JP4342092B2 - プリント基板用の表面コーティング剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁樹脂コーティング剤に関するものである。より詳しくは、本発明は、プリント基板用の表面コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピューターシステムの高速度化の要求に伴い、特性インピーダンス、信号遅延時間及び高周波特性などの観点から絶縁樹脂についても低誘電材料が求められている。これらの低誘電材料のうち代表的な一例として、ポリイミドのコーティング剤がある。
【0003】
このポリイミドのコーティング剤は、従来、多層配線層の層間絶縁膜として使用されており、感光性を付与したものもあり、耐熱性及び密着性などの物理的特性も良好であるが、ポリイミド自身の比誘電率は1MHzで約3.4〜4.0と比較的高く、また、ポリイミドの比誘電率をさらに下げようとすると、密着性や機械的強度等の物理的な特性が損なわれるという問題が生じる。このため、低比誘電率ならびに優れた密着性や強度、さらには耐湿性、耐候性及び高ガスバリア性等をも兼ね備えたポリイミド材料に対する要求は高いものの、そのようなポリイミド材料はいまだ得られていなかった。
【0004】
一方、低誘電樹脂材料として、フッ素樹脂もまた知られており、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン:DuPont製、比誘電率:2.1)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(比誘電率:2.1)及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(比誘電率:2.1)などが挙げられる。しかしながら、これらのフッ素樹脂は、密着性、温度差による体積変化や感光性付与などに問題があり、プリント基板用の表面コーティング剤としては実用化されていない。
【0005】
このような問題を克服するために、様々な低誘電樹脂材料の改良が試みられ、その例として、フッ素樹脂微細フィラー、好ましくはポリテトラフルオロエチレン粉末を均一分散させて含有するポリイミドであって、該フィラーの含有量に応じて比誘電率を3.1〜2.2の範囲に設定してプリント配線板の表面配線での塗付絶縁膜に用いるプリント配線板用ポリイミドコーティング材(特開平4−33,394号公報)が挙げられる。
【0006】
しかしながら、特開平4−33,394号公報に開示されるプリント配線板用ポリイミドコーティング材は、吸水率が高くコーティングの後処理として約300℃で焼成する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上記諸事情を鑑みてなされたものであり、低比誘電性及び低誘電損失を有するプリント基板用の表面コーティング剤を提供するものである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、上記特性に加えて、優れた耐熱性及び高耐湿性を有するプリント基板用の表面コーティング剤を提供するものである。
【0009】
また、本発明の他の目的として、容易にコーティングできるプリント基板用表面コーディング剤を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記諸目的を達成するために様々なポリマーについて鋭意検討した結果、本発明者らがこれまで研究を行ってきた含フッ素アリールエーテルケトン重合体の比誘電率が3.0〜3.8と従来絶縁層に使用されてきたポリイミド樹脂をはじめとする材料に比べて低く、さらに優れた耐熱性、耐湿性及び低誘電損失を有することに着目し、さらに上記重合体は溶媒に可溶であるため成膜後の熱処理を低温で行うことが可能であることから、このようなポリイミド樹脂含むプリント基板用の表面コーティング剤が上記目的を達成できることを発見した。
【0011】
本発明者らはまた、さらに上記諸目的を達成するために様々なポリマーについて鋭意検討した結果、本願発明者らがこれまで研究を行ってきたポリシアノアリールエーテルもまた、比誘電率が3.0〜3.8と従来絶縁層に使用されてきたポリイミド樹脂をはじめとする材料に比べて低く、さらに優れた耐熱性、耐湿性及び低誘電損失を有することに着目し、さらに上記重合体は溶媒に可溶であるため成膜後の熱処理を低温で行うことが可能であることから、このようなポリイミド樹脂含むプリント基板用の表面コーティング剤が上記目的を達成できることを発見した。
【0012】
上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、上記目的は、下記式(IV):
【0014】
【化4】
Figure 0004342092
【0015】
{ただし、nは重合度を表し、mは1の整数であり、R は、下記式(V):
【0016】
【化5】
Figure 0004342092
【0017】
ただし、pは1であり、R は、下記:
【0018】
【化6】
Figure 0004342092
【0019】
からなる群より選択される2価の有機基を表わす。)で表わされる基である。}
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体を含んでなるプリント基板用の表面コーティング剤によって達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
第一の概念によると、本発明は、下記式(IV):
【0022】
【化7】
Figure 0004342092
【0023】
{ただし、nは重合度を表し、mは1の整数であり、R は、下記式(V):
【0024】
【化8】
Figure 0004342092
【0025】
(ただし、pは1であり、R は、下記:
【化9】
Figure 0004342092
からなる群より選択される2価の有機基を表わす。)で表わされる基である。}
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体(以下、単に「含フッ素アリールエーテルケトン重合体」ともいう
【0027】
含んでなるプリント基板用の表面コーティング剤を提供するものである。
【0028】
本発明のプリント基板用の表面コーティング剤は、上記したような特定の構造を有する含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルを含むことを必須とし、プリント配線板の表面配線での塗付絶縁膜に使用されるものである。
【0029】
本発明においてプリント基板用の表面コーティング剤を構成する含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、下記式(I):
【0030】
【化10】
Figure 0004342092
【0031】
で示される重合体である。
【0032】
上記式(I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体の各繰り返し単位は、下記式:
【0033】
【化11】
Figure 0004342092
