停止から今回のキャリ
ッジ81の移動開始までの間(すなわちモータの停止
中)に,キャリッジ・モータ80が放熱した熱量に対応
する電流量の積算値である放熱量対応電流量積算値γ・
tを差し引いた値である。
【0059】C=Si−1,m−γ・t …(3) ここで,符号γは,単位時間あたりの放熱量を電流値に
換算したものであり,実験等によりモータごとに求めら
れる。符号tは時間である。γも時間の関数γ(t)と
して求めることもできるし,定数に近似することもでき
る。また,符号mは,前回のキャリッジ81の移動時に
は,m回の割込処理による電流値の積算が行われたこと
を示す。
【0060】ただし,キャリッジ・モータ80が周囲の
温度(室温)と同じになると,キャリッジ・モータ80
の温度はそれ以上下降しないので,初期値Cについて
も,最小値Cminが定められる。式(3)の値が最小
値Cminより小さくなる場合には,初期値Cは最小値
minとされる。なお,この周囲の温度として,摂氏
20度,摂氏15度等と固定することもできるし,周囲
の温度を検知する温度センサを設け,この温度センサが
検知した温度に対応した最小値を選択することもでき
る。また,プリンタ100の電源投入後における最初の
キャリッジ移動時の初期値Cは,最小値Cminとされ
る。
【0061】これらのγの値,および最小値Cmin
制御装置1の内部メモリにあらかじめ記憶され,前回の
熱量対応電流量積算値Si−1,mは前回のキャリッジ
81の移動後に制御装置1の内部メモリに記憶される。
【0062】続いて,熱量対応電流量積算値Si,j
あらかじめ定められた上限温度積算値αと比較される
(ステップS4)。上限温度積算値αとは,キャリッジ
・モータ80の温度がこれ以上上昇すると,キャリッジ
・モータ80が定格に示す所定の動作を行わなくなる上
限温度Tに対応する熱量対応電流量積算値SMAX
下に設定された値をいう。好ましくは,現在の移動途中
において上限温度積算値αを超える場合もあるので,S
MAXから1回の移動において平均的に積算される通電
電流量積算値SAVEを差し引いた値α=SMAX−S
AVEに設定される。これにより,キャリッジ81の現
在の移動中に,キャリッジ・モータ80が上限温度を超
えるおそれが軽減される。なお,上限温度積算値αの値
は,実験等により求められ,制御装置1の内部メモリに
あらかじめ記憶される。
【0063】熱量対応電流量積算値Si,jが上限温度
積算値α以上であると(ステップS4でNo),次のキ
ャリッジ81の移動の際の定速度Vが図6に示すテー
ブルに従って通常の速度Vよりも小さな速度Vに設
定される(ステップS5)。
【0064】一方,熱量対応電流量積算値Si,jが上
限温度積算値α未満であると(ステップS4でYe
s),続いて熱量対応電流量積算値Si,jがあらかじ
め定められた通常時温度積算値βと比較される(ステッ
プS6)。通常時温度積算値βとは,キャリッジ・モー
タ80の温度がこれ以上下がらない下限温度Tに対応
する熱量対応電流量積算値Smin以上に設定された値
をいう。通常時温度積算値βは,上限温度Tに対応す
る熱量対応電流量積算値SMAXに対して十分な余裕が
あり,かつキャリッジ・モータ80への負荷が比較的少
ない温度範囲において,なるべく高い温度に相当する積
算値であることが,キャリッジ・モータ80の過熱を防
止しつつ,キャリッジ・モータ80が定速回転速度で回
転する比率を高くするという観点から好ましい。
【0065】熱量対応電流量積算値Si,jが通常時温
度積算値βより大きく(ステップS6でYes),キャ
リッジ81の移動の際の定速度Vが通常の速度V
あると(ステップS7でYes),次のキャリッジ81
の移動の際の定速度Vは図6に示すテーブルに従って
通常の速度Vに維持される(ステップS9)。また,
熱量対応電流量積算値Si,jが通常時温度積算値βよ
り大きく(ステップS6でYes),キャリッジ81の
移動の際の定速度Vが通常の速度Vよりも小さな速
度Vであると(ステップS7でNo),次のキャリッ
ジ81の移動の際の定速度Vは図6に示すテーブルに
従って通常の速度Vよりも小さな速度Vに維持され
る(ステップS8)。
【0066】熱量対応電流量積算値Si,jが通常時温
度積算値β以下であると(ステップS6でNo),次の
キャリッジ81の移動の際の定速度Vが図6に示すテ
ーブルに従って通常の速度Vに設定される(ステップ
S9)。
【0067】このようにして定速度の値を小さくするこ
とにより,次のキャリッジ81の移動時の通電電流量積
