JP2002074807A - ディスク再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】トレイの移動速度が遅いという操作性の悪化を
抑制しつつ、不測なトラックジャンブや読み取りエラー
の発生を防止する。 【解決手段】ディスク再生手段がディスクを再生してい
るときとディスクを再生していないときとの双方におい
て、トレイ駆動手段により、回転テーブルが設けられた
トレイを収納位置と排出位置とに移動可能な構成におい
て、トレイ駆動手段は、ディスク再生手段がディスクの
再生を行っているときには、トレイを低速で移動させ
（ステップＳ２）、ディスク再生手段がディスクの再生
を行っていないときには、トレイを高速で移動させる
（ステップＳ１１）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数枚のディスク
が回転テーブル上にセットされ、再生中にトレイを排出
してディスクの交換を可能にしたディスク再生装置に係
り、より詳細には、ディスクの再生中にトレイを排出位
置や収納位置に移動させるとき、不用意にトラックジャ
ンプなどの不具合が生じることを防止したディスク再生
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カルーセル型チェンジャとして知られる
ディスク再生装置では、排出位置と収納位置とに移動可
能に設けられたトレイに、回転テーブルが設けられてい
る。また、この回転テーブルには、複数枚のディスクを
セットすることができるようになっている。そして、回
転テーブルにセットされた複数枚のディスクのうちの１
枚が再生される。また、トレイは、ディスクが再生され
ているときにも、移動可能となっている。従って、ディ
スクの再生中にトレイを移動させると、移動時の衝撃に
よって、再生中のディスクの読み取りエラーやトラック
ジャンプが発生することがある。このため、上記した不
具合の発生を防止する技術が、実公平７−２２７５８号
として提案されている。

【０００３】すなわち、この技術では、フォーカス制御
回路の出力を増幅し、フォーカスコイルを駆動する駆動
回路、および、トラッキング制御回路の出力を増幅し、
トラッキングコイルを駆動する駆動回路のゲインを可変
としている。また、システムコントローラは、トレイの
排出動作あるいは収納動作を検出したとき、つまり、ト
レイの移動を検出したときには、フォーカス用の駆動回
路とトラッキング用の駆動回路とのゲインを増加させる
ようにしている。その結果、トレイが移動するときに
は、フォーカス制御やトラッキング制御のループゲイン
が増加する。このため、トレイの移動による衝撃が生じ
るときにも、フォーカス制御やトラッキング制御が不測
に外れることが防止され、不測なトラックジャンブや読
み取りエラーの発生が防止される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成を用いた場合にも、以下に示す問題を生じていた。す
なわち、フォーカス制御やトラッキング制御のループゲ
インを増加させた場合にも、トレイの移動速度を速くす
ると、トレイの移動に伴う衝撃が大きく、不測なトラッ
クジャンブや読み取りエラーが発生する。このため、ト
レイの移動速度については、あまり速くすることができ
ない。その結果、ユーザにとっては、回転テーブルのデ
ィスクを交換する場合、収納位置にあるトレイが排出位
置まで移動する時間や、排出位置にあるトレイが収納位
置まで移動する時間が長く感じられ、操作性の悪いもの
となっていた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するため創案され
たものであって、その目的は、ディスクの再生を行って
いるときには、ディスクの再生を行っていないときより
遅い速度でもってトレイを移動させることにより、トレ
イの移動速度が遅いという操作性の悪さを低減させると
きにも、不測なトラックジャンブや読み取りエラーの発
生を防止することのできるディスク再生装置を提供する
ことにある。

【０００６】また、上記目的に加え、トレイが排出位置
または収納位置に接近したときには、トレイを移動させ
る速度を遅くすることにより、不測なトラックジャンブ
や読み取りエラーの発生を防止したときにも、トレイの
移動に要する時間を短縮することのできるディスク再生
装置を提供することにある。