【0034】
で示されるp−テトラフルオロベンゾイレン基(本明細書では、単に「p−テトラフルオロベンゾイレン基」ともいう)及び下記式:
【0035】
【化12】
Figure 0004342092
【0036】
で示されるオキシアルキレン基(本明細書では、単に「オキシアルキレン基」ともいう)がベンゼン環の任意の位置に(オルト位、メタ位またはパラ位に、特に好ましくはパラ位に)それぞれ結合し、ベンゼン環の任意の残位がXで置換されるまたは置換されない構造を有するものである。
【0037】
上記式(I)において、Xは、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子、好ましくはフッ素原子;低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、好ましくはメチル及びエチル、ならびにトリフルオロメチル等のこれらのハロゲン化アルキル基;低級アルコキシル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシ等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、好ましくはメトキシ及びエトキシ、ならびにトリフルオロメトキシ等のこれらのハロゲン化アルコキシル基などを表わす。これらのうち、フッ素原子が特にXとして好ましく使用される。上述したように、Xは、p−テトラフルオロベンゾイレン基及びオキシアルキレン基が結合しない残位の水素原子の代わりに置換される基であるが、ベンゼン環へのXの結合数、即ち、式(I)におけるqの値は、0〜4の整数である。
【0038】
また、上記式(I)において、mは0または1の整数であり、R1は、下記式(II):
【0039】
【化13】
Figure 0004342092
【0040】
で表される基である。
【0041】
上記式(II)において、X’は、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子及びヨウ素原子、好ましくはフッ素原子;低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、好ましくはメチル及びエチル、ならびにトリフルオロメチル等のこれらのハロゲン化アルキル基;低級アルコキシル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシ等の炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、好ましくはメトキシ及びエトキシ、ならびにトリフルオロメトキシ等のこれらのハロゲン化アルコキシル基などを表わす。これらのうち、フッ素原子が特にX’として好ましく使用される。また、X’のベンゼン環への結合数、即ち、式(II)におけるq’の値は、0〜4の整数である。
【0042】
これらのうち、R1は、下記式(V):
【0043】
【化14】
Figure 0004342092
【0044】
で表される基であることが好ましい。
【0045】
また、上記式(II)及び(V)において、pは0または1の整数である。また、R2は、2価の有機基を表わすが、具体的には、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH(CH3)−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2(CH22CH2−)、ペンタメチレン(−CH2(CH23CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2(CH24CH2−)、プロペニレン(−CH2CH=CH−)、ビニレン(−CH=CH−)、1,2,3−プロパントリイル(−CH2CHCH2−)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサメチレン(−CH2(CF24CH2−)、及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタメチレン(−CH2(CF26CH2−)等の、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜6の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和若しくは不飽和アルキレン基;式:−CH2−CH2−O−CH2−CH2−で表わされる基;ならびにo−、m−またはp−ベンゼンジメチレン、o−、m−またはp−ベンゼンテトラフルオロジメチレン、o−、m−またはp−フェニレン、2価のナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o−、m−またはp−テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、ビフェニルスルホン、および下記5式:
【0046】
【化15】
Figure 0004342092
【0047】
で表わされる芳香族基などの2価の芳香族基が挙げられる。なお、本発明による2価の有機基において、炭素原子に直接結合する水素がハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシル基で置換されていてもよい。これらのうち、2価の芳香族基がR2として好ましく、より好ましくは、下記7種:
【0048】
【化16】
Figure 0004342092
【0049】
で示される芳香族基がR2として使用される。
【0050】
さらに、上記式(I)において、nは、重合度を表わし、具体的には、2〜5000、好ましくは5〜500である。さらに、本発明において、含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、同一の繰り返し単位からなるものであってもまたは異なる繰り返し単位からなるものであってもよく、後者の場合には、その繰り返し単位はブロック状であったもまたはランダム状であってもよい。
【0051】
本発明において特に好ましく使用される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、下記式(IV):
【0052】
【化17】
Figure 0004342092
【0053】
で示されるものである。なお、上記式(IV)において、R1及びmは、上記式(I)における定義と同様である。
【0054】
なお、本発明による含フッ素アリールエーテルケトン重合体の製造方法については以下に詳述するが、この記載から、式(I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体の末端は、p−テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であると、即ち、式(I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、下記式(IX):
【0055】
【化18】
Figure 0004342092
【0056】
で示される重合体、好ましくは下記式(X):