算値が小さくなり,これにより,キャリッジ・モータ8
0の発熱量を減少させることができる。
【0068】図7は,キャリッジ・モータ80の電流量
と熱量対応電流量積算値の関係を時間に対するグラフに
て具体例として示したものである。なお,説明を単純化
するために,キャリッジ・モータ80の定速回転部分だ
けを取り出して示してある。
【0069】図7の(a)の領域は、記録装置の電源投
入からn回目の記録動作完了までを示しており,n回目
の記録動作によってキャリッジ・モータ80の熱量対応
電流量積算値が,n回目の記録動作に基づく通電電流量
積算値の分だけ加算され,増加している。熱量対応電流
量積算値は上限温度積算値αより小さいので,キャリッ
ジ・モータ80の回転速度は定速度Vであり,キャリ
ッジ・モータ80に流れる電流量は定速度電流量であ
る。
【0070】図7の(b)の領域は、n回目の記録動作
完了からn+1回目の記録動作開始までを示しており,
キャリッジ・モータ80が停止しているので,キャリッ
ジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,放熱量対応
電流量積算値の分だけ減少している。
【0071】図7の(c)の領域は、n+1回目の記録
動作開始から完了までを示しており,熱量対応電流量積
算値はn+1回目の記録動作開始までにおけるキャリッ
ジ・モータ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通電
電流量積算値が加算されることになる。そして,熱量対
応電流量積算値が上限温度積算値α以上になったので,
次回の記録動作時のキャリッジ・モータ80の回転速度
は,定速度Vよりも低い回転速度の低速度Vに設定
される。
【0072】図7の(d)の領域は、n+1回目の記録
動作完了からn+2回目の記録動作開始までを示してお
り,キャリッジ・モータ80が停止しているので,キャ
リッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,前記
(b)の領域と同様に,放熱量対応電流量積算値の分だ
け減少している。
【0073】図7の(e)の領域は、n+2回目の記録
動作開始から完了までを示しており,熱量対応電流量積
算値はn+2回目の記録動作開始までにおけるキャリッ
ジ・モータ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通電
電流量積算値が加算されることになる。前回の記録動作
において,熱量対応電流量積算値が上限温度積算値α以
上になったので,キャリッジ・モータ80の回転速度は
定速度Vより低い回転速度の低速度Vであり,キャ
リッジ・モータ80に流れる電流量は定速度V より低
い回転速度の低速度V時の電流量である低速度電流量
となる。また,熱量対応電流量積算値は上限温度積算値
αより低い値となっているが,通常時温度積算値βより
高い値なので,次回の記録動作におけるキャリッジ・モ
ータ80の回転速度は,今回の回転速度と同じ定速度V
より低い回転速度の低速度Vに設定される。
【0074】図7の(f)の領域は、n+2回目の記録
動作完了からn+3回目の記録動作開始までを示してお
り,キャリッジ・モータ80が停止しているので,キャ
リッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,前記
(b)(d)の領域と同様に,放熱量対応電流量積算値
の分だけ減少している。
【0075】図7の(g)の領域は、n+3回目の記録
動作開始から完了までを示しており,熱量対応電流量積
算値はn+3回目の記録動作開始までにおけるキャリッ
ジ・モータ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通電
電流量積算値が加算されることになる。熱量対応電流量
積算値が通常時温度積算値β以下になったので,次回の
記録動作時のキャリッジ・モータ80の回転速度は,定
速度Vに戻されて設定される。
【0076】図7の(h)の領域は、n+3回目の記録
動作完了からn+4回目の記録動作開始までを示してお
り,キャリッジ・モータ80が停止しているので,キャ
リッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,前記
(b)(d)(f)の領域と同様に,放熱量対応電流量
積算値の分だけ減少している。
【0077】図7の(i)の領域は、n+4回目の記録
動作開始以降を示しており,熱量対応電流量積算値はn
