JP2001064226A - (2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体 - Google Patents
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体Info
- Publication number
- JP2001064226A JP2001064226A JP18395099A JP18395099A JP2001064226A JP 2001064226 A JP2001064226 A JP 2001064226A JP 18395099 A JP18395099 A JP 18395099A JP 18395099 A JP18395099 A JP 18395099A JP 2001064226 A JP2001064226 A JP 2001064226A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pentafluorobenzoyl
- formula
- diphenyl ether
- reaction
- following formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polyethers (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
酸化安定性および溶解性に優れた新規含フッ素アリール
エーテルケトン重合体の原料となる新規(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル化合物を提供する。 【解決手段】 一般式Iの(2,3,4,5,6−ペン
タフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物、 (Rは水酸基または である)および一般式II、例えば図の4F−PEEK
の含フッ素アリールエーテルケトン重合体。
Description
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル化合物及び含フッ素アリールエーテルケトン重合体に
関するものである。
ルム、光学またはマイクロエレクトロニクス用被覆剤、
ガス分離用膜等として利用される先端材料として極めて
注目をあびている(Cassidy, P.E., Aminabbai, T.M.及
び Farley, J.M., J. Macromol. Sci.-Rev. Macromol.
Chem. Phys., C29 (2&3), pp.365-429 (1989))。重合
鎖へのフッ素原子の導入は、重合体の溶解度、耐炎性、
熱安定性およびガラス転移温度の増加をもたらし、さら
に着色、結晶性、誘電率および吸湿性をも低下させる。
このような利点があるので、ヘキサフルオロイソプロピ
リデン基含有ポリ(アリールエーテルケトン)(PE
K)は、宇宙ならびにエレクトロニクス用に製造されか
つ研究された(Tullos, G.L.及び Cassidy, P.E., Macr
omolecules.,24 , p. 6059-6064 (1991))。最近、パー
フルオロフェニレン基含有ポリ(アリールエーテルケト
ン)が、パーフルオロベンゾフェノンから合成された
(Mercer, F.W., Fone, M.M., Reddy, V.N. 及び Goodw
in, A.A., Polymer,38(8), 1989-1995 (1997))。
解度ならびに耐炎性が充分ではないという欠点がある。
目的は、高い機械的強度および強靭性を有し、電気的特
性、熱酸化安定性および溶解性に優れた新規な含フッ素
アリールエーテルケトン重合体の原料として使用される
新規な(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル化合物を提供することにある。
ルエーテルケトン重合体を提供することにある。
度および強靭性を有し、電気的特性、熱酸化安定性およ
び溶解性に優れた含フッ素アリールエーテルケトン重合
体を提供することにある。
(1)〜(7)により達成される。
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル化合物。
記(1)に記載の(2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物。
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジ
フェニルエーテル化合物。
1の整数であり、およびR1は下記式(III):
よびR2は下記6種:
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体。
前記(4)に記載の含フッ素アリールエーテルケトン重
合体。
前記(4)に記載の含フッ素アリールエーテルケトン重
合体。
下記6種:
で示される、前記(4)に記載の含フッ素アリールエー
テルケトン重合体。
1の整数であり、およびR1は下記式(III):
よびR2は下記6種:
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体。
ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルは、下
記式(I):
式:
合物である。
である場合には、下記式(VII):
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル(以下、「HPDE」と略称する)となる。
III):
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル(以下、「BPDE」と略称する)となる。
有機溶剤中で、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベ
ンゾイルクロライドを、4−アルコキシジフェニルエー
テルとフリーデルクラフツ反応に供し、さらに反応産物
を脱アルキル化反応させることよって得られる。この
際、4−アルコキシジフェニルエーテルとしては、例え
ば、4−メトキシジフェニルエーテル、4−エトキシジ
フェニルエーテル等が挙げられる。
応における4−アルコキシジフェニルエーテルの使用量
は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルク
ロライド1モル当たり、0.8〜1.2モル、好ましく
は0.9〜1.1モルである。この際、4−アルコキシ
ジフェニルエーテルの使用量が0.8モル未満では、4
−アルコキシジフェニルエーテルに過剰に2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導入されてしま
