JP2021130744A - 硬化性樹脂組成物、及び、硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、及び、硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐熱性、誘電特性を兼備した硬化性樹脂組成物、その硬化物、これらの性能を兼備したプリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材、並びに、半導体装置を提供する。【解決手段】式(1)で示されるインダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有する硬化性組成物。(Raは、特定の基を表し、qは0〜4の整数値を示す。Rbは、特定の基を表し、rは0〜3の整数値を示す。nは0.2〜20の数値を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物より得られる硬化物、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材、及び、半導体装置に関する。
電子機器用の回路基板の材料として、ガラスクロスに、エポキシ樹脂系やBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂系などの熱硬化性樹脂を含浸、加熱乾燥して得られるプリプレグ、該プリプレグを加熱硬化した積層板、該積層板と該プリプレグとを組み合わせ、加熱硬化した多層板が広く使用されている。中でも半導体パッケージ基板は薄型化が進み、実装時のパッケージ基板の反りが問題となることから、これを抑制するため、高耐熱性を発現する材料が求められている。
また近年、信号の高速化、高周波数化が進み、これらの環境下で低誘電特性を発現する硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物の提供が望まれている。
特に最近では各種電材用途、とりわけ先端材料用途においては、耐熱性、誘電特性に代表される性能の一層の向上、及びこれらを兼備する材料、組成物が求められている。
また、上記積層板はハンダリフロー等、高温に曝された際に、積層板に吸着していた水分が気化することで、積層板の層間の密着性が弱いと、剥離する等の不良が発生することがあり、近年、パッケージ基板の多層化が加速したことで、これら不良の発生する頻度が高まっており、層間密着性の高い材料が求められている。
このような中、高度な誘電特性、及び、耐熱性を兼備したシアン酸エステル系材料として、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂と、ビスフェノールAシアン酸エステル樹脂と、非ハロゲン系エポキシ樹脂とを配合してなる樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載の樹脂組成物は、硬化物における耐熱性と誘電特性はある程度改善されるものの、耐熱性については、近年要求されている水準には未だ、及ばないものであった。
また、低誘電率・低誘電正接を実現可能な材料として、活性エステル化合物をエポキシ樹脂要硬化剤として用いる技術が開示(特許文献2参照)されているが、こちらも要求される低誘電正接の実現ができていない状況である。
特開2004−182850号公報 特開2004−169021号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を使用することで、耐熱性、及び、低誘電特性に優れた硬化物、これらの性能を兼備したプリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材、並びに、半導体装置を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、耐熱性、及び、低誘電特性に寄与できるインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有する硬化性樹脂組成物より得られる硬化物が、耐熱性、及び、低誘電特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されるインダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
Figure 2021130744
(上記式(1)中、Raは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基またはメルカプト基を表し、qは0〜4の整数値を示す。qが2〜4の場合、Raは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。Rbは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基またはメルカプト基を表し、rは0〜3の整数値を示す。rが2〜3の場合、Rbは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。nは平均繰り返し単位数であり、0.2〜20の数値を示す。)
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記活性エステル化合物が、
分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)とのエステル化物、もしくは、
分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)と、分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)とのエステル化物、であることが好ましい。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることが好ましい。
本発明のプリプレグは、補強基材、及び、前記補強基材に含浸した前記硬化性樹脂組成物の半硬化物を有することが好ましい。
本発明の回路基板は、前記プリプレグ、及び、銅箔を積層し、加熱圧着成型して得られることが好ましい。
本発明のビルドアップフィルムは、前記硬化性樹脂組成物を含有することが好ましい。
本発明の半導体封止材は、前記硬化性樹脂組成物を含有することが好ましい。
本発明の半導体装置は、前記半導体封止材を加熱硬化した硬化物を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有するため、前記硬化性樹脂組成物より得られる硬化物が、耐熱性、低誘電特性、及び、密着性に優れ、有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1)で示されるインダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
Figure 2021130744
上記式(1)中、Raは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基またはメルカプト基を表し、qは0〜4の整数値を示す。qが2〜4の場合、Raは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。Rbは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基またはメルカプト基を表し、rは0〜3の整数値を示す。rが2〜3の場合、Rbは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。nは平均繰り返し単位数であり、0.2〜20の数値を示す。
上記一般式(1)の化合物は、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂がインダン骨格を有することにより、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の構造中に極性官能基の割合が少ないため、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂を使用して製造される硬化物は、誘電特性に優れるため、好ましい。また、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂はインダン骨格を有することで、可撓性、及び、柔軟性に優れ、耐脆性の改善も見込まれ、好ましい。
上記一般式(1)のRaが、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基のいずれかであることが好ましく、前記炭素数1〜4のアルキル基等であることで、ビスフェノール基近傍の平面性の低下、結晶性低下により、溶剤溶解性が向上するとともに、ビスフェノール基の反応性が損なわれることなく、硬化物を得ることが可能な好ましい態様となる。