+4回目の記録動作開始までにおけるキャリッジ・モー
タ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通電電流量積
算値が加算されることになる。前回の記録動作におい
て,熱量対応電流量積算値が通常時温度積算値β以下に
なったので,キャリッジ・モータ80の回転速度は定速
度Vであり,キャリッジ・モータ80に流れる電流量
は定速度電流量となる。
【0078】このようにして,熱量対応電流量積算値の
値に応じてキャリッジ・モータ80に流れる電流量を変
更することで,記録動作を途中で停止させることなく,
キャリッジ・モータ80の過熱を防止することが可能と
なる。
【0079】なお,図5のフローチャートに示す処理
は,制御装置1内に設けられたハードウェア回路によっ
て実現することもできるし,ソフトウェア・プログラム
として構成し,このソフトウェア・プログラムをCP
U,マイクロコンピュータ等で構成された制御装置1が
実行することにより実現することもできる。さらに,ソ
フトウェア・プログラムにより構成した場合には,この
ソフトウェア・プログラムをフロッピィ・ディスク,C
D−ROM等の記録媒体に記録することもできる。そし
て,制御装置1は,フロッピィ・ディスク・ドライブ,
CD−ROMドライブ等によってこの記録媒体に記録さ
れたプログラムを読み出し,実行することができる。
【0080】<他の実施の形態>また他の実施の形態と
しては,図5に示すフローチャートの処理を一部変更し
て次のようにすることもできる。すなわち,制御装置1
は,キャリッジ81の移動時には,時間間隔Δtで電流
値Ii,jのみを検知して,内部メモリに記憶する。キ
ャリッジ81の移動停止後に内部メモリに記憶された電
流値Ii,1からIi,m(mは記憶された電流値の個
数)の各絶対値およびこれら絶対値の平均値を求める。
続いて,この平均値と移動開始から移動停止に至るまで
に要した時間との積を求める。当該積と前回(第(i−
1)回)までの積との和を求め,この和の値を通電電流
量積算値とし,該通電電流量積算値から放熱量対応電流
量積算値を減じて熱量対応電流量積算値を求め,上限温
度積算値αおよび通常時温度積算値βと比較し,次のキ
ャリッジ81の定速度Vを決定する。
【0081】この処理では,キャリッジ81の移動中
は,電流値の検知のみが行われ,絶対値,平均値,積お
よび和を求める計算がすべてキャリッジ81の停止中に
行われる。したがって,キャリッジ81の移動中におけ
る制御装置1の負荷が軽減される。
【0082】さらに他の実施の形態としては,熱量対応
電流量積算値と通常時温度積算値βとの比較を行わず,
熱量対応電流量積算値と上限温度積算値αとの比較のみ
による実施も可能である。
【0083】図8は,上限温度積算値αとの比較のみに
よる実施の形態における,キャリッジ・モータ80の温
度に応じて,キャリッジ81の定速度Vを選択する処
理の流れを示すフローチャートであり,図9は,該実施
の形態における,電流の積算値(積分値)Sの値に応じ
た定速度Vの値を示すテーブルである。
【0084】図9のテーブルにおいて,符号Vおよび
符号Vの定義は,図6と同様である。また定速度V
は,キャリッジ81の定速度がVのときに,キャリッ
ジ・モータ80の温度が上限温度Tを越えるくらいの
高負荷なキャリッジ81の稼働状態における,キャリッ
ジ・モータ80をその速度にてキャリッジ81を移動さ
せることにより発生するキャリッジ・モータ80の発熱
と,キャリッジ・モータ80非通電時の放熱によるキャ
リッジ・モータ80の温度が,上限温度T未満になる
ような速度が選ばれ,実験等により求められる。
【0085】図8のフローチャートに示す処理は,制御
装置1に設けられた計時カウンタ(図示略)のカウント
値が変化するごとに実行される割込処理であり,同図中
のステップS1〜ステップS5までの処理は,図5と同
様である。
【0086】一方,積算値Si,jが上限温度積算値α
未満であると(ステップS4でYes),次のキャリッ
ジ81の移動の際の定速度Vが図9に示すテーブルに
従って通常の定速度Vに設定される(ステップS
6)。
【0087】このようにして定速度の値を小さくするこ
とにより,次のキャリッジ81の移動時の電流の積算値
が小さくなり,これにより,キャリッジ・モータ80の
発熱量を減少させることができる。
【0088】図10は,キャリッジ・モータ80の電流
量と熱量対応電流量積算値の関係を時間に対するグラフ
にて具体例として示したものである。なお,図7と同様
