JP2002071281A - 二次冷媒冷凍サイクル装置 - Google Patents

二次冷媒冷凍サイクル装置

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JP2002071281A
JP2002071281A JP2000260955A JP2000260955A JP2002071281A JP 2002071281 A JP2002071281 A JP 2002071281A JP 2000260955 A JP2000260955 A JP 2000260955A JP 2000260955 A JP2000260955 A JP 2000260955A JP 2002071281 A JP2002071281 A JP 2002071281A
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refrigerant
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heat exchange
exchange tank
secondary refrigerant
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JP2000260955A
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Mitsuharu Matsuo
光晴 松尾
Shozo Funakura
正三 船倉
Noriho Okaza
典穂 岡座
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接接触式2次冷媒冷凍サイクルにおける、
熱交換槽内の一次冷媒と二次冷媒の分離性能の向上させ
ることが課題である。 【解決手段】 熱交換槽4の鉛直下方に一次冷媒流入部
13と二次冷媒流出部16とを設け、熱交換槽4の鉛直
上方に一次冷媒流出部15と二次冷媒流入部14とを設
け、熱交換槽4内において一次冷媒流入部13の端部を
二次冷媒流出部の端部16よりも鉛直上方に位置させる
とともに、熱交換槽4内において一次冷媒流入部13の
端部より鉛直下方に一次冷媒の流出を防ぐための金属多
孔質体17を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一次冷媒と二次冷
媒を直接接触させることで高効率な熱交換を行う二次冷
媒冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化問題が急速に注目され
るようになり、地球温暖化に大きな影響を与えるHFC
系冷媒に代わる自然冷媒を用いた冷凍サイクル装置の開
発が急がれている。特に、オゾン層破壊もなく、地球温
暖化にも影響を与えないHC(炭化水素)系自然冷媒を
用いた冷凍冷蔵庫や空調システムの開発が有望視されて
いる。
【0003】一般に、HC系自然冷媒を冷凍サイクル装
置の冷媒として使用する場合には、万一の時に冷媒が漏
洩し引火する等の危険性を回避するために、直接膨張型
(以下、直膨型)の冷凍サイクル装置において冷媒の充
填量を少なくする等の対策が必要とされている。
【0004】しかし、冷凍サイクル装置が大型化するに
つれて必要とされる冷媒充填量は増加するため、小型の
冷凍サイクル装置以外にはHC系自然冷媒を用いた直膨
型のシステム展開が困難とされる。
【0005】そこで、一定量以上のHC系自然冷媒が必
要とされる冷凍サイクル装置には、二次冷媒方式を用い
ることが提案されている。なお、これまでにも、CFC
系、HCFC系、アンモニア系の冷媒を一次冷媒とした
二次冷媒方式の冷凍サイクル装置が、オフィスビルなど
のファンコイルユニットやチリングユニット等の大型の
冷凍空調システムで採用されている。
【0006】一般に二次冷媒方式の冷凍サイクル装置で
は、一次側冷凍サイクルの冷熱または温熱を二重管式や
プレート式の中間熱交換器を介して二次側熱搬送サイク
ルへ伝達し、二次冷媒を循環させ、二次冷媒と室内負荷
で熱交換を行うことで室内空調を行っている。特にプレ
ート式の中間熱交換器では、一次冷媒と二次冷媒がプレ
