JP2002075343A - 水素吸蔵合金電極とこれを用いた二次電池 - Google Patents

水素吸蔵合金電極とこれを用いた二次電池

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JP2002075343A JP2000267088A JP2000267088A JP2002075343A JP 2002075343 A JP2002075343 A JP 2002075343A JP 2000267088 A JP2000267088 A JP 2000267088A JP 2000267088 A JP2000267088 A JP 2000267088A JP 2002075343 A JP2002075343 A JP 2002075343A
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thickness
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punching metal
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Toshihiro Nakai
敏浩 中井
Masato Isogai
正人 磯貝
Naoaki Matsumoto
修明 松本
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分に薄型であつて、電池缶内に収納しうる
電極長さを長くでき、それにより大電流の通電を可能と
する水素吸蔵合金電極を提供する。 【解決手段】 導電性基材としてパンチングメタルを使
用し、これに活物質として水素吸蔵合金粉末を担持させ
てなる水素吸蔵合金電極において、上記パンチングメタ
ルの孔径を1.0mm以下として、電極全体の厚さを0.
25mm以下としたことを特徴とする水素吸蔵合金電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金電極
と、これを用いた二次電池とに関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池は、ポ―タブル電源とし
て汎用され、一般に、水酸化ニツケルを活物質とする正
極と、セパレ―タ、負極およびアルカリ電解液を組み合
わせて構成されている。その中でも、ニツケル水素蓄電
池は、可逆的に水素を吸蔵・放出できる水素吸蔵合金を
負極活物質としたもので、通常、導電性基材(集電体)
として、厚さが50μm以上の鋼板に3μm以上のNi
メツキを施した、孔径が1.0mmを超えるパンチングメ
タルを使用し、これに上記の水素吸蔵合金を高分子結着
剤を用いて担持させたペ―スト式電極を、負極としてい
る。
【0003】このニツケル水素蓄電池は、上記ペ―スト
式電極からなる負極をニツケル正極およびセパレ―タと
ともに捲回して、この捲回体を電池缶内に装填し、これ
にアルカリ水溶液からなる電解液を注入して、電池を構
成しており、上記捲回体の端面の一部に金属端子を接続
して、電流を取り出している。この電池を、たとえば電
動工具に使用する場合、10A以上、とくに50A程度
の大電流で、また電気自動車に使用する場合、10A以
上、とくに100A程度の大電流で、使用することがあ
り、これらの場合、電池の内部抵抗を小さく必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような大電流の通
電を目的として、電池の内部抵抗を低減するには、一般
の電池の電極に比べて、捲回方向の電極の長さを長くす
る必要がある。しかし、従来の電極は、厚さが0.3mm
以上で、電池缶の限られた容積の中に収納できる電極の
長さは、その厚さにより規制されるため、前記10A以
上、とくに100A程度の大電流通電に必要な電極長さ
とすることはできなかつた。これを解決するには、従来
よりも厚さの薄い電極を作製しなければならない。
【0005】ところが、パンチングメタルを使用したペ
―スト式電極において、その厚さを0.3mm未満とする
には、水素吸蔵合金を活物質としたペ―ストの塗布厚さ
を薄くする必要があり、この場合、パンチングメタルの
孔を閉口できず、活物質の充填量が減少する。この問題
は、ペ―スト中の増粘剤や結着剤の割合を増やすことで
解決できるが、この解決手法では、電極中の増粘剤や結
着剤が水素吸蔵合金の表面を覆つてしまい、活物質の反
応面積が減少して、高率放電特性が低下する。このた
め、電極中の増粘剤や結着剤の割合を増やすことなく、
パンチングメタルの孔を閉口できる薄い電極を製造する
技術が要望される。
【0006】本発明は、上記の要望に応えうるアルカリ
蓄電池用のペ―スト式電極として、十分に薄型で、電池
缶内に収納しうる電極長さを長くでき、それにより大電