【0057】
【化19】
Figure 0004342092
【0058】
で示される重合体であると考えられる。また、本発明で使用される式(I)の含フッ素アリールエーテルケトン重合体は架橋構造を有するものであってもよい。
【0059】
以下、本発明において好ましく使用される上記式(IV)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体について以下に詳述するが、上記式(I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、例えば、置換した化合物を代わりに出発原料として使用する、または下記合成方法において各工程間若しくは全工程終了後の生成物の相当するベンゼン環に所望の置換基を公知の方法を用いて導入するなどによって、当業者により同様にして調製できる。
【0060】
上記式(IV)において、mが0の場合には、下記式(VI):
【0061】
【化20】
Figure 0004342092
【0062】
ただし、nは重合度を表す、
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
【0063】
また、上記式(IV)において、mが1でありかつpが0である場合には、下記式(VII):
【0064】
【化21】
Figure 0004342092
【0065】
ただし、nは重合度を表す、
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。
【0066】
さらに、上記式(IV)において、mが1でありかつpが1である場合には、下記式(VIII):
【0067】
【化22】
Figure 0004342092
【0068】
ただし、nは重合度を表し、およびR2は前記のとおりである、
で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体となる。なお、上記式(VIII)では、nは、重合度を表わすが、好ましくは、2〜2000、より好ましくは5〜200である。
【0069】
本発明による含フッ素アリールエーテルケトン重合体の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、K. Kimura et al., Polymer Preprints, Vol. 39, No. 2, 1998に記載される方法が使用できる。
【0070】
より詳細に述べると、本発明による含フッ素アリールエーテルケトン重合体が上記式(VI)または上記式(VII)で示される際の、含フッ素アリールエーテルケトン重合体の製造方法を以下に説明する。
【0071】
まず、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドを、有機溶剤中でフリーデルクラフツ触媒の存在下で、例えば、メトキシベンゼンやエトキシベンゼン等のアルコキシベンゼンまたは4−メトキシジフェニルエーテルや4−エトキシジフェニルエーテル等の4−アルコキシジフェニルエーテルとフリーデルクラフツ反応させることにより、p−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルをそれぞれ得、この反応産物を脱アルキル化反応することよって、下記式:
【0072】
【化23】
Figure 0004342092
【0073】
ただし、qは0または1の整数である、
で示される2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物(以下、単に「2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物」と称する)を得る。
【0074】
上記フリーデルクラフツ反応において、アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルの使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モル当たり、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モルである。この際、アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルの使用量が0.8モル未満では、アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルに過剰に2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導入されてしまい好ましくない。これに対して、アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルの使用量が1.2モルを越えると、未反応のアルコキシベンゼンまたは4−アルコキシジフェニルエーテルが多量に残り、生産性の面で好ましくない。
【0075】
上記フリーデルクラフツ反応において効果的に使用されるフリーデルクラフツ触媒としては、塩化アルミニウム、塩化アンチモン、塩化第二鉄、塩化第一鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩化水銀及び硫酸等が挙げられる。また、フリーデルクラフツ触媒の使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モルに対して、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
【0076】
上記フリーデルクラフツ反応において使用される有機溶剤は、酸クロライドと反応しないものでなければならない。このような有機溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二硫化炭素及びニトロベンゼン等が挙げられる。この有機溶剤における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドの濃度は、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。反応は、反応系を撹拌状態に保ちながら、0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度で行なわれる。
【0077】
このような反応によって得られる生成物は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタノールまたはエタノールで再結晶化することによって、白色結晶として得てもよい。
【0078】
次に、脱アルキル化処理について、以下に説明する。すなわち、脱アルキル化反応は、酸、アルカリまたは有機金属試薬などを用いて行うことができる。試薬としては、例えば、臭化水素、ヨウ化水素、トリフルオロ酢酸、ピリジンの塩酸塩、濃塩酸、ヨウ化マグネシウムエーテラート(magnesium iodide etherate)、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、水酸化カリウム及びグリニヤール試薬などが挙げられる。試薬の使用量は、p−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル1モルに対して、0.1モル以上、好ましくは0.1〜30モルである。