ートを介して互いに熱交換を行うが、容積あたりのプレ
ート面積(伝熱面積に相当)が大きいために、容積あた
りの熱交換量が多く、中間熱交換器の容積を小型化でき
るというメリットがある。
【0007】しかし、直膨型の冷凍サイクル装置では一
次冷媒と内部負荷(例えば室内負荷)との熱交換のみが
必要であるのに対して、二次冷媒方式では二次冷媒と内
部負荷の熱交換および、一次冷媒と二次冷媒での熱交換
が必要であり、プレート式の中間熱交換器によって一次
冷媒と二次冷媒でプレートを介して熱交換を行うには、
互いの冷媒で比較的大きな温度差を要する。その結果、
直膨型の冷凍サイクル装置と比べて、冷房運転時の一次
冷媒蒸発温度を下げること、あるいは暖房運転時の一次
冷媒凝縮温度を上げることが必要となり、一次側冷凍サ
イクルの入力が増加することから、二次冷媒冷凍サイク
ル装置全体としての効率が低下してしまう欠点があっ
た。
【0008】この欠点を補う方法として、従来の一次冷
媒と二次冷媒をプレート式熱交換器などにより間接的に
熱交換を行う方式に対し、一次冷媒と二次冷媒で高効率
な熱交換が可能と考えられる直接熱交換方式の二次冷媒
冷凍サイクル装置を提案した(特願平10−16663
5)。
【0009】従来の直接熱交換方式二次冷媒冷凍サイク
ル装置のシステム構成例および熱交換槽の構成例を図4
および図5に示す。
【0010】図4は、二次冷媒冷凍サイクル装置の一例
として、一次冷媒にHC系自然冷媒のプロパン(R29
0)を、二次冷媒に清水を使用した直接熱交換方式の二
次冷媒空調システムの冷房運転時のシステム構成を示し
ている。
【0011】図4において、直接熱交換方式二次冷媒冷
凍サイクル装置は一次側冷凍サイクルと二次側熱搬送サ
イクルから構成されており、一次側冷凍サイクルは圧縮
機18、四方弁19、第一の熱交換器(以下、室外熱交
換器という)20、絞り装置(以下、膨張弁という)2
1、熱交換槽22から成り、それぞれが一次側接続配管
23で接続されている。
【0012】一方、二次側熱搬送サイクルは、熱交換槽
22、第二の熱交換器(以下、室内熱交換器という)2
4、循環ポンプ25から成り、二次側接続配管26で接
続されている。
【0013】太線は一次冷媒の冷房運転時の流れを、細
線は二次冷媒の流れを示しており、一次側冷凍サイクル
と二次側熱搬送サイクルの一部は室外機の中にパッケー
ジングされ、室内熱交換器24は室内機の中にパッケー
ジングされ、室外機と室内機は二次側接続配管26およ
び信号線(図示せず)等で接続されている。
【0014】冷房時の一次側冷凍サイクルの運転に対し
ては、圧縮機18、四方弁19、室外熱交換器20(凝
縮器として作用する)、膨張弁21、熱交換槽22(蒸
発器として作用する)、四方弁19、圧縮機18の順で
それぞれ一次側接続配管23を介して一次冷媒が流れ
る。
【0015】暖房時の一次側冷凍サイクルの運転に対し
ては、圧縮機18、四方弁19、熱交換槽22(凝縮器
として作用する)、膨張弁21、室外熱交換器20(蒸
発器として作用する)、四方弁19、圧縮機18の順で
それぞれ一次側接続配管23を介して一次冷媒が流れ
る。
【0016】二次側熱搬送サイクルの運転に対しては、
冷房運転・暖房運転に関わらず、熱交換槽22、室内熱
交換器24、循環ポンプ25、熱交換槽22の順で二次
側接続配管26を介して二次冷媒が流れる。この時、熱
交換槽22内では、一次冷媒と二次冷媒が直接接触して
互いに熱交換を行う。
【0017】図5は、従来の直接熱交換方式二次冷媒冷
凍サイクル装置の熱交換槽22を示している。
【0018】図5において、熱交換槽22は中央で仕切
板27によって左室と右室の二つに分離され、熱交換槽
22の下部中央は仕切板27が無く、左室と右室がつな
がっている。熱交換槽22の左室上部に一次冷媒流入管
28および二次冷媒流入管29が接続され、熱交換槽2
2底部に二次冷媒流出管30が接続され、熱交換槽22
右室の上部に冷房時一次冷媒流出管31が接続され、熱
交換槽22右室の上部から伸縮式の暖房時一次冷媒流出
管32がそれぞれ設置される。熱交換槽22内には、一
次冷媒および二次冷媒が封入(運転時には混合状態)さ
れており、図5では、熱交換槽22中の濃い網掛けで示