に説明を単純化するために,キャリッジ・モータ80の
定速回転部分だけを取り出して示してある。
【0089】図10の(a)の領域から(d)の領域ま
でについては,図7と同様である。図10の(e)の領
域は、n+2回目の記録動作開始から完了までを示して
おり,熱量対応電流量積算値はn+2回目の記録動作開
始までにおけるキャリッジ・モータ80の熱量対応電流
量積算値に,今回の通電電流量積算値が加算されること
になる。前回の記録動作において,熱量対応電流量積算
値が上限温度積算値α以上になったので,キャリッジ・
モータ80の回転速度は定速度Vより低い回転速度の
低速度Vであり,キャリッジ・モータ80に流れる電
流量は定速度V より低い回転速度の低速度V時の電
流量である低速度電流量となる。また,熱量対応電流量
積算値は上限温度積算値αより低い値となっているの
で,次回の記録動作におけるキャリッジ・モータ80の
回転速度は,定速度Vに戻されて設定される。
【0090】図10の(f)の領域は、n+2回目の記
録動作完了からn+3回目の記録動作開始までを示して
おり,キャリッジ・モータ80が停止しているので,キ
ャリッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,放熱
量対応電流量積算値の分だけ減少している。
【0091】図10の(g)の領域は、n+3回目の記
録動作開始から完了までを示しており,熱量対応電流量
積算値はn+3回目の記録動作開始までにおけるキャリ
ッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通
電電流量積算値が加算されることになる。前回の記録動
作において,熱量対応電流量積算値が上限温度積算値α
未満になったので,キャリッジ・モータ80の回転速度
は定速度Vであり,キャリッジ・モータ80に流れる
電流量は定速度電流量となる。また,熱量対応電流量積
算値が上限温度積算値α以上になったので,次回の記録
動作時のキャリッジ・モータ80の回転速度は,定速度
より低い回転速度の低速度Vに設定される。
【0092】図10の(h)の領域は、n+3回目の記
録動作完了からn+4回目の記録動作開始までを示して
おり,キャリッジ・モータ80が停止しているので,キ
ャリッジ・モータ80の熱量対応電流量積算値は,前記
(f)の領域と同様に,放熱量対応電流量積算値の分だ
け減少している。
【0093】図10の(i)の領域は、n+4回目の記
録動作開始以降を示しており,熱量対応電流量積算値は
n+4回目の記録動作開始までにおけるキャリッジ・モ
ータ80の熱量対応電流量積算値に,今回の通電電流量
積算値が加算されることになる。前回の記録動作におい
て,熱量対応電流量積算値が上限温度積算値α以上にな
ったので,キャリッジ・モータ80の回転速度は定速度
であり,キャリッジ・モータ80に流れる電流量は
定速度電流量となる。
【0094】このようにして,熱量対応電流量積算値の
値に応じてキャリッジ・モータ80に流れる電流量を変
更することで,記録動作を途中で停止させることなく,
キャリッジ・モータ80の過熱を防止することが可能と
なる。
【0095】図10に示した熱量対応電流量積算値のグ
ラフからも分かるように,熱量対応電流量積算値が上限
温度積算値α未満になった時点で,次のキャリッジ81
の移動の際の定速度Vが図9に示すテーブルに従って
通常の速度Vに設定されるため,熱量対応電流量積算
値は,一度,上限温度積算値αを越えると,上限温度積
算値α前後の値を維持し,現在の移動途中において上限
温度積算値αを大きく超える場合もある。故に,上限温
度積算値αは,SMAXから十分に余裕のある値である
必要があり,かつ長時間,上限温度積算値α前後の値に
対応するキャリッジ・モータ80の温度にて,キャリッ
ジ・モータ80を駆動してもキャリッジ・モータ80が
損傷したり,著しくキャリッジ・モータ80の寿命を縮
めることが無いような範囲で高い値に設定することが,
キャリッジ・モータ80を保護しつつ,高い記録処理効
率を実現する意味において好ましい。
【0096】さらに他の実施の形態としては,キャリッ
ジ・モータ80が停止している時間を計時せず,キャリ
ッジモータ80の放熱量対応電流量積算値を既定値とす
ることも,モータの停止時間があらかじめ既定される場
合において可能である。
【0097】また,前述した実施の形態では,キャリッ
ジ・モータ80を対象にしているが,キャリッジ・モー
タ80以外に給紙モータ60および紙送りモータ70に
も適用することができるのはいうまでもない。