上記一般式(1)中のqが、1〜3であることが好ましく、2であることがより好ましい。前記qが2の場合、立体障害の影響が小さく、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の製造(合成)において、より好ましい態様となる。
上記一般式(1)中のrが0であり、Rbが、水素原子であることが好ましく、また、rが1〜3であり、Rbが、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、及び、炭素数6〜10のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に前記rが0であって、Rbが、水素原子であることで、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂中のインダン骨格の形成の際に、立体障害が少なくなり、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の製造(合成)にとって、有利となり、好ましい態様となる。
上記一般式(1)中、エポキシ基を有することで、様々な硬化剤との配合が可能となり、種々の要求特性に応じた配合が可能となることから、実用上、好ましい態様となる。
<インダンビスフェノール化合物の製造方法>
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の原料である前記インダンビスフェノール化合物の製造方法について、以下に説明する。
下記一般式(2)は、Rcはそれぞれ独立に下記一般式(3)及び(4)よりなる群から選択される一価の官能基を示しており、2つのRcの少なくとも一方のRcのオルト位が水素原子で、Rb及びrは、上記と同様のものを示す化合物である。
Figure 2021130744
Figure 2021130744
Figure 2021130744
下記一般式(5)は、xは1又は2であることが好ましく、xが1であることがより好ましい。水酸基(フェノール性水酸基)を有することで末端にフェノール性水酸基を導入することが可能となり、好ましい態様となる。なお、Ra及びqは、それぞれ上記と同様のものを示すフェノールまたはその誘導体であり、上記一般式(2)の化合物と、下記一般式(5)の化合物を、酸触媒存在下に反応させることにより、下記一般式(6)で示されるインダンビスフェノール化合物を得ることができる。なお、下記一般式(6)中のRa、Rb、q、r、x及びnは上記と同様のものを示す。
Figure 2021130744
Figure 2021130744
Figure 2021130744
前記インダンビスフェノール化合物の特徴であるインダン骨格(上記一般式(7)参照)において、平均繰り返し単位数nは、低い融点(低軟化点)で、かつ溶融粘度が低く、ハンドリング性に優れたものとするため、平均繰り返し単位数n(平均値)として、0.2〜20であり、好ましくは0.5〜10.0であり、より好ましくは、1.0〜8.0である。前記インダンビスフェノール化合物の構造中に、インダン骨格を有することで、溶剤溶解性に優れ、好ましい態様となる。なお、前記nが0.2未満であれば、前記インダンビスフェノール化合物の構造中の高融点物質の含有割合が高くなり、溶剤溶解性に劣り、更に、可撓性に寄与する高分子量成分の割合が低くなるため、前記インダンビスフェノール化合物を原料とするインダンビスフェノール型エポキシ樹脂を用いて得られる硬化物の耐脆性が低下し、更に、可撓性や柔軟性も低下する恐れがあり好ましくない。また、前記nが20を越えると、溶剤に溶解した際に粘度が高くなり、得られる硬化物の耐熱性が劣ることが懸念され、更に、高分子量成分が多くなりすぎ、硬化物を成形する際に、流動性が低下し、ハンドリング性に劣ることが懸念され、好ましくない。
本発明において用いる上記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(a)」)は、特に限定されないが、典型的には、p−及びm−ジイソプロペニルベンゼン、p−及びm−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、p−及びm−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、1−(α−ヒドロキシイソプロピル)−3−イソプロペニルベンゼン、1−(α−ヒドロキシイソプロピル)−4−イソプロペニルベンゼンあるいはこれらの混合物を用いる。またこれらの化合物の核アルキル基置換体、例えば、ジイソプロペニルトルエン及びビス(α−ヒドロキシイソプロピル)トルエン等も用いることができ、さらに核ハロゲン置換体、例えば、クロロジイソプロペニルベンゼン及びクロロビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン等も用いることができる。
その他、前記化合物(a)として、例えば、2−クロロ−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−クロロ−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−ブロモ−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−ブロモ−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−ブロモ−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、2−ブロモ−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、4−ブロモ−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4−ブロモ−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、5−ブロモ−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、5−ブロモ−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−メトキシ−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−メトキシ−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、5−エトキシ−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、5−エトキシ−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−フェノキシ−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−フェノキシ−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2,4−ジイソプロペニルベンゼンチオール、2,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンチオール、2,5−ジイソプロペニルベンゼンチオール、2,5−ビス(αヒドロキシイソプロピル)ベンゼンチオール、2−メチルチオ−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−メチルチオ−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−フェニルチオ−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、2−フェニルチオ−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−フェニル−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−フェニル−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−シクロペンチル−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−シクロペンチル−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、5−ナフチル−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、5−ナフチル−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2−メチル−1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−メチル−1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、5−ブチル−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、5−ブチル−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、5−シクロヘキシル−1,3−ジイソプロペニルベンゼン、5−シクロヘキシル−1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンなどを例示することができる。