している。
【0019】暖房運転時には暖房時一次冷媒流出管32
の先端は常に熱交換槽22右室の一次冷媒の液冷媒部分
(図5における熱交換槽22右室の薄い網掛部分)にく
るように設定されている。熱交換槽22右室では、一次
冷媒は二次冷媒との熱交換によりガス状態から液状態へ
と相変化する。一次冷媒と二次冷媒は互いに溶解しない
ことと、液状態の一次冷媒は二次冷媒の水よりも密度が
小さいことから、熱交換槽22右室では、上方に液状態
の一次冷媒が、下方に二次冷媒が貯留することになる。
そのため、暖房時一次冷媒流出管32の先端が常に熱交
換槽22右室の一次冷媒の液冷媒部分となるように設定
することで、熱交換槽22から、液状態の一次冷媒を選
択的に流出させることが可能となる。
【0020】熱交換槽22内における一次冷媒および二
次冷媒の流れは、冷房運転時には、気液二相状態の一次
冷媒および液状態の二次冷媒は熱交換槽22の左室上方
より流入(図5における太線が一次冷媒、細線が二次冷
媒の流れ)し、一次冷媒と二次冷媒は互いに直接接触を
行うことで熱交換しながら、左室下方へ流れ、仕切板2
7の無い左室下方から右室下方へ移動する。この時、密
度の大きい二次冷媒は熱交換槽22底部中央の二次冷媒
流出管30から流出し、密度の小さい一次冷媒は二次冷
媒との熱交換で完全に気化して熱交換槽22右室下方か
ら右室上方へ移動し、冷房時一次冷媒流出管31から流
出する。
【0021】暖房運転時にも、一次冷媒および二次冷媒
は冷房運転時と同様の流れで熱交換を行い、二次冷媒は
二次冷媒流出管30から流出し、二次冷媒との熱交換で
ガス状態から液化した一次冷媒は、二次冷媒よりも密度
が小さいために熱交換槽22右室へ移動して液状態の二
次冷媒の上に液状態の一次冷媒が滞留し、暖房時一次冷
媒流出管32より流出する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記に示す直
接熱交換方式の二次冷媒空調システムにおける熱交換槽
22では内部を仕切板27で左右に分割しているため
に、一次冷媒と二次冷媒の熱交換が可能な容積は、熱交
換槽22の全容積の約半分となるために、熱交換槽22
の全容積に対して一次冷媒と二次冷媒の熱交換効率が悪
くなる。
【0023】一方、熱交換槽22内の仕切板27を無く
し、一次冷媒流入管28を熱交換槽22下部に接続する
ことで熱交換槽22全体を熱交換に利用することが可能
となるが、熱交換槽22下部で一次冷媒流入管28と二
次冷媒流出管30が近接した距離に設置されることにな
る。
【0024】そのため、二次冷媒流出管30先端から流
出する二次冷媒とともに、一次冷媒が吸込まれるため
に、一次冷媒と二次冷媒が十分に分離されず、冷凍サイ
クルの効率低下や、循環ポンプ25にガスが噛むことで
循環ポンプ25が破損することや、混入した一次冷媒に
よって二次側接続配管26が浸食されることなどの課題
があった。
【0025】本発明は、上記課題を考慮し、一次冷媒と
二次冷媒の熱交換効率を高くするとともに、接触した一
次冷媒と二次冷媒の分離を十分行う二次冷媒冷凍サイク
ル装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、一次冷媒を圧縮する圧縮機と、前記一次冷
媒と外部負荷との間で熱交換を行わせるための第一の熱
交換器と、前記一次冷媒を減圧膨張させる絞り装置と、
前記一次冷媒と二次冷媒とが流入し、それら一次冷媒と
二次冷媒とを直接接触させて互いに熱交換を行わせるた
めの熱交換槽と、前記圧縮機、前記第一の熱交換器、前
記絞り装置および前記熱交換槽を接続する一次側接続配
管とを有する一次側冷凍サイクルと、前記熱交換槽と、
循環ポンプと、前記二次冷媒と内部負荷との間で熱交換
を行わせるための第二の熱交換器と、前記熱交換槽、前
記循環ポンプおよび前記第二の熱交換器を接続する二次
側接続配管とを有する二次側熱搬送サイクルとを備え、
前記熱交換槽の鉛直下方には一次冷媒流入部と二次冷媒
流出部とが設けられており、前記熱交換槽の鉛直上方に
は一次冷媒流出部と二次冷媒流入部とが設けられてお
り、前記一次冷媒が前記一次冷媒流入部より前記熱交換
