JP2002060683A - プリント基板用の表面コーティング剤 - Google Patents

プリント基板用の表面コーティング剤

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JP2002060683A
JP2002060683A JP2000246498A JP2000246498A JP2002060683A JP 2002060683 A JP2002060683 A JP 2002060683A JP 2000246498 A JP2000246498 A JP 2000246498A JP 2000246498 A JP2000246498 A JP 2000246498A JP 2002060683 A JP2002060683 A JP 2002060683A
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浩三 田尻
Yasunori Okumura
康則 奥村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低誘電性、耐熱性及び高耐湿性に優れるプリ
ント基板用の表面コーティング剤を提供する。 【解決手段】 式(I)で示される含フッ素アリールエ
ーテルケトン重合体および/または式(III)ポリシ
アノアリールエーテルを含んでなるプリント基板用の表
面コーティング剤。(ただし、X、X′はハロゲン原
子、低級アルキル基又はアルコキシル基、q、q′は0
〜4、m、pは0又は1、n、zは重合度、Rは下記
式(II)、R、Yは2価の有機基、Yは炭素数
1〜12のアルキルキ或いはアルコキシル基、アルキル
アミノ基或いは炭素数6〜20のアリール基、アリール
オキシ基、アリールアミノ基、アリールチオ基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁樹脂コーティ
ング剤に関するものである。より詳しくは、本発明は、
プリント基板用の表面コーティング剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年のコンピューターシステムの高速度
化の要求に伴い、特性インピーダンス、信号遅延時間及
び高周波特性などの観点から絶縁樹脂についても低誘電
材料が求められている。これらの低誘電材料のうち代表
的な一例として、ポリイミドのコーティング剤がある。
【0003】このポリイミドのコーティング剤は、従
来、多層配線層の層間絶縁膜として使用されており、感
光性を付与したものもあり、耐熱性及び密着性などの物
理的特性も良好であるが、ポリイミド自身の比誘電率は
1MHzで約3.4〜4.0と比較的高く、また、ポリ
イミドの比誘電率をさらに下げようとすると、密着性や
機械的強度等の物理的な特性が損なわれるという問題が
生じる。このため、低比誘電率ならびに優れた密着性や
強度、さらには耐湿性、耐候性及び高ガスバリア性等を
も兼ね備えたポリイミド材料に対する要求は高いもの
の、そのようなポリイミド材料はいまだ得られていなか
った。
【0004】一方、低誘電樹脂材料として、フッ素樹脂
もまた知られており、具体的には、ポリテトラフルオロ
エチレン(テフロン:DuPont製、比誘電率:2.1)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(比誘電率:2.1)及びテトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(比
誘電率:2.1)などが挙げられる。しかしながら、こ
れらのフッ素樹脂は、密着性、温度差による体積変化や
感光性付与などに問題があり、プリント基板用の表面コ
ーティング剤としては実用化されていない。
【0005】このような問題を克服するために、様々な
低誘電樹脂材料の改良が試みられ、その例として、フッ
素樹脂微細フィラー、好ましくはポリテトラフルオロエ
チレン粉末を均一分散させて含有するポリイミドであっ
て、該フィラーの含有量に応じて比誘電率を3.1〜
2.2の範囲に設定してプリント配線板の表面配線での
塗付絶縁膜に用いるプリント配線板用ポリイミドコーテ
ィング材(特開平4−33,394号公報)が挙げられ
る。
【0006】しかしながら、特開平4−33,394号
公報に開示されるプリント配線板用ポリイミドコーティ
ング材は、吸水率が高くコーティングの後処理として約
300℃で焼成する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記諸事情を鑑みてなされたものであり、低比
誘電性及び低誘電損失を有するプリント基板用の表面コ
ーティング剤を提供するものである。
【0008】また、本発明の他の目的は、上記特性に加
えて、優れた耐熱性及び高耐湿性を有するプリント基板
用の表面コーティング剤を提供するものである。
【0009】また、本発明の他の目的として、容易にコ
ーティングできるプリント基板用表面コーディング剤を
提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成するために様々なポリマーについて鋭意検討し
た結果、本発明者らがこれまで研究を行ってきた含フッ
素アリールエーテルケトン重合体の比誘電率が3.0〜
3.8と従来絶縁層に使用されてきたポリイミド樹脂を
はじめとする材料に比べて低く、さらに優れた耐熱性、
耐湿性及び低誘電損失を有することに着目し、さらに上
記重合体は溶媒に可溶であるため成膜後の熱処理を低温
で行うことが可能であることから、このようなポリイミ
ド樹脂含むプリント基板用の表面コーティング剤が上記
目的を達成できることを発見した。
【0011】本発明者らはまた、さらに上記諸目的を達
成するために様々なポリマーについて鋭意検討した結
果、本願発明者らがこれまで研究を行ってきたポリシア
ノアリールエーテルもまた、比誘電率が3.0〜3.8
と従来絶縁層に使用されてきたポリイミド樹脂をはじめ
とする材料に比べて低く、さらに優れた耐熱性、耐湿性
及び低誘電損失を有することに着目し、さらに上記重合
体は溶媒に可溶であるため成膜後の熱処理を低温で行う
ことが可能であることから、このようなポリイミド樹脂
含むプリント基板用の表面コーティング剤が上記目的を
達成できることを発見した。
【0012】上記知見に基づいて、本発明を完成するに
至った。
【0013】すなわち、上記諸目的は、下記式(I):
【0014】
【化4】
【0015】{ただし、Xはハロゲン原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシル基を表わし、qは0〜4の
整数であり、nは重合度を表し、mは0または1の整数
である。R1は下記式(II):
【0016】
【化5】
【0017】(ただし、X’はハロゲン原子、低級アル
キル基または低級アルコキシル基を表わし、q’は0〜
4の整数であり、pは0または1の整数である。R2
2価の有機基を表わす。)で表わされる基である。}で
示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体および
/または下記式(III):
【0018】
【化6】
【0019】(ただし、Y1は、置換基を有してもよい
炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよ
い炭素原子数1〜12のアルコキシル基、置換基を有し
てもよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、置換
基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルチオ
基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリー
ル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリ
ールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜2
0のアリールアミノ基または置換基を有してもよい炭素
原子数6〜20のアリールチオ基を表わす;Y2は、2
価の有機基を表わす;zは重合度を表わす。)で示され
るポリシアノアリールエーテルを含んでなるプリント基
板用の表面コーティング剤によって達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】第一の概念によると、本発明は、下記式
(I):
【0022】
【化7】
【0023】{ただし、Xはハロゲン原子、低級アルキ
ル基または低級アルコキシル基を表わし、qは0〜4の
整数であり、nは重合度を表し、mは0または1の整数
である。R1は下記式(II):
【0024】
【化8】
【0025】(ただし、X’はハロゲン原子、低級アル
キル基または低級アルコキシル基を表わし、q’は0〜
4の整数であり、pは0または1の整数である。R2
2価の有機基を表わす。)で表わされる基である。}で
示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体(以
下、単に「含フッ素アリールエーテルケトン重合体」と
もいう)および/または下記式(III):
【0026】
【化9】
【0027】(ただし、Y1は、置換基を有してもよい
炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよ
い炭素原子数1〜12のアルコキシル基、置換基を有し
てもよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、置換
基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルチオ
基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリー
ル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリ
ールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜2
0のアリールアミノ基または置換基を有してもよい炭素
原子数6〜20のアリールチオ基を表わす;Y2は、2
価の有機基を表わす;zは重合度を表わす。)で示され
るポリシアノアリールエーテル(以下、単に「ポリシア
ノアリールエーテル」ともいう)を含んでなるプリント
基板用の表面コーティング剤を提供するものである。
【0028】本発明のプリント基板用の表面コーティン
グ剤は、上記したような特定の構造を有する含フッ素ア
リールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノ
アリールエーテルを含むことを必須とし、プリント配線
板の表面配線での塗付絶縁膜に使用されるものである。
【0029】本発明においてプリント基板用の表面コー
ティング剤を構成する含フッ素アリールエーテルケトン
重合体は、下記式(I):
【0030】
【化10】
【0031】で示される重合体である。
【0032】上記式(I)で示される含フッ素アリール
エーテルケトン重合体の各繰り返し単位は、下記式:
【0033】
【化11】
【0034】で示されるp−テトラフルオロベンゾイレ
ン基(本明細書では、単に「p−テトラフルオロベンゾ
イレン基」ともいう)及び下記式:
【0035】
【化12】
【0036】で示されるオキシアルキレン基(本明細書
では、単に「オキシアルキレン基」ともいう)がベンゼ
ン環の任意の位置に(オルト位、メタ位またはパラ位
に、特に好ましくはパラ位に)それぞれ結合し、ベンゼ
ン環の任意の残位がXで置換されるまたは置換されない
構造を有するものである。
【0037】上記式(I)において、Xは、ハロゲン原
子、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ
素原子、好ましくはフッ素原子;低級アルキル基、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチ
ル等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4
の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、好ましくはメチル
及びエチル、ならびにトリフルオロメチル等のこれらの
ハロゲン化アルキル基;低級アルコキシル基、例えば、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及び
ブトキシ等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数
1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、好まし
くはメトキシ及びエトキシ、ならびにトリフルオロメト
キシ等のこれらのハロゲン化アルコキシル基などを表わ
す。これらのうち、フッ素原子が特にXとして好ましく
使用される。上述したように、Xは、p−テトラフルオ
ロベンゾイレン基及びオキシアルキレン基が結合しない
残位の水素原子の代わりに置換される基であるが、ベン
ゼン環へのXの結合数、即ち、式(I)におけるqの値
は、0〜4の整数である。
【0038】また、上記式(I)において、mは0また
は1の整数であり、R1は、下記式(II):
【0039】
【化13】
【0040】で表される基である。
【0041】上記式(II)において、X’は、ハロゲ
ン原子、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及び
ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子;低級アルキル基、
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び
ブチル等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1
〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、好ましくはメ
チル及びエチル、ならびにトリフルオロメチル等のこれ
らのハロゲン化アルキル基;低級アルコキシル基、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ
及びブトキシ等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原
子数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、好
ましくはメトキシ及びエトキシ、ならびにトリフルオロ
メトキシ等のこれらのハロゲン化アルコキシル基などを
表わす。これらのうち、フッ素原子が特にX’として好
ましく使用される。また、X’のベンゼン環への結合
数、即ち、式(II)におけるq’の値は、0〜4の整
数である。
【0042】これらのうち、R1は、下記式(V):
【0043】
【化14】
【0044】で表される基であることが好ましい。
【0045】また、上記式(II)及び(V)におい
て、pは0または1の整数である。また、R2は、2価
の有機基を表わすが、具体的には、メチレン(−CH2
−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−C
2CH(CH3)−)、トリメチレン(−CH2CH2