【0079】
本発明において、脱アルキル化反応は、無溶媒下で行われてもあるいは溶媒中で行われてもよいが、反応効率や反応制御などを考慮すると、溶媒中で行われることが好ましい。
【0080】
本発明において、溶媒中で脱アルキル化反応を行う際に効果的に使用される溶媒としては、例えば、水、酢酸、無水酢酸、ベンゼン及びテトラヒドロフランなどが挙げられる。また、この溶媒中でのp−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)アルコキシベンゼンまたは4−アルコキシ−4’−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルの濃度は、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。反応は、0〜250℃、好ましくは50〜200℃の温度で行なわれる。
【0081】
さらに、このようにして得られた2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物を、塩基性化合物の存在下で有機溶媒中で、30〜250℃、好ましくは50〜200℃の反応温度で加熱することによって、上記式(VI)および(VII)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体が得られる。
【0082】
上記重合反応で使用される有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド及びメタノール等の極性溶媒やトルエンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0083】
また、有機溶媒における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物の濃度は、5〜50質量%、好ましくは、10〜30質量%である。
【0084】
トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段階に使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除去できる。
【0085】
本発明において使用される塩基性化合物は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集することにより重縮合反応を促進するよう作用する。このような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸リチウム及び水酸化カリウムが挙げられる。
【0086】
また、上記重合反応において、塩基性化合物の使用量は、使用される2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル化合物1モルに対して、0.5〜10モル、好ましくは0.5〜5モルである。
【0087】
重合反応終了後は、反応溶液より蒸発等により溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄することによって、所望の重合体が得られる。または、反応溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることにより、重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により分離することによって、重合体を得てもよい。
【0088】
次に、本発明による含フッ素アリールエーテルケトン重合体が上記式(VIII)で示される際の、含フッ素アリールエーテルケトン重合体の製造方法を以下に説明する。
【0089】
まず、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドを、有機溶剤中でフリーデルクラフツ触媒の存在下で、ジフェニルエーテルとフリーデルクラフツ反応させることよって、下記式:
【0090】
【化24】
Figure 0004342092
【0091】
で示される4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル(以下、単に「4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル」または「BPDE」と称する)を得る。
【0092】
上記フリーデルクラフツ反応において、ジフェニルエーテルの使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モル当たり、0.4〜0.6モル、好ましくは0.45〜0.55モルである。すなわち、ジフェニルエーテルの使用量が0.4モル未満では、ジフェニルエーテルに過剰に2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基が導入されてしまい好ましくない。これに対して、ジフェニルエーテルの使用量が0.6モルを越えると、未反応のジフェニルエーテルが多量に残り、生産性の面で好ましくない。
【0093】
上記フリーデルクラフツ反応において効果的に使用されるフリーデルクラフツ触媒としては、塩化アルミニウム、塩化アンチモン、塩化第二鉄、塩化第一鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化錫、塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩化水銀及び硫酸等が挙げられる。また、フリーデルクラフツ触媒の使用量は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライド1モルに対して、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
【0094】
上記フリーデルクラフツ反応において使用される有機溶剤としては、酸クロライドと反応しない溶剤が使用できる。このような有機溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、二硫化炭素及びニトロベンゼン等が挙げられる。この有機溶剤における2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイルクロライドの濃度は、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。また、反応は、反応系を撹拌状態に保ちながら、0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度で行なわれる。
【0095】
このような反応によって得られる生成物は、反応混合物に水を注加し、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタノールまたはエタノールで再結晶化することによって、白色結晶として得てもよい。
