JPH10281572A - 2次冷媒式冷凍機 - Google Patents

2次冷媒式冷凍機

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JPH10281572A
JPH10281572A JP8302997A JP8302997A JPH10281572A JP H10281572 A JPH10281572 A JP H10281572A JP 8302997 A JP8302997 A JP 8302997A JP 8302997 A JP8302997 A JP 8302997A JP H10281572 A JPH10281572 A JP H10281572A
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JP
Japan
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refrigerant
heat exchange
primary
intermediate heat
secondary refrigerant
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Application number
JP8302997A
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English (en)
Inventor
Hisasuke Sakakibara
久介 榊原
Shin Nishida
伸 西田
Ken Yamamoto
山本  憲
Masahiro Shitaya
昌宏 下谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B40/00Subcoolers, desuperheaters or superheaters

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次冷媒式冷凍機において中間熱交換器の熱
交換効率を向上させる。 【解決手段】 1次冷媒(可燃性ガス)を蒸発させて2
次冷媒(ブライン)を冷却する中間熱交換器4に、1次
冷媒同志の熱交換を行う内部熱交換部40と、この内部
熱交換部40を通過した1次冷媒を低圧に減圧するオリ
スィス(第2減圧器)42と、このオリスィス42にて
低圧に減圧された1次冷媒と2次冷媒とを熱交換する中
間熱交換部41とを一体構造として構成する。内部熱交
換部40では温度式膨張弁(第1減圧器)3にて減圧さ
れた中間圧の1次冷媒と、中間熱交換部41を通過した
低圧の1次冷媒とを熱交換させる。温度式膨張弁3は、
内部熱交換部40を通過した低圧の1次冷媒の過熱度を
調整する。これより、中間熱交換器4の出口では1次冷
媒が気液2相の飽和状態にあり、過熱度を持たないた
め、両冷媒間の温度差を増大して熱交換効率を向上でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2次冷媒式冷凍機に
おける中間熱交換器の熱交換効率向上のための改良構造
に関するもので、例えば、自動車用空調装置に用いて好
適である。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化防止のために、冷凍サ
イクルの冷媒をフロンからプロパンガスのような可燃性
ガスに変更して、室内の冷房を行う車両用空調装置が提
案されている(例えば、実開昭58−54904号公報
参照)。上記の車両用空調装置において、可燃性ガスの
蒸発潜熱にて空調空気を冷却する冷却器(蒸発器)は車
室内に設置されるので、この冷却器の配管接続部等から
可燃性ガスが密閉空間である車室内へ洩れる危険があ
る。
【0003】そこで、車室内へのガス洩れを回避するた
めに、本発明者らは、車室外のエンジンルーム(大気へ
の開放空間)に、中間熱交換器(ブライン−冷媒熱交換
器)を設置し、この中間熱交換器において可燃性ガス
(1次冷媒)の蒸発潜熱にて一旦、ブライン(凍結温度
を低くする成分を添加した水からなる2次冷媒)を冷却
し、この低温ブラインを車室内に設置した吸熱器に循環
し、この吸熱器において低温ブラインにより空調空気を