2−)、テトラメチレン(−CH2(CH22CH
2−)、ペンタメチレン(−CH2(CH23CH
2−)、ヘキサメチレン(−CH2(CH24CH
2−)、プロペニレン(−CH2CH=CH−)、ビニレ
ン(−CH=CH−)、1,2,3−プロパントリイル
(−CH2CHCH2−)、2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロヘキサメチレン(−CH2(C
24CH2−)、及び2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタメチレン
(−CH2(CF26CH2−)等の、炭素原子数が、通
常、1〜12、好ましくは1〜6の直鎖若しくは分岐鎖
の、飽和若しくは不飽和アルキレン基;式:−CH2
CH2−O−CH2−CH2−で表わされる基;ならびに
o−、m−またはp−ベンゼンジメチレン、o−、m−
またはp−ベンゼンテトラフルオロジメチレン、o−、
m−またはp−フェニレン、2価のナフタレン、ビフェ
ニル、アントラセン、o−、m−またはp−テルフェニ
ル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエー
テル、ビフェニルスルホン、および下記5式:
【0046】
【化15】
【0047】で表わされる芳香族基などの2価の芳香族
基が挙げられる。なお、本発明による2価の有機基にお
いて、炭素原子に直接結合する水素がハロゲン原子、低
級アルキル基または低級アルコキシル基で置換されてい
てもよい。これらのうち、2価の芳香族基がR2として
好ましく、より好ましくは、下記7種:
【0048】
【化16】
【0049】で示される芳香族基がR2として使用され
る。
【0050】さらに、上記式(I)において、nは、重
合度を表わし、具体的には、2〜5000、好ましくは
5〜500である。さらに、本発明において、含フッ素
アリールエーテルケトン重合体は、同一の繰り返し単位
からなるものであってもまたは異なる繰り返し単位から
なるものであってもよく、後者の場合には、その繰り返
し単位はブロック状であったもまたはランダム状であっ
てもよい。
【0051】本発明において特に好ましく使用される含
フッ素アリールエーテルケトン重合体は、下記式(I
V):
【0052】
【化17】
【0053】で示されるものである。なお、上記式(I
V)において、R1及びmは、上記式(I)における定義
と同様である。
【0054】なお、本発明による含フッ素アリールエー
テルケトン重合体の製造方法については以下に詳述する
が、この記載から、式(I)で示される含フッ素アリー
ルエーテルケトン重合体の末端は、p−テトラフルオロ
ベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基
側が水素原子であると、即ち、式(I)で示される含フ
ッ素アリールエーテルケトン重合体は、下記式(I
X):
【0055】
【化18】
【0056】で示される重合体、好ましくは下記式
(X):
【0057】
【化19】
【0058】で示される重合体であると考えられる。ま
た、本発明で使用される式(I)の含フッ素アリールエ
ーテルケトン重合体は架橋構造を有するものであっても
よい。
【0059】以下、本発明において好ましく使用される
上記式(IV)で示される含フッ素アリールエーテルケ
トン重合体について以下に詳述するが、上記式(I)で
示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、例
えば、置換した化合物を代わりに出発原料として使用す
る、または下記合成方法において各工程間若しくは全工
程終了後の生成物の相当するベンゼン環に所望の置換基
を公知の方法を用いて導入するなどによって、当業者に
より同様にして調製できる。
【0060】上記式(IV)において、mが0の場合に
は、下記式(VI):
【0061】
【化20】
【0062】ただし、nは重合度を表す、で示される含
フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
【0063】また、上記式(IV)において、mが1で
ありかつpが0である場合には、下記式(VII):
【0064】
【化21】
【0065】ただし、nは重合度を表す、で示される含
フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
【0066】さらに、上記式(IV)において、mが1
でありかつpが1である場合には、下記式(VII
I):
【0067】
【化22】
【0068】ただし、nは重合度を表し、およびR2
前記のとおりである、で示される含フッ素アリールエー
テルケトン重合体となる。なお、上記式(VIII)で
は、nは、重合度を表わすが、好ましくは、2〜200
0、より好ましくは5〜200である。
【0069】本発明による含フッ素アリールエーテルケ
トン重合体の製造方法は、特に制限されるものではな
く、公知の方法、例えば、K. Kimura et al., Polymer
Preprints, Vol. 39, No. 2, 1998に記載される方法が
使用できる。
【0070】より詳細に述べると、本発明による含フッ
素アリールエーテルケトン重合体が上記式(VI)また
は上記式(VII)で示される際の、含フッ素アリール
エーテルケトン重合体の製造方法を以下に説明する。
【0071】まず、2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロベンゾイルクロライドを、有機溶剤中でフリーデルク
ラフツ触媒の存在下で、例えば、メトキシベンゼンやエ
トキシベンゼン等のアルコキシベンゼンまたは4−メト
キシジフェニルエーテルや4−エトキシジフェニルエー
テル等の4−アルコキシジフェニルエーテルとフリーデ
ルクラフツ反応させることにより、p−(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)アルコキシベンゼ
ンまたは4−アルコキシ−4’−(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルをそ
れぞれ得、この反応産物を脱アルキル化反応することよ
って、下記式:
【0072】
【化23】
【0073】ただし、qは0または1の整数である、で
示される2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイ
ル化合物(以下、単に「2,3,4,5,6−ペンタフ
ルオロベンゾイル化合物」と称する)を得る。
【0074】上記フリーデルクラフツ反応において、ア
ルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエー
テルの使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
ベンゾイルクロライド1モル当たり、0.8〜1.2モ
ル、好ましくは0.9〜1.1モルである。この際、ア
ルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエー
テルの使用量が0.8モル未満では、アルコキシベンゼ
ンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルに過剰に
2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導
入されてしまい好ましくない。これに対して、アルコキ
シベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルの
使用量が1.2モルを越えると、未反応のアルコキシベ
ンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルが多量
に残り、生産性の面で好ましくない。
【0075】上記フリーデルクラフツ反応において効果
的に使用されるフリーデルクラフツ触媒としては、塩化
アルミニウム、塩化アンチモン、塩化第二鉄、塩化第一
鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビ
スマス、塩化亜鉛、塩化水銀及び硫酸等が挙げられる。
また、フリーデルクラフツ触媒の使用量は、2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モ
ルに対して、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モル
である。
【0076】上記フリーデルクラフツ反応において使用
される有機溶剤は、酸クロライドと反応しないものでな
ければならない。このような有機溶剤としては、例え
ば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二
硫化炭素及びニトロベンゼン等が挙げられる。この有機
溶剤における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン
ゾイルクロライドの濃度は、1〜50質量%、好ましく
は5〜30質量%である。反応は、反応系を撹拌状態に
保ちながら、0〜150℃、好ましくは0〜100℃の
温度で行なわれる。
【0077】このような反応によって得られる生成物
は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有
機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより
得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタ
ノールまたはエタノールで再結晶化することによって、
白色結晶として得てもよい。
【0078】次に、脱アルキル化処理について、以下に
説明する。すなわち、脱アルキル化反応は、酸、アルカ
リまたは有機金属試薬などを用いて行うことができる。
試薬としては、例えば、臭化水素、ヨウ化水素、トリフ
ルオロ酢酸、ピリジンの塩酸塩、濃塩酸、ヨウ化マグネ
シウムエーテラート(magnesium iodide etherate)、塩
化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三
ヨウ化ホウ素、水酸化カリウム及びグリニヤール試薬な
どが挙げられる。試薬の使用量は、p−(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)アルコキシベンゼ
ンまたは4−アルコキシ−4’−(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル1モ
ルに対して、0.1モル以上、好ましくは0.1〜30
モルである。
【0079】本発明において、脱アルキル化反応は、無
溶媒下で行われてもあるいは溶媒中で行われてもよい
が、反応効率や反応制御などを考慮すると、溶媒中で行
われることが好ましい。
【0080】本発明において、溶媒中で脱アルキル化反
応を行う際に効果的に使用される溶媒としては、例え
ば、水、酢酸、無水酢酸、ベンゼン及びテトラヒドロフ
ランなどが挙げられる。また、この溶媒中でのp−
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ア
ルコキシベンゼンまたは4−アルコキシ−4’−(2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテルの濃度は、1〜50質量%、好ましくは5〜
30質量%である。反応は、0〜250℃、好ましくは
50〜200℃の温度で行なわれる。
【0081】さらに、このようにして得られた2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物を、塩基
性化合物の存在下で有機溶媒中で、30〜250℃、好
ましくは50〜200℃の反応温度で加熱することによ
って、上記式(VI)および(VII)で示される含フ
ッ素アリールエーテルケトン重合体が得られる。
【0082】上記重合反応で使用される有機溶媒として
は、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−
ジメチルアセトアミド及びメタノール等の極性溶媒やト
ルエンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で
または2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0083】また、有機溶媒における2,3,4,5,
6−ペンタフルオロベンゾイル化合物の濃度は、5〜5
0質量%、好ましくは、10〜30質量%である。
【0084】トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段
階に使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する
水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除
去できる。
【0085】本発明において使用される塩基性化合物
は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集する
ことにより重縮合反応を促進するよう作用する。このよ
うな塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭
酸リチウム及び水酸化カリウムが挙げられる。
【0086】また、上記重合反応において、塩基性化合
物の使用量は、使用される2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロベンゾイル化合物1モルに対して、0.5〜1
0モル、好ましくは0.5〜5モルである。
【0087】重合反応終了後は、反応溶液より蒸発等に
より溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄する
ことによって、所望の重合体が得られる。または、反応
溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることによ
り、重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により
分離することによって、重合体を得てもよい。
【0088】次に、本発明による含フッ素アリールエー
テルケトン重合体が上記式(VIII)で示される際
の、含フッ素アリールエーテルケトン重合体の製造方法
を以下に説明する。
【0089】まず、2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロベンゾイルクロライドを、有機溶剤中でフリーデルク
ラフツ触媒の存在下で、ジフェニルエーテルとフリーデ
ルクラフツ反応させることよって、下記式:
【0090】
【化24】
【0091】で示される4,4’−ビス(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル(以下、単に「4,4’−ビス(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル」ま
たは「BPDE」と称する)を得る。
【0092】上記フリーデルクラフツ反応において、ジ
フェニルエーテルの使用量は、2,3,4,5,6−ペ
ンタフルオロベンゾイルクロライド1モル当たり、0.