槽内部に流入して前記一次冷媒流出部より流出し、前記
二次冷媒が前記二次冷媒流入部より前記熱交換槽内部に
流入して前記二次冷媒流出部より流出し、前記熱交換槽
内において、前記一次冷媒流入部の端部が前記二次冷媒
流出部の端部よりも鉛直上方に位置していることを特徴
とする二次冷媒冷凍サイクル装置である。
【0027】第2の本発明(請求項2に対応)は、前記
一次冷媒流入部の端部よりも鉛直下方となる前記熱交換
槽内空間には、気体および/または液体の通過の抵抗と
なる抵抗体が配置されていることを特徴とする第1の本
発明に記載の二次冷媒冷凍サイクル装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明における二次冷媒冷凍サイ
クル装置の一例として、一次冷媒にHC系自然冷媒のプ
ロパンを、二次冷媒に清水を使用した、冷房専用の二次
冷媒空調システムのシステム構成を図1に示す。
【0029】本システムは一次側冷凍サイクルと二次側
熱搬送サイクルから構成されており、一次側冷凍サイク
ルは圧縮機1、第一の熱交換器(以下、室外熱交換器と
いう)2、絞り装置(以下、膨張弁という)3、熱交換
槽4、オイルセパレータ5、アキュムレータ6等から成
り、それぞれが一次側接続配管7で接続され、一次冷媒
および冷凍機油が封入されている。
【0030】二次側熱搬送サイクルは、第二の熱交換器
(以下、室内熱交換器という)8、循環ポンプ9、熱交
換槽4のそれぞれが二次側接続配管10で接続され、二
次冷媒が封入されている。
【0031】図1において、太線は一次冷媒の流れを、
細線は二次冷媒の流れを示しており、一次側冷凍サイク
ルと二次側熱搬送サイクルの一部は室外機の中にパッケ
ージングされ、室内熱交換器8は室内機の中にパッケー
ジングされ、室外機と室内機は二次側接続配管10およ
び信号線(図示せず)等で接続されている。
【0032】オイルセパレータ5は圧縮機1から吐出さ
れた冷凍機油を再び圧縮機1の吸入管へ戻す返油管を備
えている。
【0033】一次冷媒と二次冷媒は互いに溶解しにく
く、一次冷媒の密度はガス状態・液状態共に、二次冷媒
の液状態の密度より小さいために、熱交換槽4の中で混
合しても短時間で一次冷媒が上部に、二次冷媒が下部
に、互いに分離する性質を持っている。
【0034】一次側冷凍サイクルでは、一次冷媒が圧縮
機1で圧縮され、オイルセパレータ5を経て、室外熱交
換器2(凝縮器として作用する)で室外負荷である室外
空気と熱交換を行って熱を放出して凝縮し、膨張弁3で
減圧されて、熱交換槽4(蒸発器として作用する)で一
次冷媒と熱交換を行って二次冷媒から熱を奪って蒸発
し、アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
【0035】二次側熱搬送サイクルでは、二次冷媒が循
環ポンプ9によって循環されながら、熱交換槽4で一次
冷媒へ熱を奪われて冷却され、室内熱交換器8で室内負
荷である室内空気から熱を奪って加熱され、再び熱交換
槽4へ戻る。
【0036】図2に本発明の実施の形態における熱交換
槽4の構成を示す。
【0037】また、図3は本発明の実施の形態における
熱交換槽4の底部の概念図を示す。
【0038】図2および図3において、熱交換槽4は円
筒型容器であって、一次冷媒の流れを太い矢印で、二次
冷媒の流れを細い矢印で示している。
【0039】熱交換槽4は一次冷媒流入分岐部11およ
び二次冷媒分岐部12を備え、熱交換槽4内へ流入する
一次側接続配管7および二次側接続配管10は、例えば
それぞれ6本に分岐される。
【0040】一次冷媒流入分岐部11により6分岐され
た一次冷媒は、熱交換槽4下部から6本の一次冷媒流入
部としての一次冷媒流入管13を経て熱交換槽4に流入
し、熱交換槽4上部の一次冷媒流出部としての一次冷媒
流出管15から流出する。
【0041】また、熱交換槽4の底部には、抵抗体とし
て、例えば金属多孔質体17が設置されている。
【0042】ここで、6分岐された一次冷媒流入管13
のそれぞれは、熱交換槽4の中へ、例えば約2cm内部
へ貫通して差し込まれており、熱交換槽4内に貫通した
一次冷媒流入管13は金属多孔質体17も同時に貫通し
ている。
【0043】一方、二次冷媒流入分岐部12により6分