い好ましくない。これに対して、4−アルコキシジフェ
ニルエーテルの使用量が1.2モルを越えると、未反応
の4−アルコキシジフェニルエーテルが多量に残り、生
産性の面で好ましくない。
デルクラフツ触媒としては、塩化アルミニウム、塩化ア
ンチモン、塩化第二鉄、塩化第一鉄、四塩化チタン、三
フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩
化水銀及び硫酸等が挙げられる。また、フリーデルクラ
フツ触媒の使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフル
オロベンゾイルクロライド1モルに対して、0.5〜1
0モル、好ましくは1〜5モルである。
クロライドと反応しないものでなければならない。この
ような有機溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、四塩化炭素、二硫化炭素及びニトロベン
ゼン等が挙げられる。この有機溶剤における2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドの濃
度は、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であ
る。反応は、反応系を撹拌状態に保ちながら、0〜15
0℃、好ましくは0〜100℃の温度で行なわれる。
は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有
機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより
得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタ
ノールまたはエタノールで再結晶化することによって、
白色結晶として得てもよい。
に説明する。すなわち、脱アルキル化反応は、酸、アル
カリまたは有機金属試薬などを用いて行うことができ
る。試薬としては、例えば、臭化水素、ヨウ化水素、ト
リフルオロ酢酸、ピリジンの塩酸塩、濃塩酸、ヨウ化マ
グネシウムエーテラート(magnesium iodide etherat
e)、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ
素、三ヨウ化ホウ素、水酸化カリウム及びグリニヤール
試薬などが挙げられる。試薬の使用量は、4−アルコキ
シ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン
ゾイル)ジフェニルエーテル1モルに対して、0.1モ
ル以上、好ましくは0.1〜30モルである。
溶媒下で行われてもあるいは溶媒中で行われてもよい
が、反応効率や反応制御などを考慮すると、溶媒中で行
われることが好ましい。
応を行う際に効果的に使用される溶媒としては、例え
ば、水、酢酸、無水酢酸、ベンゼン及びテトラヒドロフ
ランなどが挙げられる。また、この溶媒中での4−アル
コキシ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
ベンゾイル)ジフェニルエーテルの濃度は、1〜50重
量%、好ましくは5〜30重量%である。反応は、0〜
250℃、好ましくは50〜200℃の温度で行なわれ
る。
機溶剤中で、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン
ゾイルクロライドをフリーデルクラフツ触媒の存在下で
ジフェニルエーテルと反応させることよって得られる。
この際、ジフェニルエーテルの使用量は、2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モル当
たり、0.4〜0.6モル、好ましくは0.45〜0.
55モルである。すなわち、ジフェニルエーテルの使用
量が0.4モル未満では、ジフェニルエーテルに過剰に
2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導
入されてしまい好ましくない。これに対して、ジフェニ
ルエーテルの使用量が0.6モルを越えると、未反応の
ジフェニルエーテルが多量に残り、生産性の面で好まし
くない。
デルクラフツ触媒としては、塩化アルミニウム、塩化ア
ンチモン、塩化第二鉄、塩化第一鉄、四塩化チタン、三
フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩
化水銀及び硫酸等が挙げられる。また、フリーデルクラ
フツ触媒の使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフル
オロベンゾイルクロライド1モルに対して、0.5〜1
0モル、好ましくは1〜5モルである。
反応しない溶剤が使用できる。このような有機溶剤とし
ては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩
化炭素、二硫化炭素及びニトロベンゼン等が挙げられ
る。この有機溶剤における2,3,4,5,6−ペンタ
フルオロベンゾイルクロライドの濃度は、1〜50重量
%、好ましくは5〜30重量%である。
態に保ちながら、0〜150℃、好ましくは0〜100
℃の温度で行なわれる。このような反応によって得られ
る生成物は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出
した後、有機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去する
ことにより得られる。さらに、この生成物を、必要であ
れば、メタノールまたはエタノールで再結晶化すること
によって、白色結晶として得てもよい。
トン重合体は、下記式(II):
において、R1及びmは、上記と同様の定義であり、ま
た、nは、重合度を表わし、具体的には、2〜500
0、好ましくは5〜500である。さらに、本発明にお
いて、含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、同一
の繰り返し単位からなるものであったもまたは異なる繰
り返し単位からなるものであってもよく、後者の場合に
は、その繰り返し単位はブロック状であったもまたはラ
ンダム状であってもよい。
ールエーテルケトン重合体の製造方法については詳述す
るが、この記載から、式(II)で示される含フッ素ア
リールエーテルケトン重合体の末端は、フッ素原子を含
むベンゼン環側がフッ素であり、R1側が水素原子であ
ると、即ち、式(II)で示される含フッ素アリールエ
ーテルケトン重合体は下記式(XI):
は、下記式(IV):
フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
ありかつpが0である場合には、下記式(V):
フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
でありかつpが1である場合には、下記式(VI):
前記のとおりである、で示される含フッ素アリールエー
テルケトン重合体となる。なお、上記式(VI)では、
nは、好ましくは、2〜2000、より好ましくは5〜
200である。
示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、塩
基性化合物の存在下で、有機溶媒中で、下記式(I
X):
示される2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイ
ル化合物を加熱することにより得られる。
50℃、好ましくは50〜200℃である。
重合度である、で示される含フッ素アリールエーテルケ
トン重合体は、塩基性化合物の存在下で、有機溶媒中
で、下記式(VIII):
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル及び下記式(X):
ノール化合物を加熱することよって、得られる。
50℃、好ましくは50〜120℃である。この際、こ
のように低温度で反応することで副反応を抑制し、重合
体のゲル化を防止することができる。
有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジ
ノン、N,N−ジメチルアセトアミド及びメタノール等
の極性溶媒やトルエンなどが挙げられる。これらの有機
溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用さ
れてもよい。
ンゾイルジフェニルエーテル化合物の濃度は、5〜50
重量%、好ましくは、10〜30重量%である。
階に使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する
水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除
去できる。
は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集する
ことにより重縮合反応を促進するよう作用し、さらに2
価のフェノール化合物による重縮合反応の場合には、フ
ェノール化合物をより反応性の高いアニオンに変える作
用がある。
ば、炭酸カリウム、炭酸リチウム及び水酸化カリウムが
挙げられる。
用量は、式(IV)および(V)の重合体の場合では、
使用されるペンタフルオロベンゾイルジフェニルエーテ
ル化合物1モルに対して、0.5〜10モル、好ましく
は0.5〜5モルであり、または、式(VI)の重合体
の場合では、使用されるペンタフルオロベンゾイルジフ
ェニルエーテル化合物1モルに対して、1〜20モル、
好ましくは1〜10モルである。
ル化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ビドロ
キシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフル
オロプロパン(以下、「6FBA」という)、ビスフェ
ノールA(以下、「BA」という)、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「HF」と
いう)、ビスフェノールF(以下、「BF」という)、
ハイドロキノン(以下、「HQ」という)およびレゾル
シノール(以下、「RS」という)が挙げられる。2価
のフェノール化合物の使用量は、4,4’−ビス(2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル1モルに対して、0.8〜1.2モル、好ま
しくは0.9〜1.1モルである。
より溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄する
ことによって、所望の重合体が得られる。または、反応
溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることによ
り、重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により
分離することによって、重合体を得てもよい。
らに詳細に説明する。
は、つぎのようにして行なった。
(1H)、125MHz(13C)または470MHz(
19F)で操作してVarian Unity 500を
用いて記録した。4,4’−ジフルオロベンゾフェノン
は、19F−NMR測定用の内部標準として使用した。
は、20℃/分の加熱速度で、Perkin−Elme
r DSC7を用いて測定した。
0℃/分の加熱速度でPerkin−Elmer TG
A7を用いて測定した。
かつ25℃の温度でジメチルアセトアミド(DMAc)
中でOstwald−Fenske粘度計を用いること
によって行なった。
ルオロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノンの合成 2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−4’−メトキシ
ベンゾフェノン6.0g、氷酢酸40mlおよび48%
臭化水素水溶液30mlを、コンデンサーを備えた丸底
フラスコに供給した。この混合物を一晩還流に供した
後、室温にまで冷却した。生成物をジエチルエーテルで
抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、さらに留
去した。留出物をトルエンから再結晶して、3.7g
(収率78.8%)の2,3,4,5,6−ペンタフル
オロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン(以下、「HP
BP」という)を白色結晶として得た。この生成物の融
点は、142〜143℃であった。また、結晶のNMR
化学シフトを表1に示す。
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテルの合成 滴下ロートおよび塩化カルシウム乾燥管を備えた250
ml容の三つロフラスコに、水酸化ナトリウムの存在下
にヨウ化エチルとp−フェノキシフェノールとから合成
した4−エトキシジフェニルエーテル3.5g、塩化ア
ルミニウム5.4gおよび乾燥ジクロロエタン30ml
を仕込んだ。2,3,4,5,6−ペンタフルオロ安息
香酸およびチオニルクラロイドから合成された2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド3.