4〜0.6モル、好ましくは0.45〜0.55モルで
ある。すなわち、ジフェニルエーテルの使用量が0.4
モル未満では、ジフェニルエーテルに過剰に2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導入されて
しまい好ましくない。これに対して、ジフェニルエーテ
ルの使用量が0.6モルを越えると、未反応のジフェニ
ルエーテルが多量に残り、生産性の面で好ましくない。
【0093】上記フリーデルクラフツ反応において効果
的に使用されるフリーデルクラフツ触媒としては、塩化
アルミニウム、塩化アンチモン、塩化第二鉄、塩化第一
鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビ
スマス、塩化亜鉛、塩化水銀及び硫酸等が挙げられる。
また、フリーデルクラフツ触媒の使用量は、2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モ
ルに対して、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モル
である。
【0094】上記フリーデルクラフツ反応において使用
される有機溶剤としては、酸クロライドと反応しない溶
剤が使用できる。このような有機溶剤としては、例え
ば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二
硫化炭素及びニトロベンゼン等が挙げられる。この有機
溶剤における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン
ゾイルクロライドの濃度は、1〜50質量%、好ましく
は5〜30質量%である。また、反応は、反応系を撹拌
状態に保ちながら、0〜150℃、好ましくは0〜10
0℃の温度で行なわれる。
【0095】このような反応によって得られる生成物
は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有
機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより
得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタ
ノールまたはエタノールで再結晶化することによって、
白色結晶として得てもよい。
【0096】さらに、このようにして得られた4,4’
−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル(BPDE)を、塩基性化合物
の存在下で有機溶媒中で、下記式(XIV):
【0097】
【化25】
【0098】ただし、R2は上記式(II)及び(V)
における定義と同様である、で示される2価のフェノー
ル化合物と共に加熱することよって、上記式(VII
I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体
が得られる。
【0099】上記反応において、反応温度は、20〜1
50℃、好ましくは50〜120℃である。この際、こ
のように低温度で反応することで副反応を抑制し、重合
体のゲル化を防止することができる。
【0100】上記重合反応で使用される有機溶媒として
は、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−
ジメチルアセトアミド及びメタノール等の極性溶媒やト
ルエンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で
または2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0101】また、有機溶媒における4,4’−ビス
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジ
フェニルエーテルの濃度は、5〜50質量%、好ましく
は、10〜30質量%である。
【0102】トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段
階に使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する
水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除
去できる。
【0103】本発明において使用される塩基性化合物
は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集する
ことにより重縮合反応を促進するよう作用し、さらにフ
ェノール化合物をより反応性の高いアニオンに変える作
用がある。このような塩基性化合物としては、例えば、
炭酸カリウム、炭酸リチウム及び水酸化カリウムが挙げ
られる。
【0104】また、上記重合反応において、塩基性化合
物の使用量は、使用される4,4’−ビス(2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル1モルに対して、1〜20モル、好ましくは1〜
10モルである。
【0105】上記重合反応において使用される2価のフ
ェノール化合物としては、上記式(XIV)で示される
ものであれば特に制限されないが、例えば、2,2−ビ
ス(4−ビドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,
3−へキサフルオロプロパン(以下、「6FBA」とい
う)、ビスフェノールA(以下、「BA」という)、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
(以下、「HF」という)、ビスフェノールF(以下、
「BF」という)、ハイドロキノン(以下、「HQ」と
いう)、レゾルシノール(以下、「RS」という)およ
び2−(3−オキシフェニル)−2−(4’−オキシフ
ェニル)プロパン(以下、「3,4’−BA」という)
などが挙げられる。また、2価のフェノール化合物の使
用量は、4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル1モルに対し
て、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モ
ルである。
【0106】重合反応終了後は、反応溶液より蒸発等に
より溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄する
ことによって、所望の重合体が得られる。または、反応
溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることによ
り、重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により
分離することによって、重合体を得てもよい。
【0107】このようにして製造された含フッ素アリー
ルエーテルケトン重合体は、比誘電率が3.0〜3.8
と十分低い比誘電率であり、浮遊容量を抑制できるため
被覆の薄膜化を達成することが可能である。さらに、本
発明において使用される含フッ素アリールエーテルケト
ン重合体は、優れた耐湿性、耐候性及びガスバリア性を
有する上、十分な可撓性を有するので、この含フッ素ア
リールエーテルケトン重合体で被覆されたプリント配線
板の表面配線もまた、上記したような特性を有するた
め、フレキシブル配線基板のコーティング剤としても好
適である。なお、本明細書において、ポリマーの比誘電
率は、100MHzの周波数で、26℃の温度で、イン
ピーダンス測定法によって測定した値である。
【0108】また、本発明においてプリント基板用の表
面コーティング剤を構成するポリシアノアリールエーテ
ルは、下記式(III):
【0109】
【化26】
【0110】で示される重合体である。
【0111】上記式(III)において、Y1は、置換
基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデ
シル及び2−エチルヘキシル、好ましくはメチル、エチ
ル、プロピル及びブチル;置換基を有してもよい炭素原
子数1〜12のアルコキシル基、例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキ
シ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウ
ンデシルオキシ、ドデシルオキシ、フルフリルオキシ及
びアリルオキシ、好ましくはメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ及びブトキシ;置換基を有して
もよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、s
ec−ブチルアミノ及びtert−ブチルアミノ、好ま
しくはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ及
びジエチルアミノ;置換基を有してもよい炭素原子数1
〜12のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチル
チオ、プロピルチオ及びn−ブチルチオ、sec−ブチ
ルチオ、tert−ブチルチオ及びiso−プロピルチ
オ、好ましくは、メチルチオ、エチルチオ及びプロピル
チオ;置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリ
ール基、例えば、フェニル、ベンジル、フェネチル、o
−,m−若しくはp−トリル、2,3−若しくは2,4
−キシリル、メシチル、ナフチル、アントリル、フェナ
ントリル、ビフェニリル、ベンズヒドリル、トリチル及
びピレニル、好ましくはフェニルならびにo−,m−及
びp−トリル;置換基を有してもよい炭素原子数6〜2
0のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、ベンジル
オキシ、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例え
ば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチル
エステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステ
ル及びフェニルエステルなど;以下、同様)、ナフトキ
シ、o−,m−若しくはp−メチルフェノキシ、o−,
m−若しくはp−フェニルフェノキシ、フェニルエチニ
ルフェノキシ、ならびにクレソチン酸及びそのエステル
類、好ましくはフェノキシ及びナフトキシ;置換基を有
してもよい炭素原子数6〜20のアリールアミノ基、例
えば、アニリノ、o−,m−若しくはp−トルイジノ、
1,2−若しくは1,3−キシリジノ、o−,m−若し
くはp−メトキシアニリノならびにアントラニル酸及び
そのエステル類、好ましくはアニリノ及びo−,m−若
しくはp−トルイジノ;または置換基を有してもよい炭
素原子数6〜20のアリールチオ基、例えば、フェニル
チオ、フェニルメタンチオ、o−,m−若しくはp−ト
リルチオならびにチオサリチル酸及びそのエステル類、
好ましくはフェニルチオを表わす。これらのうち、置換
基を有してもよいアリールオキシ基、アリールチオ基お
よびアリールアミノ基が好ましく、さらに、フェノキ
シ、フェニルチオ及びアニリノがY1として最も好まし
い。
【0112】また、上記式(III)において、Y1
置換基を有するアルキル基、アルコキシル基、アルキル
アミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキ
シ基、アリールアミノ基またはアリールチオ基を表わす
際に使用できる置換基としては、目的物の所望の特性に
応じて適宜選択でき、特に制限されるものではないが、
例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシ
ル;ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨ
ウ素;シアノ基、ニトロ基ならびにカルボキシエステル
基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはメチル
及びカルボキシエステル基である。
【0113】さらに、上記式(III)において、Y2
は、2価の有機基を表わし、例えば、下記式:
【0114】
【化27】
【0115】これらのうち、下記式:
【0116】
【化28】
【0117】で示される2価の有機基がY2として好ま
しく、特に下記式:
【0118】
【化29】
【0119】で示される2価の有機基がY2として好ま
しい。
【0120】さらに、上記式(III)において、zは
重合度を表わし、具体的には、5〜1000、好ましく
は10〜500である。なお、本発明のポリシアノアリ
ールエーテルは、上記式(III)の構成単位の同一の
繰り返し単位からなるものであったもまたは異なる繰り
返し単位からなるものであってもよく、後者の場合に
は、その繰り返し単位はブロック状であったもまたはラ
ンダム状であってもよい。
【0121】また、本発明のポリシアノアリールエーテ
ルの製造方法については以下に詳述するが、この記載か
ら、式(III)で示されるポリシアノアリールエーテ
ルの末端は、フッ素原子を含むベンゼン環側がフッ素で
あり、酸素原子(Y2)側が水素原子であると、即ち、
式(III)で示されるポリシアノアリールエーテルは
下記式(XI):
【0122】
【化30】
【0123】で示されるポリマーであると考えられる。
また、本発明で使用される式(III)のポリシアノア
リールエーテルは架橋構造を有するものであってもよ
い。
【0124】本発明のポリシアノアリールエーテルは、
上記含フッ素アリールエーテルケトンに関して述べたの
と同様にして製造できるが、具体的には、下記式(XI
I):
【0125】
【化31】
【0126】で示されるテトラフルオロベンゾニトリル
誘導体を、下記式(XIII):
【0127】
【化32】
【0128】で示されるジヒドロキシ化合物と塩基性触
媒の存在下で重合することによって、製造される。この
際、上記式(XII)におけるY1及び上記式(XII
I)におけるY2の定義は、上記式(III)における
1及びY2の定義と同様である。
【0129】本発明において、式(XII)のテトラフ
ルオロベンゾニトリル誘導体は、公知の方法によって製
造できるが、例えば、式:Y1H[式中、Y1は上記式
(III)における定義と同様である]で示される化合
物を有機溶媒中で塩基性化合物の存在下で2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾニトリル(本明細書中、
「PFBN」とも称する)と反応させることによって得
られる。
【0130】上記反応において、式:Y1Hで示される
化合物およびPFBNは、それぞれ、単一の化合物とし
て使用されてもあるいは2種以上の式:Y1Hで示され
る化合物および/またはPFBNの混合物の形態で使用
されてもよいが、精製工程やポリマーの物性などを考慮
すると、単一の化合物として使用されることが好まし
い。なお、後者の場合には、使用される複数または単一
のPFBNのモル数の合計が、複数または単一の式:Y
1Hで示される化合物のモル数の合計に等しいまたはほ
ぼ等しいことが好ましいが、具体的には、式:Y1Hで
示される化合物の使用量が、PFBN 1モルに対し
て、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.5
〜2モルである。
【0131】上記反応において使用できる有機溶媒とし
ては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N
−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニト
リル、ニトロベンゼン、ニトロメタン及びメタノール等
の極性溶媒;ならびにこれらの極性溶媒とトルエンやキ
シレン等の非極性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の
形態で使用されてもよい。また、有機溶媒におけるPF
BNの濃度は、1〜40質量%、好ましくは、5〜30
質量%である。この際、トルエンや他の同様の溶媒を反
応の初期段階に使用する際には、反応中に副生する水
を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除去
できる。
【0132】また、上記反応において使用される塩基性
化合物は、反応を促進させるために生成するフッ化水素
を捕集するよう作用するものであることが望ましい。こ
のような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム及びフッ化カリウムなどが挙げられる。この際、塩基
性化合物の使用量は、使用されるPFBN 1モルに対
して、0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルであ
る。
【0133】さらに、上記反応における反応条件は、Y