流の通電を可能とする水素吸蔵合金電極と、これを使用
した高率放電特性にすぐれ、エネルギ―効率にすぐれた
二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、導電性基材
(集電体)であるパンチングメタルに着目し、その孔径
を従来(1.0mmを超える)よりも小さくしたものを使
用すると、水素吸蔵合金を活物質としたペ―ストとして
増粘剤や結着剤が通常の(少量の)添加量とされたもの
を用いて、これを薄く塗布しても、パンチングメタルの
上記孔を確実に閉口でき、したがつて、活物質の充填量
を減少させることなく、薄型の水素吸蔵合金電極を容易
に製造することができ、これにより、大電流の通電が可
能で、高率放電特性、エネルギ―効率にすぐれた二次電
池が得られることを知り、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、導電性基材としてパ
ンチングメタルを使用し、これに活物質として水素吸蔵
合金粉末を担持させてなる水素吸蔵合金電極において、
上記パンチングメタルの孔径を1.0mm以下として、電
極全体の厚さを0.25mm以下としたことを特徴とする
水素吸蔵合金電極に係るものであ。とくに本発明は、上
記のパンチングメタルが、鋼板表面にニツケルメツキ層
を有し、鋼板の厚さが50μm以下である上記構成の水
素吸蔵合金電極と、上記のニツケルメツキ層の厚さをt
1 、鋼板の厚さをt2 としたときに、両者の比t1 /t
2 が1/40〜1/8である上記構成の水素吸蔵合金電
極を提供できるものである。また、本発明は、このよう
な各構成の水素吸蔵合金電極を負極とし、これをニツケ
ル正極およびセパレ―タとともに捲回した捲回体と、ア
ルカリ水溶液からなる電解液とを備えたことを特徴とす
る二次電池に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において導電性基材(集電
体)として使用するパンチングメタルは、厚さ方向に開
口する無数の三次元の独立孔を有する金属薄板であり、
公知の方法、たとえばニツケルメツキ鋼板に適宜の手法
で打ち抜き穴を形成するなどの方法により製造すること
ができ、市販品としても容易に入手できるものである。
【0010】本発明では、このようなパンチングメタル
の孔径を1.0mm以下、好ましくは0.8mm以下(通
常、0.2mm以上)としたことを特徴とする。こうする
ことにより、水素吸蔵合金を活物質としたペ―ストとし
て増粘剤や結着剤が通常の(少量の)添加量とされたも
のを用いて、これを上記パンチングメタルに薄く塗布し
ても、パンチングメタルの上記孔に未塗布部が生じて、
孔が開口したままとなるおそれがなく、またそのために
活物質の充填量が減少することもなく、水素吸蔵合金を
活物質として含む薄くて均一な塗膜を形成できる。
【0011】このような孔径とされるパンチングメタル
は、金属薄板が鋼板からなり、かつ鋼板表面にニツケル
メツキ層を有して、鋼板の厚さが50μm以下、好まし
くは35μm以下であるのがよい。ニツケルメツキ層
は、電池組み立て後の鋼板の腐食を防ぎ、電気抵抗の上
昇を防ぐ働きがある。また、電極の薄型化を目的とした
本発明では、導電性基材であるパンチングメタルの電極
全体に占める割合が多くなり、活物質の充填量がそれだ
け減少しやすいが、鋼板の厚さを上記50μm以下とす
ることにより、このような問題を回避することができ
る。なお、パンチングメタルの厚さが薄くなりすぎる
と、後工程での金属板集電体との溶接時に不良を生じや
すいため、20μm以上であるのが望ましい。
【0012】また、上記鋼板表面にニツケルメツキ層を
有するパンチングメタルにおいて、ニツケルメツキ層の
厚さをt1 、鋼板の厚さをt2 としたときに、両者の比
1/t2 が1/40〜1/8、とくに1/30〜1/
15であるのが望ましい。上記比が1/40より小さい
と、ニツケルメツキ層の一部にピツトが生じやすく、電
池組み立て後に鋼板の腐食を生じ、パンチングメタルの
電気抵抗が高くなり、大電流の通電に支障を生じやす
い。上記比が1/8より大きいと、ニツケルメツキ層が
厚くなりすぎて、電極全体の薄型化が難しくなる。
【0013】本発明の水素吸蔵合金電極は、アルカリ蓄
電池用のペ―スト式電極として、上記したパンチングメ
タルに活物質としての水素吸蔵合金粉末を担持させてな
るものであり、通常は、水素吸蔵合金粉末と増粘剤や高
分子結着剤とを、必要により導電助剤とともにペ―スト
化し、このペ―ストをパンチングメタルに塗布し、乾燥
したのち、所定厚さに加圧成形することにより、作製さ
れる。
【0014】上記のペ―ストにおいて、水素吸蔵合金粉
末には、Mm(La,Ce,Nd,Pr)−Ni系、T
i−Ni系、Ti−NiZr(Ti-xZrx -y
y -zCrz 系(x=0〜1.5,y=0.6〜3.