冷却して室内の冷房を行うようにしたブライン式の車両
用空調装置の開発を試みている。
【0004】図8は、上記中間熱交換器(ブライン−冷
媒熱交換器)を有する2次冷媒式冷凍機の回路構成を示
すものであり、1次冷媒としての可燃性ガスが循環する
1次側回路は、圧縮機1、凝縮器2、減圧器をなす温度
式膨張弁3、中間熱交換器4およびこれらの各機器の間
を連結する冷媒配管5から構成されている。一方、2次
冷媒としてのブラインが循環する2次側回路は、ブライ
ン圧送用のポンプ6、吸熱器7、中間熱交換器4および
これらの各機器の間を連結する冷媒配管8から構成され
ている。
【0005】中間熱交換器4において冷却された2次冷
媒をポンプ6により吸熱器7に循環し、図示しない送風
機により送風される空調空気を吸熱器7にて低温の2次
冷媒により冷却し、その冷風を空調対象空間内(車室
内)に吹き出して、冷房を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
は、上記2次冷媒式冷凍機の実用化に当たって、種々実
験検討したところ、次の点が技術的に大きな課題である
ことが分かった。すなわち、上記2次冷媒式冷凍機にお
いては、1次冷媒にて、熱容量の大きな2次冷媒(ブラ
イン)を冷却するため、2次冷媒の冷却に時間がかか
る。そのため、1次冷媒にて空調空気を直接冷却する通
常の冷凍機に比して、空調装置の始動時等に空調空気の
温度低下に時間がかかり、冷房の応答性が悪いという問
題が生じる。
【0007】この問題を解決するためには、熱容量の大
きい2次冷媒の使用量を減量することが有効である。そ
して、2次冷媒の減量化のためには、中間熱交換器4の
小型化を図ることが有効である。しかるに、図8に示す
2次冷媒式冷凍機の回路構成において、中間熱交換器4
に流入する1次冷媒の流量は温度式膨張弁3により制御
され、中間熱交換器4の出口では1次冷媒が所定の過熱
度を持つように一次冷媒の流量が制御される。
【0008】ここで、中間熱交換器4の出口での1次冷
媒は過熱領域に入らないと冷媒温度が変化しないので、
温度式膨張弁3による流量制御は必然的に中間熱交換器
4の出口で1次冷媒に所定の過熱度を持たせることにな
る。その結果、中間熱交換器4の冷媒流路の出口側では
一次冷媒が過熱度を持ち、冷媒温度が上昇するので、図
9に示すように、2次冷媒の入口側では1次冷媒と2次
冷媒との温度差ΔTが小さくなり、熱交換効率が低下す
る。なお、図9の横軸は中間熱交換器4における1次冷
媒と2次冷媒との熱交換部の熱交換入口から熱交換出口
までの距離をとり、縦軸は両冷媒の温度である。
【0009】上記のごとく熱交換効率が低下することに
よって、中間熱交換器4が大型化してしまい、2次冷媒
の使用量が増えるので、冷房の応答性を悪化するという
問題がある。本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
2次冷媒式冷凍機において中間熱交換器の熱交換効率を
向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記したように、中間熱
交換器の出口では1次冷媒が過熱度を持つことが熱交換
効率低下の原因になっていることに着目して、本発明で
は、中間熱交換器において、1次冷媒が過熱度を持たな
い、気液2相の飽和状態のままで、2次冷媒と熱交換す
る(吸熱する)ようにして、上記目的を達成しようとす
るものである。
【0011】すなわち、請求項1記載の発明では、1次
冷媒を蒸発させて2次冷媒を冷却する中間熱交換器
(4)に、1次冷媒同志の熱交換を行う内部熱交換部
(40)と、この内部熱交換部(40)を通過した1次
冷媒を低圧に減圧する第2減圧器(42)と、この第2
減圧器(42)にて低圧に減圧された1次冷媒と2次冷
媒とを熱交換する中間熱交換部(41)とを備え、内部
熱交換部(40)は、第1減圧器(3)にて減圧された
中間圧の1次冷媒と、中間熱交換部(41)を通過した
低圧の1次冷媒とを熱交換するものであり、第1減圧器
は、内部熱交換部(40)を通過した低圧の1次冷媒の
過熱度を調整する温度式膨張弁(3)であることを特徴
としている。
【0012】これによると、図2のモリエル線図に示す
ように、内部熱交換部(40)における1次冷媒同志の