7gならびに乾燥ジクロロエタン10mlの溶液を、攪
拌しながらフラスコ中に徐々に滴下させた。滴下終了
後、反応混合物を室温で一晩攪拌した。少量の水を、反
応混合物に非常にゆっくり加え、15分間攪拌し続け
た。ついで、反応混合物を250mlの水中に注加し、
これをジクロロメタンで抽出した。有機層を集めて、水
洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
活性炭処理しメタノールからの再結晶により、4−エト
キシ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベ
ンゾイル)ジフェニルエーテル(以下、「EPDE」と
いう)の白色結晶を得た(収率60.4%)。
E 2.1g、氷酢酸14mlおよび48%臭化水素水
溶液11mlを仕込んだ。この混合物を一晩還流させた
後、室温まで冷却した。生成物をエーテルで抽出し、硫
酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。トルエン
からの再結晶によって、4−ヒドロキシ−4’−(2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル(以下、「HPDE」という)の白色結晶を
得た(収率78.8%)。HPDEの融点は、136〜
137℃であった。また、結晶のNMR化学シフトを表
1に示す。
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ルの合成 ジフェニルエーテル6.8g、塩化アルミニウム26.
8gおよび乾燥ジクロロエタン60mlを、滴下ロート
および塩化カルシウム(CaCl2)乾燥管を備えた2
50ml容の三つ口フラスコに仕込んだ。2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾクロライド18.5gお
よび乾燥ジクロロエタン15mlよりなる溶液を、攪拌
しながらゆっくりフラスコ中に滴下した。滴下終了後、
反応混合物を室温で一晩攪拌した。少量の水を、反応混
合物に非常にゆっくり加え、15分間攪拌し続けた。つ
いで、反応混合物を250mlの水中に注加し、ジクロ
ロメタンで抽出した。有機層を集めて、水洗し、硫酸ナ
トリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。活性炭処理し
メタノールからの再結晶により、4,4’−ビス(2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニ
ルエーテル(以下、「BPDE」という)の白色結晶を
生成した(収率61.2%)。BPDEの融点は、12
5〜127℃である。結晶のNMR化学シフトを上記表
1に示す。
チルアセトアミド(DMAc)2mlおよびトルエン1
mlを、ディーンスタークトラップ、コンデンサー、マ
グネティック撹拌機および窒素供給管を備えた25ml
容の丸底フラスコに仕込んだ。この混合物を160℃に
加熱し、トルエンを留去した。この混合物を3時間還流
させた。冷却後、この溶液を急速撹拌下に1%の酢酸を
含有する水中に注加した。析出した重合体を濾過により
捕集し、水洗した後、乾燥した。得られた化合物の収率
は90%であった。この化合物の粘度は、ジメチルアセ
トアミド中で0.5g/dLの濃度、25℃の温度で測
定したところ、0.18dL/gであった。また、ジメ
チルアセトアミドに対する不溶解分は11.5%であっ
た。
りにN−メチル−2−ピロリジノンを用いる以外は実施
例4と同様にして、HPBPの重合体(以下、「4F−
PEK」という)を製造した。その結果、収率85%、
粘度0.23dL/g、ジメチルアセトアミドに対する
不溶解分は6.0%であった。また、この4F−PEK
のIRスペクトルを図3に示す。 実施例6〜10 実施例4の方法において、HPBP0.5gの代わりに
HPDE0.5gを用い、表2に示す条件下で重合を行
う以外は実施例4と同様にして、重合体を製造した。そ
の結果を表2に示す。
HPDE0.5gを用い、さらにジメチルアセトアミド
の代わりにN−メチル−2−ピロリジノンを用いる以外
は実施例4と同様にして、HPDEの重合体(以下、
「4F−PEEK」という)を製造した。その結果、収
率82%、粘度0.53dL/g、ジメチルアセトアミ
ドに対する不溶解分0.2%であった。また、この4F
−PEEKの19F−NMRスペクトルおよびIRスペク
トルを、それぞれ、図1および図4に示す。なお、19F
−NMRスペクトルにおいて、19F化学シフトは4,
4’−ジフルオロベンゾフェノン=−110.1ppm
に相当するppmで示される。
られた4F−PEEKの物性を測定したところ、表3〜
6に示す結果が得られた。
g(またはBA 0.82g,HF 1.25g,BF
0.71g,HQ 0.39gまたはRS0.39
g)、重質炭酸カリウム1.48g、DMAc 13m
lおよびトルエン10mlを、ディーンスタークトラッ
プ、コンデンサー、マグネティック撹拌機および窒素供
給管を備えた100ml容の三つ口丸底フラスコに仕込
んだ。この混合物を160℃に加熱し、2時間還流に供
し、ついでトルエンを留去した。BPDE 2.0gを
この混合物に添加し、表7に示す条件下で重合を行なっ
た。冷却後、この溶液を急速撹拌下に1%酢酸を含有す
る水中に注加した。析出した重合体を濾過により捕集
し、水洗した後、乾燥した。その結果を表7に示す。ま
た、実施例14で得られた重合体の19F−NMRスペク
トルを図2に示し、さらに実施例14〜19で得られた
重合体のIRスペクトルを図5〜10にそれぞれ示す。
なお、19F−NMRスペクトルにおいて、19F化学シフ
トは4,4’−ジフルオロベンゾフェノン=−110.