【0096】
さらに、このようにして得られた4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル(BPDE)を、塩基性化合物の存在下で有機溶媒中で、下記式(XIV):
【0097】
【化25】
Figure 0004342092
【0098】
ただし、R2は上記式(II)及び(V)における定義と同様である、
で示される2価のフェノール化合物と共に加熱することよって、上記式(VIII)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体が得られる。
【0099】
上記反応において、反応温度は、20〜150℃、好ましくは50〜120℃である。この際、このように低温度で反応することで副反応を抑制し、重合体のゲル化を防止することができる。
【0100】
上記重合反応で使用される有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド及びメタノール等の極性溶媒やトルエンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
【0101】
また、有機溶媒における4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテルの濃度は、5〜50質量%、好ましくは、10〜30質量%である。
【0102】
トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段階に使用する際には、フェノキシド生成の際に副生する水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除去できる。
【0103】
本発明において使用される塩基性化合物は、重縮合反応によって生成するフッ化水素を捕集することにより重縮合反応を促進するよう作用し、さらにフェノール化合物をより反応性の高いアニオンに変える作用がある。このような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸リチウム及び水酸化カリウムが挙げられる。
【0104】
また、上記重合反応において、塩基性化合物の使用量は、使用される4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル1モルに対して、1〜20モル、好ましくは1〜10モルである。
【0105】
上記重合反応において使用される2価のフェノール化合物としては、上記式(XIV)で示されるものであれば特に制限されないが、例えば、2,2−ビス(4−ビドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン(以下、「6FBA」という)、ビスフェノールA(以下、「BA」という)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「HF」という)、ビスフェノールF(以下、「BF」という)、ハイドロキノン(以下、「HQ」という)、レゾルシノール(以下、「RS」という)および2−(3−オキシフェニル)−2−(4’−オキシフェニル)プロパン(以下、「3,4’−BA」という)などが挙げられる。また、2価のフェノール化合物の使用量は、4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル1モルに対して、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0106】
重合反応終了後は、反応溶液より蒸発等により溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄することによって、所望の重合体が得られる。または、反応溶液を重合体の溶解度が低い溶媒中に加えることにより、重合体を固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により分離することによって、重合体を得てもよい。
【0107】
このようにして製造された含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、比誘電率が3.0〜3.8と十分低い比誘電率であり、浮遊容量を抑制できるため被覆の薄膜化を達成することが可能である。さらに、本発明において使用される含フッ素アリールエーテルケトン重合体は、優れた耐湿性、耐候性及びガスバリア性を有する上、十分な可撓性を有するので、この含フッ素アリールエーテルケトン重合体で被覆されたプリント配線板の表面配線もまた、上記したような特性を有するため、フレキシブル配線基板のコーティング剤としても好適である。なお、本明細書において、ポリマーの比誘電率は、100MHzの周波数で、26℃の温度で、インピーダンス測定法によって測定した値である。
【0108】
また、本発明においてプリント基板用の表面コーティング剤を構成するポリシアノアリールエーテルは、下記式(III):
【0109】
【化26】
Figure 0004342092
【0110】
で示される重合体である。
【0111】
上記式(III)において、Y1は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及び2−エチルヘキシル、好ましくはメチル、エチル、プロピル及びブチル;置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、フルフリルオキシ及びアリルオキシ、好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシ;置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルアミノ基、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ及びtert−ブチルアミノ、好ましくはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ;置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ及びn−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ及びiso−プロピルチオ、好ましくは、メチルチオ、エチルチオ及びプロピルチオ;置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリール基、例えば、フェニル、ベンジル、フェネチル、o−,m−若しくはp−トリル、2,3−若しくは2,4−キシリル、メシチル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ビフェニリル、ベンズヒドリル、トリチル及びピレニル、好ましくはフェニルならびにo−,m−及びp−トリル;置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステルなど;以下、同様)、ナフトキシ、o−,m−若しくはp−メチルフェノキシ、o−,m−若しくはp−フェニルフェノキシ、フェニルエチニルフェノキシ、ならびにクレソチン酸及びそのエステル類、好ましくはフェノキシ及びナフトキシ;置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールアミノ基、例えば、アニリノ、o−,m−若しくはp−トルイジノ、1,2−若しくは1,3−キシリジノ、o−,m−若しくはp−メトキシアニリノならびにアントラニル酸及びそのエステル類、好ましくはアニリノ及びo−,m−若しくはp−トルイジノ;または置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、フェニルメタンチオ、o−,m−若しくはp−トリルチオならびにチオサリチル酸及びそのエステル類、好ましくはフェニルチオを表わす。これらのうち、置換基を有してもよいアリールオキシ基、アリールチオ基およびアリールアミノ基が好ましく、さらに、フェノキシ、フェニルチオ及びアニリノがY1として最も好ましい。