【０００７】また、上記目的に加え、ＦＧ信号がディス
クモータの回転を示すときには再生中であると判定する
ことにより、トレイの移動速度が再生しているときと再
生しいないときとで同一である装置を、トレイの移動速
度が再生しているときと再生しいないときとで変わる装
置に変更するための作業を最少とすることのできるディ
スク再生装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係るディスク再生装置は、装置本体に移動可能
に設けられたトレイと、前記トレイを収納位置と排出位
置とに移動させるトレイ駆動手段と、前記トレイに回転
可能に取り付けられ、回転軸の周りに複数のディスク保
持部が形成された回転テーブルと、前記トレイとは分離
して設けられ、前記トレイが収納位置にあるときにディ
スク保持部の１つに保持されているディスクをクランプ
し、クランプしたディスクを再生するディスク再生手段
とを備え、ディスク再生手段がディスクを再生している
ときとディスクを再生していないときとの双方におい
て、前記トレイが収納位置と排出位置とに移動可能なデ
ィスク再生装置に適用しており、トレイ駆動手段は、デ
ィスク再生手段がディスクの再生を行っているときに
は、ディスク再生手段がディスクの再生を行っていない
ときより遅い速度でもって前記トレイを移動させるよう
にしている。

【０００９】すなわち、ディスク再生手段がディスクを
再生していないときでは、高速でトレイが移動するた
め、トレイの移動に要する時間が短く、快適な操作性が
得られる。また、ディスク再生手段がディスクを再生し
ているときには、低速でトレイが移動するため、トレイ
の移動によって生じる衝撃や振動が抑制される。このた
め、ディスク再生手段においては、読み取りエラーやト
ラッキング外れが生じなくなる。

【００１０】また、上記構成に加え、前記トレイ駆動手
段は、前記トレイが排出位置または収納位置に接近した
ときには、トレイを移動させる速度を遅くしている。

【００１１】すなわち、トレイの移動に要する時間が長
くなることが抑制される。且つ、トレイが停止するとき
の衝撃が抑制される。

【００１２】また、上記構成に加え、ディスクを回転さ
せるディスクモータに、ＦＧ信号を発生するＦＧ信号発
生手段が設けられたディスク再生装置に適用しており、
前記トレイ駆動手段は、ＦＧ信号発生手段の出力に基づ
いて、ディスクが再生されているかどうかを判定してい
る。

【００１３】すなわち、トレイ駆動手段にＦＧ信号を導
く変更と、トレイ駆動手段の変更とを行うのみで、再生
中であるときのトレイの移動速度が、再生中でないとき
のトレイの移動速度より遅くなる構成に変更される。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例の形態を、
図面を参照しつつ説明する。図２は、本発明に係るディ
スク再生装置の一実施形態の機構の概略を示す平面図、
図３は、実施形態の電気的構成を示すブロック線図であ
る。なお、本実施形態は、ＤＶＤおよびＣＤを再生可能
な装置となっている。

【００１５】まず、機構について説明すると、装置本体
（破線５１により示す）５１には、トレイ２６が移動可
能に設けられている。すなわち、トレイ２６は、装置本
体５１の内部に設けられたシャーシ５２に、矢印Ａ方向
に移動可能となるように設けられている。また、トレイ
２６には、回転テーブル３３が、回転軸３８を中心とし
て、回転可能に取り付けられている。そして、回転テー
ブル３３上には、回転軸３８の周りに、複数（本実施形
態では５つ）のディスク保持部３４が形成されている。

【００１６】ディスク保持部３４のそれぞれには、１２
ｃｍのディスク用の溝３４ａと、８ｃｍのディスク用の
溝３４ｂとが形成されている。また、ディスク保持部３
４には、ディスククランパ１１と対となってディスク６
をクランプするターンテーブル１２とピックアップ１４
とを挿入するための切欠３６が、回転テーブル３３の外
周方向に向けて形成されている。

【００１７】また、トレイ２６の後端部の中央にも切欠
２７が形成され、その位置のディスク保持部３４の切欠
３６と連通するようになっている。このため、ディスク
６が再生された状態にあるときにも、トレイ２６と回転
テーブル３３とは、ターンテーブル１２やピックアップ
１４に邪魔されることなく、排出位置に移動することが
できるようになっている。

【００１８】なお、ディスククランパ１１は、支持部材
５２１により、回転テーブル３３の上部側において回転
可能となるように支持されている。また、ターンテーブ
ル１２を回転させるディスクモータ１５は、ディスクク
ランパ１１の下方において、再生を行うときには上昇
し、再生を停止するときには下降するように、図示され
ないサブシャーシを介して、シャーシ５２に取り付けら
れている。