熱交換によって、内部熱交換部(40)の出口の冷媒は
D点となり、そして、第2減圧器(42)による減圧後
はE点となる。従って、1つの減圧器で、B点から一挙
にE′点まで減圧する場合に比して、本発明によるE点
の冷媒は乾き度が十分小さくなり、中間熱交換部(4
1)の冷媒流路内壁面を覆う液相冷媒の比率が高くな
り、熱交換効率を向上できる。
【0013】さらに、温度式膨張弁(3)は内部熱交換
部(40)を通過した後の低圧の1次冷媒の過熱度を調
整するから、中間熱交換部(41)の出口部(F点)で
は冷媒が気液2相の飽和状態にある。そのため、中間熱
交換部(41)の出口側で冷媒の過熱による温度上昇が
発生しない。これにより、中間熱交換部(41)の特に
冷媒出口側における、1次冷媒と2次冷媒との温度差を
従来技術よりも増大でき、熱交換効率をさらに向上でき
る。
【0014】上記熱交換効率の向上により中間熱交換器
(4)を小型化でき、2次冷媒(熱容量の大きいブライ
ン)の使用量を減少できるので、2次冷媒式冷凍機にお
ける冷房の応答性を改善できる。本発明において、中間
熱交換部(41)は請求項2のように、1次冷媒と2次
冷媒が同一方向に流れるように構成したり、請求項3の
ように、1次冷媒と2次冷媒が逆方向に流れるように構
成することができる。
【0015】特に、請求項2のように、中間熱交換部
(41)において、1次冷媒と2次冷媒が同一方向に流
れるように構成すると、1次冷媒の圧力は、中間熱交換
部41内の冷媒流路圧損により中間熱交換部(41)の
入口側から出口側に行くに従って低下するので、1次冷
媒の温度(蒸発温度)も図5に示すように、入口側から
出口側に行くに従って低下する。これにより、中間熱交
換部(41)の2次冷媒出口側でも1次冷媒と2次冷媒
との温度差ΔTを大きくすることができ、熱交換効率を
一層向上できる。
【0016】また、請求項4記載の発明では、中間熱交
換器(4)における1次冷媒および2次冷媒の流路を金
属薄板(43、45、46)の積層により構成するとと
もに、この金属薄板(43、45、46)の積層体を一
体ろう付けすることにより、内部熱交換部(40)と第
2減圧器(42)と中間熱交換部(41)を構成するこ
とを特徴としている。
【0017】これによると、上記三者(40、41、4
2)を持つ中間熱交換器(4)を一体ろう付けにより能
率よく製造できる。また、請求項5記載の発明では、第
2減圧器を、金属薄板(43、45、46)内の冷媒流
路に設けられた小開口部からなるオリフィス(42)で
構成することを特徴としている。
【0018】これによると、金属薄板(43、45、4
6)に開けた小開口部にて第2減圧器(42)を容易に
構成できる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態による2
次冷媒式冷凍機全体の回路構成を示すものである。図1
において、2次冷媒式冷凍機の回路構成自体は図8の従
来品と同じであり、1次冷媒としての可燃性ガスが循環
する1次側回路は、圧縮機1、凝縮器2、第1減圧器を
なす温度式膨張弁3、中間熱交換器4およびこれらの各
機器の間を連結する冷媒配管5から構成されている。
【0020】一方、2次冷媒としてのブラインが循環す
る2次側回路は、ブライン圧送用の電動ポンプ6、吸熱
器7、中間熱交換器4およびこれらの各機器の間を連結
する冷媒配管8から構成されている。なお、本実施形態
は自動車用空調装置に適用した場合であり、1次冷媒は
プロパンガスのような可燃性ガス、あるいはアンモニア
であり、2次冷媒は凍結温度を低くする成分を添加した
水からなるブラインであり、圧縮機1は車両エンジンに
て駆動される。
【0021】そして、図1において、吸熱器7を除く機
器は自動車のエンジンルーム内に配置され、これに対
し、吸熱器7は車室内に設置される空調ユニット9内に
配置され、空調用送風機10により送風される空調空気
と熱交換するようになっている。本発明の特徴とする中
間熱交換器4は、図1に示すように、大別して、1次冷
媒相互の間で熱交換を行う内部熱交換部40と、1次冷
媒と2次冷媒との間で熱交換を行う中間熱交換部41
と、第2減圧器をなすオリフィス42とから構成されて
いる。
【0022】1次側回路においては、図2に示す高圧P