【0112】
また、上記式(III)において、Y1が置換基を有するアルキル基、アルコキシル基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基またはアリールチオ基を表わす際に使用できる置換基としては、目的物の所望の特性に応じて適宜選択でき、特に制限されるものではないが、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシル;ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素;シアノ基、ニトロ基ならびにカルボキシエステル基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはメチル及びカルボキシエステル基である。
【0113】
さらに、上記式(III)において、Y2は、2価の有機基を表わし、例えば、下記式:
【0114】
【化27】
Figure 0004342092
【0115】
これらのうち、下記式:
【0116】
【化28】
Figure 0004342092
【0117】
で示される2価の有機基がY2として好ましく、特に下記式:
【0118】
【化29】
Figure 0004342092
【0119】
で示される2価の有機基がY2として好ましい。
【0120】
さらに、上記式(III)において、zは重合度を表わし、具体的には、5〜1000、好ましくは10〜500である。なお、本発明のポリシアノアリールエーテルは、上記式(III)の構成単位の同一の繰り返し単位からなるものであったもまたは異なる繰り返し単位からなるものであってもよく、後者の場合には、その繰り返し単位はブロック状であったもまたはランダム状であってもよい。
【0121】
また、本発明のポリシアノアリールエーテルの製造方法については以下に詳述するが、この記載から、式(III)で示されるポリシアノアリールエーテルの末端は、フッ素原子を含むベンゼン環側がフッ素であり、酸素原子(Y2)側が水素原子であると、即ち、式(III)で示されるポリシアノアリールエーテルは下記式(XI):
【0122】
【化30】
Figure 0004342092
【0123】
で示されるポリマーであると考えられる。また、本発明で使用される式(III)のポリシアノアリールエーテルは架橋構造を有するものであってもよい。
【0124】
本発明のポリシアノアリールエーテルは、上記含フッ素アリールエーテルケトンに関して述べたのと同様にして製造できるが、具体的には、下記式(XII):
【0125】
【化31】
Figure 0004342092
【0126】
で示されるテトラフルオロベンゾニトリル誘導体を、下記式(XIII):
【0127】
【化32】
Figure 0004342092
【0128】
で示されるジヒドロキシ化合物と塩基性触媒の存在下で重合することによって、製造される。この際、上記式(XII)におけるY1及び上記式(XIII)におけるY2の定義は、上記式(III)におけるY1及びY2の定義と同様である。
【0129】
本発明において、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、公知の方法によって製造できるが、例えば、式:Y1H[式中、Y1は上記式(III)における定義と同様である]で示される化合物を有機溶媒中で塩基性化合物の存在下で2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾニトリル(本明細書中、「PFBN」とも称する)と反応させることによって得られる。
【0130】
上記反応において、式:Y1Hで示される化合物およびPFBNは、それぞれ、単一の化合物として使用されてもあるいは2種以上の式:Y1Hで示される化合物および/またはPFBNの混合物の形態で使用されてもよいが、精製工程やポリマーの物性などを考慮すると、単一の化合物として使用されることが好ましい。なお、後者の場合には、使用される複数または単一のPFBNのモル数の合計が、複数または単一の式:Y1Hで示される化合物のモル数の合計に等しいまたはほぼ等しいことが好ましいが、具体的には、式:Y1Hで示される化合物の使用量が、PFBN 1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜2モルである。
【0131】
上記反応において使用できる有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン及びメタノール等の極性溶媒;ならびにこれらの極性溶媒とトルエンやキシレン等の非極性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、有機溶媒におけるPFBNの濃度は、1〜40質量%、好ましくは、5〜30質量%である。この際、トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段階に使用する際には、反応中に副生する水を、重合溶媒に関係なく、トルエンの共沸物として除去できる。
【0132】
また、上記反応において使用される塩基性化合物は、反応を促進させるために生成するフッ化水素を捕集するよう作用するものであることが望ましい。このような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及びフッ化カリウムなどが挙げられる。この際、塩基性化合物の使用量は、使用されるPFBN 1モルに対して、0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルである。
【0133】