なお、前記化合物(a)中に含まれる置換基としては、特に限定はされず、上記例示の化合物を使用できるが、立体障害の大きな置換基の場合、立体障害の小さな置換基に比べて、得られるインダンビスフェノール化合物同士のスタッキングが生じにくく、インダンビスフェノール化合物同士の結晶化が起こりにくく、つまり、インダンビスフェノール化合物の溶剤溶解性が向上し、好ましい態様となる。
また、上記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(b)」)としては、フェノールまたはその誘導体であり、特に限定されないが、典型的には、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール;フェノール;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール等のブチルフェノール;p−ペンチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール;p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1置換フェノール;1−ナフトール、2−ナフトール等の縮合多環式フェノール;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン等の多価フェノール等が挙げられる。これらフェノールまたはその誘導体は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。中でも、例えば、2,6−キシレノールや2,4−キシレノールといったフェノール性水酸基に対してオルト位、パラ位のうち2つがアルキル置換された化合物を使用することが、より好ましい態様となる。但し、立体障害が大きすぎると、インダンビスフェノール化合物の合成時における反応性を阻害する場合も懸念されるため、例えば、炭素数1〜4のアルキル基を有する化合物(b)を使用することが好ましい。
本発明に用いる上記一般式(6)で表されるインダンビスフェノール化合物の製造方法においては、前記化合物(a)と前記化合物(b)を、前記化合物(a)に対する前記化合物(b)のモル比(化合物(b)/化合物(a))を、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.2〜8.0で仕込み、酸触媒存在下に反応させることにより、インダン骨格を有するインダンビスフェノール化合物を得ることができる。
前記反応に用いる酸触媒には、例えば、リン酸、塩酸、硫酸のような無機酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸等の有機酸、活性白土、酸性白土、シリカアルミナ、ゼオライト、強酸性イオン交換樹脂のような固体酸、ヘテロポリ塩酸等を挙げることができるが、反応後、塩基による中和と水による洗浄で簡便に除去できる均一系触媒であるシュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸(中でも、p-トルエンスルホン酸)を用いることが好ましい。
前記酸触媒の配合量は、最初に仕込む原料の前記化合物(a)、及び、前記化合物(b)の総量100質量部に対して、酸触媒を0.001〜40質量部の範囲で配合されるが、経済性の点から、0.001〜5質量部が好ましい。
前記反応温度は、通常50〜300℃の範囲であればよいが、異性体構造の生成を抑制し、熱分解等の副反応を避け、高純度のインダンビスフェノール化合物を得るためには、80〜200℃が好ましい。
前記反応時間としては、短時間では反応が完全に進行せず、また長時間にすると生成物の熱分解反応等の副反応が起こることから、前記反応温度条件下で、通常は、のべ0.5〜24時間の範囲であるが、好ましくは、のべ0.5〜12時間の範囲である。
前記インダンビスフェノール化合物の製造方法においては、フェノールまたはその誘導体が溶剤を兼ねるため、必ずしも他の溶剤は用いなくても良いが、溶剤を用いることも可能である。例えば、脱水反応を兼ねた反応系の場合、具体的には、α−ヒドロキシプロピル基を有する化合物を原料として反応させる場合には、トルエン、キシレン、又はクロロベンゼン等の共沸脱水可能な溶剤を用いて、脱水反応を完結させた後、溶剤を留去してから、上記反応温度の範囲で反応を行う方法を採用してもよい。
前記インダンビスフェノール化合物を合成するために使用される有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、スルホラン等の非プロトン性溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒等が挙げられ、またこれらは単独で用いても混合して用いてもよい。
前記インダンビスフェノール化合物の水酸基当量としては、耐熱性の観点から、好ましくは、100〜1000g/eqであり、より好ましくは、150〜800g/eqである。なお、インダンビスフェノール化合物の水酸基当量は、滴定法により算出したものであり、JIS K 0070に準拠した中和滴定法を指す。
<インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の製造方法>
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の製造方法(エポキシ化反応)について、以下に説明する。
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂は、塩基性触媒存在下、前記インダンビスフェノール化合物とエピハロヒドリン類との脱ハロゲン化水素によるジグリシジルエーテル化反応といった公知の方法によって得ることができる。
前記エピハロヒドリン類としては、例えば、エピクロルヒドリンやエピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても混合して用いてもよい。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
前記塩基性触媒としては、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10質量%〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。
前記インダンビスフェノール化合物と前記エピハロヒドリン類との反応としては、前記インダンビスフェノール化合物に含まれる水酸基1モルに対し、前記エピハロヒドリン類を1〜10モルを添加し、更に、前記インダンビスフェノール化合物の水酸基1モルに対し、0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加、または、徐々に添加しながら、20〜120℃の温度で、0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
また、エポキシ化反応時に、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調製するために、適宜2種以上を併用してもよい。
また、前記有機溶媒と水とを併用してもよい。この時、混合溶媒中における水に使用比率は、混合溶媒100質量部に対して5〜60質量部の範囲であることが好ましく、特に10〜50質量部の範囲であることが好ましい。
なお、エポキシ化反応時に使用する塩基性触媒が水溶液である場合には、当該水溶液に含まれる水の含有量は、前記混合溶媒中の水として規定するものには含めないものとする。
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは、仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが好ましい。
上述のエポキシ化反応の終了後は、反応生成物を水洗した後、加熱減圧条件下で未反応のエピハロヒドリン類や併用した有機溶媒を留去する。更に、得られるインダンビスフェノール型エポキシ樹脂中の加水分解性ハロゲンを一層低減するために、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるインダンビスフェノール型エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲が好ましい。反応終了後は生成した塩を濾過又は水洗などにより除去し、加熱減圧条件下で有機溶媒を留去することにより、加水分解性塩素の含有率が低い目的のインダンビスフェノール型エポキシ樹脂を得ることができる。