H の1次冷媒が温度式膨張弁3にて中間圧P0 に減圧
(B→C)され、内部熱交換部40は、この中間圧P0
の気液2相状態の1次冷媒と、中間熱交換部41出口の
F点の低圧PL の1次冷媒とを熱交換するものであっ
て、この1次冷媒同志の熱交換を本明細書では内部熱交
換と称しており、図2の矢印Hはこの内部熱交換を示
す。
【0023】ここで、F点の低圧PL の1次冷媒は、中
間圧P0 の1次冷媒に比して低温であるから、この温度
差に基づいて中間圧P0 の1次冷媒を冷却する。オリフ
ィス42は内部熱交換部40を出た中間圧P0 の1次冷
媒を低圧PL まで減圧する第2減圧器としての役割を果
たす。中間熱交換部41は、オリフィス42で減圧され
た低圧PL の1次冷媒と、2次側回路のブライン(2次
冷媒)とを熱交換して、ブラインを冷却する。ここで、
第1実施形態の中間熱交換部41では、その内部におい
て1次冷媒と2次冷媒の流れ方向が逆方向となってい
る、対向流の形態にしてある。図2の矢印Iの範囲は中
間熱交換部41によるエンタルピ差、すなわち冷房能力
を示す。
【0024】温度式膨張弁3は内部熱交換部40の出口
の1次冷媒が所定の過熱度を持つように、その内部の弁
開度を調整して冷媒流量を調整するものであって、弁機
構自体は周知のものである。3aは内部熱交換部40の
出口の1次冷媒の温度を感知する感温部である。次に、
上記構成において作動を説明する。1次側回路では、圧
縮機1が作動することにより、1次冷媒が高温高圧状態
の過熱ガス状態(図2のA点)として圧縮機1から吐出
され、次に、凝縮器2にて1次冷媒が冷却されて凝縮
し、B点に移行する。次に、1次冷媒が温度式膨張弁3
にて中間圧P0 に減圧され、気液2相の状態(C点)と
なる。
【0025】この中間圧P0 の気液2相冷媒は内部熱交
換部40内に流入し、ここで、中間熱交換部41出口か
らの低温、低圧PL の1次冷媒と熱交換して冷却され、
乾き度が0に近い状態、すなわち、ほぼ液単相状態(D
点)に移行する。次に、この液単相状態の1次冷媒がオ
リフィス42により再度減圧されて低圧PL となる(E
点)。しかるのち、この低圧PL の1次冷媒が中間熱交
換部41に流入し、ブライン(2次冷媒)と熱交換し
て、ブラインを冷却する。この中間熱交換部41を通過
した1次冷媒はF点に移行する。その後、1次冷媒は上
記のように内部熱交換部40内に流入して、中間圧P0
の気液2相冷媒を冷却して、G点に移行した後に圧縮機
1に吸入される。
【0026】一方、中間熱交換部41で冷却されたブラ
インは吸熱器7に循環され、この吸熱器7にて空調空気
を冷却し、この冷却された冷風が車室内へ吹き出し、車
室内を冷房する。なお、図1において、中間熱交換器4
における斜線部は液相冷媒を示し、細点部は気相冷媒を
示している。この斜線部と細点部の割合により、液相冷
媒と気相冷媒の比率である乾き度の変化を示している。
【0027】上記作動において注目すべきは、図2のモ
リエル線図に示すように、内部熱交換部40における1
次冷媒同志の熱交換によって、内部熱交換部40の出口
の冷媒はD点となり、そして、オリフィス42による減
圧後はE点となる。従って、1つの減圧器で、B点から
一挙にE′点まで減圧する場合に比して、本実施形態に
よるE点の冷媒は乾き度が十分小さくなり、中間熱交換
部41の冷媒流路内壁面を覆う液相冷媒の比率が高くな
り、熱交換効率を向上できる。
【0028】しかも、第1減圧器をなす温度式膨張弁3
は内部熱交換部40の出口の1次冷媒が所定の過熱度を
持つように、冷媒流量を調整しているから、中間熱交換
部41の出口部(図2のF点)では、1次冷媒が常に所
定割合の液相冷媒を含む飽和状態に保たれている。その
ため、1次冷媒が過熱状態となる場合のように冷媒温度
が上昇することがなく、中間熱交換部41では、その出
口部に至るまで冷媒が低温状態のままに維持される。
【0029】このため、図3に示すように、中間熱交換
部41では、1次冷媒の出口部において、1次冷媒と2
次冷媒との温度差ΔTが図8、9の従来例に比して格段
と大きくなり、1次冷媒と2次冷媒との間の熱交換効率
をさらに向上できる。以上のように、中間熱交換部41
内を流れる1次冷媒の乾き度を小さくできるとともに、
温度差ΔTを増大できるため、中間熱交換部41の熱交