さらに、上記反応における反応条件は、Y1Hで示される化合物とPFBNとの反応が効率よく進行するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、反応は、好ましくは反応系を撹拌状態に保ちながら、通常、20〜180℃、好ましくは40〜160℃の温度で行なわれる。また、反応時間は、他の反応条件や使用する原料などにより異なるが、通常、1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。さらに、反応は、常圧下または減圧下いずれで行ってもよいが、設備面から、常圧下で行うことが望ましい。このような反応によって得られる生成物は、反応混合物に蒸留水を注加し、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたは四塩化炭素等の抽出剤で抽出した後、有機層を抽出物から分離し、抽出剤を留去することにより得られる。さらに、この生成物を、必要であれば、メタノールまたはエタノール等で再結晶化することによって、結晶として得てもよい。
【0134】
このようにして合成された式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、上述したように、さらに式(XIII)のジヒドロキシ化合物と塩基性触媒の存在下で重合に供されることによって、目的の式(III)のポリシアノアリールエーテルが製造される。この際、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、上記したような抽出、再結晶化、クロマトグラフィー及び蒸留等の精製工程をへた後使用されてもまたは精製工程を行なわずにそのまま使用してもよいが、次工程の収率などを考慮すると精製された後使用することが好ましい。
【0135】
上記反応において使用される式(XIII)のジヒドロキシ化合物は、目的産物である式(III)のポリシアノアリールエーテルの構造に従って選択される。本発明において好ましく使用される式(XIII)のジヒドロキシ化合物としては、以下にしめされるように、2,2−ビス(4−ビドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン(以下、「6FBA」という)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(以下、「DPE」という)、ビスフェノールF(以下、「BF」という)、ハイドロキノン(以下、「HQ」という)、ビスフェノールA(以下、「BA」という)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「HF」という)、フェノールフタレイン(以下、「PP」という)、1,4−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、「CHB」という)、および4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下、「BP」という)が挙げられる。
【0136】
【化33】
Figure 0004342092
【0137】
上記反応において、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体および式(XIII)のジヒドロキシ化合物は、それぞれ、単一の化合物として使用されてもあるいは2種以上の式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体および/または式(XIII)のジヒドロキシ化合物の混合物の形態で使用されてもよいが、精製工程やポリマーの物性などを考慮すると、単一の化合物として使用されることが好ましい。なお、後者の場合には、使用される複数または単一の式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体のモル数の合計が、複数または単一の式(XIII)のジヒドロキシ化合物のモル数の合計に等しいまたはほぼ等しいことが好ましいが、具体的には、式(XIII)のジヒドロキシ化合物の使用量は、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体1モルに対して、0.1〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
【0138】
上記反応は、有機溶剤中で行なわれてまたは無溶剤下で行なわれてもよいが、有機溶剤中に行われることが好ましい。前者の場合、使用できる有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン及びメタノール等の極性溶媒;ならびにこれらの極性溶媒とトルエンやキシレン等の非極性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、有機溶剤における式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体の濃度は、1〜50質量%、好ましくは、5〜20質量%である。この際、トルエンや他の同様の溶剤を反応の初期段階に使用する際には、反応中に副生する水を、重合溶剤に関係なく、トルエンの共沸物として除去できる。
【0139】
また、本発明において、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体および式(XIII)のジヒドロキシ化合物の反応は、塩基性触媒の存在下で行なうことを必須とする。塩基性触媒は、式(XIII)のジヒドロキシ化合物による重縮合反応を促進するよう、式(XIII)のジヒドロキシ化合物をより反応性の高いアニオンに変える作用を有するものが好ましく、具体的には、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたはフッ化カリウムなどが挙げられる。また、塩基性触媒の使用量は、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(XIII)のジヒドロキシ化合物との反応が良好に進行できる量であれば特に制限されるものではないが、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体 1モルに対して、通常、0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルである。
【0140】
さらに、上記重合反応における反応条件は、式(XII)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(XIII)のジヒドロキシ化合物との反応が効率よく進行するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、重合温度は、好ましくは200℃以下、より好ましくは20〜150℃、最も好ましくは40〜100℃である。このように低温度で反応することで、特別の設備を必要とすることなく、副反応を抑制し、ポリマーのゲル化を防止することができる。また、重合時間は、他の反応条件や使用する原料などにより異なるが、好ましくは、1〜48時間、より好ましくは2〜24時間である。さらに、重合反応は、常圧下または減圧下いずれで行ってもよいが、設備面から、常圧下で行うことが望ましい。
【0141】
上記重合反応終了後は、反応溶液より蒸発等により溶媒の除去を行ない、必要により留出物を洗浄することによって、所望のポリマーが得られる。または、反応溶液をポリマーの溶解度が低い溶媒中に加えることにより、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物を濾過により分離することによって、ポリマーを得てもよい。