反応終了後は、反応生成物を水洗した後、加熱減圧条件下で未反応のエピハロヒドリン類や併用した有機溶媒を留去する。更に、得られるインダンビスフェノール型エポキシ樹脂中の加水分解性ハロゲンを一層低減するために、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるインダンビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後は生成した塩を濾過又は水洗などにより除去し、加熱減圧条件下で有機溶媒を留去することにより、目的のインダンビスフェノール型エポキシ樹脂を得ることができる。
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、150〜1000g/eqであることが好ましく、200〜800g/eqであることがより好ましい。前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が150g/eq以上であると、耐熱性に優れることから好ましい。一方、エポキシ樹脂のエポキシ当量が1000g/eq以下であると、耐熱性と溶融粘度のバランスに優れることから好ましい。
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の軟化点としては、200℃以下であることが好ましく、30〜180℃であることがより好ましい。前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の軟化点が戦記範囲内であると、加工性に優れるため好ましい。
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記インダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有することを特徴とする。前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂がインダン骨格を有することにより、溶剤溶解性に優れ、硬化性樹脂組成物の調製が容易で、ハンドリング性に優れ、前記インダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂の構造中に極性官能基の割合が少ないため、誘電特性に優れた硬化物を得ることができる。また、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することで、硬化性樹脂組成物の調製時の流動性が良好となり、密着性に優れた硬化物を得ることができ、例えば、銅箔を使用する回路基板など製造において、有用となる。また、前記活性エステル化合物を使用することで、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の硬化剤として機能し、硬化時に誘電特性を悪化させる水酸基が生成しないことで誘電特性に優れた硬化物となり、電子機器用の回路基板の材料として、有用となる。
<活性エステル化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記活性エステル化合物を含有することを特徴とする。前記活性エステル化合物としては、分子構造中に活性エステル構造を有する化合物であれば、その具体的な構造は問われない。また、その分子量も特に制限がなく、単分子量の化合物であってもよいし、分子量分布を有するオリゴマー、または、ポリマーであってもよい。なお、前記活性エステル構造とは、アリールオキシカルボニル構造を意味する。
前記活性エステル化合物の具体例としては、以下(AE1)〜(AE4)のようなものが挙げられる。なお、これらはあくまでも活性エステル化合物の一例であって、本発明の活性エステル化合物はこれに限定されるものではない。
活性エステル化合物(AE1):分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)とのエステル化物、
活性エステル化合物(AE2):分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)と芳香族モノカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a4)とのエステル化物、
活性エステル化合物(AE3):分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)と、分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)のエステル化物、
活性エステル化合物(AE4):芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)、分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)と、芳香族モノカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a4)のエステル化物、等が挙げられる。
中でも、前記活性エステル化合物が、分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)とのエステル化物(前記活性エステル化合物(AE1))、もしくは、分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)と、分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)とのエステル化物(前記活性エステル化合物(AE3))であることがより好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどの芳香族モノヒドロキシ化合物を挙げることができる。中でも、硬化剤がα−ナフトール、β−ナフトールo−フェニルフェノール、及び/又はp−フェニルフェノールの残基を有することでより低い誘電正接の硬化物を得ることができる。
フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)としては、芳香族多価ヒドロキシ化合物を挙げることができる。芳香族多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、レゾルシノール、ヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1,6−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、3,3',5,5'−テトラメチルビスフェノールF、3,3',5,5'−テトラメチルビフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物;1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、トリフェノールメタン等の芳香族トリヒドロキシ化合物;2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,2,2−テトラフェノールエタン等を挙げることができる。また、前記化合物(a3)は、下記式(8)で表される化合物でもよい。但し、式(8)中、mは0〜20の整数である。
Figure 2021130744
上記式(8)において、Arはそれぞれ独立して、フェノール性水酸基を含有する置換基を表し、Zは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜20のアルキレン、置換若しくは非置換の炭素原子数3〜20のシクロアルキレン、炭素原子数6〜20のアリーレン、又は炭素原子数8〜20のアラルキレンである。
Arとしては、特に制限されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどの芳香族モノヒドロキシ化合物の残基を挙げることができる。
前記炭素原子数1〜20のアルキレンとしては、特に制限されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、1−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレン等が挙げられる。
前記炭素原子数3〜20のシクロアルキレンとしては、特に制限されないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、シクロへプチレン、および下記式(9−1)〜(9−4)で表されるシクロアルキレン等が挙げられる。なお、下記式(9−1)〜(9−4)において、「*」はArと結合する部位を表す。
Figure 2021130744
前記炭素原子数6〜20のアリーレンとしては、特に制限されないが、下記式(10)で表されるアリーレン等が挙げられる。なお、下記式(10)において、「*」はArと結合する部位を表す。
Figure 2021130744