【００１９】トレイ駆動機構２４は、シャーシ５２上に
設けられたブロックとなっており、モータ２４１と、モ
ータ２４１の回転を伝達するプーリ２４２と、歯車２４
３とを備えている。そして、歯車２４３が、トレイ２６
の下部の一方の内側面に沿って形成されたラック２４４
と噛み合うことにより、トレイ２６を、排出位置と収納
位置とに移動させる。

【００２０】テーブル駆動機構３２は、トレイ２６上に
設けられたブロックとなっており、モータ３２１と、モ
ータ３２１の回転軸に取り付けられたウォームギア３２
２と、ウォームギア３２２に噛み合う歯車３２３とを備
えている。そして、歯車３２３が、回転テーブル３３の
下面に形成された歯車３２４に噛み合うことにより、回
転テーブル３３を回転駆動する。

【００２１】また、シャーシ５２には、２つのスイッチ
２１，２２が取り付けられており、トレイ２６の下部の
他方の内側面には、押圧用突起２９が形成されている。
このため、トレイ２６が収納位置に移動したときにはス
イッチ２２が作動し、トレイ２６が排出位置に移動した
ときには、スイッチ２１が作動する。

【００２２】また、実施形態は、電気的構成として大別
する場合、ディスク再生手段１、トレイ駆動手段２、テ
ーブル駆動手段３、および、主制御部４を備えている。

【００２３】ディスク再生手段１は、トレイ２６が収納
位置（図２に示す位置）にあるときに、ディスク保持部
３４の１つに保持されているディスク６をクランプす
る。そして後、クランプしたディスク６を再生するブロ
ックとなっている。テーブル駆動手段３は、再生するデ
ィスクの交換や、セットするディスクの交換のため、回
転テーブル３３を回転させるブロックとなっている。ま
た、主制御部４は、ディスク再生装置としての動作を制
御するブロックとなっている。

【００２４】トレイ駆動手段２は、トレイ２６を排出位
置と収納位置とに移動させるためのブロックとなってお
り、ディスク再生手段１がディスク６を再生していると
きと再生していないときとの双方において、トレイ２６
を、収納位置から排出位置に、あるいは、排出位置から
収納位置に移動させる。また、ディスク再生手段１がデ
ィスク６の再生を行っているときには、再生を行ってい
ないときより遅い速度でもってトレイ２６を移動させ
る。

【００２５】また、トレイ駆動手段２は、トレイ２６を
移動させているとき、トレイ２６が排出位置または収納
位置に接近したときには、トレイ２６の移動速度を遅く
する。また、ディスク再生手段１がディスク６を再生し
ているかどうかを、ディスクモータ１５が回転している
かどうかに基づいて判定する。

【００２６】詳細には、ディスクモータ１５は、上下方
向に移動可能にシャーシ５２によって支持されており、
トラックの線速度が一定となるように、ディスク６を回
転させる。また、ディスクモータ１５の回転軸には、複
数のスリットが形成されたロータリ円盤１６が取り付け
られている。また、このロータリ円盤１６に形成された
スリットを検出するためのフォトインタラプタ１３が設
けられている。すなわち、ロータリ円盤１６とフォトイ
ンタラプタ１３とは、ディスクモータ１５の回転速度を
示すＦＧ信号を発生するＦＧ信号発生手段となってい
る。入力回路１９は、フォトインタラプタ１３の出力を
波形成形するブロックとなっており、波形成形した出力
を、再生制御部１８とトレイ制御部２３とに送出する。

【００２７】再生用回路部１７は、ピックアップ１４を
ディスク６のトラックに追従させると共にトラックの線
速度を所定速度とするためのサーボ制御を行うブロック
となっている。また、ピックアップ１４によって再生さ
れた信号の復調とエラー訂正、および、Ｄ／Ａ変換を行
うことによって、ディスク６に記録された信号を、アナ
ログ信号として外部に送出する。

【００２８】再生制御部１８は、入力回路１９の出力に
基づいて、ディスクモータ１５の回転速度を検出すると
共に、検出した回転速度に基づいて再生用回路部１７の
動作を制御することにより、ディスク６の再生のための
各種の制御を行うブロックとなっている。すなわち、デ
ィスク６の再生の開始や停止のための制御、トラックジ
ャンプのための制御、ディスク６の回転を急速に停止さ
せるための制御、などを行う。

【００２９】テーブル制御部３１は、テーブル駆動機構
３２の動作を制御することによって、回転テーブル３３
の回転を制御するブロックとなっている。すなわち、主
制御部４から指示されたディスク保持部３４に載置され
たディスクが、ディスク再生手段１によって再生可能な
位置に移動させるため、回転テーブル３３を回転させる
制御を行う。