5,z=0.2以下)、Ti−Mn系、Zr−Mn系な
どの各種合金の粉末が挙げられる。この水素吸蔵合金粉
末の平均粒径は、30μm以下であるのが望ましい。3
0μmより大きい場合は、塗膜の厚さに対して粒径が大
きすぎ、塗膜面に凹凸が生じる。
【0015】増粘剤としては、ポリN−ビニルアセトア
ミド、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセル
ロ―ス、メチルセルロ―ス、ポリビニルアルコ―ルなど
が挙げられる。これらの中でも、とくにポリN−ビニル
アセトアミドを使用するのが望ましい。このポリN−ビ
ニルアセトアミドは、側鎖にアセトアミド基を有するた
め、水素吸蔵合金表面に強く吸着して、一種の耐酸化保
護層のような働きをするものと考えられ、これをペ―ス
ト中に含有させることで、乾燥工程や加圧成形工程での
水素吸蔵合金粉末の発火を抑制するものと考えられる。
【0016】このようなポリN−ビニルアセトアミド
は、重量平均分子量が10,000〜10,000,0
00、とくに50,000〜5,000,000である
のが望ましい。重量平均分子量を10,000以上とす
ることにより、水素吸蔵合金表面への高い吸着効果が得
られ、10,000,000以下とすることにより、ペ
―ストの安定した増粘性を確保でき、高速塗布の場合で
も、連続塗布性にすぐれたペ―ストを得ることができ
る。なお、高速塗布の場合、ペ―ストの流動性をより良
好なものとする必要があり、上記のポリN−ビニルアセ
トアミドを単独で用いるよりも、カルボキシメチルセル
ロ―スなどの他の増粘剤と併用するのが望ましく、これ
によりさらに好結果を得ることができる。
【0017】このようなポリN−ビニルアセトアミドの
使用量は、水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、通
常0.1〜0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重
量部であるのがよい。0.1重量部以上とすると、増粘
作用の面で好結果が得られ、また、0.5重量部以下と
すると、高率放電特性を左右する活物質である水素吸蔵
合金の充填密度の面で好ましい結果が得られる。また、
他の増粘剤と混合して使用する場合は、その総量が上記
範囲内であるのがよい。
【0018】高分子結着剤としては、ポリテトラフルオ
ロエチレンやゴム系高分子(ラテツクスなど)などが挙
げられる。その中でも、ゴム系高分子は、増粘剤である
ポリN−ビニルアセトアミドと併用すると、パンチング
メタルに対する塗膜の密着性に好結果が得られるため、
とくに好ましい。このゴム系高分子は、スチレンと2−
エチルヘキシルアクリレ―トを主成分とした共重合体が
好ましく、その他、スチレン−ブタジエン共重合体、天
然ゴム、スチレン−イソプレン共重合体、シリコンゴム
などを用いることができる。
【0019】ゴム系高分子の使用量は、水素吸蔵合金粉
末100重量部に対し、通常0.1〜0.5重量部とす
るのがよい。0.1重量部以上とすると、パンチングメ
タルに対する塗膜の密着性に好結果が得られ、また0.