前記炭素原子数8〜20のアラルキレンとしては、特に制限されないが、下記式(11−1)〜(11−5)で表されるアラルキレン等が挙げられる。なお、下記式(11−1)〜(11−5)において、「*」はArと結合する部位を表す。
Figure 2021130744
上述のうち、式(8)中のZは、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン、炭素原子数6〜20のアリーレン、炭素原子数8〜20のアラルキレンであることが好ましく、式(9−3)、(9−4)、(10)、(11−1)〜(11−5)で表されるものであることが、密着性と誘電特性の観点からより好ましい。式(8)におけるmは、0または1〜10の整数であり、好ましくは0〜8であり、溶剤溶解性の観点から、好ましくは0〜5である。
また、前記化合物(a3)は、下記式(12)記載の構造でも良い。但し、式(12)中、lは1以上の整数、Rは水素原子、アルキル基、アリール基を示す。
Figure 2021130744
上記式(12)において、lは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12の整数である。アルキル基としては、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。アリール基としては、ベンジル基、ナフチル基、メトキシナフチル基等を挙げることができる。
前記化合物(a3)は、上述した中でも、反応生成物の溶剤溶解性と誘電特性の点で、式(8)、(12)で表される化合物が好ましく、更に、式(8)の内、Arがフェノール、オルソクレゾール、又はα−ナフトール、β−ナフトールの残基であり、かつZが式(9−3)、(10)、(11−1)〜(11−5)であるもの、及び、式(12)であるものがより好ましい。
芳香族モノカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a4)としては、例えば、安息香酸、安息香酸クロリドを挙げることができる。
芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−、2,3−、あるいは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメシン酸、トリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸;ピロメリット酸;およびこれらの酸塩化物等を挙げることができる。中でも、反応物の融点や溶剤溶解性が優れる点で、イソフタル酸、あるいはイソフタル酸とテレフタル酸との混合物が好ましい。
上記構造を有する活性エステル化合物としては、例えば、下記式(13)で表される構造を有する活性エステル化合物を挙げることができる。
Figure 2021130744
上記式(13)中、Xは1価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表す。nは0〜20、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜10の整数である。
また、前記活性エステル化合物としては、例えば、下記式(14)で表される構造を有する活性エステル化合物を挙げることができる。
Figure 2021130744
上記式(14)中、Yは2価のフェノール性水酸基を含有する化合物残基を表し、Rは水素原子、アルキル基を表す。nは0〜20、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜10の整数である。アルキル基としては、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
この中でも、耐湿熱性に優れる点で、上記式(13)で表される活性エステル化合物であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物に含有される活性エステル化合物のエステル化当量は、150〜400g/eqであることが好ましく、160〜350g/eqであることがより好ましく、170〜300g/eqであることがさらに好ましい。活性エステル化合物のエステル化当量を上記範囲とすることで、耐熱性と誘電特性を良好なバランスとすることができる。
前記活性エステル化合物の溶融粘度は、200℃、ICI粘度計により測定した値として0.01〜500dPa・sであることが好ましく、0.01〜400dPa・sであることがより好ましく、0.01〜300dPa・sであることがさらに好ましい。活性エステル化合物の溶融粘度を上記範囲とすることで、成形性と硬化物の耐熱性を良好なバランスとすることができる。
前記活性エステル化合物の軟化点は、特に限定されないが、溶剤溶解性の点で、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましく、170℃以下であることがさらに好ましい。
活性エステル化合物の製造方法としては、特に限定されず、無水酢酸法、界面重合法、溶液法などの公知慣用の合成法により製造することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の他のエポキシ樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で特に限定なく使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で特に限定なく使用でき、アルケニル基含有化合物、例えば、ビスマレイミド類、アリルエーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリルシアヌレート、アルケニルフェノール系化合物、ビニル基含有ポリオレフィン化合物や、熱硬化性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネート樹脂等の樹脂成分等も適宜配合することが可能である。
〔その他硬化剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物には、前記活性エステル化合物以外の硬化剤を、本発明の硬化を損なわない範囲で加えることもできる。なお、硬化剤全量100質量%に対して、前記活性エステル化合物は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。
前記活性エステル化合物以外の硬化剤としては、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物、などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
前記アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
前記アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記酸無水物系化合物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂と前記活性エステル化合物を含む硬化剤との配合割合は、硬化性に優れ、弾性率が高く、低誘電特性、耐熱性に優れる硬化物が得られることから、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂中のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基(前記活性エステル化合物の場合、活性エステル基)が0.5〜1.5当量になる量が好ましく、より好ましくは、0.6〜1.4当量であり、更に好ましくは、0.7〜1.3当量である。
〔硬化促進剤〕
本発明は、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂を使用するため、必要に応じて、本発明の硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に絶縁材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物、イミダゾール類が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記硬化促進剤の添加量は、例えば、前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲で用いることが好ましい。
〔難燃剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、難燃性を発揮させるために、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合することができる。前記非ハロゲン系難燃剤として、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、これらを単独、あるいは、組み合わせて用いることができる。