岐された二次冷媒は、熱交換槽4上部から6本の二次冷
媒流入部としての二次冷媒流入管14を経て熱交換槽4
に流入し、熱交換槽4底部の二次冷媒流出部としての二
次冷媒流出管16から流出する。
【0044】上記の構成により、一次冷媒および二次冷
媒が熱交換槽4内へ流入・流出されるが、熱交換槽4の
底部においては、一次冷媒流入管13の先端は二次冷媒
流出管16の先端よりも上の位置にあることになる。す
なわち、上記のような構成で一次冷媒流入管13および
二次冷媒流出管16を設置することにより、請求項1に
示す、「一次冷媒流入部の端部が二次冷媒流出部の端部
よりも鉛直上方に位置している」構成を実現することが
出来る。
【0045】一次冷媒流入管13から熱交換槽4へ流入
した一次冷媒は、熱交換槽4内で二次冷媒と直接接触し
て熱交換を行う。
【0046】一次冷媒は熱交換槽4内で、二次冷媒より
熱を受け取り、蒸発して気液二相の状態から気相状態へ
変化する。このとき一次冷媒は、二次冷媒と混合されて
おり、二次冷媒よりも密度が小さいために大きな浮力が
生じる。よって一次冷媒には、熱交換槽4の上方へ向か
う力が、下方にある二次冷媒流出管16から二次冷媒と
共に吸い込まれる力よりも大きく作用することになる。
これにより一次冷媒が二次冷媒流出管16に吸い込まれ
にくくなり、熱交換槽4底部において、二次冷媒中の一
次冷媒を分離することができる。
【0047】一方、金属多孔質体17は、円盤状であっ
て、一次冷媒流入管13を通すための孔が空いており、
金属多孔質体17の上面は、一次側流入管13の先端と
同等の高さとなっている。
【0048】金属多孔質体17は、細かな孔が多数空い
た一体の物質であって、液体・気体共に通過する際の抵
抗となるものである。
【0049】金属多孔質体17により、一次冷媒流出管
13から熱交換槽4内へ流入した一次冷媒が二次冷媒と
共に下方へ吸い込まれる際の抵抗となるために、一次冷
媒が二次冷媒と共に二次冷媒流出管16から吸い込まれ
にくくなる効果があり、熱交換槽4底部において、二次
冷媒中の一次冷媒をより良く分離することができる。
【0050】また、金属多孔質体17の底面と熱交換槽
4の底面内壁とは密着しており、これらの間には気体の
層を形成する隙間等が無い様に設置されている。
【0051】これは、熱交換槽4の高さ方向に対して直
角となる熱交換槽4の断面方向で、熱交換槽4下部フラ
ンジ面と金属多孔質体17底面の間に一定の空間が存在
すれば、一次冷媒流入管13より熱交換槽4へ流入した
気液二相状態の一次冷媒のガス相が、前記空間部へ溜ま
り込んで気体の層を形成して一次冷媒および二次冷媒が
前記空間を通過することを妨げる恐れがあるためであ
る。
【0052】このように一次冷媒のガスが溜まり込む空
間の無いようにして金属多孔質体17を設置することに
より、熱交換槽4内における一次冷媒と二次冷媒の流れ
を妨げないようして、一次冷媒および二次冷媒の混合と
分離を向上させることができる。
【0053】ここで、「金属多孔質体17の底面と熱交
換槽4の底面内壁とは密着」としているが、金属多孔質
体17の表面には凹凸があるので、例えば金属多孔質体
17の断面部を熱交換槽4の底面内壁を互いに押しつけ
て密着させる等の方法で、双方の間にガスの溜まり込む
空間が生じないようにすることができる。
【0054】これらの構成によって、熱交換槽4内で一
次冷媒と二次冷媒のそれぞれの流れを確保し、互いの冷
媒が混合された後、二次冷媒流出管16から一次冷媒が
流出するのを防ぐ事が出来る。
【0055】以上、示したように、熱交換槽4内におい
ては、一次冷媒は下方から上方へ、気液二相状態からガ
ス状態へ変化しながら流れ、二次冷媒は上方から下方
へ、液状態で流れ、熱交換槽4下部において二次冷媒流
出管16先端は一次冷媒流入管13先端よりも下方にあ
ることと、一次冷媒流出管13より下方には金属多孔質
体17が抵抗体として設置されることにより、一次冷媒
が二次冷媒流出管16から吸込まれることなく、一次冷
媒と二次冷媒を互いに分離することが出来る。
【0056】本実施の形態では、一次冷媒および二次冷
媒の混合を促進するために流入管をそれぞれ6分岐させ