【0142】
このようにして製造されたポリシアノアリールエーテル重合体は、比誘電率が3.0〜3.8と十分低い比誘電率であり、浮遊容量を抑制できるため被覆の薄膜化を達成することが可能である。さらに、本発明において使用されるポリシアノアリールエーテルは、優れた耐湿性、耐候性及びガスバリア性を有する上、十分な可撓性を有するので、このポリシアノアリールエーテルで被覆されたプリント配線板の表面配線もまた、上記したような特性を有するため、フレキシブル配線基板のコーティング剤としても好適である。
【0143】
また、本発明において、プリント基板用の表面コーティング剤は、上記したような特定の構造を有する含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルを含むことを必須とするが、この含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルに加えて、所望の低比誘電率、低誘電損失、耐熱性、耐湿性及び耐候性を向上することおよび/または高ガスバリア性、絶縁性及び機械的強度等に等の他の特性をさらに付与することを目的として、悪影響を及ぼしたりせず本発明の範疇を逸脱しない範囲において、他の成分を含んでいてもよい。この際、他の成分としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、付加型ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン及びポリアゾメチン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂;炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ジルコン、ガラス、タルク、マイカ、黒鉛、アルミニウム、銅及び鉄等の粉末や短繊維状の無機充填材;脂肪酸やワックス類等の離型剤;エポキシシラン、ビニルシラン、ボラン系化合物及びアルキルチタネート系化合物等のカップリング剤;アンチモンやリンの化合物およびハロゲン含有化合物等の難燃剤;ならびに分散剤や溶剤等の各種添加剤が挙げられる。含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルに加えてさらなる成分を含む際のさらなる成分の含量は、全原料に対して、0〜49質量%である。
【0144】
本発明のコーティング剤によるプリント配線板の表面配線の被覆方法としては、特に制限されず公知の方法が使用される。具体的には、キャスティング(流延法)、スピンコーティング(回転塗布法)、ロールコーティング、スプレイコーティング、バーコーティング、フレキソ印刷、およびディップコーティングなどの方法が挙げられる。これらの方法のうち、薄膜化や凹凸の少ない平滑な表面保護膜の形成が可能である点、および容易にコーティングできる点などを考慮すると、スピンコーティング、バーコーティングおよびディップコーティングが好ましく使用される。
【0145】
特に、本発明で使用する含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルは、従来から絶縁基板上に誘電体膜を形成する際に使用される各種の溶媒に対する溶解性に優る点に特徴がある。このため、絶縁基板上に該含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルを溶媒に溶解し、上記いずれかに記載の方法によって膜形成を行うと、使用した有機溶媒の沸点程度の低温で熱処理を行うことで、簡便に成膜することができる。
【0146】
上記成膜に好ましく使用できる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ジメチルスルフォキシト、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトンおよびメタノール等の極性溶媒やトルエンやキシレン等の非極性溶媒が挙げられる。これらのうち好ましくはN−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレンが使用される。また、これらの有機溶媒は、単独でまたは2種類以上の混合物の形態で使用されてよい。
【0147】
また、含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルに加えて上記したような他の成分を含む場合には、例えば、キャスティング、スピンコーティング、ロールコーティング、スプレイコーティング、バーコーティング、フレキソ印刷、およびディップコーティングなどの方法が挙げられる。コーティング剤によるプリント基板の表面保護膜の厚みは、目的とする特性及び用途ならびにその材質などに合わせて適宜選択することができるが、通常、1〜50μmである。
【0148】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0149】
実施例1
トルエンを溶媒として、重合度をnとした場合に下記式で表される含フッ素アリールエーテルケトン重合体を10質量%含む溶液をスピンコート法にてコートし、60℃の温度で乾燥することで塗布膜を形成した。
【0150】
【化34】
Figure 0004342092
【0151】
実施例2
実施例1および比較例1で作成した試料をインピーダンスアナライザー(HP4294A)で、それぞれ誘電率を測定したところ、誘電率がε=3.1(100HMz)であった。
【0152】
【発明の効果】
上述したように、本願発明のプリント基板用の表面コーティング剤は、式(I)で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/または式(III)ポリシアノアリールエーテルを含むことを特徴とするものである。したがって、本願発明による含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルは、低比誘電率、高耐湿性、高耐候性及び高ガスバリア性に加えて、銅に対する優れた密着性及び吸水性を有するので、この含フッ素アリールエーテルケトン重合体および/またはポリシアノアリールエーテルを含むプリント基板用の表面コーティング剤もまた、上記したような特性を有するため、多層配線層の層間絶縁膜として、プリント配線板の表面配線での塗付絶縁膜に、ならびに半導体素子やリード線の被覆に好適に使用される。

Claims (1)

  1. 下記式(IV):
    Figure 0004342092
    {ただし、nは重合度を表し、mは1の整数であり、R は、下記式(V):
    Figure 0004342092
    (ただし、pは1であり、R は、下記:
    Figure 0004342092
    からなる群より選択される2価の有機基を表わす。)で表わされる基である。}
    で示される含フッ素アリールエーテルケトン重合体を含んでなるプリント基板用の表面コーティング剤。
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