【0098】さらに,キャリッジ・モータ80はDCモ
ータとしているが,ステッピング・モータにも適用する
ことができる。
【0099】
【発明の効果】本発明によると,モータの過熱の状態を
知ることができるとともに,モータを停止させることな
く,モータの過熱を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク・ジェット・プリンタの概略構成を示す
斜視図である。
【図2】図1に示すキャリッジおよびこのキャリッジを
駆動するキャリッジ駆動装置の部分を詳細に示す斜視図
である。
【図3】キャリッジ・モータの制御部を示すブロック図
である。
【図4】(a)は,キャリッジが往路または復路を移動
する際のキャリッジの移動速度と時間との関係を示すグ
ラフであり、(b)は,(a)に示す移動速度でキャリ
ッジが移動する際に,キャリッジ・モータに通電される
電流と時間との関係を示すグラフである。
【図5】キャリッジ・モータの温度に応じて,キャリッ
ジの定速度Vを選択する処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図6】熱量の積算値Si,jの値に応じた定速度V
の値を示すテーブルである。
【図7】キャリッジ・モータの電流量と熱量対応電流量
積算値の関係を時間に対するグラフにて具体例として示
したものである。
【図8】他の実施の形態における,キャリッジ・モータ
の温度に応じて,キャリッジの定速度Vを選択する処
理の流れを示すフローチャートである。
【図9】他の実施の形態における,熱量の積算値S
i,jの値に応じた定速度Vの値を示すテーブルであ
る。
【図10】他の実施の形態における,キャリッジ・モー
タの電流量と熱量対応電流量積算値の関係を時間に対す
るグラフにて具体例として示したものである。
【符号の説明】
100 インク・ジェット・プリンタ 1 制御装置 2 モータ・ドライバ 60 給紙モータ 70 紙送りモータ 80 キャリッジ・モータ 88 リニア・エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 5/06 H02P 5/06 Q U W 5/46 5/46 J G 7/06 7/06 A B G 7/67 7/67 F 7/68 7/68 D Fターム(参考) 2C480 CA01 CA11 CB04 CB35 EA01 EA22 5H550 AA15 BB08 DD01 DD06 FF03 FF07 GG01 GG03 GG05 HB11 JJ03 JJ18 KK06 LL07 LL22 LL39 MM06 5H570 AA20 BB09 DD01 DD06 FF01 FF02 FF03 FF05 FF07 GG01 HB11 JJ03 JJ18 KK06 LL02 LL19 MM05 5H571 AA20 BB07 FF01 FF06 FF07 GG01 GG02 GG04 HD10 JJ03 JJ18 JJ28 KK06 LL07 LL22 LL36 MM06 5H572 AA20 BB07 DD01 DD07 EE04 FF01 FF06 FF07 GG01 GG02 GG04 HB11 JJ03 JJ18 JJ28 LL07 LL22 LL36 MM06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータに通電する電流を制御して,当該
    モータの回転を加速した後,あらかじめ定められた定速
    回転速度で当該モータを回転させ,その後当該モータの
    回転を停止させるモータ制御装置であって,前記モータ
    に通電される電流量の積算値である通電電流量積算値を
    求める通電電流量積算手段と,前記通電電流量積算値か
    ら,前記モータに通電されていないときに前記モータが
    放熱した熱量に対応する電流量の換算値である,放熱量
    対応電流量積算値を減算し,前記モータに蓄積された熱
    量に対応する熱量対応電流量積算値を求める熱量対応電
    流量積算手段と,前記熱量対応電流量積算値を,前記モ
    ータの上限温度に対応する電流量の積算値である,あら
    かじめ定められた上限温度積算値と比較する上限積算値
    比較手段と,前記上限積算値比較手段による比較の結
    果,前記熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値以
    上の場合には,前記モータの回転速度を,前記あらかじ