換効率を効果的に増大でき、中間熱交換部41の小型化
を図ることができる。この中間熱交換部41の小型化に
よって、中間熱交換部41内に収容されるブライン量を
減少できるので、2次冷媒式冷凍機における冷房始動時
に2次冷媒(ブライン)の温度を速やかに低下でき、吸
熱器7からの吹出空気温度も速やかに低下できる。
【0030】(第2実施形態)次に、図4は第2実施形
態を示すものであり、中間熱交換部41における1次冷
媒と2次冷媒の流れ方向を第1実施形態と逆方向にして
いる。すなわち、第1実施形態では、中間熱交換部41
の内部において1次冷媒と2次冷媒の流れ方向が逆方向
となっている、対向流の形態にしているが、第2実施形
態では、中間熱交換部41の内部において1次冷媒と2
次冷媒とが同一方向に流れる、並行流の形態にしてい
る。
【0031】第2実施形態によると、1次冷媒と2次冷
媒とが同一方向に流れるために、第1実施形態に比して
次の利点がある。すなわち、1次冷媒の圧力は、中間熱
交換部41内の冷媒流路圧損により中間熱交換部41の
入口側から出口側に行くに従って低下するので、1次冷
媒の温度(蒸発温度)も入口側から出口側に行くに従っ
て低下する(図5参照)。
【0032】このように、中間熱交換部41の2次冷媒
出口側で1次冷媒の温度が低下することにより、中間熱
交換部41の2次冷媒出口側でも1次冷媒と2次冷媒と
の温度差ΔTを大きくすることができ、熱交換効率を一
層向上できる。次に、図6は上記した内部熱交換部40
と、中間熱交換部41と、第2減圧器をなすオリフィス
42とから構成される中間熱交換器4の具体的構成を例
示するものであって、上記三者40〜42を一体化した
積層型熱交換器から構成されている。
【0033】図6において、中間熱交換器4は、多数の
金属薄板43、45、46を積層して、1次冷媒および
2次冷媒の流路を構成するとともに、この金属薄板4
3、45、46の積層体を一体ろう付けすることによ
り、内部熱交換部40と中間熱交換部41とオリフィス
42とを構成するものである。図7は冷媒の流れ経路を
示している。なお、図6、7では図作成上のスペース的
制約から、Xの領域に本来図示すべき所定枚数の金属薄
板43を省略している。
【0034】金属薄板43は具体的にはアルミニュウム
芯材の両面にろう材をクラッドした両面クラッド材から
なり、この両面クラッド材を流路形成用の張出部を有す
る長方形に成形する。ここで、長方形の金属薄板43は
その長辺方向に沿って、その内部の冷媒流路を右側の小
面積の領域と左側の大面積の領域とに分割してい
る。そして、左側の大面積の領域ではその内部に波形
状のインナーフィン44を挿入し、金属薄板43の積層
方向の両端には、金属薄板43より板厚が大きい金属薄
板からなる端板45、46を配置する。端板45、46
もアルミニュウム両面クラッド材からなる。これらの部
材金属薄板43、45、46からなる積層体を炉中にて
ろう付け温度に加熱して一体ろう付けする。
【0035】この積層型熱交換器構造において、図6の
右側に細く上下方向に延びる領域に内部熱交換部40
を構成し、図6の左側に幅広に上下方向に延びる領域
に中間熱交換部41を構成している。図6の左側の端板
45の右側上部には1次冷媒の入口パイプ47と出口パ
イプ48とを有する配管ジョイント49が接合されてい
る。この入口パイプ47と出口パイプ48には温度式膨
張弁3の冷媒出入口が接続される。ここで、温度式膨張
弁3は図1、4の感温部3aを内蔵する、一般にボック
ス型と称されているものである。
【0036】また、端板45の左側の上部、下部には2
次冷媒(ブライン)の入口パイプ50、出口パイプ51
が接合されている。次に、金属薄板43の積層により形
成される冷媒流路について説明すると、右側の小面積の
領域は内部熱交換部40を構成するものであって、こ
の領域では金属薄板43の積層方向に交互に、図2の
C→D間の中間圧冷媒が流れる冷媒流路40aと、図2
のF→G間の低圧冷媒が流れる流路40bとを形成して
いる。一方、左側の大面積の領域は中間熱交換部41
を構成するものであって、この領域では金属薄板43
の積層方向に交互に、図2のE→F間の低圧冷媒が流れ
る冷媒流路41aと、2次冷媒(ブライン)が流れる流
路41bとを形成している。
【0037】また、金属薄板43の長辺方向の上下両端