〔充填剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、無機質充填剤を配合することができる。前記無機質充填剤として、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填剤の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつ、成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また、前記硬化性樹脂組成物を以下に詳述する導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
〔その他配合剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることが好ましい。前記硬化性樹脂組成物は、上述した各成分を均一に混合することにより得られ、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。前記硬化物としては、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
前記硬化(熱硬化)反応としては、無触媒下でも容易に行われるが、さらに速く反応させたい場合には、有機過酸化物、アゾ化合物のような重合開始剤やホスフィン系化合物、第3級アミンの様な塩基性触媒の添加が効果的である。例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルホスフィン、トリエチルアミン、イミダゾール類等があり、これらの配合量としては、硬化性樹脂組成物全体(前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂と前記活性エステル化合物を含む硬化剤の合計量)に対して、たとえば、0.01〜10質量%となるように配合することが好ましい。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、補強基材、及び、前記補強基材に含浸した前記硬化性樹脂組成物の半硬化物を有することが好ましい。前記プリプレグの作製方法としては、公知の方法を使用できるが、前記硬化性樹脂組成物を、有機溶剤に溶解(希釈)した樹脂ワニスを補強基材に含浸させ、樹脂ワニスを含浸させた補強基材を熱処理することにより、前記硬化性樹脂組成物を半硬化(あるいは未硬化)させることで、プリプレグとすることができる。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の中から、単独、あるいは、2種以上の混合溶媒として用いることができる。
前記樹脂ワニスを含浸させる補強基材としては、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機繊維、有機繊維からなる織布や不織布、またはマット、紙等であり、これらを単独、あるいは、組み合わせて用いることができる。
前記プリプレグ中の硬化性樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の硬化性樹脂組成物(中の樹脂分)が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。
前記プリプレグの熱処理の条件としては、使用する有機溶剤、触媒、各種添加剤の種類や使用量などに応じて、適宜選択されるが、通常、80〜220℃の温度で、3分〜30分といった条件で行われる。
<耐熱材料および電子材料>
本発明の硬化性樹脂組成物により得られる硬化物が、耐熱性、及び、誘電特性に優れることから、耐熱部材や電子部材に好適に使用可能である。特に、回路基板、半導体封止材、半導体装置、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、接着剤やレジスト材料などに好適に使用できる。また、繊維強化樹脂のマトリクス樹脂にも好適に使用でき、高耐熱性のプリプレグとして特に適している。また、前記硬化性樹脂組成物に含まれる前記インダンビスフェノール型エポキシ樹脂は、各種溶剤への優れた溶解性を示すことから塗料化が可能である。こうして得られる耐熱部材や電子部材は、各種用途に好適に使用可能であり、例えば、産業用機械部品、一般機械部品、自動車・鉄道・車両等部品、宇宙・航空関連部品、電子・電気部品、建築材料、容器・包装部材、生活用品、スポーツ・レジャー用品、風力発電用筐体部材等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて製造される代表的な製品について例を挙げて説明する。
<回路基板>
本発明において、回路基板としては、前記プリプレグ、及び、銅箔を積層し、加熱圧着成型して得られることが好ましい。具体的には、本発明の硬化性樹脂組成物から回路基板を得る方法としては、上記プリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜300℃で10分〜3時間、加熱圧着成型させる方法が挙げられる。
<半導体封止材>
本発明において、半導体封止材としては、前記硬化性樹脂組成物を含有することが好ましい。具体的には、本発明の硬化性樹脂組成物から半導体封止材を得る方法としては、前記硬化性樹脂組成物に、更に任意成分である硬化促進剤、および無機充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合する方法が挙げられる。その際、無機充填剤としては、通常、溶融シリカが用いられるが、パワートランジスタ、パワーIC用高熱伝導半導体封止材として用いる場合は、溶融シリカよりも熱伝導率の高い結晶シリカ,アルミナ,窒化ケイ素などの高充填化、または溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などを用いるとよい。その充填率は、硬化性樹脂組成物100質量部当たり、無機充填剤を30〜95質量部の範囲で用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。
<半導体装置>
本発明において、半導体装置としては、前記半導体封止材を加熱硬化した硬化物を含むことが好ましい。具体的には、本発明の硬化性樹脂組成物から半導体装置を得る半導体パッケージ成形としては、上記半導体封止材を注型、または、トランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜250℃で、2〜10時間の間、加熱硬化する方法が挙げられる。
<ビルドアップ基板>
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板を得る方法としては、工程1〜3を経由する方法が挙げられる。工程1では、まず、ゴム、フィラーなどを適宜配合した前記硬化性樹脂組成物を、回路を形成した回路基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。工程2では、必要に応じて、硬化性樹脂組成物が塗布された回路基板に所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、前記基板に凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。工程3では、工程1〜2の操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップしてビルドアップ基板を成形する。なお、前記工程において、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行うとよい。また、本発明におけるビルドアップ基板は、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜300℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
<ビルドアップフィルム>
本発明のビルドアップフィルムは、前記硬化性樹脂組成物を含有することが好ましい。本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップフィルムを得る方法としては、例えば、支持フィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布したのち、乾燥させて、支持フィルムの上に樹脂組成物層を形成する方法が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアップフィルムに用いる場合、該フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう前記各成分を配合することが好ましい。
ここで、回路基板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