【００３０】トレイ制御部２３は、トレイ２６が収納位
置にあるとき、主制御部４から排出の指示が送出される
と、トレイ駆動機構２４を制御することによって、トレ
イ２６を収納位置から排出位置に移動させる制御を行
う。また、トレイ２６が排出位置にあるとき、主制御部
４から収納の指示が送出されると、トレイ駆動機構２４
を制御することによって、トレイ２６を排出位置から収
納位置に移動させる制御を行う。

【００３１】詳細には、トレイ制御部２３は、入力回路
１９の出力に基づき、ディスク６が再生中であるかどう
かを判定する。そして、ディスク６が再生中であるとき
には、遅い速度でもってトレイ２６の移動を開始させ
る。そして、トレイ２６が停止位置に接近したときに
は、移動速度をさらに遅い速度に変更する。また、ディ
スク６が再生されていないときには、速い速度でもって
トレイ２６の移動を開始させる。そして、トレイ２６が
停止位置に接近したときには、移動速度を遅い速度に変
更する。

【００３２】図１は、実施形態の主要動作を示すフロー
チャート、図４は、トレイ２６の移動速度の変化を示す
説明図である（７１は、ディスク６が再生されていない
ときの速度変化を示し、７２は、再生中の速度変化を示
している）。必要に応じて同図を参照しつつ、動作を説
明する。

【００３３】いま、トレイ２６が収納位置にあるとす
る。また、ディスク再生手段１はディスク６の再生を停
止しているとする。この状態において、トレイ２６の移
動の指示が主制御部４から送出された場合、トレイ制御
部２３は、入力回路１９の出力に基づき、ディスク再生
手段１がディスク６を再生しているかどうかを調べる。
すなわち、入力回路１９の出力にレベル変化が生じるか
どうかを調べる（ステップＳ１）。このときでは、ディ
スク再生手段１がディスク６の再生を停止しており、デ
ィスクモータ１５の回転が停止している。従って、入力
回路１９の出力にはレベル変化が生じない。このため、
トレイ制御部２３は、ディスク６の再生中ではないと判
定する。

【００３４】ディスク６が再生中ではないと判定したと
き（時刻Ｔ１）、トレイ制御部２３は、トレイ２６が高
速で移動するように、トレイ駆動機構２４のモータ２４
１を高速駆動する（ステップＳ１１）。このため、トレ
イ２６は、収納位置から排出位置に向かって高速で移動
を始める。また、トレイ制御部２３は、トレイ２６の移
動を開始した時刻Ｔ１において、第１の期間ｔ１の計時
を開始する。このとき計時される第１の期間ｔ１は、ト
レイ２６を高速で移動させたとき、収納位置にあるトレ
イ２６が排出位置の近傍まで移動するのに要する期間
（排出位置にあるトレイ２６が収納位置の近傍まで移動
するのに要する期間に等しい）に設定されている。

【００３５】トレイ制御部２３は、第１の期間ｔ１を計
時しているときには、トレイ２６を高速で移動させる制
御を続ける。そして、第１の期間ｔ１の計時を終了した
とき（時刻Ｔ２）、トレイ制御部２３は、トレイ２６が
排出位置、つまり停止位置に接近した位置にあるとし
て、モータ２４１に対する駆動を、高速駆動から低速駆
動に変更し、トレイ２６の移動速度を、それまでの速度
より遅い速度（例えば、第１の期間ｔ１における移動速
度の１／３の速度、等）に変更する（ステップＳ１２，
Ｓ１３）。

【００３６】次いで、トレイ制御部２３は、トレイ２６
が排出位置に移動したことを示すスイッチ２１がオンに
なるかどうかを調べる。そして、スイッチ２１がオンに
なったときには、トレイ２６が排出位置まで移動したと
して、モータ２４１の駆動を停止し、トレイ２６の移動
を停止させる（ステップＳ１４，Ｓ６）。