5重量部以下とすると、水素吸蔵合金粉末の充填密度に
好結果が得られる。ゴム系高分子と他の高分子結着剤を
併用する場合、その総量が上記範囲内となるようにする
のがよい。ゴム系高分子とポリテトラフルオロエチレン
を併用すると、電極の柔軟性が向上し、捲回時の短絡な
どの不良発生を防止することができる。
【0020】本発明において、上記した増粘剤と高分子
結着剤との総量は、水素吸蔵合金粉末100重量部に対
して、0.3〜0.7重量部の範囲内とするのが望まし
い。上記の総量を0.3重量部以上とすると、パンチン
グメタルに対する塗膜の接着性に好ましい結果が得ら
れ、また0.7重量部以下とすると、高率導電特性の面
で好結果を得ることができる。
【0021】ペ―スト中に必要により配合される導電助
剤には、ニツケル粉末、コバルト粉末、銅粉末、カ―ボ
ン粉末などがある。これらの中でも、粒径が5μm以下
で、酸素含有量が0.2〜1.5重量%であるニツケル
粉末を用いるのが好ましい。導電助剤は、水素吸蔵合金
の導電性を高めて負極としての集電能を向上させ、また
水素吸蔵合金の充填性を向上させるため、微粒子状態の
ものが用いられるが、この微粒子状態のものは、通常、
粒子同士が凝集しやすく、均一なペ―ストの調製に難が
あり、増粘化しやすい。しかし、上記特定の酸素含有量
のニツケル粉末は分散性がよく、均一なペ―ストの調製
を可能にするとともに、ペ―ストの増粘も防止できるの
で、とくに好ましく用いられる。
【0022】このような構成成分からなるペ―ストは、
薄くかつ均一な塗膜を形成するために、その粘度が1
5,000mPa・s以下であるのが望ましく、とくに
望ましくは12,000mPa・s以下(通常、9,0
00mPa・s以上)であるのがよい。ペ―ストの粘度
が15,000mPa・sを超えてしまうと、本発明の
目的とする水素吸蔵合金電極の薄型化をはかりにくい。
【0023】上記ペ―ストをパンチングメタルに塗布
し、乾燥したのち、加圧成形して、水素吸蔵合金電極と
するが、本発明では、このように作製される水素吸蔵合
金電極の厚さを0.25mm以下、とくに0.20mm以下
(通常、0.15mm以上)としたことを特徴とする。こ
れは、パンチングメタルの孔径が1.0mm以下で、これ
に上記ペ―ストを薄く塗布しても、パンチングメタルの
孔に活物質が密に充填されて孔を閉塞し、薄くかつ均一
な塗膜を形成できるためである。
【0024】パンチングメタルへの塗布、乾燥は、量産
化のため、連続塗布乾燥方式を採用するのが望ましい。
また、その際、一対のブレ―ド端面間を通過させて、乾
燥後の塗布層の厚さが所定の値となるようにするのが望
ましい。通常は、上記厚さが0.33mm以下となるよう
にする。乾燥後の塗布層の厚さがこれより厚いと、これ
を加圧成形して前記0.25mm以下の電極厚さにしたと
きに、電極の伸びが大きくなつて電極に波打ちが生じて
くるので、好ましくない。
【0025】本発明では、上記構成の水素吸蔵合金電極
を負極とし、これをニツケル正極と正負両極を分離する
セパレ―タとともに捲回し、この捲回体を電池缶に装填
し、電解液としてアルカリ水溶液を注入して、二次電池
とする。この電池は、負極が0.25mm以下の薄さのた
め、上記捲回体の作製に際し、従来に比べ、より長い負
極構成とすることができ、所期の目的とする大電流の通
電が可能で、高率放電特性にすぐれ、またエネルギ―効
率にすぐれたものとなる。
【0026】ニツケル正極は、焼結式のニツケル極やペ
―スト式のニツケル極を用いることができる。ペ―スト
式ニツケル極の場合、活物質として使用する水酸化ニツ
ケル粉末は、低温または高温下での使用を考えると、亜
鉛やコバルトを固溶したものが好ましく用いられ、また
同様の理由から、表面に水酸化コバルト粒子を有する水
酸化ニツケル粉末が好ましく用いられる。さらに、導電
性を高めるために、ニツケル粉末やコバルト化合物が添
加されているのが望ましく、作製された電極をアルカリ
水溶液中に浸漬処理してから使用すると、一層導電性が
高まるため、低温特性などの向上に好ましい結果が得ら
れる。
【0027】負極と正極を組み合わせて捲回した際に、
その捲回体がなめらかな曲線の渦巻き状で形成され、負
極と正極が均一に対向するように、正極の厚みを0.3
3mm以下とするのが望ましい。こうすることで正極の柔
軟性が良好となり、負極と正極が均一に対向する捲回体
を形成でき、電池の組み立て時に短絡などの問題が生じ