たが、一次冷媒と二次冷媒を互いに混合・分離させるこ
とが可能な構成であれば、これに限るものではない。
【0057】また、本実施の形態では、熱交換槽4への
一次冷媒流入部の端部が二次冷媒流出部の端部よりも鉛
直上方となる位置関係を実現するために、熱交換槽4内
へ一次冷媒流入管13を挿入することで実現したが、こ
れに限るものでなく、熱交換槽4の底面部に高さの異な
る部分を設けて、一次冷媒流入部を熱交換槽4底面の高
い部分に、二次冷媒流出部を熱交換槽4底面の低い部分
に接続することで、一次冷媒流入部および二次冷媒流出
部の位置関係を実現してもかまわない。
【0058】また、本実施の形態では二次冷媒流出部と
して二次冷媒流出管16を熱交換槽4の底部に接続した
が、これに限るものではなく、熱交換槽4の底部付近の
側面に接続する等の方法で実現しても構わない。
【0059】また、本実施の形態では、一次冷媒流入管
13先端を二次冷媒流出管16先端よりも約2cm高い
位置に設置したが、一次冷媒流入管13先端より流入し
た一次冷媒が、二次冷媒流出管16先端から吸込まれる
ことのない距離を確保すればこれに限るものではない。
【0060】また、本実施の形態では、一次冷媒流出管
13先端より下方でかつ、二次冷媒流入管16先端より
も上方の部分に抵抗体として金属多孔質体17を設置し
たが、これに限るものでなく、二次冷媒が通過する事が
可能であり、かつ、一次冷媒が吸込まれる際の抵抗とな
る物質であればこれに限るものではない。
【0061】また、本実施の形態では、抵抗体として金
属多孔質体17の高さを、熱交換槽4内に挿入された一
次冷媒流入管13と同等の高さとしたが、これに限るも
のでなく、一次冷媒が二次冷媒流出管16から吸込まれ
る際の抵抗となるものであればこの高さに限るものでは
ない。
【0062】また、本実施の形態では金属多孔質体17
を一体の物質として検討したが、これに限るものではな
く、同一の形状・材質のものを複数個組み合わせたり、
材質や形状の異なる抵抗体を複数個組み合わせたもので
あっても構わない。
【0063】また、複数の抵抗体を組み合わせて設置す
る場合にも、互いの抵抗体を密着(できるだけ接触)さ
せることで同様にガスの溜まり込む空間が存在しないよ
うに設置して、熱交換槽4内部に一次冷媒および二次冷
媒の流れによって金属多孔質体17が位置を変えたりす
ることで、熱交換槽4下部フランジ内面との間や、複数
の金属多孔質体17の間に隙間を生じるなどの無いよう
にしなくてはならない。
【0064】また、本実施の形態では熱交換槽4内の金
属多孔質体17の上部空間は何も封入されていないが、
一次冷媒と二次冷媒の熱交換の促進を目的として同様に
金属多孔質体等を封入しても構わない。
【0065】また、本実施の形態では、二次冷媒冷凍サ
イクルの冷房運転時の運転を実施の形態として示した
が、暖房運転時にも同様であり、熱交換槽4底部の一次
冷媒流入管13先端から流入したガス状態の一次冷媒
が、二次冷媒流入管16先端から流出するのを防ぐよう
に、一次冷媒流入管13と二次冷媒流出管16を設定
し、一次冷媒流入管13と二次冷媒流出管16の間に例
えば金属多孔質体17等の抵抗体を設置することで、冷
房運転時と同様に、一次冷媒と二次冷媒を分離すること
が出来る。
【0066】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明によれば、熱交換槽において、一次冷媒は下から流
入して上から流出し、二次冷媒は上から流入して下から
流出する構造とし、一次冷媒の流入部の端部が二次冷媒
の流出部の端部よりも上方にあることで、一次冷媒と二
次冷媒の分離性能を向上させた冷凍サイクル装置を得る
ことが出来る。
【0067】また、本発明によれば、熱交換槽の一次冷
媒流入部の端部よりも鉛直下方となる部分に、気体また
は液体の通過の抵抗となる抵抗体を設置することで、一
次冷媒と二次冷媒の分離性能を向上させた冷凍サイクル
装置を得ることが出来る。なお、抵抗体と熱交換槽底部
内壁の間に空間を設けないようにする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における二次冷媒冷凍サイクル装置の一
事例の構成図