に、内部熱交換部40および中間熱交換部41における
冷媒の集合、分配をそれぞれ行うタンク部40c〜40
f、41c〜41fが備えられている。すなわち、タン
ク部40c、40dは内部熱交換部40の中間圧冷媒の
流路40aに設けられ、タンク部40e、40fは内部
熱交換部40の低圧冷媒の流路40bに設けられてい
る。また、タンク部41c、41dは中間熱交換部41
の低圧冷媒の流路41aに設けられ、タンク部41e、
41fは2次冷媒(ブライン)の流路41bに設けられ
ている。
【0038】なお、各タンク部40c〜40f、41c
〜41fは連通穴を有し、この連通穴により隣接するタ
ンク部相互間で連通するようにしてある。但し、タンク
部40cについては金属薄板43の積層方向の中間部位
で1箇所連通穴を閉塞した部位を設けて、中間圧冷媒の
流れをこの閉塞部位でUターンするようにしてある。ま
た、金属薄板43のうち、図7の最も右側(右側端板4
6の手前)に位置する金属薄板43には、中間圧冷媒の
流路40aの最も下流側に位置するタンク部40cが設
けられ、このタンク部40cにはφ1mm程度の円形の
小開口部からなるオリフィス42が開けてある。
【0039】次に、図7により冷媒の流れ経路を説明す
ると、図中実線矢印は1次冷媒の流れを示し、破線矢印
は2次冷媒(ブライン)の流れを示す。1次冷媒は温度
式膨張弁3で減圧されて中間圧P0 になった後に、この
中間圧冷媒は配管ジョイント49の入口パイプ47を通
って、右側領域、すなわち内部熱交換部40のタンク
部40cから流路40aを上方から下方へと流れ、タン
ク部40dに集まる。
【0040】そして、タンク部40cには金属薄板43
の積層方向の中間部位に1箇所連通穴を閉塞した部位を
設けてあるので、この閉塞部位で、中間圧冷媒が金属薄
板43の積層方向の右側へ進むのを阻止する。従って、
中間圧冷媒はこの閉塞部位に対応する下側のタンク部4
0dより右側部分では流れ方向を逆転して、下側のタン
ク部40dから上側のタンク部40cに向かって流れ
る。
【0041】次に、上側のタンク部40cに集合した中
間圧冷媒は、右側端板46の手前に位置する金属薄板4
3のタンク部40cに設けた円形の小開口部からなるオ
リフィス42を通過し、このオリフィス42にて中間圧
冷媒は低圧Pl まで減圧される。この低圧冷媒は右側端
板46の内側流路にて流れを左側方向へ反転し、次い
で、左側領域、すなわち中間熱交換部41のタンク部
41cから流路41aを上方から下方へと流れ、タンク
部41dに集まる。
【0042】このタンク部41dにて集合した低圧冷媒
は左側端板45の内側流路にて流れを右側方向へ反転
し、再度、右側領域の内部熱交換部40に入る。そし
て、内部熱交換部40のタンク部40fから流路40b
を下方から上方へ流れ、タンク部40eに集合した後、
配管ジョイント49の出口パイプ48を通過する。次
に、低圧冷媒は温度式膨張弁3の低圧通路部を通過した
後に、圧縮機1に吸入される。
【0043】一方、2次冷媒(ブライン)は入口パイプ
50から左側領域、すなわち中間熱交換部41のタン
ク部41eに流入し、ここから流路41bを上方から下
方へと流れ、タンク部41fに集まり、入口パイプ51
から外部へ流出する。この間に、2次冷媒(ブライン)
は流路41a側を流れる1次冷媒(低圧冷媒)と熱交換
して冷却される。
【0044】なお、図6、7に示す熱交換器の具体的構
造例では、左側領域に形成される中間熱交換部41に
おいて、1次冷媒および2次冷媒がともに上方から下方
へと流れる並行流となり、前述の図5によるΔTの増加
を行うことができる。図6、7に示す熱交換器におい
て、2次冷媒(ブライン)の入口パイプ50、出口パイ
プ51を上下逆にして、入口パイプ50を下側に配置
し、出口パイプ51を上側に配置すれば、1次冷媒が上
方から下方へと流れ、2次冷媒は下方から上方へと流れ
る対向流となる。
【0045】なお、上述の実施形態では本発明を自動車
用空調装置に適用した場合について説明したが、自動車
用空調装置以外の用途においても同様に本発明を実施で
きることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す冷凍機の回路構成
図である。