るのを防ぐことができる。また、捲回状態は放電特性な
どにも影響を与えるため、上記のように整つた捲回体で
電池を構成するのが望まれる。
【0028】セパレ―タとしては、ポリオレフイン繊維
やポリアミド繊維などからなる不織布が好ましく、さら
にその表面を親水化処理したものが好ましい。アルカリ
電解液としては、水酸化カリウム水溶液が好ましく、ま
た水酸化カリウムと水酸化リチウムや水酸化ナトリウム
との混合溶液が好ましい。水酸化ナトリウムは、高温で
電池を使用する際に利用高率を向上させるので、好まし
い。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載して、より具体
的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にのみ
限定されるものでなく、本発明の思想を逸脱しない範囲
内で適宜変更可能であることはいうまでもない。なお、
以下の実施例において、部とあるのは重量部を意味する
ものとする。
【0030】実施例1 組成がMmNi3.47Co0.72Mn0.4 Al0.3 、平均粒
径が28μmの水素吸蔵合金粉末100部に、ポリN−
ビニルアセトアミド0.3部およびゴム系高分子0.3
部を加え、さらに水を加えて、粘度12,000mPa
・sのペ―ストを調製した。このペ―ストを、孔径(孔
の直径)が1mm、鋼板の厚さが50μm、ニツケルメツ
キ層の厚さが3μmのパンチングメタルに塗布し、乾燥
後、加圧成形して、厚さが0.15mmの水素吸蔵合金電
極シ―トとした。このシ―トを、長さが750mm、幅が
39.5mmに裁断したのち、幅方向一端側から2mm部分
の活物質含有塗膜を、長さ方向全長にわたり取り除い
て、負極とした。
【0031】これとは別に、表面に水酸化コバルト粒子
を有する水酸化ニツケル粉末(亜鉛を2重量%、コバル
トを1重量%固溶し、水酸化コバルト粒子中のコバルト
は水酸化ニツケルに対して5重量%)を活物質とし、こ
の水酸化ニツケル粉末100部に、コバルト化合物(酸
化コバルト粉末)4部を加え、ペ―ストを調製した。こ
のペ―ストを、導電性多孔質基材としてのニッケル発泡
体に塗布し、乾燥後、加圧成形して、長さが700mm、
幅が39.5mm、厚さが0.25mmのペ―スト式電極シ
―トとした。これを、80℃の30重量%水酸化カリウ
ムと2重量%水酸化リチウムの混合水溶液に2時間浸漬
し、取り出して乾燥したのち、水洗および乾燥を行つ
て、ニツケル正極とした。
【0032】上記の負極とニツケル正極とを、表面を親
水化処理したポリプロピレン不織布製のセパレ―タを介
して捲回し、捲回体電極群を作製した。この捲回体電極
群に正極用金属板集電体と負極用金属板集電体を溶接
し、内寸が24.7mmの電池缶に装填し、これに、26
重量%の水酸化カリウム、2重量%の水酸化リチウム、
4重量%の水酸化ナトリウムおよび4重量%の酸化亜鉛
を含有する混合水溶液からなるアルカリ電解液を注入し
たのち、安全弁を取り付け、密閉して、密閉型二次電池
とした。この電池に短絡などの不良は発生しなかつた。
【0033】実施例2 ペ―ストの塗布厚さを変えて、加圧成形後の厚さを0.
25mmに変更し、またこれを長さが510mmとなるよう
に裁断した以外は、実施例1と同様にして、長さが51
0mm、幅が39.5mm、厚さが0.25mmの負極を作製
した。さらに、上記の負極構成の変更に伴い、実施例1
に準じて、長さが460mm、幅が39.5mm、厚さが
0.40mmであるニツケル正極を作製した。この両極を
使用して、以下、実施例1と同様にして、密閉型二次電
池を作製した。
【0034】実施例3 孔径が1mm、鋼板の厚さが30μm、ニツケルメツキ層
の厚さが3μmであるパンチングメタルを使用した以外
は、実施例1と同様にして、長さが750mm、幅が3
9.5mm、厚さが0.15mmの負極を作製した。この負
極を用いた以外は、以下、実施例1と同様にして、密閉
型二次電池を作製した。
【0035】比較例1 孔径が1.5mm、鋼板の厚さが50μm、ニツケルメツ
キ層の厚さが3μmであるパンチングメタルを使用した
以外は、実施例1と同様にして、長さが750mm、幅が
39.5mm、厚さが0.15mmの負極を作製した。この
負極を用いた以外は、以下、実施例1と同様にして、密
閉型二次電池を作製した。
【0036】比較例2 ペ―ストの塗布厚さを変えて、加圧成形後の厚さを0.