【図2】本発明における二次冷媒冷凍サイクル装置の一
事例の熱交換槽の構成図
【図3】本発明における二次冷媒冷凍サイクル装置の一
事例の熱交換槽底部の概念図
【図4】従来における二次冷媒冷凍サイクルの一事例の
構成図
【図5】従来における二次冷媒冷凍サイクルの一事例の
熱交換槽の構成図
【符号の説明】
1 圧縮機 2 第一の熱交換器(室外熱交換器) 3 絞り装置(膨張弁) 4 熱交換槽 5 オイルセパレータ 6 アキュムレータ 7 一次側接続配管 8 第二の熱交換器(室内熱交換器) 9 循環ポンプ 10 二次側接続配管 11 一次冷媒流入分岐部 12 二次冷媒流入分岐部 13 一次冷媒流入管 14 二次冷媒流入管 15 一次冷媒流出管 16 二次冷媒流出管 17 金属多孔質体 18 圧縮機 19 四方弁 20 第一の熱交換器(室外熱交換器) 21 絞り装置(膨張弁) 22 熱交換槽 23 一次側接続配管 24 第二の熱交換器(室内熱交換器) 25 循環ポンプ 26 二次側接続配管 27 仕切板 28 一次冷媒流入管 29 二次冷媒流入管 30 二次冷媒流出管 31 冷房時一次冷媒流出管 32 暖房時一次冷媒流出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡座 典穂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西脇 文俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次冷媒を圧縮する圧縮機と、前記一次
    冷媒と外部負荷との間で熱交換を行わせるための第一の
    熱交換器と、前記一次冷媒を減圧膨張させる絞り装置
    と、前記一次冷媒と二次冷媒とが流入し、それら一次冷
    媒と二次冷媒とを直接接触させて互いに熱交換を行わせ
    るための熱交換槽と、前記圧縮機、前記第一の熱交換
    器、前記絞り装置および前記熱交換槽を接続する一次側
    接続配管とを有する一次側冷凍サイクルと、 前記熱交換槽と、循環ポンプと、前記二次冷媒と内部負
    荷との間で熱交換を行わせるための第二の熱交換器と、
    前記熱交換槽、前記循環ポンプおよび前記第二の熱交換
    器を接続する二次側接続配管とを有する二次側熱搬送サ
    イクルとを備え、 前記熱交換槽の鉛直下方には一次冷媒流入部と二次冷媒
    流出部とが設けられており、前記熱交換槽の鉛直上方に
    は一次冷媒流出部と二次冷媒流入部とが設けられてお
    り、 前記一次冷媒が前記一次冷媒流入部より前記熱交換槽内
    部に流入して前記一次冷媒流出部より流出し、前記二次
    冷媒が前記二次冷媒流入部より前記熱交換槽内部に流入
    して前記二次冷媒流出部より流出し、 前記熱交換槽内において、前記一次冷媒流入部の端部が
    前記二次冷媒流出部の端部よりも鉛直上方に位置してい
    ることを特徴とする二次冷媒冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 前記一次冷媒流入部の端部よりも鉛直下
    方となる前記熱交換槽内空間には、気体および/または
    液体の通過の抵抗となる抵抗体が配置されていることを
    特徴とする請求項1に記載の二次冷媒冷凍サイクル装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007198693A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Mayekawa Mfg Co Ltd カスケード型ヒートポンプシステム
JP2009008334A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Showa Tansan Co Ltd 熱移動媒体及びそれを用いた伝熱装置
CN104061801A (zh) * 2014-06-26 2014-09-24 南京梅山冶金发展有限公司 疏水器排水泄漏蒸汽的再利用装置及方法

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