前記したビルドアップフィルムを製造する具体的な方法としては、有機溶剤を配合してワニス化した樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、前記ワニス化した樹脂組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥して、樹脂組成物層(X)を形成する方法が挙げられる。
ここで用いる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
なお、形成される前記樹脂組成物層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする必要がある。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、前記樹脂組成物層(X)の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。なお、本発明における前記樹脂組成物層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
前記支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、あるいは、加熱硬化することにより、絶縁層を形成した後に、剥離される。ビルドアップフィルムを構成する樹脂組成物層が加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
なお、前記のようにして得られたビルドアップフィルムから多層プリント回路基板を製造することができる。例えば、前記樹脂組成物層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、前記樹脂組成物の層(X)を回路基板に直接接するように回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。また必要により、ラミネートを行う前にビルドアップフィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を70〜140℃とすることが好ましく、圧着圧力を1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)とすることが好ましく、空気圧を20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
<導電ペースト>
本発明の硬化性樹脂組成物から導電ペーストを得る方法としては、例えば、導電性粒子を該組成物中に分散させる方法が挙げられる。上記導電ペーストは、用いる導電性粒子の種類によって、回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とすることができる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。なお、以下に示すGPC、及び、軟化点は、以下の条件にて測定し、評価を行った。
<GPC測定の評価)>
以下の測定装置、測定条件を用いて測定し、以下に示す合成例で得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)、及び、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)のGPCチャート(図1及び図2)を得た。前記GPCチャートの結果より、インダンビスフェノール化合物の数平均分子量(Mn)に基づき、インダンビスフェノール化合物中のインダン骨格に寄与する平均繰り返し単位数nを数平均分子量(Mn)に基づき算出した(なお、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂の平均繰り返し単位数nは、前記インダンビスフェノール化合物の平均繰り返し単位数nと同様である。)。具体的にはnが0〜4の化合物について、理論分子量とGPCにおけるそれぞれの実測値分子量とで散布図上にプロット、近似直線を引き、直線上の実測値Mn(1)が示す点より数平均分子量(Mn)を求め、nを算出した。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8320 GPC」
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPCワークステーション EcoSEC−WorkStation」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準:前記「GPCワークステーション EcoSEC−WorkStation」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料:以下に示す合成例で得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)、及び、インダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)の固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
<軟化点>
測定法:JIS K7234(環球法)に準拠して、以下に示す合成例で得られたインダンビスフェノール型エポキシ樹脂の軟化点(℃)を測定した。
合成例1(インダンビスフェノール化合物(A−1)の合成)
撹拌機、ディーンスターク装置と冷却管、窒素封入口が備わったフラスコに、窒素ガスを吹き込みながら、2,6−キシレノール244部、m−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン388部、トルエン633部、パラトルエンスルホン酸1水和物19部を仕込み、加熱した。途中、反応で生じた水を、ディーンスターク装置を使用して除去しながら、120℃まで昇温し、10時間ホールドした。反応液を冷却後、49%水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHが中性になるまで中和した。水洗により触媒残渣を除去したのち、加熱と減圧により揮発分を留去することで、インダンビスフェノール化合物(A−1)を得た。得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)の平均繰り返し単位数nは、1.50であり、水酸基当量は342g/eqであった。得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)のGPCチャート(図1)を示す。
Figure 2021130744
合成例2(インダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)342g(水酸基当量342g/eq、1.0モル)、エピクロルヒドリン370g(4.0モル)、n−ブタノール27gを仕込み溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。次に、得られた粗インダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)にメチルイソブチルケトン800gとn−ブタノール120gとを加え溶解した。更にこの溶液に10重量%水酸化ナトリウム水溶液15部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してインダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)を得た。得られたエポキシ樹脂(A−2)の軟化点は73℃、エポキシ当量は419g/eqであり、平均繰り返し単位数nはインダンビスフェノール化合物(A−1)と同様である。得られたインダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)のGPCチャート(図2)を示す。
Figure 2021130744
合成例3(活性エステル化合物(C−1)の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、ジシクロペンタジエンとフェノールの重付付加反応樹脂(水酸基当量:165g/eq、軟化点85℃)165gとα−ナフトール72g(0.5モル)とトルエン630gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、イソフタル酸クロライド152g(0.75モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液210gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、熱減圧下乾燥して活性エステル化合物(C−1)を合成した。この活性エステル化合物(C−1)のエステル化当量は223g/eq、軟化点は150℃であった。
合成比較例1(α―ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−1)の合成)