【００３７】いま、トレイ２６が排出位置にあるとす
る。また、ディスク再生手段１はディスク６を再生して
いるとする。この状態において、トレイ２６の移動の指
示が主制御部４から送出された場合、トレイ制御部２３
は、入力回路１９の出力に基づき、ディスク再生手段１
がディスク６を再生しているかどうかを調べる。すなわ
ち、入力回路１９の出力にレベル変化が生じるかどうか
を調べる（ステップＳ１）。このときでは、ディスク再
生手段１がディスク６を再生しており、ディスクモータ
１５が回転している。従って、入力回路１９の出力には
レベル変化が生じる。このため、トレイ制御部２３は、
ディスク６の再生中と判定する。

【００３８】ディスク６の再生中と判定したとき（時刻
Ｔ５）、トレイ制御部２３は、トレイ２６が低速で移動
するように、トレイ駆動機構２４のモータ２４１を駆動
する（ステップＳ２）（このときの移動速度は、例え
ば、ステップＳ１１における移動速度の１／３の速度に
設定される）。このため、トレイ２６は、排出位置から
収納位置に向かって低速で移動を始める。従って、トレ
イ２６が移動を開始するときの衝撃や移動時の振動が抑
制されることになる。

【００３９】また、トレイ制御部２３は、トレイ２６の
移動を開始した時刻Ｔ５において、第２の期間ｔ２の計
時を開始する。このとき計時される第２の期間ｔ２は、
トレイ２６を低速で移動させたとき、排出位置にあるト
レイ２６が収納位置の近傍まで移動するのに要する期間
（収納位置にあるトレイ２６が排出位置の近傍まで移動
するのに要する期間に等しい）に設定されている。

【００４０】トレイ制御部２３は、第２の期間ｔ２を計
時しているときには、トレイ２６を低速で移動させる制
御を続ける。そして、第２の期間ｔ２の計時を終了した
とき（時刻Ｔ６）、トレイ制御部２３は、トレイ２６が
収納位置、つまり停止位置に接近した位置にあるとし
て、モータ２４１に対する駆動を、低速駆動から微速駆
動に変更し、トレイ２６の移動速度を、それまでの速度
より遅い速度（例えば、第２の期間ｔ２における移動速
度の１／３の速度、等）に変更する（ステップＳ３，Ｓ
４）。

【００４１】次いで、トレイ制御部２３は、トレイ２６
が収納位置に移動したことを検出するスイッチ２２がオ
ンになるかどうかを調べる。そして、スイッチ２２がオ
ンになったときには、トレイ２６が収納位置まで移動し
たとして、モータ２４１の駆動を停止し、トレイ２６の
移動を停止させる（ステップＳ５，Ｓ６）。

【００４２】以上説明したように、ディスク再生手段１
がディスク６を再生していないときのトレイ２６の移動
速度は、高速となっている。従って、トレイ２６が収納
位置から排出位置に移動するまでの時間、あるいは、排
出位置から収納位置に移動するまでの時間は短い時間と
なる。このため、ユーザにとっては、快適な操作性が得
られることになる。また、ディスク再生手段１がディス
ク６を再生しているときのトレイ２６の移動速度は、低
速となっている。このため、トレイ２６の移動によって
生じる衝撃や振動が抑制されるので、トレイ２６が移動
するときにも、ディスク再生手段１においては、トラッ
キング外れが生じない。このため、ユーザにとっては、
トレイ２６を移動させるときにも、再生された音楽を快
適に楽しむことができる。

【００４３】また、トレイ２６が停止位置に接近したと
きには、移動速度を、それまでの速度より遅い速度とし
ているので、トレイ２６が停止するときの衝撃は抑制さ
れる。従って、トレイ２６の移動に要する時間が長くな
ることを防止しつつ、トレイ２６が停止するときの衝撃
が抑制される。

【００４４】また、トレイ制御部２３は、ＦＧ信号発生
手段が発生するＦＧ信号に基づいて、ディスク再生手段
１がディスク６を再生しているかどうかを判定するよう
にしている。従って、ディスク再生手段１、テーブル駆
動手段３、および、主制御部４の構成を、ディスク６を
再生しているときと再生していないときとで同一である
構成のままとし、トレイ駆動手段２におけるトレイ制御
部２３の構成を変更するのみで、再生中であるときのト
レイ２６の移動速度が、再生中でないときのトレイ２６
の移動速度より遅くなる装置に変更することができる。
すなわち、装置の変更を簡単なものとすることができ
る。