1ppmに相当するppmで示される。
「8F−PEKEK」という)の物性を測定したとこ
ろ、表8〜11に示す結果が得られた。
4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル化合物は、重縮合反応にまたは2価のフェノール
化合物との共重縮合反応に供されることによって、高い
機械的強度及び強靭性を発揮し、電気的特性、熱酸化安
定性及び溶解性に優れた新規な含フッ素アリールエーテ
ルケトン重合体を提供することができる。
重合体は、高い機械的強度及び強靭性、優れた電気的特
性を有し、通常使用される種々の溶媒に対して優れた溶
解度、ならびに耐熱性、耐炎性等の優れた熱安定性、な
らびに優れた被覆形成性を有するので、電子部品に対す
る被覆剤として有用であるばかりでなく、注型品にも好
適である。
−NMRスペクトルである。
19F−NMRスペクトルである。
クトルである。
スペクトルである。
IRスペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
Rスペクトルである。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(I): 【化1】 ただし、Rは水酸基または下記式: 【化2】 で示される基である、で表される(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合
物。 - 【請求項2】 式(I)中、Rは水酸基である、請求項
1に記載の(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン
ゾイル)ジフェニルエーテル化合物。 - 【請求項3】 式(I)中、Rは下記式: 【化3】 で示される基である、請求項1に記載の(2,3,4,
5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテ
ル化合物。 - 【請求項4】 下記式(II): 【化4】 ただし、nは重合度を表し、mは0または1の整数であ
り、およびR1は下記式(III): 【化5】 この際、pは0または1の整数であり、およびR2は下
記6種: 【化6】 のいずれかである、で表される基である、で示される含
フッ素アリールエーテルケトン重合体。 - 【請求項5】 下記式(IV): 【化7】 ただし、nは重合度を表す、で示される、請求項4に記
載の含フッ素アリールエーテルケトン重合体。 - 【請求項6】 下記式(V): 【化8】 ただし、nは重合度を表す、で示される、請求項4に記
載の含フッ素アリールエーテルケトン重合体。 - 【請求項7】 下記式(VI): 【化9】 ただし、nは重合度を表し、およびR2は下記6種: 【化10】 のいずれかである、で示される、請求項4に記載の含フ
ッ素アリールエーテルケトン重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18395099A JP3736992B2 (ja) | 1998-06-29 | 1999-06-29 | (2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US10627098A | 1998-06-29 | 1998-06-29 | |
JP09/106270 | 1999-06-25 | ||
JP11-180091 | 1999-06-25 | ||
JP18009199 | 1999-06-25 | ||
JP18395099A JP3736992B2 (ja) | 1998-06-29 | 1999-06-29 | (2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064226A true JP2001064226A (ja) | 2001-03-13 |
JP3736992B2 JP3736992B2 (ja) | 2006-01-18 |
Family
ID=27324797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18395099A Expired - Fee Related JP3736992B2 (ja) | 1998-06-29 | 1999-06-29 | (2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3736992B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002322271A (ja) * | 2001-04-25 | 2002-11-08 | Nippon Shokubai Co Ltd | ポリエーテルケトンおよびその製造方法 |
JP2003082091A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-19 | Nippon Shokubai Co Ltd | 含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
EP1600797A1 (en) | 2004-05-28 | 2005-11-30 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Transparent resin material |
EP1600471A1 (en) | 2004-05-28 | 2005-11-30 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fluorine-containing compound |
JP2007321134A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Nippon Shokubai Co Ltd | ポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法 |
JP2010018763A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Nippon Shokubai Co Ltd | 脱塩重縮合系重合体の製造方法 |
JP2016171778A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 株式会社日本触媒 | 細胞培養用基材 |
-
1999
- 1999-06-29 JP JP18395099A patent/JP3736992B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002322271A (ja) * | 2001-04-25 | 2002-11-08 | Nippon Shokubai Co Ltd | ポリエーテルケトンおよびその製造方法 |
JP2003082091A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-19 | Nippon Shokubai Co Ltd | 含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
JP4688371B2 (ja) * | 2001-09-07 | 2011-05-25 | 株式会社日本触媒 | 含フッ素アリールエーテルケトン重合体 |
EP1600797A1 (en) | 2004-05-28 | 2005-11-30 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Transparent resin material |