    め定められた定速回転速度より小さくなるように,前記
    モータに通電する電流値を制御する電流値制御手段と,
    を備えていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記通電電流量積算
    手段が,あらかじめ定められた時間間隔で前記モータに
    通電される電流の値を測定して,その絶対値を求め,当
    該絶対値と前記時間間隔とを乗算し,当該乗算値を,こ
    れまでに計算された前記乗算値の和の値に加算して行く
    ものである,ことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において,前記通電電流量積算
    手段が,あらかじめ定められた時間間隔で前記モータに
    通電される電流の値を測定して,その絶対値を求めると
    ともに,前記モータの回転開始から停止に至るまでの前
    記絶対値の平均値と,前記回転開始から停止に至るまで
    の時間との積を求め,当該積を,これまでに求められた
    前記積の和の値に加算して行くものである,ことを特徴
    とするモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項におい
    て,前記熱量対応電流量積算値を,前記モータの通常時
    温度に対応する電流量の積算値である,あらかじめ定め
    られた通常時温度積算値と比較する通常時積算値比較手
    段と,前記通常時積算値比較手段による比較の結果,前
    記熱量対応電流量積算値が前記通常時温度積算値以下の
    場合には,前記モータの回転速度を,前記あらかじめ定
    められた定速回転速度になるように,前記モータに通電
    する電流値を制御する電流値制御手段と,を備えている
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において,前記上限積算値比較
    手段による比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前
    記上限温度積算値より小さく,かつ前記通常時積算値比
    較手段による比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が
    前記通常時温度積算値より大きい場合には,前記モータ
    の回転速度を変更しないように,前記モータに通電する
    電流値を制御する電流値制御手段と,を備えていること
    を特徴とするモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項におい
    て,前記電流値制御手段が,前記モータが一旦停止した
    後,次の回転における回転速度を変更するものである,
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  7. 【請求項7】 被記録材を給送する給紙ローラと,給送
    された被記録材を副走査方向に搬送する紙送りローラ
    と,記録ヘッドを有し主走査方向に往復動するキャリッ
    ジと,前記給紙ローラを回転させる給紙モータと,前記
    紙送りローラを回転させる紙送りモータと,前記キャリ
    ッジを往復動させるキャリッジ・モータとを備えている
    記録装置において,前記給紙モータ,前記紙送りモー
    タ,および前記キャリッジ・モータの少なくとも1つに
    請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ制御装置
    が設けられている,ことを特徴とする記録装置。
  8. 【請求項8】 モータに通電する電流を制御して,当該
    モータの回転を加速した後,あらかじめ定められた定速
    回転速度で当該モータを回転させ,その後当該モータを
    停止させるモータ制御方法であって,前記モータに通電
    される電流量の積算値である通電電流量積算値を求め,
    前記通電電流量積算値から,前記モータに通電されてい
    ないときに前記モータが放熱した熱量に対応する電流量
    の換算値である,放熱量対応電流量積算値を減算し,前
    記モータに蓄積された熱量に対応する熱量対応電流量積
    算値を求め,前記熱量対応電流量積算値を,前記モータ
    の上限温度に対応する電流量の積算値である,あらかじ