1Hで示される化合物とPFBNとの反応が効率よく進
行するものであれば特に制限されるものではないが、例
えば、反応は、好ましくは反応系を撹拌状態に保ちなが
ら、通常、20〜180℃、好ましくは40〜160℃
の温度で行なわれる。また、反応時間は、他の反応条件
や使用する原料などにより異なるが、通常、1〜48時
間、好ましくは2〜24時間である。さらに、反応は、
常圧下または減圧下いずれで行ってもよいが、設備面か
ら、常圧下で行うことが望ましい。このような反応によ
って得られる生成物は、反応混合物に蒸留水を注加し、
ジクロロメタン、ジクロロエタンまたは四塩化炭素等の
抽出剤で抽出した後、有機層を抽出物から分離し、抽出
剤を留去することにより得られる。さらに、この生成物
を、必要であれば、メタノールまたはエタノール等で再
結晶化することによって、結晶として得てもよい。
【0134】このようにして合成された式(XII)の
テトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、上述したよう
に、さらに式(XIII)のジヒドロキシ化合物と塩基
性触媒の存在下で重合に供されることによって、目的の
式(III)のポリシアノアリールエーテルが製造され
る。この際、式(XII)のテトラフルオロベンゾニト
リル誘導体は、上記したような抽出、再結晶化、クロマ
トグラフィー及び蒸留等の精製工程をへた後使用されて
もまたは精製工程を行なわずにそのまま使用してもよい
が、次工程の収率などを考慮すると精製された後使用す
ることが好ましい。
【0135】上記反応において使用される式(XII
I)のジヒドロキシ化合物は、目的産物である式(II
I)のポリシアノアリールエーテルの構造に従って選択
される。本発明において好ましく使用される式(XII
I)のジヒドロキシ化合物としては、以下にしめされる
ように、2,2−ビス(4−ビドロキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン(以
下、「6FBA」という)、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル(以下、「DPE」という)、ビスフ
ェノールF(以下、「BF」という)、ハイドロキノン
(以下、「HQ」という)、ビスフェノールA(以下、
「BA」という)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン(以下、「HF」という)、フェノー
ルフタレイン(以下、「PP」という)、1,4−ビス
(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、「CH
B」という)、および4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル(以下、「BP」という)が挙げられる。
【0136】
【化33】
【0137】上記反応において、式(XII)のテトラ
フルオロベンゾニトリル誘導体および式(XIII)の
ジヒドロキシ化合物は、それぞれ、単一の化合物として
使用されてもあるいは2種以上の式(XII)のテトラ
フルオロベンゾニトリル誘導体および/または式(XI
II)のジヒドロキシ化合物の混合物の形態で使用され
てもよいが、精製工程やポリマーの物性などを考慮する
と、単一の化合物として使用されることが好ましい。な
お、後者の場合には、使用される複数または単一の式
(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体のモ
ル数の合計が、複数または単一の式(XIII)のジヒ
ドロキシ化合物のモル数の合計に等しいまたはほぼ等し
いことが好ましいが、具体的には、式(XIII)のジ
ヒドロキシ化合物の使用量は、式(XII)のテトラフ
ルオロベンゾニトリル誘導体1モルに対して、0.1〜
5モル、好ましくは1〜2モルである。
【0138】上記反応は、有機溶剤中で行なわれてまた
は無溶剤下で行なわれてもよいが、有機溶剤中に行われ
ることが好ましい。前者の場合、使用できる有機溶剤と
しては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,
N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニ
トリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン及びメタノール
等の極性溶媒;ならびにこれらの極性溶媒とトルエンや
キシレン等の非極性溶媒との混合溶媒などが挙げられ
る。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上の混合
物の形態で使用されてもよい。また、有機溶剤における
式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体の
濃度は、1〜50質量%、好ましくは、5〜20質量%
である。この際、トルエンや他の同様の溶剤を反応の初
期段階に使用する際には、反応中に副生する水を、重合
溶剤に関係なく、トルエンの共沸物として除去できる。
【0139】また、本発明において、式(XII)のテ
トラフルオロベンゾニトリル誘導体および式(XII
I)のジヒドロキシ化合物の反応は、塩基性触媒の存在
下で行なうことを必須とする。塩基性触媒は、式(XI
II)のジヒドロキシ化合物による重縮合反応を促進す
るよう、式(XIII)のジヒドロキシ化合物をより反
応性の高いアニオンに変える作用を有するものが好まし
く、具体的には、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウムまたはフッ化カリウムな
どが挙げられる。また、塩基性触媒の使用量は、式(X
II)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(X
III)のジヒドロキシ化合物との反応が良好に進行で
きる量であれば特に制限されるものではないが、式(X
II)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体 1モル
に対して、通常、0.1〜5モル、好ましくは0.5〜
2モルである。
【0140】さらに、上記重合反応における反応条件
は、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導
体と式(XIII)のジヒドロキシ化合物との反応が効
率よく進行するものであれば特に制限されるものではな
いが、例えば、重合温度は、好ましくは200℃以下、
より好ましくは20〜150℃、最も好ましくは40〜
100℃である。このように低温度で反応することで、
特別の設備を必要とすることなく、副反応を抑制し、ポ
リマーのゲル化を防止することができる。また、重合時
間は、他の反応条件や使用する原料などにより異なる
が、好ましくは、1〜48時間、より好ましくは2〜2
4時間である。さらに、重合反応は、常圧下または減圧
下いずれで行ってもよいが、設備面から、常圧下で行う
ことが望ましい。
【0141】上記重合反応終了後は、反応溶液より蒸発
等により溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄
することによって、所望のポリマーが得られる。また
は、反応溶液をポリマーの溶解度が低い溶媒中に加える
ことにより、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物を
濾過により分離することによって、ポリマーを得てもよ
い。
【0142】このようにして製造されたポリシアノアリ
ールエーテル重合体は、比誘電率が3.0〜3.8と十
分低い比誘電率であり、浮遊容量を抑制できるため被覆
の薄膜化を達成することが可能である。さらに、本発明
において使用されるポリシアノアリールエーテルは、優
れた耐湿性、耐候性及びガスバリア性を有する上、十分
な可撓性を有するので、このポリシアノアリールエーテ
ルで被覆されたプリント配線板の表面配線もまた、上記
したような特性を有するため、フレキシブル配線基板の
コーティング剤としても好適である。
【0143】また、本発明において、プリント基板用の
表面コーティング剤は、上記したような特定の構造を有
する含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/ま
たはポリシアノアリールエーテルを含むことを必須とす
るが、この含フッ素アリールエーテルケトン重合体およ
び/またはポリシアノアリールエーテルに加えて、所望