EP1600471A1 (en) | 2004-05-28 | 2005-11-30 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fluorine-containing compound |
US7589228B2 (en) | 2004-05-28 | 2009-09-15 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fluorine-containing compound |
US7678881B2 (en) | 2004-05-28 | 2010-03-16 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Transparent resin material |
JP2007321134A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Nippon Shokubai Co Ltd | ポリアリールスルホン系重合体及びその製造方法 |
JP2010018763A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Nippon Shokubai Co Ltd | 脱塩重縮合系重合体の製造方法 |
JP2016171778A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 株式会社日本触媒 | 細胞培養用基材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3736992B2 (ja) | 2006-01-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Liu et al. | Soluble aromatic poly (ether ketone) s with a pendant 3, 5-ditrifluoromethylphenyl group | |
JP3539897B2 (ja) | 低誘電性樹脂組成物 | |
US6380445B1 (en) | Poly(9,9'-spirobisfluorenes), their production and their use | |
US4870153A (en) | Novel poly(aryl ether) polymers | |
JP5552164B2 (ja) | 透明性と高耐熱性とを有するポリアリーレンエーテル系重合体及びその製造方法 | |
Kimura et al. | Synthesis of novel fluorine‐containing poly (aryl ether ketone) s | |
JP2001064226A (ja) | (2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル化合物および含フッ素アリールエーテルケトン重合体 | |
US6172181B1 (en) | (2,3,4,5,6-pentafluorobenzoyl) diphenyl ether compound, and fluorine-containing aryl ether ketone polymer | |
JP3294930B2 (ja) | 新規なジベンゾイルナフタレン誘導体及びそれを含む重合体並びにその製造方法 | |
JP4688371B2 (ja) | 含フッ素アリールエーテルケトン重合体 | |
JP2006219440A (ja) | 芳香族ジカルボン酸の製造方法 | |
JPS63500383A (ja) | 分子鎖を延長されたポリ(アリ−ルエ−テルケトン) | |
EP0128693B1 (en) | Process for the preparation of 4-hydroxybenzophenones | |
JP4875250B2 (ja) | ポリエーテルケトンおよびその製造方法 | |
Saegusa et al. | Preparation and characterization of fluorine‐containing aromatic condensation polymers, 3. Preparation and characterization of fluorine‐containing aromatic poly (ketone) s and copoly (ketone) s by direct polycondensation of 4, 4′‐[1‐(trifluoromethyl) trifluoroethylidene] dibenzoic acid and/or 4, 4′‐isopropylidenedibenzoic acid with diaryl compounds | |
Elce et al. | Novel fluorinated poly (aryl ether ketone) s | |
JP2540521B2 (ja) | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルピリジンおよびその製造方法 | |
Mani et al. | Synthesis and characterization of isomeric biphenyl‐containing poly (aryl ether bisketone) s, 3. Polymers derived from 3, 4′‐bis (4‐fluorobenzoyl) biphenyl and bisphenols | |
Zhang et al. | Poly (arylene ethers) containing 2, 2'-dibenzoylbiphenyl units from isomeric 2-chlorofluorobenzophenones | |
JPH0741555A (ja) | 可溶性ポリアリーレンエーテルケトン | |
JPS62151421A (ja) | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法 | |
Person et al. | Polymers from 2, 5-difluoroterephthalic acid II. Poly (arylene ether) s containing pendant benzoyl groups | |
JP4311871B2 (ja) | ビス[(ペンタフルオロフェニル)カルボニル]ジフェニル類およびその製造方法 | |
JP4836400B2 (ja) | 芳香族ポリスルホン溶液の製造方法 | |
JP2002012662A (ja) | ポリシアノアリールエーテルおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040701 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050628 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050826 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050826 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051025 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051025 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081104 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121104 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |