JP2002056857A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2002056857A JP2000241174A JP2000241174A JP2002056857A JP 2002056857 A JP2002056857 A JP 2002056857A JP 2000241174 A JP2000241174 A JP 2000241174A JP 2000241174 A JP2000241174 A JP 2000241174A JP 2002056857 A JP2002056857 A JP 2002056857A
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    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アノードに有機燃料を直接供給しながら発電
する燃料電池において、クロスオーバーを抑制しながら
良好な出力特性を得ることができる燃料電池を提供す
る。 【解決手段】 アノード22とカソード23に挟持され
た電解質膜21を、有機電解質層211と無機電解質層
212とをイオン交換体を介して積層して構成するとと
もに、有機電解質層211を無機電解質層212よりア
ノード22側に配する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に関し、
特に、メタノールなどの有機燃料をアノードに直接供給
しながら発電する燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、直接型メタノール燃料電池(DM
FC:Direct MethanolFuel Cel
l)を始めとして、メタノールやジメチルエーテルなど
の有機燃料を改質せずに直接アノードに供給しながら運
転する燃料電池が開発されている。このような燃料電池
においては、メタノールなどの有機燃料を水素リッチな
改質ガスに改質するための改質器を必要としないため、
構成が簡単であり携帯機器用や車載用の電源などの用途
に期待されている。
【0003】こうした燃料電池においては、通常、アノ
ード側に有機燃料を供給しながらカソード側に空気を供
給して運転しており、一般的なDMFCを例に説明する
と、アノード側においてメタノール水溶液が供給され、
下記式のように反応が起こる。 CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-… そして、アノード側で発生するプロトン(H+)は、電
解質である固体高分子膜を透過してカソード側に移動
し、カソードにおいて下記式のように空気中の酸素と
反応する。
【0004】O2+4H++4e-→2H2O… 上記固体高分子膜は、式で発生した水、およびアノー
ド側に供給されるメタノール水溶液中の水分により保湿
されるのでプロトン伝導性は確保される。ところで、こ
のような燃料電池においては、メタノールなどの有機燃
料が固体高分子膜を透過してカソードまで到達し、空気
中の酸素と直接燃焼反応を起こす、いわゆるクロスオー
バーが発生するという問題がある。このクロスオーバー
は、カソード電位などの電池の出力性能を低下させてし
まうので、優れた出力を得ようとすればできるだけこれ
を抑制することが望まれる。
【0005】クロスオーバーを抑制する技術としては、
特開平10−40936号公報に記載されている技術が
ある(第1従来技術)。この技術によると、固体高分子
膜中にメタノール酸化触媒層を設けるとともにカソード
側の固体高分子膜を多孔質にしてその触媒層に酸素を供
給し、クロスオーバーしてくるメタノールを酸化させて
二酸化炭素と水に変換して除去し、クロスオーバーを抑
制している。
【0006】また、特開2000−106202号公報
に記載されている技術(第2従来技術)によると、無機
化合物にメタノール透過抑制効果があることを利用し
て、固体高分子膜のアノード側に無機化合物からなる電
解質層を形成することによってクロスオーバーを防止し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
第1、第2従来技術では、依然、電池の出力性能が低下
するという問題点がある。上記第1従来技術において
は、メタノール酸化触媒層において発生する水が固体高
分子膜のカソード側の多孔部を塞いでしまうことによ
り、メタノール酸化触媒層への酸素の供給量が低下して
触媒能が低下しメタノールが完全に分解されない恐れが
あるため、電池の出力性能が低下してしまう。
【0008】上記第2従来技術においては、アノードと
固体高分子膜との間にメタノール透過抑制効果のある無
機電解質層が形成されるため、アノード側から固体高分
子電解質膜へのメタノールの移動が低減されるが、それ
に伴って水分の移動も低減されるので、固体高分子電解
質膜の含水量が低下して十分にプロトン伝導性を確保す
ることが難しいという問題がある。また、上記無機電解
質層は、通常、ゲルを乾燥して多孔質体を形成するもの
であり、当該層表面に形成される細かな凹凸により無機
電解質層と固体高分子膜との接触面において隙間が生じ
るので、プロトン移動が妨げられて導電性の低下を伴
い、電池の出力性能は低下するという問題もある。
【0009】他方、固体高分子膜に変わる電解質膜とし
て、メタノールのクロスオーバーを抑制することがで
き、低温でも使用できる無機系プロトン電解質膜の開発
も進められているが、現状では薄膜化すると機械的強度
が弱く壊れやすく、厚みを持たせ壊れにくくすると導電
性が低くなり電池の性能が低下するという問題があり、
実用化するにはまだ多くの改善の余地が残っている。
【0010】本発明は、上記の問題に鑑み、メタノール
などの有機燃料をアノードに直接供給しながら発電する
燃料電池において、出力性能が優れた燃料電池を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る燃料電池では、電解質膜にアノードと
カソードが配されたセルを備え、前記アノードに有機燃
料を供給するとともに、前記カソードに酸化剤ガスを供
給することによって発電する燃料電池であって、前記電
解質膜は、第1の電解質層と、当該第1の電解質層より
も有機燃料の透過性が低い第2の電解質層とが積層され
てなり、前記第1の電解質層は前記第2の電解質層より
もアノード側に配されることを特徴とする。
【0012】このように低い有機燃料透過性を有する第
2電解質層がアノードとカソード間に介在することによ
って、有機燃料が電解質膜を透過してカソード側に到達
すること、すなわちクロスオーバーが抑制されるととも
に、第1電解質層は第2電解質層よりもアノード側に配
されているため、この第1電解質層には有機燃料が保持
される。ここで、第1電解質層として固体高分子膜のよ
うに有機燃料とともに水分も保持する性質があるものを
用いると、当該第1電解質層には十分な含水量を保つこ
とができ、プロトン伝導性が維持される。よって、電池
の出力特性も向上する。
【0013】また、前記第1の電解質層と前記第2の電
解質層は、イオン交換機能を有したバインダ層を介して
密着されることを特徴とする。このバインダにより、第
1電解質層と第2電解質層とが3次元的に密着すること
ができるので両層の接着性が向上しはがれにくくなると
ともに、両層間におけるプロトン伝導性が向上して電池
の出力特性も向上する。
【0014】また、実用的には、第1電解質層には固体
高分子膜をはじめ、有機燃料存在下で含水量が増加する
高分子材料からなる膜が用いられるが、この場合、第2
電解質層として有機燃料透過抑制効果のある無機化合物
を用いることが電池の出力特性上好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る燃料電池の実
施の形態を、DMFCに適用した場合について図面を参
照しながら説明する。 (1)DMFCのセル構成 図1は、本発明の一実施形態にかかるDMFCの要部分
解斜視図であって、1つのセルユニットを示している。
【0016】同図に示すように、セルユニット10は、
セル20、アノード側プレート30、カソード側プレー
ト40とから構成されており、セル20が両プレート3
0,40に挟持されている。セル20は、電解質膜2
1、アノード22、カソード23を備え、電解質膜21
を介してアノード22、カソード23が対向して設けら
れている。
【0017】電解質膜21は、有機電解質層211と無
機電解質層212とが積層されて構成され、アノード2
2側には有機電解質層211が、カソード側には無機電
解質層212が配される。有機電解質層211は、パー
フルオロアルキルスルホン酸系樹脂からなるイオン交換
膜であり、例えばNafion(デュポン社製)やFl
emion(旭硝子社製)が用いられる。
【0018】無機電解質層212は、上記有機電解質層
211と比較して高いメタノール透過抑制する機能を持
ち、かつプロトン伝導性を有する膜状のものであり、例
えば、P25やSiO2を含むゲル状物質を膜状に形成
したものが特に優れた機能を持つ。この無機電解質層2
12は、金属アルコキシドからゾル−ゲル法を用いて作
製されるが詳しくは後述する。なお、上記ゲル状物質に
種々の金属酸化物が添加されて使用される場合もある。
【0019】アノード22、カソード23は、それぞれ
貴金属触媒を担持したカーボン粉末とパーフルオロアル
キルスルホン酸系樹脂とが混合され、撥水化処理の施さ
れたカーボンペーパ上に膜状に形成されたものである。
例えば、アノード22側の貴金属触媒としては白金(P
t)−ルテニウム(Ru)(Pt担持量:1mg/cm
2、Pt/Ruはモル比で1/1)、カソード23側の
貴金属触媒としては、白金(Pt)(Pt担持量1mg
/cm2)が用いられる。
【0020】アノード側プレート30のアノード22と
対向する側の一主面には、アノード側チャネル31が形
成され、このチャネルに沿って電池の燃料であるメタノ
ール水溶液が供給される。カソード側プレート40のカ
ソード23と対向する側の一主面には、カソード側チャ
ネル41が形成されており、このチャネルに沿って酸化
剤としての空気が供給される。 (2)電解質膜21の作製方法 次に、本実施の形態に特徴的な電解質膜21を作製する
方法について説明する。
【0021】電解質膜21は、上述したように、有機電
解質層211と無機電解質層212とが積層されて構成
されている。有機電解質層211は、一般の固体高分子
型燃料電池などにも使用される、上記パーフルオロアル
キルスルホン酸系の高分子膜(厚み約200μm)が使
用され、所定の大きさに切断される。ここで、膜の厚み
は特に限定されないが、プロトン伝導性の関係から薄い
方が好ましい。
【0022】無機電解質層212は、上述したようにプ
ロトン伝導性を有する膜状のものである。この無機電解
質層212を形成する無機ゲルは、例えばケイ酸エチ
ル、リン酸メチルからなる混合金属アルコレート溶液を
水、エタノールの混合溶媒に混合させた後、塩酸又はア
ンモニアおよびホルムアルデヒドを加えて加水分解さ
せ、室温付近で数日間ゲル化させて作製される。この無
機ゲルをPTFEシートの片面に塗布、乾燥させて所定
の厚み(約10μm)の無機電解質層212が形成され
る。
【0023】電解質層21は、上記形成された無機電解
質層212の面213上にイオン交換体(有機電解質層
211と同じ成分)の溶液をキャストして乾燥させ、そ
の面上に上記有機電解質層211が接するように積層し
た後、所定条件(例えば、温度:150℃、圧力:50
kg/cm2、時間:60秒)でホットプレスして接合
し、PTFEシートを剥離することによって形成され
る。
【0024】ところで一般に、こうした無機電解質層2
12は乾燥時に水分が蒸発して多孔質体となり、表面に
細かい凹凸が必ず生じる。そのため、無機電解質層21
2と有機電解質層211との間には隙間が生じ、カソー
ド23側からのプロトンの移動を阻害するという問題
や、有機/無機電解質層の界面が剥がれやすいという問
題が生じる。そこで、上述したように無機電解質層21
2と有機電解質層211との間に上記イオン交換体の溶
液をキャストさせて乾燥させたのち両層をホットプレス
で接着することにより、このイオン交換体がバインダの
役目を果たし、有機/無機電解質層が3次元的に接触す
るようになる。これによって、有機電解質層211と無
機電解質層212の間の密着性が向上するので、強度的
に剥がれにくくなるとともに、プロトンの移動がスムー
ズになり電池の出力性能向上にも寄与する。
【0025】(3)燃料電池の動作 上記燃料電池においては、以下のような動作が行われ
る。セルユニット10において、アノード側チャネル3
1にはメタノール水溶液が供給され、カソード側チャネ
ル41には空気が供給される。アノード22では、アノ
ード側チャネル31を流通する水溶液中のメタノールと
水が上記式で示される反応を起こす。この反応により
生成するプロトンは、電解質膜21を通過してカソード
23に移動する。
【0026】カソード23では、カソード側チャネル4
1を流通する空気中の酸素と、アノード22から移動し
てくるプロトンとにより、上記式の反応を起こす。こ
の反応により生成する水の一部は電解質膜21に保持さ
れることとなる。ここで、プロトンともにアノード側か
らカソード側に移動しようとするメタノールは、有機電
解質層211は透過するが、無機電解質層212には透
過しにくい。したがって、クロスオーバーは抑制され
る。
【0027】また、電解質膜21のうち有機電解質層2
11を構成するパーフルオロアルキルスルホン酸高分子
膜は、単に水のみを含浸させる場合の含水量と比べて、
メタノール水溶液を含浸させる場合の含水量が増加する
ことが知られている(固体高分子型燃料電池の開発と実
用化:技術情報協会著p63)。セル20においては、
アノード22と有機電解質層211とが接触しているの
で、有機電解質層211にはアノード側からメタノール
水溶液が供給され、上記特性により有機電解質層211
には含水量が十分に確保される。そのため、第2従来技
術のようにプロトン伝導性が低下することはない。すな
わち、プロトン伝導性を十分に確保するとともにクロス
オーバ-を抑えることができるので、電池の出力性能を
向上することができる。
【0028】また、第1従来技術のような、有機電解質
層の中央部の触媒層を設けていないため、触媒層への酸
素供給問題も存在しない。したがって、それに起因する
カソード電位の低下も生じない。加えて、上述したよう
に、メタノール水溶液が含浸される有機電解質層211
においては含水量が増加し十分な保湿状態に保たれるた
め、プロトン伝導性に優れ、電池の出力性能が向上す
る。
【0029】なお、上記実施の形態では、アノード側に
メタノールを有機燃料として直接供給しながら運転する
DMFCについて説明したが、有機燃料としてジメチル
エーテルや、エタノールなどの低級アルコールを直接供
給しながら運転する燃料電池においても本発明を適用す
ることが可能であり、これらの燃料電池においても電池
の出力性能を高めることができると考えられる。
【0030】〔実施例〕上記実施の形態に基づいて、D
MFCを作製し、単セルで運転を行った。図2は、本実
施例のDMFCにおけるセル20(図1参照)の概略側
面図である。同図に示すように、セル20は燃料供給側
から順に、アノード22、有機電解質層211、無機電
解質層222、カソード23と積層された構成をしてい
る。
【0031】〔比較例1〕本比較例1のDMFCは、実
施例のDMFCと電解質膜の構成が異なるのみであるの
で、図3を用いて説明する。図3は、本比較例1におけ
るDMFCのセルの概略側面図である。同図に示すよう
に、比較例1のセルは燃料供給側から順に、アノード5
22、有機電解質層5211、カソード523と積層さ
れた構成をしており、実施例とは無機電解質層212を
設けていない点で異なっている。なお、アノード52
2、有機電解質層5211、カソード523は、それぞ
れ実施例におけるものと同じものを使用している。
【0032】〔比較例2〕本比較例2のDMFCは、実
施例のDMFCと電解質膜の構成が異なるのみであるの
で、図4を用いて説明する。図4は、本比較例2におけ
るDMFCのセルの概略側面図である。同図に示すよう
に、セルは燃料供給側から順に、アノード622、無機
電解質層6212、有機電解質層6211、カソード6
23と積層された構成をしており、有機電解質層と無機
電解質層の配置が逆転している点、および有機/無機電
解質層の間をイオン交換体を介して密着させていない点
で実施例と異なっている。なお、アノード622、無機
電解質層6212、有機電解質層6211、カソード6
23については実施例におけるものと同じものを使用し
ている。
【0033】〔実験〕上記実施例および比較例1,2の
DMFCを以下に示す運転条件に設定して運転しなが
ら、端子間電圧(V)および内部抵抗(Ωcm2)を測
定した。測定結果を表1に示す
【0034】
【表1】 燃料:メタノール水溶液(1.5mol/L) 酸化剤:空気 セル温度:90℃ 電流密度:100mA/cm2 この表1の結果からわかるとおり、実施例と比較例1を
比較すると、端子間電圧値および内部抵抗値ともに実施
例のDMFCが比較例1のDMFCより優れている。こ
れは、比較例1のDMFCにおいてはクロスオーバーが
発生するが、実施例のDMFCにおいてはクロスオーバ
ーの発生が抑制されているためと考えられる。
【0035】すなわち、実施例、比較例1のDMFCと
もに、有機電解質層211,5211までは燃料のメタ
ノールが浸透するが、比較例1においてはメタノールが
その後カソード523まで到達してクロスオーバーが生
じ、特に端子間電圧が低下する。他方、実施例において
は、有機電解質層211からカソード23の間にメタノ
ール透過抑制効果のある無機電解質層212が存在する
ために、メタノールはカソード23まで到達せず、クロ
スオーバーは生じない。したがって、実施例のDMFC
においては電池の出力性能に優れると考えられる。
【0036】また、実施例と比較例2とを比較すると、
実施例のDMFCは比較例2のDMFCに比べ、端子間
電圧が若干高い。これは実施例の方がプロトン伝導性が
高いためと考えられる。また、このプロトン伝導性の高
さは、内部抵抗値においては、実施例が比較例2の値の
約1/2となっていることからも示される。このプロト
ン伝導性の高さは、有機電解質層の含水量の違いおよび
無機電解質層と有機電解質層との密着状態の違いに起因
するものと思われる。両者とも無機電解質層212,6
212の存在によりクロスオーバーを防止している点で
は違いがないものの、比較例2のDMFCの場合、無機
電解質層6212がアノード622側に配されることに
よって、メタノール水溶液中のメタノールとともに水分
も有機電解質層6211への進行を妨げられる結果、有
機電解質層6211の含水量が低下すると考えられる。
そのため、比較例2ではプロトン伝導性が低下し、内部
抵抗値が高くなる。
【0037】一方、実施例のDMFCの場合には、メタ
ノール水溶液がアノード22側から浸透してその水分に
より有機電解質層211は保湿されるとともに、有機電
解質層211はパーフルオロアルキルスルホン酸系の高
分子からなるためメタノール存在下で含水量が増加する
ことから、単に水が含まれている場合よりも多くの含水
量が保たれるので、プロトン伝導性に優れ、電池の内部
抵抗は低減する。加えて、実施例のように有機燃料を含
浸できる有機電解質層がアノードに接して配されれば、
有機電解質層においてメタノールが拡散しそれに接する
アノード面内の燃料分布を均一にすることができるが、
比較例2の無機電解質層6212においては、そのメタ
ノール透過抑制効果ゆえにメタノールをほとんど含浸保
持できないため、アノード622面内の燃料分布均一性
が低下する。そのため、比較例2ではプロトン伝導性が
さらに低下すると考えられる。
【0038】さらに、実施例のDMFCにおいては、有
機電解質層211と無機電解質層212との間は、イオ
ン交換体からなるバインダを介して密着されており、こ
のイオン交換体を介して2つの電解質層間でのプロトン
伝導性が向上される。よって、実施例のDMFCでは端
子間電圧が向上し、出力特性は向上すると考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
燃料電池によれば、電解質膜が、第1の電解質層と、当
該第1の電解質層よりも有機燃料の透過性が低い第2の
電解質層とが積層されてなり、前記第1の電解質層は前
記第2の電解質層よりもアノード側に配されるので、有
機燃料が電解質膜を透過してカソードへ到達すること、
すなわちクロスオーバーを抑制することができるととも
に、第1の電解質層には有機燃料および水分が十分に含
浸されてプロトン伝導性が維持されるので、電池の内部
抵抗が減少し出力性能が向上する。
【0040】また、本発明に係る燃料電池によれば、第
1の電解質層と第2の電解質層が、イオン交換機能を有
したバインダ層を介して密着されるので、第1電解質層
と第2電解質層は3次元的に密着して接するように構成
され、機械的強度が増して剥がれにくくなるとともに、
プロトン伝導性が向上して電池の出力性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るDMFCの要部分解
斜視図である。
【図2】本発明の実施例のセルユニットの概略側面図で
ある。
【図3】比較例1におけるセルユニットの概略側面図で
ある。
【図4】比較例2におけるセルユニットの概略側面図で
ある。
【符号の説明】
10 セルユニット 20 セル 21 電解質膜 22 アノード 23 カソード 30 アノード側プレート 31 アノード側チャネル 40 カソード側プレート 41 カソード側チャネル 211 有機電解質層 212 無機電解質層
フロントページの続き (72)発明者 近野 義人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA08 CC03 CX05 EE11 EE17 HH04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質膜にアノードとカソードが配され
    たセルを備え、前記アノードに有機燃料を供給するとと
    もに、前記カソードに酸化剤ガスを供給することによっ
    て発電する燃料電池において、 前記電解質膜は、第1の電解質層と、当該第1の電解質
    層よりも有機燃料の透過性が低い第2の電解質層とが積
    層されてなり、 前記第1の電解質層は前記第2の電解質層よりもアノー
    ド側に配されることを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記第1の電解質層と前記第2の電解質
    層は、イオン交換機能を有したバインダ層を介して密着
    されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記第1の電解質層は、前記有機燃料の
    存在下で含水量が増加する高分子化合物からなり、前記
    第2の電解質層は、前記有機燃料に対して透過抑制効果
    のある無機化合物からなることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の燃料電池。
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