30mmに変更し、またこれを長さが470mmとなるよう
に裁断した以外は、比較例1と同様にして、長さが47
0mm、幅が39.5mm、厚さが0.30mmの負極を作製
した。さらに、上記の負極構成の変更に伴い、実施例1
に準じて、長さが420mm、幅が39.5mm、厚さが
0.50mmであるニツケル正極を作製した。この両極を
使用して、以下、実施例1と同様にして、密閉型二次電
池を作製した。
【0037】上記の実施例1〜3および比較例1,2の
各密閉型二次電池において、負極に用いた水素吸蔵合金
電極について、目視により、パンチングメタルの孔の部
分に活物質である水素吸蔵合金が充填されずに、未塗布
の状態となつている(つまり、上記合金で孔が閉塞され
ず、開口したままの状態となつている)孔の数を調べ
た。結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0038】
【0039】上記の表1から、パンチングメタルの孔径
を1.0mm以下とした実施例1〜3では、加圧成形後の
負極の厚さを0.25mm以下としても、未塗布状態の孔
がなく、良好な均一塗布性が得られていることがわか
る。これに対して、上記孔径を1.5mmとした比較例
1,2は、加圧成形後の負極の厚さを0.30mm(比較
例2)とすると均一塗布性が得られるが、上記厚さを
0.25mm以下(比較例1)とすると、孔に未塗布部が
多く発生し、均一塗布性が得られない。
【0040】つぎに、実施例1〜3および比較例2の各
密閉型二次電池に関して、100Aの高率放電特性を評
価した。電池を40℃で6時間保持し、放冷後に72m
Aで6時間の充電後さらに720mAで10時間充電
し、720mAで放電(放電終止電圧:1V)してか
ら、720mAで6時間充電し、720mAで放電(放
電終止電圧:1v)する充放電サイクルを2回行い、7
0℃で6時間保持し、化成処理した。化成処理後、室温
での放電容量を測定し、100Aの放電容量(放電終止
電圧:0.8V)を測定して、高率放電特性を評価し
た。この評価結果は、表2に示されるとおりであつた。
【0041】
【0042】上記の表2の結果から明らかなように、実
施例1〜3の電池では、100A放電が可能であつた
が、厚さが0.30mmの負極を使用した比較例2では、
100A放電ができなかつた。この理由は、上記の比較
例2では、電池缶内に収納できる電極長さが470mmで
あつて、100A放電するのには電極長さが十分でない
ことに起因するためと思われる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明は、アルカリ蓄電
池用のペ―スト式電極として、孔径が1.0mm以下のパ
ンチングメタルを使用して、厚さが0.25mm以下の水
素吸蔵合金電極を構成させたことにより、これを負極に
使用することにより電池缶内に収納できる電極長さを長
くすることができ、これにより高率放電特性にすぐれ、
またエネルギ―効率にすぐれた二次電池を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 修明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA02 CC05 HH01 HH03 5H028 EE01 EE05 HH01 HH05 5H050 AA02 AA08 BA14 CA03 CB16 CB17 DA03 DA06 HA04 HA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材としてパンチングメタルを使
    用し、これに活物質として水素吸蔵合金粉末を担持させ
    てなる水素吸蔵合金電極において、上記パンチングメタ
    ルの孔径を1.0mm以下として、電極全体の厚さを0.
    25mm以下としたことを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 パンチングメタルは、鋼板表面にニツケ
    ルメツキ層を有し、鋼板の厚さが50μm以下である請
    求項1に記載の水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 ニツケルメツキ層の厚さをt1 、鋼板の
    厚さをt2 としたときに、両者の比t1 /t2 が1/4
    0〜1/8である請求項2に記載の水素吸蔵合金電極。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水素吸
    蔵合金電極を負極とし、これをニツケル正極およびセパ
    レ―タとともに捲回した捲回体と、アルカリ水溶液から
    なる電解液とを備えたことを特徴とする二次電池。
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