【図2】図1の冷凍機の1次側回路のモリエル線図であ
る。
【図3】第1実施形態の中間熱交換部における熱交換距
離と冷媒温度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態を示す冷凍機の回路構成
図である。
【図5】第2実施形態の中間熱交換部における熱交換距
離と冷媒温度との関係を示すグラフである。
【図6】本発明における中間熱交換器の具体的構造を例
示する分解斜視図である。
【図7】図6の中間熱交換器における冷媒の流れ経路を
示す分解斜視図である。
【図8】従来の冷凍機の回路構成図である。
【図9】従来の冷凍機の中間熱交換器における熱交換距
離と冷媒温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…凝縮器、3…温度式膨張弁、4…中間
熱交換器、40…内部熱交換部、41…中間熱交換部、
42…オリフィス、6…ポンプ、7…吸熱器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下谷 昌宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次冷媒が循環する1次側回路に、圧縮
    機(1)、凝縮器(2)、第1減圧器(3)、および1
    次冷媒を蒸発させて2次冷媒を冷却する中間熱交換器
    (4)を備えるとともに、 前記2次冷媒が循環する2次側回路には、前記中間熱交
    換器(4)にて冷却された2次冷媒により空調空気から
    吸熱する吸熱器(7)、前記2次冷媒を2次側回路に循
    環させるポンプ(6)を備え、 前記中間熱交換器(4)に、前記1次冷媒同志の熱交換
    を行う内部熱交換部(40)と、この内部熱交換部(4
    0)を通過した1次冷媒を低圧に減圧する第2減圧器
    (42)と、この第2減圧器(42)にて低圧に減圧さ
    れた1次冷媒と前記2次冷媒とを熱交換する中間熱交換
    部(41)とを備え、 前記内部熱交換部(40)は、前記第1減圧器(3)に
    て減圧された中間圧の1次冷媒と、前記中間熱交換部
    (41)を通過した低圧の1次冷媒とを熱交換するもの
    であり、 前記第1減圧器は、前記内部熱交換部(40)を通過し
    た低圧の1次冷媒の過熱度を調整する温度式膨張弁
    (3)であることを特徴とする2次冷媒式冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記中間熱交換部(41)において、前
    記1次冷媒と前記2次冷媒が同一方向に流れることを特
    徴とする請求項1に記載の2次冷媒式冷凍機。
  3. 【請求項3】 前記中間熱交換部(41)において、前
    記1次冷媒と前記2次冷媒が逆方向に流れることを特徴
    とする請求項1に記載の2次冷媒式冷凍機。
  4. 【請求項4】 前記中間熱交換部(41)における前記
    1次冷媒および前記2次冷媒の流路を金属薄板(43、
    45、46)の積層により構成するとともに、この金属
    薄板(43、45、46)の積層体を一体ろう付けする
    ことにより、前記内部熱交換部(40)と前記第2減圧
    器(42)と前記中間熱交換部(41)を構成すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の
    2次冷媒式冷凍機。
  5. 【請求項5】 前記第2減圧器は、前記金属薄板(4
    3)内の1次冷媒の流路に設けられた小開口部からなる
    オリフィス(42)であることを特徴とする請求項4に
    記載の2次冷媒式冷凍機。
  6. 【請求項6】 前記金属薄板(43、45、46)は長
    方形であり、この長方形の長辺方向に沿って、前記金属
    薄板(43、45、46)内の冷媒流路を小面積の領域
    ()と大面積の領域()とに分割し、 前記小面積の領域()を前記内部熱交換部(40)と
    し、前記大面積の領域()を前記中間熱交換部(4
    1)としたことを特徴とする請求項4または5に記載の
    2次冷媒式冷凍機。
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