撹拌機・冷却管、窒素封入口が備わったフラスコに、窒素ガスを吹き込みながら、α―ナフトール360部、トルエン586部、ビスクロロメチルビフェニル377部を仕込み、80℃に加熱した。ここに、49%水酸化ナトリウム水溶液245部を1時間かけて滴下したのち、90℃に加熱して11時間ホールドした。85%リン酸を使用してpHが中性になるまで中和し、撹拌を停止し下層を抜き出した。パラトルエンスルホン酸15部を添加し、揮発成分を留去しながら2時間かけて180℃まで加熱したのち、49%水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHが中性になるまで中和し、内温を維持しながら減圧し、揮発分を留去したのち、得られた樹脂を取り出してα−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−1)を得た。水酸基当量は272g/eqであった。
合成比較例2(エポキシ樹脂(B−2)の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、合成例1で得られたα−ナフトールビフェニルアラルキル樹脂(B−1)272g(水酸基当量272g/eq、1.0mol)、エピクロルヒドリン740g(8.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。次に、得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン600gとn−ブタノール100gとを加え溶解した。更にこの溶液に10重量%水酸化ナトリウム水溶液15部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水200gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、α−ナフトールビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(B−2)を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は100℃、エポキシ当量は325g/eqであった。
<硬化性樹脂組成物の調製>
〔実施例1、比較例1及び比較例2〕
表1に示すように、活性エステル化合物(C−1)100gに対して、前記活性エステル化合物(C−1)中の官能基数が、それぞれのエポキシ樹脂中のエポキシ基のモル数と等量になるように、それぞれのエポキシ樹脂を配合し、次いで、ジメチルアミノピリジンを前記活性エステル化合物(C−1)とそれぞれのエポキシ樹脂との合計質量に対して、0.2質量%になるように配合し、メチルエチルケトン(MEK)を用いて希釈し、不揮発分が58質量%になるように調製し、それぞれの硬化性樹脂組成物を得た。
なお、比較例1では、インダン骨格を有さないエポキシ樹脂として、DIC社製、商品名:EPICLON HP−7200H、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(軟化点:83℃、エポキシ当量:278g/eq)を使用した。
<積層板の作成>
下記条件で、銅箔付きの積層板を作成した。
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
銅箔:JX日鉱日石金属株式会社製 JTC箔(18μm)
プライ数:6
プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cmで1.5時間、成型後板厚:0.8mm
<ガラス転移温度(Tg)>
得られた積層板を、長さ55mm×幅5mm×厚さ0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片(銅箔なし)として、粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度を、ガラス転移温度(Tg)(℃)として評価した。
<誘電特性の評価(誘電正接の測定)>
得られた樹脂板を、長さ800mm×幅1.6mm×厚さ0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として、JIS−C−6481に準拠し、アジレント・テクノロジー株式会社製インピーダンス・マテリアル・アナライザ「HP4291B」により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の試験片の10GHzでの誘電正接を測定した。
<層間密着性>
JIS−6911に準拠し、上記得られた銅箔付き積層板を幅10mm、長さ200mmのサイズに切り出し、これを試験片として層間の密着性を測定した。
Figure 2021130744
上記表1の評価結果より、実施例1においては、インダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を使用することで、耐熱性、低誘電正接(低誘電特性)、及び、密着性を満足できることが確認された。一方、比較例1および比較例2においては、インダン骨格を有さないエポキシ樹脂を使用したため、実施例1と比較して、誘電正接が高く、密着性も低いことが確認された。
本発明のインダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂を使用し得られる硬化物は、耐熱性、及び、誘電特性に優れることから、耐熱部材や電子部材に好適に使用可能であり、特に、半導体封止材、回路基板、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板等や、接着剤やレジスト材料に好適に使用可能である。また、繊維強化樹脂のマトリクス樹脂にも好適に使用可能であり、高耐熱性のプリプレグとして適している。
合成例1で得られたインダンビスフェノール化合物(A−1)のGPCチャート図である。 合成例2で得られたインダンビスフェノール型エポキシ樹脂(A−2)のGPCチャート図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるインダン骨格を有するインダンビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、活性エステル化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    Figure 2021130744
    (上記式(1)中、Raは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基またはメルカプト基を表し、qは0〜4の整数値を示す。qが2〜4の場合、Raは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。Rbは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基もしくはアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、アリールオキシ基もしくはアリールチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基またはメルカプト基を表し、rは0〜3の整数値を示す。rが2〜3の場合、Rbは同一環内で同じであってもよいし異なっていてもよい。nは平均繰り返し単位数であり、0.2〜20の数値を示す。)
  2. 前記活性エステル化合物が、
    分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)とのエステル化物、もしくは、
    分子構造中にフェノール性水酸基を1つ有する化合物(a1)と、芳香族ポリカルボン酸又はその酸ハロゲン化物(a2)と、分子構造中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物(a3)とのエステル化物、であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物。
  4. 補強基材、及び、前記補強基材に含浸した請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の半硬化物を有することを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項4に記載のプリプレグ、及び、銅箔を積層し、加熱圧着成型して得られることを特徴とする回路基板。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするビルドアップフィルム。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする半導体封止材。
  8. 請求項7に記載の半導体封止材を加熱硬化した硬化物を含むことを特徴とする半導体装置。
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