【００４５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るディ
スク再生装置は、ディスク再生手段がディスクを再生し
ているときとディスクを再生していないときとの双方に
おいて、トレイ駆動手段により、回転テーブルが設けら
れたトレイを収納位置と排出位置とに移動可能な構成に
おいて、トレイ駆動手段は、ディスク再生手段がディス
クの再生を行っているときには、ディスク再生手段がデ
ィスクの再生を行っていないときより遅い速度でもって
前記トレイを移動させるようにしている。従って、ディ
スク再生手段がディスクを再生していないときでは、ト
レイの移動に要する時間が短く、快適な操作性が得られ
る。また、ディスク再生手段がディスクを再生している
ときには、トレイの移動によって生じる衝撃や振動が抑
制されるため、ディスク再生手段においては、読み取り
エラーやトラッキング外れが生じないので、トレイの移
動速度が遅いという操作性の悪さを低減させるときに
も、不測なトラックジャンブや読み取りエラーの発生を
防止することができる。

【００４６】また、さらに、前記トレイ駆動手段は、前
記トレイが排出位置または収納位置に接近したときに
は、トレイを移動させる速度を遅くしている。従って、
トレイの移動に要する時間が長くなることが抑制され、
且つ、トレイが停止するときの衝撃が抑制されるので、
不測なトラックジャンブや読み取りエラーの発生を防止
したときにも、トレイの移動に要する時間を短縮するこ
とができる。

【００４７】また、さらに、ディスクを回転させるディ
スクモータに、ＦＧ信号を発生するＦＧ信号発生手段が
設けられたディスク再生装置に適用しており、前記トレ
イ駆動手段は、ＦＧ信号発生手段の出力に基づいて、デ
ィスクが再生されているかどうかを判定している。従っ
て、トレイ駆動手段にＦＧ信号を導く変更と、トレイ駆
動手段の変更とを行うのみで、再生中であるときのトレ
イの移動速度が、再生中でないときのトレイの移動速度
より遅くなる構成に変更されるので、トレイの移動速度
が再生しているときと再生しいないときとで同一である
装置を、トレイの移動速度が再生しているときと再生し
いないときとで変わる装置に変更するための作業を最少
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るディスク再生装置の一実施形態の
主要動作を示すフローチャートである。

【図２】実施形態の機構の概略を示す平面図である。

【図３】実施形態の電気的構成を示すブロック線図であ
る。

【図４】トレイの移動速度の変化を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ディスク再生手段 ２ トレイ駆動手段 ３ テーブル駆動手段 ６ ディスク １３ ＦＧ信号発生手段を構成するフォトインタラプタ １４ ピックアップ １５ ディスクモータ １６ ＦＧ信号発生手段を構成するロータリ円盤 ２１ 排出位置を検出するスイッチ ２２ 収納位置を検出するスイッチ ２４ トレイ駆動機構 ２６ トレイ ３２ テーブル駆動機構 ３３ 回転テーブル ３４ ディスク保持部 ５１ 装置本体 ５２ シャーシ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体に移動可能に設けられたトレイ
   と、 前記トレイを収納位置と排出位置とに移動させるトレイ
   駆動手段と、 前記トレイに回転可能に取り付けられ、回転軸の周りに
   複数のディスク保持部が形成された回転テーブルと、 前記トレイとは分離して設けられ、前記トレイが収納位
   置にあるときにディスク保持部の１つに保持されている
   ディスクをクランプし、クランプしたディスクを再生す
   るディスク再生手段とを備え、 ディスク再生手段がディスクを再生しているときとディ
   スクを再生していないときとの双方において、前記トレ
   イが収納位置と排出位置とに移動可能なディスク再生装
   置において、 トレイ駆動手段は、ディスク再生手段がディスクの再生
   を行っているときには、ディスク再生手段がディスクの
   再生を行っていないときより遅い速度でもって前記トレ
   イを移動させることを特徴とするディスク再生装置。
2. 【請求項２】 前記トレイ駆動手段は、前記トレイが排
   出位置または収納位置に接近したときには、トレイを移
   動させる速度を遅くすることを特徴とする請求項１記載
   のディスク再生装置。
3. 【請求項３】 ディスクを回転させるディスクモータ
   に、ＦＧ信号を発生するＦＧ信号発生手段が設けられた
   ディスク再生装置において、 前記トレイ駆動手段は、ＦＧ信号発生手段の出力に基づ
   いて、ディスクが再生されているかどうかを判定するこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載のディスク
   再生装置。