    め定められた上限温度積算値と比較し,前記比較の結
    果,前記熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値以
    上の場合には,前記モータの回転速度を,前記あらかじ
    め定められた定速回転速度より小さくなるように,前記
    モータに通電する電流値を制御する,ことを特徴とする
    モータ制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において,前記熱量対応電流量
    積算値を,前記モータの通常時温度に対応する電流量の
    積算値である,あらかじめ定められた通常時温度積算値
    と比較し,前記比較の結果,前記熱量対応電流量積算値
    が前記通常時温度積算値以下の場合には,前記モータの
    回転速度を,前記あらかじめ定められた定速回転速度に
    なるように,前記モータに通電する電流値を制御する,
    ことを特徴とするモータ制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において,前記比較の結果,
    前記熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値より小
    さく,かつ前記熱量対応電流量積算値が前記通常時温度
    積算値より大きい場合には,前記モータの回転速度を変
    更しないように,前記モータに通電する電流値を制御す
    る,ことを特徴とするモータ制御方法。
  11. 【請求項11】 モータに通電する電流を制御して,当
    該モータの回転を加速した後,あらかじめ定められた定
    速回転速度で当該モータを回転させ,その後当該モータ
    を停止させるモータ制御をコンピュータに実行させるモ
    ータ制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体であって,前記モータに通電される電流量
    の積算値である通電電流量積算値を求める手順と,前記
    通電電流量積算値から,前記モータに通電されていない
    ときに前記モータが放熱した熱量に対応する電流量の換
    算値である,放熱量対応電流量積算値を減算し,前記モ
    ータに蓄積された熱量に対応する熱量対応電流量積算値
    を求める手順と,前記熱量対応電流量積算値を,前記モ
    ータの上限温度に対応する電流量の積算値である,あら
    かじめ定められた上限温度積算値と比較する手順と,前
    記比較の結果,前記熱量対応電流量積算値が前記上限温
    度積算値以上の場合には,前記モータの回転速度を,前
    記あらかじめ定められた定速回転速度より小さくなるよ
    うに,前記モータに通電する電流値を制御する手順と,
    を備えているモータ制御プログラムを記録している,こ
    とを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項11において,前記熱量対応電
    流量積算値を,前記モータの通常時温度に対応する電流
    量の積算値である,あらかじめ定められた通常時温度積
    算値と比較する手順と,前記比較の結果,前記熱量対応
    電流量積算値が前記通常時温度積算値以下の場合には,
    前記モータの回転速度を,前記あらかじめ定められた定
    速回転速度になるように,前記モータに通電する電流値
    を制御する手順と,を備えているモータ制御プログラム
    を記録している,ことを特徴とするコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項12において,前記比較の結
    果,前記熱量対応電流量積算値が前記上限温度積算値よ
    り小さく,かつ前記熱量対応電流量積算値が前記通常時
    温度積算値より大きい場合には,前記モータの回転速度
    を変更しないように,前記モータに通電する電流値を制
    御する手順と,を備えているモータ制御プログラムを記
    録している,ことを特徴とするコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
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Cited By (7)

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