の低比誘電率、低誘電損失、耐熱性、耐湿性及び耐候性
を向上することおよび/または高ガスバリア性、絶縁性
及び機械的強度等に等の他の特性をさらに付与すること
を目的として、悪影響を及ぼしたりせず本発明の範疇を
逸脱しない範囲において、他の成分を含んでいてもよ
い。この際、他の成分としては、例えば、ポリアミド、
ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、付加型ポリイミド
樹脂、シリコーン樹脂、ポリパラビニルフェノール樹
脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリプロピレン及びポリアゾメ
チン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ
素樹脂;炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
ジルコニウム、ジルコン、ガラス、タルク、マイカ、黒
鉛、アルミニウム、銅及び鉄等の粉末や短繊維状の無機
充填材;脂肪酸やワックス類等の離型剤;エポキシシラ
ン、ビニルシラン、ボラン系化合物及びアルキルチタネ
ート系化合物等のカップリング剤;アンチモンやリンの
化合物およびハロゲン含有化合物等の難燃剤;ならびに
分散剤や溶剤等の各種添加剤が挙げられる。含フッ素ア
リールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノ
アリールエーテルに加えてさらなる成分を含む際のさら
なる成分の含量は、全原料に対して、0〜49質量%で
ある。
【0144】本発明のコーティング剤によるプリント配
線板の表面配線の被覆方法としては、特に制限されず公
知の方法が使用される。具体的には、キャスティング
(流延法)、スピンコーティング(回転塗布法)、ロー
ルコーティング、スプレイコーティング、バーコーティ
ング、フレキソ印刷、およびディップコーティングなど
の方法が挙げられる。これらの方法のうち、薄膜化や凹
凸の少ない平滑な表面保護膜の形成が可能である点、お
よび容易にコーティングできる点などを考慮すると、ス
ピンコーティング、バーコーティングおよびディップコ
ーティングが好ましく使用される。
【0145】特に、本発明で使用する含フッ素アリール
エーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリー
ルエーテルは、従来から絶縁基板上に誘電体膜を形成す
る際に使用される各種の溶媒に対する溶解性に優る点に
特徴がある。このため、絶縁基板上に該含フッ素アリー
ルエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリ
ールエーテルを溶媒に溶解し、上記いずれかに記載の方
法によって膜形成を行うと、使用した有機溶媒の沸点程
度の低温で熱処理を行うことで、簡便に成膜することが
できる。
【0146】上記成膜に好ましく使用できる溶媒として
は、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−
ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリ
ル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ジメチルスルフォ
キシト、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケ
トンおよびメタノール等の極性溶媒やトルエンやキシレ
ン等の非極性溶媒が挙げられる。これらのうち好ましく
はN−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルア
セトアミド、トルエン、キシレンが使用される。また、
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種類以上の混合物
の形態で使用されてよい。
【0147】また、含フッ素アリールエーテルケトン重
合体および/またはポリシアノアリールエーテルに加え
て上記したような他の成分を含む場合には、例えば、キ
ャスティング、スピンコーティング、ロールコーティン
グ、スプレイコーティング、バーコーティング、フレキ
ソ印刷、およびディップコーティングなどの方法が挙げ
られる。コーティング剤によるプリント基板の表面保護
膜の厚みは、目的とする特性及び用途ならびにその材質
などに合わせて適宜選択することができるが、通常、1
〜50μmである。
【0148】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0149】実施例1 トルエンを溶媒として、重合度をnとした場合に下記式
で表される含フッ素アリールエーテルケトン重合体を1
0質量%含む溶液をスピンコート法にてコートし、60
℃の温度で乾燥することで塗布膜を形成した。
【0150】
【化34】
【0151】実施例2 実施例1および比較例1で作成した試料をインピーダン
スアナライザー(HP4294A)で、それぞれ誘電率
を測定したところ、誘電率がε=3.1(100HM
z)であった。
【0152】
【発明の効果】上述したように、本願発明のプリント基
板用の表面コーティング剤は、式(I)で示される含フ
ッ素アリールエーテルケトン重合体および/または式
(III)ポリシアノアリールエーテルを含むことを特
徴とするものである。したがって、本願発明による含フ
ッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリ
シアノアリールエーテルは、低比誘電率、高耐湿性、高
耐候性及び高ガスバリア性に加えて、銅に対する優れた
密着性及び吸水性を有するので、この含フッ素アリール
エーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリー
ルエーテルを含むプリント基板用の表面コーティング剤
もまた、上記したような特性を有するため、多層配線層
の層間絶縁膜として、プリント配線板の表面配線での塗
付絶縁膜に、ならびに半導体素子やリード線の被覆に好
適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J005 AA24 AA25 BB02 4J038 DF051 GA02 GA08 GA09 GA12 GA13 MA07 MA09 NA04 NA14 NA21 PA18 PA19 PB09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I): 【化1】 {ただし、Xはハロゲン原子、低級アルキル基または低
    級アルコキシル基を表わし、qは0〜4の整数であり、
    nは重合度を表し、mは0または1の整数である。R1
    は下記式(II): 【化2】 (ただし、X’はハロゲン原子、低級アルキル基または
    低級アルコキシル基を表わし、q’は0〜4の整数であ
    り、pは0または1の整数である。R2は2価の有機基
    を表わす。)で表わされる基である。}で示される含フ
    ッ素アリールエーテルケトン重合体および/または下記
    式(III): 【化3】 (ただし、Y1は、置換基を有してもよい炭素原子数1
    〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数
    1〜12のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素
    原子数1〜12のアルキルアミノ基、置換基を有しても
    よい炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、置換基を有
    してもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換基を
    有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
    置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールア
    ミノ基または置換基を有してもよい炭素原子数6〜20
    のアリールチオ基を表わす;Y2は、2価の有機基を表
    わす;zは重合度を表わす。)で示されるポリシアノア
    リールエーテルを含んでなるプリント基板用の表面コー
    ティング剤。
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